(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気機械と、前記電気機械を密閉状態で収納する密閉容器とを備える電気機械内蔵耐圧装置の前記電気機械への電力供給部分の前記密閉容器の貫通部分の処理のための電力供給部通過構造処理方法であって、
前記密閉容器の容器蓋を取り外す容器蓋取り外しステップと、
前記容器蓋取り外しステップの後に通過構造内側端子と電気機械側ケーブルとを切り離す内側切り離しステップと、
前記密閉容器の貫通孔構造カバーを取り外すカバー取り外しステップと、
前記カバー取り外しステップの後に通過構造外側端子と接続ケーブルとを切り離す外側切り離しステップと、
前記内側切り離しステップおよび前記外側切り離しステップの後に、電力供給部通過構造を取り外す通過構造取り出しステップと、
前記通過構造取り出しステップの後に、電気機械内蔵耐圧装置を前記密閉容器から引き出す引き出しステップと、
を有することを特徴とする電力供給部通過構造処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の構成を示す縦断面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の構成を示す部分縦断面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の構成を説明する部分縦断面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の要素である通過構造外側端子の正面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の接続ケーブルのケーブル端子の正面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順を示すフロー図である。
【
図7】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における容器蓋の取り外し途中の状態を示す縦断面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電気機械側ケーブルの取り外し後の状態を示す縦断面図である。
【
図9】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順におけるカバー蓋および箱蓋の取り外し途中の状態を示す縦断面図である。
【
図10】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における接続ケーブルの取り外し後の状態を示す縦断面図である。
【
図11】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電力供給部通過構造の取り外し後の状態を示す縦断面図である。
【
図12】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電気機械内蔵耐圧装置の引き出し開始時の状態を示す縦断面図である。
【
図13】第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電気機械内蔵耐圧装置の引き出し後の状態を示す縦断面図である。
【
図14】第2の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の構成を示す部分縦断面図である。
【
図15】第2の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の要素である導体バーの斜視図である。
【
図16】第3の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造まわりの構成を示す部分縦断面図である。
【
図17】第3の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順を示すフロー図である。
【
図18】第3の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電力供給部通過構造の外側移動後の状態を示す縦断面図である。
【
図19】第4の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造まわりの構成を示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る電気機械内蔵耐圧装置および密閉容器電線貫通部処理方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の構成を示す縦断面図である。また、
図2は、第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の構成を示す部分縦断面図である。電気機械内蔵耐圧装置200は、電気機械1、密閉容器100、貫通構造カバー120、および端子箱130を備える。
【0016】
電気機械1は、たとえば、高圧雰囲気内で使用する電動機、あるいは、極低温状態で使用する超電導電磁石などの超電導利用機器である。電気機械1には、電気機械側ケーブル2が接続されている。
【0017】
密閉容器100は、電気機械1を収納する容器であり、高圧雰囲気内で使用する機器を収納する場合は圧力容器、たとえば超電導利用機器の場合は真空容器である。すなわち、内圧および外圧のいずれかの圧力に対応可能であり、ここでは、これを耐圧と呼ぶこととする。
【0018】
密閉容器100は、容器本体101、容器蓋102、および電力供給部通過構造110を有する。容器本体101には、電気機械1を出し入れするための出し入れ開口101aおよび電力供給のための電力供給部通過開口101hの2つの開口が形成されている。出し入れ開口101aは容器蓋102により、また、電力供給部通過開口101hは電力供給部通過構造110により閉止され、密閉空間100aが形成される。
【0019】
なお、出し入れ開口101aについては、容器本体101の本体側フランジ101bと容器蓋102の蓋側フランジ102aとが、パッキン103を介してたとえば、ボルト・ナット(図示しない)により結合されている。また、電力供給部通過開口101hについては、容器本体101と、電力供給部通過構造110とが、パッキン117(
図2)を介してスタッドボルト118およびナット119により結合されている。
【0020】
電力供給部通過構造110は、複数の導体バー111、支持絶縁体112、通過構造内側端子113、および通過構造外側端子114を有する。
【0021】
複数の導体バー111は、各相に対応するような3本の動力用の導体である。複数の導体バー111のそれぞれの密閉空間100a側に、導体バー111と導通する通過構造内側端子113が取り付けられている。また、複数の導体バー111のそれぞれの容器本体101の外側に、導体バー111と導通する通過構造外側端子114が取り付けられている。
【0022】
なお、導体バーは動力用のみに限定されず、明示していないが、たとえば、計測、制御用の信号線の導通用の導体バーを設けてもよい。外部ケーブルについても同様である。ここでは、これらも含めて、電力供給部通過構造110と呼ぶものとする。
【0023】
電気機械1を出し入れする際に経路上に、電力供給部通過構造110の一部が存在することから、電気機械1と電力供給部通過構造110は互いに干渉するような相対的な位置にある。
【0024】
端子箱130は、容器本体101の外側に設けられている。端子箱130は、密閉容器100により支持されていてもよいし、密閉容器100以外により支持されていてもよい。端子箱130は、外部ケーブル135と接続ケーブル125を接続する端子133を収納する。
【0025】
ここで、接続ケーブル125は、密閉容器100の外側のケーブルであり、電力供給部通過構造110の通過構造外側端子114と端子箱130内の端子133管を接続する。電力供給部通過構造110は、貫通構造カバー120内に収納されている。貫通構造カバー120は、カバー本体121およびカバー蓋122を有する。カバー蓋122を取り外すことにより、電力供給部通過構造110の取り扱いが可能である。
【0026】
電力供給部通過構造110は、前述のように、3本の導体バー111、支持絶縁体112、通過構造内側端子113、および通過構造外側端子114を有する。
【0027】
それぞれの導体バー111は、丸い棒状である。
【0028】
支持絶縁体112は、複数の導体バー111を互いの絶縁を維持しながら保持するとともに、電力供給部通過開口101hを塞ぐように取り外しおよび取り付け可能に形成されている。具体的には、支持絶縁体112は、円板状の閉止部112aと円筒状の導体バー支持部112bを有する。容器本体101の電力供給部通過開口101hの縁部から円筒部101sが外側に延びている。閉止部112aは、その外周付近が円筒部101sの外側の端面に対向するような形状、大きさに形成されている。
【0029】
閉止部112aの円筒部101sの外側の端面に対向する範囲には、周方向に互いに間隔をおいてボルト貫通孔が形成されている。また、円筒部101sの、ボルト貫通孔に対応する位置には、めねじが形成されたねじ穴が形成されている。スタッドボルト118は、閉止部112aに形成されたボルト貫通孔を貫通し、円筒部101sのねじ穴に螺合する。ナット119は、閉止部112aの外側から締め付ける。なお、円筒部101sと閉止部112aとの間には、パッキン117が挟み込まれている。
【0030】
閉止部112aの両側の面についてその中央領域からは、互いに間隔をあけて3つの円筒状の導体バー支持部112bが突出し、閉止部112aに垂直な方向に延びている。なお、3つの導体バー支持部112bは、1列に並んでいなくともよく、たとえば、平面的な位置がそれぞれ3角形の頂点の位置にあるように配されていてもよい。
【0031】
それぞれの導体バー支持部112bは、それぞれの導体バー111を径方向外側から囲み導体バー111を支持している。導体バー111の両端部は前述のように径が広がっているため、外圧および内圧に対して導体バー111が導体バー支持部112bから、外側および内側に抜け出ることを防止している。
【0032】
3つの導体バー111の内側端部から挿入されたように通過構造内側端子113が取り付けられている。すなわち、それぞれ、U相内側端子113a、V相内側端子113b、およびW相内側端子113cがとりつけられている。それぞれは、電気機械側ケーブル2、具体的には、U相ケーブル2a、V相ケーブル2b、およびW相ケーブル2cと接続している。
【0033】
同様に、3つの導体バー111の外側端部から挿入されたように通過構造外側端子114が取り付けられている。すなわち、それぞれ、U相外側端子114a、V相外側端子114b、およびW相外側端子114cがとりつけられている。それぞれは、接続ケーブル125と接続している。
【0034】
図3は、第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の構成を説明する部分縦断面図である。
図3は、W相外側端子114cを例にとって、接続ケーブル125と切り離した状態を示している。
図3に示すように、W相外側端子114cと接続ケーブル125とは、それぞれを貫通する結合ボルト116aと、ナット116bにより互いに結合している。
【0035】
図4は、第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の要素である通過構造外側端子の正面図である。通過構造外側端子114には、結合ボルト116aが貫通する貫通孔114hが形成されている。
【0036】
図5は、第1の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の接続ケーブルのケーブル端子の正面図である。接続ケーブル125は、端部にケーブル端子126を有し、ケーブル端子126には、結合ボルト116aが貫通する貫通孔126hが形成されている。
【0037】
図4および
図5で説明したW相外側端子114cと接続ケーブル125との接続構造は、通過構造内側端子113の他の端子であるU相内側端子113aおよびV相内側端子113b、通過構造外側端子114であるU相外側端子114a、V相外側端子114bおよびW相外側端子114cについても同様である。
【0038】
図6は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順を示すフロー図である。
図6は、密閉容器100から電気機械1を取り出し、保守点検を行う場合の手順を示している。保守点検後、電気機械1を密閉容器100内に収納し、運転可能状態にする場合の手順は、図示していないが、
図6の手順の逆の手順になる。以下、
図6に従って、手順を説明する。
【0039】
電気機械1の保守点検のために、密閉容器100の開放、高圧ケーブルの取り外し等を安全に実施する必要がある。このため、まず、停止状態、電源切りの状態を設定する(ステップS01)。
【0040】
次に、密閉容器100の容器蓋102を取り外す(ステップS02)。詳細には、容器本体101の本体側フランジ101bと容器蓋102の蓋側フランジ102aとを結合しているボルト、ナット(図示しない)を取り外し、容器蓋102を取り外す。
図7は、容器蓋の取り外し途中の状態を示す縦断面図である。
図7に示すように、出し入れ開口101aが開放された状態に移行する。
【0041】
次に、通過構造内側端子113と電気機械側ケーブル2との切り離しを行う(ステップS03)。詳細には電力供給部通過構造110側のU相内側端子113a、V相内側端子113bおよびW相内側端子113cのそれぞれと、電気機械1側のU相ケーブル2a、V相ケーブル2bおよびW相ケーブル2cのそれぞれとを切り離す。
図8は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電気機械側ケーブルの取り外し後の状態を示す縦断面図である。取り外された電気機械側ケーブル2は、一括して束ねられる(
図9)。
【0042】
また、ステップS01の後に、貫通構造カバー120のカバー蓋122の取り外しを行う(ステップS04)。この際、併せて端子箱130の箱蓋132も取り外す。
図9は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順におけるカバー蓋および箱蓋の取り外し途中の状態を示す縦断面図である。
【0043】
カバー蓋122を取り外した後に、通過構造外側端子114であるU相外側端子114a、V相外側端子114bおよびW相外側端子114cと、各接続ケーブル125との切り離しを行う(ステップS05)。
図10は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における接続ケーブルの取り外し後の状態を示す縦断面図である。通過構造外側端子114との接続が切り離された各接続ケーブル125は、端子箱130内に収納される。なお、各接続ケーブル125については、端子箱130内の端子133側も切り離し、外部に取り出し保管することでもよい。
【0044】
以上、ステップS02およびステップS03による通過構造内側端子113での切り離しの後に、ステップS04およびステップS05による通過構造外側端子114での切り離しを行う場合を例にとって説明したが、これに限定されない。逆に、通過構造外側端子114での切り離しの後に通過構造内側端子113での切り離しを行ってもよい。あるいは、通過構造外側端子114での切り離しの後に通過構造内側端子113での切り離しを並行して行ってもよい。
【0045】
次に、電力供給部通過構造110の貫通構造カバー120内からの取り出しを行う(ステップS06)。詳細には、それぞれのナット119をスタッドボルト118から切り離したうえで、電力供給部通過構造110を上方に吊り出す。吊り出しは、たとえば、電力供給部通過構造110に取り付けられた図示しない釣り耳にフック等を掛けてクレーンあるいはチェーンブロックなどにより上方に吊りあげることにより行う。
図11は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電力供給部通過構造の取り外し後の状態を示す縦断面図である。
【0046】
ステップS06の結果、電気機械1の引き出し経路に干渉物がなくなることから、電気機械1を密閉容器100から外部に引き出す(ステップS07)。
図12は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電気機械内蔵耐圧装置の引き出し開始時の状態を示す縦断面図である。また、
図13は、第1の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順における電気機械内蔵耐圧装置の引き出し後の状態を示す縦断面図である。この後、電気機械1の保守点検を実施する(ステップS08)。
【0047】
以上のような本実施形態における密閉容器100では、通過構造内側端子113の電気機械側ケーブル2との切り離しのための作業において、電気機械1を取り出すための開口である出し入れ開口101aを用いる。すなわち、ケーブル切り離し作業のための特別な開口を設けておらず、密閉容器100のシール性確保の信頼性を損なわない。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、密閉容器100内の電気機械1の保守点検のために、電気機械1の密閉容器100内からの取り出しを容易に行うことができる。
【0049】
[第2の実施形態]
図14は、第2の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の構成を示す部分縦断面図である。また、
図15は、第2の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造の要素である導体バーの斜視図である。
【0050】
本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における導体バー150は、貫通部152と、通過構造内側端子としての内側端子部153と、通過構造外側端子としての外側端子部154とを有する。貫通部152は、第1の実施形態における導体バー111と同様の形状である。内側端子部153は、貫通部152と一体で、密閉容器100の内側に延びている。また、外側端子部154は、貫通部152と一体で、密閉容器100の外側に延びている。
【0051】
内側端子部153と電気機械側ケーブル2とは、ボルトとナットで結合され、このための貫通孔が形成されている。また、外側端子部154と接続ケーブル125についても同様である。
【0052】
この結果、第1の実施形態における通過構造内側端子113および通過構造外側端子114は不要である。このため、通過構造内側端子113および通過構造外側端子114の導体バー111からの抜けだしの防止等の課題がなくなり信頼性の向上につながる。
【0053】
このように、さらに構成を単純化することにより、製作工程の単純化、製品の信頼性の向上を図ることができる。
【0054】
[第3の実施形態]
図16は、第3の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造まわりの構成を示す部分縦断面図である。
【0055】
本第3の実施形態は、第1の実施形態の変形である。本第3の実施形態においては、電力供給部通過構造110の閉止部112aを容器本体101の円筒部101sに接続させるスタッドボルト118aが、外側に長く延びている。また、貫通構造カバー120のカバー本体121に径方向に貫通するように、周方向に互いに間隔をおいて複数の支持用孔121aが形成されている。
【0056】
図17は、第3の実施形態に係る密閉容器電線貫通部処理方法の手順を示すフロー図である。第1の実施形態(
図6)と異なる点は、ステップS02およびステップS03による通過構造内側端子113での切り離しの後、および、ステップS04およびステップS05による通過構造外側端子114での切り離しの後に、電力供給部通過構造110を取り外す代わりに、外側に移動する(ステップS16)。その他の点では、第1の実施形態と同様である。
【0057】
図18は、電力供給部通過構造の外側移動後の状態を示す縦断面図である。電気機械側ケーブル2および接続ケーブル125と切り離された電力供給部通過構造110は、容器本体101の円筒部101s(
図2)から外側に離れて、かつ、ストッパ121bにより支持された状態となっている。この状態に移行することにより、第1の実施形態と同様に、ステップS07の電気機械1の引き出しを行うことができる。
【0058】
保守点検を終了して、電気機械1を密閉容器100に収納後は、スタッドボルト118aをガイドにして、電力供給部通過構造110を容器本体101の円筒部101sに搭載することができる。なお、
図16および
図18では、スタッドボルト118aは、長手方向に沿った全範囲におねじが形成されている場合を示しているが、ナット119で締めこむために必要な範囲を除き、それより外側の部分は、おねじの形成がなくともよい。
【0059】
以上のような本実施形態においては、比較的重量物である電力供給部通過構造110の取り扱いに必要な作業範囲を最小限にとどめ、人的負担の軽減、作業の短縮化を図ることができる。
【0060】
[第4の実施形態]
図19は、第4の実施形態に係る電気機械内蔵耐圧装置の電力供給部通過構造まわりの構成を示す部分縦断面図である。
【0061】
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本第4の実施形態においては、支持絶縁体112は、それぞれの相の導体バー111の径方向外側に設けられており、円筒状である。また、それぞれの支持絶縁体112の径方向外側の長手方向の中央付近には、貫通部フランジ112fが取り付けられている。支持絶縁体112と貫通部フランジ112f間は、シールされている。導体バー111、通過構造内側端子113、通過構造外側端子114、支持絶縁体112および貫通部フランジ112fは、一体物として形成されている。
【0062】
容器本体101の電力供給部通過開口101hは、それぞれの相について形成されている。相ごとに、上記の一体物が、電力供給部通過開口101hに挿入され、スタッドボルト118およびナット119により、容器本体101に取り付けられている。
【0063】
以上のように構成された本実施形態における電力供給部通過構造110は、相ごとに分割されているため、取り外しに際して、取り扱い対象の重量が軽減される。また、貫通構造カバー120内の空間に対して、取り扱い対象の大きさが小さくなる。これらにより、取り扱い時の作業場の負担の軽減を図ることができる。
【0064】
なお、第1の実施形態と同様の取り扱いをする場合には、3相のフランジを共通として、容器本体101の電力供給部通過開口101hも1つとしてもよい。
【0065】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態においては、電気機械1は、密閉容器100の横側から取り出す場合を例にとって示したが、これに限定されない。たとえば、容器蓋が密閉容器の上部分に設けられ、電気機械を密閉容器の上方から出し入れする場合であってもよい。
【0066】
また、実施形態では、電気機械1を出し入れする際に経路上に、電力供給部通過構造110の一部が存在することから、電気機械1と電力供給部通過構造110は互いに干渉するような相対的な位置にある場合を例にとって示したが、このような限定的な状況にない場合でも、本発明は適用可能である。
【0067】
さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。