特許第6960416号(P6960416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960416
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】タッチセンサのための基板
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/023 20190101AFI20211025BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20211025BHJP
   B29C 48/21 20190101ALI20211025BHJP
   B29C 55/08 20060101ALI20211025BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20211025BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   B32B7/023
   B32B27/36
   B29C48/21
   B29C55/08
   G06F3/041 495
   C08J5/18
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-561539(P2018-561539)
(86)(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公表番号】特表2019-523718(P2019-523718A)
(43)【公表日】2019年8月29日
(86)【国際出願番号】US2017032664
(87)【国際公開番号】WO2017205097
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2020年5月14日
(31)【優先権主張番号】62/341,182
(32)【優先日】2016年5月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/467,410
(32)【優先日】2017年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(72)【発明者】
【氏名】リュー,リチャード ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】パツマン,デレク ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,スティーブン エー.
【審査官】 松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−021000(JP,A)
【文献】 特表2011−520141(JP,A)
【文献】 特表2012−509496(JP,A)
【文献】 特表2009−541799(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0234966(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0100530(US,A1)
【文献】 特開2012−113193(JP,A)
【文献】 特開2009−282140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C08J 5/18
B29C 48/21
B29C 55/04−55/08
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の外部層であって、前記第1及び前記第2の外部層の各々は、ヒートセットされたポリマー層である、第1及び第2の外部層と、
前記第1及び前記第2の外部層の間に配置されており、前記第1及び前記第2の外部層と直接接触しているポリマー内部層であって、前記第1の外部層の組成とは異なり、かつ前記第2の外部層の組成とは異なる組成を有する、ポリマー内部層と、
を含み、
前記内部層は、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含み、前記第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、前記第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、前記ブロックコポリマーは前記第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含み、
前記第1及び前記第2の外部層は各々、0.1未満の面内複屈折性を有し、前記内部層は実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する、基板。
【請求項2】
前記第1のポリエステルがポリエチレンテレフタレート(PET)であり、前記第2のポリエステルがグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)であり、前記第1及び前記第2の外部層の各々がグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)を含む、請求項に記載の基板。
【請求項3】
前記第1のポリエステルがポリエチレンナフタレート(PEN)であり、前記第2のポリエステルがグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)であり、前記第1及び前記第2の外部層の各々がグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)を含む、請求項に記載の基板。
【請求項4】
前記第1及び前記第2の外部層の各々が0.01未満の面内複屈折性を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項5】
前記第1及び前記第2の外部層の各々が0.01未満の面外複屈折性を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記内部層が0.05より大きい面内複屈折性を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項7】
前記内部層が0.05より大きい面外複屈折性を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項8】
通過軸を有する偏光子と、
請求項1に記載の基板を含むタッチセンサであって、前記偏光子に近接配置されている、タッチセンサと、
を備え、
前記ポリマー内部層が、前記通過軸と実質的に平行な方向に沿って、又は前記通過軸と実質的に垂直な方向に沿って実質的に一軸配向されている、
ディスプレイ。
【請求項9】
請求項1に記載の基板を製造する方法であって、
前記第1及び前記第2の外部層並びに前記内部層を共押出し成形し、共押出し成形された層を形成することと、
前記共押出し成形された層を実質的に一軸延伸させることと、
前記共押出し成形された層をヒートセットし、前記基板を形成することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記ヒートセットするステップが、前記共押出し成形された層を、前記内部層の融点よりも低く、前記第1の外部層の融点よりも高く、前記第2の外部層の融点よりも高い温度に加熱することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含む基板であって、前記第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、前記第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、前記ブロックコポリマーは前記第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含み、
前記基板が実質的に一軸複屈折性であり、0.001〜0.1の面内複屈折性を有する、
単層基板。
【請求項12】
通過軸を有する偏光子と、
請求項11に記載の単層基板を含むタッチセンサであって、前記タッチセンサは前記偏光子に近接配置されている、タッチセンサと、
を備え、
前記基板が、前記通過軸と実質的に平行な方向に沿って、又は前記通過軸と実質的に垂直な方向に沿って実質的に一軸配向されている、
ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タッチセンサは通例、基板の表面上に配置された電極を含む。従来の基板は環状オレフィンポリマー(cyclic olefin polymer、COP)を含む。しかし、COPは高価であり、加工が困難になり得る。
【発明の概要】
【0002】
本説明のいくつかの態様では、第1及び第2の外部層と、第1及び第2の外部層の間に配置されており、これらと直接接触しているポリマー内部層とを含む基板が提供される。第1及び第2の外部層の各々は、ヒートセットされたポリマー層である。内部層は、第1の外部層のものとは異なり、かつ第2の外部層のものとは異なる組成を有する。第1及び第2の外部層は各々、0.1未満の面内複屈折性を有し、内部層は実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する。
【0003】
本説明のいくつかの態様では、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含む基板が提供される。第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは200℃未満の融点を有する。ブロックコポリマーは第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含む。基板は実質的に一軸複屈折性であり、0.001〜0.1の面内複屈折性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】基板の概略断面図である。
図2】別の基板の概略断面図である。
図3】タッチセンサの概略断面図である。
図4】ディスプレイの概略断面図である。
図5】基板を製造するためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想定され、実施され得ることを理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味で解釈されないものとする。
【0006】
タッチセンサにおいて一般的に用いられる基板は環状オレフィンポリマー(COP)である。COPは、多くの場合、その低い応力複屈折性などのその光学特性のゆえに選定される。しかし、COPは高価であり、その低い破断伸度のゆえに加工が困難になり得る。本説明によれば、低い応力複屈折性を有し、押出し成形及び従来のウェブハンドリング技法を介して容易に加工され、タッチセンサ及びその他の適用物における使用に適した基板が開発された。いくつかの実施形態では、基板は、交差した偏光子の下で観察されたときに可視の応力複屈折を実質的に与えない、制御された均一な複屈折度を有する。いくつかの実施形態では、基板は、光学的に滑らかである外側主面を有し、そのため、電極を表面上に容易に配置することができる。いくつかの実施形態では、基板は、押出し成形若しくは共押出し成形、並びにそれに続く延伸及びヒートセットによって製造することができる。いくつかの実施形態では、基板は、COPよりも大幅に安価であるポリエステルから製造される。いくつかの実施形態では、基板は、COP基板と比べて破断伸度の実質的な改善をもたらし、これは、従来のウェブ製造プロセスにおけるウェブ破断の低減をもたらすことができる。
【0007】
図1は基板100の概略断面図である。基板100は、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含む。第1のポリエステルは、200℃より高い、又は220℃より高い、又は240℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは、200℃未満、又は190℃未満、又は180℃未満の融点を有する。ブロックコポリマーは、第2のポリエステルを、ブロックコポリマーの40重量パーセント、又は50重量パーセント、又は55重量パーセント〜80重量パーセント、又は〜重量75パーセント、又は〜70重量パーセント含む。例えば、ブロックコポリマーは、第2のポリエステルを、40〜80重量パーセント、又は50〜80重量パーセント、又は55〜75重量パーセント含み得る。いくつかの実施形態では、第1のポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)であり、第2のポリエステルはグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)である。いくつかの実施形態では、第1のポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)であり、いくつかの実施形態では、第2のポリエステルはグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)である。PENgは、PETgと類似して、PENのエチレングリコールサブユニットを、米国特許第8,263,731号(Liuら)に記載されているとおりの複屈折低減ジオールサブユニット(例えば、枝状又は環状C4〜C10アルキルジオールサブユニット)などの、代替のジオールサブユニットと置換することによって製造することができる。いくつかの実施形態では、PENgは、40〜50モルパーセントのナフタレートサブユニット、25〜50モルパーセントのエチレングリコールサブユニット、並びに10〜25モルパーセントの枝状若しくは環状C4〜C10アルキルジオールサブユニットを含む。いくつかの実施形態では、第1のポリエステルは、テレフタレートに基づく第1のコポリエステルであり、いくつかの実施形態では、第2のポリエステルは、テレフタレートに基づく異なる第2のコポリエステルである。ブロックコポリマーは、少なくとも20重量パーセント、又は少なくとも40重量パーセント、又は少なくとも60重量パーセントのPETを含み得る。
【0008】
基板100は実質的に一軸複屈折性であり、0.001より大きい、若しくは0.002より大きい、若しくは0.005より大きい、並びに0.1未満の面内複屈折性を有する。面内複屈折性は、屈折率が最も高い第1の面内方向に沿って偏光した光に対する屈折率と、直交する第2の面内方向に沿って偏光した光に対する屈折率との差を指す。例えば、図1におけるx−y−z座標系を参照すると、基板がx軸に沿って配向された場合には、屈折率は、x軸に沿って偏光した光については、他の面内方向に沿って偏光した光よりも高くなることになり、面内複屈折性はn−nである。ここで、nは、x方向に沿って偏光した光に対する屈折率であり、nは、y方向に沿って偏光した光に対する屈折率である。面外複屈折性は、第1及び第2の面内方向に沿った屈折率の平均と、面外方向に沿った屈折率との差を指す。図1の座標系を参照すると、面外複屈折性は、(n+n)/2−nによって与えられる。ここで、nはz方向に沿った屈折率である。いくつかの実施形態では、基板100は、0.01より大きい、若しくは0.03より大きい、若しくは0.05より大きい、並びに0.2未満、若しくは0.15未満、若しくは0.1未満の面外複屈折性を有する。別途特記がない限り、屈折率は、633nmの波長において測定された屈折率を指す。屈折率は、例えば、Metricon Corporation(Pennington,NJ)から入手可能なMetricon Model 2010/Mプリズム結合器などのプリズム結合器を用いて測定することができる。多層積層体内の層についての屈折率値及び複屈折値は、単一の層に対する屈折率測定から決定することができる。ここで、単一の層は多層積層体内の層と同じ組成を有し、同じ配向度を有する(例えば、同じ延伸比を通じて延伸されている)。基板100は、最も外側の第1主面125と、反対側の主面127とを有する。第1主面125は光学的に滑らかであり得る。即ち、存在する任意の表面粗さは、可視光の波長と比べて小さい(例えば、550nmと比べて小さい)山谷間の高さを有し得る。いくつかの実施形態では、第1主面125は、100nm未満、又は50nm未満、又は20nm未満、又は更に10nm未満の表面粗さRaを有し得る。Raは、表面高さと平均表面位置との差の絶対値の算術平均を指す。Raは、American Society of Mechanical Engineers(ASME)B46.1−2009試験基準に従って決定され得る。
【0009】
当技術分野において知られているように、フィルムのロールの形成を支援するために、スリップコーティングをフィルムに適用することができる。任意選択的なスリップコーティング129がその基板100の第2主面127上に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、基板100のロールが提供される。
【0010】
ブロックコポリマーは、化学的に異なるブロック又は配列が高分子鎖内で互いに結合しているポリマー材料を指す。ブロックコポリマーは線状ブロックコポリマー又は枝状ブロックコポリマーであることができる。線状ブロックコポリマーの例としては、ジブロック((A−B)構造)、トリブロック((A−B−A)構造)、及びマルチブロック(−(A−B)−構造)コポリマーが挙げられ、その一方で、枝状ブロックコポリマーの一例は星形ブロックコポリマー((A−B)−構造)である。ここで、「A」は第1のポリエステルのブロックを指し(例えば、「A」はPETブロックを指してもよい)、「B」は第2のポリエステルのブロックを指す(例えば、「B」はPETgブロックを指してもよい)。星形ブロックコポリマーはまた、分枝が延びる中心点を有することから、放射状又は椰子の木形コポリマーとも呼ばれる。他の種類のブロックコポリマーとしては、くし形ポリマー構造及びその他の枝状コポリマーが挙げられる。ブロックコポリエステル構造は、例えば、LiuらによるJournal of Polymer Science Part B−Polymer Physics,Volume 41,2003,289〜307に記載されているものなどの周知の技法を利用して決定することができる。
【0011】
図2は、ポリマー内部層201と第1及び第2の外部層221及び222とを含む基板200の概略断面図である。第1及び第2の外部層221及び222の各々は、ヒートセットされたポリマー層である。本明細書で使用するとき、「ヒートセットされたポリマー層」とは、層の融点を上回る温度でヒートセットされたことに関連付けられる物理特性を有するポリマー層である。例えば、ヒートセットされたポリマー層はアモルファスであり、層が自由表面を有するときには、表面は光学的に滑らかである。本説明では、用語「ヒートセット」は、多層積層体内の層のうちの少なくとも1つが、層の融点を上回る温度に加熱されるプロセス、又は、層が、第1及び第2のポリマーを含むブロックコポリマーを含む場合には、層が第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも一方の融点より高く加熱されるプロセスに、より広義に適用され得る。伝統的なヒートセットプロセスでは、層は通例、層の融点より高く加熱されず、得られる層は通例、アモルファスでなく、通例、光学的に滑らかな表面を有しないことになり、本説明によれば、「ヒートセットされたポリマー層」として特徴付けられはしないであろう。ポリマー内部層201は、第1及び第2の外部層221及び222の間に、これらと直接接触して配置されている。内部層は、第1の外部層221のものとは異なり、かつ第2の外部層222のものとは異なる組成を有する。第1及び第2の外部層221及び222は各々、0.1未満の面内複屈折性を有する。内部層201は実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、基板100に対応し得る内部層201は、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含む。第1のポリエステルは、200℃より高い、又は220℃より高い、又は240℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは、200℃未満、又は190℃未満、又は180℃未満の融点を有する。ブロックコポリマーは、第2のポリエステルを、40重量パーセント、又は50重量パーセント、又は55重量パーセント〜80重量パーセント、又は〜重量75パーセント、又は〜70重量パーセント含む。例えば、ブロックコポリマーは、第2のポリエステルを、40〜80重量パーセント、又は50〜80重量パーセント、又は55〜75重量パーセント含み得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層は、第2のポリエステルと同じであるか、又は異なり得る、第3のポリエステルを含む。第3のポリエステルは、200℃未満、又は190℃未満、又は180℃未満の融点を有する。いくつかの実施形態では、第1のポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)であり、第2のポリエステルはグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)である。いくつかの実施形態では、第1のポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)であり、第2のポリエステルはグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)である。第1及び第2のポリエステルとしての使用に適した他の好適な材料としては、基板100のための第1及び第2のポリエステルにそれぞれ適するものとして特定された材料が挙げられる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層221及び222の各々は、グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)、グリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)、又は第2のポリエステルとしての使用に適した他の材料のうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層221及び222の各々は、200℃未満、又は190℃未満、又は180℃未満の融点を有するポリエステルを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層221及び222の各々は、0.05未満、又は0.03未満、又は0.01未満の面内複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層221及び222の各々は、0.1未満、又は0.05未満、又は0.03未満、又は0.01未満の面外複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、内部層201は、0.02より大きい、又は0.03より大きい、又は0.05より大きい面内複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、内部層201は、0.01より大きい、又は0.03より大きい、又は0.05より大きい面外複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、内部層201は、0.2未満、又は0.15未満、又は0.1未満の面内複屈折性及び/又は面外複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層221及び222の各々は、内部層201よりも低い面内複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の外部層221及び222の各々は、0.03未満、又は0.02未満、又は0.01未満の面内複屈折性を有し、内部層201は0.05〜0.2の範囲内の面内複屈折性を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の外部層は基板200の最外面225を含む。最外面225は、100nm未満、又は50nm未満、又は20nm未満、又は更に10nm未満の表面粗さRaを有し得る。いくつかの実施形態では、基板200は、内部層201と反対側の第2の外部層222の主面227上に配置されたスリップコーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、基板200のロールが提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本説明の基板は、2つの直交方向(例えば、MD方向及びTD方向)の各々において、少なくとも40パーセント、若しくは少なくとも50パーセント、並びにいくつかの場合には、最大350パーセントの破断伸度を有する。いくつかの実施形態では、本説明の基板は、2つの直交方向(例えば、MD方向及びTD方向)の各々において、COPのものの少なくとも5倍、又は少なくとも7倍の破断伸度を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本記載の基板は3つを超える層を有する。例えば、図2における内部層201は、それ自体、複数の下位層で構成されていてもよい。下位層の各々は、本明細書の他の箇所で説明されているとおりのブロックコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、下位層のうちの少なくとも1つは実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する。いくつかの実施形態では、下位層の各々は実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する。各下位層が実質的に一軸複屈折性である場合には、内部層201は、実質的に一軸複屈折性であると記述され得る。少なくとも1つの下位層が0.01より大きい面内複屈折性を有する場合には、内部層201は、0.01より大きい面内複屈折性を有すると記述され得る。いくつかの実施形態では、下位層のうちの少なくとも1つは、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含み、第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、ブロックコポリマーは第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含む。いくつかの実施形態では、第1の下位層と、異なる第2の下位層との融点の差は、少なくとも20℃、又は少なくとも40℃、又は少なくとも60℃である。いくつかの実施形態では、第1の下位層と第2の下位層との融点の差は100℃未満である。いくつかの実施形態では、内部層201は複数の下位層を含まず、その代わりに、単一のモノリシック層である。
【0016】
図3は、第1の基板300aの第1主面325a上に配置された第1の複数の電極330aを有する第1の基板300aを含むタッチセンサ310の概略断面図である。タッチセンサ310はまた、第2の基板300bの第1主面325b上に配置された第2の複数の電極330bを有する第2の基板300b(図3の断面内では電極330bのうちの1つのみが見える)を含む。第1の複数の電極330aは第1の方向(例えば、図3に示されるx−y−z座標系を参照すると、z方向)に沿って延びてもよく、第2の複数の電極330bは、直交する第2の方向(例えば、x方向)に沿って延びてもよく、それにより、第1及び第2の複数の電極330a及び330bは、タッチセンサにおいて従来用いられているとおりの電極の交差した格子を形成する。代替的な諸実施形態では、第2の基板300bは省略されており、第2の複数の電極330bは第1の基板300aの第2主面327a上に配置されている。第1の基板300aは、例えば、基板100又は基板200に対応し得る。同様に、第2の基板300bは、例えば、基板100又は基板200に対応し得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の基板300a及び300bの両方が基板100又は200のうちの一方に対応し、それに対して、他の実施形態では、第1及び第2の基板300a及び300bのうちの一方のみが基板100又は200のうちの一方に対応する。
【0017】
第1及び/又は第2の複数の電極は、タッチセンサにおける使用に適した任意の種類の電極であり得る。例としては、米国特許第8,933,906号(Frey)に記載されているものなどの透明導体電極(例えば、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide、ITO))及び金属メッシュ電極が挙げられる。以上の文献は、本説明と矛盾しない範囲で本明細書において参照により組み込まれている。電極は、当技術分野において知られているとおりのスパッタリング又はエッチングプロセスを利用することによって基板上に堆積させることができる。本説明の基板を利用することができる、他の有用なタッチセンサ、及びタッチセンサを製造する方法が、米国特許第8,384,961号(Freyら)、同第8,865,027号(Aldenら)、及び同第9,023,229号(Sebastianら)、並びに米国特許出願第2015/316955号(Doddsら)に記載されている。以上の文献の各々は、本説明と矛盾しない範囲で本明細書において参照により組み込まれている。
【0018】
図4は、タッチセンサ410と、第1及び第2の偏光子462及び464の間の、例えば、液晶層であり得る、活性層460を含むディスプレイパネル467とを含むディスプレイ450の概略断面図である。ディスプレイパネル467は、タッチセンサ410を通り抜けて観察者へy方向に伝搬する画像光を作り出す。タッチセンサ410はタッチセンサ310に対応し得、本明細書の他の箇所において説明されている基板のうちの任意のものを含み得る。第1の偏光子は第1の通過軸(例えば、x軸)を有し、第2の偏光子は第2の通過軸(例えば、y軸)を有する。タッチセンサ410は、第1の方向に沿って実質的に一軸配向されているか、又は第1の方向に沿って実質的に一軸配向されている内部層を含む基板を含む。第1の方向は第1の通過軸と実質的に平行であるか、又はそれと実質的に垂直であり得る。例えば、第1の通過軸はx軸に沿うものであり得、第1の方向はx軸と平行であるか、又はy軸と平行であり得る。第1の通過軸と実質的に平行又は実質的に垂直な第1の方向を有することは、偏光眼鏡(例えば、偏光サングラス)を着用しているディスプレイ450のビューによって観察される疑似色パターンを最小限に抑えるか、又は解消することができるため、有利になり得る。
【0019】
図5は、本説明の基板を製造するシステム及び方法を概略的に示す。押出し成形又は共押出し成形されるべき材料571が、押出し成形又は共押出し成形された層(単数又は複数)573を作り出す押出機572内に供給される。押出し成形又は共押出し成形された層(単数又は複数)573は、基板100に対応する単一の層であり得るか、又は基板200に対応する内部層並びに第1及び第2の外部層を含み得る。押出し成形又は共押出し成形された層(単数又は複数)573は延伸機574内で実質的に一軸延伸され、次に、基板500を形成するためにオーブン578内でヒートセットされる。延伸機574は、押出し成形又は共押出し成形された層(単数又は複数)573を実質的に一軸延伸させるように構成されている。フィルム又は層を実質的に一軸延伸させるとは、フィルム又は層が主に一方向に(例えば、横断方向(transverse direction、TD)に)延伸されるが、直交方向における(例えば、長手方向(machine direction、MD)における)小さな延伸が許容可能であり得ることを意味する。実質的に一軸延伸させることを介して複屈折性にされたフィルム又は層は、実質的に一軸複屈折性である、又は実質的に一軸配向されていると記述され得る。延伸機574は、押出し成形又は共押出し成形された層(単数又は複数)573を、第1の方向に第1の延伸比で、及び直交する第2の方向に第2の延伸比で延伸させ得る。いくつかの実施形態では、延伸機574はまず、第1の方向に第1の延伸比で延伸させ、次に、第2の方向に第2の延伸比で延伸させる。いくつかの実施形態では、第2の延伸比は第1の延伸比よりもはるかに高く、いくつかの実施形態では、第1の方向における延伸は省略される。第1の延伸比が第2の延伸比よりも実質的に小さいときには、押出し成形又は共押出し成形された層(単数又は複数)573は、第2の延伸比と等しい延伸比で実質的に一軸配向されていると記述され得る。第2の延伸比によって生み出された延伸(第2の延伸比マイナス1掛ける100パーセント)が、第1の延伸比によって生み出された延伸(第1の延伸比マイナス1掛ける100パーセント)の少なくとも4倍、又は少なくとも5倍、又は少なくとも7倍、又は少なくとも10倍である場合には、第1の延伸比は、第2の延伸比よりも実質的に小さいと記述され得る。例えば、第2の延伸比は約4.5であり得、これは約350パーセントの延伸を生み出し、その一方で、第1の延伸比は約1.2であり得、これは約20パーセントの延伸を生み出すのみである。第2の延伸比は、少なくとも2、又は少なくとも2.5、又は少なくとも3、又は少なくとも3.5、又は少なくとも4であり得、7未満、又は6.5未満、又は6未満、又は6.5未満、又は5未満、又は4.8未満であり得る。例えば、第2の延伸比は、3〜6の範囲内、又は3.5〜5の範囲内、又は4〜4.8の範囲内であり得る。第1の延伸比は1以上であり、2未満、若しくは1.5未満、若しくは1.3未満、若しくは1.2未満、若しくは1.1未満、若しくは1.05未満であり得るか、又は1と実質的に等しくなり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の延伸比は、1.0〜1.5の範囲内、又は1.0〜1.3の範囲内、又は1.1〜1.3の範囲内である。本説明によれば、実質的一軸配向を利用することは、二軸配向を利用することと比べて、応力複屈折の均一性を改善することが見出された。
【0020】
延伸機574は、延伸されたフィルム577を作り出し、オーブン578は、延伸されたフィルム577をヒートセットし、基板500を作り出す。内部層と第1及び第2の外部層とを有する実施形態では、延伸されたフィルム577は、内部層の融点よりも低く、第1の外部層の融点よりも高く、第2の外部層の融点よりも高い温度でヒートセットされ得る。第1及び第2のポリエステルブロックを有するブロックコポリマーを含む実施形態では、ヒートセット温度は、第1のポリエステルの融点よりも低く、第2のポリエステルの融点よりも高いものであり得る。後続の加工ステップは、基板500の最外面上にスリップコーティングを適用することを含み得る。
【実施例】
【0021】
材料
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、Nan Ya Plastics Corporation(Taipei,Taiwan)からペレットの形態で入手され、製品グレード1N502によって指定された。
【0022】
グリコール修飾ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PETg)はEastman Chemical Company(Kingsport,TN)から入手され、製品グレードEASTAR GN071コポリエステルによって指定された。
【0023】
環状オレフィンポリマー(COP)はZeon Corporation(Tokyo,Japan)からフィルムの形態で入手され、ZEONORFILM ZF−16の製品グレードによって指定された。
【0024】
試験方法
融点(T)の決定
TA Instruments(New Castle,DE)から市販されている、Q1000示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、DSC)によって融点を決定した。走査速度は23℃から300℃まで20℃/minであった。
【0025】
応力複屈折均一性試験
通過方向軸を互いに直角にして配置された2つの吸収型偏光子との間にフィルムを配置することによって(しばしば「交差極性(crossed polars)」と呼ばれる)、延伸されたフィルムをそれらの応力複屈折均一性について試験した。延伸されたフィルムを、その主光軸が偏光子軸のうちの1つと整列するように整列させた。偏光子−フィルム−偏光子積層体全体を、空間的に均一な光出力のライトテーブル上に配置した。積層体を透過された光を任意の不均一な色パターンについて目視検査した。2つの評定:不可又は良のうちの1つが作業者によって付与された。「不可」は、目立つ量の応力パターン及び変化する色の度合いが観察されたことを指示した。「良」は、透過された光が良好な均一性を有し、観察可能な応力パターンの量が無視できるほどであったことを指示した。
【0026】
表面粗さ試験
WYKO(Tucson,Ariz.)、Veecoの一部門、からのWYKO顕微干渉計を用いてフィルムの表面粗さを評価した。粗さ平均、Ra、(中心線の算術平均偏差の測度)を記録した。
【0027】
複屈折性の決定
Metricon Corp.(Pennington,NJ)からのプリズム結合器を用いて、633nmの波長の光を用いて横断(x)方向、長手(y)方向、及び厚さ(z)方向における屈折率又はフィルムを測定した。3つの方向の屈折率を、n、n、及びnとしてそれぞれ記録した。面内複屈折性、delta(nxy)を、n−nとして算出した。面外複屈折性を、平均面内屈折率と、平面と直交する屈折率との差として、即ち、換言すれば、[(n+n)/2]−nとして算出した。ポリマーの単層延伸フィルムの面内複屈折性及び面外複屈折性は、同様に延伸された多層フィルムの、同じポリマーで製造された、個々の内部層の面内複屈折性及び面外複屈折性に対する良い近似になることが知られている。それゆえ、多層構造の個々の内部層についての複屈折値の直接測定の代わりに、全く同様に延伸された単層フィルムについての複屈折値を決定した。
【0028】
比較例C1
溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を28kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)もまた、PETを158kg/hrでコア層内へ繰り出す1つの樹脂供給機を有した。溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を、コア押出機については130rpm、及びスキン押出機については50rpmに設定した。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター(length orienter)及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0029】
比較例C2
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)もまた、PETを8.5kg/hrでコア層内へ繰り出す1つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について3.5であり、横断方向について3.5であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0030】
比較例C3
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、各々4.25kg/hrの速度、合計8.5kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状(blocky)コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について3.5であり、横断方向について3.5であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0031】
実施例1
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、それぞれ、6.8kg/hr及び1.7kg/hr、合計8.5kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0032】
実施例2
パイロット溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を1.5kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、各々4.25kg/hrの速度、合計8.5kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。両方の押出機に対して、溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を100rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0033】
実施例3
溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を28kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)は、それぞれ、31.6kg/hr及び126.4kg/hr、合計158kg/hrの速度で、コア層内へ、一方はPETを繰り出し、他方はPETgを繰り出す、2つの樹脂供給機を有した。溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を、コア押出機については130rpm、及びスキン押出機については50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0034】
比較例C4
溶融押出し成形ライン上において、2つの二軸押出機を用いた。2つの押出機はABA構成の3層フィードブロックを供給した。2つのスキン層を供給する押出機(A)は、PETg樹脂を28kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有した。他方の押出機(B)もまた、同様にPETgを、ただし158kg/hrでコア層内へ繰り出す1つの樹脂供給機を有した。溶融ライン温度を274Cに設定し、スクリュー速度を、コア押出機については130rpm、及びスキン押出機については50rpmに設定した。フィードブロックからの3層溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0035】
上述の実施例及び比較例の構造を表1にまとめている。各フィルムを、応力複屈折均一性、表面粗さ、並びに(コア層及びスキン層の両方の)面内及び面外複屈折性について試験し、全体的なフィルム平坦性を定性的に評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
比較例C5
溶融押出し成形ライン上において、PET樹脂を150kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有する二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を130rpmに設定した。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0039】
比較例C6
溶融押出し成形ライン上において、PET樹脂を150kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有する二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を130rpmに設定した。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に3.5、及びテンター内においては横断方向に3.5である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0040】
比較例C7
パイロット溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を5kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を5kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について3.5であり、横断方向について3.5であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0041】
実施例4
パイロット溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を8kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を2kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0042】
実施例5
パイロット溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を5kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を5kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0043】
実施例6
溶融押出し成形ライン上において、一方はPET樹脂を30kg/hrで繰り出し、他方はPETg樹脂を120kg/hrで繰り出す、2つの樹脂供給機を有する、二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を130rpmに設定した。PET及びPETgは、このように一緒に押出し成形されると、反応してブロック状コポリマーを形成することが知られている。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。流延フィルムは長さオリエンター及びテンターを通過し、制御された逐次延伸を受けた。延伸比は、長さオリエンター内においては長手方向に1.2、及びテンター内においては横断方向に4.7である。延伸温度を95Cに設定した。テンターのヒートセット温度を200Cに設定した。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0044】
比較例C8
パイロット溶融押出し成形ライン上において、PETg樹脂を8kg/hrで繰り出す1つの樹脂供給機を有する二軸押出機を用いた。溶融ライン温度を274Cに設定し、押出機スクリュー速度を50rpmに設定した。押出機からの溶融体をフィルムダイへ供給し、チルロール上へ流し込み、流延厚さを制御するためにライン速度を調整した。制御された逐次延伸を受けるために実験用オリエンターを用いて流延フィルム片を延伸した。延伸比は長手方向について1.2であり、横断方向について4.7であった。延伸温度は95Cに設定され、延伸速度は50パーセント/秒であった。温度を200Cに設定して30秒間ヒートセットを行った。最終的なフィルム厚さが100マイクロメートルになるように全体的流延速度を調整した。
【0045】
直前の実施例及び比較例のフィルムを、応力複屈折均一性、表面粗さ、並びに面内及び面外複屈折性について試験し、全体的なフィルム平坦性を定性的に評価した。フィルム構造及び試験結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
実施例7
実施例3のフィルムに、その後、タッチセンサ製造のために通例用いられる電極層をコーティングした。
【0048】
比較例C9
比較例C9は、タッチセンサ製造における使用のために意図された、Zeon Corporationからの、COPフィルム、ZEONORフィルムZF−16であり、受け取り時の状態で試験した。
【0049】
比較例C10
比較例C9のCOPフィルムに、実施例7における実施例3のフィルムのように、同じ仕方で、タッチセンサ製造のために通例用いられる同じ電極層をコーティングした。
【0050】
実施例C9、3、C10、及び7のフィルムの各々の試験片をMD方向及びTD方向に切断し、当技術分野においてよく知られた標準技法によって全く同様に引張試験した。破断点伸度を記録し、表4に結果を示している。
【0051】
【表4】
【0052】
以下は、本明細書の例示的な実施形態の列挙である。
【0053】
実施形態1は、基板であって、
第1及び第2の外部層であって、これらの第1及び第2の外部層の各々は、ヒートセットされたポリマー層である、第1及び第2の外部層と、
第1及び第2の外部層の間に配置されており、第1及び第2の外部層と直接接触しているポリマー内部層であって、第1の外部層のものとは異なり、かつ第2の外部層のものとは異なる組成を有する、ポリマー内部層と、
を含み、
第1及び第2の外部層は各々、0.1未満の面内複屈折性を有し、内部層は実質的に一軸複屈折性であり、0.01より大きい面内複屈折性を有する、
基板である。
【0054】
実施形態2は、内部層が、第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含み、第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、ブロックコポリマーは第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含む、実施形態1の基板である。
【0055】
実施形態3は、第1のポリエステルの融点が220℃より高く、第2のポリエステルの融点が190℃未満である、実施形態2の基板である。
【0056】
実施形態4は、第1のポリエステルの融点が240℃より高く、第2のポリエステルの融点が180℃未満である、実施形態2の基板である。
【0057】
実施形態5は、第1及び第2の外部層の各々が、200℃未満の融点を有する第3のポリエステルを含む、実施形態2の基板である。
【0058】
実施形態6は、第3のポリエステルが第2のポリエステルと同じである、実施形態5の基板である。
【0059】
実施形態7は、第3のポリエステルの融点が190℃未満である、実施形態5の基板である。
【0060】
実施形態8は、第3のポリエステルの融点が180℃未満である、実施形態5の基板である。
【0061】
実施形態9は、第1のポリエステルがポリエチレンテレフタレート(PET)であり、第2のポリエステルがグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)である、実施形態2の基板である。
【0062】
実施形態10は、第1及び第2の外部層の各々がグリコール修飾ポリエチレンテレフタレート(PETg)を含む、実施形態9の基板である。
【0063】
実施形態11は、第1のポリエステルがポリエチレンナフタレート(PEN)であり、第2のポリエステルがグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)である、実施形態2の基板である。
【0064】
実施形態12は、第1及び第2の外部層の各々がグリコール修飾ポリエチレンナフタレート(PENg)を含む、実施形態11の基板である。
【0065】
実施形態13は、第1及び第2の外部層の各々が、200℃未満の融点を有するポリエステルを含む、実施形態1の基板である。
【0066】
実施形態14は、第1及び第2の外部層の各々が0.05未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0067】
実施形態15は、第1及び第2の外部層の各々が0.03未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0068】
実施形態16は、第1及び第2の外部層の各々が0.01未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0069】
実施形態17は、第1及び第2の外部層の各々が0.1未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0070】
実施形態18は、第1及び第2の外部層の各々が0.05未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0071】
実施形態19は、第1及び第2の外部層の各々が0.03未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0072】
実施形態20は、第1及び第2の外部層の各々が0.01未満の面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0073】
実施形態21は、内部層が0.02より大きい面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0074】
実施形態22は、内部層が0.03より大きい面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0075】
実施形態23は、内部層が0.05より大きい面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0076】
実施形態24は、内部層が0.01より大きい面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0077】
実施形態25は、内部層が0.03より大きい面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0078】
実施形態26は、内部層が0.05より大きい面外複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0079】
実施形態27は、内部層が0.2未満の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0080】
実施形態28は、第1及び第2の外部層の各々が、内部層よりも低い面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0081】
実施形態29は、第1及び第2の外部層の各々が0.03未満の面内複屈折性を有し、内部層が0.05〜0.2の範囲内の面内複屈折性を有する、実施形態1の基板である。
【0082】
実施形態30は、第1の外部層が基板の最外面を含み、この最外面は100nm未満の表面粗さRaを有する、実施形態1の基板である。
【0083】
実施形態31は、表面粗さRaが50nm未満である、実施形態30の基板である。
【0084】
実施形態32は、表面粗さRaが20nm未満である、実施形態30の基板である。
【0085】
実施形態33は、内部層と反対側の第2の外部層上に配置されたスリップコーティングを更に含む、実施形態1の基板である。
【0086】
実施形態34は、内部層が複数の下位層を含む、実施形態1の基板である。
【0087】
実施形態35は、複数の下位層内の第1の下位層が、複数の下位層内の第2の下位層のものとは少なくとも20℃異なる融点を有する、実施形態34の基板である。
【0088】
実施形態36は、ディスプレイであって、
通過軸を有する偏光子と、
実施形態1の基板を含むタッチセンサであって、このタッチセンサは偏光子に近接配置されている、タッチセンサと、
を備え、
内部ポリマー層が、通過軸と実質的に平行、又はそれと実質的に垂直な方向に沿って実質的に一軸配向されている、
ディスプレイである。
【0089】
実施形態37は、液晶ディスプレイパネルが偏光子を含む、実施形態36のディスプレイである。
【0090】
実施形態38は、タッチセンサが、基板の表面上に配置された複数の電極を含む、実施形態36のディスプレイである。
【0091】
実施形態39は、
実施形態1の基板と、
基板の表面上に配置された複数の電極と、
を備える、タッチセンサである。
【0092】
実施形態40は、実施形態1の基板を製造する方法であって、本方法は、
第1及び第2の外部層並びに内部層を共押出し成形し、共押出し成形された層を形成することと、
共押出し成形された層を実質的に一軸延伸させることと、
共押出し成形された層をヒートセットし、基板を形成することと、
を含む、方法である。
【0093】
実施形態41は、共押出し成形された層を実質的に一軸延伸させるステップが、共押出し成形された層を3〜6の範囲内の延伸比で延伸させることを含む、実施形態40の方法である。
【0094】
実施形態42は、延伸比が3.5〜5.0の範囲内である、実施形態41の方法である。
【0095】
実施形態43は、延伸比が4.0〜4.8の範囲内である、実施形態42の方法である。
【0096】
実施形態44は、ヒートセットするステップが、共押出し成形された層を、内部層の融点よりも低く、第1の外部層の融点よりも高く、第2の外部層の融点よりも高い温度に加熱することを含む、実施形態40の方法である。
【0097】
実施形態45は、第2の外部層の最外面上にスリップコーティングを適用するステップを更に含む、実施形態40の方法である。
【0098】
実施形態46は、基板であって、
第1のポリエステル及び第2のポリエステルを含むブロックコポリマーを含み、第1のポリエステルは200℃より高い融点を有し、第2のポリエステルは200℃未満の融点を有し、ブロックコポリマーは第2のポリエステルを50〜80重量パーセント含み、
基板は実質的に一軸複屈折性であり、0.001〜0.1の面内複屈折性を有する、
基板である。
【0099】
実施形態47は、第1のポリエステルの融点が220℃より高く、第2のポリエステルの融点が190℃未満である、実施形態46の基板である。
【0100】
実施形態48は、第1のポリエステルの融点が240℃より高く、第2のポリエステルの融点が180℃未満である、実施形態46の基板である。
【0101】
実施形態49は、面内複屈折性が0.005より大きい、実施形態46の基板である。
【0102】
実施形態50は、面内複屈折性が0.01より大きい、実施形態46の基板である。
【0103】
実施形態51は、面内複屈折性が0.05未満である、実施形態46の基板である。
【0104】
実施形態52は、基板が、反対側の最も外側の第1主面及び第2主面を有し、第1主面は100nm未満の表面粗さRaを有する、実施形態46の基板である。
【0105】
実施形態53は、表面粗さRaが50nm未満である、実施形態52の基板である。
【0106】
実施形態54は、表面粗さRaが20nm未満である、実施形態52の基板である。
【0107】
実施形態55は、第2主面上に配置されたスリップコーティングを更に含む、実施形態52の基板である。
【0108】
実施形態56は、ディスプレイであって、
通過軸を有する偏光子と、
実施形態46の基板を含むタッチセンサであって、このタッチセンサは偏光子に近接配置されている、タッチセンサと、
を備え、
基板が、通過軸と実質的に平行、又はそれと実質的に垂直な方向に沿って実質的に一軸配向されている、
ディスプレイである。
【0109】
実施形態57は、液晶ディスプレイパネルが偏光子を含む、実施形態56のディスプレイである。
【0110】
実施形態58は、タッチセンサが、基板の表面上に配置された複数の電極と、を備える、実施形態56のディスプレイである。
【0111】
実施形態59は、
実施形態46の基板と、
基板の表面上に配置された複数の電極と、
を備える、タッチセンサである。
【0112】
実施形態60は、実施形態46の基板を製造する方法であって、本方法は、
層を押出し成形することと、
押出し成形された層を実質的に一軸延伸させることと、
押出し成形された層をヒートセットし、基板を形成することと、
を含む、方法である。
【0113】
実施形態61は、押出し成形された層を実質的に一軸延伸させるステップが、押出し成形された層を3〜6の範囲内の延伸比で延伸させることを含む、実施形態60の方法である。
【0114】
実施形態62は、延伸比が3.5〜5.0の範囲内である、実施形態61の方法である。
【0115】
実施形態63は、延伸比が4.0〜4.8の範囲内である、実施形態62の方法である。
【0116】
実施形態64は、ヒートセットするステップが、押出し成形された層を、第1のポリエステルの融点よりも低く、第2のポリエステルの融点よりも高い温度に加熱することを含む、実施形態60の方法である。
【0117】
図中の要素の説明は、別途指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、様々な代替及び/又は等価な実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者により理解されるであろう。本出願は、本明細書において論じた具体的な実施形態のいかなる適合例又は変形例であっても包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5