(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960327
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】室外機、空気調和機、ファンガード、及びファンガード製造方法
(51)【国際特許分類】
F24F 1/56 20110101AFI20211025BHJP
【FI】
F24F1/56
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-243669(P2017-243669)
(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公開番号】特開2019-109030(P2019-109030A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2020年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】高原 岳
(72)【発明者】
【氏名】石川 英気
(72)【発明者】
【氏名】中川 優
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジェミン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ジェソン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ジュンホ
(72)【発明者】
【氏名】ジン ドンシク
【審査官】
浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−085358(JP,A)
【文献】
特開2011−085356(JP,A)
【文献】
特開2009−014325(JP,A)
【文献】
特開2003−214658(JP,A)
【文献】
特開2016−130616(JP,A)
【文献】
特開2017−215079(JP,A)
【文献】
特開平11−223362(JP,A)
【文献】
実開昭62−105433(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁に空気吹出口が形成された筐体と、
前記空気吹出口に臨むように前記筐体内に設けられた送風ファンと、
前記送風ファンを覆うファンガードとを具備する室外機であって、
前記ファンガードが、
前記送風ファンの径方向に離間して設けられた複数の環状桟と、前記複数の環状桟を連結する放射状桟とを有し、
前記放射状桟が、延伸方向と直交する断面において、自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられており、前記各自由端部を含む一対の対向片部が互いに面接触している室外機。
【請求項2】
前記上壁において前記空気吹出口を形成する内縁部が、前記放射状桟と同じ方向に折り曲げられている請求項1記載の室外機。
【請求項3】
前記自由端部それぞれが互いに面接触している請求項1又は2記載の室外機。
【請求項4】
前記自由端部が下方を向いている請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の室外機。
【請求項5】
前記環状桟が、延伸方向と直交する断面視において、自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられており、前記各自由端部を含む一対の対向片部が互いに面接触している請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の室外機。
【請求項6】
前記環状桟の幅寸法と前記放射状桟の幅寸法が同じである請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の室外機。
【請求項7】
前記環状桟及び前記放射状桟それぞれが、延伸方向と直交する断面視において、幅寸法Wと高さ寸法Hとの比が、0.1<幅寸法W/高さ寸法H<0.5である請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の室外機。
【請求項8】
前記幅寸法Wが1mm以上3.2mm以下、且つ、前記高さ寸法Hが2.5mm以上7.5mm以下である請求項7記載の室外機。
【請求項9】
前記ファンガードが、前記各放射状桟が連結されるとともに、前記送風ファンの軸の上方に位置する平板状の保護板をさらに有し、
前記保護板に、上方に突出する補強部が設けられている請求項1乃至8のうち何れか一項に記載の室外機。
【請求項10】
前記環状桟及び前記放射状桟が、前記保護板よりも上方に突出していない請求項9記載の室外機。
【請求項11】
前記環状桟及び前記放射状桟が、前記上壁と一体的に形成されている請求項1乃至10のうち何れか一項に記載の室外機。
【請求項12】
請求項1乃至11のうち何れか一項に記載された室外機を具備する空気調和機。
【請求項13】
上壁に空気吹出口が形成された筐体と、前記筐体の内部において前記空気吹出口に臨んで設けられた送風ファンとを具備する室外機に用いられるファンガードであって、
前記送風ファンの径方向に沿って離間して設けられた複数の環状桟と、
前記複数の環状桟を連結する放射状桟とを有し、
前記放射状桟が、延伸方向と直交する断面において、自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられており、前記各自由端部を含む一対の対向片部が互いに面接触しているファンガード。
【請求項14】
上壁に空気吹出口が形成された筐体と、前記筐体の内部において前記空気吹出口に臨んで設けられた送風ファンとを具備する室外機に用いられるファンガードの製造方法であって、
前記ファンガードが、前記送風ファンの径方向に沿って離間して設けられた複数の環状桟と、前記複数の環状桟を連結する放射状桟とを有したものであり、
前記放射状桟を、延伸方向と直交する断面において、自由端部それぞれを同じ方向に折り曲げて、前記各自由端部を含む一対の対向片部を互いに面接触させて形成するファンガード製造方法。
【請求項15】
ヘミング加工により前記放射状桟を形成している請求項14記載のファンガード製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上吹きタイプの室外機、この室外機を備える空気調和機、この室外機に用いられるファンガード、及びこのファンガードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上吹きの室外機としては、特許文献1に示すように、上壁に空気吹出口が形成された筐体と、空気吹出口に臨むように筐体の内部に設けられた送風ファンと、送風ファンを覆うファンガードとを具備するものがある。
【0003】
ファンガードは、送風ファンの径方向に離間して設けられた複数の環状桟と、これらの環状桟を連結する放射状桟とを有している。
【0004】
ところで、上吹きタイプの室外機では、上方から物が落ちてくる可能性があることから、横吹きタイプの室外機に比べてファンガードに必要とされる機械的強度が高く、桟が太くなりがちである。
【0005】
しかしながら、上吹きタイプの室外機としては、例えばビルの屋上などに設置された大型なものがあり、このようなものは送風量が大きいので、特に送風ファンの旋回流の妨げとなる放射状桟が太いと送風抵抗となり、送風効率の低下を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−85562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであって、ファンガードの機械的強度を担保しつつ、送風抵抗を低減させることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る室外機は、上壁に空気吹出口が形成された筐体と、前記空気吹出口に臨むように前記筐体内に設けられた送風ファンと、前記送風ファンを覆うファンガードとを具備する室外機であって、前記ファンガードが、前記送風ファンの径方向に離間して設けられた複数の環状桟と、前記複数の環状桟を連結する放射状桟とを有し、前記放射状桟が、延伸方向と直交する断面において、自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられており、前記各自由端部を含む一対の対向片部が互いに面接触していることを特徴とするものである。
【0009】
このように構成された室外機であれば、放射状桟の自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられているので、機械的強度を向上させることができるうえ、一対の対向片部が互いに面接触しているので、放射状桟の幅寸法を可及的に小さくすることができ、送風抵抗を低減させることができる。
【0010】
自由端部が互いにずれて面接触していると、送風ファンからの風があたる箇所(面積)が多くなってしまい、その箇所が音源となって騒音が生じる。
そこで、前記自由端部それぞれが互いに面接触していることが好ましい。
このような構成であれば送風ファンからの風があたる箇所を少なくすることができ、騒音を低減させることができる。
【0011】
前記上壁において前記空気吹出口を形成する内縁部が、前記環状桟と同じ方向に折り曲げられていることが好ましい。
このような構成であれば、放射状桟と上壁の交差部の内縁部が一体的に構成できるので、前記交差部の機械的強度を向上させる事ができる。
【0012】
自由端部が上方を向いていると、自由端部の隙間に雨水等が溜まって桟が腐食してしまうので、これを防ぐためには、前記自由端部が下方を向いていることが好ましい。
【0013】
放射状桟のみならず、環状桟の機械的強度を担保しつつ送風抵抗を低減させるためには、前記環状桟が、延伸方向と直交する断面視において、自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられており、前記各自由端部を含む一対の対向片部が互いに面接触していることが好ましい。
【0014】
各桟を容易に製造できるようにするためには、前記環状桟の幅寸法と前記放射状桟の幅寸法が同じであることが好ましい。
【0015】
各桟の延伸方向と直交する断面視において、各桟の幅寸法が小さ過ぎると機械的強度が担保できないし、大き過ぎると各桟を折り曲げ難くなる。また、同断面視における高さ寸法が大き過ぎると一対の対向片部が開いてしまい、送風抵抗となる。
そこで、これらの問題を回避するためには、前記環状桟及び前記放射状桟それぞれが、延伸方向と直交する断面視において、幅寸法Wと高さ寸法Hとの比が、0.1<幅寸法W/高さ寸法H<0.5であることが好ましい。
【0016】
より具体的な実施態様としては、前記幅寸法Wが1mm以上3.2mm以下、且つ、前記高さ寸法Hが2.5mm以上7.5mm以下である構成が挙げられる。
【0017】
ファンガードの機械的強度をより向上させるためには、前記ファンガードが、前記各放射状桟が連結されるとともに、前記送風ファンの軸の上方に位置する平板状の保護板をさらに有し、前記保護板に、上方に突出する補強部が設けられていることが好ましい。
【0018】
室外機の見栄えを損なわないためには、前記環状桟及び前記放射状桟が、前記保護板よりも上方に突出していないことが好ましい。
【0019】
前記環状桟及び前記放射状桟が、前記上壁と一体的に形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、部品点数の削減することができ、低コスト化や組み立て性の向上を図れる。
【0020】
上述した室外機を具備する空気調和機も本発明の1つであり、このような空気調和機であれば、上述した作用効果を発揮させることができる。
【0021】
また、本発明に係るファンガードは、上壁に空気吹出口が形成された筐体と、前記空気吹出口に臨むように前記筐体内に設けられた送風ファンとを具備する室外機に用いられるファンガードであって、前記送風ファンの径方向に沿って離間して設けられた複数の環状桟と、前記複数の環状桟を連結する放射状桟とを有し、前記放射状桟が、延伸方向と直交する断面において、自由端部それぞれが同じ方向に折り曲げられており、前記各自由端部を含む一対の対向片部が面接触していることを特徴とするものである。
このようなファンガードを用いれば、上述した室外機と同様の作用効果を発揮させることができる。
【0022】
さらに、本発明に係るファンガード製造方法は、上壁に空気吹出口が形成された筐体と、前記空気吹出口に臨むように前記筐体内に設けられた送風ファンとを具備する室外機に用いられるファンガードの製造方法であって、前記ファンガードが、前記送風ファンの径方向に沿って離間して設けられた複数の環状桟と、前記複数の環状桟を連結する放射状桟とを有したものであり、前記放射状桟を、延伸方向と直交する断面において、自由端部それぞれを同じ方向に折り曲げて、前記各自由端部を含む一対の対向片部を互いに面接触させて形成することを特徴とする方法である。
このような方法により製造されたファンガードであれば、上述した室外機と同様の作用効果を発揮させることができる。
【0023】
より具体的な製造方法としては、ヘミング加工により前記放射状桟を形成している方法を挙げることができる。
【発明の効果】
【0024】
このように構成した本発明によれば、ファンガードの機械的強度を担保しつつ、送風抵抗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態の室外機の全体構成を示す模式図。
【
図2】同実施形態のファンガードの構成を示す平面図。
【
図3】同実施形態のファンガードの保護板を示す斜視拡大図。
【
図4】同実施形態のファンガードの製造方法を説明するための模式図。
【
図5】同実施形態のファンガードの交差部を示す斜視拡大図。
【
図6】同実施形態の空気吹出口の内縁部を示す斜視拡大図。
【
図7】同実施形態のファンガードの各桟の構成を示す断面図。
【
図8】変形実施形態のファンガードの各桟の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る室外機の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
本実施形態に係る室外機100は、少なくとも室内熱交換器を有する室内機と配管接続されて空気調和機を構成するものであり、例えばビルの屋上などに設置される上吹きタイプのものである。
【0028】
具体的にこの室外機100は、
図1及び
図2に示すように、上壁11に空気吹出口Xが形成された筐体10と、空気吹出口Xに臨むように筐体10内に設けられた送風ファン20と、送風ファン20を覆うファンガード30とを具備するものである。
【0029】
筐体10は、図示しない室外熱交換器を収容する例えば概略直方体形状をなすものであり、側壁12に吸気吸入口が形成されている。本実施形態の筐体10は、空気吹出口Xが1つ形成されたものであるが、空気吹出口Xは複数形成されていても良い。
筐体10の上壁11は、平面視略長方形状をなしており、空気吹出口Xは、送風量を多くすべく、可及的大きな形状、具体的には上壁11の長手方向に沿ってやや長い形状にしてあり、ここでは歪んだ多角形状をなす。なお、空気吹出口Xは、円形状、楕円形状、正方形状、長方形状、多角形状など適宜変更して構わない。
【0030】
送風ファン20は、図示しない制御部からの制御信号を受け付けて回転することで、空気の旋回流を生じさせるものである。本実施形態では、筐体10内に1つの送風ファン20を設けてあるが、例えば空気吹出口Xを複数形成して、筐体10内に2つ以上の送風ファン20を設けても良い。
【0031】
ファンガード30は、
図2に示すように、送風ファン20を保護するためのものであり、具体的には送風ファン20の軸の上方に位置する保護板31と、送風ファン20の径方向に離間して設けられた複数の環状桟32と、複数の環状桟32を連結する放射状桟33を有している。なお、ここでいう環状とは円環状、多角環状、楕円環状などを含む意味である。
【0032】
保護板31は、空気吹出口Xの中央に位置する平板状のものであり、ここでは空気吹出口Xと同様に多角形状をなす。本実施形態の保護板31には、
図3に示すように、上方に突出して保護板31の機械的強度を向上させる補強部34が設けられている。補強部34の形状は種々変更して構わないが、ここでの補強部34は、保護板31の中央部分を絞って上方に突出させた円柱状のものである。
【0033】
環状桟32は、ここでは空気吹出口Xと同様に多角環状をなすものであり、多角形の各辺に位置する複数の直線状の桟要素から構成されている。
【0034】
放射状桟33は、保護板31の外縁と空気吹出口Xの内縁との間に架け渡された直線状のものであり、ここでは保護板31における多角形の各頂点から延びて、各環状桟32における多角形の頂点部分を通過するように構成されている。本実施形態では、各放射状桟33と各環状桟32との交差部3xは、放射状桟33の延伸方向に沿って等間隔に設けられている。
【0035】
本実施形態のファンガード30は、筐体10の上壁11と一体的に設けられており、具体的にはファンガード30と筐体10の上壁11とが例えば板金などの単一の部材から構成されている。
【0036】
より詳細に説明すると、まず、
図4に示すように、環状桟32や放射状桟33(以下、各桟32、33ともいう)となる部分zが残るように板金などに複数の貫通孔hを形成する。そして、この板金をヘミング加工具Pによってプレスすることで、残された部分zの自由端部3aをそれぞれ同じ方向に折り曲げることで、この部分zがヘミング加工されて各桟32、33が形成される。
【0037】
上述したヘミング加工により、環状桟32及び放射状桟33が交差する交差部3xは、
図5に示すように、上面が平面であり、下面には凹部が形成された形状となる。また、本実施形態では、上壁11において空気吹出口Xを形成する内縁部X1が、
図6に示すように、各桟32、33と同じ方向に折り曲げられている。
【0038】
各桟32、33は、上壁11の上面や保護板31よりも上方に突出しておらず、ここでは各桟32、33の上面と上壁11の上面や保護板31とが略同一面状となるようにしてある。
【0039】
各桟32、33は、
図7に示すように、各自由端部3aを含む一対の対向片部3bと、これらの対向片部3bを連結する折り曲げ部3cとを有しており、一対の対向片部3bが互いに面接触している。
【0040】
ここでは、一対の対向片部3bが略同じ長さであり、各桟32、33の自由端部3aが互いに重なり合って面接触している。すなわち、各桟32、33は、延伸方向と直交する断面において略U字状をなす。
各桟32、33の自由端部3aは、水平方向よりも下側、すなわち下方を向いており、折り曲げ部3cよりも下方に位置している。ここでの自由端部3aは、鉛直下方を向いている。
【0041】
このように形成された各桟32、33は、幅寸法が板金の厚さの約2倍となり、ここでは各桟32、33それぞれが、同じ幅寸法であり、同じ高さ寸法である。
【0042】
ここで、各桟32、33の延伸方向に直交する断面視において、各桟32、33の幅寸法をW、高さ寸法をHとすると、幅寸法Wが小さ過ぎると機械的強度が足らなくなり、大き過ぎると板金の加工が困難となる。また、高さ寸法Hが、小さ過ぎると板金の加工が困難であり、大き過ぎると対向片部3bが広がって送風抵抗が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態の各桟32、33は、0.1<幅寸法W/高さ寸法H<0.5を満たすように形成されており、より具体的には、幅寸法Wが1mm以上3.2mm以下、且つ、高さ寸法Hが2.5mm以上7.5mm以下にしてある。
【0043】
このように構成された本実施形態の室外機100であれば、各桟32、33の自由端部3aそれぞれが同じ方向に折り曲げられているので、機械的強度を向上させることができるうえ、一対の対向片部3bが互いに面接触しているので、各桟32、33の幅寸法を可及的に小さくすることができ、送風抵抗を低減させることができる。
【0044】
また、各桟32、33の自由端部3aが互いに面接触しているので、送風ファン20からの風があたる箇所を少なくすることができ、騒音を低減させることができる。
【0045】
さらに、各桟32、33の下方をむいているので、自由端部3aの隙間や交差部3xの下面に形成された凹部などに雨水等が溜まりづらくすることができ、各桟32、33の腐食を抑えることができる。
【0046】
そのうえ、ファンガード30が筐体10の上壁11と一体的に形成されているので、部品点数の削減することができ、低コスト化や組み立て性の向上を図れる。
【0047】
上壁11において空気吹出口Xを形成する内縁部X1が、環状桟32や放射状桟33と同じ方向に折り曲げられているので、放射状桟33と上壁22との交差部である内縁部X1が一体的に構成できるので、放射状桟33と上壁22との交差部の機械的強度を向上させる事ができる。
【0048】
加えて、各桟32、33の幅寸法や高さ寸法を同じにしているので、各桟32、33の製造を容易にすることができる。
【0049】
さらに加えて、保護板31に補強部34を設けてあるので、ファンガード30の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0051】
例えば、前記実施形態では、環状桟32と放射状桟33との両方がヘミング加工されているが、環状桟32に比べて放射状桟33の方が送風抵抗になりやすいことに鑑みれば、少なくとも放射状桟33がヘミング加工されていれば良い。このような構成であっても、従来に比べてファンガード30の機械的強度の向上を図りつつ、送風抵抗を低減させることができる。
【0052】
また、前記実施形態の各桟32、33は、延伸方向と直交する断面において、略U字状をなすものであったが、
図8に示すように、同断面において略J字状をなすものであっても良い。言い換えれば、前記実施形態では、各桟32、33の一対の自由端部3aが互いに面接触していたが、一方の自由端部3aのみが対向する対向片部3bに面接触するように形成されていても良い。
【0053】
さらに、前記実施形態では環状桟32と放射状桟33とが、何れも同じ幅寸法で同じ高さ寸法であったが、環状桟32と放射状桟33とのサイズが互いに異なっていても良い。
【0054】
前記実施形態では、ファンガード30と筐体10の上壁11とが、板金などの単一の部材から構成されることで一体的に形成されていたが、ファンガード30を例えば溶接などにより上壁11に一体的に取り付けても良い。このようにファンガード30と上壁11とを一体的に形成しておけば、部品点数の削減することができ、低コスト化や組み立て性の向上を図れる。
【0055】
各桟32、33と上壁11の上面や保護板31とは同一面状である必要はなく、例えば各桟32、33が上壁11の上面や保護板31よりも上方に膨出していても良い。
【0056】
各桟32、33は必ずしもヘミング加工されている必要はなく、製造方法は種々の方法に変えて構わない。
【0057】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
100・・・室外機
X ・・・空気吹出口
10 ・・・筐体
11 ・・・上壁
20 ・・・送風ファン
30 ・・・ファンガード
31 ・・・保護板
32 ・・・環状桟
33 ・・・放射状桟
3a ・・・自由端部
3b ・・・対向片部