(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替制御部は、さらに、前記車両の蓄電装置の充電残量が所定値以上である場合に、前記状態切替部に前記車両を前記第1状態に切り替えさせる、請求項1又は2に記載の車両制御装置。
前記切替制御部は、さらに、前記車両に前記充電設備の充電プラグが接続されていない場合に、前記状態切替部に前記車両を前記第1状態に切り替えさせる、請求項1又は2に記載の車両制御装置。
前記切替制御部は、前記車両を前記第1状態に切り替えさせた後、前記車両と前記充電設備との距離が前記予め定められた閾値より大きくなったことに応じて、前記状態切替部に前記車両を前記第2状態に切り替えさせる、請求項1に記載の車両制御装置。
前記切替制御部は、前記車両を前記第1状態に切り替えさせた後、前記車両の前記位置が前記予め定められた領域外になったことに応じて、前記状態切替部に前記車両を前記第2状態に切り替えさせる、請求項2に記載の車両制御装置。
前記切替制御部は、さらに、緊急車両が前記車両の周囲を通過する場合に、前記状態切替部に前記車両を前記第1状態に切り替えさせる、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両制御装置。
前記切替制御部は、さらに、前記車両が有する近距離無線通信部が予め定められたデータを受信した場合に、前記状態切替部に前記車両を前記第1状態に切り替えさせる、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両制御装置。
前記切替制御部が前記状態切替部に前記車両を前記第1状態に切り替えさせた後、前記車両が予め定められた位置に移動するまで、前記充電設備による他の車両への充電をさせないように制御する充電制御部と
をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、車両制御装置100の通信環境の一例を概略的に示す。車両制御装置100は、ネットワーク10を介して車両200を制御する。車両制御装置100は、ネットワーク10を介して充電設備20を制御してもよい。
【0014】
ネットワーク10は、任意のネットワークであってよい。例えば、ネットワーク10は、インターネットと、いわゆる3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の携帯電話網と、公衆無線LAN(Local Area Network)と、専用網との少なくともいずれかを含んでよい。車両制御装置100とネットワーク10とは有線接続されてよい。車両制御装置100とネットワーク10とは無線接続されてもよい。ネットワーク10と車両200とは、無線接続されてよい。ネットワーク10と車両200とは、有線接続されてもよい。
【0015】
車両200は、充電設備20によって充電可能であり、かつ、車両制御装置100と通信可能な車両であればどのような車両であってもよい。車両200は、充電設備20の充電プラグ22と連結可能であり、充電プラグ22を介して充電設備20から電力を受給してバッテリを充電する。
【0016】
車両200は、運転操作を受け付ける受付可能状態と、運転操作を受け付けない受付不可状態とを有する。受付可能状態は、例えば、人による運転操作を受け付けて、車両200が駆動する状態である。受付不可状態は、例えば、人による運転操作を受け付けず、車両200が駆動しない状態である。受付可能状態は第1状態の一例であってよい。受付不可状態は第2状態の一例であってよい。
【0017】
受付可能状態と受付不可状態とは、公知の様々な手法によって切替可能であってよい。例えば、受付可能状態と受付不可状態とは、鍵の使用によって切り替えられる。例えば、キーシリンダーに差し込まれた鍵が回されることによって、受付可能状態と受付不可状態とが切り替わる。車両200が受付不可状態のときに、キーシリンダーに差し込まれた鍵が回されることは、第1条件の一例であってよい。鍵がいわゆるスマートキーである場合には、いわゆるエンジンスイッチによって受付可能状態と受付不可状態とが切り替わる。車両200が受付不可状態のときに、エンジンスイッチがON状態にされることも、第1条件の一例であってよい。また、受付可能状態と受付不可状態とは、遠隔制御によって切替可能であってよい。
【0018】
充電設備20は、例えば、店舗の駐車場等に設置されて共用される。車両200の使用者は、例えば、充電設備20が設置されている駐車スペースに車両200を駐車させ、充電プラグ22を車両200に連結して充電を開始する。充電には時間がかかる場合があり、車両200の使用者は、車両200を受付不可状態に切り替えて、車両200のドアをロックし、車両200の近くを離れて店舗で買い物をしたりする。ここで、車両200の充電が完了しているにもかかわらず、使用者が戻らずに車両200が移動されない場合、他の車両の使用者は充電設備20を利用することができないことになり、充電設備20の利用効率が低下してしまう。
【0019】
本実施形態に係る車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離を取得して、車両200が受付不可状態であり、かつ、車両200と充電設備20との距離が予め定められた閾値以下である場合、車両200を受付可能状態に切り替えるよう制御する。車両制御装置100は、受付可能状態への切替とともに、車両200のドアロックを解除するよう制御してよい。車両制御装置100は、例えば、ネットワーク10を介して車両200に制御信号を送信することによって、車両200の状態を切り替えさせる。これにより、充電設備20の使用を希望する他の車両の使用者のような第三者に、車両200を移動させることを可能にできる。
【0020】
車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離を車両200から受信してよい。また、車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離を充電設備20から受信してもよい。また、車両制御装置100は、例えば、充電設備20の周辺を監視する不図示の監視装置から、ネットワーク10を介して車両200と充電設備20との距離を受信してもよい。
【0021】
車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離が予め定められた閾値以下であり、かつ、充電設備20による車両200の充電が完了していることを条件に、車両200を受付可能状態に切り替えるよう制御してもよい。これにより、車両200の充電が完了するまでは第三者による車両200の移動を禁止することができる。また、これにより、車両200の充電が完了した後、車両200の使用者が車両200に戻らない場合であっても、すぐに他の車両の充電を充電可能にでき、充電設備20の利用効率を向上させることができる。
【0022】
車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離が予め定められた閾値以下であり、かつ、車両200から充電プラグ22が取り外されていることを条件に、車両200を受付可能状態に切り替えるよう制御してもよい。充電設備20による車両200の充電が完了した場合に誰でも車両200から充電プラグ22を取り外すことができる仕様となっていた場合、このような制御を行うことによって、充電完了までは第三者による移動を禁止し、充電完了後に第三者による車両200の移動を許可することができる。
【0023】
車両200が自動運転可能な車両である場合、車両制御装置100は、車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200を自動運転によって移動させてもよい。例えば、車両200の充電が完了していることを条件に受付可能状態に切り替えさせた後、車両200を自動運転によって移動させることにより、車両200の充電が完了した場合に自動的に車両200が充電設備20から離間する環境を実現することができる。
【0024】
また、例えば、車両200の充電プラグ22が取り外されていることを条件に受付可能状態に切り替えさせた後、車両200を自動運転によって移動させることにより、第三者が車両200から充電プラグ22を取り外したことに応じて、自動的に車両200が充電設備20から離間する環境を実現することができる。
【0025】
車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離が予め定められた閾値以下であり、かつ、車両200が有する近距離無線通信部が予め定められたデータを受信したことを条件に、車両200を受付可能状態に切り替えるよう制御してもよい。車両200が有する近距離無線通信部は、例えば、電子カードに記録されているカードデータを電子カードから受信する。車両制御装置100は、例えば、車両200が有する近距離無線通信部が、許可証として用いられる電子カードに記録されているカードデータを受信したことを条件に、車両200を受付可能状態に切り替える。これにより、車両制御装置100による車両200の受付可能状態への切替を、電子カードを所有する第三者が車両200の近傍に位置する場合に制限することができる。その結果、例えば、許可証を所有する第三者のみが車両200を移動させることができる環境を実現することができる。
【0026】
図2は、車両制御装置100による制御について説明する説明図である。ここでは、車両200が駐車場30内の充電設備20で充電し、充電が完了している状態を例に挙げて説明する。この場合、車両200の充電が完了しているにもかかわらず、充電設備20の使用を希望している車両310の使用者は、充電設備20を使用することができないことになる。
【0027】
車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離が閾値150以下であり、かつ、充電設備20による車両200の充電が完了していることを条件に、車両200を受付可能状態に切り替えさせる。これにより、車両310の使用者は、車両200を例えば隣の駐車位置に移動させることができ、充電設備20を用いて自らの車両310を充電することができる。
【0028】
車両制御装置100は、車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200と充電設備20との距離が閾値150より大きくなったことに応じて、車両200を受付不可状態に切り替えさせてよい。これにより、充電設備20から閾値150を超えて車両200が移動されることを防止できる。
図2に示す例では、第三者による車両200の移動を可能にしつつ、第三者によって車両200が駐車場30外に持ち出されることを防止することができる。
【0029】
車両制御装置100は、車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200が予め定められた位置に移動するまで、充電設備20による他の車両への充電をさせないように制御してもよい。予め定められた位置とは、例えば、駐車場30内の他の駐車スペースである。これにより、例えば、車両310の使用者が、車両200を駐車場30内の他の駐車スペースに移動させた場合に限り、充電設備20を用いた車両310の充電を可能にできる。すなわち、これにより、車両310の使用者が、車両200を駐車場30内の他の駐車スペース以外の場所に移動させてしまうことを抑制することができる。
【0030】
図1及び
図2では、充電設備20が充電プラグ22を介して車両200を充電する例を挙げて説明したが、これに限らない。充電設備20は、非接触充電によって車両200を充電してもよい。この場合、例えば、充電設備20は、駐車場30の駐車スペースの下に埋め込まれる。
【0031】
図3は、車両制御装置100による制御について説明する説明図である。ここでは、
図2と異なる点を主に説明する。
図3に示す車両制御装置100は、車両200が受付不可状態であり、かつ、車両200の位置が、充電設備20に対応する予め定められた領域160内である場合に、車両200を受付可能状態に切り替えさせる。これにより、車両310の使用者は、車両200を例えば隣の駐車位置に移動させることができ、充電設備20を用いて自らの車両310を充電することができる。領域160は、任意に設定可能であってよい。
【0032】
車両制御装置100は、車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200の位置が領域160外になったことに応じて、車両200を受付不可状態に切り替えさせてよい。これにより、領域160の外に車両200が移動されることを防止できる。
図3に示す例では、第三者による車両200の移動を可能にしつつ、第三者によって車両200が駐車場30外に持ち出されることを防止することができる。
【0033】
図4は、車両制御装置100による制御について説明する説明図である。
図4は、壁42及び壁44に挟まれた道路において、壁42に設置された充電設備20により充電中の車両200と、駐車車両300とによって、緊急車両400の進路がふさがれている状況を例示している。
【0034】
本例において、車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離が閾値150以下であり、かつ、緊急車両400が車両200の周囲を通過することを条件に、車両200を受付可能状態に切り替えさせる。これにより、緊急車両400の乗員や、車両200付近を歩行する歩行者等によって、車両200を移動可能にすることができ、緊急車両400の進路を確保することができる。
【0035】
車両制御装置100は、車両200と充電設備20との距離が閾値150以下であり、かつ、車両200の充電が完了していることを条件に車両200を受付可能状態に切り替えさせるように設定されていた場合であっても、緊急車両400が車両200の周囲を通過する条件を満たした場合には、車両200の充電が完了していなくとも、車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。これにより、車両200の充電が完了していなくとも、緊急車両400の乗員や、車両200付近を歩行する歩行者等によって、車両200を移動可能にできる。
【0036】
車両制御装置100は、例えば、緊急車両400が車両200の周囲に位置すること通知する通知データを車両200から受信した場合に、緊急車両400が車両200の周囲を通過すると判断する。車両200は、例えば、緊急車両が発する音を認識したり、車載カメラによって撮像した画像を解析したりすることによって、緊急車両400が車両200の周囲に位置することを検出し、通知データを車両制御装置100に送信する。また、車両制御装置100は、各地の道路を走行する車両の状況を監視する監視装置からネットワーク10を介して通知データを受信してもよい。
【0037】
車両制御装置100は、車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200と充電設備20との距離が閾値150より大きくなったことに応じて、車両200を受付不可状態に切り替えさせてよい。これにより、車両200が閾値150の範囲を超えて移動させることを防止できる。
【0038】
図4は、車両制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。車両制御装置100は、状態切替部102、距離取得部104、切替制御部106、充電情報取得部108、データ取得部110、履歴記録部112、位置取得部116及び充電制御部118を備える。なお、車両制御装置100がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0039】
状態切替部102は、受付可能状態と受付不可状態との間で車両200の状態を切り替える。状態切替部102は、例えば、受付可能状態から受付不可状態に切り替える制御信号を車両200に送信することによって、車両200の状態を受付可能状態から受付不可状態に切り替える。また、状態切替部102は、例えば、受付不可状態から受付可能状態に切り替える制御信号を車両200に送信することによって、車両200の状態を受付不可状態から受付可能状態に切り替える。
【0040】
距離取得部104は、車両200と充電設備20との距離を取得する。距離取得部104は、例えば、車両200と充電設備20との距離を車両200から受信する。車両200は、充電設備20との距離を任意の手法を用いて測定してよい。また、距離取得部104は、例えば、車両200と充電設備20との距離を充電設備20から受信する。充電設備20は、車両200との距離を任意の手法を用いて測定してよい。また、距離取得部104は、充電設備20を監視する監視装置から、車両200と充電設備20との距離を受信してもよい。監視装置は、例えば、監視画像を解析することによって、車両200と充電設備20との距離を導出する。
【0041】
切替制御部106は、車両200が受付不可状態にあり、かつ、距離取得部104が取得した距離が予め定められた第1閾値以下である場合に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせる。切替制御部106は、状態切替部102に車両200を受け付け可能状態に切り替えさせた後、車両200と充電設備20との距離が予め定められた第2閾値より大きくなったことに応じて、状態切替部102に車両200を受付不可状態に切り替えさせる。第1閾値と第2閾値とは同一であってよい。また、第1閾値と第2閾値とは異なってもよい。例えば、第2閾値は第1閾値よりも大きくてよい。
【0042】
充電情報取得部108は、充電設備20による車両200の充電状況を示す充電情報を取得する。充電情報取得部108は、例えば、充電設備20による車両200の充電が完了しているか否かを示す充電情報を取得する。また、充電情報取得部108は、例えば、車両200の蓄電装置の充電残量を示す充電情報を取得する。また、充電情報取得部108は、例えば、充電設備20の充電プラグ22が車両200に連結しているか否かを示す充電情報を取得する。充電情報取得部108は、充電設備20から充電情報を受信してよい。充電情報取得部108は、車両200から充電情報を受信してもよい。
【0043】
切替制御部106は、距離取得部104が取得した距離が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、充電情報取得部108が取得した充電情報によって示される充電残量が所定値以上であることを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。また、切替制御部106は、距離取得部104が取得した距離が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、充電情報取得部108が取得した充電情報が、車両200に充電プラグ22が接続されていないことを示すことを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。
【0044】
データ取得部110は、各種データを取得する。データ取得部110は、例えば、車両200が有する近距離無線通信部が受信したデータを、車両200から受信する。車両200は、例えば、近距離無線通信部が電子カードから受信したカードデータを、車両制御装置100に送信する。
【0045】
また、データ取得部110は、例えば、緊急車両が車両200の周囲を通過することを通知する通知データを取得する。データ取得部110は、通知データを車両200から受信してよい。車両200は、例えば、緊急車両が発する音を認識したり、車載カメラによって撮像した画像を解析したりすることによって、緊急車両を検出し、通知データを車両制御装置100に送信する。また、データ取得部110は、各地の道路を走行する車両の状況を監視する監視装置からネットワーク10を介して通知データを受信してもよい。
【0046】
また、データ取得部110は、例えば、車両200が自動運転可能な車両である場合に、自動運転による移動要求を取得する。例えば、車両200のバレー駐車が行われる場合において、自動で駐車するが、SOC(State of Charge)が低い場合に充電スペースによって、一定以上のSOCになったら通常の駐車スペースに移動する場合がある。このような場合において、例えば、データ取得部110は、車両200が一定以上のSOCになった場合に、自動運転による移動要求を取得する。
【0047】
切替制御部106は、距離取得部104が取得した距離が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、車両200が有する近距離無線通信部が予め定められたデータを受信したことを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。予め定められたデータは、例えば、電子カードのカードデータである。
【0048】
カードデータは、人物を特定可能なデータであってよい。例えば、カードデータ自体が人物の名前及び住所等であってよい。また、例えば、カードデータは、電子カード毎に異なる識別データであり、識別データと人物の名前及び住所等のデータとが対応付けて管理されていてもよい。
【0049】
履歴記録部112は、車両200が有する近距離無線通信部が予め定められたデータを受信したことを条件に切替制御部106が状態切替部102に車両200を受付可能状態に切替させた場合に、当該予め定められたデータの履歴を記録する。履歴記録部112は、例えば、人物を特定可能なカードデータの履歴を記録する。これにより、車両200を移動させた人物が誰であるかを管理可能にでき、不正利用を抑制することができる。
【0050】
切替制御部106は、距離取得部104が取得した距離が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、データ取得部110が自動運転による移動要求を取得したことを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてもよい。
【0051】
位置取得部116は、車両200の位置を取得する。位置取得部116は、例えば、車両200から位置を受信する。また、例えば、駐車場30に、駐車場30内の車両を監視する監視装置が備え付けられている場合、位置取得部116は、当該監視装置から車両200の位置を受信してもよい。
【0052】
切替制御部106は、車両200が受付不可状態にあり、かつ、位置取得部116によって取得された車両200の位置が予め定められた第1領域内である場合に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。切替制御部106は、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200の位置が予め定められた第2領域外になったことに応じて、状態切替部102に車両200を受付不可状態に切り替えさせてよい。第1領域と第2領域とは同一であってよい。また、第1領域と第2領域とは異なってもよい。例えば、第2領域は第1領域よりも広くてよい。
【0053】
切替制御部106は、位置取得部116によって取得された車両200の位置が予め定められた第1領域内であり、かつ、充電情報取得部108が取得した充電情報によって示される充電残量が所定値以上であることを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。また、切替制御部106は、位置取得部116によって取得された車両200の位置が予め定められた第1領域内であり、かつ、充電情報取得部108が取得した充電情報が、車両200に充電プラグ22が接続されていないことを示すことを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてよい。切替制御部106は、位置取得部116によって取得された車両200の位置が予め定められた第1領域内であり、かつ、車両200が有する近距離無線通信部が予め定められたデータを受信したことを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてもよい。また、切替制御部106は、位置取得部116によって取得された車両200の位置が予め定められた第1領域内であり、かつ、データ取得部110が自動運転による移動要求を取得したことを条件に、状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせてもよい。
【0054】
充電制御部118は、切替制御部106が状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200が予め定められた位置に移動するまで、充電設備20による他の車両への充電をさせないように制御する。充電制御部118は、例えば、切替制御部106が状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、充電設備20に対して充電サービスの提供を停止させる制御信号を送信する。そして、充電制御部118は、位置取得部116が取得する位置によって、車両200が予め定められた位置に移動したことを検知した後、充電設備20に対して充電サービスの提供を開始させる制御信号を送信する。
【0055】
なお、車両制御装置100は、車両200が自動運転可能な車両である場合に、ネットワーク10を介して車両200の自動運転を制御可能な不図示の自動運転制御部をさらに備えてもよい。自動運転制御部は、例えば、車両200が有する車両200の自動運転を制御する制御部に対して、制御命令を送信することによって、車両200の自動運転を制御する。制御命令は、車両200の移動先を示す情報を含む。車両200の進路の決定及び衝突回避等に関する自動運転制御は、車両200が有する制御部によって実行されてよい。自動運転制御部は、切替制御部106が状態切替部102に車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200を自動運転によって移動させてよい。自動運転制御部は、例えば、車両200を予め定められた位置に移動させる。予め定められた位置は、他の車両の走行等を妨げない場所であってよい。例えば、予め定められた位置は、充電設備20が設置されていない駐車スペースである。
【0056】
図1から
図5では、ネットワーク10に接続されている車両制御装置100が車両200を制御する例を挙げて説明したが、これに限らない。車両200が車両制御装置を備えてもよい。
【0057】
図6は、車両制御装置210を備える車両200の機能構成の一例を概略的に示す。車両制御装置210は、状態切替部212、距離取得部214、切替制御部216、充電情報取得部218、データ取得部220、及び履歴記録部222を備える。ここでは、状態切替部102、距離取得部104、切替制御部106、充電情報取得部108、データ取得部110、及び履歴記録部112と異なる点を主に説明する。
【0058】
状態切替部212は、受付可能状態と受付不可状態との間で車両200の状態を切り替える。距離取得部214は、車両200と充電設備20との距離を取得する。距離取得部214は、例えば、車両200と充電設備20との距離を任意の手法により測定する。また、距離取得部214は、例えば、車両200と充電設備20との距離を充電設備20から受信する。距離取得部214は、充電設備20を監視する監視装置から、車両200と充電設備20との距離を受信してもよい。
【0059】
充電情報取得部218は、充電設備20による車両200の充電状況を示す充電情報を取得する。充電情報取得部218は、充電設備20からの充電状況を監視していてよい。また、充電情報取得部218は、充電設備20から充電情報を受信してもよい。
【0060】
データ取得部220は、各種データを取得する。データ取得部110は、例えば、車両200が有する近距離無線通信部が受信したデータを、近距離無線通信部から受信する。また、データ取得部220は、例えば、緊急車両が車両200の周囲を通過することを通知する通知データを取得する。データ取得部220は、例えば、緊急車両が発する音を認識したり、車載カメラによって撮像した画像を解析したりすることによって、緊急車両を検出する緊急車両検出部から通知データを受信する。データ取得部220は、各地の道路を走行する車両の状況を監視する監視装置からネットワーク10を介して通知データを受信してもよい。
【0061】
図7は、車両制御装置210の機能構成の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図6に示す車両制御装置210とは異なる点を主に説明する。
図7に示す車両制御装置210は、状態切替部212、距離取得部214、切替制御部216、充電情報取得部218、データ取得部220、履歴記録部222、運転制御部230、カメラ242、レーダ装置244、ファインダ246、及び物体認識装置248を備える。なお、車両制御装置210がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0062】
運転制御部230は、車両200の自動運転を制御してよい。すなわち、車両200に備え付けられた、画像検出装置、レーダ等の検出装置や、位置情報、地図情報を用いて、運転者の操舵やアクセルペダル操作、ブレーキペダル操作、変速操作によらずに、運転制御部230が車両自身によって走行、停止、旋回を行わせる。運転制御部230は、切替制御部216が状態切替部212に車両200を受付可能状態に切り替えさせた後、車両200を自動運転によって移動させてよい。運転制御部230は、例えば、車両200を予め定められた位置に移動させる。予め定められた位置は、他の車両の走行等を妨げない場所であってよい。例えば、予め定められた位置は、充電設備20が設置されていない駐車スペースである。
【0063】
カメラ242は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ242は、車両200の任意の箇所に一つ又は複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ242は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ242は、例えば、周期的に繰り返し車両200の周辺を撮像する。カメラ242は、ステレオカメラであってもよい。
【0064】
レーダ装置244は、車両200の周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離及び方位)を検出する。レーダ装置244は、車両200の任意の箇所に一つ又は複数が取り付けられる。レーダ装置244は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置及び速度を検出してもよい。
【0065】
ファインダ246は、LIDAR(Light Detection and Ranging)である。ファインダ246は、車両200の周辺に光を照射し、散乱光を測定する。ファインダ246は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。ファインダ246は、車両200の任意の箇所に一つ又は複数が取り付けられる。
【0066】
物体認識装置248は、カメラ242、レーダ装置244、及びファインダ246のうち一部又は全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度等を認識する。物体認識装置248は、認識結果を運転制御部230に出力する。また、物体認識装置248は、必要に応じて、カメラ242、レーダ装置244、及びファインダ246の検出結果をそのまま運転制御部230に出力してよい。
【0067】
運転制御部230は、車両200の位置を取得する位置取得部を有してよい。位置取得部は、例えば、車両200が備えるナビゲーション装置から、車両200の位置を受信する。車両200のナビゲーション装置は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を有し、GNSS受信機は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて車両200の位置を特定する。なお、位置取得部がGNSS受信機を有してもよい。
【0068】
運転制御部230は、充電設備20の周辺の地図情報を含む第1地図情報を保持していてよい。運転制御部230は、例えば、ネットワーク10を介して、第1地図情報を受信する。運転制御部230は、充電設備20を管理する管理装置から第1地図情報を受信してよい。また、運転制御部230は、充電設備20から第1地図情報を受信してもよい。また、運転制御部230は、各地の地図情報を管理する地図管理サーバから第1地図情報を受信してもよい。第1地図情報は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報等を含んでもよい。第1地図情報は、随時アップデートされてよい。
【0069】
運転制御部230は、充電設備20の周辺の地図情報を含む第2地図情報をさらに保持していてもよい。運転制御部230は、第1地図情報と同様に、ネットワーク10を介して第2地図情報を受信してよい。第2地図情報は、第1地図情報よりも高精度な地図情報である。第2地図情報は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれてよい。第2地図情報は、随時アップデートされてよい。
【0070】
運転制御部230は、位置取得部が取得する位置、物体認識装置248から受信する情報及び第1地図情報を用いて、車両200を予め定められた位置に移動させてよい。運転制御部230は、第2地図情報をさらに用いて、車両200を予め定められた位置に移動させてよい。
【0071】
図8は、車両制御装置100又は車両制御装置210として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、RAM1030、及びグラフィックコントローラ1085を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
【0072】
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などがRAM1030内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などが生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0073】
通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウエアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。
【0074】
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウエアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
【0075】
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、ICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
【0076】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を車両制御装置100として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、車両制御装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である状態切替部102、距離取得部104、切替制御部106、充電情報取得部108、データ取得部110、履歴記録部112、自動運転制御部、位置取得部116、及び充電制御部118として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の車両制御装置100が構築される。
【0077】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を車両制御装置210として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、車両制御装置210の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である状態切替部212、距離取得部214、切替制御部216、充電情報取得部218、データ取得部220、及び履歴記録部222として機能する。また、これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である状態切替部212、距離取得部214、切替制御部216、充電情報取得部218、データ取得部220、履歴記録部222、及び運転制御部230として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の車両制御装置210が構築される。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0079】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。