(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記記憶媒体から前記読取部により読み取られた前記収納カセットの用途が収納用であったときには、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されていない場合には前記収納繰出部から前記収納カセットに貨幣が送られ、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されている場合には前記収納カセットから前記収納繰出部に貨幣が送られる、請求項3記載の貨幣処理機。
前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記記憶媒体から前記読取部により読み取られた前記収納カセットの用途が回収用であったときには、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットから前記収納繰出部に貨幣が送られる、請求項3記載の貨幣処理機。
前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記記憶媒体から前記読取部により読み取られた前記収納カセットの用途が補充用であったときには、前記収納繰出部から前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が送られる、請求項3記載の貨幣処理機。
前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に当該収納カセットの用途が収納用である旨の情報が前記書込部により書き込まれる場合、前記貨幣処理機とは別に設けられた貨幣釣銭機に補充されるべき釣銭準備金としての貨幣に係る情報も前記書込部により前記記憶媒体に書き込まれる、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の貨幣処理機。
前記記憶部に記憶されている前記収納カセットの識別情報毎の用途に基づいて、前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記識別用媒体から前記識別情報読取部により読み取られた前記収納カセットの識別情報に対応する前記収納カセットの用途が収納用であったときには、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されていない場合には前記収納繰出部から前記収納カセットに貨幣が送られ、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されている場合には前記収納カセットから前記収納繰出部に貨幣が送られる、請求項8記載の貨幣処理機。
貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部、制御部および用途決定手段を有する貨幣処理機による貨幣処理方法であって、
前記カセット装着部に前記収納カセットを装着する工程と、
前記制御部が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う工程と、
前記用途決定手段が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットの用途を決める工程と、
を備え、
前記収納カセットには記憶媒体が設けられており、
前記制御部が、決定された前記収納カセットの用途に係る情報を前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に書き込ませる制御を行う工程を更に備えた、貨幣処理方法。
貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部、制御部および用途決定手段を有する貨幣処理機による貨幣処理方法であって、
前記カセット装着部に前記収納カセットを装着する工程と、
前記制御部が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う工程と、
前記用途決定手段が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットの用途を決める工程と、
を備え、
前記収納カセットには当該収納カセットの識別情報を示す識別用媒体が設けられており、
前記制御部が、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記識別用媒体から前記収納カセットの識別情報を読み取らせる制御を行う工程と、
前記制御部が、決定された前記収納カセットの用途に係る情報を、読み取られた前記収納カセットの識別情報に関連付けて記憶部に記憶させる制御を行う工程と、
を更に備えた、貨幣処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1等に開示されるような、貨幣釣銭機および貨幣入出金機から構成される貨幣処理システムにおいて、複数の貨幣釣銭機から貨幣を全て回収して貨幣入出金機に入金するような全回収処理が定期的に行われる場合がある。このような全回収処理を行っている途中で、貨幣入出金機に設けられている収納部がフル状態となってしまいこの収納部に貨幣をこれ以上収納させることができなくなった場合には、貨幣釣銭機から回収された貨幣を貨幣入出金機に入金させる処理を中断し、フル状態となった収納部から貨幣を回収しなければならない。しかしながら、全回収処理後に複数の貨幣釣銭機への釣銭準備金の補充処理を行う場合に、収納部の容量を超える釣銭準備金が必要なときには、回収カセットに回収された貨幣を手で取り出し、貨幣処理装置への補充処理を行わなければならず、作業者の手間と補充処理の時間がかかってしまう。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、カセット装着部に装着されている空状態の収納カセットに収納繰出部から貨幣を送ることにより、釣銭準備金作成時に収納繰出部の貨幣が不足した場合でも、収納カセットを装着するだけで貨幣の補充が可能となり、よって回収カセットから貨幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる貨幣処理機、貨幣処理システムおよび貨幣処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の貨幣処理機は、貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部と、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部と、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う制御部と、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットの用途を決める用途決定手段と、を備え、前記収納カセットには記憶媒体が設けられており、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に情報を書き込む書込部を更に備え、前記用途決定手段により決定された前記収納カセットの用途に係る情報が前記書込部により前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に書き込まれるようになっていることを特徴とする。
【0008】
このような貨幣処理機によれば、収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、カセット装着部に装着されている空状態の収納カセットに収納繰出部から貨幣を送ることにより、釣銭準備金作成時に収納繰出部の貨幣が不足した場合でも、収納カセットを装着するだけで貨幣の補充が可能となり、よって回収カセットから貨幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【0013】
この場合、本発明の貨幣処理機は、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体から情報を読み取る読取部を更に備えていてもよい。
【0014】
また、前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記記憶媒体から前記読取部により読み取られた前記収納カセットの用途が収納用であったときには、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されていない場合には前記収納繰出部から前記収納カセットに貨幣が送られ、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されている場合には前記収納カセットから前記収納繰出部に貨幣が送られるようになっていてもよい。
【0015】
また、前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記記憶媒体から前記読取部により読み取られた前記収納カセットの用途が回収用であったときには、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットから前記収納繰出部に貨幣が送られるようになっていてもよい。
【0016】
また、前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記記憶媒体から前記読取部により読み取られた前記収納カセットの用途が補充用であったときには、前記収納繰出部から前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が送られるようになっていてもよい。
【0017】
また、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に当該収納カセットの用途が収納用である旨の情報が前記書込部により書き込まれる場合、前記貨幣処理機とは別に設けられた貨幣釣銭機に補充されるべき釣銭準備金としての貨幣に係る情報も前記書込部により前記記憶媒体に書き込まれるようになっていてもよい。
【0018】
本発明の貨幣処理
機は、貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部と、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部と、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う制御部と、
前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットの用途を決める用途決定手段と、を備え、前記収納カセットには当該収納カセットの識別情報を示す識別用媒体が設けられており、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記識別用媒体から前記収納カセットの識別情報を読み取る識別情報読取部と、記憶部と、を更に備え、前記用途決定手段により決定された前記収納カセットの用途に係る情報が前記識別情報読取部により読み取られた前記収納カセットの識別情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されるようになって
いることを特徴とする。
【0019】
この場合、前記記憶部に記憶されている前記収納カセットの識別情報毎の用途に基づいて、前記カセット装着部に前記収納カセットが装着されたときに当該収納カセットに設けられている前記識別用媒体から前記識別情報読取部により読み取られた前記収納カセットの識別情報に対応する前記収納カセットの用途が収納用であったときには、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されていない場合には前記収納繰出部から前記収納カセットに貨幣が送られ、前記カセット装着部に装着された前記収納カセットに貨幣が収納されている場合には前記収納カセットから前記収納繰出部に貨幣が送られるようになっていてもよい。
【0020】
本発明の貨幣処理システムは、売上金としての貨幣の入金処理および釣銭としての貨幣の出金処理を行う貨幣釣銭機と、前記貨幣釣銭機から回収された貨幣の入金処理および前記貨幣釣銭機に補充されるべき釣銭準備金としての貨幣の出金処理を行う貨幣処理機と、を備え、貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが前記貨幣釣銭機および前記貨幣処理機にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっており、前記貨幣処理機には、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部が設けられており、前記貨幣処理機の前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記貨幣処理機に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う制御部が設けられて
おり、前記貨幣処理機の前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記貨幣処理機に装着されている前記収納カセットの用途を決める用途決定手段が設けられており、前記収納カセットには記憶媒体が設けられており、前記貨幣処理機には、前記貨幣処理機に装着されている前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に情報を書き込む書込部が設けられており、前記用途決定手段により決定された前記収納カセットの用途に係る情報が前記書込部により前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に書き込まれるようになっていることを特徴とする。
また、本発明の貨幣処理システムは、売上金としての貨幣の入金処理および釣銭としての貨幣の出金処理を行う貨幣釣銭機と、前記貨幣釣銭機から回収された貨幣の入金処理および前記貨幣釣銭機に補充されるべき釣銭準備金としての貨幣の出金処理を行う貨幣処理機と、を備え、貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが前記貨幣釣銭機および前記貨幣処理機にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっており、前記貨幣処理機には、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部が設けられており、前記貨幣処理機の前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記貨幣処理機に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う制御部が設けられており、前記貨幣処理機の前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記貨幣処理機に装着されている前記収納カセットの用途を決める用途決定手段が設けられており、前記収納カセットには当該収納カセットの識別情報を示す識別用媒体が設けられており、前記貨幣処理機には、前記貨幣処理機に装着されている前記収納カセットに設けられている前記識別用媒体から前記収納カセットの識別情報を読み取る識別情報読取部が設けられており、前記用途決定手段により決定された前記収納カセットの用途に係る情報を、前記識別情報読取部により読み取られた前記収納カセットの識別情報に関連付けて記憶する記憶部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
このような貨幣処理システムによれば、貨幣処理機において収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、当該貨幣処理機に装着されている空状態の収納カセットに収納繰出部から貨幣を送ることにより、貨幣処理機において釣銭準備金作成時に収納繰出部の貨幣が不足した場合でも、収納カセットを装着するだけで貨幣の補充が可能となり、よって回収カセットから貨幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【0025】
本発明の貨幣処理方法は、貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部
、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部
、制御部および用途決定手段を有する貨幣処理機による貨幣処理方法であって、前記カセット装着部に前記収納カセットを装着する工程と、
前記制御部が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る
制御を行う工程と、
前記用途決定手段が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットの用途を決める工程と、を備え
、前記収納カセットには記憶媒体が設けられており、前記制御部が、決定された前記収納カセットの用途に係る情報を前記収納カセットに設けられている前記記憶媒体に書き込ませる制御を行う工程を更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の貨幣処理方法は、貨幣の収納および収納されている貨幣の繰り出しを行う収納カセットが着脱自在に装着されるカセット装着部、貨幣を収納するとともに収納されている貨幣を繰出可能な収納繰出部、制御部および用途決定手段を有する貨幣処理機による貨幣処理方法であって、前記カセット装着部に前記収納カセットを装着する工程と、前記制御部が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている空状態の前記収納カセットに前記収納繰出部から貨幣を送る制御を行う工程と、前記用途決定手段が、前記収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットの用途を決める工程と、を備え、前記収納カセットには当該収納カセットの識別情報を示す識別用媒体が設けられており、前記制御部が、前記カセット装着部に装着されている前記収納カセットに設けられている前記識別用媒体から前記収納カセットの識別情報を読み取らせる制御を行う工程と、前記制御部が、決定された前記収納カセットの用途に係る情報を、読み取られた前記収納カセットの識別情報に関連付けて記憶部に記憶させる制御を行う工程と、を更に備えたことを特徴とする。
【0026】
このような貨幣処理方法によれば、貨幣処理機において収納繰出部における貨幣の収納状態に応じて、当該貨幣処理機に装着されている空状態の収納カセットに収納繰出部から貨幣を送ることにより、貨幣処理機において釣銭準備金作成時に収納繰出部の貨幣が不足した場合でも、収納カセットを装着するだけで貨幣の補充が可能となり、よって回収カセットから貨幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の貨幣処理機、貨幣処理システムおよび貨幣処理方法によれば、釣銭準備金作成時に収納繰出部の貨幣が不足した場合でも、収納カセットを装着するだけで貨幣の補充が可能となり、よって回収カセットから貨幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図7は、本実施の形態による貨幣処理システムおよびこのような貨幣処理システムに設けられた貨幣釣銭機および貨幣入出金機等を示す図である。
【0033】
図1に示すように、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗において、顧客が立ち入ることができるフロント領域12には様々な商品が陳列された商品棚が設置されているとともに、このフロント領域12の精算所(具体的には、対面式レジカウンター)には貨幣釣銭機20やPOSレジスタ60(
図2参照)が設置されている。ここで、フロント領域12に複数の精算所が設けられる場合には、各精算所にそれぞれ貨幣釣銭機20およびPOSレジスタ60が設置されるようになる。顧客がこのような精算所で精算処理を行う際に、店員は、顧客から受け取った商品の代金としての貨幣を貨幣釣銭機20に入金したり、釣銭としての貨幣を貨幣釣銭機20から出金して顧客に返却したりするようになっている。また、POSレジスタ60により、顧客が購入した商品に係る情報や貨幣釣銭機20に収納されている貨幣に係る情報等の管理が行われるようになっている。
【0034】
また、このような店舗における顧客の立ち入りが禁止されたバックヤード領域14(具体的には、例えば出納室)には貨幣入出金機30(具体的には、例えば出納機)が設置されている。ここで、バックヤード領域14に設置される貨幣入出金機30は、貨幣釣銭機20から回収された店舗の売上金としての貨幣の入金処理を行うことができるようになっている。また、貨幣釣銭機20において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機30から釣銭準備金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機30から出金された釣銭準備金としての貨幣を貨幣釣銭機20に補充することができるようになっている。
【0035】
本実施の形態では、このような貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30を組み合わせることにより本発明に係る貨幣処理システム10が構成されている。また、このような貨幣処理システム10において、紙幣を収納するとともに収納されている紙幣の繰り出しを行う収納カセット40によって貨幣釣銭機20と貨幣入出金機30との間で紙幣の受け渡しが行われるようになっている。このような収納カセット40は各貨幣釣銭機20に対応して複数設けられている。また、複数の収納カセット40の各々には識別番号等の識別情報が対応付けられるようになっている。具体的には、各収納カセット40には例えば001から順に識別番号が割り当てられるようになっている。また、複数の収納カセット40は略同一の大きさの略直方体形状のケーシングを有しており、ケーシングの内部に紙幣が収納されるようになっている。また、収納カセット40には、当該収納カセット40の識別情報や収納カセット40に収納されている紙幣に関する情報等の様々な情報を記憶するICタグ等の記憶媒体42が設けられている。また、後述するように、収納カセット40は、貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっている。また、収納カセット40の側面には開口40aが設けられており、収納カセット40が貨幣釣銭機20や貨幣入出金機30に装着されたときに、貨幣釣銭機20や貨幣入出金機30の搬送部(後述)から開口40aを介して収納カセット40の内部に紙幣が送られるとともに、収納カセット40の内部から繰り出された紙幣が開口40aを介して貨幣釣銭機20や貨幣入出金機30の搬送部に送られるようになっている。
【0036】
以下、貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30の構成の詳細について説明する。
【0037】
まず、店舗のフロント領域12に設けられた貨幣釣銭機20の構成の詳細について
図2および
図3を用いて説明する。
図2に示すように、本実施の形態による貨幣釣銭機20は、上下に並ぶよう配置された硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26と、これらの硬貨処理装置24や包装硬貨収納装置26の隣に並ぶよう配置された紙幣処理装置22とを備えており、紙幣処理装置22や硬貨処理装置24の上面にはPOSレジスタ60が載置されるようになっている。また、硬貨処理装置24の上部にはタッチパネル等の操作表示部29aが設けられている。紙幣処理装置22および硬貨処理装置24は、それぞれ、紙幣や硬貨の入出金処理を行うようになっている。また、包装硬貨収納装置26は、各金種の包装硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数(例えば、20枚や50枚)だけ棒状にまとめてフィルムや包装紙等により包装したもの)を取り出し可能に収納するようになっている。また、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を包装硬貨収納装置26に収納することができるようになっている。また、POSレジスタ60は、貨幣釣銭機20の管理を行う管理装置として用いられるようになっている。
【0038】
紙幣処理装置22には、筐体の外部から内部に紙幣を投入するための投入部と、筐体の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に紙幣を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、
図3に示すように、紙幣処理装置22には、搬送部から送られた紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部22aが設けられている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、紙幣の処理を行う紙幣処理部22bが構成されている。また、紙幣処理装置22には、収納カセット40が装着されるカセット装着部22cが設けられている。ここで、収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着されているときに、紙幣処理装置22に設けられた搬送部(図示せず)から開口40aを介して紙幣が収納カセット40の内部に送られたり、収納カセット40に収納されている紙幣が開口40aを介して紙幣処理装置22の搬送部に繰り出されたりするようになっている。より詳細には、収納カセット40の内部には、当該収納カセット40に収納されている紙幣を開口40aから外部に繰り出す紙幣繰出機構が設けられている。また、収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cに装着されているときに、紙幣処理装置22側から収納カセット40の紙幣繰出機構に動力が伝達されるようになっている。このように、収納カセット40が紙幣処理装置22のカセット装着部22cから取り出された状態では当該収納カセット40に収納されている紙幣を外部に繰り出させることができないため、収納カセット40に収納されている紙幣のセキュリティ性を向上させることができる。また、紙幣処理装置22には、カセット装着部22cに装着されている収納カセット40の記憶媒体42から情報を読み取ったり当該記憶媒体42に情報を書き込んだりするリーダライタ22dが設けられている。
【0039】
硬貨処理装置24には、筐体の外部から内部に硬貨を投入するための投入部と、筐体の内部で硬貨を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に硬貨を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、
図3に示すように、硬貨処理装置24には、搬送部から送られた硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部24aが設けられている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、硬貨の処理を行う硬貨処理部24bが構成されている。
【0040】
包装硬貨収納装置26には、筐体の内部から手前側に引出可能となっている収納ドロア(図示せず)と、収納ドロアを筐体の内部でロックするロック機構26aとがそれぞれ設けられている。ここで、収納ドロアには複数の包装硬貨が収納されるようになっている。また、ロック機構26aによる収納ドロアのロックが解除されると、操作者は収納ドロアを筐体の内部から手前側に引き出してこの収納ドロアから包装硬貨を取り出したり当該収納ドロアに包装硬貨を収納したりすることができるようになっている。また、収納ドロアには、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)も収納させることができるようになっている。
【0041】
次に、このような貨幣釣銭機20における制御系の構成について
図3を用いて説明する。
図3に示すように、貨幣釣銭機20にはCPU(中央演算処理ユニット)等の制御部28が設けられており、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26の各構成部材がそれぞれ当該制御部28に接続されている。このことにより、リーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42から読み取られた情報は制御部28に送られるようになる。また、制御部28は紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26の各構成部材に指令を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うことができるようになっている。また、
図3に示すように、制御部28には操作表示部29a、記憶部29b、通信インターフェース部29cおよび印字部29dがそれぞれ接続されている。操作表示部29aには、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理状況に係る情報等が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部29aにより制御部28に様々な指令を入力することができるようになっている。また、記憶部29bには、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等が記憶されるようになっている。また、制御部28は通信インターフェース部29cによりPOSレジスタ60等の外部装置に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。また、印字部29dは、紙幣処理装置22、硬貨処理装置24および包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等をレシートに印字するようになっている。
【0042】
次に、店舗のバックヤード領域14に設けられた出納機等の貨幣入出金機30の構成の詳細について
図4および
図5を用いて説明する。ここで、バックヤード領域14に設置される貨幣入出金機30は、貨幣釣銭機20から回収された店舗の売上金としての貨幣の入金処理を行うことができるようになっている。また、貨幣釣銭機20において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機30から釣銭準備金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機30から出金された釣銭準備金としての貨幣を貨幣釣銭機20に補充することができるようになっている。
【0043】
図4に示すように、貨幣入出金機30は、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理装置32、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理装置34、および包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置36を備えている。
図4に示すように、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34は貨幣入出金機30を手前側から見て左右に並ぶよう配置されており、これらの紙幣処理装置32および硬貨処理装置34の下方に包装硬貨収納装置36が配置されている。また、硬貨処理装置34の上部にはタッチパネル等の操作表示部39aが設けられている。紙幣処理装置32および硬貨処理装置34は、それぞれ、紙幣や硬貨の入出金処理を行うようになっている。また、包装硬貨収納装置36は、各金種の包装硬貨を取り出し可能に収納するようになっている。また、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を包装硬貨収納装置36に収納することができるようになっている。
【0044】
紙幣処理装置32には、筐体の外部から内部に紙幣を投入するための投入部と、筐体の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に紙幣を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、
図5に示すように、紙幣処理装置32には、搬送部から送られた紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部32aが設けられている。また、紙幣処理装置32には、搬送部から送られた紙幣を収納する回収カセット(図示せず)が設けられており、警送会社等の警備員は回収カセットに収納されている紙幣を回収カセットごと紙幣処理装置32から回収することができるようになっている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、紙幣の処理を行う紙幣処理部32bが構成されている。また、紙幣処理装置32には、収納カセット40が装着されるカセット装着部32cが設けられている。ここで、収納カセット40が紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着されているときに、紙幣処理装置32に設けられた搬送部(図示せず)から開口40aを介して紙幣が収納カセット40の内部に送られたり、収納カセット40に収納されている紙幣が開口40aを介して紙幣処理装置32の搬送部に繰り出されたりするようになっている。より詳細には、収納カセット40が紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着されているときに、紙幣処理装置32側から収納カセット40の紙幣繰出機構に動力が伝達されるようになっている。また、紙幣処理装置32には、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の記憶媒体42から情報を読み取ったり当該記憶媒体42に情報を書き込んだりするリーダライタ32dが設けられている。
【0045】
硬貨処理装置34には、筐体の外部から内部に硬貨を投入するための投入部と、筐体の内部で硬貨を1枚ずつ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う識別部と、筐体の内部から外部に硬貨を払い出すための払出部とがそれぞれ設けられている。また、
図5に示すように、硬貨処理装置34には、搬送部から送られた硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を搬送部に1枚ずつ繰り出し可能な収納繰出部34aが設けられている。また、硬貨処理装置34には、搬送部から送られた硬貨を収納する回収カセット(図示せず)が設けられており、警送会社等の警備員は回収カセットに収納されている硬貨を回収カセットごと硬貨処理装置34から回収することができるようになっている。なお、上述した投入部、搬送部、識別部、払出部等により、硬貨の処理を行う硬貨処理部34bが構成されている。
【0046】
包装硬貨収納装置36には、筐体の内部から手前側に引出可能となっている収納ドロア(図示せず)と、収納ドロアを筐体の内部でロックするロック機構36aとがそれぞれ設けられている。ここで、収納ドロアには複数の包装硬貨が収納されるようになっている。また、ロック機構36aによる収納ドロアのロックが解除されると、操作者は収納ドロアを筐体の内部から手前側に引き出してこの収納ドロアから包装硬貨を取り出したり当該収納ドロアに包装硬貨を収納したりすることができるようになっている。また、収納ドロアには、紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)も収納させることができるようになっている。
【0047】
次に、このような貨幣入出金機30における制御系の構成について
図5を用いて説明する。
図5に示すように、貨幣入出金機30にはCPU(中央演算処理ユニット)等の制御部38が設けられており、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36の各構成部材がそれぞれ当該制御部38に接続されている。このことにより、リーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42から読み取られた情報は制御部38に送られるようになる。また、制御部38は紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36の各構成部材に指令を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うことができるようになっている。また、
図5に示すように、制御部38には操作表示部39a、記憶部39b、通信インターフェース部39cおよび印字部39dがそれぞれ接続されている。操作表示部39aには、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理状況に係る情報等が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部39aにより制御部38に様々な指令を入力することができるようになっている。また、記憶部39bには、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等が記憶されるようになっている。また、制御部38は通信インターフェース部39cにより上位端末等の外部装置に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。なお、制御部38は通信インターフェース部39cにより警送会社の管理センターに設けられた管理コンピュータ等に対して信号の送受信を行うことができるようになっていてもよい。また、印字部39dは、紙幣処理装置32、硬貨処理装置34および包装硬貨収納装置36に収納されている紙幣や硬貨の在高等に関する情報や、紙幣や硬貨の処理履歴に係る情報等をレシートに印字するようになっている。
【0048】
また、本実施の形態では、制御部38は、紙幣処理装置32の収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている空状態の収納カセット40に収納繰出部32aから紙幣を送る制御を行うようになっている。このような制御部38の機能については後述する。また、
図5に示すように、紙幣処理装置32の収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途を決める用途決定手段50が制御部38に接続されている。ここで、用途決定手段50により決められる収納カセット40の用途として、回収用、補充用、収納用等が挙げられる。このような用途決定手段50の機能の詳細については後述する。
【0049】
次に、
図1乃至
図5に示す貨幣処理システム10において、
図1において参照符合(a)で示すような貨幣釣銭機20から売上金としての貨幣を回収して貨幣入出金機30に収納させる動作(以下、回収処理ともいう)や、
図1において参照符合(b)で示すような貨幣入出金機30から釣銭準備金としての貨幣を出金して貨幣釣銭機20に補充する動作(以下、補充処理ともいう)について以下に説明する。
【0050】
まず、貨幣処理システム10において回収処理が行われる際の動作(すなわち、
図1において参照符合(a)で示す動作)について説明する。店舗の営業時間が終了すると、精算所で商品の精算業務を行っていたレジ担当者は貨幣釣銭機20から貨幣や貨幣以外の媒体(例えば、商品券等)を回収する。具体的には、レジ担当者は、紙幣処理装置22のカセット装着部22cに空状態の収納カセット40を装着することにより、紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されている売上金としての紙幣を収納カセット40に収納させる。また、レジ担当者は、硬貨処理装置24において収納繰出部24aに収納されている売上金としての硬貨の出金処理を行う。そして、硬貨処理装置24から出金された硬貨をレジ担当者は収納ケース(図示せず)に手で収納する。また、レジ担当者は、包装硬貨収納装置26に収納されている紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を手で取りだし、この取り出された媒体を収納ケースに手で収納する。また、紙幣処理装置22および硬貨処理装置24等から売上金としての紙幣や硬貨が回収されると、紙幣処理装置22および硬貨処理装置24から回収された紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、金種毎の枚数)等がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。また、貨幣釣銭機20が設置されている精算所の識別番号や、レジ担当者の識別番号がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになっていてもよい。また、レジ担当者が貨幣釣銭機20から貨幣や貨幣以外の媒体を回収する際に、回収された貨幣等に関する情報がプリンタ等の印字部29dによりレシートに印字される。レジ担当者は、プリンタ等の印字部29dにより印字されたレシートも収納ケースに手で収納する。
【0051】
そして、フロント領域12において貨幣釣銭機20から貨幣や貨幣以外の媒体を回収したレジ担当者は、収納カセット40および収納ケースをまとめてフロント領域12からバックヤード領域14に運搬する。その後、レジ担当者は収納カセット40を貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着する。このことにより、収納カセット40に収納されている売上金としての紙幣が当該収納カセット40から繰り出されて紙幣処理装置32の筐体の内部に送られ、この紙幣処理装置32の収納繰出部32aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから売上金としての硬貨を取り出し、この取り出された硬貨を硬貨処理装置34に入金する。このことにより、硬貨処理装置24から回収された売上金としての硬貨が硬貨処理装置34の収納繰出部34aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから紙幣や硬貨以外の媒体(例えば、商品券等)を手で取りだし、この取り出された媒体を包装硬貨収納装置36に収納する。また、本実施の形態では、収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されると、この収納カセット40の記憶媒体42に記憶されている情報がリーダライタ32dにより読み取られる。このことにより、収納カセット40に収納されていた、紙幣処理装置22および硬貨処理装置24から回収された紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、紙幣や硬貨の金種毎の枚数)等が貨幣入出金機30の制御部38により管理されるようになる。
【0052】
次に、貨幣処理システム10において補充処理が行われる際の動作(すなわち、
図1において参照符合(b)で示す動作)について説明する。店舗の営業時間前に、レジ担当者は釣銭用として貨幣釣銭機20に収納しておくべき硬貨や紙幣(すなわち、釣銭準備金としての紙幣や硬貨)を貨幣入出金機30から出金する。具体的には、レジ担当者は、紙幣処理装置32のカセット装着部32cに空状態の収納カセット40を装着することにより、紙幣処理装置32の収納繰出部32aから釣銭準備金としての紙幣を繰り出させて収納カセット40に収納させる。また、レジ担当者は、硬貨処理装置34において収納繰出部34aに収納されている硬貨の出金処理を行う。そして、硬貨処理装置34から出金された釣銭準備金としての硬貨をレジ担当者は収納ケース(図示せず)に手で収納する。また、レジ担当者は、包装硬貨収納装置36に収納されている包装硬貨を手で取りだし、この取り出された包装硬貨を収納ケースに手で収納する。また、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34等から釣銭準備金としての紙幣や硬貨が出金されると、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34から出金された紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、金種毎の枚数)等がリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。また、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34から出金された紙幣や硬貨が補充されるべき貨幣釣銭機20が設置されている精算所の識別番号や、出金処理を行ったレジ担当者の識別番号がリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになっていてもよい。
【0053】
そして、釣銭準備金としての紙幣や硬貨が収納カセット40や収納カセットに収納されると、レジ担当者は収納カセット40や収納カセットをバックヤード領域14からフロント領域12に運搬する。その後、レジ担当者は収納カセット40を貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着する。このことにより、収納カセット40に収納されている釣銭準備金としての紙幣が当該収納カセット40から繰り出されて紙幣処理装置22の筐体の内部に送られ、この紙幣処理装置22の収納繰出部22aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから釣銭準備金としての硬貨を取り出し、この取り出された硬貨を硬貨処理装置24に入金する。このことにより、硬貨処理装置34から出金された釣銭準備金としての硬貨が硬貨処理装置24の収納繰出部24aに収納されるようになる。また、レジ担当者は収納ケースから釣銭準備金としての包装硬貨を手で取りだし、この取り出された包装硬貨を包装硬貨収納装置26に収納する。また、本実施の形態では、収納カセット40が貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着されると、この収納カセット40の記憶媒体42に記憶されている情報がリーダライタ22dにより読み取られる。このことにより、収納カセット40に収納されていた、紙幣処理装置32および硬貨処理装置34から出金された釣銭準備金としての紙幣や硬貨に係る情報(具体的には、紙幣や硬貨の金種毎の枚数)等が貨幣釣銭機20の制御部28により管理されるようになる。
【0054】
また、本実施の形態の貨幣処理システム10では、各貨幣釣銭機20に対応して用いられる収納カセット40の他に、予備の収納カセット40(すなわち、各貨幣釣銭機20に対応していない収納カセット40)が用いられるようになっている。このような予備の収納カセット40は、各貨幣釣銭機20から貨幣を回収して貨幣入出金機30に入金する際にこの貨幣入出金機30の紙幣処理装置32における収納繰出部32aがフルまたはニアフル状態となってしまい当該収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納させることができなくなった場合に、この収納繰出部32aに収納されている紙幣を一時的に収納するような収納用のものとして用いられるようになっている。このような技術的事項の詳細について以下に説明する。
【0055】
本実施の形態の貨幣処理システム10において、複数の貨幣釣銭機20から貨幣を全て回収して貨幣入出金機30に入金するような全回収処理が定期的に行われる場合がある。このような全回収処理が行われる途中で、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32における収納繰出部32aがフル状態またはニアフル状態となってしまい収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納させることができなくなった場合には、紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着されている収納カセット40から紙幣を繰り出して収納繰出部32aに送る動作が中断される。また、収納繰出部32aがフル状態またはニアフル状態である旨の情報が貨幣入出金機30の操作表示部39aに表示される。また、貨幣入出金機30の操作表示部39aには、紙幣処理装置32のカセット装着部32cから回収用の収納カセット40を取り外して予備の収納カセット40をカセット装着部32cに装着することを操作者に促す画面が表示される。その後、レジ担当者等の操作者が紙幣処理装置32のカセット装着部32cから回収用の収納カセット40を取り外して空状態の予備の収納カセット40をカセット装着部32cに装着すると、収納繰出部32aから紙幣が繰り出されて収納カセット40に収納されるようになる。そして、
図1において参照符合(c)で示すように操作者はカセット装着部32cから収納カセット40を取り外す。このようにして、紙幣が収納されている収納カセット40がバックヤード領域14で保管されるようになる。このような動作を行うことにより、紙幣処理装置32の収納繰出部32aに空き容量ができるため、全回収処理を引き続き行うことができるようになる。
【0056】
また、本実施の形態の貨幣処理システム10において、各貨幣釣銭機20に釣銭準備金として補充されるべき紙幣や硬貨が貨幣入出金機30から出金される途中で、紙幣処理装置32の収納繰出部32aが空状態となってしまう場合がある。このような場合には、レジ担当者等の操作者は、
図1において参照符合(d)で示すように、バックヤード領域14で保管されていた、紙幣が収納されている収納用の収納カセット40を紙幣処理装置32のカセット装着部32cに装着する。このことにより、収納カセット40から紙幣が繰り出されて収納繰出部32aに送られるようになり、各貨幣釣銭機20への釣銭準備金としての貨幣の補充処理を引き続き行うことができるようになる。
【0057】
また、本実施の形態では、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途が用途決定手段50により決められるようになっている。また、用途決定手段50により決められた収納カセット40の用途は、リーダライタ32dにより当該収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになっている。具体的には、収納カセット40の用途としては、回収用、補充用および収納用がある。ここで、各貨幣釣銭機20に対応して用いられる収納カセット40の用途は概ね回収用または補充用となる。一方、予備の収納カセット40の用途は概ね収納用となる。
【0058】
より詳しく説明すると、上述した回収処理が行われる際に空状態の収納カセット40が貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着された後、回収処理を行う旨の指令が操作者によって操作表示部29aにより入力されると、収納カセット40の用途が回収用であることがリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれる。また、紙幣処理装置22において収納繰出部22aから売上金としての紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納カセット40に収納される。その後、カセット装着部22cから取り外された収納カセット40がフロント領域12からバックヤード領域14に運搬された後、この収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されたときに、収納カセット40の用途が回収用である旨の情報がリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42から読み取られると、収納カセット40から売上金としての紙幣が収納繰出部32aに送られるようになる(
図6参照)。
【0059】
また、上述した補充処理が行われる際に空状態の収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された後、補充処理を行う旨の指令が操作者によって操作表示部39aにより入力されると、収納カセット40の用途が補充用であることがリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれる。また、紙幣処理装置32において収納繰出部32aから釣銭準備金としての紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納カセット40に収納される(
図6参照)。その後、カセット装着部22cから取り外された収納カセット40がバックヤード領域14からフロント領域12に運搬された後、この収納カセット40が貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着されたときに、収納カセット40の用途が補充用である旨の情報がリーダライタ22dにより収納カセット40の記憶媒体42から読み取られると、収納カセット40から釣銭準備金としての紙幣が収納繰出部22aに送られるようになる。
【0060】
また、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32における収納繰出部32aがフル状態またはニアフル状態となっておりこの収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納することができない場合にカセット装着部32cに空状態の収納カセット40が装着されると、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途が収納用であることが用途決定手段50により決められる。また、この場合には、収納カセット40の用途が収納用であることがリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれる。また、収納カセット40の用途が収納用であることがリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれた後、紙幣処理装置32において収納繰出部32aから紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納カセット40に収納される(
図6参照)。このようにして、制御部38は、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている空状態の収納カセット40に収納繰出部32aから紙幣を送る制御を行うようになる。その後、貨幣入出金機30において補充処理が行われることにより収納繰出部32aに空き容量が形成された後、紙幣が収納されている収納用の収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されると、収納カセット40の記憶媒体42からリーダライタ32dにより当該収納カセット40の用途に係る情報が読み取られる。そして、収納カセット40の用途が収納用であることがリーダライタ32dにより読み取られると、収納カセット40から紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納繰出部32aに収納されるようになる(
図6)。
【0061】
なお、本実施の形態では、収納カセット40の用途として、回収用および補充用が分けられる代わりに、補充回収用という用途が用いられてもよい。収納カセット40の記憶媒体42に記憶されている収納カセット40の用途が補充回収用である場合に、この収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されたときの動作について以下に説明する。収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着され、この収納カセット40の記憶媒体42からリーダライタ32dにより読み取られた収納カセット40の用途が補充回収用であった場合に、収納カセット40に紙幣が収納されていたときには、この収納カセット40は貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22から回収された紙幣を収納したものであると考えられるため、収納カセット40から紙幣が繰り出されて収納繰出部32aに送られるようになる。一方、収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着され、この収納カセット40の記憶媒体42からリーダライタ32dにより読み取られた収納カセット40の用途が補充回収用であった場合において、収納カセット40に紙幣が収納されていなかったときには、この収納カセット40は貨幣釣銭機20への釣銭準備金としての紙幣の補充に用いられるものであると考えられるため、収納繰出部32aから紙幣が繰り出されて収納カセット40に送られるようになる(
図6参照)。
【0062】
また、本実施の形態では、予備の収納カセット40(すなわち、各貨幣釣銭機20に対応していない収納カセット40)が、釣銭準備金としての貨幣を各貨幣釣銭機20に補充する補充処理で用いられてもよい。具体的には、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40が装着されているときに、操作者が操作表示部29aにより収納カセット40の用途が予備補充用である旨の入力を行うと、収納カセット40の記憶媒体42にはリーダライタ32dにより当該収納カセット40の用途が予備補充用であるという情報が書き込まれる。また、各貨幣釣銭機20に補充されるべき釣銭準備金としての貨幣に係る情報(具体的には、各紙幣処理装置22に補充されるべき紙幣の金種毎の枚数等に係る情報)もリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。また、各貨幣釣銭機20に釣銭準備金として補充されるべき紙幣が収納繰出部32aから繰り出されて収納カセット40に送られるようになる。その後、
図7において参照符合(e)で示すように、各貨幣釣銭機20に釣銭準備金として補充されるべき紙幣が収納されている収納カセット40がバックヤード領域14からフロント領域12に運搬され、各貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着されることにより、収納カセット40から各貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22における収納繰出部22aに釣銭準備金としての紙幣が補充されるようになる。より詳細には、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに収納カセット40が装着され、この収納カセット40の記憶媒体42からリーダライタ22dにより当該収納カセット40の用途が予備補充用である旨の情報が読み取られると、記憶媒体42からリーダライタ22dにより読み取られた釣銭準備金としての貨幣に係る情報に基づいて、所定の枚数の紙幣が収納カセット40から繰り出されて収納繰出部22aに送られるようになる。
【0063】
また、
図7では、1つの予備補充用の収納カセット40により複数の貨幣釣銭機20に釣銭準備金としての紙幣を補充する動作が示されているが、本実施の形態の貨幣処理システム10はこのような態様に限定されることはない。本実施の形態の貨幣処理システム10における他の例として、1つの予備補充用の収納カセット40から1つの貨幣釣銭機20に釣銭準備金としての紙幣が補充されるようになっていてもよい。この場合には、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40が装着されたときに、1つの貨幣釣銭機20に補充されるべき釣銭準備金としての貨幣に係る情報(具体的には、1つの紙幣処理装置22に補充されるべき紙幣の金種毎の枚数等に係る情報)がリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。
【0064】
また、本実施の形態の貨幣処理システム10では、各貨幣釣銭機20に対応して用いられる収納カセット40(すなわち、回収用または補充用として用いられる収納カセット40)を、予備の収納カセット40としても用いることができるようになっていてもよい。すなわち、収納カセット40の用途が回収用または補充用であることが記憶媒体42に記憶されている収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されているときに、収納繰出部32aがフル状態またはニアフル状態となることによって当該収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納させることができなくなった場合に、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途が用途決定手段50により回収用または補充用から収納用に変えられるようになる。また、この場合には、収納カセット40の用途が収納用であることがリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれるようになる。そして、収納カセット40の用途が収納用であることがリーダライタ32dにより収納カセット40の記憶媒体42に書き込まれた後、収納繰出部32aから紙幣が繰り出されて収納カセット40に送られるようになる。
【0065】
また、
図1乃至
図7に示す貨幣処理システム10の更に別の例では、空状態の収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されると、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に関係なく、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途が用途決定手段50により収納用に決められるようになっていてもよい。この場合には、操作者が補充処理を行いたい場合に、操作表示部39aにより補充処理を行う旨の指令を入力すると、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途が用途決定手段50により収納用から補充用に変えられるようになる。
【0066】
なお、本実施の形態の貨幣処理システムは、
図1乃至
図7に示すような、収納カセット40に記憶媒体42が設けられ、この記憶媒体42に収納カセット40の用途が記憶される態様のものに限定されることはない。本実施の形態の貨幣処理システムの他の例として、
図8乃至
図11に示すような、収納カセット40に記憶媒体42ではなくバーコード等の識別用媒体44が設けられるようなものが用いられてもよい。このような態様について以下に説明する。
【0067】
図8乃至
図11は、本実施の形態の他の例に係る貨幣処理システム10aおよびこのような貨幣処理システム10aに設けられた貨幣釣銭機20aおよび貨幣入出金機30aを示す図である。なお、
図8乃至
図11に示す貨幣釣銭機20aおよび貨幣入出金機30aを説明するにあたり、
図1乃至
図7に示す貨幣釣銭機20および貨幣入出金機30と同一の構成部材については同一の参照符合を付してその説明を省略する。
【0068】
上述したように、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aでは、貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとの間で紙幣の受け渡しを行う複数の収納カセット40の各々には識別番号等の識別情報が対応付けられるようになっている。また、収納カセット40には、当該収納カセット40の識別情報を示すバーコード等の識別用媒体44が設けられている。また、
図9に示すように、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22には、カセット装着部22cに装着されている収納カセット40の識別用媒体44から当該収納カセット40の識別情報を読み取るバーコードリーダ22eが設けられている。このようなバーコードリーダ22eが設けられていることにより、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに収納カセット40が装着されると、この収納カセット40の識別番号等の識別情報がバーコードリーダ22eによって識別用媒体44から読み取られて制御部28に送られるようになる。また、
図10に示すように、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32にも、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の識別用媒体44から当該収納カセット40の識別情報を読み取るバーコードリーダ32eが設けられている。このようなバーコードリーダ32eが設けられていることにより、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40が装着されると、この収納カセット40の識別番号等の識別情報がバーコードリーダ32eによって識別用媒体44から読み取られて制御部38に送られるようになる。
【0069】
また、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aでは、各貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとはLAN16等によって有線または無線により互いに通信可能に接続されている。このことにより、各貨幣釣銭機20aの制御部28と貨幣入出金機30aの制御部38との間で信号の送受信を行うことができるようになる。なお、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aにおいて、各貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとが必ずしも通信可能に接続される必要はない。
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aの変形例において、各貨幣釣銭機20aと貨幣入出金機30aとが通信可能に接続されていなくてもよい。
【0070】
また、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aでは、各収納カセット40の用途が当該収納カセット40に設けられた記憶媒体42に書き込まれる代わりに、各収納カセット40の用途が当該収納カセット40の識別番号と関連付けられて貨幣入出金機30aの記憶部39bに記憶されるようになっている。貨幣入出金機30aの記憶部39bに記憶される、収納カセット40の識別番号とこの収納カセット40の用途との関係を示す表を
図11に示す。
図11に示すように、各収納カセット40の用途が回収用、補充用または収納用であることが当該収納カセット40の識別番号と関連付けられて記憶部39bに記憶されている。また、用途決定手段50により収納カセット40の用途が決められると、記憶部39bに記憶されている収納カセット40の用途が書き換えられるようになる。
【0071】
より詳細に説明すると、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aにおいて、回収処理が行われる際に空状態の収納カセット40が貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着された後、回収処理を行う旨の指令が操作者によって操作表示部29aにより入力されると、バーコードリーダ22eにより識別用媒体44から読み取られた収納カセット40の識別番号およびこの識別番号に対応する収納カセット40の用途が回収用であるという情報が貨幣釣銭機20の制御部28から貨幣入出金機30の制御部38に送信される。そして、記憶部39bに記憶されている各識別番号の収納カセット40の用途のうち、貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着された識別番号の収納カセット40の用途が回収用に書き換えられる。また、紙幣処理装置22において収納繰出部22aから売上金としての紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納カセット40に収納される。その後、カセット装着部22cから取り外された収納カセット40がフロント領域12からバックヤード領域14に運搬された後、この収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されたときに、記憶部39bに記憶されている情報に基づいて、バーコードリーダ32eにより収納カセット40の識別用媒体44から読み取られた収納カセット40の識別番号に対応する収納カセット40の用途が回収用であると判断されると、収納カセット40から売上金としての紙幣が収納繰出部32aに送られるようになる(
図6参照)。
【0072】
また、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aにおいて、補充処理が行われる際に空状態の収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された後、補充処理を行う旨の指令が操作者によって操作表示部39aにより入力されると、記憶部39bに記憶されている各識別番号の収納カセット40の用途のうち、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された識別番号の収納カセット40の用途が補充用に書き換えられる。また、紙幣処理装置32において収納繰出部32aから釣銭準備金としての紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納カセット40に収納される(
図6参照)。その後、カセット装着部22cから取り外された収納カセット40がバックヤード領域14からフロント領域12に運搬された後、この収納カセット40が貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22におけるカセット装着部22cに装着されると、バーコードリーダ22eにより収納カセット40の識別用媒体44から収納カセット40の識別番号が読み取られる。そして、貨幣釣銭機20の制御部28と貨幣入出金機30の制御部38との間で通信を行うことにより、記憶部39bに記憶されている情報に基づいて、バーコードリーダ22eにより収納カセット40の識別用媒体44から読み取られた収納カセット40の識別番号に対応する収納カセット40の用途が補充用であると判断されると、収納カセット40から釣銭準備金としての紙幣が収納繰出部22aに送られるようになる。
【0073】
また、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32における収納繰出部32aがフル状態またはニアフル状態となっておりこの収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納することができない場合にカセット装着部32cに空状態の収納カセット40が装着されると、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途が収納用であることが用途決定手段50により決められる。また、この場合には、記憶部39bに記憶されている各識別番号の収納カセット40の用途のうち、バーコードリーダ32eにより当該収納カセット40の識別用媒体44から読み取られた収納カセット40の識別番号に対応する収納カセット40の用途が収納用に書き換えられる。また、記憶部39bに記憶されている、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着された識別番号の収納カセット40の用途が収納用に書き換えられた後、紙幣処理装置32において収納繰出部32aから紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納カセット40に収納される(
図6参照)。このようにして、制御部38は、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている空状態の収納カセット40に収納繰出部32aから紙幣を送る制御を行うようになる。その後、貨幣入出金機30において補充処理が行われることにより収納繰出部32aに空き容量が形成された後、紙幣が収納されている収納用の収納カセット40が貨幣入出金機30の紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに装着されると、この収納カセット40の識別用媒体44からバーコードリーダ32eにより当該収納カセット40の識別番号が読み取られる。そして、記憶部39bに記憶されている情報に基づいて、この読み取られた収納カセット40の識別番号に対応する収納カセット40の用途が収容用であった場合には、収納カセット40から紙幣が繰り出され、この繰り出された紙幣が収納繰出部32aに収納されるようになる(
図6)。
【0074】
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣処理システム10、10aやこの貨幣処理システム10、10aに設けられた貨幣入出金機30、30aによれば、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている空状態の収納カセット40に収納繰出部32aから紙幣を送るようになっている。このように、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて当該収納繰出部32aから空状態の収納カセット40に紙幣を送ることにより、釣銭準備金作成時に収納繰出部32aの紙幣が不足した場合でも、収納カセット40を装着するだけで紙幣の補充が可能となり、よって回収カセット(図示せず)から紙幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【0075】
より詳細に説明すると、従来の貨幣処理システムでは、貨幣入出金機の紙幣処理装置に着脱自在に装着される収納カセットを、回収用や補充用ではなく収納用として用いるような運用が行われていなかった。このため、従来の貨幣処理システムにおいて、複数の貨幣釣銭機から貨幣を全て回収して貨幣入出金機に入金するような全回収処理が定期的に行われる場合に、このような全回収処理を行っている途中で、貨幣入出金機に設けられている収納繰出部がフル状態となってしまいこの収納繰出部に貨幣をこれ以上収納させることができなくなったときには、貨幣釣銭機から回収された貨幣を貨幣入出金機に入金させる処理を中断してフル状態となった収納繰出部から貨幣を回収しなければならない。しかしながら、全回収処理後に複数の貨幣釣銭機への釣銭準備金の補充処理を行う場合に、収納繰出部の容量を超える釣銭準備金が必要なときには、回収カセットに回収された貨幣を手で取り出し、貨幣入出金機への補充処理を行わなければならず、作業者の手間と補充処理の時間がかかってしまう。これに対し、本実施の形態では、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている空状態の収納カセット40に収納繰出部32aから紙幣を送ることにより、収納繰出部32aに収納されている紙幣を収納カセット40に一時的に退避させることができる。このため、全回収処理後に複数の貨幣釣銭機20、20aへの釣銭準備金の補充処理を行う場合に、収納繰出部32aの容量を超える釣銭準備金が必要なときには、この退避していた紙幣が収納されている収納カセット40を貨幣入出金機30、30aに装着するだけで収納カセット40から収納繰出部32aに紙幣が戻されることにより当該収納繰出部32aに紙幣を補充することができるようになる。このようにして、本実施の形態では、回収カセット(図示せず)から紙幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【0076】
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10aやこの貨幣処理システム10、10aに設けられた貨幣入出金機30、30aにおいては、上述したように、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途を決める用途決定手段50が設けられている。このように、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じてカセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途を決めることにより、収納カセット40の用途を適切なものとすることができる。
【0077】
また、本実施の形態の貨幣処理システム10、10aやこの貨幣処理システム10、10aに設けられた貨幣入出金機30、30aにおいては、上述したように、用途決定手段50は、収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納することができない場合に、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途を収納用とするようになっている。また、用途決定手段50は、カセット装着部32cに収納カセット40が装着されたときに当該収納カセット40に紙幣が収納されていなかったときにおいてのみ、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途を収納用とすることができるようになっている。言い換えると、用途決定手段50は、カセット装着部32cに収納カセット40が装着されたときに当該収納カセット40に紙幣が収納されていた場合には、このような紙幣は貨幣釣銭機20の紙幣処理装置22から回収された紙幣であると考えられるため、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40の用途を回収用とし、この収納カセット40から紙幣を繰り出させて収納繰出部32aに収納させるようになっている。
【0078】
また、
図1乃至
図7に示す貨幣処理システム10では、収納カセット40には記憶媒体42が設けられており、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32には、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40に設けられている記憶媒体42に情報を書き込む書込部としてリーダライタ32dが設けられている。また、用途決定手段50により決定された収納カセット40の用途に係る情報が書込部としてのリーダライタ32dにより収納カセット40に設けられている記憶媒体42に書き込まれるようになっている。また、この場合には、リーダライタ32dは、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40に設けられている記憶媒体42から情報を読み取る読取部としても機能するようになる。
【0079】
また、
図8乃至
図11に示す貨幣処理システム10aでは、収納カセット40には当該収納カセット40の識別情報を示す識別用媒体44が設けられており、貨幣入出金機30の紙幣処理装置32には、カセット装着部32cに装着されている収納カセット40に設けられている識別用媒体44から収納カセット40の識別情報を読み取る識別情報読取部としてバーコードリーダ32eが設けられている。また、貨幣入出金機30には記憶部39bが設けられており、用途決定手段50により決定された収納カセット40の用途に係る情報が、識別情報読取部としてのバーコードリーダ32eにより読み取られた収納カセット40の識別情報に関連付けられて記憶部39bに記憶されるようになっている(
図11参照)。
【0080】
なお、本発明による貨幣処理システムや貨幣入出金機は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0081】
上記の説明では、
図1乃至
図11に示す貨幣処理システム10、10aにおいて、複数の貨幣釣銭機20、20aから貨幣を全て回収して貨幣入出金機30、30aに入金するような全回収処理を行う場合についての動作を述べたが、店舗内の貨幣を全て計数するような棚卸し処理においても同様の動作が行われるようになっていてもよい。より詳細に説明すると、店舗内の貨幣を全て計数するような棚卸し処理において、複数の貨幣釣銭機20、20aの紙幣処理装置22から紙幣が全て収納カセット40に送られてこの収納カセット40から貨幣入出金機30、30aの紙幣処理装置32に紙幣が入金されるようになる。そして、紙幣処理装置32において紙幣の計数が行われた後、この紙幣処理装置32から収納カセット40により各貨幣釣銭機20、20aの紙幣処理装置22に紙幣が戻されるようになる。また、このような動作において、収納繰出部32aにおける紙幣の収納状態に応じて、カセット装着部32cに装着されている空状態の収納カセット40に収納繰出部32aから紙幣を送るようになる。この場合でも、釣銭準備金作成時に収納繰出部32aの紙幣が不足した場合に、収納カセット40を装着するだけで紙幣の補充が可能となり、よって回収カセット(図示せず)から紙幣を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。
【0082】
また、上述した棚卸し処理において、以下に示す動作が行われるようになっていてもよい。具体的には、棚卸し処理が行われる際に、各貨幣釣銭機20、20aから出金された貨幣が貨幣入出金機30、30aに入金される前に、貨幣入出金機30、30aの紙幣処理装置32および硬貨処理装置34において収納繰出部32aや収納繰出部34aに収納されている紙幣や硬貨が全て回収カセットに送られる。その後、各貨幣釣銭機20、20aから出金された貨幣を貨幣入出金機30、30aに入金するにあたり、貨幣入出金機30、30aの紙幣処理装置32におけるカセット装着部32cに収納カセット40が装着されると、この収納カセット40から繰り出された紙幣のうち一万円紙幣だけは紙幣処理装置32の回収カセットに収納させ、その他の金種の紙幣は全て紙幣処理装置32の収納繰出部32aに収納させる。また、各貨幣釣銭機20、20aから出金された貨幣のうち硬貨および包装硬貨は全て硬貨処理装置34の収納繰出部34aや包装硬貨収納装置36にそれぞれ収納させる。そして、貨幣入出金機30、30aにおいて貨幣の計数が行われた後、紙幣処理装置32の収納繰出部32aや硬貨処理装置34の収納繰出部34aに収納されている紙幣や硬貨を出金させる。この際に、紙幣処理装置32から出金された紙幣は収納カセット40に収納される。また、操作者は包装硬貨収納装置36に収納されている包装硬貨を取り出す。その後、操作者は紙幣処理装置32や硬貨処理装置34、包装硬貨収納装置36から出金された紙幣、硬貨および包装硬貨を元の貨幣釣銭機20、20aに戻す。なお、このような動作が行われる際に、貨幣釣銭機20、20aから出金された一万円紙幣は貨幣入出金機30、30aの回収カセットに収納されるため、元の貨幣釣銭機20、20aに戻されないが、一万円紙幣は概して釣銭準備金として必要ないので元の貨幣釣銭機20、20aに戻されなくても問題ない。このような方法により棚卸し処理を行った場合には、貨幣釣銭機20、20aから出金された一万円紙幣を貨幣入出金機30、30aの回収カセットに収納させることにより、収納繰出部32aがフル状態またはニアフル状態となってしまいこの収納繰出部32aに紙幣をこれ以上収納させることができなくなってしまう状態になることを極力抑制することができる。このことにより、貨幣釣銭機20、20aから回収された紙幣や硬貨を貨幣入出金機30、30aにおいて計数する際に途中で計数できなくなってしまうことを抑制することができるため、棚卸し処理をできるだけ早く終わらせることができるようになる。
【0083】
また、
図1乃至
図11に示す貨幣処理システム10、10aでは、貨幣入出金機30、30aの紙幣処理装置32において収納カセット40が装着されるカセット装着部32cが設けられているが、このような態様に限定されることはない。変形例に係る貨幣処理システムにおいて、貨幣入出金機の紙幣処理装置にカセット装着部が設けられる代わりに、紙幣処理装置の入金口や入出金口に収納カセットが着脱自在に装着されるようになっていてもよい。この場合には、紙幣処理装置の入金口や入出金口に収納カセットが装着されると、収納カセットから繰り出された紙幣を入金口や入出金口により紙幣処理装置の筐体内に送ったり、紙幣処理装置の筐体内から入金口や入出金口を介して収納カセットに紙幣を送ったりすることができるようになる。
【0084】
また、変形例に係る貨幣処理システムにおいて、予備の収納カセット(言い換えると、収納用として用いられる収納カセット)が、紙幣の金種毎に複数設けられていてもよい。この場合には、紙幣処理装置の収納繰出部がフル状態またはニアフル状態となったときに、各金種に対応する収納カセットを順次カセット装着部に装着することにより、複数の収納カセットの各々に紙幣を金種毎に収納させることができるようになる。なお、予備の収納カセットとして1つの収納カセットが用いられる場合には、紙幣処理装置の収納繰出部がフル状態またはニアフル状態となったときに、収納カセットがカセット装着部に装着されると、この収納カセットに複数の金種の紙幣が混合状態で収納されるようになる。
【0085】
また、別の変形例に係る貨幣処理システムにおいて、貨幣入出金機の紙幣処理装置に複数のカセット装着部が設けられていてもよい。この場合には、回収用の収納カセットおよび収納用の収納カセットをそれぞれ同時に紙幣処理装置に装着することができるようになる。この場合には、上述した全回収処理が行われる際に、貨幣入出金機の紙幣処理装置における収納繰出部がフル状態またはニアフル状態となってしまいこの収納繰出部に紙幣をこれ以上収納させることができなくなった場合でも、回収用の収納カセットを紙幣処理装置から取り外すことなく収納繰出部から収納用の収納カセットに紙幣を送ることができるようになる。
【0086】
また、更に別の変形例に係る貨幣処理システムにおいて、フロント領域に設けられる各貨幣釣銭機の硬貨処理装置と、バックヤード領域に設けられる貨幣入出金機の硬貨処理装置との間で収納カセットにより硬貨の受け渡しが行われるようになっていてもよい。この場合には、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨の繰り出しを行う収納カセットが、各貨幣釣銭機の硬貨処理装置および貨幣入出金機の硬貨処理装置にそれぞれ着脱自在に装着されるようになる。また、貨幣入出金機において、硬貨処理装置における硬貨の収納状態に応じて、当該硬貨処理装置に装着されている空状態の収納カセットに収納繰出部から硬貨が送られるようになる。この場合には、釣銭準備金作成時に収納繰出部の硬貨が不足した場合でも、収納カセットを装着するだけで硬貨の補充が可能となり、よって回収カセットから硬貨を取り出す等の作業を無くすことができ、このことにより作業者の手間と補充時間を低減することができる。また、このような貨幣処理システムにおいて、貨幣入出金機に設けられる用途決定手段は、硬貨処理装置の収納繰出部における硬貨の収納状態に応じて、この硬貨処理装置のカセット装着部に装着されている収納カセットの用途を決めるようになっていてもよい。具体的には、用途決定手段は、硬貨処理装置の収納繰出部に硬貨をこれ以上収納することができない場合に、カセット装着部に装着されている収納カセットの用途を収納用としてもよい。また、硬貨を収納する収納カセットの用途に関して、上述した紙幣を収納する収納カセットの用途と同様の運用が行われるようになる。