(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レーザ光を発生させる光源と、予め生成したホログラムデータを前記レーザ光に反映させて各次数の物体光を発生させる空間光変調器と、前記空間光変調器が発生させた各次数の物体光を切り替えて、何れかの次数の前記物体光のみを通過させる切替手段と、ホログラム記録媒体を搭載し、任意の位置に移動させるステージとを備え、前記切替手段を通過した物体光と参照光との干渉縞を前記ホログラム記録媒体に記録するホログラム記録装置であって、
前記切替手段は、前記各次数の物体光の通過領域に対応したシャッタを有し、
前記各シャッタの開口を前記切替手段に指令することで、前記切替手段が通過させる物体光を、時分割で前記切替手段に切り替えさせる切替制御手段と、
前記切替制御手段に同期して、前記切替手段が通過させる物体光の視域に対応したホログラムデータを、前記空間光変調器に表示させる空間光変調器制御手段と、
を備えることを特徴とするホログラム記録装置。
前記切替制御手段は、前記各次数の物体光の露光量が均一になるように、前記物体光の次数毎に露光時間が予め設定され、設定された前記露光時間に基づいて、通過させる前記物体光を時分割で前記切替手段に切り替えさせることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録装置。
レーザ光を発生させる光源と、予め生成したホログラムデータを前記レーザ光に反映させて各次数の物体光を発生させる空間光変調器と、前記空間光変調器が発生させた各次数の物体光を切り替えて、何れかの次数の前記物体光のみを通過させる切替手段と、ホログラム記録媒体を搭載し、任意の位置に移動させるステージとを備えるホログラム記録装置を用いて、前記切替手段を通過した物体光と参照光との干渉縞を前記ホログラム記録媒体に記録させるホログラム製造方法であって、
前記切替手段は、前記各次数の物体光の通過領域に対応したシャッタを有し、
切替制御手段が、前記各シャッタの開口を前記切替手段に指令することで、通過させる物体光を、時分割で前記切替手段に切り替えさせる物体光切替工程と、
空間光変調器制御手段が、前記切替制御手段に同期して、前記物体光切替工程で通過させる物体光の視域に対応したホログラムデータを、前記空間光変調器に表示させるホログラムデータ表示工程と、
を備えることを特徴とするホログラム製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の手段及び同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略した。
【0016】
(第1実施形態)
[ホログラム記録装置の構成]
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るホログラム記録装置1の構成について説明する。
【0017】
ホログラム記録装置1は、物体光と参照光との干渉縞をホログラム記録媒体9に記録するものである。
ホログラム記録媒体9は、物体光と参照光との干渉縞を記録する媒体である。例えば、ホログラム記録媒体9としては、ガラス又はプラスチックの基板にフォトポリマーと感光材とを積層させたものがあげられる。
【0018】
図1に示すように、ホログラム記録装置1は、レーザ(光源)10と、偏光板11と、1/2波長板12と、レンズ13,14と、偏光ビームスプリッタ15と、1/2波長板16と、偏光ビームスプリッタ17と、SLM(空間光変調器)18と、レンズ19と、空間フィルタ(切替手段)20と、レンズ21〜23と、ミラー24,25と、空間フィルタ26と、ステージ27と、制御装置30とを備える。
【0019】
なお、
図1では、水平方向をX軸方向と図示し、垂直方向をY軸方向と図示した。
また、本実施形態では、物体光の切り替え方向が水平方向であることとする。つまり、後記する空間フィルタ20が水平方向で物体光を切り替えることとする。
【0020】
レーザ10は、レーザ光を発生させるレーザ光源である。このレーザ10は、発生させるレーザ光の波長が特に制限されない。本実施形態では、レーザ10が、波長532nmの緑色レーザを発振する単色レーザ装置であることとする。
【0021】
偏光板11は、レーザ10が発生させたレーザ光の偏光方向を調整するものである。
1/2波長板12は、後記する偏光ビームスプリッタ15で分岐される物体光及び参照光のバランスを調整するために、偏光板11を通過したレーザ光の偏光方向を変えるものである。この1/2波長板12を通過したレーザ光は、レンズ13に出射される。
【0022】
レンズ13は、1/2波長板12からのレーザ光のビーム径を拡大する凸レンズである。このレンズ13は、その機能を満たすものであれば、単レンズ又は複合レンズであってもよい(後記するレンズ14,19,21〜23も同様)。
レンズ14は、レンズ13からのレーザ光を平行光に変換する凸レンズである。このレンズ14で平行光に変換されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ15に出射される。
【0023】
偏光ビームスプリッタ15は、レンズ14からのレーザ光を、物体光と参照光とに分岐するものである。つまり、偏光ビームスプリッタ15は、レンズ14からのレーザ光を、互いに直交するP偏光とS偏光とに分岐する。本実施形態では、偏光ビームスプリッタ15を透過したレーザ光を参照光とし、偏光ビームスプリッタ15で反射されたレーザ光を物体光とする。
【0024】
なお、
図1では、レーザ光の光軸中心を破線で図示し、レーザ光の両端を実線で図示した。
また、
図1では、参照光をブロック矢印Rで図示し、物体光をブロック矢印Oで図示した。
【0025】
1/2波長板16は、偏光ビームスプリッタ15で反射されたレーザ光の偏光方向をπ/2だけ回転させるものである。
偏光ビームスプリッタ17は、1/2波長板16からの物体光をSLM18に透過すると共に、SLM18からの物体光をレンズ19に向けて反射するものである。つまり、偏光ビームスプリッタ17は、SLM18で変調された物体光をレンズ19に向けて反射する。
【0026】
SLM18は、後記する制御装置30からの指令に従って、予め生成したホログラムデータを、偏光ビームスプリッタ17からのレーザ光(物体光)に反映させるものである。具体的には、SLM18は、制御装置30に記憶されているホログラムデータを読み出して表示し、偏光ビームスプリッタ17からの物体光をホログラムデータに従って変調し、ホログラムデータが反映された物体光を偏光ビームスプリッタ17に反射する。例えば、SLM18の変調方式としては、振幅変調型、位相変調型、振幅・位相変調型をあげることができる。
【0027】
ここで、SLM18は、規則的に画素が配列された構造を有するので、0次光、±1次光、±2次光などの高次光を発生させてしまう。
図2に示すように、太線で図示した0次光が正面に出射される。ここで、0次光は、±1次光や±2次光のように一定範囲に広がらず、一方向の光線となる。また、+1次光が、正面からやや左方向の一定範囲に出射される。また、+2次光が、+1次光の左外側の一定範囲に出射される。そして、−1次光が、正面からやや右方向の一定範囲に出射される。さらに、−2次光が、−1次光の右外側の一定範囲に出射される。従って、出射する±1次光や±2次光の視域(出射範囲)に対応したホログラムデータを物体光に反映すれば、ホログラムを再生したときに±1次光や±2次光の視域を連続させることができる。
【0028】
なお、各図において、0、+1、−1、+2、−2といった数値は、物体光の次数を表す。
また、本実施形態では、±1次光及び±2次光を利用することとし、単なる反射光である0次光、及び、3次光以上を利用しないこととする。
【0029】
レンズ19は、偏光ビームスプリッタ17で反射された物体光を空間フィルタ20に集光する凸レンズである。このレンズ19を通過した光は、空間フィルタ20に出射される。
【0030】
空間フィルタ(SF:Spatial Filter)20は、制御装置30からの指令に従って、SLM18が発生させた各次数の物体光を切り替えて、何れかの次数の物体光のみを通過させるものである。例えば、空間フィルタ20としては、液晶パネル等の光学式シャッタ、又は、半径方向で異なる位置にスリットを設けた回転円盤等の機械式シャッタをあげることができる。
【0031】
ここで、空間フィルタ20は、
図3に示すように、物体光の切り替え方向(X軸方向)にシャッタ20
A〜20
Dを有する。シャッタ20
Aが+1次光の通過領域に対応し、シャッタ20
Bが−1次光の通過領域に対応する。また、シャッタ20
Cが+2次光の通過領域に対応し、シャッタ20
Dが−2次光の通過領域に対応する。そして、空間フィルタ20は、制御装置30からの指令に従って、シャッタ20
A〜20
Dを開閉する。
【0032】
なお、0次光は、シャッタ20
A,20
Bの境界線上(太線で図示)の一点に入射する。従って、空間フィルタ20は、シャッタ20
A,20
Bの境界線上で0次光を常に遮蔽することとする。
【0033】
レンズ21は、空間フィルタ20を通過した物体光を平行光に変換する凸レンズである。
レンズ22は、レンズ21からの物体光をレンズ23に集光する凸レンズである。
レンズ23は、レンズ22からの物体光をホログラム記録媒体9に出射する凸レンズである。
【0034】
ミラー24は、偏光ビームスプリッタ15を透過した参照光をミラー25に反射するものである。
ミラー25は、ミラー24からの参照光を空間フィルタ26に反射するものである。
空間フィルタ26は、偏光ビームスプリッタ15を透過した参照光の外周部を遮断するフィルタである。
【0035】
ステージ27は、ホログラム記録媒体9を搭載し、任意の位置に移動させるものである。例えば、ステージ27は、要素セル単位で記録する場合、搭載したホログラム記録媒体9を2軸方向に移動させてもよい。このとき、ステージ27は、要素セル同士が重ならないようにホログラム記録媒体9を移動させてもよく(タイリング)。また、ステージ27は、要素セル同士が重なるようにホログラム記録媒体9を移動させてもよい(オーバーラップ)。
【0036】
以上の構成により、レーザ10が出射したレーザ光は、1/2波長板12により偏光方向が調整される。そして、このレーザ光は、偏光ビームスプリッタ15により、物体光と参照光とに分岐される。
【0037】
物体光は、1/2波長板16を透過し、SLM18に入射する。そして、SLM18に入射した物体光は、SLM18に表示されたホログラムデータが反映され、空間フィルタ20に入射する。さらに、空間フィルタ20に入射した物体光は、ホログラム記録媒体9に出射される。
【0038】
また、参照光は、ミラー24,25で反射され、空間フィルタ26によって物体光と同一ビーム径まで絞られる。そして、参照光は、ホログラム記録媒体9に出射される。このように、物体光及び参照光が共にホログラム記録媒体9に照射され、物体光及び参照光の干渉縞が記録される。
【0039】
[制御装置の構成]
次に、制御装置30の構成について説明する。
制御装置30は、SLM18及び空間フィルタ20を制御するものであり、記憶手段31と、SF制御手段(切替制御手段)33と、SLM制御手段(空間光変調器制御手段)35とを備える。
【0040】
記憶手段31は、予め生成したホログラムデータを記憶するメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶手段31が記憶するホログラムデータは、SLM18によって参照される。
【0041】
ここで、ホログラムデータとは、物体の光波分布を表す複素振幅データとSLM18に入射するレーザ光との干渉縞を予め計算しておいたデータである。
本実施形態では、ホログラムデータは、SLM18が発生させる±1次光及び±2次光の4視域に対応している。従って、±1次光及び±2次光の視域毎に計4個のホログラムデータを生成し、記憶手段31に予め記憶させておく。
【0042】
例えば、ホログラムデータは、点光源からの計算やインテグラル立体映像(要素画像群)からの計算といった、一般的な計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)で求めることができる。点光源から計算する場合、物体を点光源の集合として扱い、個々の点光源で発生した光が伝搬してホログラム面での光波分布を個々に求め、求めた全ての光波分布を加算することで、複素振幅データを生成する。そして、計算機合成ホログラムでは、複素振幅データと参照光データとで干渉現象を計算した結果(干渉縞)を、ホログラムデータとして生成する。
【0043】
SF制御手段33は、空間フィルタ20が通過させる物体光を、時分割で空間フィルタ20に切り替えさせるものである。
SLM制御手段35は、SF制御手段33に同期して、空間フィルタ20が通過させる物体光の視域に対応したホログラムデータを、SLM18に表示させるものである。
【0044】
<SLM及び空間フィルタの同期制御>
図3〜
図5を参照し、SLM18及び空間フィルタ20の同期制御について説明する(適宜
図1参照)。
図4に示すように、この同期制御は、SF制御手段33が実行する物体光切替工程S1、及び、SLM制御手段35が実行するホログラムデータ表示工程S2で構成されている。
【0045】
図4の「タイミング信号T
+1〜T
−2は、シャッタ20
A〜20
Dが開閉するタイミングを表している。ここで、タイミング信号T
+1〜T
−2がLow(L)の時間区間において、シャッタ20
A〜20
Dが開く。一方、タイミング信号T
+1〜T
−2がHi(H)の時間区間において、シャッタ20
A〜20
Dが閉じる。
また、
図4の「ホログラムデータ」は、SLM18が表示するホログラムデータに対応する物体光の次数を表している。例えば、「+1」が+1次光、「−1」が−1次光を表す。
また、
図5では、空間フィルタ20を通過する物体光を実線で図示し、空間フィルタ20で遮蔽される物体光を破線で図示した。
【0046】
まず、SF制御手段33は、
図4に示すように、タイミング信号T
+1がLow(L)の時間区間において、シャッタ20
Aの開口を空間フィルタ20に指令する。また、SLM制御手段35は、タイミング信号T
+1がLow(L)の時間区間において、+1次光の視域に対応したホログラムデータの表示をSLM18に指令する。
【0047】
すると、SLM18は、
図5(a)に示すように、+1次光の視域に対応したホログラムデータを表示する。さらに、空間フィルタ20は、+1次光に対応したシャッタ20
Aを開く。なお、0次光、−1次光、±2次光にも+1次光の視域に対応したホログラムデータが反映されているが、空間フィルタ20で遮蔽されることになる。
これにより、ホログラム記録装置1は、ホログラムデータが反映された+1次光をホログラム記録媒体9に出射できる。
【0048】
次に、SF制御手段33は、
図4に示すように、タイミング信号T
−1がLow(L)の時間区間において、シャッタ20
Bの開口を空間フィルタ20に指令する。また、SLM制御手段35は、タイミング信号T
−1がLow(L)の時間区間において、−1次光の視域に対応したホログラムデータの表示をSLM18に指令する。
【0049】
すると、SLM18は、
図5(b)に示すように、−1次光の視域に対応したホログラムデータを表示する。さらに、空間フィルタ20は、−1次光に対応したシャッタ20
Bを開く。
これにより、ホログラム記録装置1は、ホログラムデータが反映された−1次光をホログラム記録媒体9に出射できる。
【0050】
次に、SF制御手段33は、
図4に示すように、タイミング信号T
+2がLow(L)の時間区間において、シャッタ20
Cの開口を空間フィルタ20に指令する。また、SLM制御手段35は、タイミング信号T
+2がLow(L)の時間区間において、+2次光の視域に対応したホログラムデータの表示をSLM18に指令する。
【0051】
すると、SLM18は、
図5(c)に示すように、+2次光の視域に対応したホログラムデータを表示する。さらに、空間フィルタ20は、+2次光に対応したシャッタ20
Cを開く。
これにより、ホログラム記録装置1は、ホログラムデータが反映された+2次光をホログラム記録媒体9に出射できる。
【0052】
最後に、SF制御手段33は、
図4に示すように、タイミング信号T
−2がLow(L)の時間区間において、シャッタ20
Dの開口を空間フィルタ20に指令する。また、SLM制御手段35は、タイミング信号T
−2がLow(L)の時間区間において、−2次光の視域に対応したホログラムデータの表示をSLM18に指令する。
【0053】
すると、SLM18は、
図5(d)に示すように、−2次光の視域に対応したホログラムデータを表示する。さらに、空間フィルタ20は、−2次光に対応したシャッタ20
Dを開く。
これにより、ホログラム記録装置1は、ホログラムデータが反映された−2次光をホログラム記録媒体9に出射できる。
【0054】
以上のように、ホログラム記録装置1は、SF制御手段33が物体光切替工程S1を実行し、SLM制御手段35がホログラムデータ表示工程S2を実行し、+1次光、−1次光、+2次光、−2次光の順に時分割で切り替える。このようにして、ホログラム記録装置1は、±1次光及び±2次光を順次、物体光として、ホログラム記録媒体9に出射する。そして、ホログラム記録装置1は、この物体光と参照光との干渉縞をホログラム記録媒体9に記録する。
【0055】
<露光量の調整>
物体光は、次数が高くなるほど光強度が低下するので、±1次光よりも±2次光の方が、単位時間当たりの露光量も低下する。また、視域間で立体像の明るさが異なると立体像が見にくくなるので、±1次光及び±2次光の露光量が均一であることが好ましい。
【0056】
そこで、SF制御手段33は、各次数の物体光の露光量が均一になるように、物体光の次数毎に露光時間を予め設定する。
図5では、露光時間として、タイミング信号T
±2がLow(L)となる時間区間を、タイミング信号T
±1がLow(L)となる時間区間よりも長く設定している。そして、SF制御手段33は、これらタイミング信号T
±1,T
±2に基づいて、空間フィルタ20に指令することで、±1次光及び±2次光の露光量を均一にしている。
【0057】
[作用・効果]
以上のように、ホログラム記録装置1は、物体光(±1次光及び±2次光)と参照光との干渉縞をホログラム記録媒体9に記録することができる。従って、ホログラム記録装置1で記録されたホログラムを再生すると、±1次光及び±2次光の視域が連続しているので、視域を広くすることができる。
【0058】
さらに、ホログラム記録装置1は、±1次光及び±2次光の露光量が均一になるように、ホログラムデータをホログラム記録媒体9に記録することができる。従って、ホログラム記録装置1が記録したホログラムを再生すると、視域間で立体像の明るさが均一となるので、立体像が見やすくなり、立体像の品質を向上させることができる。
【0059】
(第2実施形態)
[ホログラム記録装置の構成]
図1を参照し、本発明の第2実施形態に係るホログラム記録装置1Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
ホログラム記録装置1Bは、SLM18Bが振幅変調型である点が、第1実施形態と異なる。
【0060】
まず、ホログラム記録装置1Bの構成について説明する。
図1に示すように、ホログラム記録装置1Bは、レーザ10と、偏光板11と、1/2波長板12と、レンズ13,14と、偏光ビームスプリッタ15と、1/2波長板16と、偏光ビームスプリッタ17と、SLM(空間光変調器)18Bと、レンズ19と、空間フィルタ(切替手段)20Bと、レンズ21〜23と、ミラー24,25と、空間フィルタ26と、ステージ27と、制御装置30Bとを備える。
なお、SLM18B、空間フィルタ20B及び制御装置30B以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0061】
SLM18Bは、振幅変調型のため、
図6に示すように、各次数の物体光αと共に、物体光αの切り替え方向に直交する垂直方向で妨害光(透過光β、共役光γ)を発生させてしまう。
【0062】
そこで、ホログラム記録装置1Bは、複素共役による像を除去するために、空間フィルタ20Bで妨害光を遮蔽する。この場合、ホログラム記録装置1Bは、ホログラム記録媒体9への物体光の入射角度(つまり、視域)を半減させてしまうので、その半減した視域を補うこととする。
【0063】
空間フィルタ20Bは、
図7に示すように、水平方向に4等分、垂直方向に2等分したシャッタ20
AU〜20
DDを有する。
ここで、シャッタ20
AUが+1次光の通過領域の上側(上半分)に対応し、シャッタ20
ADが+1次光の通過領域の下側(下半分)に対応する。また、シャッタ20
BUが−1次光の通過領域の上側に対応し、シャッタ20
BDが−1次光の通過領域の下側に対応する。また、シャッタ20
CUが+2次光の通過領域の上側に対応し、シャッタ20
CDが+2次光の通過領域の下側に対応する。また、シャッタ20
DUが−2次光の通過領域の上側に対応し、シャッタ20
DDが−2次光の通過領域の下側に対応する。
【0064】
例えば、空間フィルタ20Bが、
図6の物体光α(+1次光)を通過させる場合を考える。この場合、空間フィルタ20Bは、+1次光の通過領域に対応したシャッタ115
U,115
Dのうち、上側のシャッタ115
Uを開き、下側のシャッタ115
Dを閉じて透過光β及び共役光γを遮蔽する。
また、空間フィルタ20Bは、シャッタ20
AU,20
AD,20
BU,20
BDの境界線上(太線で図示)で0次光を常に遮蔽する。
【0065】
[制御装置の構成]
図1に戻り、制御装置30Bの構成について説明する。
制御装置30Bは、SLM18B及び空間フィルタ20Bを制御するものであり、記憶手段31Bと、SF制御手段(切替制御手段)33Bと、SLM制御手段(空間光変調器制御手段)35Bとを備える。
【0066】
記憶手段31Bは、±1次光及び±2次光の上側及び下側に対応した計8個のホログラムデータを予め記憶するものである。このホログラムデータは、各次数の物体光及び妨害光の遮蔽領域毎に生成し、記憶手段31Bに予め記憶させておく。
なお、ホログラムデータの生成方法は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0067】
SF制御手段33Bは、さらに、妨害光の遮蔽領域を時分割で空間フィルタ20Bに切り替えさせるものである。
SLM制御手段35Bは、SF制御手段33Bに同期して、ホログラムデータを表示するものである。
【0068】
<SLM及び空間フィルタの同期制御>
図8を参照し、SLM18B及び空間フィルタ20Bの同期制御について説明する。
図8に示すように、この同期制御は、SF制御手段33Bが実行する物体光切替工程S1B、及び、SLM制御手段35Bが実行するホログラムデータ表示工程S2Bで構成されている。
【0069】
図8の「タイミング信号T
+1U〜T
−2D」は、シャッタ20
AU〜20
DDが開閉するタイミングを表している。また、
図8の「ホログラムデータ」は、SLM18Bが表示するホログラムデータに対応する物体光の次数及び妨害光の遮蔽領域(上側、下側)を表している。例えば、「+1U」が+1次光上側、「+1D」が+1次光下側を表す。
【0070】
まず、SF制御手段33Bは、
図8に示すように、タイミング信号T
+1UがLow(L)の時間区間において、シャッタ20
AUの開口を空間フィルタ20Bに指令する。また、SLM制御手段35Bは、タイミング信号T
+1UがLow(L)の時間区間において、+1次光上側の視域に対応したホログラムデータの表示をSLM18Bに指令する。
【0071】
すると、SLM18Bは、+1次光上側の視域に対応したホログラムデータを表示する。さらに、空間フィルタ20Bは、+1次光上側に対応したシャッタ20
AUを開く。
これにより、ホログラム記録装置1Bは、ホログラムデータが反映された+1次光上側をホログラム記録媒体9に出射できる。
【0072】
次に、SF制御手段33Bは、
図8に示すように、タイミング信号T
+1DがLow(L)の時間区間において、シャッタ20
ADの開口を空間フィルタ20Bに指令する。また、SLM制御手段35Bは、タイミング信号T
+1DがLow(L)の時間区間において、+1次光下側の視域に対応したホログラムデータの表示をSLM18Bに指令する。
【0073】
すると、SLM18Bは、+1次光下側の視域に対応したホログラムデータを表示する。さらに、空間フィルタ20Bは、+1次光下側に対応したシャッタ20
ADを開く。
これにより、ホログラム記録装置1Bは、ホログラムデータが反映された+1次光下側をホログラム記録媒体9に出射できる。
なお、−1次光及び±2次光については、+1次光と同様の処理のため、説明を省略する。
【0074】
以上のように、ホログラム記録装置1Bは、SF制御手段33Bが物体光切替工程S1Bを実行し、SLM制御手段35がホログラムデータ表示工程S2Bを実行し、+1次光上側、+1次光下側、−1次光上側、−1次光下側、+2次光上側、+2次光下側、−2次光上側、−2次光下側の順に時分割で切り替える。このようにして、ホログラム記録装置1Bは、±1次光及び±2次光の上側及び下側を順次、物体光として、ホログラム記録媒体9に出射する。そして、ホログラム記録装置1は、この物体光と参照光との干渉縞をホログラム記録媒体9に記録する。
【0075】
<露光量の調整>
また、ホログラム記録装置1Bは、第1実施形態と同様、露光量を調整できる。すなわち、
図8では、タイミング信号T
±2U,T
±2DがLow(L)となる時間区間を、タイミング信号T
±1U,T
±1DがLow(L)となる時間区間よりも長く設定している。そして、SF制御手段33Bは、これらタイミング信号T
+1U〜T
−2Dに従って、空間フィルタ20Bに指令することで、±1次光の上側及び下側と、±2次光の上側及び下側との露光量を均一にしている。
【0076】
[作用・効果]
以上のように、ホログラム記録装置1Bは、SLM18Bが振幅変調型の場合でも、第1実施形態と同様、視域を広くすると共に、立体像の品質を向上させることができる。
さらに、ホログラム記録装置1Bは、振幅変調型のSLM18Bで視域が半減する事態を防ぐことができる。
【0077】
(第3実施形態)
図9を参照し、本発明の第3実施形態に係るホログラム記録装置1Cについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
ホログラム記録装置1Cは、3色のカラーレーザを用いる点が、第1実施形態と異なる。
【0078】
[ホログラム記録装置の構成]
まず、ホログラム記録装置1Cの構成について説明する。
図9に示すように、ホログラム記録装置1Cは、光源ユニット100(100
R,100
G,100
B)と、偏光ビームスプリッタ15と、1/2波長板16と、偏光ビームスプリッタ17と、SLM18と、レンズ19と、空間フィルタ20と、レンズ21〜23と、ミラー24,25と、空間フィルタ26と、ステージ27と、ミラー29,40と、光路変更手段41と、制御装置30Cとを備える。
【0079】
緑色光源ユニット100
Gは、緑色レーザ光を発生させる光源ユニットであり、レーザ(光源)10
Gと、偏光板11
Gと、1/2波長板12
Gと、レンズ13
G,14
Gと、光シャッタ28
Gとを備える。
【0080】
光シャッタ28
Gは、後記する制御装置30Cからの指令に従って、緑色光源ユニット100
Gが発生させたレーザ光を通過又は遮蔽するものである。例えば、光シャッタ28
Gとしては、光学式シャッタや機械式シャッタをあげることができる。
なお、光シャッタ28
G以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0081】
赤色光源ユニット100
Rは、赤色レーザ光を発生させる光源ユニットであり、レーザ(光源)10
Rと、偏光板11
Rと、1/2波長板12
Rと、レンズ13
R,14
Rと、光シャッタ28
Rとを備える。
レーザ10
Rは、赤色レーザ光を発生させるレーザ光源である。例えば、レーザ10
Rは、波長660nmの赤色レーザ光を発生させる。
なお、レーザ10
R以外の各手段は、緑色光源ユニット100
Gと同様のため、これ以上の説明を省略する。
【0082】
青色光源ユニット100
Bは、青色レーザ光を発生させる光源ユニットであり、レーザ(光源)10
Bと、偏光板11
Bと、1/2波長板12
Bと、レンズ13
B,14
Bと、光シャッタ28
Bとを備える。
レーザ10
Bは、青色レーザ光を発生させるレーザ光源である。例えば、レーザ10
Bは、波長475nmの青色レーザ光を発生させる。
なお、レーザ10
B以外の各手段は、緑色光源ユニット100
Gと同様のため、これ以上の説明を省略する。
【0083】
ミラー29は、赤色光源ユニット100
Rからの赤色レーザ光を、光路変更手段41に向けて反射するものである。
ミラー40は、青色光源ユニット100
Bからの青色レーザ光を、光路変更手段41に向けて反射するものである。
【0084】
光路変更手段41は、緑色光源ユニット100
Gからの緑色レーザ光、赤色光源ユニット100
Rからの赤色レーザ光、及び、青色光源ユニット100
Bからの青色レーザ光を、偏光ビームスプリッタ15に出射するものである。例えば、光路変更手段41としては、回折格子やプリズムを組み合わせたものがあげられる。
【0085】
[制御装置の構成]
次に、制御装置30Cの構成について説明する。
制御装置30Cは、光源ユニット100、SLM18及び空間フィルタ20を制御するものであり、記憶手段31と、SF制御手段33と、SLM制御手段35と、光源制御手段37とを備える。
なお、光源制御手段37以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0086】
光源制御手段37は、SF制御手段33及びSLM制御手段35に同期して、赤色レーザ光、緑色レーザ光及び青色レーザ光の切り替えを、光源ユニット100に指令するものである。
【0087】
<光源ユニット、SLM及び空間フィルタの同期制御>
図10を参照し、光源ユニット100、SLM18及び空間フィルタ20の同期制御について説明する(適宜
図9参照)。
図10では、レーザ光は、光シャッタ28
R,28
G,28
Bが開口し、赤色レーザ光(R)、緑色レーザ光(G)及び青色レーザ光(B)が出射するタイミングを表している。
【0088】
図10に示すように、光源制御手段37は、予め設定した照射時間の間、光シャッタ28
Rの開口を赤色光源ユニット100
Rに指令する。すると、赤色光源ユニット100
Rは、赤色レーザ光を出射する。
赤色レーザ光が照射されている間、制御装置30Cは、第1実施形態と同様、+1次光、−1次光、+2次光、−2次光の順に時分割で切り替えて、赤色レーザ光で記録を行う。
【0089】
次に、光源制御手段37は、照射時間の間、光シャッタ28
Gの開口を緑色光源ユニット100
Gに指令する。すると、緑色光源ユニット100
Gは、緑色レーザ光を出射する。
緑色レーザ光が照射されている間、制御装置30Cは、第1実施形態と同様、+1次光、−1次光、+2次光、−2次光の順に時分割で切り替えて、緑色レーザ光で記録を行う。
【0090】
次に、光源制御手段37は、照射時間の間、光シャッタ28
Bの開口を青色光源ユニット100
Bに指令する。すると、青色光源ユニット100
Bは、青色レーザ光を出射する。
青色レーザ光が照射されている間、制御装置30Cは、第1実施形態と同様、+1次光、−1次光、+2次光、−2次光の順に時分割で切り替えて、青色レーザ光で記録を行う。
なお、本実施形態では、各レーザ光の照射時間を同一で設定したが、異なる照射時間を設定してもよい。
【0091】
[作用・効果]
以上のように、ホログラム記録装置1Cは、カラーレーザを用いる場合であっても、第1実施形態と同様、視域を広くすると共に、立体像の品質を向上させることができる。
【0092】
(変形例)
以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0093】
前記した第1実施形態では、+1次光、−1次光、+2次光、−2次光の順で切り替えることとして説明したが、本発明では、切り替え順が特に限定されない。例えば、本発明では、+2光、+1次光、−1次光、−2次光の順で切り替えてもよい。
前記した第3実施形態では、赤色、緑色、青色の順でレーザ光の照射順を切り替えることとして説明したが、本発明では、レーザ光の照射順が特に制限されない。例えば、本発明では、緑色、青色、赤色の順でレーザ光を照射してもよい。
【0094】
前記した各実施形態では、ホログラム記録装置における光学系の構成例を説明したが、本発明は、その構成例に限定されない。
前記した各実施形態では、±1次光及び±2次光を切り替えることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、本発明は、±1次光のみを切り替えてもよく、±3次光以上も切り替えてもよい。