(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960587
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】布物品
(51)【国際特許分類】
B32B 5/26 20060101AFI20211025BHJP
D03D 11/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
B32B5/26
D03D11/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-507797(P2018-507797)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公表番号】特表2018-515699(P2018-515699A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】IN2016000108
(87)【国際公開番号】WO2016174684
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2019年5月7日
(31)【優先権主張番号】1693/MUM/2015
(32)【優先日】2015年4月28日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】517378072
【氏名又は名称】リテシュ・カラティ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リテシュ・カラティ
【審査官】
斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−182813(JP,A)
【文献】
実公昭43−000230(JP,Y1)
【文献】
実開昭51−017588(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0153081(US,A1)
【文献】
国際公開第2004/050972(WO,A1)
【文献】
中国実用新案第201775897(CN,U)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0144221(US,A1)
【文献】
米国特許第04587153(US,A)
【文献】
米国特許第03801420(US,A)
【文献】
特表昭57−501240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00 − 43/00
D03D 1/00 − 27/18
D06N 1/00 − 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外向きに膨れた領域を有する密に織った布の第1の面であって、縦糸及び横糸を有する第1の面と、
緩く織った布の第2の面であって、縦糸及び横糸を有する第2の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間の中間領域とを備える、布物品であって、
前記中間領域は充填糸を有し、前記充填糸は、前記膨れた領域の後ろに収容され、さらに前記膨れた領域を外向きに押し、それによってクッション性および深さを前記布物品に提供するように、前記充填糸が前記第1の面における縦糸または横糸と織り込まれ且つ前記第2の面における縦糸または横糸と織り込まれることによって、前記第1の面と前記第2の面との中間に織り込まれており、
前記第1の面と前記第2の面と前記中間領域とは、単一の布を形成しており、
前記布物品において、複数の外向きの前記膨れた領域を強化すると共にスリップ抵抗を前記第1の面に提供するためのコーティングが、前記第1の面に適用されることによって、前記膨れた領域において追加のクッション性が得られる、布物品。
【請求項2】
前記布物品は、前記布物品を強化し、スリップ抵抗を前記布物品に提供するために、前記第1の面および/または前記第2の面に適用されるコーティングをさらに備える、請求項1に記載の布物品。
【請求項3】
前記布物品は、前記第1の面および/または前記第2の面に適合される追加の層をさらに備える、請求項1に記載の布物品。
【請求項4】
前記追加の層は、固定されるまたは取り外し可能である、請求項3に記載の布物品。
【請求項5】
前記第1の面、第2の面または前記追加の層は、天然糸/繊維および/またはコーティングされた天然糸/繊維で作られている、請求項1から4のいずれか一項に記載の布物品。
【請求項6】
前記第1の面、第2の面または前記追加の層は、合成糸/繊維および/またはコーティングされた合成糸/繊維で作られている、請求項1から5のいずれか一項に記載の布物品。
【請求項7】
前記コーティングされた糸は、ゴム、ラテックスの材料でコーティングされた糸である、請求項5または6に記載の布物品。
【請求項8】
布物品を作るための方法であって、前記方法は、
複数の膨れた領域を有する密に織った布の第1の面を形成するステップであって、前記第1の面において縦糸及び横糸を有するステップと、
緩く織った布の第2の面を形成するステップであって、前記第2の面において縦糸及び横糸を有するステップと、
充填糸が、前記膨れた領域の後ろに収容され、さらに前記膨れた領域を外向きに押し、それによってクッション性および深さを前記布物品に提供するように、前記充填糸を前記第1の面における縦糸または横糸と織り込み且つ前記第2の面における縦糸または横糸と織り込むことによって、単一の布を形成するために前記第1の面と前記第2の面との中間に前記充填糸を織り込むステップと、
誘導熱/温風を適用することによって前記布物品を処理するステップであって、前記温風は、各面および前記充填糸を収縮させ、前記収縮は、前記充填糸を前記第1の面の前記膨れた領域の後ろに収容させ、さらに前記膨れた領域を外向きに押し、それによって追加のクッション性および深さを前記布物品に提供するステップと、
前記布物品を強化し、スリップ抵抗を前記布物品に提供するために、前記第1の面にコーティングを適用するステップと、を含む、方法。
【請求項9】
前記方法は、前記布物品を強化し、スリップ抵抗を前記布物品に提供するために、前記第1の面および/または前記第2の面にコーティングを適用するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、追加の層を前記第1の面および/または前記第2の面に適合させるステッ
プを含む、請求項8または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布物品および布物品を作る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然および/または合成の繊維で作られている布物品は、衣類、床敷物、ヨガ用マット、運動用マット、礼拝用マット、遊び用マット、電子デバイス保護アクセサリ、家具、履物、その他などの、いろいろな応用に用途を見いだす。特に、ヨガに似た室内活動への関心の最近の急増とともに、物品は、ヨガ、ピラティスまたは運動用マットとして使用するために様々な異なる構成で使用される。
【0003】
知られているヨガ用マットは、平織りマットであり、それはまた、「インドダーリ」またはキルト状布マットとしても知られている。そのようなマットは、平坦過ぎて、十分なクッション性を使用者/実践者に提供しないか、またはそれらは、平坦でなく、容易な動きのための表面を提供せず、それ故にヨガにとって心地良くなく、実用的でない。これらのマットは、すぐ下の床にグリップするためのどんな装備も有さず、それで実践者が、ヨガを行っている間に移動し/スリップして位置がずれる傾向がある。これらの理由のために、そのようなマットは一般に、実践者によって好まれない。
【0004】
別の知られているヨガ用マットは、ポリ塩化ビニルまたは熱可塑性エラストマまたはラテックスまたはエチレン酢酸ビニルまたは他の材料の層を有する平坦な布で構成される複合マットである。実践者と接触しているマットの表面は、ポリ塩化ビニルまたは熱可塑性エラストマまたはラテックスまたはエチレン酢酸ビニルを有する層であるので、そのようなマットは、実践者の汗を吸収せず、汗が上面にたまるままにしておく。これは、上面を滑りやすくし、ヨガ実践者に有害なこともあり得る。さらに、これらのマットは一般に、洗濯機で洗うことができず、マットが手作業で拭かれるまたは消毒されることを必要とする。これらの不都合を克服するために、ラグマットまたはヨガ用タオルなどの、別個の布が、これらのマットへのカバーとして上部に置かれる。ラグマットおよびヨガ用タオルは、汗を吸収し、グリップを改善し、洗濯可能である。しかしながら、ラグマットまたはヨガ用タオルは、クッション性を欠き、容易にしわが寄るので、それだけでは使用されない。
【0005】
マットを作るために低品質ポリ塩化ビニルに似た材料を使用することはまた、特にそのようなマットが、高熱および高湿度環境中で使用されるとき、実践者を毒性リスクにさらす。上記のことに加えて、そのような合成マットは、容易に生物分解できず、それ故に環境に優しくない。
【0006】
別の種類のヨガ用マットは、ポリ塩化ビニルまたは熱可塑性エラストマまたはポリウレタンまたはラテックスまたは天然ゴムまたはエチレン酢酸ビニルで作られている「粘着マット」である。これらのマットは、上で論じられたポリ塩化ビニルまたは熱可塑性エラストマまたはポリウレタンまたはラテックスまたはエチレン酢酸ビニルを使用することの固有の不都合に悩まされる。それらは時にはまた、これらの材料または添加物に起因する不快臭も有し、それは、使用者を不安にさせる。より高い品質のマットは、高密度で、重いこともあり、それは、それらを運ぶまたは洗うのを困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のことを考慮すると、少なくとも上述の問題に対処する布物品の必要性が、当技術分野に残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本発明は、複数の外向きに膨れた領域を有する密に織った布の第1の面と、緩く織った布の第2の面と、第1の面と第2の面との間の中間領域とを備える、布物品であって、中間領域は充填糸を有し、充填糸は、膨れた領域の後ろに収容され、さらに膨れた領域を外向きに押し、それによってクッション性および深さを布物品に提供するように、第1の面と第2の面との中間に織り込まれている、布物品を提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、布物品を作るための方法を提供し、本方法は、複数の膨れた領域を有する密に織った布の第1の面を形成するステップと、緩く織った布の第2の面を形成するステップと、充填糸が、膨れた領域の後ろに収容され、さらに膨れた領域を外向きに押し、それによってクッション性および深さを布物品に提供するように、単一の布を形成するために第1の面と第2の面との中間に充填糸を織り込むステップとを含む。
【0010】
本発明の実施形態への言及がなされることになり、その例は、付随する図に例示されることもある。これらの図は、説明に役立つことを目的としており、限定するためではない。本発明は、これらの実施形態の文脈において一般的に述べられるが、それは、本発明の範囲をこれらの特定の実施形態に限定することを目的としていないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の一実施形態による布物品を示す図である。
【
図1B】本発明の一実施形態による布物品を示す図である。
【
図2A】本発明の別の実施形態による布物品を示す図である。
【
図2B】本発明の別の実施形態による布物品を示す図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による布物品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、耐久性があり、洗濯可能であり、持ち運びでき、十分なクッション性または深さを有し、様々な用途に適合可能である布物品に向けられる。
【0013】
図1Aおよび
図1Bは、本発明の一実施形態による布物品100を示す。例示されるように、布物品は、第1の面110と、第2の面120と、第1の面と第2の面との間の中間領域130とを有する。
【0014】
第1の面は、密に織った面であり、複数の膨れた領域112を備える。それに応じて、第1の面は、その外側に複数の膨れた領域を有し、その内側に膨れた領域に起因して形成されるくぼんだ領域を有する。第2の面は、緩く織られている。好ましくは、第1の面および第2の面は、同じ糸で形成される。中間領域は、図示されるように、第1の面と第2の面との間にあり、第1の面と第2の面との中間に織り込まれた充填糸または厚い合撚糸(plied yarn)を有する。充填糸は、第1の面の内側に収容されるように、第1の面と第2の面との中間に織り込まれる。充填糸は、
図1Aに示されるように、くぼんだ領域に収容され、さらに外面上の膨れた領域を外向きに押し、それによってクッション性を布物品に提供する。さらに、布は、空気誘導(air-induced)温度制御室内で処理される。温風は、各面および充填糸を収縮させ、そこでは充填糸は、
図1Bに見られるように、収縮して、くぼんだ領域に収容され、さらに外側の膨れた領域を外向きに押し、それによって追加のクッション性および深さを布物品に提供する。
【0015】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の別の実施形態による布物品200を示す。
図2Aおよび
図2Bに示される布物品は、コーティングされた布物品であり、そこでは
図1に示される布物品100が、コーティング210を有する。図示されるように、コーティングは、布物品の第1の面に適用される。別法として、コーティングは、布物品の第2の面に適用されてもよい。コーティングは、いったん適用されると、布物品をくるみ、強度/剛性を布物品に提供し、布物品の寿命を延ばす。特に、第1の面上では、コーティングは、強度/剛性を膨れた領域に提供し、膨れた領域によって提供されるクッション性を持続する。加えて、布物品上のコーティングは、スリップ防止面として働き、また耐水性および土壌抵抗などの他の所望の特徴も提供する。有利には、布物品は、強化クッション性布物品を提供し、それはまた、耐スリップ性でもある。コーティングは、布物品を強化するのに効果的であり、またスリップ抵抗も提供する、任意のパターンで適用されてもよい。例えば、コーティングは、
図2Aに示されるように全表面上にまたは
図2Bに示されるように平行に間隔を介した関係で適用されてもよい。布物品に適用されるコーティングは、天然ゴム、ラテックス、ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマ、ポリウレタン、シリコン、その他などの、任意の材料とすることができる。
【0016】
図3は、本発明の別の実施形態による布物品300を示す。
図3に示される布物品は、
図2に示される布物品に似ており、そこでは布物品はさらに、追加の層310を備える。図示されるように、追加の層は、第2の面を覆うために布物品の第2の面に適合され、その後布物品は、様々な応用のために使用されてもよい。追加の層は、固定層または取り外し可能な層であってもよい。また、布物品は、追加の層が、布物品と一体的に形成される、複合構造であってもよい。追加の層は、追加の取り外し可能な層を有することもあり得る。さらに、追加の層は、好ましくは平坦な表面であり、上側に製織(weaving)もしくは縫製(stitching)もしくは刺しゅうもしくはニブ(nib)もしくはラテックスの領域/ゾーンもしくはその機能性を向上させるための任意の他の変更および/またはその下側に漏れ防止(seep-proof)コーティングを備えてもよい。
【0017】
さらに、本発明は、本発明の一実施形態による布物品を作るための方法を提供する。本方法は、機上げ機(looming machine)または任意の他の布製作機の中で複数の膨れた領域を有する密に織った布の第1の面、および緩く織った布の第2の面を形成することから始める。第1の面に形成される膨れた領域は、第1の面の外側に形成され、それに応じてくぼんだ領域は、第1の面の内側に形成される。第1の面の膨れた領域は、第2の面の糸の製織パターンに応じて形成される。この関連で、第2の面の糸は、第2の面に織り込まれる糸が、前面を引っ張り、複数の膨れた領域が第1の面に形成されるという結果をもたらすように織られる。第1の面の膨れた領域は、第2の面の糸が織られるパターンに基づいて形成される。織った糸は、ある対応する所定の糸をひと引きし、ある糸のこの引っ張りは、第1の面が所定のパターンの複数の膨れた領域を有する原因となる。膨れた領域は、所定のパターンでの縦糸および横糸の織り合わせによって形成されてもよい。好ましくは、第1の面および第2の面は、同時に形成される。第1の面および第2の面は、同じ糸で形成される。加えて、充填糸は、単一の布を形成するために第1の面と第2の面との中間に織り込まれる。充填糸は、第1の面および第2の面を形成しながら同時に、すなわち単一製織工程で、第1の面と第2の面との中間に織り込まれる。その後、布は、誘導熱/温風を布に適用することによって処理される。このために、布は、空気誘導温度制御室内に入れられる。温風は、各面および充填糸を収縮させ、そこでは充填糸は、収縮して、くぼんだ領域に収容され、さらに外側の膨れた領域を外向きに押し、それによって十分なクッション性および深さを布物品に提供する。
【0018】
さらに、本方法は、布物品の第1の面および/または第2の面にコーティングを適用するステップを含んでもよい。本発明によると、コーティングは、布物品の第1の面に適用される。コーティングは、布物品上に強化ゾーンを形成する任意のパターンまたは量で適用されてもよい。コーティングは、いったん適用されると、布物品をくるみ、強度を布物品に提供し、それによって布物品の寿命を延ばす。加えて、コーティングはまた、布物品上のスリップ防止面としても働く。有利には、布物品は、耐スリップ性のある強化クッション性布物品を提供する。布物品に適用されるコーティングは、天然ゴム、ラテックス、ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマ、ポリウレタン、シリコン、その他のいずれかまたは任意の他のそのような材料とすることができる。
【0019】
その上、本方法は、追加の層を第1の面および/または第2の面に適合させるステップを含む。追加の層は、第2の面を覆うために布物品の第2の面に適合され、その後布物品は、様々な応用のために使用されてもよい。追加の層は、布物品に縫い付けられる固定層であってもよく、または追加の層は、適切な手段を介して適合されてもよい取り外し可能な層とすることができる。追加の層はまた、追加の層が布物品と一体であるところの布物品を形成する工程中に形成されるまたは追加されることもあり得る。追加の層は、追加の取り外し可能な層を有することもあり得る。さらに、追加の層は、好ましくは平坦な表面であり、その上側に製織もしくは縫製もしくは刺しゅうもしくはニブもしくはラテックスの領域/ゾーンおよび/またはその下側に漏れ防止コーティングを備えてもよい。
【0020】
本発明によると、布物品は、天然繊維/糸で作られていてもよい。天然繊維は、コットン、亜麻、ヘンプ、ココナツ、竹、ジュート、バナナ、ウール、シルクおよび任意の他の植物または動物由来の繊維のいずれかから選択されてもよい。さらに、布物品は、要件により天然染料を用いて染められてもよい。天然の繊維および染料の使用は、布物品を化学薬品のない状態にかつ環境に優しくする。別法として、布物品はまた、ポリエステル、ナイロンまたは任意の他の繊維などの合成繊維で作られていてもよく、また合成染料で染められてもよい。
【0021】
さらに、第1の面、第2の面の布または追加の層は、コーティングされた繊維/糸を含有する。糸は、ゴム、ラテックスなどの、様々な材料でコーティングされてもよい。この関連で、布物品は、天然の繊維/糸および/もしくはコーティングされた糸、または合成の繊維/糸および/もしくはコーティングされた糸で作られていてもよい。コーティングされた糸の使用は、強度を布物品に与え、それによって布物品の寿命を延ばす。また、コーティングされた糸は、布物品が短期間内に洗濯され、再利用されることも可能にする。コーティングされた糸はまた、物品のグリップも改善する、すなわち物品がスリップするのも防止する。
【0022】
例示的な応用では、布物品は、ヨガ用マット、瞑想用マット、子どものマット、日光浴用マット、ビーチ用マット、マッサージ用マットまたは床もしくは他の表面との直接接触を防止するための任意の他のマットとして使用されてもよい。この関連で、追加の層は、
図3に示されるように、布物品上に適合される。追加の層は、本発明によると、布物品の第2の面上に適合される。追加の層は、固定層または取り外し可能な層であってもよい。さらに、もし追加の層が、固定されるならば、別の取り外し可能な層がまた、固定された追加の層の上部に適合されてもよい。取り外し可能な追加の層または追加の取り外し可能な層は、漏れを防止するものであってもよい。取り外し可能な追加の層は、異なる使用者による連続したセッションのために追加の層を別の取り外し可能な追加の層と取り替え、同じ布物品を使用するという利点を提供する。さらに、追加の層は、好ましくは平坦な表面であり、その上側に製織もしくは縫製もしくは刺しゅうもしくはニブもしくはラテックスの領域/ゾーンおよび/またはその下側に漏れ防止コーティングを備えてもよい。有利には、上側の領域/ゾーンは、ヨガまたは運動を行っている間、使用者を支援し、漏れ防止コーティングは、汗が上面を通って漏出することを可能にするが、しかし下側を越えず、それによってそのすぐ下のマットを乾いた状態のままにする。また、布物品の第1の面、第2の面および中間領域は、使用者の関節を保護するために十分なクッション性を提供し、第1の面上のコーティングは、使用者が、ヨガまたは任意の他の運動/行為を行っている間、マットのスリップがないことを確実にする。マットはまた、手によるまたは機械での洗濯が可能であり、乾燥機で乾かす(tumble dried)ことができるという利点も提供し、マットが繰り返し使用され、衛生的にきれいにされることを可能にする。また、マットは、運びやすいように新聞紙のように丸められまたは折り畳まれてもよいことにより、持ち運びもできる。この例は、マットに向けられるが、布物品の応用は、マットに限定されず、布物品は、衣類、床敷物、遊び用マット、礼拝用マット、家具、床張り、電子デバイス保護アクセサリ、バッグ、履物などとして使用されてもよい。
【0023】
本発明は、ある実施形態に関して述べられたが、当業者には、様々な変形および変更が、次の請求項に規定されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことは、明らかであろう。
【符号の説明】
【0024】
100 布物品
110 第1の面
112 膨れた領域
120 第2の面
130 中間領域
200 布物品
210 コーティング
300 布物品
310 追加の層