【課題を解決するための手段】
【0015】
先行技術において現在存在する、既知のタイプの膝リサーフェシング・プロテーゼに固有の、上述の利点を考慮して、本発明は、内側顆および外側顆膝リサーフェシング構造を有する新規のインプラントを提供し、同は、伸筋機構の断裂または十字靱帯への損傷なく、大腿膝蓋関節を扱うことなく、小さい直外側アプローチにより挿入され得る。
【0016】
後でより詳細に記載される本発明の大まかな目的は、先行する膝リサーフェシング・プロテーゼの多くの利点、および単独でもしくはそれらの任意の組合のどちらかで、先行技術の膝リサーフェシング・プロテーゼのいずれかにより予測されない、明らかにされない、提案されない、またはさらには暗示されない新規のミニ顆膝リサーフェシング・プロテーゼを結果的にもたらす多くの新規の特徴を有する、新規の双顆膝リサーフェシング・プロテーゼを提供することである。
【0017】
さらに、本発明は、膝蓋骨を内側に変位させた後に大腿骨および脛骨の関節面が前方からアクセスされる、一般的に用いられる前方アプローチとは対照的に、膝内へ側方から導入される誘導された電磁骨チッパ/ミルを使用して、四頭筋腱および周囲軟組織へのいかなる損傷も生じさせることなく、制限された最小限に侵襲的な直外側アプローチにより、新規の双顆膝インプラントを膝に挿入する方法を叙述する。
【0018】
これを達成するために、本発明のインプラントは、一般に、内側大腿顆および外側大腿顆両方の体重支持部分に一致する幾何学的形状を有する金属大腿骨構成要素と、脛骨プラトーの体重支持部分に一致する幾何学的形状を有する金属脛骨トレーと、ポリエチレン脛骨挿入物とを含む。
【0019】
非関節ブリッジにより遠位で接続された、内側および外側の2つの顆の形の、湾曲した弓形の研磨された凸関節面を有する金属大腿骨構成要素。凹面は、横方向フックまたは真っ直ぐな金属横方向保持鉤爪の形の大腿骨固定手段を有する。前記鉤爪は内側顆および外側顆の両端部に配置されている。
【0020】
図1に描写されている横方向四辺形空間内のミニ切込みを通してやはり側方から挿入される金属脛骨トレーが、外科的に準備された脛骨プラトーに取り付けられる底面を有する。前記底面は、保持鉤爪の形の固定手段を有する。前記保持鉤爪手段は、前記脛骨トレーの前部および後部に、金属トレーの幅全体に沿って横方向に延在している。上面は、ポリエチレン脛骨挿入物を保持する目的で、保持リップを設けている。ポリエチレン・トレーが横方向四辺形空間内のミニ切込みを通して側方から摺動挿入され得るように、前記保持リップは金属トレーの幅全体に沿って横方向に配置されている。
【0021】
脛骨トレー内の位置へ摺動したら、ポリエチレン挿入物は、金属脛骨トレーにある小陥凹部とポリエチレン・トレーの底部に設けられている対応する突出爪を含む係止機構により、しっかりと保持される。これは、ポリエチレン構成要素が完全な挿入後に定位置に係止され、それが係止されたら抜け出さないようにすることを可能にする。
【0022】
外科処置中、患者は、手術台の側部レールにしっかりと取り付けられている手術プラットフォーム上に手術される膝を置かれて、横向きに寝かされている。手術される下肢は、次いで、従来の真空「ビーン・バッグ・ポジショナ」などのいくつかの手段のうちの1つにより、プラットフォームに固定される。真空ビーン・バッグ・ポジショナが、一般的に、外科処置中に患者または体肢をしっかりと楽に固定するのに使用される。MedVac商標のビーン・バッグ・ポジショナ固定装置などの前記バッグは手術室内で容易に利用可能である。執刀医が脚を移動させたいと思った場合、「ビーン・バッグ」内の真空が収縮され、下肢は、次いで、解放されて自由に動く。
【0023】
他の固定手段が、下腿に巻き付けられておりかつプラットフォームにしっかりと取り付けられている、該脚を保持するストッキネットにしっかりと張り付く強商用グレードの幅広のベルクロ(登録商標)の使用であると考えられる。患者が仰臥位に仰向けに寝かされている場合、従来の前方アプローチの間に面倒な膝保持デバイスおよび脚を屈曲状態に保持する助手が必要になる重力の影響を排除する側臥位に患者がある時、膝の外側面上で手術を実施し易いことがはっきり分かる。
【0024】
下腿の他の固定手段が、手術台にしっかりと取り付けられ得る機械万力上での使用であると考えられる。
【0025】
(
図4に示されている通り)手術プラットフォーム上での下腿の適切な配置および真空ビーン・バッグまたはベルクロ(登録商標)での固定後、執刀医は、四辺形空間内の膝の外側面上で小さい皮膚切開を行い、膝の外側解剖学的構造を露出させる。約90度までの膝の屈曲が、腸脛靱帯および外側側副靱帯を、手術野から離して後方に変位させる。他の解剖学的構造は四辺形空間内に残存していない。筋膜および支帯が切開され、膝の外側顆が露出される。その後、膝蓋骨が、大腿顆から最小限に持ち上げられ、膝蓋骨留置装置を使用して分離状態で維持される。膝蓋骨が決して後退させられず、裏返されず、または内側にまたは外側に変位しないことが留意されるべきである。大腿四頭筋および伸筋機構はいかなる時も無傷のままである。
【0026】
一実施形態では、骨切除過程は、Zafer Termaniniによる米国特許第8,167,833号に完全に記載されている骨チッパまたは切削具および外部骨切削テンプレートを使用して達成される。前記テンプレートは、2つの固定ピンにより、遠位脛骨および大腿骨の外側面に取り付けられる。遠位大腿骨の外側面上の固定ピンの正確な配置のために、手持ち式顆テンプレートが使用される(
図4)。前記顆テンプレートは大腿顆の凸関節面上に載る。そうすることにより、ミニ・アウトリガを貫通する手持ち式顆テンプレートは、所定の角度での、切除面に厳密に平行な、2つの固定ピンの挿入を可能にする。
【0027】
前述の固定ピンは、外部多角形切削ブロック(
図6)を位置合わせするのに使用され、逆T経路は、骨切除および表面準備中、電磁骨カッタを誘導するのに使用される。
【0028】
本発明の別の実施形態では、前述の保持鉤爪は、内側および外側のより大きな平坦な非関節凹面上に中心に配置されている1つまたは複数の短い支柱に置き換えられる。これらの支柱の存在は、挿入後、インプラントの内側移動または外側移動を防止する。この修正されたミニ・インプラントは、本実施形態では、横方向四辺形空間内のミニ切込みを通して、依然として側方から挿入され得る。しかし、この改良型インプラントは、固定手段として従来の骨セメントの使用を可能にする。
【0029】
本発明の別の実施形態では、大腿骨構成要素および脛骨構成要素の挿入のための遠位大腿骨および近位脛骨の準備は、Zafer Termaniniに対して2012年5月1日に発行されている米国特許第8,167,833号に開示されているものと類似した電気機械切削デバイスを使用して実施される。
【0030】
しかし、本発明のさらなる態様によれば、前記電気機械切削デバイスは、患者のCTスキャンからのフィードバックにより大腿骨切削および脛骨切削および骨切除を正確に実施するようにプログラムされているコンピュータ制御の電気機械アクチュエータまたはミニ・ロボットに取り付けられることが可能である。従来の整形外科技術を凌ぐ本電動アクチュエータの主な利点は、骨表面の準備における精度および正確さの向上、より確実な再現性のある結果、およびより高い空間精度である。前記アクチュエータを制御する、同期化されたコンピュータ制御のシステムは、切削の正確な位置を描写するために、患者の術前CTスキャンからのDICOMデータを使用すると考えられる。コンピュータ制御のシステムが単に切削テンプレートまたは鋸誘導スロットを位置合わせするのに使用される他の従来のロボット切削システムとは対照的に、本発明において記載されているアクチュエータは、実際、切削ブロックまたはテンプレートの使用または執刀医によるいかなる介入もなく、切削および骨切除自体を確実に正確に実施する。これは、不十分な切削外科技術に関連する不完全もしくは不一致、または鋸刃に関連する撓みを確実に無くす。
【0031】
所定の既知の位置において骨を隔離しかつ固く固定する能力は、ロボット・デバイスが骨に空間的にしっかりと固定されることを可能にする。したがって、骨は固定された物体として処理され、ロボット・アクチュエータのコンピュータ制御を簡略化する。それは、モデムCNC機械加工において用いられる、基本的に同一の原理である。切削が執刀医により依然として手作業で実施されるので、ロボット・アクチュエータ支援外科手術は、コンピュータ支援ナビゲーションでは不可能な精度、正確さ、および安全のレベルを達成し得る。
【0032】
手術される膝および下肢をさらに安定させるために、2つの平行ピンが、手術創傷の近位端において、遠位大腿骨の外側面内へ挿入される。
【0033】
前記ピンは、遠位大腿骨を安定させる目的で、固定したアウトリガにしっかりと取り付けられる。前記アウトリガは、重いブラケットを用いて、手術台の側部レールにしっかりと取り付けられる。これは、基準構造体に対する骨の強固な支持を実現する。
【0034】
大腿骨が手術台にしっかりと取り付けられる上述のステップに従い、ミニ・ロボット・アクチュエータは遠位大腿骨切削を実施するのに利用される。前記アクチュエータはアウトリガ・アームの最上部にしっかりと取り付けられ、少なくとも4本の自由軸を有する。
【0035】
米国特許第8,167,833号に記載されているような電磁骨チッパまたは類似の切削セバイスが、非常に特殊な平面において正確な骨切削を実施するために、電気機械アクチュエータの遠位アームに取り付けられる。
【0036】
当該技術分野にとって既知のリバース・エンジニアリング技術(Reverse Engineering Techniques)を用いて、解剖学的ランドマークの空間登録が実施され得る。リバース・エンジニアリングは機械工業において実行可能な方法になっており、3D CAD(コンピュータを使った設計システム)で使用するための実在する物理的対象の3D仮想モデルを作り出す。また、リバース・エンジニアリングは、物体の実在する物理的形状をデジタル環境に持ち込むかまたは製品のデジタル3D記録を作成する産業において使用される。リバース・エンジニアリング工程が物理的対象のスキャン・データからコンピュータを使った設計モデルを作り出すことがさらに分かる。該工程では、測定されたデータを幾何学的複合体表面に変換することが必要になる。
【0037】
この目的を達成するために、強固に固定された基準点に関連して、アクチュエータの初期空間登録が必要とされる。さらに、プロセッサが、次いで、手術前に、患者のCTスキャンから得られるDICOMデータ上に、前記基準点を重ね合わせると考えられる。2つの上述の固定ピンは、登録に使用される空間平面を幾何学的にもたらす。平行ピン間の距離は物理的スキャン・データとして使用される。
【0038】
骨切除面の好適な位置が決定され、執刀医により、CTスキャン上で術前に登録される。切除面は強調され、次いで、情報がディスプレーの画面上に表示され、外科医が、骨切削の実際の配向を視覚的に確認することおよび骨切削の位置および配向を承認することを可能にする。
【0039】
先行技術の人工装具膝置換を凌ぐ本発明の利点のいくつかが、骨切削を実施するのに使用される骨チッパ/カッタが、大腿骨および脛骨の切削面の円形形状に対応する円形形状を有することである。切削面の位置、配向、およびより重要なことに深さは、CTスキャンから空間およびスケール(scale)の両方の座標を受信するコントローラにより命令される。
【0040】
CAD/CAMシステムならびに試作品および完成した工業用部品の機械加工の産業において一般的に使用されるデバイスに類似して、本システムのプロセッサは、患者のCTスキャンにより生成されるDicomデータを使用して、アクチュエータおよび電磁骨カッタを推進する道具経路を生成するので、本システムのプロセッサは、CTスキャンから受信されるDICOMに基づき、骨切除を適切に実施する。
【0041】
解剖学的ランドマークの登録が完了すると、切削具と共にミニ・ロボットの遠位アームは、ディスプレー上で指定されかつロボットにより確認された基準点へ導かれる。ロボットは、次いで、外科医の直接監視下で骨切削を実施することが可能にされる。シーケンスのアルゴリズムは、被加工物が万力内に強固に固定されておりかつフライス加工ヘッドが被加工物の切削および成形を実施するCNC機械の動作に類似している。
【0042】
したがって、その詳細な説明がよりよく理解され得るために、当該技術分野への本発明の寄与がよりよく理解され(be understood and appreciated)得るために、かなり広範に、本発明のより重要な特徴の概要が述べられている。本明細書以下に記載される、本発明の付加的な特徴が存在する。
【0043】
この点において、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されているかまたは図面に示されている構造の詳細へのかつ構成要素の装置へのその適用において制限されないことを理解すべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践され、実施されることが可能である。また、本明細書に用いられている表現および用語は説明の目的のものであり、制限的と見なされるべきではないことを理解すべきである。
【0044】
本発明の第1目的が、脛骨と大腿骨との間の運動領域弧に限定される、膝関節の体重支持領域を主にリサーフェシングする双顆膝リサーフェシング・プロテーゼを提供することである。前記プロテーゼは、制限された直外側アプローチにより挿入され、横方向四辺形空間の内部に、伸筋機構の断裂または四頭筋腱への損傷なく、据え付けられる。
【0045】
本発明に記載されているプロテーゼは、先行技術のデバイスの欠点を克服する。本発明の他の目的および利点が読者に明らかになり、これらの目的および利点は本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0046】
本発明は、添付図面に示されている形で具現化されてもよいが、図面は例示的なものに過ぎず、縮尺通りではないこと、および図示されている特定の構造に変更が施され得ることが注意喚起される。
【0047】
いくつかの図を通して同様の参照文字が同一のまたは類似の部分を指定する添付図面と併せて考慮されると、本発明の様々な目的、特徴、および結果として伴う利点がよりよく理解されるので、同は完全に理解されるようになるであろう。