【実施例】
【0021】
材料
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、Nan Ya Plastics Corporation(Taipei,Taiwan)からペレットの形態で入手され、製品グレード1N502によって指定された。
【0022】
グリコール修飾ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETg)はEastman Chemical Company(Kingsport,TN)から入手され、製品グレードEASTAR GN071コポリエステルによって指定された。
【0023】
環状オレフィンポリマー(COP)はZeon Corporation(Tokyo,Japan)からフィルムの形態で入手され、ZEONORFILM ZF−16の製品グレードによって指定された。
【0024】
試験方法
融点(T
m)の決定
TA Instruments(New Castle,DE)から市販されている、Q1000示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、DSC)によって融点を決定した。走査速度は23℃から300℃まで20℃/minであった。
【0025】
応力複屈折均一性試験
通過方向軸を互いに直角にして配置された2つの吸収型偏光子との間にフィルムを配置することによって(しばしば「交差極性(crossed polars)」と呼ばれる)、延伸されたフィルムをそれらの応力複屈折均一性について試験した。延伸されたフィルムを、その主光軸が偏光子軸のうちの1つと整列するように整列させた。偏光子−フィルム−偏光子積層体全体を、空間的に均一な光出力のライトテーブル上に配置した。積層体を透過された光を任意の不均一な色パターンについて目視検査した。2つの評定:不可又は良のうちの1つが作業者によって付与された。「不可」は、目立つ量の応力パターン及び変化する色の度合いが観察されたことを指示した。「良」は、透過された光が良好な均一性を有し、観察可能な応力パターンの量が無視できるほどであったことを指示した。
【0026】
表面粗さ試験
WYKO(Tucson,Ariz.)、Veecoの一部門、からのWYKO顕微干渉計を用いてフィルムの表面粗さを評価した。粗さ平均、Ra、(中心線の算術平均偏差の測度)を記録した。
【0027】
複屈折性の決定
Metricon Corp.(Pennington,NJ)からのプリズム結合器を用いて、633nmの波長の光を用いて横断(x)方向、長手(y)方向、及び厚さ(z)方向における屈折率又はフィルムを測定した。3つの方向の屈折率を、n
x、n
y、及びn
zとしてそれぞれ記録した。面内複屈折性、delta(n
xy)を、n
x−n
yとして算出した。面外複屈折性を、平均面内屈折率と、平面と直交する屈折率との差として、即ち、換言すれば、[(n
x+n
y)/2]−n
zとして算出した。ポリマーの単層延伸フィルムの面内複屈折性及び面外複屈折性は、同様に延伸された多層フィルムの、同じポリマーで製造された、個々の内部層の面内複屈折性及び面外複屈折性に対する良い近似になることが知られている。それゆえ、多層構造の個々の内部層についての複屈折値の直接測定の代わりに、全く同様に延伸された単層フィルムについての複屈折値を決定した。
【0028】
比較例C1
溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を28kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)もまた、PETを158kg/hrでコア層内へ繰り出す1つの樹脂供給機を有した。溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を、コア押出機については130rpm、及びスキン押出機については50rpmに設定した。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター(length orienter)及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0029】
比較例C2
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)もまた、PETを8.5kg/hrでコア層内へ繰り出す1つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について3.5であり、横断方向について3.5であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0030】
比較例C3
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、各々4.25kg/hrの速度、合計8.5kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状(blocky)コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について3.5であり、横断方向について3.5であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0031】
実施例1
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、それぞれ、6.8kg/hr及び1.7kg/hr、合計8.5kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0032】
実施例2
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、各々4.25kg/hrの速度、合計8.5kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0033】
実施例3
溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を28kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、それぞれ、31.6kg/hr及び126.4kg/hr、合計158kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を、コア押出機については130rpm、及びスキン押出機については50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0034】
比較例C4
溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を28kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)もまた、同様にPETgを、ただし158kg/hrでコア層内へ繰り出す1つの樹脂供給機を有した。溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を、コア押出機については130rpm、及びスキン押出機については50rpmに設定した。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0035】
上述の実施例及び比較例の構造を表1にまとめている。各フィルムを、応力複屈折均一性、表面粗さ、並びに(コア層及びスキン層の両方の)面内及び面外複屈折性について試験し、全体的なフィルム平坦性を定性的に評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
比較例C5
溶融押出し成形ライン上において、PET樹脂を150kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有する二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を130rpmに設定した。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0039】
比較例C6
溶融押出し成形ライン上において、PET樹脂を150kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有する二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を130rpmに設定した。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に3.5、及びテンター内においては横断方向に3.5である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0040】
比較例C7
パイロット溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を5kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を5kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について3.5であり、横断方向について3.5であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0041】
実施例4
パイロット溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を8kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を2kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0042】
実施例5
パイロット溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を5kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を5kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0043】
実施例6
溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を30kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を120kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を130rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0044】
比較例C8
パイロット溶融押出し成形ライン上において、PETg樹脂を8kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有する二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0045】
直前の実施例及び比較例のフィルムを、応力複屈折均一性、表面粗さ、並びに面内及び面外複屈折性について試験し、全体的なフィルム平坦性を定性的に評価した。フィルム構造及び試験結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
実施例7
実施例3のフィルムに、その後、タッチセンサ製造のために通例用いられる電極層をコーティングした。
【0048】
比較例C9
比較例C9は、タッチセンサ製造における使用のために意図された、Zeon Corporationからの、COPフィルム、ZEONORフィルムZF−16であり、受け取り時の状態で試験した。
【0049】
比較例C10
比較例C9のCOPフィルムに、実施例7における実施例3のフィルムのように、同じ仕方で、タッチセンサ製造のために通例用いられる同じ電極層をコーティングした。
【0050】
実施例C9、3、C10、及び7のフィルムの各々の試験片をMD方向及びTD方向に切断し、当技術分野においてよく知られた標準技法によって全く同様に引張試験した。破断点伸度を記録し、表4に結果を示している。
【0051】
【表4】
【0052】
以下は、本明細書の例示的な実施形態の列挙である。
【0053】
実施形態1は、基板であって、
第1及び第2の外部層であって、これらの第1及び第2の外部層の各々は、ヒートセットされたポリマー層である、第1及び第2の外部層と、
第1及び第2の外部層の間に配置されており、第1及び第2の外部層と直接接触しているポリマー内部層であって、第1の外部層のものとは異なり、かつ第2の外部層のものとは異なる組成を有する、ポリマー内部層と、
を含み、
第1及び第2の外部層は各々、0.1未満の面内複屈折性を有し、内部層は実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する、
基板である。
【0054】
実施形態2は、内部層が、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含み、第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、ブロックコポリマーは第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含む、実施形態1の基板である。
【0055】
実施形態3は、第1のポリエステルの融点が220℃より高く、第2のポリエステルの融点が190℃未満である、実施形態2の基板である。
【0056】
実施形態4は、第1のポリエステルの融点が240℃より高く、第2のポリエステルの融点が180℃未満である、実施形態2の基板である。
【0057】
実施形態5は、第1及び第2の外部層の各々が、200℃未満の融点を有する第3のポリエステルを含む、実施形態2の基板である。
【0058】
実施形態6は、第3のポリエステルが第2のポリエステルと同じである、実施形態5の基板である。
【0059】
実施形態7は、第3のポリエステルの融点が190℃未満である、実施形態5の基板である。
【0060】
実施形態8は、第3のポリエステルの融点が180℃未満である、実施形態5の基板である。
【0061】
実施形態9は、第1のポリエステルがポリエチレンテレフタレート(PET)であり、第2のポリエステルがグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)である、実施形態2の基板である。
【0062】
実施形態10は、第1及び第2の外部層の各々がグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)を含む、実施形態9の基板である。
【0063】
実施形態11は、第1のポリエステルがポリエチレンナフタレート(PEN)であり、第2のポリエステルがグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)である、実施形態2の基板である。
【0064】
実施形態12は、第1及び第2の外部層の各々がグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)を含む、実施形態11の基板である。
【0065】
実施形態13は、第1及び第2の外部層の各々が、200℃未満の融点を有するポリエステルを含む、実施形態1の基板である。
【0066】
実施形態14は、第1及び第2の外部層の各々が0.05未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0067】
実施形態15は、第1及び第2の外部層の各々が0.03未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0068】
実施形態16は、第1及び第2の外部層の各々が0.01未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0069】
実施形態17は、第1及び第2の外部層の各々が0.1未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0070】
実施形態18は、第1及び第2の外部層の各々が0.05未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0071】
実施形態19は、第1及び第2の外部層の各々が0.03未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0072】
実施形態20は、第1及び第2の外部層の各々が0.01未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0073】
実施形態21は、内部層が0.02より大きい面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0074】
実施形態22は、内部層が0.03より大きい面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0075】
実施形態23は、内部層が0.05より大きい面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0076】
実施形態24は、内部層が0.01より大きい面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0077】
実施形態25は、内部層が0.03より大きい面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0078】
実施形態26は、内部層が0.05より大きい面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0079】
実施形態27は、内部層が0.2未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0080】
実施形態28は、第1及び第2の外部層の各々が、内部層よりも低い面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0081】
実施形態29は、第1及び第2の外部層の各々が0.03未満の面内複屈折性を有し、内部層が0.05〜0.2の範囲内の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0082】
実施形態30は、第1の外部層が基板の最外面を含み、この最外面は100nm未満の表面粗さRaを有する、実施形態1の基板である。
【0083】
実施形態31は、表面粗さRaが50nm未満である、実施形態30の基板である。
【0084】
実施形態32は、表面粗さRaが20nm未満である、実施形態30の基板である。
【0085】
実施形態33は、内部層と反対側の第2の外部層上に配置されたスリップコーティングを更に含む、実施形態1の基板である。
【0086】
実施形態34は、内部層が複数の下位層を含む、実施形態1の基板である。
【0087】
実施形態35は、複数の下位層内の第1の下位層が、複数の下位層内の第2の下位層のものとは少なくとも20℃異なる融点を有する、実施形態34の基板である。
【0088】
実施形態36は、ディスプレイであって、
通過軸を有する偏光子と、
実施形態1の基板を含むタッチセンサであって、このタッチセンサは偏光子に近接配置されている、タッチセンサと、
を備え、
内部ポリマー層が、通過軸と実質的に平行、又はそれと実質的に垂直な方向に沿って実質的に一軸配向されている、
ディスプレイである。
【0089】
実施形態37は、液晶ディスプレイパネルが偏光子を含む、実施形態36のディスプレイである。
【0090】
実施形態38は、タッチセンサが、基板の表面上に配置された複数の電極を含む、実施形態36のディスプレイである。
【0091】
実施形態39は、
実施形態1の基板と、
基板の表面上に配置された複数の電極と、
を備える、タッチセンサである。
【0092】
実施形態40は、実施形態1の基板を製造する方法であって、本方法は、
第1及び第2の外部層並びに内部層を共押出し成形し、共押出し成形された層を形成することと、
共押出し成形された層を実質的に一軸延伸させることと、
共押出し成形された層をヒートセットし、基板を形成することと、
を含む、方法である。
【0093】
実施形態41は、共押出し成形された層を実質的に一軸延伸させるステップが、共押出し成形された層を3〜6の範囲内の延伸比で延伸させることを含む、実施形態40の方法である。
【0094】
実施形態42は、延伸比が3.5〜5.0の範囲内である、実施形態41の方法である。
【0095】
実施形態43は、延伸比が4.0〜4.8の範囲内である、実施形態42の方法である。
【0096】
実施形態44は、ヒートセットするステップが、共押出し成形された層を、内部層の融点よりも低く、第1の外部層の融点よりも高く、第2の外部層の融点よりも高い温度に加熱することを含む、実施形態40の方法である。
【0097】
実施形態45は、第2の外部層の最外面上にスリップコーティングを適用するステップを更に含む、実施形態40の方法である。
【0098】
実施形態46は、基板であって、
第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含み、第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、ブロックコポリマーは第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含み、
基板は実質的に一軸複屈折性であり、0.001〜0.1の面内複屈折性を有する、
基板である。
【0099】
実施形態47は、第1のポリエステルの融点が220℃より高く、第2のポリエステルの融点が190℃未満である、実施形態46の基板である。
【0100】
実施形態48は、第1のポリエステルの融点が240℃より高く、第2のポリエステルの融点が180℃未満である、実施形態46の基板である。
【0101】
実施形態49は、面内複屈折性が0.005より大きい、実施形態46の基板である。
【0102】
実施形態50は、面内複屈折性が0.01より大きい、実施形態46の基板である。
【0103】
実施形態51は、面内複屈折性が0.05未満である、実施形態46の基板である。
【0104】
実施形態52は、基板が、反対側の最も外側の第1主面及び第2主面を有し、第1主面は100nm未満の表面粗さRaを有する、実施形態46の基板である。
【0105】
実施形態53は、表面粗さRaが50nm未満である、実施形態52の基板である。
【0106】
実施形態54は、表面粗さRaが20nm未満である、実施形態52の基板である。
【0107】
実施形態55は、第2主面上に配置されたスリップコーティングを更に含む、実施形態52の基板である。
【0108】
実施形態56は、ディスプレイであって、
通過軸を有する偏光子と、
実施形態46の基板を含むタッチセンサであって、このタッチセンサは偏光子に近接配置されている、タッチセンサと、
を備え、
基板が、通過軸と実質的に平行、又はそれと実質的に垂直な方向に沿って実質的に一軸配向されている、
ディスプレイである。
【0109】
実施形態57は、液晶ディスプレイパネルが偏光子を含む、実施形態56のディスプレイである。
【0110】
実施形態58は、タッチセンサが、基板の表面上に配置された複数の電極と、を備える、実施形態56のディスプレイである。
【0111】
実施形態59は、
実施形態46の基板と、
基板の表面上に配置された複数の電極と、
を備える、タッチセンサである。
【0112】
実施形態60は、実施形態46の基板を製造する方法であって、本方法は、
層を押出し成形することと、
押出し成形された層を実質的に一軸延伸させることと、
押出し成形された層をヒートセットし、基板を形成することと、
を含む、方法である。
【0113】
実施形態61は、押出し成形された層を実質的に一軸延伸させるステップが、押出し成形された層を3〜6の範囲内の延伸比で延伸させることを含む、実施形態60の方法である。
【0114】
実施形態62は、延伸比が3.5〜5.0の範囲内である、実施形態61の方法である。
【0115】
実施形態63は、延伸比が4.0〜4.8の範囲内である、実施形態62の方法である。
【0116】
実施形態64は、ヒートセットするステップが、押出し成形された層を、第1のポリエステルの融点よりも低く、第2のポリエステルの融点よりも高い温度に加熱することを含む、実施形態60の方法である。
【0117】
図中の要素の説明は、別途指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、様々な代替及び/又は等価な実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者により理解されるであろう。本出願は、本明細書において論じた具体的な実施形態のいかなる適合例又は変形例であっても包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されるものとする。