(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
3Dプリンタによる造形物の出力事業の関係者である、造形物出力の代行会社、3Dプリンタデータの提供者、および、造形物を所望するエンドユーザ、のそれぞれが造形物出力に関して指定する所定条件を格納した記憶装置と、
前記関係者の各条件を、前記エンドユーザの条件で規定された少なくとも造形物、3Dプリンタ、および、コスト、の各内容を基準に照合して、当該造形物の出力に要する3Dプリンタデータが利用可能であり、かつ、当該エンドユーザの条件を満たす代行会社を特定する際、前記提供者より受け付けて記憶装置で保持する3Dプリンタデータにおいて、前記エンドユーザの条件で既定された造形物の出力に要する3Dプリンタデータの存在を特定するデータ判定処理と、前記データ判定処理により特定された3Dプリンタデータで規定された出力可能素材において、前記エンドユーザの条件で既定された造形物の素材かつ前記代行会社の条件で既定された出力可能素材であるものの存在を特定する素材判定処理と、前記データ判定処理により特定された3Dプリンタデータで規定された出力可能プリンタにおいて、前記エンドユーザの条件で既定された3Dプリンタかつ前記代行会社の条件で規定された出力可能プリンタであるものの存在を特定するプリンタ判定処理と、前記代行会社の条件のうち造形料金の規定および前記提供者の条件のうちデータ利用料金の規定に基づき、前記エンドユーザの条件で規定された造形物に関して、前記データ判定処理で特定した3Dプリンタデータを用いて前記プリンタ判定処理で特定した3Dプリンタによって造形を行う際の料金を算定して、当該料金が、前記エンドユーザの条件で規定された許容コストを下回る代行会社の存在を特定するコスト判定処理と、をそれぞれ実行し、前記コスト判定処理により最終的に代行会社を特定し、当該特定された内容を、前記エンドユーザによる注文情報として確定し、記憶装置に格納する処理と、所定装置を介して前記提供者より3Dプリンタデータを受け付け、当該3Dプリンタデータのうち出力回数の情報に対する暗号化処理を実行し、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータを記憶装置に格納する処理と、前記注文情報の確定に伴って、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータ、および、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータを復号化するための秘密鍵を、前記注文情報と紐付けて、当該代行会社の端末に宛てて送信する処理を実行する演算装置と、
を備えたマッチング支援装置と、
暗号化された3Dプリンタデータを、秘密鍵を用いて復号化して造型可能な状態にし、指定された出力回数分の造型を行った後、当該3Dプリンタデータを消去するモジュールを格納した記憶装置と、前記代行会社で使用される3Dプリンタに宛てて前記モジュールを配信する演算装置と、を備えたモジュール提供装置と、
前記モジュール提供装置から配信された前記モジュールを格納する記憶装置と、前記代行会社の特定に伴って確定される前記エンドユーザの造形物出力に関する注文情報と、当該代行会社での造形物出力に用いられる前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータ、および、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータを復号化するための秘密鍵とを、前記マッチング支援装置から前記代行会社の端末を介して取得した場合、前記モジュールを呼び出して実行して、前記暗号化された3Dプリンタデータを前記秘密鍵を用いて復号化して造型可能な状態にし、前記秘密鍵で復号化した前記出力回数に応じた回数だけ造型を行った後、当該3Dプリンタデータを消去する演算装置と、を備えた3Dプリンタと、
を含むことを特徴とするマッチング支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態のマッチング支援システム100を含むネットワーク構成図である。
図1に示すマッチング支援システム100は、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを関係者間の各条件を的確に踏まえつつ効率的に実行するコンピュータシステムである。
【0013】
本実施形態におけるマッチング支援システム100は、マッチング支援装置たるデータ管理サーバ200と、エンドユーザ端末20A〜20Cと、データ提供者端末30A〜30Bと、出力代行会社端末40A〜40Bと、モジュール提供メーカ端末60と、プリンタメーカ端末50A〜50Bとが、ネットワーク10を介して通信可能に接続されて構成されている。
【0014】
なお、エンドユーザとは、データ管理サーバ200によるマッチング支援サービスを利用して好適な造形物の出力代行会社の情報を得て、この出力代行会社から造形物を入手するエンドユーザである。よってエンドユーザ端末20A〜20Cは、当該エンドユーザの端末となる。
図1の例では3人のエンドユーザそれぞれの端末として、エンドユーザ端末20A〜20Cを想定したが、勿論、こうしたエンドユーザおよびそのエンドユーザ端末の数は任意である。本明細書では以下、エンドユーザ端末20と総称する。
【0015】
また、データ提供者とは、3Dプリンタでの造形物出力に必要となる、3Dプリンタデータを提供する者である。このデータ提供者の端末が、データ提供者端末30A〜30Bとなる。データ提供者は、データ提供者端末30A〜30Bのうち自身の端末を操作し、データ管理サーバ200に対して3Dプリンタデータをアップロードする。
図1の例では2人のデータ提供者それぞれの端末として、データ提供者端末30A〜30Bを想定したが、勿論、こうしたデータ提供者およびそのデータ提供者端末の数は任意である。本明細書では以下、データ提供者端末30と総称する。
【0016】
また、出力代行会社とは、上述のデータ提供者端末30から提供を受けた3Dプリンタデータを利用して、エンドユーザからの注文に応じた造形物を3Dプリンタ45においてモジュール46(詳細後述)による制御下で出力する事業者である。
図1の例では2社の出力代行会社それぞれの端末として、出力代行会社末40A〜40Bを想定したが、勿論、こうした出力代行会社およびその出力代行会社端末の数は任意である。本明細書では以下、出力代行会社端末40と総称する。
【0017】
また、プリンタメーカとは、上述の出力代行会社に3Dプリンタ45を販売するメーカである。
図1の例では2社のプリンタメーカそれぞれの端末として、プリンタメーカ端末50A〜50Bを想定したが、勿論、こうしたプリンタメーカおよびそのプリンタメーカ端末の数は任意である。本明細書では以下、プリンタメーカ端末50と総称する。
【0018】
また、モジュール提供メーカとは、上述の3Dプリンタ45に実装するモジュール46をプリンタメーカに提供する事業者である。
図1の例では1社のモジュール提供メーカの端末として、モジュール提供メーカ端末60を想定したが、勿論、こうしたモジュール提供メーカおよびそのモジュール提供メーカ端末の数は任意である。
【0019】
なお、上述のモジュール46は、モジュール提供メーカ端末60から、プリンタメーカ端末50に配信され、当該プリンタメーカの3Dプリンタ45にインストールされる。このモジュール46は、モジュール提供メーカが作成・提供するプログラムであり、暗号化された3Dプリンタデータを復号化する機能、指定回数だけ造形物の出力を行う制御機能、および、上述の指定回数の出力後、当該3Dプリンタデータを消去する機能、を実装するものである。こうしたモジュール46は、モジュール提供メーカ端末60からプリンタメーカ端末50に配信され、このプリンタメーカ端末50から3Dプリンタ45にインストールされる。勿論、プログラムとしての提供ではなく、当該プログラムをインストールしたコンピュータユニットをモジュールとして3Dプリンタ45に組み込む状況を想定してもよい。
【0020】
上述のエンドユーザ端末20、データ提供者端末30、および、出力代行会社端末40は、3Dプリンタ45による造形物の出力に関する種々のデータを、データ管理サーバ200に予め送信し登録する。一方、データ管理サーバ200は、こうして各端末から得たデータ(条件)の間で、所定のアルゴリズムによるマッチング処理(後述)を実行することとなる。
【0021】
−−−ハードウェア構成−−−
図2は、本実施形態におけるデータ管理サーバ200の構成例を示す図である。本実施形態のデータ管理サーバ200は、CPUなどの演算装置201、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置206、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ211、ネットワーク10と接続して他の装置との通信処理を担う通信装置212、を少なくとも備える。 このうち演算装置201は、記憶装置206に保持されるプログラム220をメモリ211に読み出すなどして実行し、各機能部(マッチング部202、各種登録部203、各種計算部204、結果表示部205)を実装して、装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうものとなる。
【0022】
データ管理サーバ200は、上述の構成の他、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置や、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置、を更に備えるとしてもよい。
【0023】
上述のプログラム220により実装される機能部のうち、マッチング部202は、エンドユーザ所望の造形物の出力に必要な3Dプリンタデータが、データ提供者から提供されており(データ管理サーバ200の3DデータDB207で保持)、かつ、当該エンドユーザが当該造形物の出力に関して指定した諸条件(エンドユーザDB208に該当情報は格納)を満たす出力代行会社を、上述のDB207〜209の各情報に基づき特定するものとなる。
【0024】
また、各種登録部203は、データ提供者端末30、出力代行会社端末40、および、エンドユーザ端末20から、造形物の出力に関する諸条件の入力を受け付けて、記憶装置206における対応DBに登録するものとなる。
【0025】
また、各種計算部204は、エンドユーザが所望造形物の出力に関して支払う料金や当該造形物の配送予定日を、出力代行会社の情報(出力代行会社DB209の情報)や3Dプリンタデータの情報(3DデータDB207の情報)等に基づき計算するものとなる。
【0026】
また、結果表示部205は、上述のマッチング部202と各種計算部204の結果を、例えば、エンドユーザ端末20に出力して表示させるものとなる。
【0027】
いずれにせよ、上述の各機能部による各処理の詳細については、
図3〜
図15を用いて後述する。
【0028】
なお、記憶装置206内には、本実施形態のマッチング支援装置として必要な機能を実装する為のプログラム220に加えて、3DデータDB207(データ提供者端末30から取得した3Dプリンタデータに関する情報を格納)、エンドユーザDB208(エンドユーザ所望の造形物とその出力回数や希望料金、配送希望日に関する情報を格納)、出力代行会社DB209(出力代行会社が提供できる3Dプリンタデータ出力サービスに関する情報を格納)、および、注文内容DB210(マッチング支援方法の実行により、エンドユーザ所望の造形物に関して出力代行会社が特定され、注文確定となった情報を格納)が記憶されている。
【0029】
これらの各DBにて格納される情報は、いずれも
図3〜
図17に示す各処理に利用される。また、各DBの詳細は、
図10〜
図13を用いてそれぞれ後述する。
【0030】
−−−シーケンス例−−−
以下、本実施形態におけるマッチング支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明するマッチング支援方法に対応する各種動作は、マッチング支援システム100を構成する装置のうち、少なくともデータ管理サーバ200がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0031】
図3は、本実施形態におけるマッチング支援方法のシーケンス例を示す図である。ここでは、データ管理サーバ200、エンドユーザ端末20、データ提供者端末30、出力代行会社端末40、プリンタメーカ端末50、および、モジュール提供メーカ端末60、の間での処理シーケンスを示している。
【0032】
ここで示すデータ提供者端末30は、予め作成するなどして保持している3Dプリンタデータをデータ管理サーバ200に提供する端末を指す。また、出力代行会社端末40は、データ管理サーバ200から提供される3Dプリンタデータに基づいて造形物の出力サービスを提供する端末を指す。また、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20やデータ提供者端末30、出力代行会社端末40から得た、エンドユーザの情報や、提供できる3Dプリンタデータ、造形物の出力サービスの情報に基づき、本実施形態のマッチング支援方法を実行するものを指す。また、エンドユーザ端末20は、造形物の出力代行を出力代行会社端末40に依頼するものを指す。また、モジュール提供メーカ端末60は、3Dプリンタ45に搭載するモジュール46を、プリンタメーカ端末50に提供するものを指す。また、プリンタメーカ端末50は、モジュール提供メーカ端末60より提供されたモジュール46を3Dプリンタ45へ搭載する端末を指す。
【0033】
ここで、出力代行会社は、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力を行うための3Dプリンタ45の準備を予め実施する必要がある。そこで、モジュール提供メーカ端末60は、プリンタメーカ端末50へモジュール46を配信する(S301)。
【0034】
モジュール提供メーカ端末60が配信するモジュール46は、暗号化された3Dプリンタデータを復号化する機能、指定回数だけ造形物の出力を行う制御機能、および、上述の指定回数の出力後、当該3Dプリンタデータを消去する機能、を実装するものである。
【0035】
次に、プリンタメーカ端末50は、モジュール提供メーカ端末60より配信されたモジュール46を受信し、これを3Dプリンタ45にインストールする(S302)。こうしてモジュール46がセットされた3Dプリンタ45は、売買契約を結んだ出力代行会社に提供されることとなる。こうして3Dプリンタ45を得た出力代行会社は、3Dプリンタデータに基づく造型を行うことが可能となる。
【0036】
一方、データ提供者端末30は、所定の担当者等が作成するなどして用意した3Dプリンタデータを、当該3Dプリンタデータの利用条件と共に、データ管理サーバ200に送信して登録する(S303)。
【0037】
この際、データ管理サーバ200では、上述のデータ提供者端末30に対し、
図4に例示する登録画面1400を送信し、この登録画面1400を介して、3Dプリンタデータの登録を受け付けるものとする。この登録画面1400においては、データ提供者端末30を操作するデータ提供者が、データ管理サーバ200に対してアップロードし、登録しようとする3Dプリンタデータ、および、その出力条件や利用料金の登録が可能である。
【0038】
こうした登録画面1400は、提供対象の3Dプリンタデータの情報を表示するフォーム1401と、3Dプリンタデータの探索等を受け付ける参照ボタン14011を含んでいる。この場合、データ提供者が参照ボタン14011を押下すると、データ提供者端末30は、これを受けて記憶装置等での3Dプリンタデータの格納フォルダを参照して、3Dプリンタデータの一覧等を別途表示させ、データ提供者による所定の選択動作を受け付けて、該当3Dプリンタデータの情報をフォーム1401に表示させる。
【0039】
また、登録画面1400は、登録対象の3Dプリンタデータによる造型に利用可能な素材について、データ提供者の選択を受け付けるチェックボックス1402を含んでいる。このチェックボックス1402において、各素材はデフォルト表示されている。なお、データ提供者は、出力可能素材を指定しない場合、「選択なし」のチェックボックスにチェックを入れる。つまり、こうしたチェックボックス1402における素材選択は必須ではなく任意とする。
【0040】
また、登録画面1400は、登録対象の3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用可能な3Dプリンタについて、データ提供者の選択を受け付けるチェックボックス1403を含んでいる。このチェックボックス1403において、各3Dプリンタはデフォルト表示されている。なお、データ提供者は、出力可能な3Dプリンタを指定しない場合、「選択なし」のチェックボックスにチェックを入れる。
【0041】
また、登録画面1400は、登録対象の3Dプリンタデータの利用料金について、データ提供者からの入力を受け付ける入力欄1404を含んでいる。この入力欄1404では、登録対象の3Dプリンタデータに基づいて造形物を1つ出力するごとの利用料金の入力を受け付けることとなる。
【0042】
また、登録画面1400は、上述のフォーム1401、チェックボックス1402、チェックボックス1403、および入力欄1404で入力および選択がなされた内容を、データ管理サーバ200に登録する際の指示を受け付ける登録ボタン1405を含んでいる。データ提供者がこの登録ボタン1405を押下することで、この登録画面1400で受け付けた内容を、データ提供者端末30がデータ管理サーバ200に送信し、3DデータDB207に登録させることとなる。
【0043】
また、登録画面1400は、上述のフォーム1401、チェックボックス1402、チェックボックス1403、および入力欄1404で入力および選択がなされた内容のクリアする指示を受け付ける取消ボタン1406を含んでいる。データ提供者が取消ボタン1406を押下することで、データ提供者端末30は登録画面1400で受け付けた内容を、フォーム1401、チェックボックス1402、チェックボックス1403、および入力欄1404においてクリアする。
【0044】
こうして登録画面1400を介して登録される内容は、3Dプリンタデータ、当該3Dプリンタデータの出力に利用する素材の種類、当該3Dプリンタデータの出力に利用する3Dプリンタの種類、および、当該3Dプリンタデータの利用料金となる。
【0045】
なお、データ提供者端末30が、上述の3Dプリンタデータをデータ管理サーバ200に登録するに際しては、https通信によってデータ管理サーバ200と接続してデータアップロードを行うものとする。また、こうしてデータ管理サーバ200に送信された3Dプリンタデータは、暗号化用の鍵(例:出力代行会社の公開鍵など)によって暗号化され、3DデータDB207に保存されることとなる。
【0046】
図5に、本実施形態の3DデータDB207のデータ構成例を示す。この3DデータDB207は、上述の登録画面1400でデータ提供者から受け付けた内容を情報として含むレコードの集合体となっている。
【0047】
具体的には、データ提供者の名前1201およびユーザID1202をキーとして、データ提供者が提供した3Dプリンタデータ1203、当該3Dプリンタデータの出力に好適な素材の名称1204、当該3Dプリンタデータの出力に好適な3Dプリンタ45の名称1205、および、当該3Dプリンタデータに基づき造形物を1つ出力ごとに徴収する利用料金12061、の各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0048】
ここで
図3のシーケンスの説明に戻る。他方、出力代行会社端末40は、データ管理サーバ200に対し、造形物の出力代行サービスに関する情報登録を実行する(S304)。なお、当該シーケンスにおいて、上述のS303およびS304の実行順序は問わない。
【0049】
この際、データ管理サーバ200では、上述の出力代行会社端末40に対し、
図6に例示する登録画面1500を送信し、この登録画面1500を介して、出力代行サービスの情報を受け付けるものとする。
【0050】
こうした登録画面1500において、登録を受け付ける内容は、出力代行会社に備わる1または複数の3Dプリンタ45の種類、当該1または複数の3Dプリンタ45のそれぞれで造形物の出力に利用できる素材の種類、1つ造形物の出力にかかる料金、および、1日など単位期間に出力できる造形物の個数、といった情報になる。
【0051】
図6に、上述の登録画面1500の具体例を示す。この登録画面1500は、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用可能な素材に関して、選択を受け付けるチェックボックス1501を含んでいる。このチェックボックス1501において、各素材はデフォルト表示されている。なお、デフォルト表示された素材以外のものを利用して造型が可能な場合、出力代行会社の担当者等は「その他」を選択し、素材名を入力フォーム15011に入力する。
【0052】
また、登録画面1500は、3Dプリンタデータに基づき造形物を出力する際に利用可能な3Dプリンタ45の選択を受け付けるチェックボックス1502を含んでいる。このチェックボックス1502において、各3Dプリンタはデフォルト表示されている。なお、デフォルト表示された3Dプリンタ以外のものを利用して造型が可能な場合、出力代行会社の担当者等は「その他」を選択し、該当3Dプリンタの機種名を入力フォーム15021に入力する。
【0053】
また、登録画面1500は、当該出力代行会社が上述のチェックボックス1501およびチェックボックス1502で選択した、出力可能素材と出力可能プリンタの組合せで造型物を1つ出力する際にかかる料金の入力を受け付ける入力フォーム1503を含んでいる。
【0054】
また、登録画面1500は、当該出力代行会社が上述のチェックボックス1501およびチェックボックス1502で選択した、出力可能素材と出力可能プリンタの組合せで、造型物を出力できる1日あたりの最大個数の入力を受け付けて入力フォーム1504を含んでいる。
【0055】
また、登録画面1500は、上述のチェックボックス1501、チェックボックス1502、入力フォーム1503、および、入力フォーム1504で入力および選択を受け受けた内容を、データ管理サーバ200に登録する指示を受け付ける登録ボタン1505を含んでいる。出力代行会社の担当者らが登録ボタン1505を押下することで、出力代行会社端末40は、上述のチェックボックス1501、チェックボックス1502、入力フォーム1503、および、入力フォーム1504で入力および選択を受け付けた内容を、データ管理サーバ200に送信し、出力代行会社DB209に登録させる。
【0056】
また、登録画面1500は、上述のチェックボックス1501、チェックボックス1502、入力フォーム1503、および、入力フォーム1504で入力および選択を受け受けた内容を、当該登録画面1500においてクリアする指示を受け付ける取消ボタン1506を含んでいる。出力代行会社の担当者らが取消ボタン1506を押下することで、出力代行会社端末40は登録画面1500で受け付けた内容を、チェックボックス1501、チェックボックス1502、入力フォーム1503、および、入力フォーム1504、においてクリアする。
【0057】
図7に、本実施形態の出力代行会社DB209のデータ構成例を示す。出力代行会社DB209は、出力代行会社が提供する出力代行サービスに関する登録情報が格納されたデータベースである。
【0058】
具体的には、出力代行会社端末40の名称1101およびユーザID1102をキーに、当該出力代行会社において3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用できる素材の名称1103、当該出力代行会社において3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用できる3Dプリンタ45の種類の名称1104、素材の名称1103が示す素材を利用し3Dプリンタの名称1104が示す3Dプリンタによって3Dプリンタデータに基づく造形物の出力を行う際に1つの造型物を出力するのにかかる料金1105、および、素材の名称1103が示す素材を利用し3Dプリンタの名称1104が示す3Dプリンタによって3Dプリンタデータに基づく造形物の出力を行う際に1日あたりに出力できる造型物の最大個数1106、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0059】
またここで、
図3のシーケンスの説明に戻る。上述のS303およびS304の実行後、エンドユーザ端末20は、データ管理サーバ200に対し、エンドユーザ所望の造形物に対応した3Dプリンタデータの検索要求、および、当該造形物の出力に関する各種希望条件の登録要求を実行する(S305)。
【0060】
この場合、データ管理サーバ200では、エンドユーザ端末20からの検索要求を
図8に示す検索画面1600を介して受けて、3DデータDB207で保持する3Dデータの情報をエンドユーザ端末20に返し、当該エンドユーザ端末20を介してエンドユーザによる選択を受け付ける。
【0061】
図8は、上述のエンドユーザ端末20に送信される検索画面1600の例を示す図である。この検索画面1600では、エンドユーザ端末20を操作するエンドユーザが、出力したい造形物の3Dプリンタデータの検索と、その造形物の出力回数、造形物の出力に利用したい素材と3Dプリンタ45の種類、希望料金や配送希望日の設定を受け付けることが可能である。
【0062】
こうした検索画面1600において、エンドユーザが出力を希望する造形物のキーワードを受け付ける入力フォーム1601を含んでいる。データ管理サーバ200は、検索画面1600における入力フォーム1601でのキーワードの入力受付後、検索ボタン16011の押下を受け、対象キーワードに紐付く3Dプリンタデータを3DデータDB207で検索し、ヒットした3Dプリンタデータの一覧画面1700(
図9)をエンドユーザ端末20に返信し、画面遷移させる。
【0063】
図9に、3Dプリンタデータの一覧画面1700を例示する。この一覧画面1700では、データ管理サーバ200が入力フォーム1601で受け付けたキーワードに基づいて3DデータDB207を検索し、該当する3Dプリンタデータの検索結果を一覧で表示することが可能である。
【0064】
この一覧画面1700は、検索結果にヒットした3Dプリンタデータの表示欄1701を含んでいる。ここで表示する3Dプリンタデータは、図示するように、造形物の形状を示すイメージ17011の他に、その選択を受け付けるラジオボタン17012を付帯している。
【0065】
また、一覧画面1700は、上述の表示欄1701にて表示中の3Dプリンタデータのうち、ラジオボタン17012のチェックを介して3Dプリンタデータの選択を受け付けたものに関して、検索画面1600における入力フォーム1601に3Dプリンタデータの名称を反映させるための、選択ボタン1702を含んでいる。この選択ボタン1702が押下されることで、検索画面1600へ画面遷移することとなる。
【0066】
その際、一覧画面1700にてエンドユーザが選択した3Dプリンタデータで、利用可能な素材の情報はチェックボックス1603のデフォルト表示に、利用可能な3Dプリンタ45の情報はチェックボックス1604のデフォルト表示に反映され、選択項目として名称表示されることとなる。
【0067】
また、一覧画面1700は、検索画面1600へ画面遷移する指示を受け付ける戻るボタン1703を含んでいる。この戻るボタン1703が押下されることで、一覧画面1700におけるエンドユーザによる3Dプリンタデータの選択は、検索画面1600に反映されない。
【0068】
エンドユーザ端末20では、上述の3Dプリンタデータの一覧画面1700を表示させ、エンドユーザによる3Dプリンタデータの選択を受け付けて、検索画面1600に画面遷移させる。この際の検索画面1600の入力フォーム1601には、エンドユーザが一覧画面1700のラジオボタン17012でチェックして選択した3Dプリンタデータの名称が表示されることとする。なお、検索によって3Dプリンタデータがヒットしなかった場合、遷移先画面でヒットしなかった旨が表示される。
【0069】
上述の検索画面1600は、上述の入力フォーム1601の他、エンドユーザから3Dプリンタデータに基づき出力したい造形物の個数の入力を受け付ける入力フォーム1602、データ検索でヒットした3Dプリンタデータに関して登録されている出力可能な素材を選択可能に表示するチェックボックス1603、データ検索でヒットした3Dプリンタデータに関して登録されている出力可能な3Dプリンタ45を選択可能に表示するチェックボックス1604、エンドユーザが支払を許容する希望料金の下限および上限の料金を受け付ける入力フォーム1605 および、エンドユーザが該当造形物の配送を希望する年月日を受け付けるコンボボックス1606、を含んでいる。
【0070】
また、検索画面1600は、上述の入力フォーム1601、入力フォーム1602、チェックボックス1603、チェックボックス1604、入力フォーム1605、および、コンボボックス1606で入力および選択を受け付けた内容を、データ管理サーバ200に登録する指示を受け付ける決定ボタン1607を含んでいる。この決定ボタン1607が押下されることで、上述の入力フォーム1601、入力フォーム1602、チェックボックス1603、チェックボックス1604、入力フォーム1605、および、コンボボックス1606で入力および選択を受け受けた内容は、データ管理サーバ200に送信され、エンドユーザDB208(
図10)に登録される。
【0071】
また、検索画面1600は、上述の入力フォーム1601、入力フォーム1602、チェックボックス1603、チェックボックス1604、入力フォーム1605、および、コンボボックス1606で入力および選択を受け付けた内容を、クリアする指示を受け付ける取消ボタン1608を含んでいる。この取消ボタン1608が押下されることで、検索画面1600の、入力フォーム1601、入力フォーム1602、チェックボックス1603、チェックボックス1604、入力フォーム1605、および、コンボボックス1606のそれぞれにおいて、入力および選択を受け付けた内容はクリアされる。
【0072】
図10に、上述の検索画面1600で入力および選択を受け付けた内容を登録する、エンドユーザDB208のデータ構成を示す。
【0073】
具体的には、エンドユーザDB208は、エンドユーザの名前1001およびユーザID1002をキーとして、当該エンドユーザが所望の3Dプリンタデータの名称1003、当該3Dプリンタデータに基づき造形物を出力する際に利用する素材の名称1004、当該3Dプリンタデータに基づき造形物を出力する際に利用したい3Dプリンタ45の種類の名称1005、エンドユーザが支払を許容する希望額1006、エンドユーザが希望する造形物の配送希望日1007、および、エンドユーザが希望する造型物の個数1008、の各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0074】
またここで
図3のシーケンスの説明に戻る。続いて、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20がS305で登録した内容と、事前にデータ提供者端末30がS303で登録した内容、および出力代行会社端末40がS304で登録した内容に基づいた、マッチング処理を実行する(S306)。
【0075】
このマッチング処理の詳細は後述するが、マッチング部202および各種計算部204における各ステップで構成されている。なお、マッチング処理は、S305にてエンドユーザ端末20が3Dプリンタの検索および希望条件の登録を行ったことを契機に実行される。
【0076】
上述のS306のマッチング処理でマッチングが成立した場合、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20に対してマッチング成立結果を通知する(S307)。この通知には、当該3Dプリンタデータの利用に伴い発生する料金と、該当造型物の配送日の各情報が含まれるものとする。
【0077】
また、上述のS306のマッチング処理でマッチングが成立した場合、データ管理サーバ200は、当該マッチングで特定した出力代行会社の出力代行会社端末40に対し、エンドユーザ所望の3Dプリンタデータの出力依頼を送信する(S308)。
【0078】
ここで送信される内容には、出力代行会社の該当3Dプリンタ45にて利用する、暗号化された3Dプリンタデータ、この3Dプリンタデータを復号化する秘密鍵、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力回数、使用する素材の情報、3Dプリンタ45の種類、造型物の配送日、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に関して生じる料金と、エンドユーザ情報である。
【0079】
データ管理サーバ200は、上述のS308で出力依頼を送信するに際し、造形物の出力回数の情報については秘密鍵により暗号化しておくものとすれば好適である。造形物の出力回数は、対応する3Dプリンタデータの利用料金に直接影響する機微な情報であるため、その改ざんを抑止することを意図している。
【0080】
続いて、上述のS306のマッチング処理でマッチングが成立した場合、データ管理サーバ200は、データ提供者端末30に対し、当該データ提供者が提供してくれた3Dプリンタデータが利用された旨、および、データ提供者に支払われる料金に関する情報を、送信する(S309)。
【0081】
また、上述のS306のマッチング処理でマッチングが不成立となった場合、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20に対し、マッチング不成立に関する情報を送信する(S311)。
【0082】
なお、上述のS307、S308、S309、S311の各ステップは、S306にてマッチング部202と各種計算部204により各処理が実行され、結果が判別された契機で実行される。
【0083】
また、出力代行会社端末40は、S308にて3Dプリンタデータ出力依頼を受信後、暗号化された3Dプリンタデータを秘密鍵により復号化し、これを3Dプリンタ45に送り、該当造形物をエンドユーザ希望の配送日に間に合うよう出力する(S310)。
【0084】
なお、出力代行会社では、上述の造型物を3Dプリンタ45で出力後、これをエンドユーザに宛てて配送することとなる。こうした出力代行会社での各処理の詳細は
図16で後述する。
【0085】
−−−フロー例1−−−
図11に、データ管理サーバ200におけるマッチング処理(S306)に関するフローを示す。この場合、データ管理サーバ200は、
図3のシーケンスにおけるS305を契機に、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用する素材に関するマッチングを実行する(S401)。
【0086】
このマッチングは、上述のS305にてエンドユーザ端末20から指定を受け付けた所望の素材の情報を利用し、当該素材を用いた造形物の出力が、出力代行会社にて可能か、また、当該素材が、データ提供者により提供されている3Dプリンタデータにて利用可能な素材であるかを判定する処理となる。これにより、3Dプリンタデータの出力に利用する素材の選定が可能となる。この素材に関するマッチング処理の詳細フローは
図12で後述する。
【0087】
次に、データ管理サーバ200は、上述のS401の素材に関するマッチング処理の成立を契機に、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用する3Dプリンタ45の種類に関するマッチング処理を実行する(S402)。
【0088】
このマッチングは、上述のS305にてエンドユーザ端末20から指定を受け付けた所望の3Dプリンタ45の情報を利用し、出力代行会社にて当該3Dプリンタ45による3Dプリンタデータの出力が可能か、また、エンドユーザが選択した3Dプリンタ45の種類が、データ提供者により提供されている3Dプリンタデータの出力が可能な種類であるか判定する処理である。これにより、3Dプリンタデータの出力に利用する3Dプリンタ45の種類の選定が可能となる。この3Dプリンタ45に関するマッチング処理の詳細フローは
図14で後述する。
【0089】
続いて、データ管理サーバ200は、上述のS402の3Dプリンタ45に関するマッチング処理の成立を契機に、エンドユーザ所望の造型物の配送日および3Dプリンタデータの利用料金に関するマッチングを実行する(S403)。
【0090】
このマッチングは、エンドユーザ端末20がS305にてデータ管理サーバ200に登録した所望造形物の出力回数の情報と、出力代行会社端末40がS304でデータ管理サーバに登録した出力代行サービスに関する情報とに基づき、該当造形物の配送所要日数を計算し、これをエンドユーザ希望の配送日と照合して配送日判定を行う処理である。これにより、出力代行会社で出力される造型物の配送日が決定する。
【0091】
また、上述のS403におけるデータ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20がS305にてデータ管理サーバ200に登録した、データ提供者端末30がS303でデータ管理サーバ200に登録した3Dプリンタデータの利用料金と、出力代行会社端末40がS304でデータ管理サーバ200に登録した3Dプリンタデータの出力サービスにかかる料金との合計を、3Dプリンタデータの利用およびその出力にあたり支払いを許容する料金と照合し、エンドユーザ端末20が支払う料金を計算する処理も行う。これにより、エンドユーザが出力代行会社等に支払う料金が確定する。この計算処理の詳細フローは
図15で後述する。
【0092】
上述のS401における、3Dプリンタデータの出力に利用する素材のマッチング処理、S402における、3Dプリンタ45の種類のマッチング処理が成立し、S403における、3Dプリンタデータに基づき出力する造型物の配送日およびエンドユーザの支払う料金の確定を契機に、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20に対して、確定した3Dプリンタデータの出力に利用する素材や、利用する3Dプリンタ45の種類、造型物の配送日と支払い料金に関する情報を送信する(S404)。この処理の詳細フローは
図16で後述する。
【0093】
なお、上述のS401、S402、および、S403におけるマッチング処理が成立しなかった場合、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20に対し、マッチング不成立に関する情報を送信し(S405)、処理を終了する。この処理の詳細フローは
図17で後述する。
【0094】
−−−フロー例2−−−
図12は、データ管理サーバ200が、3DデータDB207と、エンドユーザDB208と、出力代行会社DB209とを利用し、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用する素材のマッチングを行う処理である。以下、処理ステップを説明する。
【0095】
この場合まず、データ管理サーバ200は、上述のS305でエンドユーザ端末20から受けた造形物出力に利用する素材に関するデータを、エンドユーザDB208より取得する(S501)。また、このS501におけるデータ管理サーバ200は、上述のエンドユーザDB208から取得した素材に関するデータをキーとし、3DデータDB207および出力代行会社DB209から、対応する素材に関する情報を検索する(S501)。
【0096】
次に、データ管理サーバ200は、上述のS501でキーとした素材に関するデータ、すなわちエンドユーザが所望する素材が、3DデータDB207および出力代行会社DB209での検索結果すなわち、3Dプリンタデータで規定された素材および出力代行会社の3Dプリンタ45で出力可能な素材と合致するか判定する(S502)。
【0097】
上述のS502の判定の結果、上述のS501でキーとした素材に関するデータが、3DデータDB207および出力代行会社DB209での検索結果が示す素材と合致した場合(S502:OK)、データ管理サーバ200は、当該素材を、3Dプリンタデータの出力に利用する素材として確定し、その素材情報をエンドユーザの注文データとして注文内容DB210に登録する(S503)。
【0098】
一方、上述のS502の判定の結果、上述のS501でキーとした素材に関するデータが、3DデータDB207および出力代行会社DB209での検索結果が示す素材と合致しなかった場合(S502:NO)、データ管理サーバ200は、処理を
図17のS901(後述)に遷移させる。
【0099】
図13に、エンドユーザの注文データが格納される注文内容DB210のデータ構成例を示す。この注文内容DB210は、確定した注文を一意に特定する注文番号1301をキーに、注文者であるエンドユーザの識別情報たるC−ID1302、エンドユーザが選択した3Dプリンタデータの名称1304、当該3Dプリンタデータの識別情報たるD−ID1304、当該3Dプリンタデータに基づく造形物を出力する際に利用する素材の名称1305、当該3Dプリンタデータに基づく造形物の出力に利用する3Dプリンタ45の名1306、エンドユーザ所望の造形物の数1307、エンドユーザ所望の造型物の配送日1308、エンドユーザが支払う料金のうち、データ提供者に対して支払われる3Dプリンタデータ利用料1309、出力代行会社に対して支払われる造型代行料1310、および、データ管理サーバ200の利用料1311の各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0100】
−−−フロー例3−−−
図14は、データ管理サーバ200が、3DデータDB207と、エンドユーザDB208と、出力代行会社DB209とを利用し、3Dプリンタデータの出力に利用する3Dプリンタ45に関するマッチング処理を行うフローである。以下、処理ステップを説明する。
【0101】
この場合まず、データ管理サーバ200は、上述のS305でエンドユーザ端末20がデータ管理サーバ200へ登録した諸条件の中に含まれる、3Dプリンタデータの出力に利用する3Dプリンタ45の種類に関するデータを、エンドユーザDB208より取得する(S601)。このS601におけるデータ管理サーバ200は、エンドユーザDB208から取得した3Dプリンタ45の種類に関するデータをキーとし、3DデータDB207および出力代行会社DBから、3Dプリンタ45の種類に関する情報を検索する。
【0102】
続いて、データ管理サーバ200は、上述のS601でキーとしたデータすなわちエンドユーザが所望の3Dプリンタ45の種類が、3DデータDB207および出力代行会社DB209での検索結果、すなわち3Dプリンタデータの出力に利用可能かつ出力代行会社で利用可能な3Dプリンタ45の種類、と合致するか判定する(S602)。
【0103】
上述のS602の判定の結果、上述のS601でキーとした3Dプリンタ45の種類が、3DデータDB207および出力代行会社DB209での検索結果が示す3Dプリンタ45の種類と合致した場合(S602:OK)、データ管理サーバ200は、当該3Dプリンタ45の種類を、3Dプリンタデータの出力に利用する3Dプリンタ45の種類と確定し、当該3Dプリンタ45の種類に関する情報をエンドユーザ端末20の注文データとして、注文内容DB210の既存レコード(S503で格納済み)を更新する(S603)。
【0104】
一方、上述のS602の判定の結果、上述のS601でキーとした3Dプリンタ45の種類が、3DデータDB207および出力代行会社DB209での検索結果が示す3Dプリンタ45の種類と合致しなかった場合(S602:NO)、データ管理サーバ200は、処理を
図17のS901(後述)に遷移させる。
【0105】
−−−フロー例4−−−
図15は、データ管理サーバ200が、エンドユーザ所望の出力回数と3Dプリンタデータの利用にあたり支払を許容する料金と、出力代行会社がS304で登録した出力代行サービスの条件およびデータ提供者がS303で登録した3Dプリンタデータの利用条件とを考慮し、造型物の配送日とエンドユーザが支払う料金の計算を行うフローである。以下、処理ステップを説明する。
【0106】
まず、データ管理サーバ200は、上述のS603の注文データ更新を契機に、エンドユーザ端末20がS305で登録した3Dプリンタデータの出力希望回数をエンドユーザDB208から取得する(S701)。
【0107】
次に、データ管理サーバ200は、出力代行会社端末40がS304で登録した、3Dプリンタデータの出力に利用する素材と3Dプリンタ45の種類との組合せによる、1日あたりに出力可能な造形物の個数から、当該造型物の配送所要日数を計算する(S702)。
【0108】
エンドユーザ端末20がS305で登録した3Dプリンタデータの出力に利用する素材や、利用する3Dプリンタ45の種類は、
図12、
図14のマッチングで成立しているため、データ管理サーバ200は、その素材と3Dプリンタ45の種類組合せをキーとし、出力代行会社DB209にて検索する。これにより、エンドユーザにおける造形物の希望出力回数と、素材と3Dプリンタ45の種類との組合せで1日あたりに出力可能な造形物の個数とを掛け合わせることで、造型物の配送所要日数の計算が可能となる。
【0109】
また、上述の造型物の配送所要日数の計算完了を契機に、データ管理サーバ200は、エンドユーザ端末20がS305で登録した造型物の配送希望日をエンドユーザDB208から取得する(S703)。
【0110】
また、データ管理サーバ200は、造型物の配送希望日の取得後、上述のS702で計算した造型物の配送所要日数と、S703で取得した造型物の配送希望日とを照合する(S704)。
【0111】
造型物の配送所要日数が、エンドユーザ所望の造型物の配送希望日よりも早い日程の場合(S704:OK)、データ管理サーバ200は、配送所要日数を配送日と特定する。一方、造型物の配送所要日数が、エンドユーザ所望の造型物の配送日よりも遅い日程の場合(S704:NO)、データ管理サーバ200は、マッチング不成立と判定し、処理を
図17のS901(後述)に遷移させる。
【0112】
次に、データ管理サーバ200は、上述のS704における造型物の配送日確定を契機に、エンドユーザが3Dプリンタデータの利用にあたり支払う料金を計算する(S705)。
【0113】
エンドユーザが支払う料金の内訳は、データ提供者に支払うデータ利用料金、出力代行会社に支払う3Dプリンタデータ造型依頼料金、データ管理サーバ200に支払うデータ管理サーバ利用料金である。
【0114】
ここで、データ管理サーバ200は、エンドユーザがS305で登録した、3Dプリンタデータの利用にあたり支払いを許容する料金の値を、エンドユーザDB208から取得する。そしてデータ管理サーバ200は、出力代行会社がS304で登録した3Dプリンタ45の種類と3Dプリンタデータ出力に利用する素材との組合せによる1個あたりの造形物にかかる料金の情報を、出力代行会社DB209から取得し、これに、エンドユーザがS305で登録した希望出力回数を乗算して、出力代行会社に支払う3Dプリンタデータ造型依頼料金を計算する。
【0115】
また、データ管理サーバ200は、データ提供者がS303で登録した、3Dプリンタデータから作成する造型物の1個あたりにかかる料金を、3DデータDB207より取得し、これに、エンドユーザにおける造形物の希望出力回数を乗算して、データ提供者に支払うデータ利用料金を計算する。
【0116】
また、データ管理サーバ200は、上述の3Dプリンタデータ造型依頼料金およびデータ利用料金と、データ管理サーバ200の利用料金とを合計し、エンドユーザが支払うべき料金を確定する。以下、エンドユーザが支払うべき料金を総額とする。
【0117】
なお、データ管理サーバ200の利用料金は、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力回数やこの出力に利用したい素材、3Dプリンタ45の種類に関係なく、一律である。
【0118】
続いて、データ管理サーバ200は、上述のS705による総額の確定を契機に、エンドユーザが支払いを許容する料金すなわち希望額と、S705で確定した総額とに基づいたマッチング処理を実行する。この場合、データ管理サーバ200は、S705で取得した希望額と総額とを比較し、総額が希望額を下回った場合(S706:OK)、エンドユーザの支払う料金は総額と特定する。他方、総額が希望額を上回った場合(S706:NO)、データ管理サーバ200は、マッチング不成立と判定し、処理を
図17のS901(後述)に遷移させる。
【0119】
続いて、データ管理サーバ200は、上述のS706における、エンドユーザが支払う料金の確定を契機に、エンドユーザ端末20に対し、当該造型物の配送日および支払い料金の各情報を通知する(S707)。
【0120】
また、上述のS707のエンドユーザ端末20への通知を契機に、データ管理サーバ200は、エンドユーザが支払う料金および造型物の配送日を注文データとし、その内容で注文内容DB210の対応レコードを更新する(S708)。
【0121】
また、データ管理サーバ200は、上述のS708の注文内容DBにおける注文データの更新後、当該注文データを注文内容DB210より取得し、出力代行会社端末40へ送信する(S710)。こうして送信される注文データは、造形物の出力に利用する3Dプリンタデータ、3Dプリンタ45での造形物の出力に利用する素材、3Dプリンタ45の種類、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力回数、当該造型物の配送日、および、出力代行会社に支払う3Dプリンタデータ造型依頼料金が該当する。
【0122】
−−−フロー例5−−−
図16は、データ管理サーバ200が、マッチング処理による注文データの確定を経て、出力代行会社端末40へ3Dプリンタデータを送信した場合の、出力代行会社端末40における造形物の出力処理を示すフローである。これにより、出力代行会社は、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力が可能となる。
【0123】
ここでのデータ管理サーバ200の処理は、注文内容(3Dプリンタデータや秘密鍵含む)を出力代行会社端末40へ送信するのみである。3Dプリンタデータに基づく造形物の出力処理は、出力代行会社端末40とこれに接続された3Dプリンタ45とで行う処理となる。以下、処理ステップを説明する。
【0124】
まず、出力代行会社端末40は、上述のS710でデータ管理サーバ200より送信された注文データを受信し、当該注文データから3Dプリンタデータおよびこれを復号化する秘密鍵808を取得する(S801)。
【0125】
上述の3Dプリンタデータは、データ提供者端末30からデータ管理サーバ200へ登録がなされる際(S303)、データ管理サーバ200にて所定の鍵(例:公開鍵)で暗号化された状態、すなわち暗号化された3Dプリンタデータである。暗号化された3Dプリンタデータは、その復号化にあたって秘密鍵808が必要である。
【0126】
上述のS801より注文データを受信して必要なデータを取得後、出力代行会社端末40は、3Dプリンタデータと秘密鍵808を、通信可能に接続された3Dプリンタ45に送信する(S802)。なお、この3Dプリンタ45は、プリンタメーカから出力代行会社に販売されたものである。
【0127】
出力代行会社端末40が、S802で3Dプリンタデータや秘密鍵808の送信対象とする3Dプリンタ45、すなわちエンドユーザの注文に応じて造形物の出力に利用する3Dプリンタ45の種類は、上述のS801で取得した注文データに登録されている3Dプリンタ45の機種となる。
【0128】
出力代行会社端末40は、上述のS802で3Dプリンタ45へ3Dプリンタデータと秘密鍵808を送信した後、当該3Dプリンタ45のモジュール46に対し、秘密鍵808を用いた3Dプリンタデータの復号化を指示し、当該3Dプリンタデータの復号化を図る(S803)。出力代行会社端末40は、このS803において、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力回数に関する情報も秘密鍵808により復号化し取得するものとする。出力代行会社端末40は、こうして得られた出力回数の情報を、3Dプリンタ45のモジュール46に設定する。
【0129】
続いて、出力代行会社端末40は、復号化した3Dプリンタデータを3Dプリンタ45にスプールし、当該3Dプリンタデータに基づく造形物の出力を3Dプリンタ45で実行させる(S804)。3Dプリンタ45が造型に利用する素材は、上述のS801でデータ管理サーバ200から得ている注文データにて指定されている素材となる。
【0130】
なお、上述の3Dプリンタ45のモジュール46は、当該3Dプリンタ45における造形物の出力制御を行う機能であるから、上述の造形物の出力に伴い、当該3Dプリンタ45での造形物の出力回数をカウントし、このカウント値が、注文データから復号化して設定された出力回数(エンドユーザの希望回数)に到達したか監視している。
【0131】
3Dプリンタ45のモジュール46は、出力回数の監視結果に基づき、上述の造形物の出力回数が希望回数に到達したか判定する(S805)。この判定の結果、出力回数が希望回数に到達した場合(S805:Yes)、モジュール46は、当該3Dプリンタデータの消去処理を実行し(S806)、その旨を出力代行会社端末40に通知する。
【0132】
なお、希望回数に関する情報は、S803によりモジュール46で保持する構成となっているため、3Dプリンタデータに基づく造形物の出力回数が希望回数に達した場合、自動的なデータの消去が可能となる。
【0133】
勿論、出力代行会社端末40がモジュール46に対して、3Dプリンタデータの消去指示を指令する形態を想定してもよい。その場合、モジュール46が上述の監視結果を、出力代行会社端末40に通知し、出力代行会社端末40が、この監視結果に基づいて3Dプリンタデータの消去処理を実行することになる。
【0134】
エンドユーザの希望回数分の造型を実施し、3Dプリンタデータの消去が完了後、出力代行会社端末40は、当該エンドユーザに宛てた当該造型物の配送処理を実行し(S807)、処理を終了する。この配送処理は、出力代行会社端末40が、予め契約済みの輸送事業者のシステムに対し、該当エンドユーザへの当該造形物の配送依頼を電子的に行うものなどが想定できる。
【0135】
−−−フロー例6−−−
図17は、
図11のフローにおけるS405に伴い実行する処理であり、データ管理サーバ200がエンドユーザ端末20に対し、マッチング不成立に関する情報を送信する処理である。以下、処理ステップを説明する。
【0136】
この場合、データ管理サーバ200は、
図12のフローにおけるS502で素材に関してマッチング不成立となった場合、エンドユーザ端末20に対し、所望の造形物の出力に関してエンドユーザが登録した素材は利用できない旨の通知1800(
図18)を送信する(S901)。
【0137】
また同様に、データ管理サーバ200は、
図14のフローにおけるS602で3Dプリンタ45に関してマッチング不成立となった場合、エンドユーザ端末20に対し、所定の造形物の出力に関してエンドユーザが登録した3Dプリンタ45は利用できない旨の通知1900(
図19)を送信する(S901)。
【0138】
また同様に、データ管理サーバ200は、
図15のフローにおけるS704で配送日に関してマッチング不成立となった場合、エンドユーザ端末20に対し、エンドユーザが登録した造型物の配送日までに配送ができない旨の通知2000(
図20)を送信する(S901)。
【0139】
また同様に、データ管理サーバ200は、
図15のフローにおけるS706で料金に関してマッチング不成立となった場合、エンドユーザ端末20に対し、エンドユーザが登録した希望料金では当該造型物の作成ができない旨の通知2100(
図21)を送信する(S901)。
【0140】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0141】
こうした本実施形態によれば、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件を的確に踏まえつつ効率的に実行できる。
【0142】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態のマッチング支援装置において、前記演算装置は、前記代行会社の特定に際し、前記提供者より受け付けて記憶装置で保持する3Dプリンタデータにおいて、前記エンドユーザの条件で既定された造形物の出力に要する3Dプリンタデータの存在を特定するデータ判定処理と、前記データ判定処理により特定された3Dプリンタデータで規定された出力可能素材において、前記エンドユーザの条件で既定された造形物の素材かつ前記代行会社の条件で既定された出力可能素材であるものの存在を特定する素材判定処理と、前記データ判定処理により特定された3Dプリンタデータで規定された出力可能プリンタにおいて、前記エンドユーザの条件で既定された3Dプリンタかつ前記代行会社の条件で規定された出力可能プリンタであるものの存在を特定するプリンタ判定処理と、前記代行会社の条件のうち造形料金の規定および前記提供者の条件のうちデータ利用料金の規定に基づき、前記エンドユーザの条件で規定された造形物に関して、前記データ判定処理で特定した3Dプリンタデータを用いて前記プリンタ判定処理で特定した3Dプリンタによって造形を行う際の料金を算定して、当該料金が、前記エンドユーザの条件で規定された許容コストを下回る代行会社の存在を特定するコスト判定処理と、をそれぞれ実行し、前記コスト判定処理により最終的に代行会社を特定するものである、としてもよい。
【0143】
これによれば、エンドユーザが指定する条件である、造形物の素材、3Dプリンタ、料金、に関してマッチする内容での注文が可能な代行会社を特定し、これをエンドユーザに提示することができる。ひいては、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件を更に的確に踏まえつつ効率的に実行できる。
【0144】
また、本実施形態のマッチング支援装置において、前記演算装置は、前記代行会社の特定に際し、前記エンドユーザの条件で既定された造形物の希望出力回数と、前記代行会社の条件で既定された作業時間とに基づき、前記素材判定処理で特定された出力可能素材を用いて、前記プリンタ判定処理で特定された出力可能プリンタによって、該当造形物を出力して前記エンドユーザに提供する納期を算定して、当該納期が、前記エンドユーザの条件で既定された造形物受領時期より前となる代行会社の存在を特定する納期判定処理を更に実行し、前記納期が前記造形物受領時期より前となる代行会社のうち、前記料金が、前記エンドユーザの条件で規定された許容コストを下回る代行会社を最終的に特定するものである、としてもよい。
【0145】
これによれば、エンドユーザが指定する条件である、造形物の素材、3Dプリンタ、料金、および、納期に関してマッチする内容での注文が可能な代行会社を特定し、これをエンドユーザに提示することができる。ひいては、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件をより一層的確に踏まえつつ効率的に実行できる。
【0146】
また、本実施形態のマッチング支援装置において、前記演算装置は、前記データ判定処理、前記素材判定処理、前記プリンタ判定処理、前記コスト判定処理、および、前記納期判定処理、のいずれかで対応する存在を特定出来なかった場合、前記エンドユーザの端末に宛ててマッチング失敗の通知を出力する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0147】
これによれば、エンドユーザが指定する条件にマッチする内容での注文は不可である旨を迅速に通知し、エンドユーザにおける無駄な作業や待機時間を回避できる。ひいては、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件を的確に踏まえつつ更に効率的に実行できる。
【0148】
また、本実施形態のマッチング支援装置において、前記演算装置は前記データ判定処理、前記素材判定処理、前記プリンタ判定処理、前記コスト判定処理、および、前記納期判定処理、を経て、前記エンドユーザが所望する造形物の出力に要する、3Dプリンタデータ、素材、3Dプリンタ、料金、納期、および、代行会社が特定された場合、当該特定された内容を、前記エンドユーザによる注文情報として確定し、記憶装置に格納する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0149】
これによれば、エンドユーザが指定する条件である、造形物の素材、3Dプリンタ、料金、および、納期、に関してマッチする内容での注文を確定させ、これをエンドユーザに提示し、また管理することができる。ひいては、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件を的確に踏まえつつ効率的に実行できる。
【0150】
また、本実施形態のマッチング支援装置において、前記演算装置は、所定装置を介して前記提供者より3Dプリンタデータを受け付け、当該3Dプリンタデータに対する暗号化処理を実行し、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータを記憶装置に格納する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0151】
これによれば、3Dプリンタデータの提供者から得た3Dプリンタデータをセキュアに管理することが可能となり、また、これを注文情報の確定に伴って該当代行会社にセキュアに配信可能となる。当該提供者からすれば、自身が提供した3Dプリンタデータの流出懸念の抑制につながるため、3Dプリンタデータ提供が促進され、エンドユーザが所望し代行会社が利用可能な3Dプリンタデータのバリエーションも拡大することとなる。ひいては、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件を的確に踏まえつつ効率的に実行できる。
【0152】
また、本実施形態のマッチング支援装置において、前記演算装置は、前記注文情報の確定に伴って、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータ、および、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータを復号化するための秘密鍵を、前記注文情報と紐付けて、当該代行会社の端末に宛てて送信する処理を更に実行する、としてもよい。
【0153】
これによれば、3Dプリンタデータの提供者から得た3Dプリンタデータを、注文情報の確定に伴って該当代行会社にセキュアに配信可能となる。当該提供者からすれば、自身が提供した3Dプリンタデータの流出懸念の抑制につながるため、3Dプリンタデータ提供が促進され、エンドユーザが所望し代行会社が利用可能な3Dプリンタデータのバリエーションも拡大することとなる。ひいては、3Dプリンタによる造形物の出力事業に絡む関係者間のマッチングを、関係者間の各条件を的確に踏まえつつ効率的に実行できる。
【0154】
また、本実施形態のマッチング支援システムにおいて、暗号化された3Dプリンタデータを、秘密鍵を用いて復号化して造型可能な状態にし、指定された出力回数分の造型を行った後、当該3Dプリンタデータを消去するモジュールを格納した記憶装置と、前記代行会社で使用される3Dプリンタに宛てて前記モジュールを配信する演算装置と、を備えたモジュール提供装置と、前記モジュール提供装置から配信された前記モジュールを格納する記憶装置と、前記代行会社の特定に伴って確定される前記エンドユーザの造形物出力に関する注文情報と、当該代行会社での造形物出力に用いられる暗号化処理がなされた3Dプリンタデータ、および、前記暗号化処理がなされた3Dプリンタデータを復号化するための秘密鍵とを、前記マッチング支援装置から前記代行会社の端末を介して取得した場合、前記モジュールを呼び出して実行して、前記暗号化された3Dプリンタデータを前記秘密鍵を用いて復号化して造型可能な状態にし、前記注文情報で指定された出力回数分の造型を行った後、当該3Dプリンタデータを消去する演算装置と、を備えた3Dプリンタと、を更に含むとしてもよい。