(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記包装物は、前記第2の固定部に固定された前記挿入部先端部における前記ライトガイドの前記出射口から出射された前記光を前記受光面において受光できるように前記受光部を篏合する第3の嵌合部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡用検査システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡検査装置の電気的な構成を示すブロック図であり、
図2は、第1の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡との電気的な接続状態を示したブロック図である。
【0017】
また、
図3は、第1の実施形態の内視鏡検査装置における検査装置本体、電気コネクタ部、光出射部および受光部の概略構成を示した図であり、
図4は、第1の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡と、を示した図である。
【0018】
<内視鏡2の概略構成>
まず、本第1の実施形態の内視鏡検査装置を説明する前に、当該内視鏡検査装置の検査対象となる内視鏡2の構成について
図2、
図4等を参照してその概略を説明する。
【0019】
当該内視鏡2は、被検体の体腔内等に挿入される細長の挿入部131と、挿入部131の基端側に配設され術者が把持して操作を行う内視鏡操作部161と、内視鏡操作部161の側部から延出するように一方の端部が設けられたユニバーサルコード160と、ユニバーサルコード160の基端側に配設され、図示しない光源装置またはビデオプロセッサの前面に着脱自在に接続される内視鏡側電気コネクタ部150と、を有して構成されている。
【0020】
挿入部131は、先端側に設けられた硬質の挿入部先端部130の他、挿入部先端部130の後端に設けられた湾曲自在の湾曲部136、当該湾曲部136の後端に設けられた長尺かつ可撓性を有する可撓管部137等を有して構成されている。
【0021】
本実施形態においては、前記内視鏡挿入部先端部130には、被写体像を入光するレンズを含む対物光学系(図示せず)と、当該対物光学系における結像面に配置された撮像素子を含む撮像部155と、が配設される。
【0022】
なお、本第1の実施形態に係る内視鏡検査装置は、内視鏡2における当該「撮像部」に係る故障状況を容易に検査可能とする検査装置に係るものであるが、本願発明の実施形態を説明する本明細書において「撮像部に係る故障状況」には、「撮像素子に係る故障状況」を含むことは勿論、撮像素子を駆動する回路部分、または、撮像素子に至るまでの電気的な配線を含む回路部分に係る故障状況を含むものとする。
【0023】
また、内視鏡挿入部先端部130の先端面には、被写体に対して照明光を照射する照明部を構成するライトガイド出射口134が形成されている。
【0024】
前記ユニバーサルコード160の基端側には内視鏡側電気コネクタ部150が配設されている。本実施形態においては、当該内視鏡側電気コネクタ部150は、ライトガイドと電気接点とが一体に構成されるタイプのコネクタが採用され、図示しない光源装置またはビデオプロセッサの前面に着脱自在に接続されるようになっている。
【0025】
なお、本第1の実施形態においては上述の如く、内視鏡側電気コネクタ部150として、ライトガイドと電気接点とが一体に構成されるタイプのコネクタを採用するものとしたが、内視鏡側電気コネクタ部150の構成はこれに限らず、いわゆるライトガイドコネクタとビデオコネクタとが2股に分岐するタイプのコネクタ形式等、他の形式のコネクタを採用してもよい。
【0026】
具体的に本実施形態における内視鏡側電気コネクタ部150は、当該内視鏡側電気コネクタ部150の先端から突出する流体管路の接続端部となる口金(図示せず)と、照明光の供給端部となるライトガイド口金であるライトガイド入射口133とが形成される。
【0027】
また、内視鏡側電気コネクタ部150には、本第1の実施形態においては、ワイヤレス受電部151および内視鏡側通信コネクタ152が形成されている。
【0028】
なお、本第1の実施形態においては、内視鏡側電気コネクタ部150には、上述の如くワイヤレス受電部151と内視鏡側通信コネクタ152とを形成するものとしたが、電源の供給手段および所定信号の通信手段については、他の形式であってもよく、また、例えば、電源の供給手段と所定信号の通信手段とを共通する1種のコネクタ機構により構成されるものであってもよい。
【0029】
前記ワイヤレス受電部151は、内視鏡2がビデオプロセッサ等に接続された際に、ビデオプロセッサ等に配設されたワイヤレス送電部と協同して内視鏡2を稼働させるための電源供給口となる。
【0030】
また本実施形態においてワイヤレス受電部151は、当該内視鏡2を検査する際において、検査装置本体10側からの電源供給を受ける供給口となる。例えば、ワイヤレス受電部151において供給された所定の電源電圧は、公知の電源ラインにより前記撮像部155にも供給されるようになっている。
【0031】
前記内視鏡側通信コネクタ152は、同様に、内視鏡2がビデオプロセッサ等に接続された際に、内視鏡2に対して所定の信号を送受信するための通信手段となる。
【0032】
また本実施形態において内視鏡側通信コネクタ152は、当該内視鏡2を検査する際において、検査装置本体10側からの所定の信号を受信する受信部となると共に、撮像部155に係る状態を示す応答信号の送信部としての機能も果たすようになっている。
【0033】
<内視鏡検査装置の構成>
以下、本第1の実施形態の内視鏡検査装置について説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡検査装置の電気的な構成を示すブロック図であり、
図2は、第1の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡との電気的な接続状態を示したブロック図である。また、
図3は、第1の実施形態の内視鏡検査装置における検査装置本体、電気コネクタ部、光出射部および受光部の概略構成を示した図である。
【0035】
図1、
図3に示すように、本第1の実施形態の内視鏡検査装置は、検査装置本体10と、検査装置本体10から延設された装置側電気コネクタ部50、電気ケーブル53、光ファイバ32、光出射部33、受光部34、導光路35のほか、検査装置本体10に電源を供給するためのACプラグ41等により構成されている。
【0036】
なお、本第1の実施形態においては、検査装置本体10に供給する電源は、ACプラグ41等を介しての商用電源であるとしたが、これに限らず、検査装置本体10に所定のバッテリを搭載し、当該バッテリから所定の電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0037】
検査装置本体10は、内視鏡検査に係る各種回路部を配設する基板部20と、当該基板部20内の各回路および検査対象の内視鏡2に対して供給する電源を生成する電源部40とを備える。
【0038】
<検査装置本体10における電源部40の概略構成>
検査装置本体10は、前記基板部20における各回路および、検査対象である内視鏡2における撮像部155等に対して電源を供給するための電源部40を備える。
【0039】
電源部40にはACパワーコード42が接続され、ACパワーコード42の先端部にはACプラグ41が配設され、商用電源からの一次電源の供給を受けるようになっている。なお、本実施形態においては、ACパワーコード42は検査装置本体10に配設された接続コネクタ42a、42bにより着脱自在に構成されるようになっている。
【0040】
一方、電源部40は、基板部20における各回路に対して供給する所定の直流電源電圧、および、検査対象である内視鏡2における撮像部155等に対して供給する所定の直流電源電圧を生成し、それぞれの回路に対して出力する。なお、内視鏡2に向けての直流電源出力は、基板部20内を経由して後述する電気ケーブル53内の電源線53bに接続されるようになっている。
【0041】
<検査装置本体10における基板部20の概略構成>
図1等に示すように基板部20は、それぞれの機能を有する機能部を構成し、すなわち、検査対象の内視鏡2との間で所定信号を送受可能とする送受信部21と、内視鏡2に対して送信する駆動信号を生成する信号生成部22と、内視鏡2からの応答信号を受信可能とする応答信号受信部23と、内視鏡2における撮像部155に係る状態の良否を判断する第1判断部24と、前記駆動信号に係る情報を記憶した記憶部25と、第1判断部24における判断結果に基づいて所定の情報を報知する報知部26と、を主に備える。
【0042】
これら第1判断部24等の各機能部は、主として検査対象である内視鏡2における撮像部155の検査を行う役目を果たす。
【0043】
また基板部20は、内視鏡2に供給するための検査光を発生する光源部31と、当該検査光を伝送する光ファイバ32と、内視鏡2から送られた検査光を伝送する導光路35と、当該検査光を所定の電気信号に変換して出力する光センサ部36と、内視鏡2におけるライトガイドに係る状態の良否を判断する第2判断部37と、を備える。
【0044】
これら第2判断部37等の各機能部は、主として検査対象である内視鏡2における照明光学系の検査を行う役目を果たす。
【0045】
さらに基板部20は、上述した各機能部(
図1中、符号20aで示す部分)を制御するための制御部27を備える。制御部27は、図示しない操作に応じて各機能部20aにおける各回路の動作を制御する。
【0046】
<基板部20の詳細構成>
以下、基板部20における上述した各機能部の詳細構成を、検査装置本体10から延設された装置側電気コネクタ部50、光出射部33および受光部34等と共に、詳しく説明する。
【0047】
基板部20は、上述したように、検査対象である内視鏡2における撮像部155の検査を行う撮像部検査機能部として、送受信部21、信号生成部22、応答信号受信部23、第1判断部24、記憶部25および報知部26を備える。
【0048】
記憶部25は、検査対象となる内視鏡の種別に応じた駆動信号に係る情報を記憶する。この駆動信号は、内視鏡2がブリスターパック3に内包されている状態で当該検査装置本体10に接続された際において、当該内視鏡2における撮像部155を駆動させるための信号である。
【0049】
なお当該記憶部25は、一方で、内視鏡の種別に応じた基準応答信号のパターン情報をさらに記憶するようになっている(この点については、後述する)。
【0050】
信号生成部22は、記憶部25および送受信部21に接続され、制御部27の制御下に記憶部25に記憶された前記情報に基づいて、検査装置本体10に接続された検査対象である内視鏡2の種別に応じた駆動信号を生成し、後段の送受信部21に向けて出力するようになっている。
【0051】
当該信号生成部22において生成された当該駆動信号は、制御部27の制御下に、当該送受信部21、装置側通信コネクタ52および後述する内視鏡側通信コネクタ152等を介して内視鏡2に向けて送信されるようになっている。
【0052】
送受信部21は、信号生成部22および応答信号受信部23と接続され、制御部27の制御下に、信号生成部22において生成された駆動信号を内視鏡2に向けて送信すると共に、内視鏡2からの応答信号を受信する機能を有する。
【0053】
ここで、送受信部21は、検査対象の内視鏡2との間で所定信号を送受可能とする通信部の一部を構成する。この所定信号は、前記駆動信号および後述する応答信号である。なお、当該通信部に関しては、後述する装置側電気コネクタ部50における装置側通信コネクタ52も当該通信部の一部を構成する。
【0054】
また送受信部21からは通信線53aが延出され、通信線53aの他端は、後述する装置側電気コネクタ部50における装置側通信コネクタ52に接続される。一方、検査装置本体10からは電気ケーブル53が延設され、前記通信線53aは前記電源線53bと共に当該電気ケーブル53に内設される。
【0055】
そして送受信部21は、装置側通信コネクタ52を配設する装置側電気コネクタ部50が内視鏡2に対して電気的に接続された際、制御部27の制御下に、通信線53a、装置側通信コネクタ52および内視鏡側通信コネクタ152を介して、信号生成部22において生成した駆動信号を内視鏡2側に送信する。
【0056】
ここで上述したように、内視鏡検査時において検査装置本体10に接続された内視鏡2には、信号生成部22において生成された駆動信号が入力され前記撮像部155が駆動されることとなる。一方、内視鏡2からは、当該駆動信号によって駆動された前記撮像部155の動作に応じた応答信号が出力されることとなる。
【0057】
応答信号受信部23は、上述したように前記通信部(内視鏡側通信コネクタ152、装置側通信コネクタ52、通信線53a、送受信部21等)を介して、制御部27の制御下に、内視鏡2からの応答信号を受信可能とする。
【0058】
すなわち本実施形態において応答信号受信部23は、内視鏡2の検査時において、制御部27の制御下に、当該内視鏡2から出力される前記応答信号を上述した装置側通信コネクタ52、通信線53a、送受信部21を介して受信し、後段の第1判断部24に向けて出力するようになっている。
【0059】
第1判断部24は、制御部27の制御下に、応答信号受信部23において受信した前記応答信号に基づいて、当該内視鏡における前記撮像部155に係る状態の良否を判断する。例えば第1判断部24は、内視鏡2の撮像部155が取得した画像情報に係る応答信号から得られる、「カラーチャート情報」、「白傷情報」、「ノイズ情報」、「撮像素子自体の故障の有無情報」に基づいて、当該撮像部155に係る状態の良否を判断する。
【0060】
また本実施形態においては、この良否判断の際に、記憶部25に記憶された前記「基準応答信号のパターン情報」を参照して当該応答信号を検査する。
【0061】
一方、報知部26は、前記第1判断部24における判断結果に基づいて、撮像部155に何らかの支障がある場合は、所定の警告情報、例えば警告音、警告メッセージ、表示部の明滅等により状態を告知する。
【0062】
<電気ケーブル53の構成>
上述したように、検査装置本体10からは電気ケーブル53が延設される(
図1、
図3等参照)。また電気ケーブル53は、
図1等に示すように、前記通信線53aおよび前記電源線53bを内設する。
【0063】
通信線53aは、一端が送受信部21に接続され、他端は装置側電気コネクタ部50における装置側通信コネクタ52に接続される。また、電源線53bは、一端が基板部20を経由して電源部40の出力部に接続され、他端は装置側電気コネクタ部50における電源供給コネクタ51に接続される。
【0064】
<装置側電気コネクタ部50の構成>
図1、
図2等に示すように、装置側電気コネクタ部50は、検査装置本体10から延設された電気ケーブル53の先端部に配設され、検査対象の内視鏡2を包装するブリスターパック3(詳しくは後述する)における第1篏合部111に嵌合する形状を呈する(第1篏合部111については後に詳述する)。
【0065】
また、装置側電気コネクタ部50は、当該内視鏡2に対して電源を供給するためのワイヤレス送電部51および内視鏡2と所定の信号を送受信するための装置側通信コネクタ52を内設する。
【0066】
ワイヤレス送電部51は、ワイヤレス送電コイルとコイル駆動部とを備える。前記コイル駆動部は、電気ケーブル53に内設された電源線53bを経由して電源部40から出力される直流電源電圧を所定の交番電圧に変換して前記ワイヤレス送電コイルに印加し、当該ワイヤレス送電コイルは、これにより所定の電源エネルギーを送電するようになっている。
【0067】
すなわち、ワイヤレス送電部51は、内視鏡2の撮像部検査時において当該装置側電気コネクタ部50がブリスターパック3における第1篏合部111に嵌合して配置された際、ワイヤレス受電部151に対向した位置に配置され、公知の電磁誘導によりワイヤレス受電部151に対して所定の電気エネルギーを給電するようになっている。
【0068】
一方、装置側通信コネクタ52は、電気ケーブル53に内設された通信線53aに接続された装置側通信コネクタ端子52a、52bを備える。これら装置側通信コネクタ端子52a、52bは、本実施形態においては、端子部が露出して形成されている。
【0069】
装置側通信コネクタ端子52a、52bは、内視鏡2の撮像部検査時において当該装置側電気コネクタ部50がブリスターパック3における第1篏合部111に嵌合して配置された際、ブリスターパック3に形成された露出導通部125(
図4、
図5等参照)を介して、内視鏡側通信コネクタ152に配設される内視鏡側通信コネクタ端子152a、152bにそれぞれ電気的に接続されるようなっている。
【0070】
すなわち、上述したように、ブリスターパック3には、内視鏡側通信コネクタ端子152a、152bとブリスターパック3の外部とを、内包する内視鏡2の清潔状態を保ちながら電気的に導通する露出導通部125(
図4等参照)が形成されている。
【0071】
この露出導通部125は、一方で、装置側電気コネクタ部50が第1篏合部111に嵌合して配置された際(
図5参照)、装置側電気コネクタ部50における前記装置側通信コネクタ52にも電気的に接続するようになっている。これにより、装置側通信コネクタ端子52a、52bと、内視鏡側通信コネクタ端子152a、152bとが電気的に接続されるようになっている。
【0072】
<基板部20における照明光学系検査部>
基板部20は、上述した撮像部検査機能部の他、検査対象である内視鏡2における照明光学系等の検査を行う機能部として、光源部31、光ファイバ32、導光路35、光センサ部36、第2判断部37に加え前記報知部26等を備える。以下、光出射部33および受光部34等と共に説明する。
【0073】
光源部31は、内視鏡2における照明光学系を検査するための検査光を生成する。この検査光は、本実施形態においては、内視鏡2を検査するために十分な光に設定されるようになっている。
【0074】
また、光ファイバ32は、光源部31の出力端に接続されるとともに検査装置本体10から延出して配設され、光源部31において生成した前記検査光を伝送する。また、光ファイバ32の先端には光出射部33が配設される。
【0075】
光出射部33は、検査装置本体10から延設された光ファイバ32の先端部に設けられ、ブリスターパック3における第2篏合部112に嵌合する形状を呈する(第2篏合部112については後に詳述する)。なお、前記ブリスターパック3は、内視鏡2における所定部位を包装する包装物としての機能を果たすが、詳しくは後述する。
【0076】
また、光出射部33の先端面には光出射口33aが形成されており、光源部31から光ファイバ32を介して伝送された検査光を、ブリスターパック3に内包された内視鏡2におけるライトガイド入射口133に対して出射するようになっている。
【0077】
受光部34は、検査装置本体10から延設された導光路35の先端部に設けられ、前記ブリスターパック3における第3篏合部113に嵌合する形状を呈する(第3篏合部113については後に詳述する)。
【0078】
また、受光部34の先端面には受光面34aが形成されており、ブリスターパック3に内包された内視鏡2におけるライトガイド出射口134から出射される検査応答光を受光するようになっている。
【0079】
導光路35は、検査装置本体10から延出して配設され、一端には前記受光部34が形成され、他端には光センサ部36に接続されている。そして導光路35は、受光部34における受光面34aにおいて受光した内視鏡2からの検査応答光を光センサ部36まで伝送する。
【0080】
また、基板部20上の照明光学系検査機能部における光センサ部36は、導光路35を伝送された内視鏡2からの検査応答光を受光し、当該光を所定の電気信号に変換して出力する。
【0081】
さらに第2判断部37は、前記光センサ部36からの前記電気信号を受信し、当該電気信号に基づいて、検査対象である内視鏡2におけるライトガイド等の照明光学系に係る状態の良否を判断する。
【0082】
前記報知部26は、第1判断部24に係る判断結果に基づいて所定の情報を報知すると共に、前記第2判断部37における判断結果に基づいて所定の情報を報知する機能を有する。
【0083】
<ブリスターパック3の構成>
本実施形態の内視鏡検査装置は、上述したように、内視鏡2の検査、特に撮像部に係る状態の良否を判断するものであるが、当該内視鏡2の検査は、いわゆるブリスターパック3に包装された状態において検査することを特徴とする。
【0084】
本実施形態の内視鏡検査装置において適用する内視鏡2を包装するブリスターパック3は、
図2、
図4に示すように、内視鏡2の所定部位、例えば、内視鏡側電気コネクタ部150、ユニバーサルコード160、内視鏡操作部161、内視鏡挿入部131(内視鏡挿入部先端部130、湾曲部136、可撓管部137)等を包装する包装物である。
【0085】
すなわち、本実施形態において適用するブリスターパック3は、所定の内視鏡2における各所定部位の大きさ・形状に応じた包装部が形成された、いわゆる当該内視鏡2専用の包装物である。
【0086】
一方、
図4に示すように、当該ブリスターパック3は、包装した内視鏡2における内視鏡側電気コネクタ部150を的確に固定するための第1の固定部121と、前記内視鏡挿入部先端部130および湾曲部136を固定する第2の固定部122が形成されている。
【0087】
また、前記ブリスターパック3は、前記第1の固定部121により固定された内視鏡側電気コネクタ部150におけるワイヤレス受電部151と前記装置側電気コネクタ部50におけるワイヤレス送電部51とが、確実に対向した位置に配置されるように、かつ、内視鏡側電気コネクタ部150における内視鏡側通信コネクタ端子152a、152bと、前記装置側電気コネクタ部50における装置側通信コネクタ端子52a、52bとが、露出導通部125を介して確実に電気的に接続されるように当該装置側電気コネクタ部50を嵌合する第1嵌合部111を備える。
【0088】
さらに、前記ブリスターパック3は、前記第1の固定部121により固定された内視鏡側電気コネクタ部150におけるライトガイド入射口133に対して、前記光出射部33から出射される検査光が入射されるように当該光出射部33を嵌合する第2嵌合部112を備える。
【0089】
さらに、前記ブリスターパック3は、前記第2の固定部122により固定された内視鏡挿入部先端部130における前記ライトガイド出射口134から出射された前記検査応答光を前記受光部34における受光面34aにおいて確実に受光できるように当該受光部34を篏合する第3嵌合部113を備える。
【0090】
<内視鏡検査装置による内視鏡の検査>
次に、上述の如き構成をなす本実施形態の内視鏡検査装置を用いて、ブリスターパック3に包装された内視鏡2を検査する際の様子について説明する。
【0091】
図2は、第1の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡との電気的な接続状態を示したブロック図である。また、
図4は、第1の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡と、を示した図であり、
図5は、第1の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡とが接続された状態を示した図である。
【0092】
上述した
図2、
図4および
図5に示すように、ブリスターパック3に包装された内視鏡2を検査する際には、いずれも検査装置本体10から延設された、装置側電気コネクタ部50、光ファイバ32(光出射部33、光出射口33a)および導光路35(受光部34、受光面34a)を、それぞれ、ブリスターパック3に形成された、第1篏合部111、第2篏合部112、第3篏合部113に嵌合するように接続する。
【0093】
前記装置側電気コネクタ部50は、前記第1篏合部111に嵌合された際、その内部に配設されたワイヤレス送電部51および装置側通信コネクタ52が、それぞれ、内視鏡側電気コネクタ部150におけるワイヤレス受電部151、内視鏡側通信コネクタ152に近接する。
【0094】
ワイヤレス受電部151に近接したワイヤレス送電部51は、内接するコイル駆動部において、電源線53bを経由して電源部40から送られた直流電源電圧を所定の交番電圧に変換してワイヤレス送電コイルに印加する。当該ワイヤレス送電コイルは、これにより所定の電源エネルギーをワイヤレス受電部151に向けて送電する。
【0095】
すなわち、ワイヤレス送電部51は、内視鏡2の撮像部検査時において当該装置側電気コネクタ部50がブリスターパック3における第1篏合部111に嵌合して配置された際、ワイヤレス受電部151に対向した位置に配置され、公知の電磁誘導によりワイヤレス受電部151に対して所定の電気エネルギーを給電する。
【0096】
一方、装置側通信コネクタ52は、電気ケーブル53に内設された通信線53aに接続された装置側通信コネクタ端子52a、52bは、ブリスターパック3に形成された露出導通部125(
図4、
図5等参照)を介して、内視鏡側通信コネクタ152に配設される内視鏡側通信コネクタ端子152a、152bにそれぞれ電気的に接続される。
【0097】
また、光ファイバ32の先端部に形成された光出射部33は、前記第2篏合部112に嵌合された際、その光出射口33aが、内視鏡側電気コネクタ部150におけるライトガイド入射口133に対向するように配置される。
【0098】
さらに、導光路35の先端部に形成された受光部34は、その受光面34aがライトガイド出射口134に対向するように配置される。
【0099】
以上のように、ブリスターパック3における第1篏合部111、第2篏合部112および第3篏合部113に、それぞれ装置側電気コネクタ部50、光出射部33、受光部34が嵌合された後、図示しない操作手段により検査装置本体10における電源部40から基板部20における各回路に電源が供給されると共に、電気ケーブル53における電源線53b、ワイヤレス送電部51、ワイヤレス受電部151を介して内視鏡2における撮像部155を含む各回路に対して電源が供給される。
【0100】
一方、検査装置本体10における信号生成部22は、制御部27の制御下に、記憶部25に記憶された情報に基づいて当該内視鏡2の種別に応じた駆動信号を生成し、出力する。この駆動信号は送受信部21から出力され、通信線53aを経由して、装置側通信コネクタ52に接続された内視鏡側通信コネクタ152から撮像部155に対して送信される。
【0101】
内視鏡2は、前記駆動信号により駆動された撮像部155の動作に応じた応答信号を検査装置本体10側に向けて送出する。
【0102】
そして検査装置本体10における応答信号受信部23は、上述したように前記通信部(内視鏡側通信コネクタ152、装置側通信コネクタ52、通信線53a、送受信部21等)を介して、制御部27の制御下に、内視鏡2からの応答信号を受信する。
【0103】
その後応答信号受信部23は、送受信部21を介して受信した当該応答信号を後段の第1判断部24に向けて出力する。
【0104】
第1判断部24は、上述したように、制御部27の制御下に、応答信号受信部23において受信した前記応答信号に基づいて、当該内視鏡における前記撮像部155に係る状態の良否を判断する。例えば第1判断部24は、内視鏡2の撮像部155が取得した画像情報に係る応答信号から得られる、「カラーチャート情報」、「白傷情報」、「ノイズ情報」、「撮像素子自体の故障の有無情報」に基づいて、当該撮像部155に係る状態の良否を判断する。
【0105】
なお上述したように本実施形態においては、この良否判断の際に、記憶部25に記憶された前記「基準応答信号のパターン情報」を参照して当該応答信号を検査する。
【0106】
一方、報知部26は、前記第1判断部24における判断結果に基づいて、撮像部155に何らかの支障がある場合は、所定の警告情報、例えば警告音、警告メッセージ、表示部の明滅等により状態を告知する。
【0107】
以上説明したように、本第1の実施形態の内視鏡検査装置によると、内視鏡における撮像部に係る故障状況を容易に検査することができる。
【0108】
<第1変形例>
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について説明する。
【0109】
第1変形例の内視鏡検査装置は、主たる構成は第1の実施形態と同様であり、検査装置本体10における装置側電気コネクタ部が係合する第1篏合部の形状を異にするブリスターパック3Aについても対応可能とすることを特徴とする。したがって、ここでは第1の実施形態との差異のみの説明にとどめ、共通する部分の説明については省略する。
【0110】
図6は、本発明の第1の変形例の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡とが接続された状態を示した図である。
【0111】
図6に示すように、第1変形例の内視鏡検査装置に対応するブリスターパック3Aは、上述したブリスターパック3における第1篏合部111とは形状の異なる第1篏合部111Aが形成される。すなわち、検査装置本体10から延設した装置側電気コネクタ部50Aを
図6中紙面上方から挿入可能とする第1篏合部111Aを形成する。
【0112】
その他の構成、作用効果については第1の実施形態と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0113】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0114】
図7は、本発明の第2の実施形態の内視鏡検査装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0115】
第2の実施形態の内視鏡検査装置201は、第1の実施形態における検査装置本体10に対して、照明光学系検査部を省き、撮像部の検査部に特化した構成を有することを特徴とする。したがって、ここでは第1の実施形態との差異のみの説明にとどめ、共通する部分の説明については省略する。
【0116】
図7に示すように、第2の実施形態の内視鏡検査装置は、検査装置本体210と、検査装置本体210から延設された装置側電気コネクタ部50、電気ケーブル53の他、検査装置本体210に電源を供給するためのACプラグ41等により構成されている。
【0117】
一方で第2の実施形態の内視鏡検査装置は、第1の実施形態の内視鏡検査装置においては設けられていた光ファイバ32、光出射部33、受光部34、導光路35等については、省かれている。
【0118】
併せて第2の実施形態は、検査装置本体210における基板部220において、検査対象である内視鏡2における撮像部155の検査を行う撮像部検査機能部として、第1の実施形態と同様の、送受信部21、信号生成部22、応答信号受信部23、第1判断部24、記憶部25および報知部26を備える一方で、照明光学系検査部に係る回路部については省略されている。
【0119】
本第2の実施形態の内視鏡検査装置は、第1の実施形態に比して、内視鏡2における照明光学系に係る検査は実行できないものの、内視鏡2における撮像部に係る検査については第1の実施形態と同様の検査機能を有する。
【0120】
以上説明したように、本第2の実施形態の内視鏡検査装置によっても、第1の実施形態と同様に、内視鏡における撮像部に係る故障状況を容易に検査することができる。
【0121】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0122】
図8は、本発明の第3の実施形態の内視鏡検査装置の電気的な構成を示すブロック図であり、
図9は、第3の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡との電気的な接続状態を示したブロック図である。
【0123】
第3の実施形態の内視鏡検査装置301は、検査装置本体側から検査対象の内視鏡側に対する駆動信号の送信、および、内視鏡側から検査装置本体側に向けて送信される応答信号について、いずれも無線により送受信することを特徴とする。したがって、ここでは第1の実施形態との差異のみの説明にとどめ、共通する部分の説明については省略する。
【0124】
<内視鏡302の概略構成>
まず、本第3の実施形態の内視鏡検査装置を説明する前に、当該内視鏡検査装置の検査対象となる内視鏡302の構成について
図9を参照して概略を説明する。
【0125】
第3の本実施形態の内視鏡検査装置における検査対象である内視鏡302は、基本的な構成は第1の実施形態の内視鏡検査装置に係る内視鏡2と同等であるが、内視鏡側電気コネクタ部450に、上述したワイヤレス受電部151と同様の機能を有するワイヤレス受電部451の他に、内視鏡側通信コネクタ152に代わる構成部として内視鏡側無線通信部452を備え、検査装置本体310側に配設した無線通信部321との間で所定の信号を無線により送受信するようになっている。
【0126】
すなわち、前記内視鏡側無線通信部452は、内視鏡302を検査する際において、検査装置本体310における無線通信部321からの無線信号を受信する受信部となると共に、撮像部155に係る状態を示す応答信号の送信部としての機能も果たすようになっている。
【0127】
その他の構成は、第1の実施形態と同様であるのでここでの詳しい説明は省略する。
【0128】
<第3の実施形態の内視鏡検査装置の構成>
以下、本第3の実施形態の内視鏡検査装置について説明する。
【0129】
上述したように、
図8は、本発明の第3の実施形態の内視鏡検査装置の電気的な構成を示すブロック図であり、
図9は、第3の実施形態の内視鏡検査装置と、ブリスターパックに包装された検査対象である内視鏡との電気的な接続状態を示したブロック図である。
【0130】
図8、
図9に示すように、本第3の実施形態の内視鏡検査装置301は、検査装置本体310と、検査装置本体310から延設された装置側電気コネクタ部350、電気ケーブル353、光ファイバ32、光出射部33、受光部34、導光路35のほか、検査装置本体310に電源を供給するためのACプラグ41等により構成されている。
【0131】
なお、本第3の実施形態においても、検査装置本体310に供給する電源は、ACプラグ41等を介しての商用電源であるとしたが、これに限らず、検査装置本体310に所定のバッテリを搭載し、当該バッテリから所定の電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0132】
検査装置本体310は、第1の実施形態と同様に、内視鏡検査に係る各種回路部を配設する基板部320と、当該基板部320内の各回路および検査対象の内視鏡302に対して供給する電源を生成する電源部40とを備える。
【0133】
<検査装置本体310における基板部320の概略構成>
図8等に示すように基板部320は、それぞれの機能を有する機能部を構成し、すなわち、検査対象の内視鏡302との間で所定信号を送受可能とする無線通信部321と、内視鏡302に対して送信する駆動信号を生成する信号生成部22と、内視鏡302からの応答信号を受信可能とする応答信号受信部23と、内視鏡302における撮像部155に係る状態の良否を判断する第1判断部24と、前記駆動信号に係る情報を記憶した記憶部25と、第1判断部24における判断結果に基づいて所定の情報を報知する報知部26と、を主に備える。
【0134】
これら第1判断部24等の各機能部は、第1の実施形態と同様に、主として検査対象である内視鏡302における撮像部155の検査を行う役目を果たす。
【0135】
また基板部320は、第1の実施形態と同様に、内視鏡302に供給するための検査光を発生する光源部31と、当該検査光を伝送する光ファイバ32と、内視鏡2から送られた検査光を伝送する導光路35と、当該検査光を所定の電気信号に変換して出力する光センサ部36と、内視鏡2におけるライトガイドに係る状態の良否を判断する第2判断部37と、を備える。
【0136】
これら第2判断部37等の各機能部は、第1の実施形態と同様に、主として検査対象である内視鏡302における照明光学系の検査を行う役目を果たす。
【0137】
さらに基板部320は、上述した各機能部(
図1中、符号20aで示す部分)を制御するための制御部27を備える。制御部27は、図示しない操作に応じて各機能部20aにおける各回路の動作を制御する。
【0138】
<基板部320の詳細構成>
基板部320は、上述したように、検査対象である内視鏡302における撮像部155の検査を行う撮像部検査機能部として、無線通信部321、信号生成部22、応答信号受信部23、第1判断部24、記憶部25および報知部26を備える。
【0139】
記憶部25および信号生成部22の構成については第1の実施形態と同様であるが、第3の実施形態においては、当該信号生成部22において生成された当該駆動信号は、制御部27の制御下に、無線通信部321および内視鏡側無線通信部452を介して内視鏡302に向けて送信されるようになっている。
【0140】
無線通信部321は、信号生成部22および応答信号受信部23と接続され、制御部27の制御下に、信号生成部22において生成された駆動信号を内視鏡302における内視鏡側無線通信部452に向けて送信すると共に、当該内視鏡側無線通信部452からの応答信号を受信する機能を有する。
【0141】
一方、検査装置本体310からは電気ケーブル353が延設され電源線353bが内設される。
【0142】
また、応答信号受信部23、第1判断部24、報知部26は、前記第1の実施形態と同様の役目を果たすようになっている。
【0143】
<装置側電気コネクタ部350の構成>
図8、
図9等に示すように、装置側電気コネクタ部350は、検査装置本体310から延設された電気ケーブル353の先端部に配設され、検査対象の内視鏡302を包装するブリスターパック3における第1篏合部111に嵌合する形状を呈する。
【0144】
また、装置側電気コネクタ部350は、当該内視鏡302に対して電源を供給するためのワイヤレス送電部351を内設する。ワイヤレス送電部351は、第1の実施形態におけるワイヤレス送電部51と同様の構成をなすので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0145】
以上説明したように、本第3の実施形態の内視鏡検査装置によっても、第1の実施形態と同様に、内視鏡における撮像部に係る故障状況を容易に検査することができる。
【0146】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能であることは勿論である。
【0147】
本出願は、2017年12月22日に日本国に出願された特願2017−247011号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。