(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960296
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ハニカムスクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/388 20060101AFI20211025BHJP
E06B 7/14 20060101ALI20211025BHJP
E06B 9/262 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
E06B9/388
E06B7/14
E06B9/262
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-192123(P2017-192123)
(22)【出願日】2017年9月29日
(65)【公開番号】特開2019-65581(P2019-65581A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山岸 万人
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−065286(JP,A)
【文献】
特開平07−042463(JP,A)
【文献】
実公平07−048942(JP,Y2)
【文献】
登録実用新案第3173461(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0159218(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00−99/00
E06B 7/14
E06B 9/00− 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、
前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、
前記ボトムレールに形成され、吸湿剤を収容するための収容部と、
前記ボトムレールに形成され、外部空間と前記収容部とを連通する連通口と、
を備え、
前記連通口は、前記ボトムレールにおいて窓側を向く壁部に形成されていることを特徴とするハニカムスクリーン装置。
【請求項2】
前記ボトムレールは筒状を呈し、前記ボトムレールの内部空間が前記収容部となっていることを特徴とする請求項1に記載のハニカムスクリーン装置。
【請求項3】
伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、
前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、
前記ボトムレール内に形成され吸湿剤を収容するための空間であり、前記ハニカムスクリーンと非接触に設けられた収容部と、
前記ハニカムスクリーンの下端部に固定された水平板状の固定板と、
を備え、
前記ボトムレールは、前記固定板の端部に係合する係合レールを有し、
前記ボトムレールの上壁は、前記固定板と離間していることを特徴とするハニカムスクリーン装置。
【請求項4】
伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、
前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、
前記ボトムレール内に形成され、前記ハニカムスクリーンと非接触に設けられた収容部と、
前記収容部内に収容された吸湿剤と、
前記ハニカムスクリーンの下端部に固定された水平板状の固定板と、
を備え、
前記ボトムレールは、前記固定板の端部に係合する係合レールを有し、
前記ボトムレールの上壁は、前記固定板と離間していることを特徴とするハニカムスクリーン装置。
【請求項5】
前記ボトムレールには、外部空間と前記収容部とを連通する連通口が形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のハニカムスクリーン装置。
【請求項6】
前記連通口は、前記ボトムレールにおいて窓側を向く壁部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のハニカムスクリーン装置。
【請求項7】
前記ボトムレールは、前記吸湿剤を出し入れ可能に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のハニカムスクリーン装置。
【請求項8】
前記ハニカムスクリーンを構成するセルは、両端が開口し、内部に吸湿剤を収容可能になっていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のハニカムスクリーン装置。
【請求項9】
伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、
前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、
前記ボトムレールに形成され、吸湿剤を収容するための収容部と、
前記ボトムレールに形成され、外部空間と前記収容部とを連通する連通口と、
前記ハニカムスクリーンを構成するセルの両端部に配置される閉塞部材と、を備え、
前記閉塞部材は、前記セルの両端部を上下方向に貫通するコードと、前記コードから各セル内に延出して内側への侵入を抑制する繊維群と、を備えていることを特徴とするハニカムスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遮蔽装置として、ハニカムスクリーン装置、ロールスクリーン、並びにローマンシェードカーテンが挙げられる。このような遮蔽装置において、近年、室内の湿気が窓ガラスや窓ガラスサッシに結露することを抑制できる遮蔽装置が提案されている。
例えば、下記特許文献1のロールスクリーンは、仕切り用部材の片面に吸放湿製樹脂層が設けられている。また、下記特許文献2のローマンシェードカーテンは、シェードの裾の折り返し部内に炭の微粉末が練り込まれた綿が縫い付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3951849号
【特許文献2】特開2001−275831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、窓ガラス等への結露を抑制できるハニカムスクリーン装置については依然として提案されていない。
【0005】
そこで、本発明は、前記する背景に鑑みて創案された発明であって、室内の湿気が窓ガラス等に結露することを抑制できるハニカムスクリーン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の第1局面のハニカムスクリーン装置は、伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、前記ボトムレールに形成され、吸湿剤を収容するための収容部と、前記ボトムレールに形成され、外部空間と前記収容部とを連通する連通口と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記発明によれば、ボトムレールの収容部内に吸湿剤を収容することができる。よって、外部空間(室内)の湿気は、連通口を介して吸湿剤に吸収され、窓ガラス等に結露し難くなる。
【0008】
前記発明において、前記ボトムレールは筒状を呈し、前記ボトムレールの内部空間が前記収容部となっていてもよい。
【0009】
本発明の第2局面のハニカムスクリーン装置は、伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、前記ボトムレール内に形成され吸湿剤を収容するための空間であり、前記ハニカムスクリーンと非接触に設けられた収容部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記発明によれば、ボトムレールの収容部内に吸湿剤を収容することができる。そして、室内の湿気が収容部内の吸湿剤に吸収され、窓ガラス等に結露し難くなる。また、収容部がハニカムスクリーンと非接触となっているため、収容部内に入り込んだ湿気がハニカムスクリーンに吸収されてハニカムスクリーンの生地が傷み易くなる、ということを回避できる。
【0011】
本発明の第3局面のハニカムスクリーン装置は、伸縮可能なハニカムスクリーンを備えたハニカムスクリーン装置において、前記ハニカムスクリーンの下方に配置されたボトムレールと、前記ボトムレール内に形成され、前記ハニカムスクリーンと非接触に設けられた収容部と、前記収容部内に収容された吸湿剤と、を備えることを特徴とする。
【0012】
前記発明によれば、室内の湿気が収容部内の吸湿剤に吸収され、窓ガラス等に結露し難くなる。また、収容部がハニカムスクリーンと非接触となっているため、収容部内に入り込んだ湿気がハニカムスクリーンに吸収されてハニカムスクリーンの生地が傷み易くなる、ということを回避できる。
【0013】
前記発明において、前記ボトムレールには、外部空間と前記収容部とを連通する連通口が形成されていてもよい。
【0014】
前記発明において、前記連通口は、前記ボトムレールにおいて窓側を向く壁部に形成されていることが好ましい。
【0015】
前記構造によれば、連通口が視認され難いため、ハニカムスクリーン装置の美観を保持できる。また、ハニカムスクリーンと窓ガラスとの間の湿度が下がり、より結露し難くなる。
【0016】
前記発明において、前記ボトムレールは、前記吸湿剤を出し入れ可能に形成されていることが好ましい。
【0017】
前記構造によれば、吸湿剤を交換することができ、窓ガラス等への結露を継続的に抑制することができる。
【0018】
前記発明において、前記ハニカムスクリーンを構成するセルは、両端が開口し、内部に吸湿剤を収容可能になっていることが好ましい。
【0019】
前記構造によれば、吸湿性能が向上するため、湿気が窓ガラス等に結露することを確実に抑制することができる。
【0020】
前記発明において、前記ハニカムスクリーンを構成するセルの両端部に配置される閉塞部材と、を備え、前記閉塞部材は、前記セルの両端部を上下方向に貫通するコードと、前記コードから各セル内に延出して内側への侵入を抑制する繊維群と、を備えていることが好ましい。
【0021】
前記構造によれば、セル内への異物の侵入を抑制できる。また、吸湿性能が向上するため、湿気が窓ガラス等に結露することを確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、室内の湿気が窓ガラス等に結露することを抑制できるハニカムスクリーン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態のハニカムスクリーン装置を室内側から視た正面図である。
【
図2】第1実施形態のハニカムスクリーン装置においてボトムレールから蓋部材を取り外した状態を室外側かつ右上側から視た斜視図である。
【
図4】変形例に係るボトムレールを室外側かつ右上側から視た斜視図である。
【
図5】第2実施形態のハニカムスクリーン装置の下部を室外側かつ右上側から視た斜視図である。
【
図6】第3実施形態のハニカムスクリーン装置を室内側から視た正面図である。
【
図7】第3実施形態のハニカムスクリーン装置においてボトムレールから蓋部材を取り外した状態を室外側かつ右上側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
つぎに各実施形態のハニカムスクリーン装置について図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1に示すように、ハニカムスクリーン装置1は、ヘッドボックス2と、ヘッドボックス2の下方に配置され複数のセル4から成るハニカムスクリーン3と、ハニカムスクリーン3の下方に配置されたボトムレール5と、ヘッドボックス2から吊り下げられた昇降コード6と、ハニカムスクリーン3の伸縮を操作するための操作コード7と、を備えている。
【0026】
なお、以下の説明において、室内側からハニカムスクリーン装置1を見て右手側を右側と称し、左手側を左側と称する。前後方向に関し、ハニカムスクリーン装置1を基準として、室内側を前側と称し、室外側を後側と称する。
【0027】
ハニカムスクリーン3は、図示しない窓ガラスや窓ガラスサッシを覆うためのものであり、複数のセル4が上下方向に配列している。
図2に示すように、セル4は側面視で六角形を成す筒状の部品であり、セル4の両端4aには開口4bが形成されている。
図3に示すように、ハニカムスクリーン3の下端には固定板11が接着されている。固定板11は、水平板状であり、ハニカムスクリーン3に沿って左右方向に延在する板部材である。
【0028】
特に図示しないが、昇降コード6の上端側は、ヘッドボックス2内の巻取軸に掛装され、ヘッドボックス2から垂れ下がっている。また、昇降コード6は、各セル4に形成された挿通孔(不図示)に挿通され各セル4を貫通している。そして、昇降コード6の下端はボトムレール5に連結している。
【0029】
操作コード7は、無端状のボールチェーンであり、ヘッドボックス2内の図示しない駆動軸に掛装されている。
操作コード7の下方に大きく引くと(
図2の矢印参照)、駆動軸が回転(駆動)する。そして、駆動軸の駆動力が巻取軸に伝達して昇降コード6が巻取軸に巻き取られ、ボトムレール5が上昇する。これにより、複数のセル4,4,・・・のうち下方に配置されたセル4から順に、折り畳まれた状態でボトムレール5の上面に積み重ねられ、ボトムレール5とともに上昇する。
なお、操作コード7を下方に少し引くと、図示しないストッパが解除状態となり、自重によりボトムレール5が下降し、各セル4が展開するようになる。
【0030】
ボトムレール5は、ハニカムスクリーン3の下端部に取り付けられてハニカムスクリーン3を伸長させたり、ハニカムスクリーン3が伸長した状態を保持したりする役割(錘の役割)を有している。
図1に示すように、ボトムレール5は、左右方向に延在する筒状の部品である。よって、ボトムレール5には、左右方向に延在する内部空間5aが形成されている。また、ボトムレール5の両端には、内部空間5aと外部空間(室内)とを連通する開口(
図2参照)5bが形成されている。
さらに、ボトムレール5の両端には取り外し可能な蓋部材8が設けられ、この蓋部材8により開口5bが閉塞している。
【0031】
図2に示すように、ボトムレール5の後壁5c(ボトムレール5において窓側を向く壁部)には、内部空間5aと外部空間(室内)とを連通する矩形状の連通口5dが形成されている。連通口5dは、4つ形成されている(
図1参照)。また、ボトムレール5の内部空間5a内には、粒上のシリカゲル(吸湿剤)10が設けられている。このため、ハニカムスクリーン3と窓ガラスとの間に介在する湿気は、ボトムレール5の連通口5dを介して内部空間5aに流入し、シリカゲル10に吸収される。なお、本実施形態において吸湿剤としてシリカゲル10が用いているが、本発明はこれに限定されず、例えば、塩化カルシウム、生石灰などであってもよい。
【0032】
図3に示すように、ボトムレール5の上壁5eには、係合レール12が形成されている。係合レール12は、断面視L字状に形成された一対の突起12a,12bにより構成されている。なお、係合レール12(一対の突起12a,12b)は、
図2において省略されている。
この一対の突起12a,12bは、ボトムレール5の上壁5eにおいて互いに前後に離間して設けられ、固定板11の前端11a及び後端11bに係合している。これにより、ボトムレール5がハニカムスクリーン3の下端部に取り付けられる。
また、ボトムレール5の上壁5eは、内部空間5aとハニカムスクリーン3とを仕切る仕切り壁を構成しており、ハニカムスクリーン3と内部空間5aとが非接触となっている。よって、内部空間5a内に入り込んだ湿気がハニカムスクリーン3に吸収されてハニカムスクリーン3の生地が傷み易くなる、ということを回避できる。
【0033】
以上、第1実施形態によれば、窓ガラス近傍の湿度が低下するため、室内の湿気が窓ガラスや窓ガラスサッシに結露することが抑制される。
また、ボトムレール5の蓋部材8を取り外すことで、古いシリカゲル10を新規のシリカゲルに交換できる。よって、湿気が窓ガラス等に結露することを継続的に抑制することができる。
また、ボトムレール5の連通口5dが窓ガラス側を向く後壁5cに形成されているため、ハニカムスクリーン3と窓ガラスとの間に介在する湿気をより効果的に吸収できる。
【0034】
以上、第1実施形態について説明したが、本発明は、実施形態で説明した例に限定されない。実施形態の連通口5dは、ボトムレール5の後壁5cに形成されているが、例えば、前壁や上壁などでもよく、ボトムレール5の内部空間5aと室内とを連通できれば特に限定されない。
また、実施形態では、ボトムレール5の後壁5cにのみ、言い換えると、ボトムレール5の一つの壁部にのみ連通口5dを形成しているが、ボトムレールの複数の壁部に連通口を形成してもよい。例えば、ボトムレール5の後壁5cのほかに、さらに前壁又は底壁に連通口を形成すると、室内の湿気をより多く吸収できる。また、前壁又は底壁の連通口が吸湿剤を交換できる大きさに形成されている場合には、吸湿剤の交換を容易とすることができる。
また、連通口5dをメッシュ材により覆い、ボトムレール5の内部空間5a内に埃等が侵入しないようにしてもよい。
【0035】
また、ボトムレール5の両端の開口5bを吸湿剤の交換口として利用しているが、本発明は、開口5bが形成されていない有底筒状のボトムレールを用いてもよい。このようなボトムレールを利用する場合、連通口5dを大きめに形成し、連通口5dを交換口としてもよい。
【0036】
または、ボトムレール5の両端の開口5bを連通口5dとして利用してもよい。ただしこのような場合、開口5bを常時通気可能とするため、蓋部材8を常時外しておく必要がある。なお、このような場合、蓋部材8の代わりにメッシュ材により開口5bを覆い、内部空間5a内の吸湿剤が脱落しないようにしてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、筒状のボトムレール5を用いるとともにその内部空間5aを収容空間としているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、
図4に示すように、本発明は、中実のボトムレール15を用いてもよい。
このようなボトムレール15を用いる場合、ボトムレール15の後壁15aを前方に凹ませて成る凹部15bを形成する。
そして、凹部15bの内部空間を吸湿剤を収容するための収容部15cとし、凹部15bの開口を連通孔15dとしてもよい。
なお、本実施形態において、昇降コード6及び操作コード7を備えたハニカムスクリーン装置1に適用した例を挙げて説明したが、本発明は、昇降コード6及び操作コード7を備えていないハニカムスクリーン装置に適用してもよい。
【0038】
(第2実施形態)
つぎに第2実施形態のハニカムスクリーン装置21について説明する。
第2実施形態のハニカムスクリーン装置21において第1実施形態との相違点は、
図5に示すように、吸湿剤10がボトムレール5の収容部(内部空間5a)の他に、セル4内にも配置されている点である。以下、相違点に絞って説明する。
【0039】
図5に示すように、セル4内に配置された吸湿剤22は、熱可塑性樹脂繊維と天然パルプからできた薄板に塩化カルシウムを担持させてなり、シート状の吸湿剤である。
吸湿剤22は、セル4の開口4bからセル4内に配置されている。そして、吸湿剤22は、セル4の上面の内側と下面の内側とに接着され、セル4内に固定されている。また、吸湿剤22は、各セル4内に設けられている。
【0040】
以上、第2実施形態のハニカムスクリーン装置21は、ボトムレール5内の吸湿剤10と、セル4内の吸湿剤22とを備えるため、第1実施形態のハニカムスクリーン装置1よりも吸湿性能が高い。よって、室内の湿気が窓ガラスや窓ガラスサッシに結露することを確実に抑制することができる。
【0041】
以上、第2実施形態のハニカムスクリーン装置21について説明した。なお、実施形態において各セル4内に吸湿剤22が設けられているが、本発明は、複数のセル4のうち下側に位置するセル4内にのみ吸湿剤22を設けてもよい。また、吸湿剤22を接着剤により固定しているが、交換可能なように係止ピンによりこていしてもよく、特に限定さない。
【0042】
(第3実施形態)
つぎに第3実施形態のハニカムスクリーン装置31について説明する。
第3実施形態のハニカムスクリーン装置31において第1実施形態との相違点は、
図6に示すように、ハニカムスクリーン3の左右両側に閉塞部材32をさらに設けている点である。以下、相違点に絞って説明する。
【0043】
図6に示すように、閉塞部材32は、各セル4の両端部を上下方向に貫通するコード33と、コード33から各セル4内に延出してセル4内に異物が侵入することを抑制する繊維群34と、を備えている。
【0044】
コード33は、上端がヘッドボックス2内に固定されている。そして、コード33は、ヘッドボックス2から垂れ下がり、各セル4に形成された貫通孔に挿通され、セル4内を上下方向に延在している。また、コード33は、昇降コード6よりも幅方向外側に位置している。
【0045】
繊維群34は、鉛直方向に延在するコード33から水平方向かつ放射状に延出する複数の繊維により構成されている。また、繊維群34を構成する繊維は、吸湿性を有しているものが使用されている。さらに、繊維群34は、コード33の長さ方向に隙間なく設けられている。なお、繊維の種類は特に限定されず、天然繊維(例えばモヘアなど動物繊維又は植物繊維)、化学繊維が挙げられる。
【0046】
閉塞部材32は、ハニカムスクリーン3が収縮しセル4が折り畳まれた場合、コード33がセル4内で屈曲する。ここで、コード33が屈曲した場合、コード33や繊維群34がセル4の端4aよりも外側に突出(露出)しないように、言い換えると、ハニカムスクリーン3の美観を損なわないように、コード33の長さや繊維群34を構成する繊維の長さが設定されている。
【0047】
以上、第3実施形態によれば、セル4内への異物の侵入を抑制できる。また、第3実施形態のハニカムスクリーン装置31は、ボトムレール5内の吸湿剤10以外に、繊維群34が吸湿するため、第1実施形態のハニカムスクリーン装置1よりも吸湿性能が高い。よって、室内の湿気が窓ガラスや窓ガラスサッシに結露することを確実に抑制することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ハニカムスクリーン装置
2 ヘッドボックス
3 ハニカムスクリーン
4 セル
5 ボトムレール
5a 内部空間(収容部)
5b 開口
5c 後壁
5d 連通口
5e 上壁
6 昇降コード
7 操作コード
8 蓋部材
10 シリカゲル(吸湿剤)
11 固定板
12 固定レール
15 ボトムレール
15a 後壁
15b 凹部
15c 収容部
15d 連通孔
21 ハニカムスクリーン装置
22 吸湿剤
31 ハニカムスクリーン装置
32 閉塞部材
33 コード
34 繊維群