【実施例1】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<フルハーネス型安全帯用ハンガーの構成>
図1は本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガーを示す正面図である。
図2は本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガーを示し、(a)は左側面図、(b)は右側面図である。
図3は本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガーにフルハーネス型安全帯の肩ベルトを掛け止めた状態を示す正面図である。
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1は、鉤形状を有するフック部2と、フック部2の下部に回動自在に連結されたハンガー本体部3とから成るハンガーである。フック部2自体、又はフック部2とハンガー本体部3との連結部4は、荷重20kg程度は耐えられる構造になっている。フルハーネス型安全帯51以外に、ヘルメット64、工具ベルト63などを合わせると10kg程度は超えることがある。本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1を吊り下げるパイプPの配置状態に応じて、この連結部4で向きを頻繁に変えることがあり、フック部2は重い荷重に耐えられることが望ましいからである。図示上外殻線の内側の細線は、丸み形状を示している。
【0024】
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1は、通常の洋服用のハンガーと比較して厚く形成されている。例えば、
図1と
図2に示すように、フック部2とハンガー本体部3の厚みL1は、ハンガー本体部3の長手方向の全長L2に対して1/10〜1/15程度の厚みを有する。フルハーネス型安全帯用ハンガー1は、プラスチックの中空成形により製造することができる。このように所定の厚みを有することで、フルハーネス型安全帯51の各ベルト52,54、55,56について、ハンガー本体部3の上部を面(丸み部分)で掛け止めることができ、フルハーネス型安全帯51の使用に際して引っかかりを防止できる。使用に際しても本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1から容易に取り外すことができる。
【0025】
<フック部の構成>
フルハーネス型安全帯用ハンガー1のフック部2は、パイプ等の棒状部材Pに掛け止める吊下げ用フック5を有する。本発明のフック部2は、通常の洋服用のハンガーと比較して、ハンガー本体部3に対してフック部2が大きく形成されている。鉤状の吊下げ用フック5はある程度の立ち上がり部6を有する。これは、本発明のハンガー1にフルハーネス型安全帯51を吊るした状態で、この立ち上がり部6を手で持って、パイプ等に吊るせるようにするためである。または容易に取り外すことができるようにするためである。
【0026】
フック部2の吊下げ用フック5の上部に、ヘルメット64の顎ひも等を掛け止めるひも類用フック7を形成した。このひも類用フック7は、立ち上がり部6の上方に延長するように形成された鉤状部分である。勿論、ヘルメットの顎ひも以外のものを掛け止めることも可能である。図示例では鉤状になったものを示しているが、単純に上方に伸びた棒状の部材でもよい。また、1か所に限定されず数か所設けることも可能である。
【0027】
吊下げ用フック5の下方に、IDカード等のひも類を掛け止めるひも類用突起8を、それぞれ形成した。これは、単純にひも類を掛け止める箇所である。勿論IDカード以外のものを掛け止めることも可能である。
【0028】
<ハンガー本体部の構成>
ハンガー本体部3は、全体として略菱形の形状を有する部材である。このハンガー本体部3の上部に、フック部2との連結部4を両方から挟むように対称的に肩ベルト用掛止め部9が2か所形成されている。文字通り、フルハーネス型安全帯51の肩ベルト52部分をそれぞれ掛け止めるものである。図示例では、ハンガー本体部3の上部に切り欠いた状態になったものをしている。この形状に限定されず、肩ベルト52部分を掛け止めることができれば、ハンガー本体部3の上部に突起を形成した状態でもよい。
【0029】
ハンガー本体部3の両側に二丁掛け用穴部10が2か所開けられている。この二丁掛け用穴部10には、二丁掛けランヤード60先端の各フック61をそれぞれ掛け止める。他のベルトに絡みやすいランヤード60先端のフック61がハンガー本体部3に固定されるため、フルハーネス型安全帯51を容易に保管できる。
【0030】
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1は、このようにハンガー本体部3の中心線CLにバランスよく、物を掛け止める構造にしてハンガー本体部3が傾かないようになっている。掛けているものの落下を防止するためである。そこで、原則、肩ベルト用掛止め部9を2か所に対称配置した。同じく二丁掛け用穴部10が2か所開けられている。
【0031】
ハンガー本体部3の中央に一丁掛け用穴部11は、上下方向の中心線CL上に1か所開けられている。この一丁掛け用穴部11には、一丁掛けランヤード60先端のフック61を掛け止める。一丁掛け用穴部11は、ハンガー本体部3の中央に開けたので、ハンガー本体部3の平衡を保ち、フルハーネス型安全帯用ハンガー1が傾斜することを防止する。ハンガー本体部3が傾斜しないことにより、フルハーネス型安全帯51以外のヘルメット64、IDカード、工具ベルト63、更には作業服などが落下することを防止できる。
【0032】
ハンガー本体部3の下部に、対称的に工具ベルト用掛止め部12の2か所形成されている。この工具ベルト用掛止め部12は、文字通り工具用ベルト63を掛け止める部分である。ハンガー本体部3の下部にあるため、工具用ベルト63が外れづらいように、上方に傾斜した長い掛け止め棒から成る構成である。フルハーネス型安全帯51以外に、工具ベルトといった高所作業に必要なものを一式保管できるため、装着時に装着忘れを防止できる。逆に、作業終了後は、工具などの道具を作業現場に忘れたか否かについても判断できる。
この工具ベルト用掛止め部12は、工具ベルト用掛止め部12の引っ掛かり部12aがハンガー本体部3の上下方向の中心線CLの近傍に配置されるように、中心線CLを挟んで2か所形成することができる。
【0033】
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1では、対称的に掛け止めることができないものは、ハンガー本体部3の中心線CL上、又は中心線CLの近くに掛け止められる構造にした。フルハーネス型安全帯用ハンガー1は、平衡を保つようにするためである。
【0034】
ハンガー本体部3には、ネームプレート13が貼れる部分を有する。これはネームプレート13を粘着剤で貼れるようにする場所である。勿論、フルハーネス型安全帯51の所有者特定するためである。ここにポケットを設けて差し込む構成にしてもよい。
【0035】
<使用状態の説明1>
図4は本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガーを示す平面図であり、(a)はフック部を捻る前の状態、(b)はフック部を捻った後の状態である。
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1は、そのフック部2の吊下げ用フック5を、パイプ等の棒状部材Pに掛け止めて使用する。通常の洋服用のハンガーと同様な方法で使用する。本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1は、棒状部材Pの長手方向と、ハンガー本体部3の長手方向が直角になるように掛け止めて使用するときは、
図4(a)に示すように、ハンガー本体部3とフック部2のそれぞれの面が平行になるようにする。
【0036】
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1を、棒状部材Pの長手方向とハンガー本体部3の長手方向と平行にして使用するときは、
図4(b)に示すように、フック部2をハンガー本体部3の長手方向に対して90度捻り、掛け止めて使用する。
【0037】
<使用状態の説明2>
図5は本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガーにフルハーネス型安全帯を掛け止めた状態を示す正面図である。
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1に、フルハーネス型安全帯51を掛け止めるときは、ハンガー本体部3の上部に対称的に2か所形成された肩ベルト用掛止め部9に、フルハーネス型安全帯51の肩ベルト52をそれぞれ掛け止める。更に、二丁掛けのランヤード60先端のフック61を二丁掛け用穴部10にそれぞれ掛け止める。このように肩ベルト52と共に、乱雑になりやすい二丁掛けのランヤード60先端のフック61がそれぞれ同じハンガー本体部3に掛け止められているので、フルハーネス型安全帯51の各ベルト52,54、55,56やランヤード60先端のフック61が他のベルトに絡むことを防止できる。
なお、一丁掛け用のランヤード60先端のフック61は、一丁掛け用穴部11に掛け止めることができ、フルハーネス型安全帯51を容易に保管できる。
【0038】
本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガー1では、フルハーネス型安全帯51、ランヤード60先端のフック61を容易に掛け止めることができ、容易に取り外すことができる。しかも身体から外した状態で、ハンガー本体部3にフルハーネス型安全帯51を装着することができるので、装着ミスがない。
【0039】
フルハーネス型安全帯51以外に、ヘルメット54、IDカード、更に工具用ベルト63といった高所作業に必要なものを一式保管できるため、装着時に装着忘れを防止できる。逆に、作業終了後は、工具などの道具を作業現場に忘れたか否かについても判断できる。
【0040】
<変形例1>
図6は本発明のフルハーネス型安全帯用ハンガーの変形例1を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図である。
図7は変形例1のフルハーネス型安全帯用ハンガーを積み重ねる状態を示す正面図である。
変形例1のフルハーネス型安全帯用ハンガー1は、ハンガー本体部3の一面(表面、メームプレート13の面)に連結用凹部21を形成し、ハンガー本体部3の他面(裏面)にこの連結用凹部21が着脱自在に嵌合する連結用突起22をそれぞれ形成したものである。使用していない保管中のハンガー1は、フック部2がハンガー本体部3に絡んで、取り出すときに時間を要する。また、無造作に重ねた状態であると、嵩張るだけでなく、フック部2が破損するおそれがある。この変形例1のように、同じ方向に積み重ねた状態で保管できると、フック部2が破損しなくなる。また、嵩張ることもない。容易に保管できる。
なお、ハンガー本体部3の連結用凹部21と連結用突起22の配置を逆にしてもよいことは勿論である。
【0041】
図示例では、ハンガー本体部3の一面に2個の連結用凹部21と、他面に2個の連結用突起22を形成した状態を示している。この個数は2個に限定されず、3個、4個と自由に選択することができる。逆に、連結用凹部21と連結用突起22が円形以外の形状、嵌合部分を中心に回動しない形状であれば、1個のみでもよい。
【0042】
なお、本発明は、フルハーネス型安全帯51の複数のベルトの他に、ランヤード60も掛け止める構成にすることで、フルハーネス型安全帯51についてベルト52、54、55,56、ランヤード60、フック61が絡むことなく、掛け止めておくことができ、また作業者が容易に装着することもでき、更に作業現場に必要な工具類も合わせて保管することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。