(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960557
(24)【登録日】2021年10月13日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】反応プラスチックの製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 18/42 20060101AFI20211025BHJP
B01F 15/02 20060101ALI20211025BHJP
B01F 5/10 20060101ALI20211025BHJP
B01F 3/10 20060101ALI20211025BHJP
B01F 15/04 20060101ALI20211025BHJP
B01F 3/12 20060101ALI20211025BHJP
B29B 7/88 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
C08G18/42 044
B01F15/02 A
B01F5/10
B01F3/10
B01F15/04 C
B01F3/12
B29B7/88
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2021-510713(P2021-510713)
(86)(22)【出願日】2018年10月31日
(65)【公表番号】特表2021-529247(P2021-529247A)
(43)【公表日】2021年10月28日
(86)【国際出願番号】EP2018079807
(87)【国際公開番号】WO2020048624
(87)【国際公開日】20200312
【審査請求日】2021年3月15日
(31)【優先権主張番号】102018121890.7
(32)【優先日】2018年9月7日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513035760
【氏名又は名称】クラウスマッファイ テクノロジーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KraussMaffei Technologies GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルンナー ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァーク トーマス
【審査官】
関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】
西独国特許出願公開第02914684(DE,A1)
【文献】
米国特許第03765605(US,A)
【文献】
特開2004−001571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00−7/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが第1の混合成分を受け入れて定量的に注出するように設計された第1の定量ユニット(120)と第2の定量ユニット(130)とを備えた第1の定量装置(110)と、
第2の混合成分を受け入れて定量的に注出するように設計された第2の定量装置(140)と、
前記第1の定量装置(110)の前記第1の定量ユニット(120)および/または前記第2の定量ユニット(130)によって注出された前記第1の混合成分と、前記第2の定量装置(140)によって注出された前記第2の混合成分とを受け入れて混合するように設計された混合装置(150)と、
を具備し、
前記混合工程を開始する前に、前記第1の定量ユニット(120)から前記第2の定量ユニット(130)に前記混合装置(150)を介して前記第1の混合成分を導入することで前記第1の混合成分を前記混合工程に必要な圧力、前記混合工程に必要な温度、および/または前記混合工程に必要な粘度とすることができるように、前記第1の定量ユニット(120)および前記第2の定量ユニット(130)が前記混合装置(150)に接続されていることを特徴とする、
反応プラスチックを製造するための装置(100)。
【請求項2】
さらに、
貯蔵容器(165)を有し、前記第1の定量ユニット(120)および/または前記第2の定量ユニット(130)に前記第1の混合成分を選択的に供給するのに適した、注出装置(160)を備え、
前記第1の混合成分は、前記第1の定量ユニット(120)および/または前記第2の定量ユニット(130)に供給された後、前記注出装置(160)に再び導入されることなく、前記混合装置(150)において前記第2の混合成分と混合される、
請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記混合装置(150)は制御手段(155)を有し、当該制御手段は、第1の混合成分と第2の混合成分との混合を阻止し、前記第1の定量ユニット(120)から前記混合装置(150)を介した前記第2の定量ユニット(130)までのラインにおいて当該制御手段に前記第1の混合成分を導入するように設計されており、
前記制御手段(155)は、第1の混合成分と第2の混合成分との混合を可能にし、前記第1の定量ユニット(120)から前記混合装置(150)を介して前記第2の定量ユニット(130)に至る前記混合装置(150)内のラインを当該制御手段で遮断するように設計されている、
請求項1または2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記制御手段(155)は、循環溝を有する制御ピストンを有し、
前記制御ピストンは第1の位置において、前記第1の混合成分および前記第2の混合成分の混合室への進入を可能にし、
前記制御ピストンが第2の位置にある場合に、前記第1の混合成分を、前記循環溝を介して前記第1の定量ユニット(120)から前記第2の定量ユニット(130)へ導入可能である、
請求項3に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記第1の定量ユニット(120)は第1の容器を有し
前記第2の定量ユニット(130)は第2の容器を有し、
前記第1の混合成分が前記混合工程に必要な圧力、前記混合工程に必要な温度、および/または前記混合工程に必要な粘度に到達するように、前記混合を開始する前に、前記第1の混合成分を前記第1の容器から前記第2の容器に押し込み可能である、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記第1の定量装置(110)は、前記混合の開始後、前記第1の定量ユニット(120)および前記第2の定量ユニット(130)を介して交互にまたは両方から、前記第1の混合成分を前記混合装置に注出するのに適している、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記第1の定量ユニット(120)および前記第2の定量ユニット(130)はそれぞれ、スピンドルとナットとで駆動される定量ピストンと、サーボモータとを有する、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記混合装置(150)は、前記第1の混合成分を前記混合装置(150)に供給するための供給ライン(157)と、前記第1の混合成分を前記混合装置(150)から排出するための排出口(159)とを有し、
前記第1の定量ユニット(120)は、第1のバルブ(122)を介して前記供給ライン(157)に接続され、第2のバルブ(124)を介して前記排出口(159)に接続されており、
前記第2の定量ユニット(130)は、第3のバルブ(132)を介して前記供給ライン(157)に接続され、第4のバルブ(134)を介して前記排出口(159)に接続されており、
前記各バルブ(122、124、132、134)は、互いに独立して開閉可能である、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記第1の定量ユニット(120)および/または前記第2の定量ユニット(130)で受け入れ可能な前記第1の混合成分の体積は、前記第1の定量ユニット(120)からおよび/または前記第2の定量ユニット(130)から前記混合装置(150)につながるラインを介して受け入れ可能な前記第1の混合成分の体積よりも大きい、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記第1の定量装置(110)と前記混合装置(150)とが配置されたロボットアームをさらに具備する、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記第1の混合成分を、前記混合工程に必要な圧力、前記混合工程に必要な温度、および/または前記混合工程に必要な粘度とするために、前記第1の混合成分を前記第1の定量ユニット(120)から前記混合装置(150)を介して前記第2の定量ユニット(130)に導入することと、その後、
前記第1の混合成分と前記第2の混合成分とを前記混合装置(150)によって混合することと、
を特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の装置を用いて反応プラスチックを製造する方法。
【請求項12】
前記第1の混合成分は、固体、膨張黒鉛、マイクロガラスビーズ、またはエアロゲルと混合されたポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを有し、
前記第2の混合成分は、イソシアネートを有する、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応プラスチックを混合して製造するための装置および方法に関し、特に、イソシアネートとポリオールを、例えば膨張黒鉛のような難燃剤と混合してポリウレタンフォームを製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
反応プラスチック(またはそれぞれ反応性プラスチック)の製造では、通常、プラスチックの個々の成分、すなわち反応性成分は、処理機械の回路内で、攪拌機を備えた貯蔵容器から定量ポンプまたは定量ピストンを介して混合ヘッドに移動し、そこから貯蔵容器に戻ってくる。これは例えば、沈降を防ぐため、システム内の温度を可能な限り一定に保つため、または混合ヘッドのノズルに安定した圧力レベルを設定するためである。
この背景のもと、ドイツ特許出願公開第4003294号公報は、ポリウレタン発泡システムのための混合ヘッド、特に平行ノズルヘッドの、回路ブロックを記載している。ドイツ特許出願公開第102016114898号公報は、粘性材料を発泡させるための装置に関するものであり、第1の搬送ラインを介して第1の搬送圧力で第1の搬送装置を用いて粘性材料が搬送され、第2の搬送ラインを介して第2の搬送圧力の気体が搬送される。第2の搬送ラインは第1の搬送ラインへの開口部位で開口し、開口部位の下流には、粘性材料とガスとの混合物の圧力を緩和する流出装置が設けられ、開口部位にはガス注入弁が配置され、ガス注入弁が粘性材料にガス気泡を注入できるようになっている。
貯蔵容器と混合ヘッドとの間に上記のような回路を介さずに、ドイツ特許出願公開第2914684号公報には、2つの反応性粘性媒体を連続的に混合及び定量する方法が既に記載されているが、上記のような回路は具備していない。米国特許第3765605号公報はまた、ポリウレタンフォームの成分のような互いに反応する2つの流体を、流体を別々にポンプで送液して最後でのみ混合する装置によって一緒に混合して基板上に排出する、対応する装置を記載している。ポンプを対向関係に再編成し、複動式流体モータなどの定圧モータで駆動することで、補正効果が生まれ、ストローク動作が反転したときの圧力変動を効果的に低減することができる。
【0003】
ここでの欠点は、例えば難燃剤(特に膨張黒鉛)、マイクロガラスビーズ、エアロゲルのような反応システムの特性変更のために添加される固形物が、容器攪拌機、ポンプ、および/または混合ヘッドのノズルにおける連続的な回路動作において段々と損傷を受けることである。これにより、製品の均一な品質をもはや保証できない。特に、断片化による固体材料の損傷により、そこに貯蔵されていた化学物質が放出され、反応システムに悪影響を及ぼす可能性がある。また、回路動作により、システム内での固形物の滞留時間が長くなりすぎて、実際の混合前に固形物の化学反応を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
上述した課題を解決することが本発明の目的である。特に、混合成分に固形分を添加することにより、均一に高品質のプラスチックを製造することが可能な反応プラスチックの製造装置及び製造方法を示す。
【0005】
この問題は、独立請求項の主題によって解決される。有利なさらなる発展形は、従属請求項に示されている。
【0006】
反応性プラスチックを混合するための装置は、それぞれが第1の混合成分を受け入れて定量で注出(分注)するのに適した第1の定量ユニットと第2の定量ユニットとを備えた第1の定量装置を有
する。さらに、当該装置は、第2の混合成分を受け入れて定量で注出するのに適した第2の定量装置と、第1の定量装置の第1の定量ユニットおよび/または第2の定量ユニットによって注出された第1の混合成分と第2の定量装置によって注出された第2の混合成分とを受け入れて混合するのに適した混合装置とを有
する。このために、第1の定量ユニットおよび第2の定量ユニットは混合装置に接続されており、混合工程を開始する前に、第1の定量ユニットから混合装置を介して第2の定量ユニットに第1の混合成分を導入することによって、第1の混合成分を混合工程に必要な作動状態
(圧力、温度、粘度、または類似のもの)、特に作動圧力とすることが可能である。
【0007】
通常使用される回路動作では、混合工程の開始前に、第1の混合成分が所望の作動状態に達するまで、固体と混合された第1の混合成分を貯蔵容器から定量装置を介して混合装置へと、そして貯蔵容器に戻るように循環させる。これに対して、上記の装置では、回路動作は省かれる。
【0008】
代わりに、所望の作動状態に達するまで第1の混合成分を導入する2つの定量ユニットが設けられている。特に、反応プラスチックの製造に必要な、例えば100〜200バールの範囲の圧力を、一方の定量ユニットから他方の定量ユニットに向けて第1の混合成分を比較的短い時間、例えば数秒間(すなわち、例えば0.5秒間、1.5秒間または2秒間)押し込むことによって発生させてもよい。この場合、混合装置(例えば、それ自体公知の混合ノズル)を介在させる。例えば、処理圧力は、反応性成分混合物が混合装置の混合ヘッド内のノズルを通って移動する際に発生する。意図された流量に到達する時点で圧力は発生し得るが、これは、混合装置に向かう混合成分の加速度に依存して、約1秒持続する。所望の作動状態に達すると、混合装置を介した導入を行うことから所望の作動状態が混合装置内でも優勢となり、混合を開始することができ、例えば混合圧力が低すぎるといった欠陥のある作動状態が原因で無駄が発生することはない。
【0009】
1つの定量ユニットで受け入れた量の第1の混合成分は、通常、混合装置を一度通過するだけではその品質が損なわれることはない。したがって、混合開始後、受け入れ側の定量ユニット内に既に存在する量の第1の混合成分と混合するために混合装置に引き渡すことができる。
【0010】
したがって、回路動作における材料の戻りを完全に排除することができる。これにより、一方では装置の構造が簡略化され、それにもかかわらず、圧力、温度、粘度のような第1の混合成分の作動状態を正確に設定することが可能となる。他方、適用可能な場合には、第1の混合成分に含まれる固形物は、混合によって生成されるプラスチックの品質が低下する混合装置を一度通過しただけでは損傷を受けない。一度通過した量の第1の混合成分を定量ユニットで回収することにより、第1の混合成分の無駄が発生しないことに加え、むしろ、確実に、可能な限り完全に第1の混合成分が処理される。
【0011】
さらに、当該装置は貯蔵容器を有する注出装置を有してもよい。注出装置は、第1の定量ユニットおよび/または第2の定量ユニットに対する第1の混合成分の選択的な供給に適している。ここで、第1の混合成分は、第1の定量ユニットおよび/または第2の定量ユニットに供給された後、注出装置に再び導入されることなく、混合装置内で第2の混合成分と混合されてもよい。これにより、簡単な方法で、第1の混合成分を有する2つの定量ユニットを得ることができる。貯蔵容器に帰還させる必要がないため、第1の混合成分に添加される材料が保存され、装置の構造が簡素化される。
【0012】
さらに、混合装置は制御手段を有してもよく、当該制御手段は、第1の混合成分と第2の混合成分との混合を阻止し、第1の定量ユニットから混合装置を介した第2の定量ユニットまでのラインにおいて当該制御手段に第1の混合成分を導入するのに適している。さらに、制御手段は、第1の混合成分と第2の混合成分との混合を可能にし、第1の定量ユニットから混合装置を介した第2の定量ユニットに至る混合装置内のラインを当該制御手段で遮断するのに適していてもよい。
【0013】
これにより、簡単な方法で、第1の混合成分と第2の混合成分の混合を制御することができる。確実に、特に混合中に、第1の混合成分がすべて混合工程に供給され、一方の定量ユニットから他方の定量ユニットに移動しない。これにより、混合工程に使用される第1の混合成分と第2の混合成分の量の比率を正確に設定することができる。
【0014】
制御手段は、循環溝を有する制御ピストンを有してもよい。この制御ピストンは、第1の位置において第1の混合成分および第2の混合成分の混合室への進入を可能にし、第2の位置においては循環溝を介して第1の混合成分を第1の定量ユニットから第2の定量ユニットに導入する。これにより、制御ピストンが閉じた状態では、定量ユニット間での第1の混合成分の簡単かつ確実な移送が担保される。制御ピストンを開放することでラインは遮断され、第1の混合成分が混合室(例えば混合ノズル)に入ることが可能になる。これは、制御ピストンが開く前に設定されていた作動パラメータで正確に行われる。制御ピストンの開放に伴い、第2の混合成分の混合室への進入も可能になる。
【0015】
第1の定量ユニットは第1の容器を有し、第2の定量ユニットは第2の容器を有してもよく、第1の混合成分が作動状態に到達するように、混合を開始する前に、第1の混合成分を第1の容器から第2の容器に押し込んでもよい。中間貯蔵用に設けられた容器を定量ユニットに備えることにより、第1の混合成分の柔軟かつ正確な定量が可能となる。
【0016】
例えば、混合方法の開始時に、第1の容器が完全に満量充填されていてもよく、その一方で、第2の容器は部分的にのみ、例えば半量だけ充填されている。混合の開始前に、第1の混合成分は、正確に定量された状態で、混合装置を介して第1の容器から第2の容器に送られる。第2の容器内で第1の混合成分が利用可能な容積は、ここでは、例えば圧力または温度などの作動状態を設定するために一定の状態を維持してもよいし、または変化させてもよい。所望の作動状態に達した後、混合が可能になり、例えば、第1の混合成分の一定の質量流量が第1の容器から混合装置に搬送される。第1の容器が空になるにつれて、第1の混合成分と第2の混合成分との量比または体積比を変えることなく、第2の容器からも搬送が開始されるか、または、第1の容器が完全に空になった後に、第1の混合成分と第2の混合成分との量比または体積比を変えることなく、第2の容器から排他的に搬送が開始される。
【0017】
これにより、混合装置を一度通過した量の第1の混合成分を、確実に、混合物に更なる損傷を与えることなく搬送することができる。
【0018】
第1の定量装置は、混合の開始後、第1の定量ユニットと第2の定量ユニットとを介して交互にまたは両方から(オンザフライで)、第1の混合成分を混合装置に対して注出するのに適していてもよい。第1の混合成分の搬送が1つの定量ユニットから行われる一方、他方の定量ユニット自体が第1の混合成分で満たされる。これにより、混合工程を中断することなく、また、反応プラスチックの量に対応する量の第1の混合成分を1つの定量ユニットに保持することなく、より多くの量の反応プラスチックを製造することが可能となる。
【0019】
よって、定量ユニットを空間的にコンパクトに構成してもよく、これにより、一方では、定量ユニットの柔軟な位置決めが可能となり、他方では、1つの定量ユニットに長時間にわたってより多くの量の第1の混合成分が残留して混合成分の品質が損なわれることを防止する。
【0020】
第1の混合成分は、固体(特に膨張黒鉛、マイクロガラスビーズまたはエアロゲル)と混合されたポリオール(特にポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオール)を有してもよく、第2の混合成分は、イソシアネートを有してもよい。対応する装備を用いれば、装置は、固体の添加により特定の特性を有するポリウレタンを製造するのに適している。例えば、膨張黒鉛の添加により、非常に難燃性が高く、最高の防火規則を満たすポリウレタンフォームの製造が可能となる。このようなポリウレタンフォームは、例えば防音部品として使用してもよい。固形物に加えて、混合成分には、様々な添加剤をさらに追加してもよい。例えば、膨張黒鉛と混合されるポリオールに、さらに粉砕性難燃剤を添加してもよい。ポリオールとイソシアネートに加えて、反応性プラスチックの製造に適した他の反応性成分も使用してもよいことは自明である。
【0021】
ポリオールと膨張黒鉛との混合物を第1の混合成分として使用する場合、上述の装置の使用は特に有利である。ポリオールは塩基に関係し、一方、膨張黒鉛は酸を構成するので、ポリウレタンの所望の特性を保証可能とするためには、第1の混合成分を短時間で、例えば1〜2時間以内に処理しなければならない。ここで、従来の方法で循環の際に使用される一日用容器(day container)での保管は不可能である。また、循環工程で膨張黒鉛が摩耗するため、製造するポリウレタンの所望の特性を保証することが急速にできなくなる。したがって、厳密には、第1の混合成分としてのポリオールおよび膨張黒鉛を用いるには、上述したような装置の使用を必要とする。
【0022】
第1の定量ユニットおよび第2の定量ユニットは、それぞれ、スピンドルとナットとで駆動される定量ピストンと、サーボモータとを有してもよい。これにより、第1の混合成分を正確に定量して定量ユニットから排出することが可能となる。特に、このようにすることで、発生する力に対して、優れた実用性と制御性を実現することができる。代替的に、定量ユニットはまた、これに適した他の電子駆動装置、または混合成分の注出のための他の油圧駆動装置または空気圧駆動装置を備えてもよい。
【0023】
混合装置は、第1の混合成分を混合装置に供給するための供給ラインと、第1の混合成分を混合装置から排出するための排出口とを有してもよい。ここで、第1の定量ユニットは、第1のバルブを介して供給ラインに接続され、第2のバルブを介して排出口に接続されてもよく、第2の定量ユニットは、第3のバルブを介して供給ラインに接続され、第4のバルブを介して排出口に接続されてもよい。各バルブは、互いに独立して開閉可能である。これにより、第1の混合成分を、必要に応じて、2つの定量ユニットと混合装置の間で移動させることが可能である。これにより、装置の柔軟な動作が保証される。
【0024】
第1の定量ユニットおよび/または第2の定量ユニットで受け入れ可能な第1の混合成分の体積は、第1の定量ユニットからおよび/または第2の定量ユニットから混合装置につながるラインを介して受け入れ可能な第1の混合成分の体積よりも大きくてもよい。
【0025】
これにより、まだ混合に供給されていない第1の混合成分の量は、介在するラインの容積ではなく定量ユニットの寸法によって実質的に決定されることが確実である。これにより、定量ユニットを正しく設計したにもかかわらず第1の混合成分がライン内に過度に長く貯留されたために、製造されるプラスチックの品質が低下することが防止される。特に、定量ユニットと混合装置とは、互いに近接配置してもよく、例えば、相互に直接フランジ付けしたり、短いラインを介して相互に接続したりしてもよい。
【0026】
この装置は、さらに、第1の定量装置と混合装置とが配置されたロボットアームを有してもよい。これにより、自動化した方法で反応プラスチックを製造することが可能である。さらに、ロボットアーム上に第1の定量装置および混合装置を配置することで、確実に、両要素間に短いライン経路のみが設けられることになる。これは、特に、例えば回転テーブル上で、反応プラスチックを用いて柔軟により小型の成形体を製造する場合に有利である。上述したように、これは、製造するプラスチックの品質管理に寄与する。代替的に、上記装置は、ロボットアームを使用することなく、二重ベルト等の上で使用されてもよい。
【0027】
上述したような装置を用いて反応プラスチックを製造するための方法は、第1の混合成分を混合工程に必要な作動状態、特に作動圧力とするために、第1の混合成分を、第1の定量ユニットから混合装置を介して第2の定量ユニットに導入するステップと、その後、第1の混合成分と第2の混合成分とを混合装置によって混合するステップとを備えてもよい。
【0028】
上記の説明では、第1の定量装置に焦点を当てた。第2の定量装置は、従来の循環回路を有するそれ自体公知の定量装置であってもよい。なお、代替的に、第2の定量装置を第1の定量装置と同様に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明のさらなる有利な実施形態を記載する。以下に記載する実施形態は、本発明の主題を限定しないことは自明である。発明の主題は、特許請求の範囲の主題を介してのみ決定される。
図1に、反応プラスチックを製造するための装置の概略説明図、
図2に、反応プラスチックを製造するための装置のさらなる概略図、
図3に、反応プラスチックの製造方法の概略フローチャート
が示されている。
【0030】
図1では、混合成分またはそれぞれの反応性成分の混合による反応プラスチックまたはそれぞれの反応性プラスチックの製造のための装置100が模式的に図示されている。ここでいう「反応プラスチック」とは、少なくとも2つの混合成分の化学反応を伴うプラスチックの製造におけるプラスチックを意味する。装置100は、例えばポリオール(例えばポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオール)、およびイソシアネートなどの反応性成分の例えばポリウレタン(発泡体)などの、反応性プラスチックの製造に使用してもよい。
【0031】
装置100は、
図1に図示されているように、少なくとも2つの定量装置110,140を有し、そこからラインシステムを介して、それぞれの混合成分が定量されて混合装置150に注出される。以下、2つの定量装置110,140と、それに応じて2つの混合成分を用いて装置を説明するが、2つ以上の定量装置または対応する各混合成分を使用してもよいことは自明である。
【0032】
第1の定量装置110は、少なくとも第1の定量ユニット120と第2の定量ユニット130とを有する。定量ユニット120および130のいずれも、それぞれ、第1の混合成分を受け入れ、これに適したラインシステムを介して、混合装置150に対して第1の混合成分を注出するのに適している。または、それぞれ、第1の混合成分を後者に供給するのに適している。第1の定量ユニットおよび第2の定量ユニットは、本明細書においてこれらを明確に指定するためだけに第1の定量ユニットおよび第2の定量ユニットと称される。なお、第1の定量ユニット120と第2の定量ユニット130は、完全に交換可能に構成してもよく、特に、2つの定量ユニット120および130は、構造的に同一でもよい。さらに、さらなる定量要素、例えば構造的に同一の、または類似の方法で機能する要素を、第1の定量装置110に具備させてもよい。
【0033】
第2の定量装置140は、第2の混合成分を受け入れ、定量して混合装置150に注出するのに適している。このために、第2の定量装置140は、先行技術から公知のように構成されてもよく、例えば、高圧定量ポンプとして構成してもよい。なお、第2の定量装置140は、基本的には、第1の定量装置110と同様の構造を有してもよい。これにより、第1の定量装置110の構造について後で記載する利点は、第2の定量ラインにも適用可能である。
【0034】
以下では、特定の予め定められた作動状態(圧力、温度、粘度または類似のもの)にて反応プラスチックの混合成分を混合装置150に供給することができるように、第2の定量装置140がどのように構成されなければならないかについては、先行技術から、または第1の定量装置110の実施形態の説明に基づいて、当該技術の専門家に公知であることが前提とされる。
【0035】
混合装置150の基本的な構成は、同様に先行技術から公知である。混合工程のために、例えば、混合成分が高圧(例えば100バール、150バールまたは200バール)で噴射される混合ノズルとして混合装置150を構成してもよい。典型的には、先行技術から公知のように、関係する混合成分が(従来の)定量装置から混合ノズルに向けて、そして、各混合成分の貯蔵容器または各準備容器を介して定量装置に戻るまでの循環中に、混合成分の必要な作動パラメータまたは作動状態に達することができる。作動パラメータに達するとすぐにノズルが開かれ、混合成分の混合が行われる。
【0036】
しかし、特定の材料特性の生成に必要な固形分が混合成分のいずれかに添加された場合、これらの固形分は循環の過程で劣化するため、品質の損失リスクなしに上記方法を使用することができなくなる。さらに、循環に際しては、必然的に、混合成分の貯蔵期間が長くなり、また、帰還に必要なラインのために、ラインの引き回しが複雑になるという問題がある。
【0037】
特に、例えばイソシアネートを、膨張黒鉛を含むポリオールと混合する難燃性ポリウレタンフォームの製造では、ポリオールを迅速に、すなわち1〜2時間以内に処理に投入する必要がある。さもなければ、酸性の膨張黒鉛と塩基性ポリオールとの化学反応が早すぎて膨張黒鉛の難燃性特性が失われ、すなわち、製造されたポリウレタンフォームの品質が低下する危険性がある。また、循環工程での膨張黒鉛の損傷は、難燃性を低下させる。
【0038】
これらの問題を回避するために、記載の装置100では、所望の作動状態を設定するための別の改良方法が選択されており、この方法は、(少なくとも1つの)混合成分を循環させることなく実施可能である。難燃性ポリウレタンの製造における利点と並んで、記載した装置100を使用することで、固形体を含む混合成分の処理にとって広範囲で有利となる。さらに、必要なラインの引き回しの複雑さが低減されるので、記載した構造は、使用される混合成分に固形体を混合しない場合にも有利である。
【0039】
装置100においては、混合の開始に先立って、すなわち、第1の混合成分と第2の混合成分とが接触して装置100のラインシステム外に出る前に、第1の混合成分が第1の定量ユニット120から混合装置150を介して第2の定量ユニット130に移動されるように、第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130が混合装置150に接続されている。
【0040】
これにより、第1の混合成分の相当の部分が失われることなく、第1の混合成分を必要な作動パラメータに到達させることができる。つまり、混合が行われない限り、一方の定量装置から他方の定量装置に第1の混合成分を押し込むことができ、これにより、例えば第1の混合成分中の圧力を上昇させることができ、第1の混合成分の温度と粘度を設定することもできる。
【0041】
必要なパラメータに達した後にのみ、混合が開始される。そうなるとすぐに、第1の混合成分は、もはや定量ユニット120と130との間での移動ではなく、対応するバルブ、ポンプ等を介して、一方または両方の定量ユニット120,130から例えば一定の質量流量で、混合装置150に確実に供給される。第2の定量装置から供給される第2の混合成分との混合は、その後、先行技術から公知のように行われる。
【0042】
これにより、装置100内で第1の混合成分を循環させる必要がなくなり、装置100の構造が簡素化される。また、第1の混合成分は、実際に混合工程に投入されることなく、混合装置150を一旦通過することになる。これにより、例えば膨張黒鉛、マイクロガラスビーズ、エアロゲルなどのような摩耗しやすい固体の摩耗が防止される。ひいては、製造される反応プラスチックの品質を均一にすることができる。
【0043】
また、第1の定量ユニット120により混合操作の前に注出される量の第1の混合成分が第2の定量ユニット130に集められるため、この量の第1の混合成分を第2の定量ユニット130から混合工程のために注出することができ、混合工程で失われることがない。これにより、循環なくしても、第1の混合成分を反応プラスチックの製造にほぼ完全に使用することが可能となる。
【0044】
図2は、
図1の装置100を、可能且つより詳細な構成で示す。
図2は、第1の定量装置110の第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130、ならびに第2の定量装置140および混合装置150に加え、注出装置160を示す。貯蔵容器165から第1の定量装置120および第2の定量装置130、および装置100の各種のラインおよびバルブに対して、注出装置160から第1の混合成分を注出可能である。
【0045】
ここで、装置100で使用されるバルブの全部または一部を、例えば電気式、空気圧式、または油圧式の制御信号によって能動的に切り替えてもよい。
【0046】
装置100の注出装置160の貯蔵容器165には、第1の混合成分、例えば膨張黒鉛のような固体が添加されたポリオールが、第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130への注出のために貯蔵されている。ここで、第1の混合成分は、沈降を防止するために、撹拌機によって運動状態に維持される。
【0047】
例えば撹拌機の回転速度を調整することで、第1の混合成分に含まれる固形物に損傷が生じないように攪拌が行われる。このために、任意に調整可能なサーボモータにより攪拌機を動作させてもよい。なお、対応する「やさしい」撹拌を可能にする他のどのようなタイプの撹拌機でも可能である。撹拌機に加えて、注出装置160には、第1の混合成分の、例えば、温度、粘度、または圧力を測定するセンサー素子を設けてもよい。
【0048】
第1の混合成分は、対応して構成されたラインを介して、貯蔵容器165から第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130に含まれる容器に対して選択的に注出されてもよい。このために、
図2に示すように、バルブ(第5のバルブ167、第6のバルブ169)をライン内に設けてもよい。なお、例えば三方弁のような、第1の混合成分を選択的に(すなわち、個別にまたは両方に)割り当て可能な、任意の他のタイプの流量制御も可能である。
【0049】
第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130の各容器は、第1の混合成分を混合装置150に導入する前に第1の混合成分を貯蔵する機能を有する。ここで、2つの容器は互いに独立した充填レベルを有してもよく、これにより、一方の定量ユニット120から他方の定量ユニット130に第1の混合成分を移動またはそれぞれ押し込むことが可能となる。
【0050】
例えば、
図2に模式的に図示されているように、第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130は、それぞれ定量ピストンに関連する。ここで、ピストンは、サーボモータによってスピンドルおよびナットにガイドされて、定量ピストンの筐体により形成される容器内にある第1の混合成分に作用し、制御された方法で定量されて混合装置150に向けて注出されるようになっている。なお、定量ユニット120,130は、短時間の貯蔵および定量注出に適した任意の他の要素によっても、任意の他のタイプの駆動装置を用いて実現してもよい。
【0051】
複数のラインが定量ユニット120,130から混合装置150へとつながっている。これにより、第1の混合成分が定量ユニット120と定量ユニット130との間で混合装置150を介して移動可能である。
図2に示すように、定量ユニット120,130の各々は、各場合においてバルブ(第1のバルブ122及び第3のバルブ132)が設けられた1本のラインを介して混合装置への供給ライン157に接続されてもよい。さらに、混合装置150の排出口159は、バルブ(第2のバルブ124および第4のバルブ134)を介して、第1の定量ユニット120および第2の定量ユニット130にそれぞれ接続されている。
【0052】
ここで、定量ユニット120,130と混合装置150との間のライン接続は、可能な限り短くなるように形成される。例えば、これらの要素は、互いに直接フランジ付けされるか、または短いパイプラインによって互いに接続される。特に、これらのラインは、2つの定量ユニット120,130の容器の一方または両方の容器よりも少ない内部容積を有するように短くなっている。これにより、定量ユニット120,130内にある第1の混合成分の量と比較して無視できない量の第1の混合成分がライン内に未使用状態で滞留することが防止される。
【0053】
混合の開始前には、例えば、第1のバルブ122及び第4のバルブ134が開放し、第2のバルブ124及び第3のバルブ132が閉鎖している。したがって、第1の定量ユニット120から第1のバルブ122を介して混合装置150への接続が存在し、混合装置150から第4のバルブ134を介して第2の定量ユニット130への接続が存在する。
【0054】
混合装置150では、混合を開始する前に、供給ライン157から排出口159への第1の混合成分の通過を許可する制御手段が存在する。
図2に図示されているように、これは、特に、循環溝が設けられている制御ピストン155に関係してもよく、この制御ピストン155が閉鎖されているときに、制御ピストン155は供給ライン157を排出口159に接続する。なお、代替的に、通過を異なる方法で規制してもよい。例えば、供給ライン157を、排出口159に、そして、混合装置150の混合室に接続するラインにおいて対応するバルブを設けてもよい。
【0055】
したがって、混合工程を開始する前に、混合装置150を介して第1の定量ユニット120から第2の定量ユニットに第1の混合成分を移動させることが可能である。例えば、第1の定量ユニット120の完全に満量の容器と、第2の定量ユニット130の部分的に、例えば半量満たされた容器とで、第1の定量ユニット120からの第1の混合成分の押し出しを、開始してもよい。そして、第1の混合成分は、第1のバルブ124と、制御ピストン155の循環溝と、第4のバルブ134とを介して第2の定量ユニット130に押し込まれる。これにより、第1の混合成分は、約100〜200バールの必要な作動圧力で、すぐに、すなわち数秒以内に到達する。ここで、実際に必要とされる作動圧力は、使用する混合装置150の特性に起因する。混合装置150に応じて、より低い圧力またはより高い圧力を混合に用いてもよい。
【0056】
第1の混合成分が到達すると、第4のバルブ134が閉鎖し、制御ピストン155が開放される。これにより、一方では、供給ライン157から排出口159に至る混合装置150内のラインが遮断される。他方、第1の混合成分がこれ以上第2の定量ユニット130に流入するのを確実に阻止するために、第4のバルブ134を閉鎖することによって第2の定量ユニット130へのラインが阻止される。
【0057】
開放した第1のバルブ122および開放した制御ピストン155により、第1の混合成分は、混合装置150(例えばそれ自体公知の混合ノズル)において第2の混合装置140から供給された第2の混合成分と公知の方法で混合され、反応プラスチックの製造用の混合装置から排出される。
【0058】
第1定量ユニット120の容器が空になると、第1のバルブ122が閉鎖され、第3のバルブ132が開放される。この結果、第2の定量ユニット130は、第1の定量ユニット120から混合装置150に向けて第1の混合成分を注出する。ここで、例えば全混合工程の期間において一定の質量流量を確保するために、規制された状態で流れるように第1の定量ユニット120から第2の定量ユニット130に移行してもよい。
【0059】
全混合工程の間、第1の混合成分が2つの定量ユニット120,130のうちの一方のみから注出されている期間中に、貯蔵容器165につながるバルブ167,169を対応する設定とすることで、それぞれの他方の定量ユニット120,130を再充填してもよい。これにより、2つの定量ユニット120,130を直列で動作させることが可能となり、貯蔵容器165にある第1の混合成分の量に対応する量の反応プラスチックを1回の作業動作で製造することができる。
【0060】
作業動作が終了すると、2つの定量ユニット120,130の一方は、各定量ユニット120,130内の第1の混合成分の充填レベルに応じて、満量充填される一方、他方は部分的な充填状態のままとしてもよい。これにより、さらなる混合/製造プロセスの開始前に、第1の混合成分の正しい作動パラメータを設定するための上述した方法を再び実行することが可能となる。当該装置は対称的な構造を有するので、ここでは、第1の混合成分が第1の定量ユニット120または第2の定量ユニット130のいずれから最初に注出されるかどうかは問題ではない。
【0061】
以上説明したように、記載の装置によれば、貯蔵容器を介して第1の混合成分を循環させることなく、第1の混合成分を混合に使い切ることが可能となる。とりわけ、循環させることなく、第1の混合成分の作動状態を設定することができる。これにより、第1の混合成分の品質を確保した保管および処理が可能となるとともに、反応プラスチック製造用の装置を構造的に簡素化することができる。
【0062】
上述した装置は、特に、全自動または半自動のプラスチック製造、例えば、より小さな金型に柔軟充填するためのロータリーテーブル上での使用に適している。このために、第1の定量装置110は、2つの定量ユニット120および130を混合装置150と共にロボットアーム上に搭載してもよい。上述したように、定量装置110と混合装置150との間のラインが短いという付加的な利点を有するため、品質の制御にさらに寄与する。ここで、第2の定量装置140は従来のように構成してもよく、ロボットアームに隣接して配置された貯蔵容器から、循環工程における第2の混合成分を混合装置150に供給してもよい。あるいは、第2の定量装置140もまたロボットアームに搭載される。
【0063】
図3は、上述したような反応プラスチックを製造する方法、または装置を用いてそれぞれ混合する方法の概略フローチャートを示す図である。
【0064】
S100では、上述したように、第1の混合成分を、第1の定量ユニットから混合装置を介して第2の定量ユニットに導入して、第1の混合成分を混合に必要な作動状態、特に作動圧力とする。
【0065】
その後、S110において、上記で同様に説明したが、第1の混合成分は混合装置によって第2の混合成分と混合される。
【符号の説明】
【0066】
100 反応プラスチック製造装置
110 第1の定量装置
120 第1の定量ユニット
122 第1のバルブ
124 第2のバルブ
130 第2の定量ユニット
132 第3のバルブ
134 第4のバルブ
140 第2の定量装置
150 混合装置
155 制御手段
157 供給ライン
159 排出口
160 注出装置
165 貯蔵容器
167 第5のバルブ
169 第6のバルブ