(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960115
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】建物の基礎構造および建物の基礎構造構築方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/12 20060101AFI20211025BHJP
E02D 27/42 20060101ALI20211025BHJP
E02D 35/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
E02D27/12 Z
E02D27/42 Z
E02D35/00
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-67771(P2017-67771)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-168621(P2018-168621A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2020年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】516079084
【氏名又は名称】株式会社デュアル・ポイント・システムズ
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】兼村 博文
(72)【発明者】
【氏名】池田 基行
(72)【発明者】
【氏名】三村 公二
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−264034(JP,A)
【文献】
特開平10−231525(JP,A)
【文献】
特開2002−256566(JP,A)
【文献】
特開2004−162259(JP,A)
【文献】
特開2006−307462(JP,A)
【文献】
特開2004−116225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/12
E02D 27/42
E02D 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭と上記基礎とを有しており、上記基礎に固定された基礎側固定部と上記杭の頂部側との間に介在する支持部材が、上記杭および上記基礎側固定部の少なくとも一方に、上記杭の移動を生じても上記基礎へは一定以上の力が伝達されないように制限的に係合されており、
上記制限的な係合として、上記支持部材が上記杭の頂部の面に横に摺動可能に接触することを特徴とする建物の基礎構造。
【請求項2】
建物の基礎の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭と上記基礎とを有しており、上記基礎に固定された基礎側固定部と上記杭の頂部側との間に介在する支持部材が、上記杭および上記基礎側固定部の少なくとも一方に、上記杭の移動を生じても上記基礎へは一定以上の力が伝達されないように制限的に係合されており、
上記杭の頂部の面に上記支持部材が接触しており、
上記支持部材の本体部の下部の水平面に設けられた筒部に上記杭の頂部が嵌合しており、上記筒部が制限的に上記本体部に係合されていることを特徴とする建物の基礎構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の建物の基礎構造において、上記支持部材と上記基礎側固定部の各々の縦面部同士が横配置に設けられた締結部材によって制限的に係合されていることを特徴とする建物の基礎構造。
【請求項4】
建物の基礎構造を得る建物の基礎構造構築方法であって、建物の基礎の水平方向側にずれた位置に杭を打ち込む工程と、上記基礎に基礎側固定部を固定する工程と、上記杭の頂部側と上記基礎側固定部との間に、支持部材を、上記杭の移動を生じても上記基礎へは一定以上の力が伝達されないように、上記杭および上記基礎側固定部の少なくとも一方に制限的に係合させる工程と、を含み、
上記基礎側固定部および上記支持部材の周囲にメッシュ型枠を配置し、このメッシュ型枠の外側まで土を埋め戻し、上記メッシュ型枠内に防錆性を有するセメントベントナイト系固化剤を投入することを特徴とする建物の基礎構造構築方法。
【請求項5】
請求項4に記載の建物の基礎構造構築方法において、上記杭によって上記建物の基礎の不同沈下を修復した後に上記の制限的な係合を行うことを特徴とする建物の基礎構造構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の基礎および杭を備える建物の基礎構造および建物の基礎構造構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不同沈下を生じた建物の水平修復を行う方法として、地盤の掘削量が少なくて済み、また単位杭を継ぐ際に継手の品質が安定したものとなり、さらに単位杭の本体となる鋼管を必要以上に厚くする必要のない方法が提案されている。具体的には、この方法は、建物の基礎の立ち上がり部の側面に反力取り治具を取付け、この反力取り治具で支えられるジャッキにより、基礎の近傍の地盤に杭を圧入する。また、例えば、杭の圧入が完了すると、反力取り治具を基礎から取り外し、基礎受け部材を基礎に残しておき、この残された基礎受け部材を、適宜のスペーサ兼用の連結材を介して杭に溶接で係合することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−264034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のように、上記基礎受け部材を、適宜のスペーサ兼用の連結材を介して杭の側に溶接により固定する場合、溶接工が必要になるが、このような溶接工を確保できない場合には、建物の水平修復工事が滞るという問題がある。また、現場での溶接作業となるので、一定の要求を満たすような溶接を的確に行うことも容易ではない。
【0005】
この発明は、上記の事情に鑑み、現場での溶接を必要としない建物の基礎構造および建物の基礎構造構築方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の建物の基礎構造は、上記の課題を解決するために、建物の基礎の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭と上記基礎とが、上記杭の移動を生じても上記基礎へは一定以上の力が伝達されないように制限的に係合されていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、建物の基礎の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭と上記基礎とが係合されるので、現場での溶接は不要となり、溶接工を確保できない場合における建物の基礎工事の滞りという問題を解決することができる。また、仮に、地震によって、上記杭に突き上げの力が生じたとしても、上記の制限的な係合の箇所において、上記基礎へは一定以上の力が伝達されないので、上記杭の突き上げに上記基礎が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくすることができる。
【0008】
上記基礎に固定された基礎側固定部と上記杭の頂部側との間に介在する支持部材が、上記杭および上記基礎側固定部の少なくとも一方に、制限的に係合されていてもよい。これによれば、上記杭と上記基礎とが直接的に係合される構造に比べ、上記基礎側固定部と上記支持部材とによって容易に上記制限的な係合の構造が得られるようになる。
【0009】
上記支持部材と上記基礎側固定部の各々の縦面部同士が横配置に設けられた締結部材によって制限的に係合されていてもよい。これによれば、上記杭に突き上げの力が生じたときに、上記縦面部同士のずれによって上記締結部材が破断されることが可能になり、上記杭の突き上げに上記基礎が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくすることができる。また、上記締結部材として規格化されているボルト等を用いれば、一定のせん断荷重を設定することも容易となる。また、上記支持部材や上記基礎側固定部の損傷を極力抑えて、基礎修復を迅速に行うことが可能になる。
【0010】
上記杭の頂部の面に上記支持部材が接触により制限的に係合されていてもよい。また、上記支持部材の本体部の下部の水平面に設けられた筒部に上記杭の頂部が嵌合しており、上記筒部が制限的に上記本体部に係合されていてもよい。これによれば、上記支持部材と上記杭を嵌合により容易に係合させることができるとともに、仮に、地震によって、上記杭が横に移動しても、上記筒部において、上記基礎へは一定以上の力が伝達されないので、上記杭の横移動に上記基礎が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくすることができる。
【0011】
また、この発明の建物の基礎構造構築方法は、建物の基礎構造を得る建物の基礎構造構築方法であって、建物の基礎の水平方向側にずれた位置に杭を打ち込む工程と、上記基礎に基礎側固定部を固定する工程と、上記杭の頂部側と上記基礎側固定部との間に、支持部材を、上記杭の移動を生じても上記基礎へは一定以上の力が伝達されないように、上記杭および上記基礎側固定部の少なくとも一方に制限的に係合させる工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記の方法であれば、建物の基礎の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭と上記基礎とが係合されるので、現場での溶接は不要となり、溶接工を確保できない場合における建物の水平修復工事の滞りという問題を解決することができる。また、仮に、地震によって、上記杭に突き上げの力が生じたとしても、上記係合の箇所において、上記基礎へは一定以上の力が伝達されないので、上記杭の突き上げに上記基礎が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくすることができる。
【0013】
上記基礎側固定部および上記支持部材の周囲にメッシュ型枠を配置し、このメッシュ型枠の外側まで土を埋め戻し、上記メッシュ型枠内に防錆性を有するセメントベントナイト系固化剤を投入してもよい。これによれば、上記土を埋め戻さずにコンクリートを全体に投入する場合のコンクリート量よりも少ない量のセメントベントナイト系固化剤で上記基礎側固定部および上記支持部材を覆うことができる。
【0014】
上記杭によって上記建物の基礎の不同沈下を修復した後に上記の制限的な係合を行うようにしてもよい。これによれば、建物の基礎の不同沈下の修復作業において上記制限的な係合による基礎構造を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明であれば、建物の基礎の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭と上記基礎とが係合されるので、現場での溶接が不要になり、溶接工を確保できない場合における建物の水平修復工事の滞りという問題を解決できる。また、仮に、地震によって、上記杭に突き上げの力が生じたとしても、上記係合の箇所において、上記基礎へは一定以上の力が伝達されないので、上記杭の突き上げに上記基礎が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る建物の基礎構造の一例を示した説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る建物の基礎構造構築方法の一例を示した説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る建物の基礎構造構築方法の一例を示した説明図である。
【
図4】
図3に示した工程の後工程を例示した説明図である。
【
図5】
図4に示した工程の後工程を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この実施形態にかかる建物の基礎構造は、
図1に示すように、建物の基礎1の水平方向側にずれた位置に打ち込まれた杭2と、上記基礎1に固定されたブラケット状の基礎側固定部3と、上記杭2の頂部側と上記基礎側固定部3との間に介在する支持部材4と、上記支持部材4と上記基礎側固定部3とを締結するボルト・ナット等の締結部材5と、を備える。
【0018】
上記基礎側固定部3の設けられる箇所の上記基礎1のベース部11の屋外側の一部分は、斫りがなされ、この斫りがされた箇所において、上記基礎側固定部3が上記基礎1に固定される。
【0019】
上記基礎側固定部3は、例えばH形鋼からなる縦部31とこの縦部31の下部側で上記基礎1のベース部11側に突出する例えばH形鋼からなる横部32とを備える。上記縦部31の上端には、取付プレート311が溶接により固定されている。また、上記縦部31と上記横部32同士も溶接により互いに固定されている。上記横部32はその上フランジ32aを上記基礎1のベース部11の底面に対向させている。上記横部32の上フランジ32aと上記基礎1のベース部11の底面とはグリップアンカー300によって互いに固定されている。また、上記縦部31のフランジ31aと上記基礎1とは、ケミカルアンカー301によって互いに固定されている。上記縦部31の他方のフランジ31bは上記支持部材4の側に位置する。
【0020】
上記杭2は、例えば、小口径鋼管杭からなる。また、この基礎構造が不同沈下修復による基礎構造であれば、上記杭2の地盤に対する反力を得て上記基礎1のジャッキアップが行われている。このジャッキアップが行われた状態で、上記杭2の頂部に上記支持部材4が設けられ、この支持部材4と上記基礎側固定部3とが上記締結部材5によって固定される。上記締結部材5は、上記基礎1が沈下しないように、当該基礎1を支えるせん断耐力を有しているが、地震で上記杭2に突き上げの力が生じたときには、この突き上げが基礎1に伝わらないように、せん断を生じるようになっている。すなわち、上記突き上げの力が生じても上記基礎1へは一定以上の力が伝達されないように上記支持部材4と上記基礎側固定部3とが上記締結部材5によって制限的に係合されている。上記の一定の力は、基礎1の破壊強度に基づいて適宜設定することができる。
【0021】
上記支持部材4は、例えば、H形鋼からなる本体部41と、この本体部41の下フランジ41aの下面に設けられた筒部としてのアウタースリーブ鋼管42とからなる。このアウタースリーブ鋼管42内に上記杭2が嵌合されており、この杭2の上端面が上記下フランジ41aの下面に接触する。上記アウタースリーブ鋼管42と上記杭2との間にはクリアランスが存在する。このクリアランスの範囲内で、上記杭2の頂部の上面と上記本体部41の下面とが摺動可能となっており、仮に、杭2が横に移動しても、この移動力が直接的に上記支持部材4を介して基礎1に伝わるのを回避することができる。
【0022】
また、上記アウタースリーブ鋼管42は、上記下フランジ41aの下面に溶接によって係合されているが、この溶接は現場で行われるものではない。また、この溶接は、上記杭2の移動を生じても上記基礎1へは一定以上の力が伝達されない制限的な係合となるように行われる。なお、現場においてこのような制限的な溶接を行うとすれば、現場においては一定の品質を確保することは容易ではないので、上記杭2の移動による上記基礎1への一定以上の力の制限に大きなばらつきが生じると思われる。一方、上記アウタースリーブ鋼管42の溶接が工場等の適切な環境で行えることで、一定の要求を満たすような溶接を的確に行うことができる。
【0023】
上記支持部材4の上記本体部41の端には、上記下フランジ41aと上フランジ41bとの間に渡ってエンドプレート43が溶接によって固定されている。そして、このエンドプレート43に事前形成されている貫通孔と上記フランジ31bに現場で形成された貫通孔とを通して上記締結部材5が設けられ、この締結部材5によって上記支持部材4と上記基礎側固定部3とが上記のように制限的に係合される。上記締結部材5は、例えば、上記本体部41のウェブを挟んで水平に2個設けられている。
【0024】
また、上記締結部材5は横配置に設けられている。そして、上記縦部31のフランジ31bは縦面部を形成しており、上記エンドプレート43も縦面部を形成している。すなわち、これら支持部材4と基礎側固定部3の縦面部同士が上記締結部材5によって係合される。
【0025】
また、上記支持部材4と上記基礎側固定部3の周囲にメッシュ型枠6が配置されており、上記メッシュ型枠6内に防錆性を有するセメントベントナイト系固化体7が設けられている。また、上記セメントベントナイト系固化体7の周囲には元の土が埋め戻されている。
【0026】
上記の構成であれば、上記基礎側固定部3と上記支持部材4とが上記締結部材5によって締結されるので、現場での溶接は不要となり、溶接工を確保できない場合における建物の基礎工事の滞りという問題を解決することができる。
【0027】
また、上記の例では、上記締結部材5が横配置で設けられており、上記支持部材4と上記基礎側固定部3の各々の縦面部同士が上記締結部材5によって締結されている。このように、上記締結部材5が横配置に設けられていると、例えば、上記縦面部同士のずれによって上記締結部材がせん断されることができる。ここで、仮に、地震によって、上記杭2に突き上げの力が生じたとしても、上記縦面部同士のずれによって上記締結部材5がせん断されることが可能になり、上記杭2の突き上げに上記基礎1が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくすることができる。また、上記締結部材5として規格化されているボルトを用いれば、一定のせん断荷重を設定することも容易となる。また、上記支持部材4や上記基礎側固定部3の損傷を極力抑えて、基礎修復を迅速に行うことが可能になる。
【0028】
また、上記支持部材4の本体部41の下面に設けられているアウタースリーブ鋼管42に上記杭2の頂部が嵌合されていると、上記杭2と上記支持部材4とを簡単に係合させることができる。また、仮に、地震によって、上記杭2が横に移動しても、上記アウタースリーブ鋼管42における上記の制限的な係合により、上記基礎1へは一定以上の力が伝達されないので、上記杭2の横移動に上記基礎1が巻き込まれて破壊されるといったおそれを少なくすることができる。なお、上記アウタースリーブ鋼管42に代えて、例えば、上記杭2の上端に水平な鍔状部を溶接し、この鍔状部と本体部41の下フランジ41aとを、締結部材によって制限的に係合させることも可能である。
【0029】
以下、この実施形態の建物の基礎構造構築方法の一例について説明していく。
図2に示すように、杭打ち処理に先だって、上記基礎1の近傍において掘削穴100を複数個所形成し、各掘削穴100において、上記基礎1のベース部11の屋外側の一部分を斫り、上記基礎側固定部3を上記基礎1に固定する。
【0030】
上記基礎側固定部3における上記縦部31の上記取付プレート311には、貫通孔が4箇所形成されている。そして、この取付プレート311上に設けられる反力柱8の下面の板部にも貫通孔が4箇所形成されている。上記貫通孔には、ボルト800が挿通が挿通され、このボルト800にナットが螺合されることで、上記基礎側固定部3に上記反力柱8が固定される。
図2では、上記反力柱8の上端位置に反力ヘッド81が取り付けられている。
【0031】
図3にも示すように、上記反力ヘッド81の下面部に油圧ジャッキ83が設けられており、この油圧ジャッキ83によって上記杭2を打ち込むことができる。上記杭2によって地盤からの反力を得ることで、上記基礎1を上記油圧ジャッキ83によってジャッキアップすることができる。なお、このジャッキアップをするときには、上記支持部材4の本体部41の下面に設けられている上記アウタースリーブ鋼管42を上記杭2の頂部に嵌合させておく。そして、ジャッキアップ完了後、上記本体部41のエンドプレート43に事前形成されている貫通孔からホルソーカッターを通して上記フランジ31bに現場で貫通孔を形成し、これら貫通孔を通して上記締結部材5を締結する。
【0032】
そして、上記反力柱8、反力ヘッド81および油圧ジャッキ83を取り外し、
図4に示すように、上記支持部材4および上記基礎側固定部3の周囲にメッシュ型枠6を配置し、このメッシュ型枠6の外側まで土を埋め戻す。なお、メッシュ型枠6の下側において埋め戻す土は、上記アウタースリーブ鋼管42の下端よりも上側まで戻すこととし、上記アウタースリーブ鋼管42内に後述のセメントベントナイト系固化剤70が入り込んで上記杭2と上記アウタースリーブ鋼管42とが固定されてしまうのを防止する。
【0033】
次に、上記メッシュ型枠60内に、
図5に示すように、防錆性を有するセメントベントナイト系固化剤70を投入し、固化させて上記セメントベントナイト系固化体7を得る。ここで、上記建物の基礎1と上記杭2とを溶接で剛接合する場合には、土を埋め戻さずに掘削穴に大量のコンクリートを投入して上記剛接合を補完することが行われ得る。これに対し、この実施形態の方法では、このような大量のコンクリートを投入しないで、土を埋め戻し、この戻し土による上記締結部材5の錆付きのおそれを、比較的少量の上記セメントベントナイト系固化剤70を用いることで解決している。また、地震後の再度の不同沈下の調整も、上記コンクリートを大量に打った場合に比べて容易となる。
【0034】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 :基礎
2 :杭
3 :基礎側固定部
4 :支持部材
5 :締結部材
6 :メッシュ型枠
7 :セメントベントナイト系固化体
8 :反力柱
11 :ベース部
12 :立上部
31 :縦部
31a :フランジ
31b :フランジ
32 :横部
32a :上フランジ
41 :本体部
41a :下フランジ
41b :上フランジ
42 :アウタースリーブ鋼管
43 :エンドプレート
70 :セメントベントナイト系固化剤
81 :反力ヘッド
83 :油圧ジャッキ
90 :メッシュ型枠
100 :掘削穴
300 :グリップアンカー
301 :ケミカルアンカー
311 :取付プレート
800 :ボルト
801 :ボルト