(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシン10を例に説明する。
【0018】
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、四角箱状の筐体11と、筐体11の正面側に開閉自在に取り付けられる前扉31を有する。この前扉31には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されている。
【0019】
また、前扉31の高さ方向略中央部には、スロットマシン10を作動させるための操作部31Aおよびメダル投入口14が設けられている。操作部31Aには、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50などが設けられている。
【0020】
また、操作部31Aの下方には、下パネル31Bを挟んで、メダルを払い出すためのメダル払い出し口18と、メダル払い出し口18から払い出されたメダルを貯留可能な下皿31Cが設けられている。
【0021】
上記した前扉31の表示窓12には、背後の回転リール40の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。回転リール40は、図柄表示窓13の裏側に配置されて、回転可能にスロットマシン10に取り付けられており、外周表面に表示された複数の図柄を変動表示又は停止表示するためのものである。本実施形態においては、左リール41、中リール42、右リール43の3個の回転リール40が設けられており、それぞれの回転リール40が個別に回転可能となっている。
【0022】
上記した図柄表示窓13からは、3個の回転リール40のそれぞれについて、上段、中段、下段の3段の図柄が表示されるようになっており、計9個の図柄が図柄表示窓13を通して表示されるようになっている。そして、この計9個の図柄の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。有効ラインとは、3個の回転リール40のそれぞれについて表示位置にある図柄を1個ずつ繋いでできるラインのうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。例えば、左リール41の中段の図柄と、中リール42の中段の図柄と、右リール43の中段の図柄と、を繋ぐラインが有効ラインとして設定されている。この有効ラインに沿って役に対応付けられた図柄組合せが表示されると、当該役に入賞となる。
【0023】
また、本実施形態では、1回のゲームを行うために、メダルを2枚または3枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、2枚のメダルをベットした場合も、3枚のメダルをベットした場合も、上記したラインが有効ラインとなるように構成されている。
【0024】
このスロットマシン10の内部には、図示しないが、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20(
図2参照)が内蔵されている。
【0025】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、
図2に示すように、投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53が接続されている。
なお、入力段としては、上記した各入力装置に限定されるものではない。
【0026】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、
図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵されたスイッチであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。投入スイッチ15が遊技メダルを検知すると、最大50枚まで遊技メダルを遊技機内部に貯留(クレジット)することができるようになっている。このようにクレジットされた遊技メダルは、クレジット表示部32に数値として表示され、次ゲーム以降に使用することができる。
【0027】
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、
図1に示すように、操作部31Aの上面に位置するスイッチである。ベットスイッチ16を押下することで、クレジットをメダル投入に代えることができる。クレジットをメダル投入に代えることで、ゲームを開始可能な状態となる。
【0028】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、
図1に示すように、操作部31Aの上面左端に位置するスイッチであって、クレジットされているメダルを払い戻すためのものである。
【0029】
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、
図1に示すように、操作部31Aの正面左側に位置するレバーである。ゲームを開始可能な状態でスタートスイッチ30を操作すると、後述するリールユニット60の駆動が開始し、回転リール40の図柄が変動表示される。
【0030】
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、後述するリールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、
図1に示すように、各回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)に対応した3個のスイッチ(左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53)から構成され、各回転リール40の下方に一個ずつ配置されている。回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止し、回転リール40の図柄が停止表示されるようになっている。
【0031】
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出部66(画像表示部67、ランプ68、スピーカ69)、の各パーツが接続されている。
なお、出力段としては、上記した各パーツに限定されるものではない。
【0032】
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定あるいは支持された3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)とから構成されている。各回転リール40は、短円筒状の回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、それぞれ21個の図柄が等間隔で表示されている。
【0033】
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に配置されており、ゲームの結果等に基づいてメダルを払い出すためのものである。
【0034】
(演出部66)
演出部66は、制御装置20の制御により、入賞等の報知など、種々の演出を行うものである。具体的には、演出部66は、画像表示部67と、ランプ68と、スピーカ69と、から構成されている。
【0035】
画像表示部67は、回転リール40の上方に設けられた窓部の背後に配置され、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限らず、例えば演出専用の回転リール40を設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
ランプ68は、発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものである。
スピーカ69は、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
【0036】
(制御装置20)
制御装置20は、スロットマシン10の作動を制御するためのものである。この制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の制御を実行するように構成されている。
【0037】
本実施形態に係る制御装置20は、
図2に示すように、遊技状態制御手段100、当せん抽せん手段110、役抽せんテーブル120、リール制御手段130、入賞判定手段140、ホッパー制御手段150、演出制御手段200、設定手段220、の各手段として機能する。なお、制御装置20としては、上記した各手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0038】
(遊技状態制御手段100)
遊技状態制御手段100は、遊技状態の管理を行うためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は複数の遊技状態を備えており、遊技状態制御手段100は現在の遊技状態を記憶するとともに、遊技状態の移行契機となる所定の事象が発生したときに遊技状態を切り替える処理を実行する。
【0039】
本実施形態に係るスロットマシン10は、
図3に示すように、少なくとも以下の遊技状態を備えている。この遊技状態は、リプレイ役の当せん確率等によって規定されるRT状態である。なお、遊技状態は以下に限らず、任意の遊技状態を設けることができる。(1)RT0状態(2)RT1状態(3)RT2状態(4)RT3状態(5)RT4状態(6)RT5状態(7)RT6状態(8)RT7状態
【0040】
このうち、RT0状態は、工場出荷時又は設定変更時に設定される初期状態である。このRT0状態へは、設定変更や有利区間の終了などで設定がリセットされたときに移行する。
また、RT5状態、RT6状態、RT7状態のいずれかにおいて、規定ゲーム数を消化した場合もRT0状態へ移行する。
【0041】
また、RBゲームが終了したときや、BBゲームが終了したときにRT3状態である場合にも、RT0状態へ移行する。なお、BBゲームが終了したときにRT0状態である場合は、そのままBBゲーム終了後もRT0状態となる。
【0042】
RT1状態は、後述するBB1またはRB1に当せんし、BB1またはRB1に係る当せんフラグが成立したときに移行するRT状態である。このRT1状態は、当せんしたBB1またはRB1に入賞することで終了する。なお、BB1に入賞した場合はBBゲームが開始し、RT状態はRT0状態へと移行する。また、RB1に入賞した場合はRBゲームが開始し、RT状態はRT3状態へと移行する。
【0043】
RT2状態は、後述するBB2またはRB2に当せんし、BB2またはRB2に係る当せんフラグが成立したときに移行するRT状態である。このRT2状態は、当せんしたBB2またはRB2に入賞することで終了する。なお、BB2に入賞した場合はBBゲームが開始し、RT状態はRT0状態へと移行する。また、RB2に入賞した場合はRBゲームが開始し、RT状態はRT3状態へと移行する。
【0044】
RT3状態は、RB役(RB1またはRB2)に入賞したときに移行するRT状態である。このRT3状態は、RBゲームが行われている状態であるともいえる。なお、本実施形態におけるRBゲームは、メダル払い出し枚数が規定枚数(本実施形態においては84枚)に到達すると終了する。RBゲームが終了すると、RT状態はRT0状態に移行する。
【0045】
RT4状態は、BBゲーム中にRB役(RB1またはRB2)に当せんし、当該RB役に係る当せんフラグが成立したときに移行するRT状態である。すなわち、本実施形態においては、BBゲーム中にRB役に入賞することでジャックインしてRBゲームに移行するようになっており、このRB役に当せん可能な状態がRT4状態である。このRT4状態は、当せんしたRB役に入賞することで終了する。RB役に入賞すると、RT状態はRT3状態となる。
【0046】
なお、当せんしたRB役(RB1またはRB2)に入賞せずにBBゲームが終了した場合、そのままBBゲーム終了後もRT4状態となる。このRT4状態では、後述する遊技状態移行役に入賞可能となっており、遊技状態移行役に入賞するとRT5状態、RT6状態、RT7状態のいずれかに移行する。
【0047】
また、このRT4状態は、払出率が100%未満の遊技状態である。なお、ここでいう払出率は、その遊技状態の各ゲームで獲得できる最大の枚数を獲得した場合の総払出枚数(払出枚数が最も多くなるように操作した場合の、その遊技状態におけるメダルの総払出枚数)を、当該遊技状態中に投入したメダル枚数で割った百分率である。すなわち、この払出率は、遊技者の利益を最大化した場合の期待値である。RT4状態では払出率が100%未満であるため、遊技者のメダルの数はゲームを消化するごとに減っていく傾向となる。
【0048】
RT5状態は、RT4状態において遊技状態移行役であるRT5リプに入賞したときに移行する遊技状態である。このRT5状態は、予め設定された規定ゲーム数を消化したときに終了する有限RT状態である。本実施形態においては、RT5状態の規定ゲーム数は100ゲームであるため、RT5状態に移行してから100ゲームを消化したときにRT5状態が終了し、RT0状態へ移行する。
【0049】
RT6状態は、RT4状態において遊技状態移行役であるRT6リプに入賞したときに移行する遊技状態である。このRT6状態は、予め設定された規定ゲーム数を消化したときに終了する有限RT状態である。本実施形態においては、RT6状態の規定ゲーム数は200ゲームであるため、RT6状態に移行してから200ゲームを消化したときにRT6状態が終了し、RT0状態へ移行する。
【0050】
RT7状態は、RT4状態において遊技状態移行役であるRT7リプに入賞したときに移行する遊技状態である。このRT7状態は、予め設定された規定ゲーム数を消化したときに終了する有限RT状態である。本実施形態においては、RT7状態の規定ゲーム数は1000ゲームであるため、RT7状態に移行してから1000ゲームを消化したときにRT7状態が終了し、RT0状態へ移行する。
【0051】
なお、特に図示しないが、RT5状態、RT6状態、RT7状態のいずれかにおいてボーナス役に当せんしたときには、RT1状態またはRT2状態へ移行するようにしてもよい。
【0052】
ところで、各RT状態におけるリプレイ役の当せん確率は、
図7に示すように、RT5状態=RT6状態=RT7状態>RT2状態>RT4状態>RT1状態>RT3状態>RT0状態の順に高く設定されている。
【0053】
すなわち、RT5状態、RT6状態、RT7状態は、他のRT状態よりもリプレイ役の当せん確率が高く設定されており、「リプレイ高確率状態」となっている。なお、本実施形態においては、RT5状態、RT6状態、RT7状態の3つは、リプレイ役の当せん確率が等しく設定されている。
【0054】
なお、
図7に示す設定は一例にすぎないため、これとは異なるリプレイ役の当せん確率を設定してもよい。ただし、RT4状態よりも、RT5状態、RT6状態、RT7状態の方がリプレイ役の当せん確率が高いことが望ましい。また、RT0状態よりも、RT4状態の方がリプレイ役の当せん確率が高いことが望ましい。
【0055】
(当せん抽せん手段110)
当せん抽せん手段110は、
図4に示すような複数の当せん役のいずれかに当せんしたか又はハズレかの抽せんを行うためのものである。すなわち、予め定めた抽せん確率に基づいて当せん役に係る抽せんを行うものである。そして、当せん抽せん手段110による抽せんの結果、所定の当せん役に当せんした場合に当せんフラグが成立し、この当せんフラグの成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当せん図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0056】
具体的には、当せん抽せん手段110は、乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段を備え、この乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を役抽せんテーブル120に照合することにより抽せんを行う。本実施形態に係る当せん抽せん手段110は、16bitで乱数を発生させるため、0〜65535までの65536通りの乱数を発生させるようになっている。後述する役抽せんテーブル120には、この65536通りの乱数のそれぞれに当せん領域が割り当てられており、この役抽せんテーブル120に乱数を照合することにより当せん役またはハズレを特定することができる。
【0057】
(役抽せんテーブル120)
役抽せんテーブル120は、当せん抽せん手段110が抽出した乱数がいずれかの当せん役またはハズレに対応するかを定めたものである。この役抽せんテーブル120は、複数の当せん役に対応する当せん領域を記憶しており、具体的には、当せん抽せん手段110において発生する乱数と当せん役との対応表として設けられている。当せん抽せん手段110は、RT状態や設定値等に応じてこれらの役抽せんテーブル120を切り替えて使用する。これにより、RT状態ごとに当せん確率が変動するように構成されている。
【0058】
なお、
図5は、RT4状態における役抽せんテーブル120の当せん確率を示す図である。この図に示すように、RT状態や設定値等によって当せん確率が決定されるようになっている。
【0059】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40を回転させるとともに、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当せん抽せん手段110の抽せん結果および有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
【0060】
このリール制御手段130は、メダルがベットされ、前ゲーム開始から所定時間(いわゆるウエイト時間)が経過しているなど、所定のゲーム開始条件を満たしている場合には、スタートスイッチ30の操作信号に基づいて全ての回転リール40の回転を開始させる。
【0061】
また、回転リール40が回転中にいずれかのストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作信号に基づきストップ信号を出力し、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転を停止させる。
【0062】
なお、リール制御手段130は回転リール40を停止させる際、停止操作がされたときの図柄表示位置を基準として、最大4コマのスベリコマ数で図柄を回転方向に移動させて停止させることができる。このような制御により、当せん抽せん手段110の抽せん結果が「ハズレ」の場合には、3個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行う。また、抽せん結果が所定の当せん役に当せんの場合には、3個の回転リール40の図柄が極力当該当せんに係る入賞の態様となるように引き込み制御を行う。
【0063】
このような蹴飛ばし制御及び引き込み制御は、当せん抽せん手段110による役抽せんの結果や、ストップスイッチ50の操作タイミング、停止位置の優先順位などに基づいて計算されて実行される。例えば、2種類以上の役に同時当せんしている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示できるように引き込み制御が行われる。
【0064】
(入賞判定手段140)
入賞判定手段140は、ストップスイッチ50の操作により3個の回転リール40が停止したときに、その表示態様に基づいて、入賞したか又は入賞なしかの判定を行うためのものである。具体的には、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効入賞ライン上に所定の図柄配列が揃うことを条件として、当該図柄配列に対応した当せん役に入賞したと判定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に払い出し入賞信号を出力する(もしくはメダルを払い出す代わりにクレジットに加算する)。また、入賞がRT状態を移行させるものであれば、遊技状態制御手段100に通知してRT状態を移行させる。また、リプレイ役が入賞した場合には、自動ベット処理を行い、遊技メダルを新たに投入することなく次ゲームを開始できるようにする。
【0065】
(ホッパー制御手段150)
ホッパー制御手段150は、入賞判定手段140からの払い出し入賞信号、精算スイッチ17の操作信号などに基づいて、ホッパーユニット65を作動させ、メダルの払い出しを制御するためのものである。なお、入賞がメダル払い出しを伴う場合に、この払い出しメダルを自動的にクレジットとして電子的に貯留し、クレジットの許容枚数を超過する払い出し分だけをホッパーユニット65から払い出させるようにしてもよい。
【0066】
(演出制御手段200)
演出制御手段200は、画像表示部67、ランプ68やスピーカ69等の演出部66の作動を制御するためのものである。この演出制御手段200は、ROMに記憶されている演出データをもとに、入賞の報知などの演出を行わせる。
【0067】
(設定手段220)
設定手段220は、遊技者への有利度が異なる複数段階の設定値の中から設定値を設定するためのものである。この設定値は、鍵のかけられた筐体11の内部に設けられたスイッチを操作することで変更可能であり、スロットマシン10が設置されたホールの管理者によって、ホールの営業開始前あるいは営業終了後に予め設定される。この設定値ごとに異なる役抽せんテーブル120が設けられており、役抽せんにおいて設定値に応じた役抽せんテーブル120が用いられることにより、設定値に応じてメダルの払出率が変わるようになっている。本実施形態においては、設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。なお、本実施形態においては設定値を6段階としているが、これに限らず、設定値は5段階以下であってもよい。
【0068】
(当せん役について)
本実施形態に係るスロットマシン10は、当せん役として、入賞によりボーナスゲームを開始するボーナス役と、入賞により遊技メダルを新たに投入することなく再度のゲームを行うことができるリプレイ役と、入賞により遊技メダルを払い出す小役と、を備えている。
【0069】
なお、ボーナス役は、入賞によりBBゲームを開始するBB役と、入賞によりRBゲームを開始するRB役と、を含んでいる。BBゲームは、規定枚数(350枚)のメダルが払い出されるまで実行されるボーナスゲームである。また、RBゲームも、規定枚数(84枚)のメダルが払い出されるまで実行されるボーナスゲームであるが、BBゲームの規定枚数よりもRBゲームの規定枚数の方が少ないため、BBゲームよりも相対的に利益の量が小さく設定されている。
【0070】
当せん抽せん手段110による抽せんの結果としてこれらのいずれかの役に当せんとなった場合、その当せんに対応した当せんフラグが成立する。なお、ボーナス役に係る当せんフラグは、当せんフラグが成立したゲームにおいて入賞しなかったとしても、次回以降のゲームに持ち越される。すなわち、入賞するまでは当該当せん役に入賞する権利が維持される。一方、その他の当せん役に係る当せんフラグは、当せんフラグが成立したゲームにおいて入賞しなかった場合にはリセットされ、次回以降のゲームに持ち越されない。
【0071】
本実施形態に係るスロットマシン10は、
図4に示すように、当せん役として「BB1
」「BB2」「RB1」「RB2」「通常リプ」「RT5リプ」「RT6リプ」「RT7リプ」「ベル」「スイカ」を備えている。
【0072】
「BB1」および「BB2」はBB役である。「BB1」または「BB2」に当せんすると、「BB1」または「BB2」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。「BB1」または「BB2」に入賞すると、次ゲームからBBゲームが開始される。
【0073】
なお、
図3に示すように、「BB1」に当せんするとRT状態がRT1状態に移行し、
「BB2」に当せんするとRT状態がRT2状態に移行する。このとき、RT2状態はRT1状態よりもリプレイ役の当せん確率が高いため、「BB2」の方が「BB1」よりも有利な当せん役となっている。
【0074】
「RB1」および「RB2」はRB役である。「RB1」または「RB2」に当せんすると、「RB1」または「RB2」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。「RB1」または「RB2」に入賞すると、次ゲームからRBゲームが開始される。
【0075】
なお、
図3に示すように、「RB1」に当せんするとRT状態がRT1状態に移行し、
「RB2」に当せんするとRT状態がRT2状態に移行する。このとき、RT2状態はRT1状態よりもリプレイ役の当せん確率が高いため、「RB2」の方が「RB1」よりも有利な当せん役となっている。
【0076】
「通常リプ」はリプレイ役である。「通常リプ」に当せんすると、「通常リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。「通常リプ」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。
【0077】
「RT5リプ」はリプレイ役である。この「RT5リプ」は、BBゲーム中であるか否かによって入賞態様が変化するようになっている。具体的には、「RT5リプ」に当せんしたときにBBゲーム中であれば、「通常リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。また、「RT5リプ」に当せんしたときにBBゲーム中でなければ、「RT5リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。「通常リプ」または「RT5リプ」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。
【0078】
なお、「RT5リプ」は遊技状態移行役であるため、
図3に示すように、「RT5リプ
」に入賞すると、RT状態がRT5状態へ移行するようになっている。ただし、BBゲーム中は「RT5リプ」に入賞しないため、言い換えると、「RT5リプ」に入賞してRT5状態へ移行するのは非BBゲーム中に限られる。また、この「RT5リプ」は、RT4状態でのみ当せん可能または入賞可能な当せん役であるため、RT5状態へはRT4状態からしか移行できないように構成されている。
【0079】
「RT6リプ」はリプレイ役である。この「RT6リプ」は、BBゲーム中であるか否かによって入賞態様が変化するようになっている。具体的には、「RT6リプ」に当せんしたときにBBゲーム中であれば、「通常リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。また、「RT6リプ」に当せんしたときにBBゲーム中でなければ、「RT6リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。「通常リプ」または「RT6リプ」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。
【0080】
なお、「RT6リプ」は遊技状態移行役であるため、
図3に示すように、「RT6リプ
」に入賞すると、RT状態がRT6状態へ移行するようになっている。ただし、BBゲーム中は「RT6リプ」に入賞しないため、言い換えると、「RT6リプ」に入賞してRT6状態へ移行するのは非BBゲーム中に限られる。また、この「RT6リプ」は、RT4状態でのみ当せん可能または入賞可能な当せん役であるため、RT6状態へはRT4状態からしか移行できないように構成されている。
【0081】
「RT7リプ」はリプレイ役である。この「RT7リプ」は、BBゲーム中であるか否かによって入賞態様が変化するようになっている。具体的には、「RT7リプ」に当せんしたときにBBゲーム中であれば、「通常リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。また、「RT7リプ」に当せんしたときにBBゲーム中でなければ、「RT7リプ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が実行される。「通常リプ」または「RT7リプ」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。
【0082】
なお、「RT7リプ」は遊技状態移行役であるため、
図3に示すように、「RT7リプ
」に入賞すると、RT状態がRT7状態へ移行するようになっている。ただし、BBゲーム中は「RT7リプ」に入賞しないため、言い換えると、「RT7リプ」に入賞してRT7状態へ移行するのは非BBゲーム中に限られる。また、この「RT7リプ」は、RT4状態でのみ当せん可能または入賞可能な当せん役であるため、RT7状態へはRT4状態からしか移行できないように構成されている。
【0083】
「ベル」は小役である。「ベル」に当せんすると、「ベル」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。「ベル」に入賞すると、所定枚数(7枚)のメダルが払い出される。
【0084】
「スイカ」は小役である。「スイカ」に当せんすると、「スイカ」に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。「スイカ」に入賞すると、所定枚数(11枚)のメダルが払い出される。
【0085】
(BBゲーム終了後のRT状態について)
本実施形態に係るBBゲームは、BBゲーム中にRB役に入賞することでジャックインしてRBゲームが開始するようになっている。すなわち、BBゲーム中にRB役に当せんすることがあり、また、BBゲーム中にRB役に入賞することがある。このため、BBゲームは、
図3に示すように、RB役に当せんしておらずRBゲームが行われていない「BB一般ゲーム」と、RB役に内部当せんした状態である「BB中RB内部中ゲーム」と、RBゲームが行われている「BB中RBゲーム」と、を含んでいる。
【0086】
具体的には、BBゲームが開始されると、まず「BB一般ゲーム」となる。この「BB一般ゲーム」でRB役に当せんすると「BB中RB内部中ゲーム」となる。また、この「BB中RB内部中ゲーム」でRB役に入賞してRBゲームが開始すると「BB中RBゲーム」となる。また、この「BB中RBゲーム」でRBゲームが終了すると「BB一般ゲーム」に戻る。このように、BBゲームは3つの状態を順番に移行しながら実行される。
【0087】
ここで、「BB一般ゲーム」が実行されているときのRT状態はRT0状態(第1遊技状態)となっている。また、「BB中RB内部中ゲーム」が実行されているときのRT状態はRT4状態(第2遊技状態)となっている。また、「BB中RBゲーム」が実行されているときのRT状態はRT3状態(第3遊技状態)となっている。
【0088】
そして、RT0状態(第1遊技状態)またはRT3状態(第3遊技状態)に滞在中にBBゲームが終了したときには、BBゲーム終了後にRT0状態(第1遊技状態)となるように構成されている。また、RT4状態(第2遊技状態)に滞在中にBBゲームが終了したときには、BBゲーム終了後にRT4状態(第2遊技状態)となるように構成されている。
【0089】
すなわち、RB役に当せんしていないBB一般ゲーム中に、BBゲームの終了条件に達した場合(350枚のメダルが払い出されたとき)には、BBゲームの終了後もそのときのRT状態であるRT0状態が引き続き継続する。
【0090】
また、BB中RBゲーム中に、BBゲームの終了条件に達した場合(350枚のメダルが払い出されたとき)には、その時点でRBゲームが終了してRT3状態が終了するため、RT0状態に移行する。そして、BBゲームの終了後はRT0状態となる。
【0091】
また、RB役の当せんフラグが成立した状態で、BBゲームの終了条件に達した場合(350枚のメダルが払い出されたとき)には、BBゲームの終了後もそのときのRT状態であるRT4状態が引き続き継続する。
【0092】
なお、
図5に示すように、RT4状態では高い確率で遊技状態移行役(RT5リプ、RT6リプ、RT7リプ)に当せんするように設定されている。具体的には、約50%の確率でいずれかの遊技状態移行役に当せんするようになっている。このため、BBゲームの終了後にRT4状態が継続した場合、このRT4状態ですみやかに遊技状態移行役に当せんするように設定されている。そして、いずれかの遊技状態移行役に当せんすると、リール制御手段130の引き込み制御により遊技状態移行役が入賞するため、入賞した遊技状態移行役に対応したRT状態へと移行する。すなわち、RT5リプに入賞すればRT5状態に移行し、RT6リプに入賞すればRT6状態に移行し、RT7リプに入賞すればRT7状態に移行する。これらのRT5状態、RT6状態、RT7状態はリプレイ高確率状態であるため、遊技者にとって有利となっている。
【0093】
ここで、これらの遊技状態移行役は、RT4状態でのみ当せん可能となっており、他のRT状態では当せんしない。そして、上述したように、BBゲーム中はRT4状態であっても遊技状態移行役に入賞しない(RT5リプ、RT6リプ、RT7リプに当せんしても、引き込み制御により通常リプが入賞する)。このため、これらの遊技状態移行役に入賞してリプレイ高確率状態に移行できるのは、非BBゲーム中のRT4状態のみである。
【0094】
(ゲームフローについて)
上記したような構成によれば、
図6に示すようなゲームフローが実現される。
まず、S100に示すように、通常ゲーム(ボーナスゲームではないゲーム)でBB役に入賞すると、BB一般ゲームが開始する。このとき、RT状態はRT0状態へと移行する。
【0095】
次に、S101に示すように、RB役に当せんすると、BB中RB内部中ゲームが開始する。このとき、RT状態はRT4状態へと移行する。この状態では、遊技者はRB役に入賞することでBB中RBゲームを実行できるため、積極的にRB役の入賞を目指すことになる。
【0096】
そして、S102に示すように、RB役に入賞すると、BB中RBゲームが開始する。このとき、RT状態はRT3状態へと移行する。BB中RBゲームでは、小役の入賞確率が向上するため、遊技者は多くのメダルを獲得することができる。
【0097】
BB中RBゲームで規定枚数(84枚)を超えるメダル払い出しがあったら、S103に示すように、BB中RBゲームが終了し、再びBB一般ゲームが開始する。このとき、RT状態はRT0状態へと移行する。
【0098】
そして再びRB役に当せんすると、S104に示すように、BB中RB内部中ゲームが開始する。このとき、RT状態はRT4状態へと移行する。
【0099】
ここで、BBゲームの規定枚数(350枚)までまだ余裕がある場合には、遊技者はRB役に入賞することでBB中RBゲームを実行できるため、積極的にRB役の入賞を目指すことになる。この場合はRB役に入賞してS102と同様の処理を行う。
【0100】
一方、BBゲームの規定枚数(350枚)までの残り枚数に余裕がない場合(たとえば、BBゲームの規定枚数(350枚)までの残り枚数が、RBゲームの規定枚数(84枚)よりも少ない場合)には、遊技者はRB役のフラグが成立した状態のままでBBゲームを終えたいため、RB役に入賞しないようにゲームを行う。例えば、特定の操作順でストップスイッチ50を操作した場合や、いわゆる「目押し」でRB役の入賞図柄が揃わないようにストップスイッチ50を操作することで、遊技者が意図的にRB役に入賞させない操作(以下「RBハズシ」という)を可能としている場合、遊技者はこの「RBハズシ」を行うことでRB役に入賞しないようにする。
【0101】
S107に示すように、遊技者が「RBハズシ」を行うことで、RB役に入賞しないままBBゲームが終了した場合、BBゲームが終了し、通常ゲームに戻る。このとき、RT状態はRT4状態のままとなる。
【0102】
また、遊技者が「RBハズシ」を行わず(または「RBハズシ」に失敗して)、RB役に入賞した場合、S105に示すように、BB中RBゲームが開始する。このとき、RT状態はRT3状態へと移行する。そして、BB中RBゲーム中にBBゲームの規定枚数(350枚)に到達すると、S108に示すように、BBゲームが終了し、通常ゲームに戻る。このとき、RT状態はRT0状態となる。
【0103】
一方、BB中RBゲーム中にBBゲームの規定枚数(350枚)に到達せず、BB中RBゲームが終了した場合、S106に示すように、BB中RBゲームが終了し、再びBB一般ゲームが開始する。このとき、RT状態はRT0状態へと移行する。そして、BB一般ゲーム中にBBゲームの規定枚数(350枚)に到達すると、S109に示すように、BBゲームが終了し、通常ゲームに戻る。このとき、RT状態はRT0状態のままとなる。
【0104】
このように、BBゲーム中のRT状態は、RB役の当せんまたは入賞によって変化するようになっている。そして、BBゲーム終了時のRT状態が、BBゲーム終了後の通常ゲームに引き継がれるようになっている。
【0105】
(RT4状態における当せん確率について)
上記したように、本実施形態においては、BBゲーム終了時にRT4状態であれば、BBゲーム終了後もRT4状態が継続するようになっている。このRT4状態は、
図7に示すように、RT0状態よりもリプレイ役の当せん確率が高く設定されており、すなわち、RT0状態よりも遊技者にとって有利に設定されている。
【0106】
しかも、このRT4状態では、遊技状態移行役に入賞することで、更にリプレイ役の当せん確率が高く設定されたリプレイ高確率状態(RT5状態、RT6状態、RT7状態)へ移行できるようになっている。この点でも、RT0状態よりも遊技者にとって有利に設定されている。
【0107】
本実施形態においては、遊技状態移行役が複数設けられており、具体的には、RT5リプ、RT6リプ、RT7リプの3つの遊技状態移行役が設けられている。そして、この複数の遊技状態移行役に対応して、複数のリプレイ高確率状態が設けられており、具体的には、RT5状態、RT6状態、RT7状態の3つのリプレイ高確率状態が設けられている。
【0108】
ここで、
図5に示すように、複数の遊技状態移行役は、設定値によって当せん確率が変動するように設定されている。本実施形態においては、遊技状態移行役の当せん確率は、設定値に応じて昇順または降順とならないように設定されている。
【0109】
例えば、RT5リプについてみると、設定1の当せん確率は35.34%であり、設定6の当せん確率は21.19%であり、設定1よりも設定6の方が当せん確率が低く設定されている。しかしながら、RT5リプの当せん確率は、設定値に応じて次第に低くなるように設定されている(降順で設定されている)わけではない。すなわち、設定1と設定2を比較すれば、設定2の方がRT5リプの当せん確率が高くなっており、設定値が大きい方がRT5リプの当せん確率が高くなっている。
【0110】
このように、遊技状態移行役の当せん確率については、設定値が大きいほど遊技者にとって有利とは限らないため、遊技者はどの遊技状態移行役に当せんするかについて期待を抱きながら遊技を楽しむことができる。
【0111】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、RT0状態(第1遊技状態)またはRT3状態(第3遊技状態)に滞在中にBBゲームが終了したとき、すなわち、BBゲームが終了したときのゲームがBB一般ゲームまたはBB中RBゲームであった場合には、BBゲーム終了後にRT0状態(第1遊技状態)となる。また、RT4状態(第2遊技状態)に滞在中にBBゲームが終了したとき、すなわち、BBゲームが終了したときのゲームがBB中RB内部中ゲームであった場合には、BBゲーム終了後にRT4状態(第2遊技状態)となる。ここで、RT4状態(第2遊技状態)は、RT0状態(第1遊技状態)よりも遊技者にとって有利に設定されている。言い換えると、RB役に内部当せんした状態でBBゲームが終了したときに、それ以外の状態でBBゲームが終了したときよりも、有利な遊技状態となるように構成されている。
【0112】
このような構成によれば、BBゲーム中にRBゲームを実行するという従来の構成をいかしながらも、単純にRB役の入賞を目指すゲーム性ではなく、BBゲームの進行状況に応じて、RB役を入賞させるか否かの状況判断を行うゲーム性を実現することができる。
【0113】
すなわち、BBゲーム開始直後など、BBゲームがまだまだ終了しない状況においては、RB役に入賞してメダルを多く獲得することが遊技者にとって有利であるため、遊技者はRB役の入賞を期待してゲームを行う。一方、BBゲームをある程度消化してBBゲームの終了が近い状況においては、当せんしたRB役にあえて入賞させない方が遊技者にとって有利となるため、遊技者はあえてRB役に入賞させないことを期待してゲームを行う。このように、BBゲームの進行状況によってRB役の価値が変化するため、今までにない新規なゲーム性を実現することができる。
【0114】
ここで、RT4状態(第2遊技状態)は、有利な遊技状態であるにもかかわらず、払出率が100%未満の遊技状態である。このような遊技状態を設けることで、意外性のある遊技を実現できる。例えば、RT4状態から更に有利な遊技状態(RT5状態、RT6状態、RT7状態)に移行することで、遊技者に大きな利益を付与するようなゲーム性を実現できる。
【0115】
また、RT4状態(第2遊技状態)は、RT0状態(第1遊技状態)よりもリプレイ役の当せん確率が高く設定されている。このため、RB役に内部当せんした状態でBBゲームが終了したときに、リプレイ確率の高い遊技状態へ移行(継続)させることができる。
【0116】
また、RT4状態(第2遊技状態)でのみ入賞可能な遊技状態移行役を設け、この遊技状態移行役に入賞したときに、RT4状態(第2遊技状態)よりもリプレイ役の当せん確率が高いリプレイ高確率状態へ移行する。このため、RB役に内部当せんした状態でBBゲームが終了したときに、RT4状態(第2遊技状態)を経由してリプレイ高確率状態へ移行するという利益を遊技者に付与することができる。
【0117】
また、遊技状態移行役とリプレイ高確率状態とを、互いに対応して複数設けている。このため、複数のリプレイ高確率状態のうちのどの遊技状態に移行するかが役抽せんによって決定される。すなわち、RB役に内部当せんした状態でBBゲームが終了したときに遊技者に付与される利益の内容(どのリプレイ高確率状態に移行するか)がランダムに決定されるため、更に遊技者の興趣を高めることができる。
【0118】
なお、上記した実施形態においては特に説明していないが、リプレイ高確率状態(RT5状態、RT6状態、RT7状態)において押し順報知を行い、これによりART(アシストリプレイタイム)が実行されるようにしてもよい。なお、押し順報知とは、押し順小役(所定の押し順でストップスイッチ50が操作されたときに入賞図柄が揃うように制御される小役やリプレイ役)に当せんしたときに、当該押し順小役を入賞させるための正解の押し順(ストップスイッチ50の操作順)を報知するものである。この押し順報知が実行されることで、押し順が報知されない場合には入賞させることが困難な押し順小役であっても、押し順報知に従ってストップスイッチ50を操作することで容易に入賞させることができる。