特許第6960046号(P6960046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6960046膨張可能な物品を封止及び空気充填する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960046
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】膨張可能な物品を封止及び空気充填する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 73/02 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
   B29C73/02
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-511943(P2020-511943)
(86)(22)【出願日】2018年6月11日
(65)【公表番号】特表2020-531324(P2020-531324A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】EP2018065255
(87)【国際公開番号】WO2019063144
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2020年2月27日
(31)【優先権主張番号】102017217259.2
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510156561
【氏名又は名称】コンチネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ツァウム・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ビアラッハ・フィリップ・マティアス
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/148854(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/10−3/12
B29C 73/00−73/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張可能な物品を封止及び空気充填する方法であって、
シーラント容器(2)内のシーラントが前記膨張可能な物品の中に供給され、
その後、電気モータによって駆動されたコンプレッサを用いて封止圧又はポンプ圧が生成され、それによって、前記膨張可能な物品が封止され、所定の動作圧力で空気充填される、方法において、
前記膨張可能な物品の中へ充填中又は入った後に前記シーラントに発泡剤(12)が添加され、前記発泡剤が前記シーラントの少なくとも1つの化学成分と発泡ガスを形成し、前記発泡ガスが前記シーラントの少なくとも一部分量とエアロゾルを形成することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記発泡剤は、前記シーラントの供給の間においてシーラントに生じる流動力又は圧縮力によって放出され、及び/又は前記シーラントと混合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
変形可能なシーラント容器内に存在するシーラントは、手動の変形によって前記膨張可能な物品の中に供給される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発泡剤は、別の容器から前記シーラントに添加される、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記発泡剤は、手動の変形によって放出され、前記シーラントに混合される、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記発泡剤は、前記コンプレッサのポンプ圧によって前記シーラントに添加される、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記発泡剤は、重炭酸塩、酸性化剤、並びに、分離剤から成る混合物を含み、
前記酸性化剤は、酒石酸、クエン酸、二リン酸二水素二ナトリウム、又は、オルトリン酸一カルシウムのうちの1種又は複数種の酸から形成される、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記発泡剤は、0.2mmから1.00mmの等価直径の粒子を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記エアロゾルは、凝縮された形において、以下の成分、
・固形分に基づく3〜20%のラテックス、
・固形分に基づく3〜20%の粘着付与剤、粘着付与剤の平均粒径は、<1μmであり、
・20℃で5〜15Paの蒸気圧と、180℃から220℃の沸点とを有する1種又は複数種の5〜30%のグリコール、及び、
・30〜80%の水、
を含む、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記シーラントは、0.5%〜5%の1種又は複数種の強力な界面活性剤及び/又は、1種又は複数種のアルキルアリルエーテル硫酸塩を含む、請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置(1)であって、
変形可能なスクイーズボトル(2)として形成されたシーラント容器と、膨張可能な物品へのシーラントの充填及び通過のために形成された接続要素又はアダプタ(3)、シーラント容器および弁へのそれぞれの接続のための末端部(4)を有し、車両タイヤの弁への接続用に形成された、ホース形状の接続要素(3)と、を備え、
前記シーラント容器(2)は、少なくともシールによって閉じられる開口部(6)を有し、前記シーラント容器(2)と前記接続要素との接続の形成の際に、動作状態の形成のために前記シールが打ち抜かれるように、前記接続要素(3、4)が前記開口部に接続可能である、装置(1)において、
前記発泡剤(12)は、前記膨張可能な物品の充填の際にシーラントと発泡剤との混合が行われるように、前記接続要素又は前記シーラント容器に配置されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項12】
前記接続要素は、両側にそれぞれ、前記動作状態の形成のために開口する栓(8、9)を有し、
前記接続要素(3)内の発泡剤(12)は、前記シーラントの導管路(11)内に配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記シールは、二重璧のシールフィルムによって形成され、
前記発泡剤は、前記シールの打ち抜きの際に、前記シーラントと前記発泡剤の混合がなされるように、前記シールフィルムの前記二重璧の間に配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記接続要素は、ねじ接続部(4、5)によって前記シーラント容器(2)と接続可能であり、
前記ねじ接続部(4)は、前記シールを打ち抜くための部品(10)を有する、請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨張可能な物品を封止及び空気充填する方法、特に車両タイヤを封止及び空気充填する方法に関し、その際、シーラント容器内のシーラントが膨張可能な物品の中に供給され、その後、好ましくは電気モータによって駆動されたコンプレッサを用いて封止圧又はポンプ圧が生成され、それによって、膨張可能な物品が封止され、所定の動作圧力で空気充填される、方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、上記方法の実施に特に適した装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タイヤのパンクの際、通常、以下のような問題が存在する。例えば乗用車の慣例のように、空気が充填され、リムに装着されたスペアタイヤを携行する必要があり、スペアタイヤは損傷したタイヤが装備された車輪に代わって取り付けられる。その後、損傷したタイヤは、スペアタイヤのために設けられた車両内の収容スペースに固定され、その後修理されなければならない。さらに加えて、対応する収容スペースを得るために、車両に積まれた荷物を取り出すことがしばしば必要とされるのみならず、車両自体をジャッキで整備用架台に載せ、面倒な修理作業も行わねばならない。
【0004】
この不都合を回避するために、一時的なタイヤ修理のための修理セットやパンクセットがかなり以前から知られている。その修理セットやパンクセットは、コンプレッサ、タイヤ内で凝固するシーラント、少なくともラテックスミルク混合物、対応する接続ホース、及びエネルギー供給のために必須のケーブル接続、また、スイッチ、圧力計、及び操作ユニットを含み、それによって、常に使用可能で完備した修理セットを供給する。その修理セットによって、リムに装着されたスペアタイヤの携行を省略でき、又は、ホース、様々な工具レンチ、ジャッキ等のような他の修理用具の恒常的な点検を省略できる。
【0005】
そのようなパンクセットに必要なシーラントは、ユーザによって手動(スクイーズシステム)で、又はエアコンプレッサ(ポンプシステム)を使って、適用され得る。ポンプシステムの場合には、エアコンプレッサの最初の始動後に、シーラントが、分配弁を介して正圧によって対応するシーラント容器から損傷したタイヤ内に供給される。スクイーズシステムの場合には、エアコンプレッサの最初の始動前に、シーラントが、スクイーズボトルを使用して、ユーザによる手動によって損傷したタイヤ内に圧入される。
【0006】
第2のプロセスステップにおいて、損傷したタイヤは、所定の最小圧力まで空気によって充填される。従来のシステムでは、タイヤ損傷に起因する漏れによる空気の流出に対して、タイヤの再充填が行われる。漏れの封止は、さらなる走行(Weiterfahrt)の際のシーラントの分配によって、最小圧力に達成した後において初めて実現される。そのため、タイヤ内のシーラントの分配のためにタイヤを動かすことなく、タイヤの漏れを封止することは困難である。特に、上記「スクイーズシステム」の場合には、すなわち、スクイーズボトルからシーラントを手動で充填する場合には、最初からタイヤ内のシーラントを均等に分配する可能性は低く、また、ユーザの力に依存する。
【0007】
存在する損傷の封止の前に、対応するタイヤは所定の最低圧まで充填されねばならないため、うまく作動させるためには、非常に高性能なエアコンプレッサが必要とされる。この実情は、システム全体の製造コストを大幅に増加させ、タイヤパンクセットのサイズと重さの下限を定める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、本発明の課題は、パンクセットを用いて修理を行う際の作業ステップを軽減し、またタイヤ作動によるシーラントの分配を、可能な限り、従来の程度において必要とされないように作業ステップを変更することにある。その際、さらに、サイズ又は重さの低減化によってタイヤパンクセットの製造コストを削減可能な方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。さらなる有利な形態は従属請求項において開示される。同様に、装置が開示され、その装置を利用することによって、単一の一般的な発明思想の実現において、膨張可能な物品又はタイヤの内部における確実で十分なシーラントの分散、及び、それによる、漏れ箇所内におけるシーラントの必要とされる早急な封止又は凝固の開始が可能となる。
【0010】
その際、膨張可能な物品の中へ充填中又は入った後にシーラントに発泡剤(Treibmittel)が添加され、その発泡剤がシーラントの少なくとも1つの化学成分と発泡ガス(Treibgas)を形成し、その発泡ガスがシーラントの少なくとも一部分量(Teilmenge)とエアロゾルを形成する。
【0011】
通常、気体内の固体又は液体の浮遊粒子から成る不均質の混合物が、エアロゾルと呼ばれる。本発明の方法においては、タイヤ内への供給の間においてシーラントに発泡剤が混合される。それによって、まずは膨張可能な物品への入力弁/入力ノズル内又はその背後において、しかし遅くとも物品内又はタイヤ内において、シーラント成分との化学反応において、シーラントの一部をエアロゾルに移行する発泡ガスが生成される。
【0012】
エアロゾルは、エアコンプレッサを用いたタイヤ充填の間において、既に損傷したタイヤ内に分散されており、また、場合によっては存在する漏れ箇所によって流出する空気流によって流される。通常、漏れ箇所は、膨張可能な物品内又はタイヤ内における、多かれ少なかれ大きな穴、又は損傷からなる。損傷自体において、シーラントエアロゾルは、存在する漏れ箇所の早期の事前封止の意味において、凝固による縮小化をもたらす。用語「事前封止」は、ここでは、少なくとも20%のタイヤ漏れの縮小化を指す。そのため、タイヤの充填時間は、事前封止のない場合と対比して大幅に短縮される。また、いずれせよ、本発明の方法を使用しない、すなわちエアロゾルを形成しない従来のシステム要件と比較して、低出力の経済的なコンプレッサの使用が可能となる。
【0013】
有利なさらなる形態は、発泡剤が、シーラントの供給の間において、シーラントに発生する流動力又は圧縮力によって放出され、及び/又はシーラントと混合される、ということにある。それによって、適用前に必要とされ、コストのかかるシーラントと発泡剤との両成分の混合を回避することができる。
【0014】
さらなる有利な形態は、変形可能なシーラント容器内に、好ましくはクラッシュボトル内に存在するシーラントが、手動の変形によって膨張可能な物品の中に供給される、ということにある。本方法のそのような形態は、コストのかかるいくつかの方法ステップを要求せず、また、非常に安価な部材の使用を可能にする。スクイーズボトルは、非常に簡易に製造でき、また、タイヤのパンクの際の導入の後において、本方法の実施のために必要な部分に交換されねばならない場合などに、容易に交換できる。
【0015】
有利なさらなる形態は、発泡剤が、別の容器からシーラントに添加される、ということにある。それによって、発泡剤の耐久性が確保され、シーラントとの早すぎる混合が防止される。
【0016】
さらなる有利な、特に簡素な形態は、発泡剤が、手動の変形によって放出され、シーラントに混合される、ということにある。そのため、例えば、スクイーズボトルを力強く押すことによって、シーラントを追い出すだけでなく、発泡剤を含むフィルム袋を押し破れる。
【0017】
さらなる有利な形態は、発泡剤が、膨張可能な物品の中に入る際に、好ましくはコンプレッサのポンプ圧によってシーラントに添加される、ということにある。そのような方法形態は、混合に必要な流れの強さ、又は必要な圧力が手動でなく、「いずれにせよ」備えられるコンプレッサによって提供されることによって、操作を容易化する。
【0018】
さらなる有利な形態は、発泡剤が、本質的に、重炭酸塩、好ましくはナトリウム重炭酸塩及び/又はカリウム重炭酸塩、酸性化剤、並びに、分離剤(Trennmittel)から成る混合物を含み、酸性化剤は、好ましくは、酒石酸、クエン酸、二リン酸二水素二ナトリウム、又は、オルトリン酸一カルシウムのうちの1種又は複数種の酸から形成される、ということにある。
【0019】
それによって、発泡剤は、かなり容易に入手でき、かつ購入に有利である、粉末ソーダ(Brausepulver)又は膨らし粉としての使用に適正な部材から構成される。重炭酸塩と、例えば、食品産業からの1種又は複数種の酸から成る酸性化剤との混合物は、容易に製造できる。より良い保存耐久性および湿気保護のために、そのような用途に一般的な分離剤、例えば穀物澱粉が使用できる。
【0020】
さらなる有利な形態は、発泡剤が、0.2mmから1.00mmの等価直径の粒子を有する、ということにある。それは、シーラントと発泡剤との混合性能に有利な効果を生む。そのため、シーラント液は、発泡剤を通って流れ、その際、発泡剤を全体的に吸収し、十分な時間において発泡剤を溶解することができる。
【0021】
タイヤシーラントの水性部分における発泡剤の溶解によって、その際、選択した組成に応じて、以下の反応が起こる。
3NaHCO3(aq)+C6H8O7(aq)→Na3C6H5O7(aq)+3H2O(l)+3CO2(g)
【0022】
ラテックスベースのシーラントの大部分の基本的なpH値に起因して、可能な限り完全な反応経過を得るために、10〜30%増量の酸性化剤を添加することが有利である。
【0023】
2.2gの炭酸水素ナトリウム、2gのクエン酸、及び0.4gのとうもろこし澱粉の組成の発泡剤を用いた実施例では、20℃において0.6リットルまでのCO2ガスが生成される。
【0024】
最適なエアロゾルを得るために、さらなる有利な方法の形態は、エアロゾルが凝縮された形態において、以下の成分、
・固形分に基づく3〜20%のラテックス、好ましくは天然ラテックス、
・固形分に基づく3〜20%の粘着付与剤、好ましくは接着樹脂、特にロジン樹脂分散液(Kolophoniumharzdispersion)、粘着付与剤の平均粒径は、好ましくは、<1μm、特に<0.5μmであり、
・20℃で5〜15Paの蒸気圧と、180℃から220℃の沸点とを有する、5〜30%の1種又は複数種のグリコール、及び、
・30〜80%の水、
を含むように、シーラント混合物を適合させる、ということにある。
【0025】
さらなる有利な形態は、シーラントが、0.5%〜5%の1種又は複数種の強力な界面活性剤、好ましくは界面活性剤スルホン酸塩、特にアニオン性モノ又はジスルホン酸塩、及び/又は、1種又は複数種のアルキルアリルエーテル硫酸塩を含む、ということにある。それによって、係数又はパラメータ
【0026】
【数1】
の最大化が可能になる。ここで、界面活性剤の追加は、密度ρ及び動的粘性ηの低下を引き起こす。しかしながら、動的粘性は、記載された係数において2乗の形で組み込まれているため、所望の最大化は、典型的には、所定の濃度から達成される。
【0027】
その簡素な形態に起因して、有益な、及び本発明の方法の実施に特に適した装置は、変形可能なスクイーズボルトとして形成されたシーラント容器と、膨張可能な物品へのシーラントの充填及び通過のために形成された接続要素又はアダプタ、特に、シーラント容器および弁とそれぞれ接続するための末端部を有し、車両タイヤの弁への接続用に形成された、本質的にホース形状の接続要素と、を備える。シーラント容器は、少なくともシール、特にシールフィルムによって閉じられる開口部を有し、シーラント容器と接続要素とを接続する際に、動作状態を形成するためにシールが打ち抜かれるように、接続要素が開口部に接続可能である。
【0028】
その場合に、発泡剤は、膨張可能な物品の充填の際に、すなわち、容器から接続要素を介して膨張可能な物品/タイヤへのシーラントの供給の際に、シーラントと発泡剤との混合が行われるように、接続要素又はシーラント容器に配置されている。そのような状況によって、封止が必要とされ、混合がなされる場合において、シーラントと発泡剤との組み合わせが初めて可能になる。そのため、追加の準備、又は別の混合処理が省略される。
【0029】
有利なさらなる装置の形態は、接続要素が、両側にそれぞれ、動作状態の形成のために開口する栓を有し、接続要素内の発泡剤が、好ましくは、接続要素の少なくとも一部において粉状の充填物として、シーラントの導管路内に配置されている、ということにある。それは、特に簡素に製造される装置の形態であり、必要とされる場合に、発泡剤が「自動的に」正しい場所に位置することを確実にする。接続要素は封止プロセスのために常に使用されるため、接続要素内の発泡剤の配置によって、発泡剤の存在が確保される。
【0030】
さらなる同様の有利な形態は、シールが、二重璧のシールフィルムによって形成され、シールの打ち抜きの際に、シーラントと発泡剤とが混合されるように、発泡剤がシールフィルムの二重璧の間に配置されている、ということにある。そのような形態によって、例えば、接続要素の形態に依存ぜずに、発泡剤が常に使用可能な状態に置くことが可能になる。例えば、接続要素を、上記のような発泡剤なしの簡素な方式で、又は、シーラントと発泡剤の充填をコンプレッサ圧力によって可能にする分配装置の形状の接続要素を、そのように形成されたシーラント容器に接続させることができる。
【0031】
さらなる有利な形態は、接続要素が、ねじ接続部によってシーラント容器と接続可能であり、ねじ接続部は、シールを打ち抜くための部品を有する、ということにある。そのような形態においても、装置の使用が簡素化され、また、追加の開封過程を不慣れなユーザに要求することが回避される。
【0032】
装置の実施例に基づいて、装置及び本発明の方法が詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】原則として、接続要素を有するマニュアル操作のスクイーズボトルの形態において本発明による方法を実施するための装置。
図2】断面図における、発泡剤−充填物を有する図1の装置の接続要素。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、原則として、本方法を実施するための装置を示す。すなわち、図1は、「スクイーズシステム」として車両タイヤ用に形成された装置1を示す。装置1は、ユーザによって手動操作される、シーラント容器としてのスクイーズボトル2を備え、左側に保管又は輸送状態で、右側に使用可能状態で示される。
【0035】
本装置は、さらに、タイヤ内へのシーラントの充填及び通過のために形成されたホース形状の接続要素3を備える。接続要素3は、ここでは詳細に示されない車両タイヤの弁への接続のために形成され、スクイーズボトル2のねじ山5に接続するためのねじスリーブ4形状の末端部を備える。図1の右側に示された使用可能状態は、ねじ留めされた接続要素を備えた装置を示す。
【0036】
スクイーズボトル2は、同様にここでは詳細に示されないシール、すなわち、保管又は輸送状態においてスクイーズボトル2の開口部6を封鎖する簡素なシールフィルムを備える。シーラント容器と接続要素との接続がなされる場合に、ねじスリーブ4内に内部ねじ山7を有する接続要素が、スクイーズボトルにねじ留めされる際に、使用可能状態の作成のためにシールは打ち抜かれる。
【0037】
接続要素3は、両側にそれぞれ、使用可能状態を作成するために開かれる栓キャップ形状の栓8、9を備える。左側の栓8は、スクイーズボトル2へのねじ留めの前に既に開かれている必要があり、右側の栓9は、スクイーズボトルへのそのねじ留めの後に開くことができる。
【0038】
栓キャップ8を開けた後にシールを打ち抜くために、接続要素3は、シール打ち抜きのためのリング状尖頭片(Ringspitze)又は空洞針(Hohlnadel)10の形状の部品を、ねじ接続部又はねじスリーブ4内に有する。
【0039】
接続要素3内に、すなわち、シーラントのために設けられた管状又はホース形状の、接続要素の導管路11内に、シーラントの発泡剤12が配置され、ここでは、導管路要素内の粉末状の充填物として形成されている。ここでは、充填の際に、すなわちスクイーズボトルへの押圧の際に、それによって引き起こされる導管路11を介してのタイヤへのシーラントの供給の際に、シーラントと発泡剤との混合が行われるように、発泡剤が、接続要素に配置されている。
【0040】
本装置において、接続要素又はアダプタ片は、シーラントの供給に加えて、追加の機能、すなわち、発泡剤として作用する粉末状の混合物を保管する機能も果たす。発泡剤は、そのため、個別の容器からシーラントに添加される。シーラントと発泡剤との混合の際に、化学反応が起こる。その化学反応の際に発生するガスが放出され、それは、食品分野の泡立つシャワーに例えることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 「スクイーズシステム」として本方法を実施するための装置
2 シーラント容器/スクイーズボトル
3 接続要素
4 ねじスリーブ
5 ねじ山
6 スクイーズボトルの開口部
7 ねじスリーブ内の内部ねじ山
8 栓、栓キャップ
9 栓、栓キャップ
10 リング状尖頭片又は空洞針
11 導管路
12 発泡剤
図1
図2