特許第6960360号(P6960360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960360
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】乗り物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/36 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
   B60N2/36
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-44458(P2018-44458)
(22)【出願日】2018年3月12日
(65)【公開番号】特開2019-156116(P2019-156116A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野嶋 紘之
(72)【発明者】
【氏名】堀口 貴史
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−108781(JP,A)
【文献】 特開2017−065579(JP,A)
【文献】 特開平07−117540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/90
A47C 1/00 − 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の設置面に設けられる前脚部及び後脚部と、
前記前脚部及び前記後脚部に支持されるシートクッション及びシートバックと、を有し、
前記設置面に対して前記前脚部及び前記後脚部が所定の角度で起立するときに前記設置面と前記後脚部との相対角度が第1固定部により固定されるとともに、前記シートバックが前記後脚部の延長方向に沿って配置されるときに前記シートバックと前記後脚部との相対角度が第2固定部により固定される着座可能状態と、
前記着座可能状態から前記第2固定部が解除されることにより、前記シートクッションに対して積層した位置に前記シートバックが配置される前倒状態と、
前記前倒状態から前記第1固定部が解除されることにより、前記前脚部及び前記後脚部が前傾して前記シートバックが積層した前記シートクッションが前記設置面に対して接近した位置に配置され、かつ、前記シートバックが前記後脚部の延長方向に沿って配置される収納状態とを選択可能であり、
前記後脚部に対して前記シートクッションが回動可能に取り付けられており、
前記第2固定部を介して、前記後脚部に対し前記シートバックが回動可能に取り付けられており、
前記収納状態において前記第2固定部の解除が維持される乗り物用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の乗り物用シートであって、
前記収納状態において前記第2固定部を解除する解除レバーを解除方向に案内する案内手段を有する乗り物用シート。
【請求項3】
請求項2に記載の乗り物用シートであって、
前記案内手段は、
前記シートクッション及び前記解除レバーのうちの一方に設けられているとともに、他方に向かって突設されたピンと、
前記シートクッション及び前記解除レバーのうちの他方に設けられ、前記ピンが案内される長穴とを有する乗り物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載される乗り物用シート(車両シート)として、車両の設置面にロアフレームを介してシートクッション及びシートバックが支持されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の乗り物用シートは、乗員が着座するシートクッションと、乗員の背中を支持するシートバックとを備える。このような乗り物用シートを収納位置に収納する際には、先にシートクッションに対してシートバックを前屈させ、次に脚部を前方に倒してシートクッションを下降させるとともに前方へ移動させることにより、簡単に収容位置に収納できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5784120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の乗り物用シートは、着座位置から収容位置に移動させるにあたって、前述した順番、すなわち先にシートクッションに対してシートバックを前屈させ、次に脚部を前方に倒すという順番通りに操作しないと、シートバックの先端が車両の内装に干渉し、収容位置に変更できない可能性がある。
【0006】
また、乗り物用シートを収容位置から着座位置に復帰させるにあたっても、前述した順番の逆の順番に操作しないと、シートバックの先端が車両の内装に干渉する可能性がある。
具体的には、乗り物用シートを収容位置において、脚部を後方に向けて起立させる前に、先にシートクッションから離れるようにシートバックを引き起こそうとすると、シートバックの先端が車両の内装に干渉する可能性がある。
このような事象は、フロントシートのダイブダウンシートにおいて顕著となる。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、前傾可能な脚部を介してシートクッション及びシートバックが支持された乗り物用シートにおいて、着座可能状態及び収納状態を円滑に選択できる乗り物用シートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の乗り物用シートは、乗り物の設置面に設けられる前脚部及び後脚部と、前記前脚部及び前記後脚部に支持されるシートクッション及びシートバックと、を有し、前記設置面に対して前記前脚部及び前記後脚部が所定の角度で起立するときに前記設置面と前記後脚部との相対角度が第1固定部により固定されるとともに、前記シートバックが前記後脚部の延長方向に沿って配置されるときに前記シートバックと前記後脚部との相対角度が第2固定部により固定される着座可能状態と、前記着座可能状態から前記第2固定部が解除されることにより、前記シートクッションに対して積層した位置に前記シートバックが配置される前倒状態と、前記前倒状態から前記第1固定部が解除されることにより、前記前脚部及び前記後脚部が前傾して前記シートバックが積層した前記シートクッションが前記設置面に対して接近した位置に配置され、かつ、前記シートバックが前記後脚部の延長方向に沿って配置される収納状態とを選択可能であり、前記後脚部に対して前記シートクッションが回動可能に取り付けられており、前記第2固定部を介して、前記後脚部に対し前記シートバックが回動可能に取り付けられており、前記収納状態において前記第2固定部の解除が維持される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前傾可能な後脚部を介してシートクッション及びシートバックが支持された乗り物用シートにおいて、着座可能状態及び収納状態を円滑に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態を説明するための乗り物用シートの一例を示し、着座可能状態にある乗り物用シートの側面図である。
図2】本発明の実施形態を説明するための乗り物用シートの一例を示し、収納状態にある乗り物用シートの側面図である。
図3】着座可能状態における第2固定部の詳細を示す拡大斜視図である。
図4】(A1)は着座可能状態の乗り物用シートの側面図、(A2)は(A1)の状態における第2固定部の詳細図、(B1)は前倒状態の乗り物用シートの側面図、(B2)は(B1)の状態における第2固定部の詳細図、(C1)は前倒状態から収納状態に至る途中における乗り物用シートの側面図、(C2)は(C1)の状態における第2固定部の詳細図、(D1)は収納状態における乗り物用シートの側面図、(D2)は(D1)の状態における第2固定部の詳細図である。
図5】前倒状態から収納状態に移行する際のシートバックの移動を示す説明図である。
図6】異なる操作手順により収納状態から着座可能状態へ移行する際に生じ得る問題点を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の実施形態を説明するための乗り物用シートの一例を示し、着座可能状態にある乗り物用シートの側面図であり、図2は収納状態にある乗り物用シートの側面図である。また、図3は、乗り物用シートの着座可能状態における第2固定部の詳細を示す拡大斜視図である。
なお、以下の説明においては、車両の前側を「前」、車両の後側を「後」、車両の上側を「上」、車両の下側を「下」で表示することとする。
【0012】
図1及び図2に示すように、乗り物用シート10(以後、シート10と云う。)は、自動車等の車両に搭載され主に乗員が着座可能であるシートクッション20と、シートクッション20着座する乗員の背中を支持するシートバック30とを有する。シートクッション20及びシートバック30は、前脚部42及び後脚部41を介してフロア(載置面)Fに取り付けられている。シート10は、シートバック30の前倒れに連動してシートクッション20をフロアFに対して近づくように下降させ、前倒させたシートバック30の背面を荷物の積載面とするいわゆるダイブダウンシートとなっており、商用車によく用いられている。
【0013】
シートクッション20は、前後方向に延びる左右一対のクッションサイドフレーム21、21を有するとともに、各クッションサイドフレーム21の下部同士を連結する底板(図示省略)を有する。左右一対のクッションサイドフレーム21、21間の底板の上には、クッション材(図示省略)が設けられ、クッションサイドフレーム21、21及びクッション材の外側はクッションカバー22で覆われている。
なお、図1及び図2において、クッションサイドフレーム21は、車両進行方向左側のみ図示されている。
【0014】
クッションサイドフレーム21の後端部23はクッションカバー22から露出しており、上方に向けて屈曲されている。
図3に示すように、クッションサイドフレーム21の後端部23にはボルト孔が設けられており、ボルト24によって後脚部41に対してクッションサイドフレーム21が回動可能に取り付けられている。また、クッションサイドフレーム21の後端部23においてボルト24よりも内側(前下方)には、ピン(案内手段)25が設けられている。
【0015】
図3に示すように、シートバック30は、着座可能状態(図1に示す状態)において上下方向に延びる左右一対のバックサイドフレーム31、31(手前側一方のみ図示)を有するとともに、各バックサイドフレーム31の後端部を連結する背板(図示省略)を有する。左右一対のバックサイドフレーム31、31間の背板の前面には、バッククッション材(図示省略)が設けられ、バックサイドフレーム31、31及びバッククッション材の外側はバックカバー32で覆われている。シートバック30の上端部には、人が乗車する際に使用するヘッドレスト33が着脱可能に取り付けられる(図1参照)。
なお、シートバック30を前倒させて背面を荷物の積載面とする際には、ヘッドレスト33が外される。従って、以後の説明においては、ヘッドレスト33を外した状態について説明する。
【0016】
図3に示すように、バックサイドフレーム31の下端部はバックカバー32から露出しており、シートバック30を所望の角度に傾斜した状態で固定する第2固定部50を介して、後脚部41に対してバックサイドフレーム31が回動支点511を介して回動可能に取り付けられている。すなわち、第2固定部50は、シートバック30をシートクッション20に対して所望の角度に傾斜した状態で固定するリクライニング機能を有する。
なお、ここでは、第2固定部50の第2解除レバー51を解除することにより、シートバック30はシートクッション20に積層するまで回動支点511を中心として回動することができる。
【0017】
図1及び図2に示すように、後脚部41は、下端部がフロアFに対して回動可能に支持されるとともに、上端部がクッションサイドフレーム21の後端部及びバックサイドフレーム31の下端部を回動可能に支持する。また、前脚部42は、下端部がフロアFに対して回動可能に支持されるとともに、上端部がクッションサイドフレーム21の前端部を回動可能に支持する。
後脚部41と前脚部42とは、略平行に設けられており、後脚部41、前脚部42、フロアF、シートクッション20のクッションサイドフレーム21により略平行四辺形のリンク機構を構成する。従って、後脚部41及び前脚部42をフロアFに対して回動させると、シートクッション20はフロアFに対して略平行状態を保持しながら、前後方向及び上下方向へ移動可能となっている。
【0018】
後脚部41の下部には第1固定部40が設けられており、後脚部41は第1固定部40によって着座可能状態(図1参照)よりも後方への回動が阻止されるとともに、着座可能状態に固定可能となっている。このとき、シートバック30は後脚部41の略延長上にあり、第2固定部50の回動支点511によって後脚部41に対して固定可能となっている。
なお、第1固定部40を解放することにより、後脚部41は前方への回動が可能となり、シートクッション20はフロアFに対して略平行状態を保持しながら、前方及び下方へ移動可能となっている。
第1固定部40は、後脚部41に設けられた第1解除レバー43の操作により固定状態が解放される。
【0019】
図3に示すように、第2固定部50は、一般的なリクライニング機構を有しており、リクライニング時に操作する第2解除レバー51が、回動支点511を中心として図中時計回り方向に回動可能に設けられている。第2解除レバー51は、常時リターンスプリング53によって非解除方向(図3中矢印A方向、図中反時計回り方向)に付勢されている。第2解除レバー51には、回動片52が回動片軸521を介して回動可能に設けられている。回動片52は帯板状部材であり、長手方向に沿って長穴(案内手段)522が設けられている。長穴522には、クッションサイドフレーム21の後端部23に取り付けられているピン25が、摺動可能に貫通している。
なお、回動片52の外側面には、回動片52の摺動を容易にするために樹脂製のスライダ523が取り付けられている。
【0020】
次に、シート10の収納動作について説明する。
図1及び図4(A1)に示すように、乗員がシート10に着座する着座可能状態では、後脚部41及び前脚部42はフロアFに対して略直立しており、第1固定部40によって固定されている。このとき、シートバック30は、第2固定部50によって後脚部41の略延長線上に固定されている。
【0021】
また、シートクッション20は、後脚部41及び前脚部42によってフロアFに対して略平行に固定されている。図4(A2)に示すように、この着座可能状態では、第2解除レバー51はリターンスプリング53によって付勢されて原点位置にあり、クッションサイドフレーム21のピン25は、回動片52の長穴522の後端部に位置している。
【0022】
次いで、第2解除レバー51を乗員が操作して第2固定部50を解除し、シートバック30を着座可能状態から前方に傾倒させる(図4(A1)中矢印A参照)。図4(B1)に示すように、シートバック30のみが前方へ回動してシートクッション20に積層され、シートバック30が後脚部41に対して略直角に交差した状態を維持する前倒状態となる。この前倒状態では、図4(B2)に示すように、第2解除レバー51、ピン25、回動片52の長穴522の位置関係は、着座可能状態からほとんど変化していない。
【0023】
次に、図4(C1)に示すように、前倒状態において後脚部41に設けられている第1解除レバー43を乗員が操作して第1固定部40を解除し、後脚部41を前方へ傾倒させる(図4(C1)中矢印C参照)。このとき、後脚部41、前脚部42、フロアF、シートクッション20のクッションサイドフレーム21により構成されるリンク機構により、積層状態のシートクッション20及びシートバック30は、一体となって略平行状態で前下方へ移動する。
【0024】
これにより、図5に示すように、シートバック30及びシートクッション20は、車両の内装Sにシートバック30の上端が干渉することなく下降及び前進して収納状態となる位置に達することができる。
【0025】
この動作により、後脚部41が前方へ大きく回動するため、平行状態を保持しているシートクッション20のクッションサイドフレーム21に対する交差角度が変化する。これにより、図4(C2)に示すように、クッションサイドフレーム21のピン25の位置が、第2解除レバー51の回動片52に設けられている長穴522に沿って、次第に相対的に前方へ移動する。
【0026】
図2及び図4(D1)に示すように、シートクッション20及びシートバック30を完全に収納した収納状態においては、着座可能状態(図1及び図4(A1)参照)の場合と同様にシートバック30は後脚部41の略延長線上に位置する。このため、本来であれば第2固定部50はロック状態となり、シートバック30は後脚部41の延長線上に固定されることになるが、本シート10においては、収納状態において第2固定部50が解除された状態を維持するようになっている。
【0027】
すなわち、図4(D2)に示すように、収納状態に至る際に、クッションサイドフレーム21に設けられているピン25が、第2固定部50の回動片52の長穴522に沿って次第に回動片52の開放端部側へ移動し、収納状態においては、ピン25は長穴522の前端部に当接して回動片52を時計回り方向へ引っ張っている(図4(D2)中矢印D参照)。このため、収納状態においては、第2解除レバー51は解除された状態を維持しており、シートバック30は後脚部41に対して相対的に反時針回り方向へ自重での回動が可能な状態となっている。
【0028】
次に、シート10を収納状態から着座可能状態へ移行させる動作について説明する。
収納状態から着座可能状態への移行は、前述した着座可能状態から収納状態への移行の逆の手順によって行われる。
【0029】
図4(D1)及び図4(D2)おいて前述したように、収納状態において、シートクッション20に積層されたシートバック30は、後脚部41の延長線上にある。このとき、シートバック30が第2固定部50によって後脚部41に対して回転不可能に固定されていると、図6に示すように、シートバック30を持ち上げて起こした際に、後脚部41の回転中心を中心として一体で起きようとする。このため、シートバック30の先端部後面が内装Sと干渉するので、シートバック30を起こすことが困難になる。
【0030】
本シート10では、収納状態において第2固定部50が固定解除状態を維持しているため、図4(C1)に示すように、シートバック30は後脚部41に対して相対的に反時針回り方向へ回動して交差角度を変化させることができる。このため、収納状態から着座可能状態に復帰させる際に、シートバック30のみを持ち上げずに、シートバック30が積層された状態のシートクッション20を後方上方に持ち上げることにより、図4(B1)に示すように、シートバック30をシートクッション20と一体的に平行状態を保持して上後方へ移動させることができる。
【0031】
なお、この場合に、シートバック30がシートクッション20に積層した状態を維持するために、シートバック30の先端とシートクッション20の先端とを連結させるストラップ等の連結部材54を設けるようにすると、シートバック30がシートクッション20と平行に移動するため、より確実に後脚部41に対する交差角度を変化させることができ、容易に後脚部41を起こすことができる。
【0032】
図4(B1)に示すように、後脚部41がフロアFに対して所定の角度まで起立すると、後脚部41は第1固定部40によって回転固定され、シートバック30がシートクッション20に積層した前倒状態となる。このとき、前脚部42も所定角度で起立してシートクッション20の前端部を支持する。
【0033】
そして、最後にシートバック30を起こすと、図4(A1)に示すように、着座可能状態に復帰することができる。
【0034】
これにより、本シート10では、狭小の車内においても確実、かつ、円滑に着座可能状態及び収納状態への移行ができる。
【0035】
以上、本発明のシート10について、具体的な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、前述した具体的な実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲における様々な変形及び改良を行ってもよいことは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態においては、案内手段としてクッションサイドフレーム21にピン25を設け、第2固定部50の第2解除レバー51に長穴522を設けた場合について説明したが、逆に、クッションサイドフレーム21に長穴を設け、第2解除レバー51にピンを設けることも可能である。
【0036】
以上、説明したとおり、本明細書に開示された乗り物用シートは、乗り物の設置面に設けられる前脚部及び後脚部と、前記前脚部及び前記後脚部に支持されるシートクッション及びシートバックと、を有し、前記設置面に対して前記前脚部及び前記後脚部が所定の角度で起立するときに前記設置面と前記後脚部との相対角度が第1固定部により固定されるとともに、前記シートバックが前記後脚部の延長方向に沿って配置されるときに前記シートバックと前記後脚部との相対角度が第2固定部により固定される着座可能状態と、前記着座可能状態から前記第2固定部が解除されることにより、前記シートクッションに対して積層した位置に前記シートバックが配置される前倒状態と、前記前倒状態から前記第1固定部が解除されることにより、前記前脚部及び前記後脚部が前傾して前記シートバックが積層した前記シートクッションが前記設置面に対して接近した位置に配置され、かつ、前記シートバックが前記後脚部の延長方向に沿って配置される収納状態とを選択可能であり、前記収納状態において前記第2固定部の解除が維持される。
【0037】
また、本明細書に開示された乗り物用シートは、前記収納状態において前記第2固定部を解除する解除レバーを解除方向に案内する案内手段を有する。
【0038】
また、本明細書に開示された乗り物用シートは、前記案内手段は、前記シートクッション及び前記解除レバーのうちの一方に設けられているとともに、他方に向かって突設されたピンと、前記シートクッション及び前記解除レバーのうちの他方に設けられ、前記ピンが案内される長穴とを有する。
【符号の説明】
【0039】
10 シート(乗り物用シート)
20 シートクッション
25 ピン(案内手段)
30 シートバック
41 後脚部
42 前脚部
40 第1固定部
50 第2固定部
51 第2解除レバー(解除レバー)
522 長穴(案内手段)
F フロア(載置面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6