【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明の代表的態様は次のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央から前側に延在する腹側部分と、後側に延在する背側部分と、背側部分の両側縁からそれぞれ突出するファスニングテープとを有し、
身体への装着に際して、ファスニングテープを左右両側から腹側に回して前記腹側部分の外面に着脱自在に連結する、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、
連結面を有する連結手段を有するとともに、この連結面のうち腹側部分に対する連結部を有する幅方向範囲
である連結領域を有しており、
前記連結領域は、前記ファスニングテープの先端側に位置する先端縁と、前記ファスニングテープの基端側に位置する基端縁と
を有し、
前記連結面は、前後方向の前側に位置する前端縁と、前後方向の後側に位置する後端縁とを有しており、
前記連結領域に、前記基端縁から、前記先端縁、前端縁又は後端縁まで連続する指挿入部を有しており、
前記指挿入部は、前記連結部よりも前記腹側部分に対する連結力が弱いか又は前記腹側部分に対して連結しない部分であり、
前記連結部は、前記連結領域における少なくとも前記指挿入部の前後両側には設けられており、
前記ファスニングテープを展開した状態で、前記連結部よりも幅方向中央側に、表裏に貫通する開口又はこれを形成するためのミシン目を有する、
ことを特徴とする、テープタイプ使い捨ておむつ。
【0008】
(作用効果)
本発明では、ファスニングテープの連結部が腹側部分の外面に連結された状態で、開口からファスニングテープの内側に指を導入し、その指を指挿入部に挿入し、この挿入した指でファスニングテープを捲るようにすると、ファスニングテープをつまむことなく連結部を剥離することができる。しかも、本発明では、ファスニングテープの先端側、前側、又は後側からも指を挿入して連結部を剥離することができるとともに、指挿入部が連結領域の基端縁から基端縁以外の縁まで連続するため、指を連結領域の一方側から他方側まで容易に挿入することができる。よって、握力が弱い使用者や、指が曲がりにくい使用者であってもファスニングテープを容易に取り外しできる。特に、指挿入部が適度に狭い場合には、指挿入部に指を挿入するだけで、ファスニングテープの連結部の指挿入部に近い部分が自動的に剥がれるため、その後に完全に剥離することも容易となる。
【0009】
<第2の態様>
前記連結面を有する連結手段が、前記連結領域における前記指挿入部の前後両側にわたり連続しており、
前記連結面の前後方向中間の部分に、前記開口側の側縁から、少なくとも前記連結面の幅方向中間位置まで被覆するカバー片を有しており、
前記連結面のうち前記カバー片により被覆された部分が前記指挿入部であり、
前記連結面のうち前記カバー片により被覆されていない部分が前記連結部であり、
前記開口における前記連結領域側の縁部を折り位置として、前記連結領域を有する側に位置する第1の部分が前記開口を有する側に位置する第2の部分上に折り返されており、
前記カバー片は、前記開口内に収まる周縁形状を有し、かつ前記開口における前記連結領域側の縁部から前記連結面上に延び出た部分であり、
前記カバー片は前記連結面に連結されている、
第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0010】
(作用効果)
指挿入部の前後両側に連結部を設ける場合、指挿入部の前後両側に別個の連結手段をそれぞれ設ける手法の他、指挿入部の前後両側にわたる連結手段を設け、その前後方向中間の連結力を弱める又は失わせる手法をとることができる。また、後者の手法としては、連結手段自体に部分的に加工を施す手法と、連結面を部分的にカバー片で被覆する手法とが考えられる。なお、カバー片を用いる手法では、指挿入部の連結面がカバー片により被覆されるため、指挿入部に指を挿入しても皮膚を傷つけたり(連結手段がメカニカルファスナーのフック材である場合)、指を円滑に挿入できなかったり(連結手段が粘着剤の場合)することが防止される。
一方で、本発明では開口の形成も必要となるが、指挿入部及び連結部の形成と、開口の形成とを個別に行うと、製造の複雑化という点では好ましくない。
これに対して、本態様の場合、第1の部分が第2の部分上に折り返された折り畳み状態では、カバー片は連結面に連結された状態で開口と重なっており、第1の部分を折り畳み状態から展開すると、第1の部分の連結面に連結されたカバー片が開口における連結領域側の縁部を折り位置として折り返されると同時に、開口が開く。また、連結面にはカバー片が連結されており、連結面におけるカバー片により被覆された部分は指挿入部となる。
したがって、例えば、開口の形成部分を連結領域側の縁を残して周囲から切り離した後、開口における連結領域側の縁部を折り位置として、連結領域を有する側の第1の部分を開口を有する側の第2の部分上に折り返し、切り離し部分により囲まれた部分を連結手段の連結面に連結するだけで、開口及びカバー片(つまり指挿入部及び連結部と、開口とを)同時に形成でき、容易にかつ効率よく製造することができる。特に、一般的なテープタイプ使い捨ておむつの製造では、切断により個々のファスニングテープを形成するとともに、このファスニングテープを対象部材に取り付けた後、ファスニングテープを幅方向中央側に折り畳むことが行われている。よって、このような製造方法においては、個々のファスニングテープへの切断加工の際に同時に開口となる部分の周囲に切り込みを入れるだけで、ファスニングテープの折り畳み時にカバー片が自動的に連結面に連結されて指挿入部が形成され、使用に際してファスニングテープを展開すると開口が自動的に開口するようになる。
【0011】
<第3の態様>
前記カバー片は前記開口と同一形状である、第2の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
このようにカバー片を開口と同一形状とすると、切除により廃材(トリム)となる部分が発生しないため好ましい。
【0013】
<第4の態様>
前記折り位置から前記ファスニングテープの先端までの幅方向の距離をDとし、前記折り位置から前記カバー片の先端までの幅方向の距離をCとしたとき、D≧Cである、
第2又は3の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
この態様では、カバー片がファスニングテープの先端からはみ出すことがないため、見栄えに優れたものとなる。
【0015】
<第5の態様>
前記折り位置から前記ファスニングテープの先端までの幅方向の距離をDとし、前記折り位置から前記カバー片の先端までの幅方向の距離をCとしたとき、C>Dである、
第2又は3の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0016】
(作用効果)
この態様では、カバー片がファスニングテープの先端からはみ出すことになるが、指挿入部が幅方向に連続することになり、ファスニングテープの先端側からも指を挿入して連結部を剥離することができ、かつその挿入位置を視認できる利点がある。また、ファスニングテープの先端からはみ出すカバー片をつまんでファスニングテープの連結部を剥離することもできる。
【0017】
<第6の態様>
連結面を有する連結手段が、前記連結領域における前記指挿入部の前後両側にわたり連続しており、
前記指挿入部は、前記連結領域の先端縁から前記連結領域の基端縁まで幅方向に連続しているとともに、前記ファスニングテープの基端側に向かうにつれて前後方向の長さが長くなる形状を有している、
第1〜5のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0018】
(作用効果)
この態様では、指挿入部の前後方向の長さが開口側において広くなるため、開口を通じての指挿入部への指の挿入が容易となるものでありながら、反対側では指挿入部の前後方向の長さが狭くなり、それに伴い連結面の前後方向の長さが広くなるため、指挿入部を設けたことに起因する連結力の低下を(特にファスニングテープの先端側において)抑制することができる。
【0019】
<第7の態様>
連結面を有する連結手段が、前記連結領域における前記指挿入部の前後両側にわたり連続しており、
前記指挿入部は、前記連結領域の先端縁から前記連結領域の基端縁まで幅方向に連続しているとともに、前記ファスニングテープの先端側に向かうにつれて前後方向の長さが長くなる形状を有している、
第1〜5のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0020】
(作用効果)
この態様では、指挿入部の前後方向の長さが先端側において広くなるため、先端側からの指の挿入が容易となるものでありながら、反対側では指挿入部の前後方向の長さが狭くなり、それに伴い連結面の前後方向の長さが広くなるため、指挿入部を設けたことに起因する連結力の低下を(特にファスニングテープの基端側において)抑制することができる。
【0021】
<第8の態様>
連結面を有する連結手段が、前記連結領域における前記指挿入部の前後両側にわたり連続しており、
前記指挿入部は、前記連結領域の先端縁から前記連結領域の基端縁まで幅方向に連続しているとともに、前記連結領域の幅方向中間の位置から幅方向両側に向かうにつれて前後方向の長さが長くなる形状を有している、
第1〜5のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0022】
(作用効果)
この態様では、指挿入部の前後方向の長さが開口側及びファスニングテープの先端側において広くなるため、開口を通じての指挿入部への指の挿入が容易となるものでありながら、幅方向中間では指挿入部の前後方向の長さが狭くなり、それに伴い連結面の前後方向の長さが広くなるため、指挿入部を設けたことに起因する連結力の低下を抑制することができる。
【0023】
<第9の態様>
連結面を有する連結手段が、前記連結領域における前記指挿入部の前後両側にわたり連続しており、
前記指挿入部は、前記連結手段の前後いずれか一方の縁から前記連結領域の基端縁に向かって斜め方向に延びている、
第1〜5のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0024】
(作用効果)
この態様では、ファスニングテープの前後方向からも指を挿入して連結部を剥離することができるとともに、指挿入部が斜め方向に連続するため、指を連結領域の斜め方向一方側から他方側まで容易に挿入することができる。
【0025】
<第10の態様>
前記開口は、前記指挿入部に向かう方向を示す矢印の形状を有している、
第1〜5のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0026】
(作用効果)
開口がこのような矢印形状をしていると、使用者が開口に指を入れること、及び指を入れる方向を想起しやすくなるため好ましい。
【0027】
<第11の態様>
前記ファスニングテープを前記腹側部分に連結した状態で前記腹側部分における前記開口から覗く部分の色と、前記開口の周囲の色とが異なる、
第1〜10のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0028】
(作用効果)
このように開口の周囲と、その中に覗く色とが異なる配色となっていると、使用者が開口を視認しやすくなる。