(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定の道路は高速道路であり、前記設定道路リンクは、前記高速道路上のインターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、およびパーキングエリアの少なくとも1つのエリアに少なくとも部分的に含まれる道路リンクと、本線における、前記少なくとも1つのエリアに連続して接続された、予め定められた数の道路リンクである、
請求項1に記載の逆走判定サーバ。
前記判定出力部は、前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件を何れも満たし、且つ、前記進行方向と前記走行可能方向との角度差が第2の予め定められた角度以内である、という第4条件も満たす、前記推定された位置の前記逆走カウントをアップする、
請求項1から5の何れか一項に記載の逆走判定サーバ。
車両の計測された位置と進行方向とを含む走行状態に基づいて、一般道路を除く特定の道路を走行する前記車両の逆走状態を判定する逆走状態判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記逆走状態判定方法は、
前記特定の道路の特定道路リンクであって、予め設定されている走行可能方向を含む前記特定道路リンクと、前記走行状態とをマップマッチング処理することによって、前記特定の道路上で前記車両の位置を推定するマップマッチング段階と、
前記車両が逆走している可能性があることを示す逆走フラグを立てるための逆走フラグ条件を満たしていると判定した場合に、前記逆走フラグを立てる逆走フラグ段階と、
前記車両が逆走状態であることを示す逆走ステータスデータを出力することを決定するための逆走判定条件を満たしていると判定した場合に、前記逆走ステータスデータを出力する判定出力段階と
を備え、
前記逆走フラグ段階は、前記進行方向と、推定された前記位置に対応する特定道路リンクの前記走行可能方向とが予め定められた角度以上に異なっている場合に、前記逆走フラグ条件を満たしていると判定して前記逆走フラグを立て、
前記判定出力段階は、前記逆走判定条件に基づいて、
前記計測された位置と前記推定された位置との距離が予め定められた距離未満である、という第1条件、
前記推定された位置に対応する特定道路リンクが、予め設定された設定道路リンクである、という第2条件、および、
前記逆走フラグ段階において前記逆走フラグを立てられている、という第3条件
を何れも満たす、前記推定された位置の逆走カウントをアップし、前記逆走カウントのアップが、予め定められた時間以上連続している場合、および、予め定められた距離以上連続している場合、の少なくとも一方の場合に、前記逆走判定条件を満たしていると判定して前記逆走ステータスデータを出力し、
前記判定出力段階は更に、
前記第1条件を満たさない前記推定された位置が、第2の予め定められた時間以上連続していない場合、および、第2の予め定められた距離以上連続していない場合、の少なくとも一方の場合に、前記逆走判定条件に基づいて、前記推定された位置を前記逆走カウントから除外し、
前記第1条件を満たさない前記推定された位置が、前記第2の予め定められた時間以上連続している場合、および、前記第2の予め定められた距離以上連続している場合、の少なくとも一方の場合に、前記逆走判定条件に基づいて、前記逆走カウントを0にする、
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、逆走検知システム10の模式図である。逆走検知システム10は、一般道路を除く特定の道路、例えば高速道路や有料道路を走行する車両30の逆走を検知して、車両30を運転するユーザ20に対し、逆走していることを報知する。逆走検知システム10は、車両30に搭載される車載器100と、ユーザ20によって所持され、車載器100と無線通信する移動端末200と、インターネット500を介して移動端末200と無線通信する中間サーバ300と、インターネット500を介して中間サーバ300と無線通信する分析サーバ400とを備える。
【0009】
逆走検知システム10は、例えば保険会社などの1つ又は複数のサービス提供者によって提供される。中間サーバ300および分析サーバ400は、逆走検知システム10の1つ又は複数のサービス提供者によって管理される。サービス提供者は、逆走検知システム10をユーザ20に提供することで、車両30を運転するユーザ20の、逆走運転経験の有無や逆走運転の頻度を含む運転性向などを把握する。これにより、例えば逆走検知システム10を提供する保険会社は、ユーザ20の運転性向などに基づいて、ユーザ20が運転する車両30の保険料を設定したり、定期的に見直したりすることができる。
【0010】
逆走検知システム10によるサービスを提供されるユーザ20は、逆走検知システム10のサービス提供者が保険会社である場合には、当該保険会社との間で保険契約を締結している被保険者である。ユーザ20は、サービス提供者との間で、自身が所有する車両30の車両IDを予め設定しておき、車両IDを自身が所有する移動端末200に記憶させておく。そして、ユーザ20は、サービス提供者から与えられる車載器100を、予め車両30に搭載しておく。
【0011】
なお、1台の車両30が、例えばサービス提供者との間で保険契約をしている複数人の親族など、複数のユーザ20によって運転される可能性がある場合には、複数のユーザ20は、サービス提供者との間で、車両30および車載器100の1セットに対し、各々が所持する移動端末IDを予め個別に設定しておく。これにより、複数のユーザ20のそれぞれに対して個別に、車両30の保険料を設定したり、定期的に見直したりすることができる。
【0012】
車両30に搭載された状態の車載器100は、車両30と電気的に接続されている。車載器100は、車両30のイグニッションスイッチがONになったら、車両30から電気を供給されて自動で電源がONになり、車両30のイグニッションスイッチがOFFになったら、車両30から電気を供給されなくなって自動で電源がOFFになる。換言すると、車載器100は、ユーザ20が車両30の運転を開始する度に、電源がOFFからONに切り替わり、運転を終了する度に、電源がONからOFFに切り替わる。
【0013】
図2は、逆走検知システム10におけるデータの流れを説明するためのフロー図である。車載器100は、車両30の走行中に、車両30の走行状態に関するデータである走行状態データを検出して、一定の時間間隔で、走行状態データを近距離無線通信によって移動端末200に送信する(ステップS101)。近距離無線通信の規格として、例えばBluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などを使用してもよい。本実施形態では、近距離無線通信の規格としてBLEを使用する。車載器100は、車載器IDを有し、走行状態データと共に車載器IDを移動端末200に送信する。
【0014】
移動端末200は、車両30の走行中に、車載器100から一定の時間間隔で、走行状態データを近距離無線通信によって受信する(ステップS101)。移動端末200は、車載器100およびインターネット500に無線接続可能な、例えばiOS、Android(登録商標) OSなどのスマートフォンや、タブレット、ウェアラブルデバイスなどである。移動端末200は、車載器100と予めペアリングされ、BLE通信範囲内で移動端末200および車載器100のBLEがONになると、車載器100との間でBLE通信を確立する。
【0015】
移動端末200は、車載器100とペアリングするときに車載器100から受信する車載器IDを、予め記憶している車両IDと紐付けて記憶しておく。移動端末200は、車載器100から走行状態データおよび車載器IDを受信すると、車載器IDに紐付けられている車両IDを、車載器IDおよび走行状態データと共に、インターネット500を介して一定の時間間隔で中間サーバ300に送信する(ステップS103)。
【0016】
中間サーバ300は、移動端末200から、インターネット500を介して走行状態データ、車載器IDおよび車両IDを受信する(ステップS103)。中間サーバ300は、受信した車載器IDに基づいて、予め車載器IDと紐付けて記憶している車両情報を特定する。車両情報は、車両クラス、車両重量、サイズ等の情報を含む。また、中間サーバ300は、予め移動端末IDも、車載器IDおよび車両IDと紐付けて記憶している。
【0017】
中間サーバ300は、走行状態データの一部を補正し、補正したデータを含む走行状態データを、車両IDと共に、インターネット500を介して分析サーバ400に送信する(ステップS105)。中間サーバ300は、複数の移動端末200から受信する複数の走行状態データを並行して補正する。
【0018】
分析サーバ400は、中間サーバ300から、インターネット500を介して走行状態データ、車両IDおよび車両情報を受信して(ステップS105)、走行状態データおよび車両情報に基づいて、車両30の走行状態を分析する。分析サーバ400は、車両30の走行状態を分析することによって車両30が逆走していると判定した場合に、逆走を示す逆走ステータスデータを、車両IDと共に、インターネット500を介して中間サーバ300に送信する(ステップS107)。
【0019】
中間サーバ300は、分析サーバ400から、インターネット500を介して逆走ステータスデータおよび車両IDを受信すると(ステップS107)、逆走ステータスデータおよび車両IDを紐付けて記憶する。中間サーバ300は、受信した車両IDに基づいて、予め車両IDと紐付けて記憶している移動端末IDを特定する。中間サーバ300は、特定した移動端末IDを有する移動端末200に、逆走ステータスデータおよび車両IDを送信する(ステップS109)。
【0020】
移動端末200は、中間サーバ300から、インターネット500を介して逆走ステータスデータおよび車両IDを受信すると(ステップS109)、車両30が逆走状態であることをユーザ20に通知するように要求する逆走通知データを生成し、近距離無線通信により、逆走通知データを車載器100に送信する(ステップS111)。また、移動端末200は、逆走通知データに基づいて、例えば発音、発振などの手段によって、自らユーザ20に対し、車両30が逆走状態であることを通知する。
【0021】
車載器100は、移動端末200から逆走通知データを受信すると(ステップS111)、逆走通知データに基づいて、例えば発音、発光などの手段によって、ユーザ20に対し、車両30が逆走状態であることを通知する。
【0022】
図3は、車載器100のブロック図である。車載器100は、制御部101と、加速度センサ105と、ジャイロセンサ107と、地磁気センサ109と、気圧センサ111と、GPSデータ受信部103と、音声出力部113と、スピーカ117と、発光部115と、無線通信部119とを備える。
【0023】
加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、および気圧センサ111は、制御部101から要求信号を入力されたら、それぞれセンシングを開始して、制御部101に走行状態データを出力し始める。制御部101に対して、加速度センサ105は加速度データを出力し、ジャイロセンサ107は角速度データを出力し、地磁気センサ109は地磁気データを出力し、気圧センサ111は気圧データを出力する。なお、車載器100は更に、速度センサを備えてもよい。
【0024】
GPSデータ受信部103は、制御部101から要求信号を入力されたら、GPS(全地球測位システム)から車両30の位置の緯度及び経度を表すGPSデータの受信を開始して、制御部101にGPSデータの出力を開始する。
【0025】
無線通信部119は、加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、気圧センサ111、およびGPSデータ受信部103によって取得した走行状態データを、近距離無線通信によって、一定の時間間隔で移動端末200に送信する。無線通信部119は更に、移動端末200から逆走通知データを受信したら、逆走通知データを制御部101に出力する。
【0026】
スピーカ117は、ユーザ20に対して車両30が逆走していることを通知するためのアラート音声を発する。音声出力部113は、制御部101が、逆走通知データを入力されたことに応じて出力する発音信号に基づいて、スピーカ117にアラート音声を発音させる。
【0027】
発光部115は、制御部101が、逆走通知データを入力されたことに応じて出力する発光信号に基づいて、ユーザ20に対して車両30が逆走していることを通知するために発光する。発光部115は、例えばLEDであり、車載器100が車両30に搭載された状態で、ユーザ20が視認可能な位置に配される。
【0028】
制御部101は、車載器100の電源がONになると、前述の要求信号を加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、気圧センサ111、およびGPSデータ受信部103に出力する。制御部101は、加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、気圧センサ111、およびGPSデータ受信部103から走行状態データを入力されると、走行状態データを一定の時間間隔で無線通信部119から移動端末200に送信する。制御部101は、無線通信部119から逆走通知データを入力されると、音声出力部113に発音信号を出力し、発光部115に発光信号を出力する。
【0029】
図4は、移動端末200のブロック図である。移動端末200は、制御部201と、記憶部203と、無線通信部205と、送受信部207とを備える。
【0030】
記憶部203は、車両IDを車載器IDと紐付けて記憶している。記憶部203は更に、移動端末200によって逆走検知システム10のサービスを利用するための逆走検知アプリケーションを記憶している。逆走検知アプリケーションは、逆走検知システム10のサービス提供者により、例えばインターネット500を介して、インストール可能な状態にされている。逆走検知アプリケーションは、ユーザ20によって移動端末200に予めインストールされる。
【0031】
逆走検知アプリケーションは、車両30のイグニッションスイッチがONになって車載器100がONになったときに、自動的にバックグラウンドで起動して、移動端末200と車載器100との間の無線接続を確立する。また、逆走検知アプリケーションは、車両30のイグニッションスイッチがOFFになって車載器100がOFFになったときに、自動的に移動端末200と車載器100との間の無線接続を切断し、終了する。よって、ユーザ20による手動での、逆走検知アプリケーションの起動操作、終了操作、および、車載器100と移動端末200との間の無線接続操作は不要である。
【0032】
ただし、移動端末200が、例えばSIMフリー端末である場合には、逆走検知アプリケーションによる車載器100との自動接続ができない可能性がある。また、ユーザ20が自ら明示的に車載器100との手動接続を行いたい場合もある。これらの事情を考慮して、逆走検知アプリケーションの起動操作、終了操作、および、車載器100と移動端末200との間の無線接続操作を手動で出来るように設定してもよい。なお、逆走検知アプリケーションが、車両30のイグニッションスイッチがONになって車載器100がONになったときに既に起動状態にある場合には、移動端末200が車載器100と通信可能な状態になったときに、移動端末200と車載器100との間の無線接続を確立してもよい。
【0033】
なお、逆走検知アプリケーションは、車両30および車載器100がONになっている場合であっても、車載器100と移動端末200との間の距離が予め定められた距離以上になって無線通信が途絶えた場合には、終了してもよい。また、逆走検知アプリケーションは、このように車載器100と移動端末200との間の距離が予め定められた距離以上になって無線通信が途絶えた場合であっても、予め定められた時間以内に、車載器100と移動端末200との間の距離が予め定められた距離以下になって無線通信が再開された場合には、終了しなくてもよい。
【0034】
無線通信部205は、近距離無線通信によって一定の時間間隔で、車載器100から走行状態データを受信する。無線通信部205は更に、制御部201から逆走通知データを入力されると、逆走通知データを車載器100に送信する。
【0035】
送受信部207は、インターネット500を介して一定の時間間隔で、走行状態データを車両IDおよび車載器IDと共に中間サーバ300に送信する。送受信部207は更に、インターネット500を介して逆走ステータスデータおよび車両IDを受信すると、逆走ステータスデータおよび車両IDを制御部201に出力する。なお、車載器100と移動端末200と中間サーバ300との間の無線通信手段は同じであってもよく、この場合、無線通信部205および送受信部207は同じであってもよい。
【0036】
制御部201は、前述のように逆走検知アプリケーションが起動すると、逆走検知アプリケーションを実行する。制御部201は、無線通信部205から走行状態データを入力されると、記憶部203を参照して、互いに紐付けられた車載器IDおよび車両IDと共に、走行状態データを送受信部207から中間サーバ300に送信する。また、制御部201は、送受信部207から逆走ステータスデータおよび車両IDを入力されると、入力された車両IDを記憶部203に記憶されている車両IDと照合すると共に、前述の逆走通知データを生成し、逆走通知データを無線通信部205から車載器100に送信する。
【0037】
図5は、中間サーバ300のブロック図である。中間サーバ300は、車両情報特定部301と、データ補正部303と、記憶部305と、送受信部307とを備える。
【0038】
送受信部307は、インターネット500を介して、移動端末200から走行状態データ、車両IDおよび車載器IDを受信すると、車両IDおよび走行状態データをデータ補正部303に出力し、車載器IDを車両情報特定部301に出力する。送受信部307は更に、データ補正部303から走行状態データおよび車両IDを入力され、車両情報特定部301から車両情報を入力されると、インターネット500を介して、走行状態データ、車両IDおよび車両情報を分析サーバ400に送信する。送受信部307は更に、インターネット500を介して分析サーバ400から逆走ステータスデータおよび車両IDを受信すると、逆走ステータスデータおよび車両IDを記憶部305に出力する。また、送受信部307は更に、分析サーバ400から受信した車両IDと紐付けられて記憶部305に記憶されている移動端末IDを特定し、インターネット500を介して逆走ステータスデータおよび車両IDを、特定した移動端末IDを有する移動端末200に送信する。
【0039】
記憶部305は、車載器ID、車両IDおよび移動端末IDを互いに紐付けて記憶している。また、記憶部305は、走行状態データの一部を補正するための関数情報なども記憶している。記憶部305は、送受信部307から逆走ステータスデータおよび車両IDを入力されると、車両30の逆走を検知したことを、逆走を検知した日時および場所の情報と車両IDと共に記憶する。なお、記憶部305は、記憶している逆走情報を、送受信部307を介して外部から参照されてもよい。
【0040】
データ補正部303は、送受信部307から車両IDおよび走行状態データを入力されると、記憶部305に記憶されている関数情報などを参照して、走行状態データに含まれる加速度データ、角速度データおよび地磁気データに対し、地軸補正および車両軸補正を行う。地軸補正の一例は、地軸に対し車載器100の上下軸であるZ軸が垂直になるように補正を行うことで、想定される車載器100の進行方向軸であるX軸の値と、X軸およびZ軸に直交するY軸の値とを補正するものである。車両軸補正の一例は、車両30の進行方向と、車載器100のX軸とがずれている場合に、車両30の進行方向と車載器100のX軸とが一致するように補正するものである。データ補正部303は更に、補正後の加速度データ、角速度データおよび地磁気データを、補正していないGPSデータおよび気圧データ、並びに、車両IDと共に、送受信部307から分析サーバ400に送信する。なお、データ補正部303は、補正前の加速度データ、角速度データおよび地磁気データも併せて送受信部307から分析サーバ400に送信してもよい。
【0041】
車両情報特定部301は、送受信部307から車載器IDを入力されると、記憶部305に記憶されている車両情報を参照して、入力された車載器IDから車両情報を特定する。車両情報特定部301は更に、特定した車両情報を送受信部307から分析サーバ400に送信する。
【0042】
図6は、分析サーバ400のブロック図である。分析サーバ400は、マップマッチング部401と、逆走フラグ部403と、判定出力部405と、記憶部407と、送受信部409とを備える。分析サーバ400は、走行状態データに含まれる、車両30の計測された位置と進行方向とを含む走行状態に基づいて、前述の特定の道路を走行する車両30の逆走状態を判定する逆走判定サーバの一例である。本実施形態では、特定の道路は高速道路である。
【0043】
送受信部409は、インターネット500を介して、中間サーバ300から走行状態データ、車両IDおよび車両情報を受信すると、走行状態データ、車両IDおよび車両情報をマップマッチング部401、逆走フラグ部403および判定出力部405に出力する。送受信部409は更に、判定出力部405から逆走ステータスデータおよび車両IDを入力されると、インターネット500を介して、逆走ステータスデータおよび車両IDを中間サーバ300に送信する。
【0044】
記憶部407は、DRM(Digital Road Map)情報、逆走フラグ条件、逆走判定条件を記憶している。DRM情報は、道路の最小単位の線である道路リンクに関するデータを含む。道路リンクに関するデータには、道路リンクのデータの他に、道路リンク間を結ぶ座標点を含むノードのデータが含まれる。道路リンクに関するデータには更に、道路リンクごとの、複数の緯度経度からなる形状データ、距離のデータ、隣接する道路リンクのデータ、道路タイプ、各道路リンクに予め設定されている走行可能方向のデータ、制限速度などが含まれる。
【0045】
逆走フラグ条件は、車両30が逆走している可能性があることを示す逆走フラグを立てるための条件である。逆走判定条件は、車両30が逆走状態であることを示す逆走ステータスデータを出力することを決定するための条件である。
【0046】
記憶部407は更に、走行履歴を示す、過去の道路リンクのセットも記憶する。記憶部407は更に、逆走カウンタとして、判定出力部405から出力される逆走カウントも記憶する。記憶部407は更に、無視カウンタとして、判定出力部405から出力される無視カウントも記憶する。
【0047】
マップマッチング部401は、送受信部409から走行状態データ、車両IDおよび車両情報を入力されると、記憶部407に記憶されているDRM情報に含まれる道路リンクのデータに対して、走行状態データに含まれるGPSデータをマッチングするマップマッチング処理を行う。マップマッチング処理は、GPSデータの誤差を補正する処理を含む。GPSデータは、車両30の計測された位置を示す。マップマッチング部401は、マップマッチング処理によって、高速道路上における車両30の位置を推定する。これらのマップマッチング部401による処理内容は、車両30の計測された位置と進行方向とを含む走行状態に基づいて、一般道路を除く特定の道路を走行する車両30の逆走状態を判定する逆走状態判定方法における、特定の道路の特定道路リンクであって、予め設定されている走行可能方向を含む特定道路リンクと、車両30の走行状態とをマップマッチング処理することによって、特定の道路上で車両30の位置を推定するマップマッチング段階の一例である。
【0048】
マップマッチング処理では、例えば互いに立体交差する複数の道路の何れを車両30が走行しているかを知るための情報として、気圧データを用いてもよい。また、車両30の加減速、走行速度、向き、斜面を走行することによる傾きなどを知るための情報として、加速度データ、角速度データおよび地磁気データを用いてもよい。また、車両クラス、車両重量、サイズ等の情報が含まれる車両情報を用いてもよい。この場合、記憶部407は、車両クラス、車両重量、サイズ等に応じて異なる、加速度センサ105、ジャイロセンサ107などの判定閾値を予め記憶しておき、マップマッチング部401は、これら判定閾値を用いてGPSデータを道路リンクのデータにマッチングする。なお、角速度データには、水平面内における車両30の向き、鉛直方向に対する車両30の傾斜角度、当該傾斜角度の変化量などが含まれる。鉛直方向に対する車両30の傾斜角度は、例えば、鉛直方向に対する車両30の前後方向軸の傾斜角度や、車両30の重心を通る上下方向軸周りの回転角であるヨー角等を含み、傾斜角度の変化量は、例えば、ヨー角の変化する速さであるヨーレートを含む。
【0049】
マップマッチング部401は、マップマッチング処理によって推定した車両30の位置である推定位置を示す、推定位置データを、車両IDと共に、逆走フラグ部403および判定出力部405に出力する。
【0050】
逆走フラグ部403は、送受信部409から走行状態データおよび車両IDを入力され、マップマッチング部401から、当該走行状態データに基づく推定位置データおよび車両IDを入力されると、記憶部407に記憶されている逆走フラグ条件を満たしているかどうかを判断する。より具体的には、逆走フラグ部403は、走行状態データに含まれる加速度データ、角速度データおよび地磁気データなどから導出される車両30の進行方向と、記憶部407に記憶されている複数の道路リンクのうちの、車両30の推定位置に対応する道路リンクに定められている走行可能方向とが予め定められた角度以上に異なっているかどうかを判断する。本実施形態における予め定められた角度は135度であり、予め定められた角度は記憶部407に記憶されている。
【0051】
逆走フラグ部403は、記憶部407に記憶されている逆走フラグ条件を満たしていると判定した場合に、すなわち、車両30の進行方向と、車両30の推定位置に対応する道路リンクの走行可能方向とが135度以上異なっていると判定した場合に、逆走フラグを立てる。逆走フラグ部403は、逆走フラグを立てた走行状態データを車両IDと共に判定出力部405に出力する。これらの逆走フラグ部403による処理内容は、前述の逆走状態判定方法における、逆走フラグ条件を満たしていると判定した場合に逆走フラグを立てる逆走フラグ段階の一例である。
【0052】
判定出力部405は、送受信部409から走行状態データおよび車両IDを入力され、マップマッチング部401から、当該走行状態データに基づく推定位置データおよび車両IDを入力されると、記憶部407に記憶されている逆走判定条件を満たしているかどうかを判断する。そして、判定出力部405は、逆走判定条件を満たしていると判定した場合に、送受信部409に逆走ステータスデータおよび車両IDを出力する。これらの判定出力部405による処理内容は、前述の逆走状態判定方法における、逆走判定条件を満たしていると判定した場合に逆走ステータスデータを出力する判定出力段階の一例である。
【0053】
次に、
図7から
図12を用いて、逆走判定条件の詳細を説明する。
図7は、逆走判定条件に従う判定のフロー図である。本実施形態では、マップマッチング処理手法として、GPSデータによって示される車両30の計測された位置に最も近い道路上の位置を車両30の位置として推定する。
【0054】
図7に示される判定のフローを開始すると、先ず、判定出力部405は、マップマッチ誤差が8m未満であるかどうかを判断する(ステップS201)。マップマッチ誤差が8m未満である、という条件は、走行状態データに含まれるGPSデータによって示される車両30の計測された位置と、当該走行状態データに基づく車両30の推定位置との距離が予め定められた距離未満である、という第1条件の一例である。第1条件は、逆走判定条件の一部であって、記憶部407に記憶されている。
【0055】
ステップS201において、判定出力部405は、マップマッチ誤差が8m未満であると判定した場合(ステップS201:Yes)、次に、車両30の推定位置に対応する道路リンクが、逆走を検知する対象である逆走検知対象の道路の道路リンクであるかどうかを判断する(ステップS203)。車両30の推定位置に対応する道路リンクが逆走検知対象の道路リンクである、という条件は、車両30の推定位置に対応する道路リンクが予め設定された道路リンクである、という第2条件である。第2条件は、逆走判定条件の一部であって、記憶部407に記憶されている。本実施形態における予め設定された道路リンクは、高速道路上のインターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、およびパーキングエリアの少なくとも1つのエリアに少なくとも部分的に含まれる道路リンクと、本線における、前述の少なくとも1つのエリアに連続して接続された、予め定められた数の道路リンクである。本線における当該道路リンクの予め定められた数は、インターチェンジなどのエリアごとに異なっていてもよい。予め設定された道路リンクは、記憶部407に記憶されている。
【0056】
ステップS203において、判定出力部405は、車両30の推定位置に対応する道路リンクが逆走検知対象の道路リンクであると判定した場合(ステップS203:Yes)、次に、当該走行状態データに対して逆走フラグ部403により逆走フラグが立てられている、という第3条件を満たすかどうかを判断する(ステップS205)。第3条件は、逆走判定条件の一部であって、記憶部407に記憶されている。
【0057】
ステップS205において、判定出力部405は、第3条件を満たすと判定した場合(ステップS205:Yes)、すなわち、ステップS201からステップS205を通じて第1条件、第2条件および第3条件の何れも満たすと判定した場合、車両30の推定位置の逆走カウントを1つアップして、車両IDと共に記憶部407に記憶させる(ステップS207)。
【0058】
ステップS207に続けて、判定出力部405は、一定の時間間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている逆走カウントのアップが予め定められた時間以上連続しているかどうか、すなわち、逆走カウントが予め定められた数以上であるかどうかを判断する(ステップS209)。本実施形態における予め定められた数は5カウントであり、予め定められた数は記憶部407に記憶されている。例えば、分析サーバ400に送信される走行状態データが1秒周期の場合、逆走カウントが5以上であることを条件として逆走ステータスデータを出力することは、少なくとも5秒間、逆走している可能性がある状態が続いていることを確認してから逆走ステータスデータを出力することを意味する。5秒という時間は、シミュレーションにより、車両30が逆走していることを判定するのに適した最短時間として導出された。なお、逆走カウントの合間に無視カウントがある場合も、逆走カウントのアップが連続であると判断する。
【0059】
ステップS209において、判定出力部405は、記憶部407に記憶させている逆走カウントが5以上であると判定した場合(ステップS209:Yes)、送受信部409に逆走ステータスデータおよび車両IDを出力する(ステップS211)。ステップS211の後に、当該フローは終了し、判定出力部405に次の走行状態データが入力されると、当該フローを繰り返す。よって、逆走検知対象の道路で車両30の逆走状態が継続している限りにおいて判定出力部405は逆走ステータスデータを出力し続け、車載器100および移動端末200から車両30を運転するユーザ20に対して、逆走していることを報知し続ける。
【0060】
ステップS201において、判定出力部405は、第1条件を満たさないと判定した場合(ステップS201:No)、次に、記憶部407に記憶させている逆走カウントが1以上であるかどうかを判断する(ステップS213)。判定出力部405は、逆走カウントが1以上ではないと判定した場合(ステップS213:No)、当該フローは終了する。判定出力部405は、記憶部407に記憶させている逆走カウントが1以上であると判定した場合(ステップS213:Yes)、車両30の推定位置を逆走カウントから除外して、無視カウントを1つアップし、車両IDと共に記憶部407に記憶させる(ステップS215)。
【0061】
ステップS215に続けて、判定出力部405は、一定の時間間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている無視カウントのアップが、第2の予め定められた時間以上連続しているかどうか、すなわち、無視カウントが第2の予め定められた数以上であるかどうかを判断する(ステップS217)。本実施形態における第2の予め定められた数は10カウントであり、第2の予め定められた数は記憶部407に記憶されている。
【0062】
ステップS217において、判定出力部405は、記憶部407に記憶させている無視カウントが10以上ではないと判定した場合(ステップS217:No)、ステップS201に戻る。ステップS217において、判定出力部405は、記憶部407に記憶させている無視カウントが10以上であると判定した場合(ステップS217:Yes)、記憶部407に記憶させている逆走カウントおよび無視カウントをリセットする、すなわち0にする(ステップS221)。
【0063】
ステップS215からステップS217を経由してステップS201に戻るフローを換言すると、判定出力部405は、第1条件を満たさない車両30の推定位置が、10以上連続していない場合に、車両30の推定位置を逆走カウントから除外する。
【0064】
ステップS215からステップS217を経由してステップS221に進むフローを換言すると、判定出力部405は、第1条件を満たさない車両30の推定位置が、10以上連続している場合に、逆走カウントおよび無視カウントを0にする。
【0065】
ステップS203において、判定出力部405は、第2条件を満たさないと判定した場合(ステップS203:No)、次に、記憶部407に記憶させている逆走カウントが1以上であるかどうかを判断する(ステップS219)。また、ステップS205において、判定出力部405は、第3条件を満たさないと判定した場合(ステップS205:No)、ステップS203:Noの場合と同様に、記憶部407に記憶させている逆走カウントが1以上であるかどうかを判断する(ステップS219)。
【0066】
ステップS219において、判定出力部405が、逆走カウントが1以上ではないと判定した場合(ステップS219:No)、ステップS213:Noの場合と同様に、当該フローは終了する。判定出力部405は、記憶部407に記憶させている逆走カウントが1以上であると判定した場合(ステップS219:Yes)、ステップS217:Yesの場合と同様に、記憶部407に記憶させている逆走カウントおよび無視カウントをリセットする、すなわち0にする(ステップS221)。
【0067】
ステップS203およびステップS205の何れか一方からステップS219を経由してステップS221に進むフローを換言すると、判定出力部405は、車両30の推定位置が、第2条件および第3条件の少なくとも1つを満たさない場合に、逆走カウントおよび無視カウントを0にする。
【0068】
ステップS209において、判定出力部405は、逆走カウントが5以上ではないと判定した場合(ステップS209:No)、次に、記憶部407に記憶させている無視カウントが1以上であるかどうかを判断する(ステップS223)。
【0069】
ステップS223において、判定出力部405は、記憶部407に記憶させている無視カウントが1以上であると判定した場合、無視カウントをリセットする、すなわち0にして(ステップS225)、ステップS201に戻る。ステップS223において、判定出力部405は、記憶部407に記憶させている無視カウントが1以上ではないと判定した場合(ステップS223:No)、ステップS201に戻る。
【0070】
図7に示される判定のフロー全体は、判定出力部405に走行状態データが入力される限りにおいて繰り返される。また、判定出力部405に走行状態データが入力されない場合には、当該フロー全体は繰り返されない。
【0071】
以上、
図7を用いて説明した逆走判定条件によれば、分析サーバ400において、マップマッチング処理で誤ったマッチングが行われて逆走フラグが立ったとしても、直ぐには中間サーバ300に逆走ステータスデータを送信せず、一定の時間における車両30の走行状態を分析してから中間サーバ300に逆走ステータスデータを送信する。これにより、ユーザ20に誤った情報を与えてしまうことを防止できる。
【0072】
なお、
図7のステップS209において、代替的に、判定出力部405は、一定の時間間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている逆走カウントのアップが、予め定められた距離以上連続しているかどうかを判断してもよい。予め定められた距離は記憶部407に記憶されている。この場合、判定出力部405は、走行状態データに含まれる加速度データに基づいて車両30の走行距離を算出する。なお、予め定められた距離の走行時間は車両30の速度に応じて異なるので、予め定められた距離を走行する間に連続してアップする逆走カウントの数は一定ではない。
【0073】
なお、
図7のステップS217において、代替的に、判定出力部405は、一定の時間間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている無視カウントのアップが、第2の予め定められた距離以上連続しているかどうかを判断してもよい。第2の予め定められた距離は記憶部407に記憶されている。この場合、ステップS215からステップS217を経由してステップS201に戻るフローを換言すると、判定出力部405は、第1条件を満たさない車両30の推定位置が、第2の予め定められた距離以上連続していない場合に、車両30の推定位置を逆走カウントから除外する。また、ステップS215からステップS217を経由してステップS221に進むフローを換言すると、判定出力部405は、第1条件を満たさない車両30の推定位置が、予め定められた距離以上連続している場合に、逆走カウントおよび無視カウントを0にする。
【0074】
なお、主に
図3を用いて説明した車載器100は、代替的に、加速度センサ105から出力される加速度データに基づいて車両30の走行距離を算出し、車両30が走行する一定の距離間隔で走行状態データを出力するように構成してもよい。この場合、
図7のステップS209において、代替的に、判定出力部405は、一定の距離間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている逆走カウントのアップが、予め定められた距離以上連続しているかどうかを判断してもよい。例えば、車両30が10m走行するごとに走行状態データが分析サーバ400に送信される場合には、予め定められた距離を50mに設定してもよい。
【0075】
なお、車載器100が一定の距離間隔で走行状態データを出力する場合、
図7のステップS209において、代替的に、判定出力部405は、一定の距離間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている逆走カウントのアップが、予め定められた時間以上連続しているかどうかを判断してもよい。
【0076】
なお、車載器100が一定の距離間隔で走行状態データを出力する場合、
図7のステップS217において、代替的に、判定出力部405は、一定の距離間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている無視カウントのアップが、第2の予め定められた距離以上連続しているかどうかを判断してもよい。例えば、車両30が10m走行するごとに走行状態データが分析サーバ400に送信される場合には、第2の予め定められた距離を100mに設定してもよい。
【0077】
なお、車載器100が一定の距離間隔で走行状態データを出力する場合、
図7のステップS217において、代替的に、判定出力部405は、一定の距離間隔で取得した走行状態データについて逆走判定条件に従い判定した結果として記憶部407に記憶させている無視カウントのアップが、第2の予め定められた時間以上連続しているかどうかを判断してもよい。この場合、分析サーバ400は時計を備え、判定出力部405は、当該時計によって第2の予め定められた時間の経過を把握する。なお、一定の距離の走行時間は車両30の速度に応じて異なるので、第2の予め定められた時間で連続してアップする無視カウントの数は一定ではない。
【0078】
前述の通り、
図7のステップS203で用いた第2条件における、予め設定された道路リンク、すなわち逆走検知対象の道路リンクは、予め分析サーバ400の記憶部407に登録される。当該登録は、逆走検知システム10のサービス提供者またはユーザ20によって行われる。サービス提供者またはユーザ20は、道路リンクごとに逆走検知対象を指定して分析サーバ400に登録する。サービス提供者またはユーザ20は、例えばインターチェンジ等を囲う矩形範囲などの、一定の範囲を指定して、一定の範囲に少なくとも部分的に含まれる道路リンクを一括して分析サーバ400に登録してもよい。例えば矩形範囲は、サービス提供者またはユーザ20が、矩形の四隅の緯度経度を指定することによって定められる。
【0079】
なお、判定出力部405は、走行状態データに含まれるGPSデータによって示される車両30の計測された位置、および、当該走行状態データに基づく車両30の推定位置の他に、加速度データ、角速度データ、地磁気データ、気圧データ、シミュレーション情報なども考慮して、逆走判定条件を満たしているかどうかを判断してもよい。シミュレーション情報は、予めシミュレーションによって把握される、生じ得る誤差の傾向の情報を含む。
【0080】
図8は、逆走検知対象である逆走検知対象40において、車両30が高速道路50を順走している状態を説明する模式図である。
図9は、
図8に示される逆走検知対象40の道路リンクと車両30の走行状態とをマップマッチング処理して逆走判定する方法を説明する図である。
【0081】
本実施形態における逆走検知対象40は、
図8において破線で示されている矩形範囲である。逆走検知対象40における高速道路50上には、車両30の走行可能方向が黒塗りの矢印で示されている。なお、逆走検知対象40における高速道路50の一部は、2本の波線によって、途中を省略して図示している。以降の図においても、途中を省略して図示する場合には2本の波線を用いている。
【0082】
図8では、高速道路50を順走している車両30の位置を一定時間ごとに示している。そして、
図9では、
図8に示される車両30の各位置の時間に車載器100から取得されるGPSデータによる、車両30の計測位置31を破線の円で示している。一定の範囲を含む計測位置31は、GPSデータの誤差範囲を示している。
【0083】
図9において、逆走検知対象40内の高速道路50における本線の道路リンクは、直線状の道路リンク52、53、54、57、58、59、62、64で示されている。また、逆走検知対象40外の高速道路50における本線の道路リンクは、直線状の道路リンク51、55、56、60、61、63で示されている。また、逆走検知対象40内の高速道路50におけるインターチェンジの道路リンクは、曲線状の道路リンク71、72、73、74で示されている。これらの逆走検知対象40内の道路リンクは何れも、分析サーバ400の記憶部407に記憶されている逆走検知対象の道路リンクの一例である。また、
図9において、各道路リンク間を結ぶノードは、黒塗りの点状のノード80で示されている。
【0084】
また、
図9において、車両30の計測位置31に最も近い道路リンク上の位置を車両30の位置として推定するマップマッチング処理を行った後の車両30の推定位置33が、推定位置33の時間推移を示す番号と共に、白抜きの矢印で示されている。矢印の向きは、車両30の走行状態データに含まれる地磁気データなどから算出される、車両30の走行方向を示している。
【0085】
図9を参照すると、
図8に示されるように車両30は高速道路50上を走行しているにも拘わらず、車両30の計測位置31の中心は、車両30が実際に位置する道路リンクからずれており、計測位置31の円の内側には、複数の道路リンクが存在している箇所がある。そのため、マップマッチング処理後の車両30の推定位置33は、車両30が実際に位置する道路リンクと異なる道路リンク上に位置する可能性がある。
【0086】
特に、インターチェンジの道路リンク71、72、73、74のうち、道路リンク71および道路リンク72は、本線の道路リンク53および道路リンク58と立体交差しており、このような複数の道路が立体交差する箇所では、誤った推定位置33となりやすい。
図9において、道路の立体交差に起因して誤った推定位置33の一例が、番号3、8および11の白抜き矢印で示されている。なお、番号1から2、4から7、9から10、および、12から16の白抜き矢印で示されている推定位置33は何れも、車両30が実際に位置する道路リンク上に位置している。
【0087】
図1から7を用いて説明した通り、分析サーバ400の逆走フラグ部403は、
図9において、白抜き矢印で示される車両30の走行方向と、各道路リンク上に矢印で示される走行可能方向との角度が135度以上に異なっている場合に、逆走フラグを立てる。ここで、誤った推定位置33の一例である、番号3の白抜き矢印は、本線の道路リンク58上に位置しており、番号3の白抜き矢印と道路リンク58の走行可能方向との角度は135度以上に異なっていない。また、誤った推定位置33の一例である、番号11の白抜き矢印は、本線の道路リンク53上に位置しており、番号11の白抜き矢印と道路リンク53の走行可能方向との角度は135度以上に異なっていない。
【0088】
一方で、誤った推定位置33の一例である、番号8の白抜き矢印は、インターチェンジの道路リンク72上に位置しており、番号8の白抜き矢印と道路リンク72の走行可能方向との角度は135度以上に異なっている。
【0089】
従って、逆走フラグ部403は、番号8の白抜き矢印の推定位置33では逆走フラグを立て、番号8以外の白抜き矢印の推定位置33では逆走フラグを立てない。
【0090】
次に、分析サーバ400の判定出力部405は、
図7を用いて説明した、分析サーバ400の記憶部407に記憶されている逆走判定条件に従い、
図9に示される全ての推定位置33について順に、車両30が逆走しているかどうかを判定する。
【0091】
判定出力部405は、番号1から7の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件および第2条件を満たしているが第3条件を満たしていないので、何れのカウントの増減もしない。
【0092】
続けて、判定出力部405は、番号8の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件、第2条件および第3条件の何れも満たしているので、逆走カウントを1つアップして、記憶部407に記憶させる。
【0093】
続けて、判定出力部405は、番号9の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件および第2条件を満たしているが第3条件を満たしていないので、記憶部407に記憶させている逆走カウントを0にする。
【0094】
続けて、判定出力部405は、番号10の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件を満たしておらず、記憶部407に記憶させている逆走カウントも1以上ではないので、何れのカウントの増減もしない。なお、
図9において、番号10の白抜き矢印の推定位置33と対応する計測位置31との最短距離がL10で示されているが、L10は8m以上とする。
【0095】
続けて、判定出力部405は、番号11から16の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件および第2条件を満たしているが第3条件を満たしていないので、何れのカウントの増減もしない。
【0096】
以上の通り、記憶部407に記憶させている逆走カウントが5以上になっていないので、判定出力部405は、逆走ステータスデータを出力しない。このように、逆走検知システム10によれば、高速道路50を順走している状態の車両30を運転しているユーザ20に対して、誤った情報を与えてしまうことを防止できる。
【0097】
図10は、逆走検知対象40において、車両30が高速道路50を逆走している状態を説明する模式図である。
図11は、
図10に示される逆走検知対象40の道路リンクと車両30の走行状態とをマップマッチング処理して逆走判定する方法を説明する図である。
図10および
図11では、
図8および
図9に示される構成と同じ構成を同じ参照番号を用いて示している。そこで、以下では、
図8および
図9に示される構成と同じ構成についての重複する説明を省略する。
【0098】
図11において、番号1から8の白抜き矢印で示されている推定位置33は何れも、車両30が実際に位置する本線の道路リンク62、57、インターチェンジの道路リンク73上に位置しており、番号1から8の白抜き矢印と道路リンク62、57、73の走行可能方向との角度は135度以上に異なっている。従って、逆走フラグ部403は、番号1から8の白抜き矢印で示されている全ての推定位置33で逆走フラグを立てる。
【0099】
ここで、
図12を参照しつつ、
図11の逆走判定に対応する、記憶部407における逆走カウンタおよび無視カウンタを説明する。
図12には、4行×9列のマトリクスが示されており、1行目は、推定位置33における白抜き矢印の番号である推定位置番号が左から順に示されている。各推定位置番号に対応して、2行目は逆走カウント、3行目は無視カウント、4行目は逆走ステータスデータの出力有無が示されている。
【0100】
判定出力部405は、番号1から3の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件、第2条件および第3条件の何れも満たしているので、
図12に示される通り、逆走カウントを1つずつ3回連続してアップして、記憶部407に記憶させる。
【0101】
続けて、判定出力部405は、番号4の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件を満たしていないので、
図12に示される通り、無視カウントを1つアップして記憶部407に記憶させる。なお、
図11において、番号4の白抜き矢印の推定位置33と対応する計測位置31との最短距離がL4で示されているが、L4は8m以上とする。
【0102】
続けて、判定出力部405は、番号5の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件、第2条件および第3条件の何れも満たしているので、
図12に示される通り、逆走カウントを1つアップして、記憶部407に記憶させる。
【0103】
続けて、判定出力部405は、番号6から8の白抜き矢印の推定位置33では、逆走判定条件における第1条件、第2条件および第3条件の何れも満たしているので、
図12に示される通り、逆走カウントを1つずつ3回連続してアップして、記憶部407に記憶させる。判定出力部405は更に、番号6から8の白抜き矢印の推定位置33の何れにおいても、
図12に示される通り、逆走カウントが5以上になっているので、逆走ステータスデータを3回連続して出力する。これにより、車載器100および移動端末200から、ユーザ20に対して立て続けに逆走していることを報知する。
【0104】
以上の通り、逆走検知システム10によれば、高速道路50を順走している状態の車両30を運転しているユーザ20に対して、誤った情報を与えてしまうことを防止できるだけでなく、高速道路50を逆走している状態の車両30を運転しているユーザ20に対して、逆走していることを報知することもできる。
【0105】
以上の複数の実施形態において、中間サーバおよび分析サーバは、インターネットを介した無線接続によって互いにデータ通信する構成として説明したが、中間サーバおよび分析サーバは有線接続によって互いにデータ通信してもよい。また、中間サーバおよび分析サーバが別のサーバであって、それぞれ異なる機能を有する構成として説明したが、中間サーバおよび分析サーバは同一のサーバであってもよい。この場合、当該同一のサーバが逆走判定サーバである。
【0106】
以上の複数の実施形態において、車載器と移動端末との間の通信手段としてBLEなどの近距離無線通信手段を使用し、移動端末と中間サーバとの間の通信手段としてインターネットを介した無線通信手段を使用する構成として説明したが、車載器と移動端末との間も含めて、何れの構成間の通信手段にもインターネットを介した無線通信手段を使用してもよい。
【0107】
以上の複数の実施形態において、中間サーバは、分析サーバから逆走ステータスデータを受信したら、逆走を検知したことを、逆走を検知した日時および場所の情報と共に記憶部に記憶させる構成として説明した。これに加えて、中間サーバは、それらの逆走情報を含めた一定期間の走行データレポートを作成してもよい。
【0108】
以上の複数の実施形態において、中間サーバは、移動端末から走行状態データおよび車両IDと共に車載器IDを受信すると、車載器IDに紐付けられて記憶部に記憶されている車両情報を特定し、走行状態データ、車両IDおよび車両情報を分析サーバに送信する構成として説明した。これに代えて、分析サーバの記憶部が車両IDと紐付けて車両情報を記憶しておき、分析サーバは、走行状態データおよび車両IDを受信すると、車両IDに紐付けられて記憶部に記憶されている車両情報を特定し、マップマッチング処理に用いてもよい。
【0109】
以上の複数の実施形態において、分析サーバにおけるマップマッチング処理は、GPSデータによる車両の計測された位置に最も近い道路リンク上の位置を、車両の推定位置とする構成として説明した。これに代えて、分析サーバの記憶部に記憶されている車両の走行履歴を考慮して、GPSデータによる車両の計測された位置に最も近い道路リンク上の位置を、車両の推定位置とするマップマッチング処理などの、他のマップマッチング処理を用いてもよい。
【0110】
以上の複数の実施形態において、予め設定された道路リンク、すなわち逆走検知対象の道路リンクは、例えばインターチェンジにおける立体交差する道路の交差道路リンクを含む構成として説明した。逆走判定条件は追加的に、車両の推定位置に対応する道路リンクが交差道路リンクである場合に、車両の推定位置を逆走カウントから除外する、という条件を含んでもよい。このような立体交差する道路リンクの他に、上下線が近接する道路リンクなどでは、道路の構造上、マップマッチング処理後に誤った推定位置となり易い。上記の逆走判定条件によれば、マップマッチング処理後の誤った推定位置を予め除外しておく。
【0111】
以上の複数の実施形態において、逆走判定条件は、第1条件、第2条件および第3条件を何れも満たす、車両の推定位置の逆走カウントをアップし、逆走カウントのアップが、予め定められた時間以上連続している場合、および、予め定められた距離以上連続している場合、の少なくとも一方の場合に、判定出力部から逆走ステータスデータを出力する構成として説明した。追加的に、逆走判定条件は、上記の少なくとも一方の場合であって、且つ、逆走カウントのアップが、予め定められた時間以上連続する前、および、予め定められた距離以上連続する前の少なくとも一方における、複数の道路リンクの組み合わせが、予め定められた逆走パターンに一致する場合に、判定出力部から逆走ステータスデータを出力する構成にしてもよい。
【0112】
以上の複数の実施形態において、逆走判定条件は、第1条件、第2条件および第3条件を何れも満たす、車両の推定位置の逆走カウントをアップする構成として説明した。追加的に、逆走判定条件は、第1条件、第2条件および第3条件を何れも満たし、且つ、車両の進行方向と、車両の推定位置に対応する道路リンクの走行可能方向との角度差が第2の予め定められた角度以内である、という第4条件も満たす、推定位置の逆走カウントをアップする構成にしてもよい。第2の予め定められた角度は、例えば90度であり、この角度情報は分析サーバの記憶部に記憶されている。車両の進行方向は、例えば地磁気データから算出されるが、地磁気データは、例えばスマートフォンなどの移動端末の電磁波で乱れる可能性がある。上記の逆走判定条件によれば、走行状態データに含まれる車両の走行方向が明らかに誤っている場合に、地磁気データが電磁波で乱れていると推定し、逆走カウントをアップしないようにする。
【0113】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0114】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0115】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0116】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0117】
図13は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。このようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0118】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、及びディスプレイデバイス1218を含み、これらはホストコントローラ1210によって相互に接続される。コンピュータ1200はまた、通信インターフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、これらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続される。コンピュータはまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、これらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続される。
【0119】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、これにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又は当該グラフィックコントローラ1216自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示させる。
【0120】
通信インターフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0121】
ROM1230は、内部に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0122】
プログラムが、DVD-ROM1201又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0123】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROM1201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0124】
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226(DVD-ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0125】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような、様々なタイプの情報が、情報処理されるべく、記録媒体に格納されてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、これにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0126】
以上の説明によるプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、これにより、プログラムをコンピュータ1200にネットワークを介して提供する。
【0127】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0128】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。