(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フィルターは、筒状に形成されており、筒状の前記第1フィルターの外側面が前記第1面、筒状の前記第1フィルターの内側面が前記第2面となり、前記第1フィルターの下端を閉塞する蓋部を有し、
前記ファンは、前記第1フィルターの上方に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気清浄機能付き照明装置。
吊り下げ方向の下方に配置され、前記筐体の下から前記第1フィルターへ向かう空気を浄化する第2フィルターを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気清浄機能付き照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0013】
[実施形態1]
図1は実施形態1の空気清浄機能付き照明装置の正面図である。
図2は
図1のA−A線に沿う断面図である。
図3は
図1のB−B線に沿う概略断面図である。
図4は実施形態1の空気清浄機能付き照明装置の斜視図である。なお、
図4は天井から吊り下げた状態を斜め下から見た斜視図である。
【0014】
図1〜4に示す実施形態1の空気清浄機能付き照明装置101は、いわゆる吊り下げ式の照明装置である。
【0015】
空気清浄機能付き照明装置101は、筐体110、第1フィルター120、照明140、排気部150、およびガイド300を有する。この空気清浄機能付き照明装置101は、図中、下方へ照明光を照射する。また、空気清浄機能付き照明装置101は、筐体110の側方および下方から吸気し、内部の第1フィルター120により空気を浄化して、上方へ排気する。
【0016】
この空気清浄機能付き照明装置101は、天井から吊り下げた状態で天井に対して間隔をあけて設置される。このため、筐体110上部には、たとえば天井に取り付けられている引掛シーリングローゼット(いわゆる引掛シーリング、引掛ローゼットなど)の引掛シーリングボディ(不図示)に吊り下げて使用する。このために引掛シーリングボディに接続される引掛シーリングキャップ601、引掛シーリングキャップ601内の電極(不図示)と接続するコード602、および引掛シーリングボディの取付金具(または別の取付金具)(不図示)に吊り下げるためのワイヤー603が設けられている。配線や電極などは周知のものであるので説明は省略する。なお、空気清浄機能付き照明装置101は、引掛シーリングボディから電力供給を受けるが、それに限定されず、別途コンセントなどと接続するコードを設けてもよい。なお、
図2においては筐体110より上の引掛シーリングキャップ、コード、およびワイヤーは図示省略した(他の断面図も同様である)。
【0017】
(筐体)
筐体110は、円筒形状で内部に第1フィルター120を収納している。筐体110は、収納している第1フィルター120よりも大きい。筐体110には、空気清浄機能付き照明装置101の吊り下げ方向に対して側方(本明細書では単に「側面」ともいう)の全周に複数の吸気孔112が設けられている。吸気孔112は、環境の空気を吸い込むために設けられている。吸気孔112の数や径は、筐体110の剛性および耐久性により、適宜設計される。たとえば、吸気孔112が形成される範囲において、開口率が30〜70%となるように、吸気孔112が形成される。
【0018】
この複数の吸気孔112が設けられることによって、筐体110は、プレフィルターの役割も果たし、吸気時に、環境中の比較的大きな埃等を捕捉できる。
【0019】
複数の吸気孔112は、少なくとも筒状の第1フィルター120の外側面(第1面)と正面視、背面視、側面視において重なる範囲に設けることが好ましい。このような範囲に複数の吸気孔112を設けることで、効率よく空気を第1フィルター120の外側から吸わせることができる。なお、正面視、背面視、および側面視は、
図1に示した方向を正面とする、各視点である。
【0020】
吸気孔112の形状は、図においては、円形のパンチングホールの例を示したが、このような形状に限定されない。たとえば、多角形状、ストライプ形状(吊り下げ方向や、吊り下げ方向に直交したり斜め交差したり(またストライプが直交や交差するなど))、そのほかにも、植物や動物、空想物などを模したキャラクター形状など、空気が通過する形状であればどのような形状であってもよい。さらには、筐体110全体が金網を円筒形状に加工したものであってもよい。
【0021】
筐体110の下端は、第1フィルター120の下端より下に来るように延伸されている。筐体110の下端には、筐体110からリング形状で中央部分が開口(開口部115)した庇部160が設けられている。庇部160は筐体110との接続部分から開口の方向に上(天井方向)に向かって傾斜して設けられている。また、庇部160の形状に沿って、庇部160とほぼ平行に、筐体110との接続部から開口部115方向へ上に傾斜し、そこから開口部115の中央方向へなだらかに下に突出する下面部161が形成されている。これにより開口部115からスムーズに空気が流れる。
【0022】
また、このような形状の庇部160および下面部161によって、人から装置内部が見えないようにできる。これは、空気清浄機能付き照明装置101は、通常、人の目線より上に設置される。庇部160および下面部161をこのような角度で配置したことで人が、空気清浄機能付き照明装置101を見上げたときに装置内部が見えないのである。
【0023】
筐体110と第1フィルター120の外側面(第1面)との間には隙間g1(
図3参照)を設けてある。この隙間g1は庇部160の開口と空間的に繋がっている。したがって、筐体110は、吊り下げ方向の下方に開口部115が設けられているものである。空気清浄機能付き照明装置101は、この隙間g1および開口部115を通じて、下方の空気を吸い込む。
【0024】
(第1フィルター)
第1フィルター120は、既に説明したとおり、筐体110内に収納されている。第1フィルター120と筐体110の間には隙間g1がある。隙間g1の間隔は空気が通る間隔であればよく特に限定されない。たとえば、装置全体の大きさにもよるが、筐体110の直径(吊り下げ方向に直交する方向)が100〜400mmとすれば、隙間g1は1〜50mm程度とすることが好ましい。このような隙間g1の間隔とすることで、下方に設けた開口部115からの空気を効率よく吸い込むことができる。
【0025】
第1フィルター120は、全体として円筒状に形成されている。この円筒形状の第1フィルター120は外側面(第1面)から空気を吸い込み内側面(第2面)へ通すことで浄化する。
【0026】
円筒の第1フィルター120の内側は、浄化後の空気が通過する流路124(
図3参照)を形成する。円筒の第1フィルター120の下部分には、蓋部122が設けられていて、流路124の下部分を閉塞している。この蓋部122により流路124の下部分が閉塞されることで第1フィルター120の内側に、外から空気が直接入り込むことを防止している。
【0027】
第1フィルター120は、集塵フィルター125と、脱臭フィルター126を含む(
図3参照)。集塵フィルター125は、筒状に形成されており、脱臭フィルター126の外周に配置される。集塵フィルター125は、金属や樹脂に多数の孔を設けたパンチングタイプ、カットベンドタイプ、ラス網などの網目状タイプ、不織布タイプなどを採用できる。本実施形態では、集塵フィルター125は、不織布タイプを採用する。集塵フィルター125は、フィルターの役割を果たす筐体110よりも細かい埃等を集塵できる。
【0028】
脱臭フィルター126は、活性炭等を内蔵し、空気が通り抜ける際、空気中に含まれる臭いを吸着して、空気から臭いを分離除去する。脱臭フィルター126は、消臭剤がコーティングされ、付着した臭気成分を消臭してもよい。
【0029】
脱臭フィルター126は、蛇腹状に屈曲され、全体として円筒状のフィルターである。脱臭フィルター126は、蛇腹状に形成されることにより、表面積を大きくでき、脱臭効率を向上できる。脱臭フィルター126は、内部に空洞がある。この空洞が、集塵フィルター125および脱臭フィルター126により浄化された空気が通過する流路124となる。つまり、筐体110の外部の環境空気は、集塵フィルター125および脱臭フィルター126を通り、流路124まで流れ込む。
【0030】
第1フィルター120は、集塵フィルター125および脱臭フィルター126だけに限らず、脱煙フィルターやグリスフィルター、その他のフィルターを含んでもよい。
【0031】
(蓋部)
蓋部122は、たとえば平板状に形成されている。蓋部122は、筐体110と接続されている庇部160から支柱123(
図2参照)によって接続されている。これにより蓋部122は筐体110と隙間g1をあけて固定される。支柱123は隙間g1を通る気流を妨げないように形成される。この蓋部122によって第1フィルター120が筐体110内で支持される。
【0032】
(照明)
照明140は、蓋部122の下面に取り付けられている。したがって、照明140は筐体110の下方に設けられていることになり、光を空気清浄機能付き照明装置101の下方向へ照射する。
【0033】
照明140はたとえばLEDランプが用いられている。LEDランプはLEDチップ(不図示)の表面をカバーによって覆った構造である(カバーは下面部161の一部を構成している)。照明140は蓋部122から中央部が突出した構造となっている。空気清浄機能付き照明装置101の動作中は、照明140の表面は開口部115を通る気流にさらされるため汚れが付着しにくい。
【0034】
なお、LEDランプに代えて、蓋部122に白熱電球用ソケットを設けて、電球型LEDランプ、電球型蛍光灯、また白熱電球が取り付けられるようにしてもよい。蓋部122に白熱電球用ソケットを設ける場合、蓋部122の中央部を流路124方向へ窪ませた構造として、窪み部分にソケットを設けることで、各ランプの突出量が少なくなるようにしてもよい。
【0035】
(排気部)
排気部150は、筐体110上部に位置し、ファン152を有する。ファン152は、第1フィルター120の上方に配置されている。したがって、ファン152は、流路124の延長軸上に位置する。
【0036】
排気部150は、筐体110内において第1フィルター120の外側の隙間g1部分とは、仕切り板155によって仕切られており、ファン152の動作によって第1フィルター120の外側から空気を直接吸い込まないようにしている。
【0037】
ファン152は、筐体110の外部の環境空気を吸い込む気流を発生させる。すなわち、吸気孔112を通過し、第1フィルター120の外側面(第1面)から内側面(第2面)に向かい、流路124を通過する気流を発生させるとともに、開口部115および隙間g1を通過し、第1フィルター120の外側面(第1面)から内側面(第2面)に向かい、流路124を通過する気流を発生させる。
【0038】
流路124に導かれた気流は、排気部150の上面に形成された排気口154から排出される。本実施形態1では、排気口154は、排気部150において天井に対面する天面方向(上方向)へ排気させるように設けている。外観上、筐体110の排気部150が位置する部分も吸気孔112(パンチングホール)が設けられているが(
図1参照)、この部分は筐体110の内側に密着させた閉塞板156が設けられていて、排気部150の横方向に直接排気されないようになっている。なお、筐体110の排気部150が位置する部分の吸気孔112は、他の部分との意匠的な一体感を出すためのものであるので、なくてもよい。
【0039】
(ガイド)
ガイド300は、筐体110の外側にスペーサ301を介して隙間g2をあけて取り付けられている(
図3参照)。ガイド300はスペーサ301により筐体110の外側全周に渡り一定の隙間g2が保たれている。隙間g2の間隔は空気が通る間隔であればよく特に限定されない。たとえば、装置全体の大きさにもよるが、ガイド300の直径(吊り下げ方向に直交する方向)が110〜500mmとすれば、隙間g2は5〜50mm程度とすることが好ましい。このようにガイド300と筐体110の間に隙間g2をあけることで、ガイド300が、筐体110下の空気を吸気孔112の方向へ導くようになる。
【0040】
ガイド300の少なくとも一部は、筐体110の吸気孔112が開けられている範囲と重なりov(
図2参照)があるように設けられる。つまり、ガイド300の下端は、筐体下端と同じかまたは筐体下端より下にあることが好ましく、ガイド300の上端は、筐体110の吸気孔112が開けられている範囲の上端と同じかまたは上端より下にあることが好ましい。なお、ここで、吸気孔112が開けられている範囲とは実際に吸気される空気が通る吸気孔112がある範囲である。したがって、排気部150の周囲にある吸気孔112ように、閉塞板156によって塞がれている吸気孔112がある範囲は除くものである。
【0041】
具体的には、たとえば、ガイド300は吸気孔112が開けられている範囲に対して、吊り下げ方向の重なりovが1〜100%となるように配置される。ガイド300と吸気孔112が開けられている範囲との重なりovが多ければ、より下方の空気を吸いやすくなり、ガイド300と吸気孔112が開けられている範囲との重なりovが少なければ、より側方からの空気を吸いやすくなる。
【0042】
ガイド300と吸気孔112の設けられている面との重なりovが100%の場合は、ガイド300と筐体110との間に隙間g2があるため、隙間g2の下から空気を吸うだけでなく、隙間g2の上からも空気を吸うため、空間全体の空気を吸うことができる。また、吸気孔112から漏れる筐体110内部で発生する騒音を遮音(または抑制)でき、吸気孔の目隠しにもなる。
【0043】
逆に、1%程度の重なりovであっても、吸気孔112からの吸い込み気流がガイド300によって下からの空気を吸い込むことができる。
【0044】
このような重なりovは、好ましくは約5〜90%である。このような重なりの程度とすることで、側方からの吸い込みと下方からの吸い込みを両立させて効果的に空間全体の空気を浄化することができる。また重なりovは、より好ましくは約30〜60%程度である。このような重なりovの程度とすることで、側方と下方からバランスよく吸い込むことができる。この重なりovは、空間から側方と下方のどちらから、より空気を吸い込ませたいかによって適宜設定される。
【0045】
このような吸気孔112とガイド300とが重なる領域は負圧領域になる。このため、吸気孔112とガイド300の隙間g2部分において、ガイド300の下端からの上昇流が発生する。発生した上昇流はガイド300の内面に沿って流れ、その流れが吸気孔112に吸気される。この上昇流により、筐体110直下だけでなく、装置の下周辺の空気も吸い込むことができるようになる。
【0046】
なお、本実施形態1ではガイド300は筐体110に固定しているが、ガイド300の吊り下げ方向の位置を吸気孔112が設けられている面の1〜100%の範囲で可動できるようにしてもよい。このようにガイド300を可動式にすることで、側方と下方の吸い込み割合をユーザーが所望する設定に変更することができる。
【0047】
また、ガイド300は、本実施形態1では、筐体110に対して、ほぼ一定の間隔を保ち、筐体110の外表面に対して平行に設けられている。しかし、ガイド300はこれに限らず、たとえば、上方が狭く、下方が広い、鉛直面方向における断面が台形となる形状としてもよい。このような形状とすることで、ガイド300が下方向で広がっているため、空気清浄機能付き照明装置101直下の空気だけでなく、空気清浄機能付き照明装置101下のさらに広い範囲から空気を吸い込むことができるようになる。
【0048】
また、ガイド300の素材は限定されない。たとえば、金属板を円筒形に加工する。また、たとえば、透明や半透明(すりガラスを含む)の素材を円筒形に加工してもよい。透明や半透明の素材としては、たとえば、ガラスや樹脂を用いることができる。樹脂を用いる場合には、設置場所に応じて難燃性樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
以上説明した本実施形態1によれば、筐体110側面の周囲に吸気孔112を設けるとともに、筐体110と第1フィルター120との間に隙間g1、筐体110の下方に隙間g1とつながる開口部115を設け、さらに筐体110の外周に隙間g2をあけてガイド300を設けたことで、空気清浄機能付き照明装置101の下方の空気と側方の空気を吸い込むことができる。これにより、筐体110下方の空気は開口部115で吸い込み、開口部115で吸い込み切れなかった空気はガイド300の内周面および/または外周面に沿って流れて筐体110側方の吸気孔112の近傍に案内されて、効率よく吸気される。したがって、1つの空気清浄機能付き照明装置101で、空間全体の空気を効率的に浄化することができる。
【0050】
(変形例1)
図5は、実施形態1の変形例1を説明するための断面図である。
図5の断面位置は
図1のA−A線に沿う断面と同様である。
【0051】
実施形態1の変形例1は、筐体110の下部に第2フィルター220を設けた空気清浄機能付き照明装置101である。その他の構成は、実施形態1と同じであるので説明は省略する。
【0052】
この第2フィルター220は、筐体110と第1フィルター120との間の隙間g1および開口部115から吸い込む空気に対してのプレフィルターとなる。第2フィルター220は、照明140から下方に照射される光を遮らないように、庇部160と蓋部122との間に設けられている。
【0053】
この第2フィルター220は比較的大きな塵や埃などを浄化する機能があればよく、たとえば、金属メッシュフィルターなどでもよい。また、油煙などを取り除くための不織布フィルターなどでもよい。
【0054】
このような第2フィルター220を設けることで、筐体110と第1フィルター120との間の隙間g1や庇部160の上などに塵や埃が入ったり、また虫が入り込んだりするのを抑えることができる。
【0055】
(変形例2)
図6は、実施形態1の変形例2を説明するための斜視図である。
図6は天井から吊り下げた状態を斜め下から見た斜視図である。
【0056】
実施形態1の変形例2は、筐体110の下部にリング状の照明(リング照明145という)を設けた空気清浄機能付き照明装置101である。
【0057】
リング照明145は、筐体110の下端である庇部160の下に複数のLEDチップを取り付け、これにカバーをしたリング状のLEDランプである。その他の構成は、実施形態1と同じであるので説明は省略する。
【0058】
このように、リング照明145を設けることで、上述した実施形態1とは異なる意匠とすることができる。特にリング照明145を点灯した際の光の演出効果を変えることができる。
【0059】
なお、変形例2では、リング照明145を設けて、筐体110の下、中央部の照明140(
図4参照、以下中央部照明という)は取り付けていない例を示した。しかし、リング照明145と共に中央部照明も設けてもよい。リング照明145と中央部照明の両方を取り付けることで、さらに異なる意匠とすることができ、異なる光の演出効果を出すことができる。また、リング照明145と中央部照明を個別に点消灯できるようにしてもよい。
【0060】
(変形例3)
図7は、実施形態1の変形例3を説明するための斜視図である。
【0061】
変形例3は、ガイド300に下端の周囲にリング状の照明(リング照明146という)に設けている。照明位置が異なる以外は変形例2と同じである。
【0062】
変形例3では、ガイド300にリング照明146を設けることで、他の実施形態や変形例2とはさらに異なる意匠となり、光演出効果を違えることができる。
【0063】
(照明位置の他の変形例)
照明の位置は、図示しないが、さらに様々な位置に設けてもよい。たとえば、ガイド300の外周面に設けることもできる。これらガイド300に設ける照明は、リング状に連続して光るようにしてもよいし、リング内で点在するように光るようにしてもよい。
【0064】
また、照明は、筐体110とガイド300との間の隙間g2部分に設けることもできる(ただし装置下から吸い込む気流を妨げないようにする)。この隙間g2部分に設けた場合、下方に照明光を出すだけでなく、上方に出すことで、間接照明としての光演出効果を得ることができる。また、筐体110の上部に設けて間接照明として、光演出効果を得るようにしてもよい。また、照明は、たとえば、筐体110と第1フィルター120との隙間g1に設けてもよい。このよう筐体110内部に照明140を設けることで、筐体110の吸気孔112から外に光が漏れ出すようにできて、光による一風変わった演出効果を出すことができる。さらには、これら様々な位置を組み合わせて照明を設けてもよし、また、照明光の色を変えるなどしてもよい。
【0065】
[実施形態2]
図8は実施形態2の空気清浄機能付き照明装置の断面図である。外観は
図1に示した実施形態1の空気清浄機能付き照明装置を同じである。なお、
図8は
図1のA−A線に沿う断面と同じ位置での断面図である。
【0066】
図8に示した実施形態2の空気清浄機能付き照明装置102は、実施形態1同様に、吊り下げ式の照明装置である。
【0067】
本実施形態2の空気清浄機能付き照明装置102は、吊り下げ方向の下方に開口部を設けていない。このために、蓋部122は、円筒形の筐体110の下端全体を覆うように取り付けている。
【0068】
本実施形態2の空気清浄機能付き照明装置102は、実施形態1にあった筐体110下部の開口部から第1フィルター120の外側面(第1面)へと導かれる気流はなくなる。したがって、筐体110と第1フィルター120の外側面との間に隙間はあってもなくてもよい。また、庇部も不要である。
【0069】
空気清浄機能付き照明装置102は、第1フィルター120が実施形態1と同じ大きさにする場合は、隙間をなくす(または少なくする)ことで、装置全体の大きさを実施形態1と比較して、隙間をなくした分だけ小さくすることができる。ただし、実施形態1と同じように隙間を設けていても、機能的には差し支えない。
【0070】
その他の構成は実施形態1同様であるので説明は省略する。したがって、本実施形態2においても、実施形態1同様に、筐体110の周囲にはガイド300が設けられている。
【0071】
このガイド300により実施形態1同様に、空気清浄機能付き照明装置102の下方にある空気を吸い込んで浄化する。
【0072】
このように本実施形態2においては、筐体110の側面に吸気孔112を設けるとともに、筐体110の外周に隙間g2をあけてガイド300を設けたことで、空気清浄機能付き照明装置102の下方の空気と側方の空気を吸い込むことができる。したがって、1つの空気清浄機能付き照明装置102で、空間全体の空気を効率的に浄化することができる。また、本実施形態2においては、筐体110の下部に開口を持たないので、筐体形状が単純化する。
【0073】
なお、本実施形態2においても、上述した変形例2および3と同様に、リング照明145、146などを設けてもよいし、そのほか様々な位置に照明を設けてもよい。
【0074】
[実施形態3]
図9は実施形態3の空気清浄機能付き照明装置の正面図である。
【0075】
図9に示した実施形態3の空気清浄機能付き照明装置103は、実施形態1同様に、吊り下げ式の照明装置である。
【0076】
本実施形態3の空気清浄機能付き照明装置103は、実施形態1の空気清浄機能付き照明装置101から、ガイドを取り去った構成である。ガイドがない以外は実施形態1同様であるので説明は省略する。
【0077】
したがって、本実施形態3においても、実施形態1同様に、筐体110の下部に開口部115を有し、さらに筐体110と第1フィルター120との間には隙間g1を有する。隙間g1の間隔は実施形態1と同様である。
【0078】
このように本実施形態3においても、筐体110の側面に吸気孔112を設けるとともに、下方に開口部115を設けたことで、空気清浄機能付き照明装置103の下方の空気と側方の空気を吸い込むことができる。したがって、1つの空気清浄機能付き照明装置103で、空間全体の空気を効率的に浄化することができる。
【0079】
なお、本実施形態3においても、上述した変形例1と同様に、開口部115に第2フィルター220を設けてもよい。また、上述した変形例2および3と同様に、リング照明145、146などを設けてもよいし、そのほか様々な位置に照明を設けてもよい。
【0080】
[実施形態4]
図10は実施形態4の空気清浄機能付き照明装置の正面図である。
【0081】
図10に示した実施形態4の空気清浄機能付き照明装置104は、実施形態1同様に、吊り下げ式の照明装置である。
【0082】
本実施形態4の空気清浄機能付き照明装置104は、筐体110の上方に、横および下方へ気流を導く上部ガイド400を有する。上部ガイド400を取り付けた以外は、実施形態1同様であるので説明は省略する。
【0083】
このように本実施形態4においては、上部ガイド400を設けたことで、筐体110の上方に排気されている浄化後の気流を横および下方へ導くことができる。
【0084】
たとえば、卓上においた料理からは、水蒸気成分や臭い成分が天井方向へ立ち昇ってくる。特に、卓上コンロを用いて調理しながらの場合は油煙なども立ち昇る可能性がある。
【0085】
空気清浄機能付き照明装置104は、食卓上に設置することで、水蒸気成分や臭い成分、さらには油煙などの多くを浄化することができる。しかし、水蒸気成分や臭い成分、油煙などの一部は天井にまで直接到達してしまうこともある。
【0086】
空気清浄機能付き照明装置104は、上部ガイド400によって、天井にまで直接到達する水蒸気成分や臭い成分、油煙を、浄化された空気で横や下方向へ吹き飛ばすことができる。吹き飛ばされた水蒸気成分や臭い成分、油煙の一部は拡散され、また一部は下方に戻る過程または再び上昇する過程で吸気孔112から吸われて浄化されるようになる。
【0087】
これにより空気清浄機能付き照明装置104は、水蒸気成分や臭い成分、油煙の一部が天井に到達するのを抑えて天井が汚れるのを抑えることができる。
【0088】
また、本実施形態4の空気清浄機能付き照明装置104は複数設置ことで、空気清浄効果が高まる。たとえば、互いの空気清浄機能付き照明装置104が上部ガイド400によって吹き出す気流の範囲内に複数設置する。このようにすれば上部ガイド400によって吹き飛ばされた水蒸気成分や臭い成分、油煙などが、互いの気流の範囲内にある空気清浄機能付き照明装置104によって吸い込まれるようになる。
【0089】
なお、本実施形態4においても、変形例1のように第2フィルター220を設けたり、変形例2および3のように様々な位置に照明を設けたりしてもよい。さらに、実施形態2または3に対して、上部ガイド400を設けても、本実施形態4と同様の効果を得ることができる。もちろん、本実施形態4においても、他の実施形態同様に、1つの空気清浄機能付き照明装置104で、空間全体の空気を効率的に浄化することができる。
【0090】
[実施形態5]
図11は実施形態5の空気清浄機能付き照明装置の正面図である。
【0091】
図11に示した実施形態5の空気清浄機能付き照明装置105は、実施形態1同様に、吊り下げ式の照明装置である。
【0092】
本実施形態5の空気清浄機能付き照明装置105は、筐体110の排気部150が位置するあたりに、筐体周囲を取り囲むように天井方向ガイド500を設けた。また、筐体110の外に外部仕切り板501を設けた。天井方向ガイド500と外部仕切り板501を取り付けた以外は、実施形態1同様であるので説明は省略する。
【0093】
本実施形態5においては、天井方向ガイド500を設けたことで、排気部150から上方向へ排気されている浄化後の空気を、さらに強く上方向へ、すなわち天井方向へ排気させることができる。この天井へ流れた気流は、さらに横および下方へ流れて、そして空気清浄機能付き照明装置105の下方に流れて行く(図中破線矢印)。
【0094】
また、外部仕切り板501を取り付けることで、天井に反射して下方に流れる空気が途中で吸気孔112に直接吸われてしまうのを防ぎ、より多くの空気を空気清浄機能付き照明装置105の下まで届かせることができる。
【0095】
このように、本実施形態5においては、天井方向から下方向への気流を生み出すことで、空気清浄機能付き照明装置105が設置された空間の空気、特に天井から装置側方の空気をいっそう多く浄化することができるので、より広い範囲の空気を浄化することができる。
【0096】
なお、外部仕切り板501はなくてもよい。外部仕切り板501がない場合でも、天井に反射して下方に流れる空気が生み出されるので、広い範囲の空気を浄化することができる。
【0097】
本実施形態5においても、変形例1のように第2フィルター220を設けたり、変形例2および3のように様々な位置に照明を設けたりしてもよい。さらに、実施形態2または3に対して、天井方向ガイド500および外部仕切り板501を設けても、本実施形態5と同様の効果を得ることができる。ただし、これらの場合も外部仕切り板501はなくてもよい。もちろん、本実施形態5においても、他の実施形態同様に、1つの空気清浄機能付き照明装置105で、空間全体の空気を効率的に浄化することができる。
【0098】
以上本発明を適用した実施形態および変形例を説明したが、本発明は、これら実施形態や変形例に限定されるものではない。上述した各実施形態は、円筒形状の筐体110と、それに合わせた円筒形状の第1フィルター120とした。これに代えて、筐体110も第1フィルター120も、三角筒、四角筒、五角筒、六角筒、七角筒、八角筒などの多角筒形状であってもよい。多角筒形状とは、
図1のB−B線に沿う断面において多角形となる筒形状を云う。たとえば、筐体110は円筒で第1フィルター120を多角筒とする。この場合、第1フィルター120の多角筒の平面部分で筐体110との隙間が生まれるため、多角筒の頂部分は筐体110に接触していてもよい。逆に、筐体110は多角筒で、第1フィルター120が円筒としてもよい。この場合は、筐体110の頂部分と第1フィルター120の間で隙間が生まれるため、筐体110の平面部分は第1フィルター120と接触してもよい。もちろん、いずれの場合にも筐体110と第1フィルター120との間が完全に離れていてもよい。また、筐体110、第1フィルター120共に多角筒形状としてもよい。なお、筐体110を多角筒形状とした場合には、ガイド300も同形状とすることが好ましい。
【0099】
また、照明140を中央に設ける場合、円筒状の第1フィルター120の内側に照明140の放熱部を設けてもよい。これにより照明140の空冷が可能で、高出力の照明も設置しやすくなる。この場合、放熱部のフィンを固定翼形状にして整流することが好ましい。このようにすることで、ファン152の効率低下を軽減できる。また、空冷機能を持たせた場合は、たとえば照明140を点灯させたら必ずファン152を駆動させる仕様にしたり、明るさに応じてファン152の回転数を変化させる仕様にしたりしてもよい。
【0100】
また、各実施形態では、吸気孔112(実際に吸気作用のある吸気孔)の設置範囲は、吊り下げ方向において第1フィルター120の外側面(第1面)と重なるようにしている。しかし、これに限らず、筐体110の下方の一部に吸気孔112を設けないようにしてもよい。実施形態2を除く各実施形態では、筐体110の下方から開口部115および隙間g1を通して吸気している。このように筐体110の下方の一部に吸気孔112を設けないことで、この開口部115および隙間g1を通る下からの気流と、吸気孔112を通る横からの気流が直接ぶつからなくなり、開口部115および隙間g1を通る下からの空気をいっそう効率よく吸い込むことができる。
【0101】
そのほか、本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。