特許第6960265号(P6960265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960265
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/28 20060101AFI20211025BHJP
   E06B 1/04 20060101ALI20211025BHJP
   E06B 3/00 20060101ALI20211025BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20211025BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   E06B7/28 C
   E06B1/04 Z
   E06B3/00 C
   F21S8/02 420
   F21V33/00 200
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-140828(P2017-140828)
(22)【出願日】2017年7月20日
(65)【公開番号】特開2019-19614(P2019-19614A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅史
(72)【発明者】
【氏名】松浦 直子
(72)【発明者】
【氏名】三和 盛彦
(72)【発明者】
【氏名】木戸 貴博
【審査官】 鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−185360(JP,A)
【文献】 特開2014−134005(JP,A)
【文献】 特開2008−014078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/28
E06B 1/04
E06B 3/00
F21S 8/02
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に取り付けられる枠体と、この枠体に蝶番を介して開閉可能に吊り込まれる戸体とを具備した建具における前記枠体の上枠の下面に、閉状態の前記戸体から遠い側が低くなる段差を設け、
該段差は、閉状態の前記戸体から離れる方向に延びる取付部と、該取付部の先端側から下方に突出する突出部とを有し、
前記取付部に照明手段を取り付けてあり、
前記照明手段における閉状態の前記戸体側の側面を覆い前記上枠とは別体の目隠し手段を設けてあり、
前記上枠は、前記取付部に連なり該取付部から下方に延びる部位を前記突出部以外に有しておらず、また、前記突出部に連なり該突出部から閉状態の前記戸体側に向かって延びる部位を前記取付部以外に有していないことを特徴とする建具。
【請求項2】
前記突出部の上下方向の寸法は、前記取付部の下面から前記照明手段の下面までの距離の2倍以上であり、
前記目隠し手段の上下方向の寸法は前記距離の1.0〜2.0倍である請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記取付部の下面は、前記上枠において前記戸体側に向く遮音ゴムの保持高さよりも下方に位置している請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、間接照明のための照明手段を組み込んだ建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建具自体や建具周辺を照らそうとする場合、建具とは別に構成された照明ユニットを建具の上枠の前面に装着している(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−135181号公報
【特許文献2】特許第6009945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように照明ユニットを建具と別体に構成してあると、現場で建具に照明ユニットを装着する施工に手間が掛かる上、照明ユニットと建具の上枠とに、相互を一体化するための機構を設ける必要が生じ、一体化した照明ユニット及び建具が全体として大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、建具周辺や建具自体を照らす照明手段の設置の容易化及び省スペース化を図ることができる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る建具は、建物の開口部に取り付けられる枠体と、この枠体に蝶番を介して開閉可能に吊り込まれる戸体とを具備した建具における前記枠体の上枠の下面に、閉状態の前記戸体から遠い側が低くなる段差を設け、該段差は、閉状態の前記戸体から離れる方向に延びる取付部と、該取付部の先端側から下方に突出する突出部とを有し、前記取付部に照明手段を取り付けてあり、前記照明手段における閉状態の前記戸体側の側面を覆い前記上枠とは別体の目隠し手段を設けてあり、前記上枠は、前記取付部に連なり該取付部から下方に延びる部位を前記突出部以外に有しておらず、また、前記突出部に連なり該突出部から閉状態の前記戸体側に向かって延びる部位を前記取付部以外に有していない(請求項1)。
【0007】
上記建具において前記突出部の上下方向の寸法は、前記取付部の下面から前記照明手段の下面までの距離の2倍以上であり、前記目隠し手段の上下方向の寸法は前記距離の1.0〜2.0倍であってもよい(請求項2)。
【0008】
上記建具において、前記取付部の下面は、前記上枠において前記戸体側に向く遮音ゴムの保持高さよりも下方に位置していてもよい(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
本願発明では、建具周辺や建具自体を照らす照明手段の設置の容易化及び省スペース化を図ることができる建具が得られる。
【0010】
すなわち、本願の各請求項に係る発明の建具では、照明手段を建具と別体のユニットとして構成しておき、現場で建具に照明手段を装着するのではなく、予め上枠の取付部に照明手段を取り付けておくものであるため、それだけ現場における建具の設置が容易となる。
【0011】
また、現場で建具に照明ユニットを装着する場合、その装着を容易にするための機構を設けておく必要があり、その機構が証明ユニットや建具を大型化する恐れがあるが、本発明の建具では、建具に照明手段を取り付けて一体化してある(上枠を折り上げ、その折り上げた部分に照明手段を組み込んだ)ことにより、上記のような大型化の恐れはなく、省スペース化を図ることが容易となる。
【0012】
さらに、照明手段からの光によって建具の付属物が照射され、これらの視認性向上を図ることもできる上、戸体を開けたときには照明手段からの光が室内側にも入るため、その光によって室内に設けられた照明スイッチ等の視認性の向上を図ることも可能となる。
【0013】
本発明の建具では、照明手段からの直接光が建具に近づいた人の目に入り難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(A)及び(B)は、本発明の一実施の形態に係る建具の構成を概略的に示す内観図及び外観図である。
図2】前記建具の上部の構成を概略的に示す縦断面図である。
図3】前記建具の変形例の上部の構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1(A)及び(B)に示す建具は、ホテルの客室扉である遮音扉として構成されたものであり、建物の開口部に取り付けられる枠体1と、この枠体1に蝶番(図示していない)を介して室内側に開閉可能に吊り込まれる戸体2とを具備している。
【0017】
枠体1は、上枠3と、下枠4と、戸先側の縦枠5と、吊元側の縦枠6とにより、矩形に枠組みされる。
【0018】
戸体2は、枠体1に対応させて矩形に組み立てられ、その戸先側には、ハンドル7、シリンダー錠(図示していない)、リーダー8、補助錠9が、また、中央部よりやや上方にはドアスコープ10が設けられている。なお、戸体1は、例えばカードキーでリーダー8に所定の信号を読み取らせることにより、シリンダー錠を解錠するように構成された、所謂電気錠式のドアである。
【0019】
そして、図2に示すように、上枠3の下面に、枠体1が取り付けられた建物の開口部を貫通する方向において開口部から遠い側が低くなる段差11を設け、段差11は、開口部(閉状態の戸体2)から離れる方向に延びる取付部12と、取付部12の先端側から下方に突出する突出部13とを有し、取付部12に照明手段(本例ではライン状に発光し、高さ及び奥行が15mm程度の小型LED光源)14を取り付けてある。この取付方法としては、ねじ止め等、適宜の手段を採用すればよい。なお、照明手段14としては、例えば高さ及び奥行がそれぞれ40mmまでのものを用いることが考えられる。
【0020】
ここで、突出部13の上下方向の寸法L13は、取付部12の下面から照明手段14の下面までの距離dの2倍以上である。これにより、照明手段14からの直接光が、室外側から建具に近づいた人の目に入り難くすることができる。
【0021】
また、照明手段14における開口部側(閉状態の戸体2に向かう側)の側面を覆う目隠し手段としての目隠しプレート15を設けてある。この目隠しプレート15の上下方向の寸法L15は、上記距離dの1.0〜2.0倍とするのが好ましい。なぜなら、寸法L15を距離dの1.0倍未満とすると、戸体2を開けたときに照明手段14からの直接光が室内側にいる人の目に入り易くなり、2.0倍超とすると、照明手段14による戸体2等の照明効果が低下するからである。本例では、寸法L15を距離dと略同じとしてある。
【0022】
なお、図2において、16は照明手段14の電源接続コードを配線するための通線用穴、17は上枠の前側に設けられたボード、18は遮音ゴムである。
【0023】
上記のように構成された本例の建具は、照明手段14を建具と別体のユニットとして構成しておき、現場で建具に照明手段14を装着するのではなく、予め上枠3の取付部12に照明手段14を取り付けておくものであるため、それだけ現場における建具の設置が容易となる。
【0024】
また、現場で建具に照明ユニットを装着する場合、その装着を容易にするための機構を設けておく必要があり、その機構が証明ユニットや建具を大型化する恐れがあるが、本例の建具では、建具に照明手段14を取り付けて一体化してある(上枠3を折り上げ、その折り上げた部分に照明手段14を組み込んだ)ことにより、上記のような大型化の恐れはなく、省スペース化を図ることが容易となる。
【0025】
さらに、照明手段14からの光によって建具の付属物(例えば戸体2の面材、戸体2に設けられたサインやドアスコープ10等)が照射され、これらの視認性向上を図ることもできる上、戸体2を開けたときには照明手段14からの光が室内側にも入るため、その光によって室内に設けられた照明スイッチ等の視認性の向上を図ることも可能となる。
【0026】
そして、本例の建具は、鋼製建具、木製建具のいずれであってもよく、建具の見込みや高さに特に制限はなく、汎用性を持たせることができ、天井高さや壁厚に制限のある狭い空間にも適用可能である。
【0027】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0028】
図2に示す例では戸体2を内開きとしてあるが、図3に示すように戸体2を外開きとしてもよい。この場合、図3に示すように、上枠3において戸体2の室外側に位置する部分を、戸体2の開閉を妨げないように折り上げ、その折り上げた部分に照明手段14を組み込むようにすればよく、具体的には、上枠3に、戸体2の上端付近から上向きの延びる上向き部分19を設け、この上向き部分19の上端から前方(閉状態の戸体2から離間する方向)に向けて取付部12を延ばし、取付部12の先端から下方に向けて突出部13を設ければよい。このとき、取付部12は、上枠3において開口部の直上に位置する部分の下面(開口形成面20)よりも上方に位置することになる。
【0029】
この図3の例では、上向き部分19が、照明手段14における開口部側(閉状態の戸体2に向かう側)の側面を覆う目隠し手段としての機能を発揮するため、図2の例では設けてあった目隠しプレート15の設置を省略することが可能となる。
【0030】
そして、上向き部分19を、図3に示すように、閉状態の戸体2の室外面2aと同一平面上に位置するように構成し、かつ、上向き部分19と戸体2の室外面2aとに意匠の統一性を持たせておけば、その統一性により、室外側からみたときの戸体2に、実際よりも上方にまで延びているようなイメージを持たせることが可能となる。
【0031】
図2図3に示す例では、照明手段14を室外側となる位置に設けているが、室内側となる位置に設けるようにしてもよい。
【0032】
本発明の建具は、ホテルの客室扉としての遮音扉に限らず、他の室内扉や建物の出入り口に設けられる扉等にも適用可能である。また、戸体2は、開き戸に限らず、引戸等であってもよい。
【0033】
照明手段14の点滅制御、人感センサー連動等によって、人が照明手段14にある程度近づいたときにのみ照明手段14を点灯させるようにすれば、常時照明手段14を点灯させる場合に比べ、省エネルギーを図ることができる。また、照明手段14の点滅を、照明手段14に対応する部屋の在空確認、使用可否等の認知・表示に利用することもできる。
【0034】
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 枠体
2 戸体
2a 室外面
3 上枠
4 下枠
5 戸先側の縦枠
6 吊元側の縦枠
7 ハンドル
8 リーダー
9 補助錠
10 ドアスコープ
11 段差
12 取付部
13 突出部
14 照明手段
15 目隠しプレート
16 通線用穴
17 ボード
18 遮音ゴム
19 上向き部分
20 下面
d 取付部の下面から照明手段の下面までの距離
L13 突出部の上下方向の寸法
L15 目隠しプレートの上下方向の寸法
図1
図2
図3