(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとから製造される全芳香族ポリアミドが耐熱性及び難燃性に優れていることは周知であり、また、これらの全芳香族ポリアミドはアミド系極性溶媒に可溶であり、全芳香族ポリアミドを該溶媒に溶解した重合体溶液から乾式紡糸、湿式紡糸、半乾半湿式紡糸等の方法により繊維となし得ることもよく知られている。
【0003】
これら全芳香族ポリアミドのうち、ポリメタフェニレンイソフタルアミドで代表されるメタ型全芳香族ポリアミド(「メタアラミド」と称されることもある)の繊維は、耐熱・難燃性繊維として特に有用なものであり、これらの特性を発揮する分野、例えば、フィルター、電子部品等の産業用途や、耐熱性、防炎性、耐炎性が重視される防護衣等の防災安全衣料用途等に用いられている。
【0004】
特に防護衣等に使用される場合、視認性や識別性が必要と成り、さらに意匠性やデザインも製品として重要な要素となっており、多彩な色相が要求される。そしてこれら要求を満たすためメタ型全芳香族ポリアミド繊維への着色方法は、繊維化後、染料を用いて染色する後染色法、或いは紡糸原液に顔料を添加して繊維化する原料着色(原着)法が知られている。
【0005】
しかしながら、後染色法で染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維は、短時間の光照射により変色や退色を起こすという欠点を有しており、変退色の度合いによっては使用できない用途も存在していた。
そこで、後染色法で染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維の退色を抑制するために、特許文献1には、ヒンダードアミン系耐光剤を添加する方法が提案されている。
【0006】
一方、紡糸原液に顔料を添加して繊維化する原料着色(原着)法においては、光退色するメタ型全芳香族ポリアミド繊維に黄色系の光退色性着色剤を練り込んで変色までの時間を長期化させるとともに淡色化させ、見かけ上の変退色を抑制する方法が特許文献2に提案されている。
【0007】
さらに、メタ型全芳香族ポリアミド繊維中に残存する溶媒量を0.1質量%以下とすれば、得られる原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維の露光による変退色を小さくできることが特許文献3で提案されている。
また、合成繊維の変色に対して、その主要因となる紫外線を吸収する方法として、酸化防止剤、紫外線吸収剤を繊維に含有させることが特許文献4に提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの方法は、近年ニーズの高まってきている非常に淡い色相のメタ型全芳香族ポリアミド繊維に対しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤による着色の影響を受けるため目標の色とすることが難しく、適用が困難な場合があった。特に、染料を用いて染色する後染色法においては、色斑が発しやすく均一な製品を得ることは困難であった。
【0009】
そのため、非常に淡い色相のメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得るためには原着法が必須となるが、紡糸原液に添加される顔料量が非常に少なくなるため、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の変色が目立ち、耐光性評価において2−3級以下の製品しか得られなかった。
さらに、ヒンダードアミン系耐光剤や紫外線吸収剤を使用した場合、繊維化した時点で既に黄色や褐色に発色し、所望の色相が得られないという問題もあった。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細を説明する。
【0016】
本発明におけるメタ型全芳香族ポリアミドは、メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとを原料として、例えば溶液重合や界面重合させることにより製造されるポリアミドであるが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、例えばパラ型等の他の共重合成分を共重合したものであってもよい。
【0017】
上記メタ型芳香族ジアミンとしては、メタフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフエニルスルホン等及びこれらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基等の置換基を有する誘導体、例えば2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノクロルベンゼン、2,6−ジアミノクロルベンゼン等を使用することができる。なかでも、メタフェニレンジアミン又はメタフェニレンジアミンを70モル%以上含有する上記の混合ジアミンが好ましい。
【0018】
また、上記メタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、イソフタル酸クロライド、イソフタル酸ブロマイド等のイソフタル酸ハライド、及びこれらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基等の置換基を有する誘導体、例えば3−クロルイソフタル酸クロライド、3−メトキシイソフタル酸クロライドを使用することができる。なかでも、イソフタル酸クロライド又はイソフタル酸クロライドを70モル%以上含有する上記の混合カルボン酸ハライドが好ましい。
【0019】
上記のジアミンとジカルボン酸ハライド以外で使用し得る共重合成分としては、芳香族ジアミンとして、パラフェニレンジアミン、2,5−ジアミノクロルベンゼン、2,5−ジアミノブロムベンゼン、アミノアニシジン等のベンゼン誘導体、1,5−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられ、一方、芳香族ジカルボン酸ハライドとして、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライド等が挙げられる。
【0020】
これらの共重合成分の共重合比は、あまりに多くなりすぎるとメタ型全芳香族ポリアミドの特性が低下しやすいので、ポリアミドの全酸成分を基準として20モル%以下が好ましい。特に、好適なメタ型全芳香族ポリアミドは、全繰返し単位の80モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位からなるポリアミドであり、なかでもポリメタフェニレンイソフタルアミドが好ましい。
かようなメタ型全芳香族ポリアミドの重合度は、30℃において97%濃硫酸を溶媒として測定した固有粘度(IV)が1.3〜3.0の範囲が適当である。
【0021】
次にここで得られたメタ型全芳香族ポリアミドを溶解する溶媒に溶解して紡糸ドープを調整するが、重合後メタ型全芳香族ポリアミドを単離せずそのまま紡糸ドープとすることも可能である。ここで用いる溶媒としてアミド系溶媒を一般的に用いることができ、主なアミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)等を例示することができる。これらのなかでは溶解性と取り扱い安全性の観点から、NMPまたはDMAcを用いることが好ましい。
【0022】
溶液濃度としては、次工程である紡糸・凝固工程での凝固速度および重合体の溶解性の観点から、適当な濃度を適宜選択すればよく、例えば、ポリマーがポリメタフェニレンイソフタルアミドで溶媒がNMPの場合には、通常は10〜30質量%の範囲とすることが好ましい。
【0023】
本発明においては、この紡糸ドープに、白色以外の色を有する有色顔料をポリマー成分の質量に対し、0.2質量%以下となるように添加する。ここで用いられる有色顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、或いはカーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化鉄等の無機顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
さらに、本発明においては、この紡糸ドープに白色の顔料を、ポリマー成分の質量に対し、0.5質量%以上となるように添加する。ここで用いられる白色顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛など無機顔料が多く挙げられるが、近年白色有機顔料も開発されており、これらに限定されるものではない。
【0025】
また、前述の通り、白色顔料はポリマー成分の質量に対し、0.5質量%以上となるように添加するが、添加量が多くなり過ぎると、繊維の強度を著しく低下させる顔料もあるので、添加量は0.5〜2.0質量%の範囲が好ましく、0.5〜1.0質量%の範囲がさらに好ましい。
【0026】
次に、前述の通り調製された紡糸ドープを凝固浴中へ紡出し凝固させる。紡糸装置は特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置が使用できる。また、安定して紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等には特に限定はなく、例えば、孔数が500〜3000個、孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金を用いても良い。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸ドープの温度は、10〜90℃の範囲が適当である。
【0027】
凝固浴の例としては、無機塩を含まないアミド系溶媒の、濃度45〜60質量%の水溶液を浴液の温度10〜35℃の範囲で用いる。ここで、アミド系溶媒の濃度が45質量%未満の場合は繊維のスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、得られた繊維に溶媒が残存することとなる。一方、アミド系溶媒濃度が60質量%を越える場合は、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、繊維成形時に単糸が切断する、などの不具合が多く発生する。尚、凝固浴中への繊維の浸漬時間は0.1〜30秒の範囲が適当である。
【0028】
次に、凝固浴にて凝固して得られた繊維が可塑状態にあるうちに、可塑延伸浴中にて繊維を延伸する。可塑延伸浴としては特に限定されるものではなく、従来公知の浴液を採用することができる。本発明の繊維を得るためには、可塑延伸浴中での延伸倍率を3.5〜5.0倍の範囲とする必要があり、さらに好ましくは3.7〜4.5倍の範囲である。本発明の繊維の製造においては、可塑延伸浴中で特定倍率の可塑延伸を行うことにより、凝固糸中からの脱溶媒を促進することができる。可塑延伸浴中での延伸倍率が3.5倍未満である場合には、凝固浴中からの脱溶媒が不十分となり、破断強度が低くなったり、紡績工程等の加工工程における取扱いが困難となる場合がある。一方、可塑延伸浴中での延伸倍率が5.0倍を越える場合は、単糸切れが発生するため、工程安定性が悪くなる。
可塑延伸浴の温度は10〜90℃の範囲が好ましい。さらに好ましくは20〜90℃である。
【0029】
可塑延伸に続き、繊維中に残留している溶媒を洗浄する。この工程においては、可塑延伸浴中で延伸された繊維を十分に洗浄する。洗浄は、得られる繊維の品質に影響を及ぼすことから、多段で行うことが好ましい。特に洗浄工程における洗浄浴の温度及び洗浄浴液のアミド系溶媒の濃度は、繊維からのアミド系溶媒の抽出状態及び洗浄浴からの水の繊維中への侵入状態に影響を与える。このため、これらを最適な状態とするためにも、洗浄工程を多段とし、温度条件や濃度条件を適切な範囲に制御することが好ましい。
【0030】
尚、最初の洗浄浴の60℃以上の高温とすると、水の繊維中への浸入が一気に起こるため繊維中に巨大なボイドが生成し、品質の劣化を招く。このため、最初の洗浄浴は、30℃以下の低温とすることが好ましい。
【0031】
繊維中に溶媒が残っている場合、繊維が黄色く変色する上に、該繊維を用いた製品の加工や使用に際しての環境安全性も好ましくないので、本発明の繊維に含まれる溶媒量は0.2質量%以下であることが必要であり、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。
次いで、洗浄工程を経た繊維を乾燥、熱処理する。乾燥、熱処理の方法は特に限定されないが、例えば、熱ローラー、熱板等を用いる方法などが挙げられる。
【0032】
本発明の繊維を得るためには、熱処理温度を260〜350℃の範囲とすることが必要であり、270〜340℃の範囲とすることがさらに好ましい。該熱処理温度が260℃未満の場合には、繊維の結晶化が不十分となり、繊維の収縮が大きくなる。一方、熱処理温度が350℃を越える場合は、繊維の結晶化が進みすぎるため、繊維の破断伸度が著しく低下する。熱処理温度を270〜340℃の範囲とした場合には、繊維の破断強度の向上に寄与できる。
【0033】
熱処理が施された繊維には、必要に応じて、さらに捲縮加工を加えても良い。さらに捲縮加工後、適当な繊維長に切断し、短繊維として使用しても良いし、マルチフィラメントとして巻き取っても良い。
【実施例】
【0034】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
なお、実施例中の「部」および「%」は特に断らない限りすべて質量基準に基づくものであり、量比は特に断らない限り質量比を示す。実施例および比較例における各物性値は下記の方法で測定した。
【0035】
<固有粘度(I.V.)>
ポリマーを97%濃硫酸に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
【0036】
<繊度>
JIS L1015に基づき、正量繊度のA法に準拠した測定を実施し、見掛繊度にて表記した。
【0037】
<破断強度、破断伸度>
JIS L1015に基づき、インストロン社製 型番5565を用いて、以下の条件で測定した値を繊維の破断強度、破断伸度とした。
(測定条件)
つかみ間隔 :20mm
初荷重 :0.044cN(1/20g)/dtex
引張速度 :20mm/分
【0038】
<明度L値・色度a値b値>
分光色彩計 SD7000(日本電色工業製)を用いて測定した。尚、明度L値の数字が小さくなるほど濃色化し、b値の数字が(+方向へ)大きくなるほど黄色への変色度合が高くなる。
【0039】
<耐光性>
JIS L 0843(光源:キセノン)に準じて測定を行い、ブルースケールを用いて級判定を行った。
【0040】
[実施例1〜2]
(ポリマーの製造)
乾燥窒素雰囲気下の反応容器に、水分率が100ppm以下のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)721.5質量部を秤量し、このDMAc中にメタフェニレンジアミン97.2質量部(50.18モル%)を溶解させ、0℃に冷却した。この冷却したDMAc溶液に、さらにイソフタル酸クロライド(以下IPCと略す)181.3質量部(49.82モル%)を徐々に攪拌しながら添加し、重合反応を行った。
【0041】
次に、平均粒径が10μm以下の水酸化カルシウム粉末を66.6質量部秤量し、重合反応が完了したポリマー溶液に対してゆっくり加え、中和反応を実施した。水酸化カルシウムの投入が完了した後、さらに40分間攪拌して、透明なポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離してIVを測定したところ、1.65であった。また、ポリマー溶液中のポリマー濃度は、17%であった。
【0042】
(ドープの製造)
得られたポリマー溶液に、Pigment Blue15の粉末をポリマー成分の質量に対し0.18質量%となるよう添加し、さらに白色顔料として酸化チタンをポリマー成分の質量に対し実施例1では0.96質量%、実施例2では0.50質量%となるようにそれぞれ添加した後、該ポリマー溶液を十分に撹拌し顔料を均一に分散させた。これを減圧脱泡して紡糸ドープとした。
【0043】
(紡糸)
上記紡糸ドープを、孔径0.07mm、孔数500の紡糸口金から、浴温度30℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。凝固液の組成は、水/DMAc=45/55(質量部)であり、凝固浴中に糸速7m/分で吐出して紡糸した。
引き続き、温度40℃の水/DMAc=45/55の組成の可塑延伸浴中にて、3.7倍の延伸倍率で延伸を行った。
延伸後、20℃の水/DMAc=70/30の浴(浸漬長1.8m)、続いて20℃の水浴(浸漬長3.6m)で洗浄し、さらに60℃の温水浴(浸漬長5.4m)に通して十分に洗浄を行った。
洗浄後の繊維について、表面温度280℃の熱ローラーにて乾熱処理を施し、メタ型全芳香族ポリアミド繊維をトウの状態でサンプリングし破断強度、破断伸度の測定を行った。
さらに得られたトウ状態の繊維を束ねてクリンパーを通し、捲縮を付与した後、カッターでカットして51mmの短繊維とすることにより、原綿を得た。得られた原綿をよく開繊し、繊維方向を揃えて測定用のセルへ入れ、分光色彩計SD7000(日本電色工業製)を用いて明度・色度の測定を実施した。さらに、JIS L 0843(光源:キセノン)に準じて耐光性を測定し級判定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0044】
[比較例1]
実施例1で製造したポリマー溶液に、Pigment Blue15の粉末をポリマー成分の質量に対し0.18質量%となるよう添加し、白色顔料や添加剤は添加せずに該ポリマー溶液を十分に撹拌し顔料を均一に分散させた、これを減圧脱泡して紡糸ドープとした以外は実施例1と同様に実施した。これらの結果を表1に示す。
【0045】
[比較例2]
実施例1で製造したポリマー溶液に、Pigment Blue15の粉末をポリマー成分の質量に対し0.18質量%となるよう添加し、白色顔料は添加せず、耐光安定剤としてベンゾトリアゾール紫外線吸収剤であるチヌビン234をポリマー成分の質量に対し3.0質量%となるよう添加し、該ポリマー溶液を十分に撹拌し顔料を均一に分散させた、これを減圧脱泡して紡糸ドープとした以外は実施例1と同様に実施した。これらの結果を表1に示す。
【0046】
[比較例3]
実施例1で製造したポリマー溶液に、Pigment Blue15の粉末をポリマー成分の質量に対し0.70質量%となるよう添加し、白色顔料や添加剤は添加せずに該ポリマー溶液を十分に撹拌し顔料を均一に分散させた、これを減圧脱泡して紡糸ドープとした以外は実施例1と同様に実施した。これらの結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例1、2においては、良好な淡青色を呈する原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維が得られ、その耐光性は3級であった。これに対して、繊維中に白色顔料を含まない比較例1の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、実施例1、2と同様の淡青色を示したが、その耐光性は2−3級であった。
【0049】
また、紫外線吸収剤を3.0質量%含有させた比較例2の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維のb値は、実施例1、2よりも(+方向に)4近く大きく、黄色く変色した色相を呈するものであった。さらに、繊維中の顔料量を0.70質量%とした比較例3においては、目標とする淡青色の色相は得られなかった。