特許第6960166号(P6960166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6960166双顆ミニ膝インプラントの側面挿入のためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960166
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】双顆ミニ膝インプラントの側面挿入のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20211025BHJP
   A61F 2/46 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   A61F2/38
   A61F2/46
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-551997(P2018-551997)
(86)(22)【出願日】2017年2月16日
(65)【公表番号】特表2019-510575(P2019-510575A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】US2017018058
(87)【国際公開番号】WO2017180234
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2020年2月14日
(31)【優先権主張番号】15/096,209
(32)【優先日】2016年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518344634
【氏名又は名称】ジョイント イノベーション テクノロジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】ターマニーニ、ゼーファー
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第8114164(US,B2)
【文献】 米国特許第06299645(US,B1)
【文献】 特開昭51−066195(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0119939(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/38
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨と脛骨の間に人工膝関節を形成する際に、膝蓋骨、四肢または十字靭帯への移植損傷が回避されるように脚の側面および膝関節の外側に配置された切開を通して膝関節の後膝蓋領域に移植される、横方向に挿入可能で移植可能なプロテーゼ・デバイスであって、
凸状に湾曲した外面、内側に延びる4つの保持鉤爪、および非関節内面を有し、横方向に挿入可能であり、凸状に湾曲した外面が2つの端部を有する内側顆を含む湾曲した関節部分を含み、外側両端を有する顆、および内側顆を外側顆に接続する顆間ブリッジを有し、非関節内面は、一対の保持鉤爪の間に延びる非関節内面の外側にある3つの平面を含み、非関節内面、および3つ保持鉤爪の間に延びる非関節内面の内側に平面を有し、平面のそれぞれが外面の内側にあり、凹状の内面を規定し、保持鉤爪の各対が1つの前爪および1つの後爪を含み、前記前爪および前記後爪が上に配置され、内側顆および外側顆のそれぞれの端部は、それぞれの保持鉤爪が凹状の内面の平面に隣接している両顆大腿骨コンポーネントと、
底面の前縁と一致する前部横方向保持鉤爪と、底面の後縁と一致する後部横方向保持鉤爪とを含む底面を有し、少なくとも2つの離間した拘束リップを含み、その一方は上面の前縁と一致し、上面より上に延在し、他方は、上面の後縁と一致し、上面より上に延在し、拘束リップの間に延びる上面の2つの側縁であって、拘束リップの間に延びる上面の両方の側縁は、上面と一致する横方向に挿入可能な脛骨トレイと、
上面、上面から内側に延びる2つのキュープル、および少なくとも2つの離間した拘束リップの間に適合するように構成された2つの対応する横方向保持隆起を含む底面を有し、前記横方向保持隆起の間に延びる2つの端縁を有するポリエチレンインサートと、
を具備し、
前記切開を通して横方向に挿入することによる大腿骨の切除部分への二顆大腿骨構成要素の移植中に、二顆大腿骨構成要素の外面のいかなる部分も膝蓋大腿関節の任意の領域を再表面化せず、挿入中に、二顆大腿骨コンポーネントの4つの保持鉤爪が大腿骨に横方向に埋め込まれ、
横方向挿入による脛骨の切除部分への脛骨トレイの移植中に、前部および後部の横方向保持鉤爪が、脛骨の切除面に沿って脛骨トレイを案内し、脛骨を保持するように構成され、
前記ポリエチレンインサートは、挿入中に横方向の保持隆起が脛骨トレイの拘束リップと係合する、脛骨トレイの上面に挿入することによって脛骨トレイに取り付けられ、最終的に保持されるように構成され、前記ポリエチレンインサートの2つの端端のそれぞれは、最終的に脛骨トレイの上面の各側端の1つに隣接して配置される、プロテーゼ・デバイス。
【請求項2】
前記内側顆および外側顆の保持鉤爪は、それぞれ非関節内面から延びる2つの平面側面を含み、2つの平面側面が収束して鋭いエッジを形成する、請求項1に記載のプロテーゼ・デバイス。
【請求項3】
前記内側顆および外側顆の保持鉤爪が、それぞれ、非関節式内面から延びる2つの平面側面を含み、前記2つの平面側面が互いに実質的に平行であり鈍角を形成する、請求項1に記載のプロテーゼ・デバイス。
【請求項4】
前記脛骨トレイが、側面に2つの穴をさらに含む、請求項1に記載のプロテーゼ・デバイス。
【請求項5】
前記二顆大腿骨構成要素が、4つの保持鉤爪のみを有する、請求項1に記載のプロテーゼ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、リサーフェシング・プロテーゼに関し、より具体的には、脛骨関節面および大腿骨関節面のリサーフェシングに使用される、改良型の側面摺動ミニ膝プロテーゼ、ならびに伸筋機構、四頭筋腱のいかなる断絶または十字靱帯のいかなる損傷もなく、テンプレートおよび小型ロボット・アクチュエータ切削デバイスを使用する、小さい低侵襲の直外側アプローチによる、前記ミニ・インプラントの挿入のための手術法に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節形成およびリサーフェシング膝インプラントが、これまで何十年もの間使用されてきたことが分かる。該処置では、通常、執刀医が、インプラントを受容する脛骨および大腿骨の端部を準備することが必要とされる。この準備では、目的のインプラントを受容するために、関節面および隣接した骨の、注意深い除去が必要とされる。
【0003】
前記準備では、ミル、骨鋸、または高速バーなどの機械的骨切除デバイスの使用が必要とされる。そのような仕事を達成するために、執刀医は骨端を露出させ、攻撃的な切削具から周囲組織を保護する必要がある。
【0004】
通常、膝の関節面が除去され、金属構成要素およびポリエチレン構成要素に置き換えられる膝置換プロテーゼが、いくつかのタイプのインプラントを含む。1950年代半ばの最初の開始以来、大腿骨構成要素および脛骨構成要素の基本的設計ならびに外科的挿入技術に殆ど変化が見られない。
【0005】
先行技術のデバイスは、生まれながらの関節の大腿骨表面および脛骨表面の幾何学的形状を複製しようと試み、大腿骨構成要素は、米国特許第4,224,696号に記載されているものなどの、半円C形インプラント・デバイスを有する。双顆設計は、米国特許第4,309,778号および米国特許第4,470,158号において、F.BuechelおよびPappasによる先行特許に同様に開示されている。より最近の双顆設計が、米国特許第D473,307S号および米国特許第6,197,064(B1)号に記載されている。先行技術は、大腿膝蓋関節のための中心膝蓋溝(middle patellar groove)を有するように双顆プロテーゼを記載している。他の膝インプラント・デバイスは、米国特許第7,141,053号、米国特許第6,726,724(B2)号に記載されている単顆プロテーゼなど、大腿顆を1つだけリサーフェシングするのに使用される。
【0006】
一般的に使用されている膝インプラントの大部分は、骨への固定手段として骨セメントを使用する。より最近では、セメントレス骨内部成長固定が導入されており、脛骨表面、大腿骨表面、および膝蓋骨表面に使用されている。
【0007】
他の先行技術が、Zafer Termaniniによる米国特許第8,114,164号に記載されているものなどの、双顆リサーフェシング・インプラントを含む。しかし、前記インプラントは、固定手段としての骨セメントの使用を可能にせず、もっぱら、横方向隆起と切除された骨表面との間の幾何学的形状の干渉(geonetry interference)に依存していた。本発明のインプラントは、さらにはっきり限定して直外側アプローチにより導入されると同時に、骨セメントの使用を可能にする。
【0008】
しかし、単顆インプラントが、一般に、不十分な重量分配および小表面上の高い応力集中に続発する弛緩ならびに脱臼に因る高い失敗率を示す。さらに、上記の特許の殆ど全てが、侵襲的な従来の前方アプローチにより挿入されるインプラントを記載していた。そのような外科的アプローチは、広範な周囲組織の断裂および主要な解剖学的構造への回復不能の傷を生じさせる。
【0009】
従来の外科的アプローチに関する別の問題が、大腿骨の遠位端にアプローチし、露出させ、切除される内側面および外側面をよりよく可視化するために、膝蓋骨を側方に変位させるかまたは膝蓋骨を脱臼させ「裏返す」ことを必要とする内側膝蓋傍アプローチまたは外側膝蓋傍アプローチにより、大腿骨顆が前方からアプローチされることである。膝蓋骨の前記裏返しまたは前記側方変位が、膝蓋腱の停止を弱め、損なうことが多く、術直後に過度の痛みを引き起し、術後理学療法を長引かせる。通常、執刀医は、一般的に、膝蓋骨の側方変位を容易にするために、切開を広げるかまたは内側広筋を切除する「チョキンと切り取る」。さらに、従来の大腿骨構成要素および脛骨構成要素の大サイズは、それらを直外側アプローチの小さい限られた切開を通して挿入することを困難にする。本発明のプロテーゼは、大腿膝蓋関節のリサーフェシングをしないので、従来の全膝大腿骨構成要素より薄く、ずっと小さい。
【0010】
従来のデバイスは、それらが対処する特定の目的に適している可能性があるが、それらは、それらのサイズの理由で、伸筋機構を断裂させることのない、四頭筋腱または十字靱帯を損傷することない、制限された直外側アプローチによる双顆膝リサーフェシングに適していない。
【0011】
従来の全膝置換中、遠位大腿骨は、通常、大腿骨構成要素の内面の形状に対応する5つの切削で切除される。これらの切削は、一般的に、前方アプローチにより、骨に取り付けられている切削ブロックまたはテンプレートにより誘導される電源振動鋸またはミルなどの骨切削具を用いて実施される。前記切削ブロックは、1つの切削ブロックがインプラントの各サイズおよび形状のために設けられなければならないので、互いから固定距離および固定角度にあるスロットを設けている。また、スロットの平面は固定されるので、ブロックが骨に取り付けられると、それは修正され得ない。切削の精度は、スロット内の刃のクリアランスと同様に、外科医の手がいかに揺るぎないかに比例する。スロット内で梃子のように動かされた場合、柔軟性のある刃は曲がる可能性があり、刃の切削先端部を撓ませる。これは、切削の平面の変化の原因となり、その後、インプラントの圧入における不一致に至る。明らかに、このことは、非セメントインプラントにとってより重大であり、非常に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,224,696号
【特許文献2】米国特許第4,309,778号
【特許文献3】米国特許第4,470,158号
【特許文献4】米国特許第D473,307S号
【特許文献5】米国特許第6,197,064(B1)号
【特許文献6】米国特許第7,141,053号
【特許文献7】米国特許第6,726,724(B2)号
【特許文献8】米国特許第8,114,164号
【特許文献9】米国特許第8,167,833号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の点に関して、本発明による双顆膝リサーフェシング・プロテーゼは、先行技術の従来のコンセプトおよび設計から実質的に離れ、そうすることにより、膝蓋腱、大腿四頭筋機構、または十字靱帯へのいかなる損傷もなく、ミニの真の直外側アプローチにより挿入されるように明確に設計されているインプラントを提供する。
【0014】
本発明のシステムによりもたらされる重大な利点が、真っ直ぐなスロットではなく、逆Tスロットまたは経路を有する外科用多角形切削ブロックにより誘導される電磁骨チッパ・デバイスを使用することである。前記逆Tチャネルは、従来の切削ブロックの真っ直ぐなスロットよりかなりずっと正確である。さらに、骨切削を実施するのに使用される電磁骨チッパのシャンクはより太く、執刀医により偶然梃子のように動かされた場合、撓まず、または曲がらない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
先行技術において現在存在する、既知のタイプの膝リサーフェシング・プロテーゼに固有の、上述の利点を考慮して、本発明は、内側顆および外側顆膝リサーフェシング構造を有する新規のインプラントを提供し、同は、伸筋機構の断裂または十字靱帯への損傷なく、大腿膝蓋関節を扱うことなく、小さい直外側アプローチにより挿入され得る。
【0016】
後でより詳細に記載される本発明の大まかな目的は、先行する膝リサーフェシング・プロテーゼの多くの利点、および単独でもしくはそれらの任意の組合のどちらかで、先行技術の膝リサーフェシング・プロテーゼのいずれかにより予測されない、明らかにされない、提案されない、またはさらには暗示されない新規のミニ顆膝リサーフェシング・プロテーゼを結果的にもたらす多くの新規の特徴を有する、新規の双顆膝リサーフェシング・プロテーゼを提供することである。
【0017】
さらに、本発明は、膝蓋骨を内側に変位させた後に大腿骨および脛骨の関節面が前方からアクセスされる、一般的に用いられる前方アプローチとは対照的に、膝内へ側方から導入される誘導された電磁骨チッパ/ミルを使用して、四頭筋腱および周囲軟組織へのいかなる損傷も生じさせることなく、制限された最小限に侵襲的な直外側アプローチにより、新規の双顆膝インプラントを膝に挿入する方法を叙述する。
【0018】
これを達成するために、本発明のインプラントは、一般に、内側大腿顆および外側大腿顆両方の体重支持部分に一致する幾何学的形状を有する金属大腿骨構成要素と、脛骨プラトーの体重支持部分に一致する幾何学的形状を有する金属脛骨トレーと、ポリエチレン脛骨挿入物とを含む。
【0019】
非関節ブリッジにより遠位で接続された、内側および外側の2つの顆の形の、湾曲した弓形の研磨された凸関節面を有する金属大腿骨構成要素。凹面は、横方向フックまたは真っ直ぐな金属横方向保持鉤爪の形の大腿骨固定手段を有する。前記鉤爪は内側顆および外側顆の両端部に配置されている。
【0020】
図1に描写されている横方向四辺形空間内のミニ切込みを通してやはり側方から挿入される金属脛骨トレーが、外科的に準備された脛骨プラトーに取り付けられる底面を有する。前記底面は、保持鉤爪の形の固定手段を有する。前記保持鉤爪手段は、前記脛骨トレーの前部および後部に、金属トレーの幅全体に沿って横方向に延在している。上面は、ポリエチレン脛骨挿入物を保持する目的で、保持リップを設けている。ポリエチレン・トレーが横方向四辺形空間内のミニ切込みを通して側方から摺動挿入され得るように、前記保持リップは金属トレーの幅全体に沿って横方向に配置されている。
【0021】
脛骨トレー内の位置へ摺動したら、ポリエチレン挿入物は、金属脛骨トレーにある小陥凹部とポリエチレン・トレーの底部に設けられている対応する突出爪を含む係止機構により、しっかりと保持される。これは、ポリエチレン構成要素が完全な挿入後に定位置に係止され、それが係止されたら抜け出さないようにすることを可能にする。
【0022】
外科処置中、患者は、手術台の側部レールにしっかりと取り付けられている手術プラットフォーム上に手術される膝を置かれて、横向きに寝かされている。手術される下肢は、次いで、従来の真空「ビーン・バッグ・ポジショナ」などのいくつかの手段のうちの1つにより、プラットフォームに固定される。真空ビーン・バッグ・ポジショナが、一般的に、外科処置中に患者または体肢をしっかりと楽に固定するのに使用される。MedVac商標のビーン・バッグ・ポジショナ固定装置などの前記バッグは手術室内で容易に利用可能である。執刀医が脚を移動させたいと思った場合、「ビーン・バッグ」内の真空が収縮され、下肢は、次いで、解放されて自由に動く。
【0023】
他の固定手段が、下腿に巻き付けられておりかつプラットフォームにしっかりと取り付けられている、該脚を保持するストッキネットにしっかりと張り付く強商用グレードの幅広のベルクロ(登録商標)の使用であると考えられる。患者が仰臥位に仰向けに寝かされている場合、従来の前方アプローチの間に面倒な膝保持デバイスおよび脚を屈曲状態に保持する助手が必要になる重力の影響を排除する側臥位に患者がある時、膝の外側面上で手術を実施し易いことがはっきり分かる。
【0024】
下腿の他の固定手段が、手術台にしっかりと取り付けられ得る機械万力上での使用であると考えられる。
【0025】
図4に示されている通り)手術プラットフォーム上での下腿の適切な配置および真空ビーン・バッグまたはベルクロ(登録商標)での固定後、執刀医は、四辺形空間内の膝の外側面上で小さい皮膚切開を行い、膝の外側解剖学的構造を露出させる。約90度までの膝の屈曲が、腸脛靱帯および外側側副靱帯を、手術野から離して後方に変位させる。他の解剖学的構造は四辺形空間内に残存していない。筋膜および支帯が切開され、膝の外側顆が露出される。その後、膝蓋骨が、大腿顆から最小限に持ち上げられ、膝蓋骨留置装置を使用して分離状態で維持される。膝蓋骨が決して後退させられず、裏返されず、または内側にまたは外側に変位しないことが留意されるべきである。大腿四頭筋および伸筋機構はいかなる時も無傷のままである。
【0026】
一実施形態では、骨切除過程は、Zafer Termaniniによる米国特許第8,167,833号に完全に記載されている骨チッパまたは切削具および外部骨切削テンプレートを使用して達成される。前記テンプレートは、2つの固定ピンにより、遠位脛骨および大腿骨の外側面に取り付けられる。遠位大腿骨の外側面上の固定ピンの正確な配置のために、手持ち式顆テンプレートが使用される(図4)。前記顆テンプレートは大腿顆の凸関節面上に載る。そうすることにより、ミニ・アウトリガを貫通する手持ち式顆テンプレートは、所定の角度での、切除面に厳密に平行な、2つの固定ピンの挿入を可能にする。
【0027】
前述の固定ピンは、外部多角形切削ブロック(図6)を位置合わせするのに使用され、逆T経路は、骨切除および表面準備中、電磁骨カッタを誘導するのに使用される。
【0028】
本発明の別の実施形態では、前述の保持鉤爪は、内側および外側のより大きな平坦な非関節凹面上に中心に配置されている1つまたは複数の短い支柱に置き換えられる。これらの支柱の存在は、挿入後、インプラントの内側移動または外側移動を防止する。この修正されたミニ・インプラントは、本実施形態では、横方向四辺形空間内のミニ切込みを通して、依然として側方から挿入され得る。しかし、この改良型インプラントは、固定手段として従来の骨セメントの使用を可能にする。
【0029】
本発明の別の実施形態では、大腿骨構成要素および脛骨構成要素の挿入のための遠位大腿骨および近位脛骨の準備は、Zafer Termaniniに対して2012年5月1日に発行されている米国特許第8,167,833号に開示されているものと類似した電気機械切削デバイスを使用して実施される。
【0030】
しかし、本発明のさらなる態様によれば、前記電気機械切削デバイスは、患者のCTスキャンからのフィードバックにより大腿骨切削および脛骨切削および骨切除を正確に実施するようにプログラムされているコンピュータ制御の電気機械アクチュエータまたはミニ・ロボットに取り付けられることが可能である。従来の整形外科技術を凌ぐ本電動アクチュエータの主な利点は、骨表面の準備における精度および正確さの向上、より確実な再現性のある結果、およびより高い空間精度である。前記アクチュエータを制御する、同期化されたコンピュータ制御のシステムは、切削の正確な位置を描写するために、患者の術前CTスキャンからのDICOMデータを使用すると考えられる。コンピュータ制御のシステムが単に切削テンプレートまたは鋸誘導スロットを位置合わせするのに使用される他の従来のロボット切削システムとは対照的に、本発明において記載されているアクチュエータは、実際、切削ブロックまたはテンプレートの使用または執刀医によるいかなる介入もなく、切削および骨切除自体を確実に正確に実施する。これは、不十分な切削外科技術に関連する不完全もしくは不一致、または鋸刃に関連する撓みを確実に無くす。
【0031】
所定の既知の位置において骨を隔離しかつ固く固定する能力は、ロボット・デバイスが骨に空間的にしっかりと固定されることを可能にする。したがって、骨は固定された物体として処理され、ロボット・アクチュエータのコンピュータ制御を簡略化する。それは、モデムCNC機械加工において用いられる、基本的に同一の原理である。切削が執刀医により依然として手作業で実施されるので、ロボット・アクチュエータ支援外科手術は、コンピュータ支援ナビゲーションでは不可能な精度、正確さ、および安全のレベルを達成し得る。
【0032】
手術される膝および下肢をさらに安定させるために、2つの平行ピンが、手術創傷の近位端において、遠位大腿骨の外側面内へ挿入される。
【0033】
前記ピンは、遠位大腿骨を安定させる目的で、固定したアウトリガにしっかりと取り付けられる。前記アウトリガは、重いブラケットを用いて、手術台の側部レールにしっかりと取り付けられる。これは、基準構造体に対する骨の強固な支持を実現する。
【0034】
大腿骨が手術台にしっかりと取り付けられる上述のステップに従い、ミニ・ロボット・アクチュエータは遠位大腿骨切削を実施するのに利用される。前記アクチュエータはアウトリガ・アームの最上部にしっかりと取り付けられ、少なくとも4本の自由軸を有する。
【0035】
米国特許第8,167,833号に記載されているような電磁骨チッパまたは類似の切削セバイスが、非常に特殊な平面において正確な骨切削を実施するために、電気機械アクチュエータの遠位アームに取り付けられる。
【0036】
当該技術分野にとって既知のリバース・エンジニアリング技術(Reverse Engineering Techniques)を用いて、解剖学的ランドマークの空間登録が実施され得る。リバース・エンジニアリングは機械工業において実行可能な方法になっており、3D CAD(コンピュータを使った設計システム)で使用するための実在する物理的対象の3D仮想モデルを作り出す。また、リバース・エンジニアリングは、物体の実在する物理的形状をデジタル環境に持ち込むかまたは製品のデジタル3D記録を作成する産業において使用される。リバース・エンジニアリング工程が物理的対象のスキャン・データからコンピュータを使った設計モデルを作り出すことがさらに分かる。該工程では、測定されたデータを幾何学的複合体表面に変換することが必要になる。
【0037】
この目的を達成するために、強固に固定された基準点に関連して、アクチュエータの初期空間登録が必要とされる。さらに、プロセッサが、次いで、手術前に、患者のCTスキャンから得られるDICOMデータ上に、前記基準点を重ね合わせると考えられる。2つの上述の固定ピンは、登録に使用される空間平面を幾何学的にもたらす。平行ピン間の距離は物理的スキャン・データとして使用される。
【0038】
骨切除面の好適な位置が決定され、執刀医により、CTスキャン上で術前に登録される。切除面は強調され、次いで、情報がディスプレーの画面上に表示され、外科医が、骨切削の実際の配向を視覚的に確認することおよび骨切削の位置および配向を承認することを可能にする。
【0039】
先行技術の人工装具膝置換を凌ぐ本発明の利点のいくつかが、骨切削を実施するのに使用される骨チッパ/カッタが、大腿骨および脛骨の切削面の円形形状に対応する円形形状を有することである。切削面の位置、配向、およびより重要なことに深さは、CTスキャンから空間およびスケール(scale)の両方の座標を受信するコントローラにより命令される。
【0040】
CAD/CAMシステムならびに試作品および完成した工業用部品の機械加工の産業において一般的に使用されるデバイスに類似して、本システムのプロセッサは、患者のCTスキャンにより生成されるDicomデータを使用して、アクチュエータおよび電磁骨カッタを推進する道具経路を生成するので、本システムのプロセッサは、CTスキャンから受信されるDICOMに基づき、骨切除を適切に実施する。
【0041】
解剖学的ランドマークの登録が完了すると、切削具と共にミニ・ロボットの遠位アームは、ディスプレー上で指定されかつロボットにより確認された基準点へ導かれる。ロボットは、次いで、外科医の直接監視下で骨切削を実施することが可能にされる。シーケンスのアルゴリズムは、被加工物が万力内に強固に固定されておりかつフライス加工ヘッドが被加工物の切削および成形を実施するCNC機械の動作に類似している。
【0042】
したがって、その詳細な説明がよりよく理解され得るために、当該技術分野への本発明の寄与がよりよく理解され(be understood and appreciated)得るために、かなり広範に、本発明のより重要な特徴の概要が述べられている。本明細書以下に記載される、本発明の付加的な特徴が存在する。
【0043】
この点において、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されているかまたは図面に示されている構造の詳細へのかつ構成要素の装置へのその適用において制限されないことを理解すべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践され、実施されることが可能である。また、本明細書に用いられている表現および用語は説明の目的のものであり、制限的と見なされるべきではないことを理解すべきである。
【0044】
本発明の第1目的が、脛骨と大腿骨との間の運動領域弧に限定される、膝関節の体重支持領域を主にリサーフェシングする双顆膝リサーフェシング・プロテーゼを提供することである。前記プロテーゼは、制限された直外側アプローチにより挿入され、横方向四辺形空間の内部に、伸筋機構の断裂または四頭筋腱への損傷なく、据え付けられる。
【0045】
本発明に記載されているプロテーゼは、先行技術のデバイスの欠点を克服する。本発明の他の目的および利点が読者に明らかになり、これらの目的および利点は本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0046】
本発明は、添付図面に示されている形で具現化されてもよいが、図面は例示的なものに過ぎず、縮尺通りではないこと、および図示されている特定の構造に変更が施され得ることが注意喚起される。
【0047】
いくつかの図を通して同様の参照文字が同一のまたは類似の部分を指定する添付図面と併せて考慮されると、本発明の様々な目的、特徴、および結果として伴う利点がよりよく理解されるので、同は完全に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】保持鉤爪を示す大腿骨構成要素の斜視図である。
図2】中心ミニ支柱を示す異なる実施形態における大腿骨構成要素の斜視図である。
図3】脚の間に分離プラットフォームを有する、手術台上に側臥位で寝かされている患者の概略図である。下腿がストッキネットおよびベルクロ(登録商標)を用いて該プラットフォームに固定されている。
図4】手持ち式大腿骨テンプレートの斜視図である。
図5】2つの固定ピンを用いて外側顆上に固定されている手持ち式大腿骨テンプレートの斜視図である。
図6】2つの固定ピンを用いて外側顆上に固定されている多角形切削ブロックの斜視図である。
図7】遠位大腿骨上に挿入される大腿骨構成要素および近位脛骨上に挿入される脛骨構成要素の断面図である。
図8】鈍い支柱および鋭い支柱を備えた、大腿骨構成要素および脛骨構成要素の異なる実施形態の断面図である。
図9】近位脛骨上に挿入される金属脛骨構成要素の斜視図である。
図10】金属脛骨トレー上の定位置に挿入されるポリエチレン・トレーの斜視図である。
図11】アウトリガに取り付けられている2つのピンを用いて手術台に固定されている、手術される大腿骨の斜視図である。
図12】電磁骨チッパがTスロット内へ滑り込んでいる状態のTスロッテッド切削ブロックを示す、電気機械骨カッタの斜視図である。
図13】デバイスの底部に取り付けられているT形レールおよび係止つまみを示す、電気機械骨カッタの斜視図である。
図14】遠位大腿骨関節面が既に切除された後、2つの固定ピンを用いてアウトリガに取り付けられている近位脛骨の斜視図である。
図15】ロボット電気機械骨カッタおよび手術台への留め具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
ここで、いくつかの図を通して類似の参照文字が類似の要素を示す図面を記述的に参照すると、添付の図は簡潔な双顆膝リサーフェシング・プロテーゼを示し、それは、薄い金属大腿骨弓形構成要素と、金属脛骨トレーと、ポリエチレン脛骨挿入物とを含む。さらに、本発明は、膝蓋骨から離してかつ大腿四頭筋および膝蓋腱へのいかなる断裂または損傷もなく、手術される膝の外側面上に作られる小さい外科的切開を通してミニ双顆インプラントを挿入する方法の詳細な説明を与える。
【0050】
患者が仰向けに仰臥位で寝る従来の外科的全膝置換手術とは対照的に、本発明において利用される外科技術は、患者が手術台上に横向きに寝ている状態で実施される。少なくとも4つの調節可能なブラケット30を用いて手術台40の側部レールにしっかりと取り付けられている手術プラットフォーム15上に置かれる、手術される膝。手術される下肢は、次いで、下腿に巻き付けられておりかつプラットフォームにしっかりと取り付けられている、脚を保持するストッキネットにしっかりと張り付く強商用グレードの幅広のベルクロ(登録商標)19を使用して、プラットフォームに固定される。
【0051】
この目的を達成するために、本発明は、電磁骨チッパ47が使用されて、外側アプローチにより骨切除を正確に実施する方法を記載している。そのようなデバイスは、Zafer Termaniniにより出願された米国特許第8,167,833号に詳細に記載されている。
【0052】
双顆インプラントの大腿骨構成要素は、2つの高度に研磨された、内側凸関節面と外側凸関節面とを含み、それらは顆間接続部8により前方で接続されており、空間または顆間間隔7を残しており、それは十字靱帯が保存され、維持されることを可能にする。
【0053】
内側顆および外側顆の凹面は、各顆2、3、4、5(図1)のいずれかの端部上に金属鉤爪を有する。図1に示されている通り、前記金属鉤爪は、その横断面において半曲フランジの形状を有し、各顆の幅全体に沿って横方向に延在している。前記金属鉤爪2、3、4、5は、インプラントの後部非関節隣接面6と共に70度から95度までの角度を形成している。
【0054】
鉤爪の長さは10ミリメートルから20ミリメートルまでの間で変化し、大腿骨構成要素の本体に接触するその基部において約7〜12ミリメートルの厚さがある。各鉤爪の先端部は鋭いが、側縁部は丸いので、それらは、骨損傷を引き起こし、骨溶解の原因になるいかなる応力集中部も形成しない。
【0055】
本発明の別の実施形態では、金属鉤爪は平行な前面と後面とを有する可能性があり、丸い鈍い先端部を有し得る。
【0056】
本インプラントの凹面は凹凸および空隙を設けており、大腿骨金属構成要素を骨に強固に取り付ける骨内部成長を可能にする。また、前記大腿骨金属構成要素は、必要に応じて、従来のメタクリル酸メチル骨セメントを使用して、大腿骨20にセメントで固定され得る。
【0057】
平坦な上面および底面を有する金属脛骨トレー21(図7)。図7および図8に示されている通り、底面は、金属脛骨トレーをしっかりと保持する目的で、鉤爪の形の金属下方延長部23および24を設けている。前記金属鉤爪は、前部23(図7)および後部24(図7)において、金属脛骨トレーの下面全体に亘って横方向に伸びている。側面から定位置に摺動させられると、鉤爪は、骨ばった脛骨プラトー18への前記脛骨トレーの強力な固定手段を実現する。
【0058】
本発明の別の実施形態では、上述の脛骨鉤爪は、鋭い尖った先端部を有しており、柔らかい海綿質内への穿通を容易にし得る少なくとも2つの短いミニ支柱56に置き換えられることが可能である。
【0059】
図7および図9に示されている通り、金属トレーの上面は、金属脛骨トレー21の上面の幅全体に亘って横方向に伸びている、リップ形状を有する前部(図7)金属隆起部22および後部(図7)金属隆起部43を有する。
【0060】
脛骨インプラントの底面は微細な凹凸および空隙を設けており、脛骨金属構成要素を脛骨に強固に取り付ける骨内部成長を可能にする。また、前記脛骨金属構成要素は、必要に応じて、従来のメタクリル酸メチル骨セメントを使用して、脛骨にセメントで固定され得る。
【0061】
図10に示されている通り、脛骨挿入物42はポリエチレンで作製されており、脛骨金属トレーと同一の形状およびサイズを有する。大腿骨構成要素と関節接合する上面は、金属大腿骨内側顆および金属大腿骨外側顆の顆凸関節面に従順に合致する2つの杯状体33または浅い顆溝(condylar groove)を設けている。
【0062】
ポリエチレン脛骨挿入物の前部に横方向に伸びている溝構造41を有する前記ポリエチレン脛骨挿入物の底部、類似した横方向溝部が該挿入物の後部に伸びており、図7に示されている通り、前記挿入物が、金属脛骨トレーの2つの対応するリップ22と43との間で従順に容易に摺動することを可能にする。
【0063】
さらに、ポリエチレン脛骨トレー42は、ポリエチレン挿入物の下面から延出しており、脛骨金属トレー21の外側縁部にある陥凹部44内へ入る小係止爪を使用して、定位置に係止される。図9に示されている通り、前記爪は、側方からの挿入後に定位置に係止されると、それが抜け出さないようにする。
【0064】
金属脛骨トレーは、骨ばった脛骨プラトー上に前記脛骨トレーを適正位置に据え付けるための誘導具および衝撃部材の挿入のために使用される、前記トレーの側面の2つの穴部45をさらに設けている。
【0065】
本発明の別の実施形態では、図2に示されている通り、保持鉤爪2、3、4および5は、5ミリメートルと10ミリメートルの間の長さを有する中心の短いミニ支柱9および10に置き換えられる。非常に短い前記ミニ支柱は直外側アプローチによるインプラントの挿入を直接妨げないが、執刀医が従来のメタクリル酸メチル骨セメント使用しかつ双顆プロテーゼを前方で挿入し、据え付けることを可能にする。ミニ支柱はインプラントの横移動を防止する。さらに、本方法は、膝蓋骨の横への変位の必要を無くし、四頭筋腱を含むいかなる隣接した軟組織も損傷しない。別の実施形態では、ミニ支柱は鋭い尖った先端部57を有し、骨内への穿通を容易にする。
【0066】
骨切除を実施するために、執刀医は、内側大腿顆32および外側大腿顆31の体重支持関節面を除去する、3つの切除プランを描かなければならない。新しい皮膚切開を行う必要なく、切開の近位において遠位大腿骨の外側面上に2つのテンプレート・ピン28を正確に挿入することを可能にする、手持ち式大腿骨テンプレート37図4が使用される。該手持ち式大腿骨テンプレートは、調節可能な連結ロッド30により連結されている2つの関節弓形パッド25を含む。前記パッドは対応する関節面を覆って配置され、ハンドル29により定位置に手で保持され、次いで、穴部27を通して導入される2つの小ピンを用いて定位置にしっかりと固定される。
【0067】
手持ち式テンプレートの正確な配置およびブラケット26を通した2つの固定ピン28の挿入後、執刀医は、2つの固定ピン上にかつ遠位大腿骨の外側面(図6)に当接してTスロッテッド多角形切削ブロック39を配置する。該Tスロッテッド切削ブロック39は、金属大腿骨構成要素の凹非関節面6の3つの平面に対応する3つの平面35を含む。
【0068】
上記の通り、大腿骨の切除は、Zafer Termaniniにより出願された米国特許第8,167,833号に完全に記載されている電磁骨カッタユニット49を使用することにより実施される。前記電磁ドライバは振動円形カッタ50を含み、大腿骨切削テンプレートおよび脛骨切削テンプレート39上に配置されているT溝部36内へ前記レールが滑り込んだ場合にその移動を誘導する逆Tの形の、該ユニットの底部の逆T形レール48を有する。
【0069】
その意図された骨ターゲットを越える電磁骨カッタの偶発的な摺動は、軟組織損傷を引き起こし、主要な解剖学的構造を断裂させる可能性がある。そのような望ましくない事象を防止するために、従来のキャリパゲージまたは深さゲージが使用されて移動距離を測定し、該移動距離は内側顆および外側顆の幅に等しい。その後、摺動自在に移動可能なボルトの形の機械的止め具46が、所望の切除点を越えたその移動を抑制するために、電磁骨カッタのレール48上に適用されている。
【0070】
本発明の別の実施形態では、遠位大腿骨および近位脛骨からの関節面の切除は、少なくとも4本の自由軸を有するロボット・アクチュエータ56を使用して実施される。
【0071】
前記ロボット・アクチュエータは、アウトリガ11(図14)の上面上に据え付けられている回転円形プラットフォーム54の上面上に据え付けられる。アウトリガ11は、オートクレーブ滅菌に耐える金属または耐久性のあるプラスチック材料で構築されていることが留意されるべきである。前記アウトリガは、患者の適切な滅菌ドレーピングの後、ドレープの上方に、手術台の側部レールに取り付けられている。滅菌透明ビニールがロボット・アクチュエータ・ユニット全体を覆い、手術野の滅菌を保つ。制御モジュールへの接続は、滅菌可能なケーブル接続を用いて、またはワイファイ(Wi−Fi)または当該技術分野で周知の他の無線伝送を使用してケーブル接続なしで遠隔で、構築され得る。電源が、次いで、ロボット・アクチュエータ自体の中に含有される充電バッテリ・パック・ユニット53を使用して設けられる。
【0072】
ロボット・アクチュエータは、患者の術前CTスキャンからのDICOMが読み出されて、アクチュエータの登録の登録を可能にするコンピュータおよびディスプレーに接続されている。
【0073】
フライス加工前に被加工物が万力で強固に固定されるCNC機械加工の場合と同様に、遠位大腿骨は、ブラケットによりプラットフォーム15の側部レール14に取り付けられているアウトリガ11を使用して、手術プラットフォームに強固に固定される。遠位大腿骨の関節面の切除が行われた後、3つの平面は準備され51(図14)、次いで、注意が近位脛骨の準備に向けられ、次いで、該近位脛骨は、大腿骨側面と同様に、2つの大固定ピン12を用いて、同様の方法でアウトリガに固定される。その後、近位脛骨面は、電磁骨カッタを使用して近位脛骨18の関節面を切除することにより準備される。
【0074】
骨などの対象物体が移動可能である、触覚技術または触覚ナビゲーションなどの先行技術とは対照的に、本発明では、骨はしっかりと固定され、移動しない。さらに、先行技術のナビゲーションは、基本的に、切削誘導装置を位置合わせするのに用いられる。本発明では、アクチュエータ56は電磁カッタを誘導して、テンプレートまたは切削スロッテッド誘導装置を使用せずに、骨切削を直接実施する。
【0075】
上記記載に関して、サイズ、材料、形状、形態、動作の機能および方法、組立ておよび用途の変化を含む、本発明の部分の最適な寸法関係が、当業者に容易に明らかであり明確であると考えられることを理解すべきであり、図面に示されておりかつ本明細書に記載されているものと同等の関係は全て、本発明により包含されることが意図されている。
【0076】
したがって、上述は、本発明の原理の例示的なものに過ぎないと見なされる。さらに、多数の修正および変更が当業者に容易に思い付くので、図示され、記載されている厳密な構造および動作に本発明を限定することは望ましくなく、したがって、全ての適切な修正形態および同等物が、本発明の範囲内に入るものとされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15