(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6960127
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】搬送ロール及び薄物材製造装置
(51)【国際特許分類】
B65H 27/00 20060101AFI20211025BHJP
F16C 13/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
B65H27/00 B
B65H27/00 A
F16C13/00 Z
F16C13/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-216948(P2020-216948)
(22)【出願日】2020年12月25日
(62)【分割の表示】特願2020-129040(P2020-129040)の分割
【原出願日】2020年7月30日
【審査請求日】2021年2月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391052622
【氏名又は名称】株式会社都ローラー工業
(73)【特許権者】
【識別番号】312008833
【氏名又は名称】町田 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】町田 成康
【審査官】
松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−281529(JP,A)
【文献】
特開平07−196219(JP,A)
【文献】
特開2016−136067(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/005764(WO,A1)
【文献】
特開2013−199666(JP,A)
【文献】
特開2006−335509(JP,A)
【文献】
特開2017−088260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 23/00−23/16
B65H 23/24−23/34
B65H 27/00
B65H 29/20−29/24
F16C 13/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール基材の表面に梨地部を備えた搬送ロールにおいて、
前記梨地部はブラスト処理によって形成された凹部と凸部を備え、
前記凸部はトップカットされ、
前記トップカットされた部分の周縁の形状が曲面状に形成され、
前記ロール基材の表面のうち、中央部に梨地部が設けられ、当該梨地部の外側に凹凸のないフラット部が設けられた、又は、ロール基材の表面のうち、中央部に凹凸のないフラット部が設けられ、当該フラット部の外側に梨地部が設けられ、
前記フラット部にらせん溝が設けられた、
ことを特徴とする搬送ロール。
【請求項2】
請求項1記載の搬送ロールにおいて、
ロール基材の表面粗さが、二条平方根高さ0.2μm〜10.0μmである、
ことを特徴とする搬送ロール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の搬送ロールにおいて、
ロール基材の表面に硬度500HV以上の硬質被膜を備えた、
ことを特徴とする搬送ロール。
【請求項4】
請求項3記載の搬送ロールにおいて、
硬質被膜として、HCrメッキ層、Niメッキ層、DLC層、溶射被膜、CrN被膜、フッ素含有被膜、フッ素被膜及びセラミックス被膜のいずれか一又は二以上を備えた、
ことを特徴とする搬送ロール。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の搬送ロールにおいて、
ロール基材が、フラットロール、クラウンロール又は逆クラウンロールである、
ことを特徴とする搬送ロール。
【請求項6】
搬送ロールを備えた薄物材製造装置において、
前記搬送ロールが請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の搬送ロールである、
ことを特徴とする薄物材製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製フィルムや金属箔などの薄物(以下、これらを「薄物材」という)の製造装置に実装される搬送ロールと、当該搬送ロールを備えた薄物材製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンや液晶TVには、樹脂製フィルムや金属箔が使用されている。樹脂製フィルムとしてはPETフィルムやTACフィルムなどが、金属箔としては銅箔やアルミ箔などが使用されている。これらのフィルムや金属箔は、スマートフォンや液晶TVのほか、ハイブリッド車に搭載されている電池の集電曲板や、燃料電池の電極などとしても利用されている。
【0003】
このような機器に使用される樹脂製フィルムや金属箔では、製品不具合の一因となる表面のスクラッチ痕や斑点などの傷が許されない。このため、樹脂製フィルムや金属箔の製造装置では、樹脂製フィルムや金属箔に接触するロールの粗さは0.2S以下であることが望ましいとされている。
【0004】
ところが、ロール表面が滑らかすぎるとロールとフィルムの間が真空になり、ロールからフィルムが離れにくくなる現象(いわゆるブロッキング現象)が発生しやすくなる(
図12(a)(b)参照)。ブロッキング現象が発生すると、樹脂製フィルムや金属箔にしわが発生するなどの別の問題が引き起こされる。
【0005】
この対策として、ブラストによってロール表面に凹凸形状が形成された梨地ロール(たとえば、特許文献1)が用いられることがある。
図13(a)〜(c)に示すように、梨地ロールは表面に凹凸が設けられているため、樹脂製フィルムや金属箔とロールとの接触面積が小さくなり、ロールとフィルムの間が真空にならないことから、ブロッキング現象を抑えることができる。
【0006】
しかし、梨地ロールの凹凸はブラストによって形成されるため凸部の頂部の高さが不均一であり(
図14参照)、この高さの不均一に起因して相手材である樹脂製フィルムや金属箔にスクラッチ痕などが生じることがある(
図15(a)(b)参照)。
【0007】
このような問題を解消するため、バフや砥石といった機械的な道具を用いて凸部の頂部をカットするいわゆるトップカット処理(以下、単に「トップカット」という)が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平3−23148号公報
【特許文献2】実開平7−43645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、機械的な道具を用いてトップカットを行った場合、カットした部分にバリが発生し、これによって相手材である樹脂製フィルムや金属箔にスクラッチ痕などが生じることがあり、課題の解決に至っていないのが実情である。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、トップカットした部分にバリのない搬送ロールと、当該搬送ロールを備えた薄物材製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の搬送ロールは、ロール基材の表面に梨地部を備えた搬送ロールであって、梨地部は
ブラスト処理によって形成された凹部と凸部を備え、凸部がトップカットされ、トップカットされた部分の周縁の形状が曲面状に形成され
、ロール基材の表面のうち、中央部に梨地部が設けられ、梨地部の外側に凹凸のないフラット部が設けられた、又は、ロール基材の表面のうち、中央部に凹凸のないフラット部が設けられ、フラット部の外側に梨地部が設けられ、フラット部にらせん溝が設けられたものである。
【0012】
本発明の薄物材製造装置は、樹脂製フィルムや金属箔などの薄物材の製造装置であって、搬送ロールとして本発明の搬送ロールを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の搬送ロールは、トップカットした部分にバリがないため、相手材にスクラッチ痕や斑点などの不具合を生じさせにくい。本発明の薄物材製造装置は、前記効果を奏する搬送ロールを備えているため、当該搬送ロールと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は本発明の搬送ロールの一例を示す断面図、(b)は本発明の搬送ロールの表面形状の概念図。
【
図2】カット凸部の曲面状処理に用いる装置の一例を示すもの。
【
図3】トップカット後の理想的な搬送ロールの表面形状のプロファイル。
【
図4】(a)は本発明の搬送ロールのCCD観察像の一例を示すもの、(b)は本発明の搬送ロールの3D観察像の一例を示すもの。
【
図5】本発明の搬送ロールを用いて搬送したフィルム表面の状態を示すもの。
【
図6】(a)はロール基材としてクラウンロールを用いた場合の一例を示すもの、(b)はロール基材として逆クラウンロールを用いた場合の一例を示すもの。
【
図7】(a)は面長面の中央部に梨地部を備え、その両外側にフラット部を備えたロール基材の一例を示すもの、(b)は面長面の中央部にフラット部を備え、その両外側に梨地部を備えたロール基材の一例を示すもの。
【
図8】(a)は梨地部とフラット部の高さが同じロール基材の一例を示す部分拡大図、(b)は梨地部がフラット部よりも一段高いロール基材の一例を示す部分拡大図、(c)は梨地部がフラット部よりも一段低いロール基材の一例を示す部分拡大図。
【
図9】(a)は梨地部の長手方向両外側にらせん溝を有するフラット部を備えたロール基材の一例を示すもの、(b)はらせん溝の表面形状の一例を示す概念図、(c)はらせん溝の表面形状の他例を示す概念図。
【
図10】(a)はロール基材の表面に硬質被膜を備えた搬送ロールの一例を示す断面図、(b)は(a)の部分拡大図。
【
図11】本発明の搬送ロールを実装した薄物材製造装置の一例を示すもの。
【
図12】(a)(b)はブロッキング現象の説明図。
【
図13】(a)は従来の搬送ロールの表面形状の概念図、(b)は従来の搬送ロールのCCD観察像の一例を示すもの、(c)は従来の搬送ロールの3D観察像の一例を示すもの。
【
図14】従来の梨地ロールの表面形状のプロファイル。
【
図15】(a)はフィルム搬送前のフィルム表面の状態を示すもの、(b)は従来の梨地ロールを用いて搬送したフィルム表面の状態を示すもの。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(搬送ロールの実施形態)
本発明の搬送ロール1の一例を、図面を参照して説明する。本発明の搬送ロール1は樹脂製フィルムや金属箔をはじめとする各種薄物材Xの製造装置などに実装されて用いられるものである。
【0016】
一例として
図1(a)(b)に示す搬送ロール1は、ロール基材2の表面にブラスト(たとえば、サンドブラスト)によって梨地状に処理された梨地部2aを備えた、いわゆる梨地ロールである。この実施形態のロール基材2は軸3の外周に装備されている。ロール基材2はフランジに取り付けられたベアリングを介して装備することもできる。
【0017】
ロール基材2には、たとえば、金属ロールやステンレス鋼ロール、炭素鋼ロール、メッキロール、樹脂ロール、溶射ロール、アルミ合金ロールなどを用いることができる。たとえば、金属ロールとしては、SS400などを、ステンレス鋼ロールとしては、SUS304やSUS440Cなどを、炭素鋼ロールとしては、STKM13AやS25Cなどを、メッキロールとしては、HCrメッキロールやNiメッキロールなどを、樹脂ロールとしては、MCナイロンやPEEKなどを、溶射ロールとしては、WC溶射ロールなどを用いることができる。この他、DLC膜やSiO
2等の非晶質膜を形成したものを用いることもできる。これらの膜はHCrめっき等の被膜上に形成してもよい。
【0018】
ロール基材2の表面粗さは、二条平均平方根高さ(Rq)0.2μm〜10.0μm、好ましくは0.5μm〜8.0μm、より好ましくは0.8μm〜7.0μm、さらに好ましくは1.0μm〜5.0μmの範囲に収まるようにしてある。
【0019】
図1(b)に示すように、この実施形態の搬送ロール1はロール基材2の表面(梨地面)の凸部2cの頂部がカットされている。頂部がカットされた凸部(以下「カット凸部」という)はエッジ部やバリが除去されて曲面状に形成されている。カット凸部の曲面化処理は、電解液を用いた電解研磨やプラズマを用いたエッチングによって行うことができる。
【0020】
たとえば、プラズマを用いたエッチングによりカット凸部を曲面状にする場合、
図2に示すような装置を用いることができる。
図2において、5は真空チャンバー、6はRF高周波電源、7はRF電極、8は高電圧パルス電源、9はガス注入口である。RF高周波電源6とRF電極7に変えて、ICPプラズマ源(ICP電源)を用いることもできる。
【0021】
図2の装置を用いる場合、たとえば、次の手順でカット凸部を曲面状にすることができる。
(1)トップカットされたロール基材2を真空チャンバー5内のRF電極7内にセットし、真空チャンバー5内を常温かつ真空状態にする。
(2)上記(1)の状態でRF高周波電源6により高周波電圧を印加して、ロール基材2の周辺(具体的には、真空チャンバー5内のRF電極7の周辺)にプラズマを発生させ、高電圧パルス電源8によりロール基材2に負の高電圧パルスを印加する。
(3)上記(2)の状態で、ガス注入口9からArガスを真空チャンバー5内に注入し、そのArガスを真空チャンバー5内で反応させることによって、カット凸部を曲面状にすることができる。
【0022】
この方法で曲面化処理を行う場合、たとえば、次の条件で行うことができる。
使用ガス :Ar、H
2、Ga
負パルス電圧:−50〜−15000V
RF出力 :100〜3000W
【0023】
ここで挙げたカット凸部の曲面化処理の方法は一例であり、カット凸部は他の方法で曲面化することもできる。また、カット凸部の曲面処理は、
図2に示す装置以外の装置を用いて行うこともできる。
【0024】
図3はトップカット後の理想的な梨地ロールの表面形状のプロファイルである。この実施形態の搬送ロールは、プラズマを用いたエッチングによりカット部の周縁の形状を曲面状にすることで、ロール表面の突起部をなくしたものである。
【0025】
図4(a)に本発明の搬送ロール1のCCD観察像の一例を、同図(b)に3D観察像の一例を示す。
図4(a)(b)から、本発明の搬送ロール1では、
図13(b)(c)に比べてカット部の周縁の形状が曲面化されていることがわかる。
【0026】
図5に本発明の搬送ロール1を用いて搬送したフィルムの画像を示す。従来の搬送ロールを用いた場合、フィルム表面に
図15(b)に示すような傷が生じていたが、本発明の搬送ロール1を用いた場合には、
図15(b)のような傷が生じていないことがわかる。
【0027】
(搬送ロールのその他の実施形態)
前記実施形態のロール基材2はいわゆるストレートロール(フラットロール)であるが、ロール基材2は、
図6(a)に示すようなクラウンロールや同図(b)に示すような逆クラウンロールであってもよい。
【0028】
また、実施形態のロール基材2は、フィルム等の薄物材Xが接触する面長面の全体に梨地部2aが設けられているが、ロール基材2は、面長面の一部に梨地部2aを備えたものであってもよい。具体的には、
図7(a)のように、面長面の中央部に梨地部2aを備え、その両外側にフラット部2bを備えたものや、同図(b)のように、面長面の中央部にフラット部2bを備え、その両外側に梨地部2aを備えたものであってもよい。
【0029】
梨地部2aとフラット部2bを備えたロール基材2を用いる場合、
図8(a)のように梨地部2aとフラット部2bの高さが同じもののほか、同図(b)のように梨地部2aがフラット部2bよりも一段高いものや、同図(c)のように梨地部2aがフラット部2bよりも一段低いものなどを用いることもできる。同図(b)(c)のように、梨地部2aとフラット部2bの境部に段差がある場合、梨地部2aとフラット部2bがなだらかにつながるように、梨地部2aからフラット部2bに向けてテーパーをつけておいてもよい。
【0030】
ロール基材2のフラット部2bには、
図9(a)のような薄物材Xの端部を両端に向けて伸ばす向きのらせん溝2dを設けることもできる。らせん溝2dの深さやピッチなどの形状に特に決まりはないが、形状の一例として、同図(b)のようなトップが平坦な形状や、同図(c)のようなトップが先鋭な形状とすることができる。フラット部2bにらせん溝2dを形成することで、搬送する薄物材Xのしわの発生や蛇行を防止することができる。
【0031】
前記実施形態では説明を省略しているが、本発明の搬送ロール1は、
図10(a)(b)に示すようにロール基材2の表面に硬質被膜4を備えたものとすることもできる。硬質被膜4は、プラズマを用いる方法など、既存の方法で形成することができる。
【0032】
硬質被膜4には、たとえば、ビッカース硬度計での測定で、硬度500HV以上のもの、好ましくは、800HV以上、より好ましくは1000HV以上、さらに好ましくは1100HV以上のものを設けることができる。ただし、硬質被膜4の硬度はこれより高くても低くてもよい。
【0033】
硬質被膜4としては、たとえば、HCrメッキ層、Niメッキ層、DLC層、溶射被膜、CrN被膜、フッ素含有被膜、フッ素被膜、セラミックス被膜などを設けることができる。ここに挙げた被膜は一例であり、硬質被膜4はこれ以外の被膜であってもよい。硬質被膜4は、複数層からなる構造とすることもできる。複数層からなる構造としては、たとえば、HCrメッキ層上にDLC層が形成されたものなどがあげられる。
【0034】
一般に、梨地ロールは鏡面ロールに比べて接触面積が小さいため、耐摩耗性において鏡面ロールに劣る。摩耗によって表面が粗くなると、相手材である樹脂製フィルムや金属箔を傷つけてしまうおそれがあるが、
図10(a)(b)に示す例では、ロール基材2の表面に硬質被膜4が設けられているため、凸部2cの摩耗や当該摩耗に起因する表面の粗面化、表面の粗面化に起因する相手材の傷の発生といったリスクを未然に防止することができる。
【0035】
(薄物材製造装置の実施形態)
本発明の薄物材製造装置20の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明の薄物材製造装置20は、樹脂製フィルムや金属箔などの薄物材Xを製造する装置である。ここでは、薄物材製造装置20が機能性フィルムの製造装置の場合を一例とする。
【0036】
図11において、10は繰り出しロール、11は巻き取りロール、12は搬送ロール、13は圧胴ロール、14は塗液用容器、15はグラビアロール、16はタッチロール、17はブレード、18は乾燥炉である。この実施形態では、搬送ロールとして前記搬送ロールの実施形態で説明した搬送ロール1を用いている。
【0037】
この実施形態の薄物材製造装置20は、搬送ロール1と相手材との接触面積が小さいため、搬送ロール1と相手材との間が真空にならず、ブロッキング現象が生じにくい。また、凸部2cのカット凸部が曲面状に形成されており、バリやエッジがないため、相手材を傷つけるおそれが低い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の搬送ロール1は、各種機器に使用されている樹脂製フィルムや金属箔などの薄物材Xの製造装置のほか、燃料電池などに使用されている電極箔の製造装置などに実装して利用することができる。また、本発明の薄物材製造装置20は、樹脂製フィルムや金属箔などの薄物材Xの製造装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送ロール
2 ロール基材
2a 梨地部
2b フラット部
2c 凸部
2d らせん溝
3 軸
4 硬質被膜
5 真空チャンバー
6 RF高周波電源
7 RF電極
8 高電圧パルス電源
9 ガス注入口
10 繰り出しロール
11 巻き取りロール
12 搬送ロール
13 圧胴ロール
14 塗液用容器
15 グラビアロール
16 タッチロール
17 ブレード
18 乾燥炉
20 薄物材製造装置
X 薄物材
【要約】
【課題】 トップカットした部分にバリのない搬送ロール1と、当該搬送ロール1を備えた薄物材製造装置20を提供する。
【解決手段】 本発明の搬送ロール1は、ロール基材2の表面
に梨地部2aを備えたものであ
る。梨地部は不均一に形成された凹部と凸部2cを備えている。凸部2cはトップカットされ、トップカットされた
部分の周縁の形状が曲面状に形成されたものである。本発明の薄物材製造装置20は、樹脂製フィルムや金属箔などの薄物材Xの製造に用いる装置であって、搬送ロール1として本発明の搬送ロール1を備えたものである。
【選択図】
図1