特許第6960701号(P6960701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960701
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ポータブル便器
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/04 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
   A47K11/04
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-541632(P2020-541632)
(86)(22)【出願日】2018年10月16日
(65)【公表番号】特表2020-536714(P2020-536714A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(86)【国際出願番号】KR2018012148
(87)【国際公開番号】WO2019078569
(87)【国際公開日】20190425
【審査請求日】2020年4月14日
(31)【優先権主張番号】20-2017-0005390
(32)【優先日】2017年10月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520131381
【氏名又は名称】クァック,ジョンウン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クァック,ジョンウン
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−051940(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1650536(KR,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0258767(US,A1)
【文献】 特開2008−063920(JP,A)
【文献】 特開2015−123370(JP,A)
【文献】 特開平11−113796(JP,A)
【文献】 特開2001−252218(JP,A)
【文献】 特開平10−127527(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0278586(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0208493(US,A1)
【文献】 中国実用新案第204813677(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部面が開いた中空の筒状のボディー部と、
前記開いた上部面に設けられた弧状の第1の便器カバーと、
前記開いた上部面に、前記第1の便器カバーとは対称となるように設けられた第2の便器カバーと、を含み、
前記第1の便器カバーの端部と前記第2の便器カバーの端部が向き合った状態から、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが夫々前記ボディー部に対して上方または水平方向に回動することにより、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーの一端部が前記ボディー部から離れて、前記ボディー部の上部面が露出できるように、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが夫々前記ボディー部の上部面の両側部において該ボディー部とヒンジ結合されている、ポータブル便器。
【請求項2】
前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが前記上方または水平方向に回動された際に、前記ボディー部の露出された上部面の縁部、及び前記ボディー部の内側に排便袋を取付可能な、請求項1に記載のポータブル便器。
【請求項3】
前記ボディー部は、第1のボディー部材及び第2のボディー部材を有し、
前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材は、前記ボディー部が中空の筒状となるように、弧状に形成され、
前記第2のボディー部材の弧状の径は前記第1のボディー部材の弧状の径よりも小さく、
前記第1のボディー部材及び第2のボディー部材は、弧状の端部同士が重なるように設けられ、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が端部において相対回動可能となっており、
前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が相対回動し、前記第2のボディー部材が前記第1のボディー部材の弧状の内側に入ることにより、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が一つの弧状として重なって折りたたまれる、請求項1又は2に記載のポータブル便器。
【請求項4】
前記第1の便器カバーは前記第1のボディー部材とヒンジ結合するとともに、前記第2の便器カバーは前記第2のボディー部材とヒンジ結合することにより、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が回動することにより形成される弧状の両側面に夫々位置可能な、請求項3に記載のポータブル便器。
【請求項5】
前記第1のボディー部材の下部端部が前記第2の便器カバーの下部面に接触するか、又は、前記第2のボディー部材の下部端部が前記第1の便器カバーの下部面に接触すると、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材の回動が停止する、請求項4に記載のポータブル便器。
【請求項6】
前記ボディー部は、係合部とフック部のうち一方を有するとともに、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーは、前記ボディー部の前記係合部又は前記フック部に対応する、前記係合部と前記フック部のうち他方を有し、
前記係合部と前記フック部を締結することにより、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが前記ボディー部に固定可能な、請求項1又は2に記載のポータブル便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポータブル便器に関するものである。具体的には、便器のカバーを両側にて立たせられることにより袋が固定でき、回動式として折りたたまれることにより、コンパクト化して運びやすいとともに、折りたたまれた便器を広げることにより使用可能となる、袋固定可能なポータブル便器が開示される。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋外では、感染の恐れや、空間上の制約により、乳幼児にトイレを利用させくい場合がある。例えば、公園のように利用客の多い場所で公共トイレを利用する場合、免疫力の弱い乳幼児は、便器や水等から黴菌に感染する恐れがある。
【0003】
また、公共トイレで並んでいる人が多い場合や、公共トイレが在来式である場合、旅行中に交通渋滞によりトイレまでアクセスしにくい場合、急用なのに近くのトイレが見つからない場合等に、乳幼児の排便が容易でないことがある。
【0004】
通常、公共トイレで乳幼児に排便させる際には、感染を防止するため、保護者は、乳幼児を便座に座らせた状態で、又は、ポータブル便器や設けられている便器にカバーを被らせた状態で、乳幼児に排便させることが多い。
【0005】
また、場所の制約でトイレへアクセスしにくい場合、路上で放尿させるか、又は、乳幼児のお尻に袋を当てて排便させることもある。しかし、このような場合は、衛生的に排便できず、皮膚の炎症等が起こる可能性がある。
【0006】
かかる場合に備え、袋やポータブル便器カバー等の使用に関して検討されている。また、ポータブル便器自体も使用されており、このようなポータブル便器は、韓国特許公開公報の第10-2013-0120306号に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一実施例における目的は、乳幼児が衛生的に排便できる袋固定可能なポータブル便器を提供することである。
【0008】
一実施例における他の目的は、乳幼児の屋外活動時に、円滑な排便のために素早く設置可能なポータブル便器を提供することである。
【0009】
一実施例におけるもう一つの目的は、手軽く回動させることにより、コンパクト化、又は使用可能となるポータブル便器を提供することである。
【0010】
一実施例におけるもう一つの目的は、乳幼児が安定した姿勢から排便できるポータブル便器を提供することである。
【0011】
一実施例におけるもう一つの目的は、排出された乳幼児の便を簡単に処理できるように袋を設置・固定できるポータブル便器を提供することである。
【0012】
一実施例におけるもう一つの目的は、バッグに容易に収納可能なポータブル便器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための一実施例に係るポータブル便器は、上部面が開いた中空の筒状のボディー部と、前記開いた上部面に設けられた弧状の第1の便器カバーと、前記開いた上部面に、前記第1の便器カバーとは対称となるように設けられた第2の便器カバーと、を含み、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが夫々前記ボディー部に対して回動することにより、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーの一端部が前記ボディー部から離れる。
【0014】
また、一実施例に係るポータブル便器の第1の便器カバー及び第2の便器カバーは、前記第1の便器カバーの端部と前記第2の便器カバーの端部が向き合った状態から上方または水平方向に回動できるように、前記ボディー部の上部面の両側部において該ボディー部とヒンジ結合されている。
【0015】
また、一実施例に係るポータブル便器の前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーの端部が上方に回動された際に、前記ボディー部の開いた上部面の縁部、及び前記ボディー部の内側に排便袋を取り付けることができる。
【0016】
また、一実施例に係るポータブル便器の前記ボディー部は、第1のボディー部材及び第2のボディー部材を有し、該第1のボディー部材及び第2のボディー部材は、該ボディー部が中空の筒状となるように、弧状に形成され、前記第2のボディー部材の弧状の径は前記第1のボディー部材の弧状の径よりも小さくなっており、前記第1のボディー部材及び第2のボディー部材は弧状の端部同士が重なるように設けられ、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が端部において相対回動可能となっており、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が相対回動し、前記第2のボディー部材が前記第1のボディー部材の弧状の内側に入ることにより、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が一つの弧状として重なって折りたたまれる。
【0017】
また、一実施例に係るポータブル便器の前記第1の便器カバーは前記第1のボディー部材とヒンジ結合するとともに、前記第2の便器カバーは前記第2のボディー部材とヒンジ結合することにより、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーが、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材が回動することにより形成される弧状の両側面に夫々位置することができる。
【0018】
また、一実施例に係るポータブル便器の前記第1のボディー部材の下部端部が前記第2の便器カバーの下部面に接触するか、又は、前記第2のボディー部材の下部端部が前記第1の便器カバーの下部面に接触すると、前記第1のボディー部材及び前記第2のボディー部材の回動は停止することができる。
【0019】
また、一実施例に係るポータブル便器の前記ボディー部は、係合部とフック部のうち一方を有するとともに、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーは、前記ボディー部の前記係合部又は前記フック部に対応する、前記係合部と前記フック部のうち他方を有し、前記係合部と前記フック部を締結することにより、前記第1の便器カバー及び前記第2の便器カバーを前記ボディー部に固定することができる。
【発明の効果】
【0020】
一実施例に係るポータブル便器によると、乳幼児が衛生的に排便できる袋固定可能なポータブル便器を提供することができる。
【0021】
一実施例に係るポータブル便器によると、乳幼児の屋外活動時に、円滑な排便のために素早く設置することができる、袋固定可能なポータブル便器を提供することができる。
【0022】
一実施例に係るポータブル便器によると、手軽く回動させることにより、コンパクト化、又は使用可能となるポータブル便器を提供することができる。
【0023】
一実施例に係るポータブル便器によると、乳幼児が安定した姿勢から排便できるポータブル便器を提供することができる。
【0024】
一実施例に係るポータブル便器によると、排出された乳幼児の便を簡単に処理できるように袋を設置・固定できる袋固定可能なポータブル便器を提供することができる。
【0025】
一実施例に係るポータブル便器によると、バッグに容易に収納可能なポータブル便器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】一実施例に係るポータブル便器の斜視図である。
図1b】一実施例に係るポータブル便器の斜視図である。
図1c】一実施例に係るポータブル便器の斜視図である。
図1d】一実施例に係るポータブル便器の斜視図である。
図2】一実施例に係るポータブル便器の正面図である。
図3】一実施例に係るポータブル便器の側面図である。
図4】一実施例に係るポータブル便器の底面図である。
図5】一実施例に係るポータブル便器の平面図である。
図6】一実施例に係るポータブル便器における回動を示す。
図7】一実施例に係るポータブル便器が折りたたまれた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施例を例示の図面を参照しながら詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにおいて、同一の構成要素については、異なる図に示された場合でも、可能な限り同一の符号を付することにした。また、実施例を説明するにあたって、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が該実施例の理解を妨げ得ると判断した場合は、その詳細な説明を省くことにする。
【0028】
また、実施例の構成要素を説明するにあたって、「第1の」や、「第2の」、「A」、「B」、「a」、「b」等の用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するために使われるだけで、該用語により該構成要素の本質や順序等は限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載した場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結または接続されうるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」、または「接続」されることも可能である。
【0029】
図1a図1dは、一実施例に係るポータブル便器の斜視図である。
【0030】
具体的に、図1aは、一実施例に係るポータブル便器100の便器カバー130,140がボディー部110,120の上部面の縁部に配設された状態を示し、また、図1b及び図1cは、一実施例に係るポータブル便器100の便器カバー130,140の端部131,132,141,142が上方を向くように便器カバー130,140が回動した状態を、図1dは、一実施例に係るポータブル便器100の便器カバー130,140に袋Bが取り付けられた状態を、それぞれ示す。
【0031】
図2は、一実施例に係るポータブル便器100の正面図であり、図3は、一実施例に係るポータブル便器100の側面図である。また、図4は、一実施例に係るポータブル便器100の底面図であり、図5は、一実施例に係るポータブル便器100の平面図である。
【0032】
図1a図5をご参照に、一実施例に係るポータブル便器100は、ボディー部110,120、第1の便器カバー130、第2の便器カバー140、第1のヒンジ部材150、第2のヒンジ部材160、前方回動部材170、及び後方回動部材180を含んでよい。
【0033】
ボディー部110,120は、上部面及び下部面が開いている中空の筒状からなる。ボディー部110,120の開いた下部面は、地面に置かれる部分であり、ボディー部110,120の動きを防止するため、その端部にはゴムのような素材が取り付けられても良い。
【0034】
ボディー部110,120の開いた上部面は、図1bに示されたように丸く形成され、使用者の皮膚がボディー部110,120に触った際に、皮膚の損傷を防止することができる。また、丸く形成された面には、溝または突出部が設けられてもよい。
【0035】
発明の詳細な説明及び図面では、ボディー部110,120の丸く形成された面に4つの溝114,124が設けられ、第1の便器カバー130及び第2の便器カバー140の下部に合計で4つの突出部134,144が設けられるようになっているが、これに限定されない。溝114,124及び突出部134,144について、以下で詳細に説明する。
【0036】
ボディー部110,120は、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120を有する。第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120は夫々弧状で形成されて良い。
【0037】
図4をご参照に、弧状の第2のボディー部材120の径は、弧状の第1のボディー部材110よりも小さくて、第1のボディー部材110と第2のボディー部材120が重なり合うに結合される。即ち、弧状の第1のボディー部材110の端部が弧状の第2のボディー部材120の端部を覆うように配設される。
【0038】
弧状の端部が重なる合うように配設された第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120は、前方回動部材170及び後方回動部材180にて結合され、中空の筒状としてボディー部110,120を形成する。第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120は、前方回動部材170及び後方回動部材180を回動軸として相対回動できる。より詳細には、図6及び図7をご参照にして後述する。
【0039】
ボディー部110,120の横断面は、円状または多角形状を有してよい。即ち、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の横断面は、曲線状または折れ線状でも良い。
【0040】
第1の便器カバー130は、弧状で形成され、ボディー部110,120の開いた上部面の縁部辺りに配設される。また、第2の便器カバー140も、弧状で形成され、ボディー部110,120の開いた上部面の縁部辺りに配設される。即ち、図1a〜図2に示されたように、第1の便器カバー130は第1のボディー部材110の上部に配設され、第2の便器カバー140は第2のボディー部材120の上部に配設される。
【0041】
第1の便器カバー130及び第2の便器カバー140は、対称となるように形成され、ボディー部110,120の上部の縁部において対称となるように配設され、途切れたドーナツ状となっている。
【0042】
図1a図1dをご参照に、第1の便器カバー130は、第1のボディー部材140とは、第1のヒンジ部材150を介して接続され、第2の便器カバー140は、第2のボディー部材140とは、第2のヒンジ部材160を介して接続される。
【0043】
具体的に、第1の便器カバー130が第1のボディー部材110に対して回動できるように、第1のヒンジ部材150により、第1の便器カバー130の下部面または側面と、第1のボディー部材110の上部の丸く形成された面が、ヒンジ結合されている。
【0044】
例えば、第1のヒンジ部材150が第1のボディー部材110の上部の丸い面と、第1の便器カバー130の下部面の中央部を接続し、第1の便器カバー130は、第1のヒンジ部材150を介して、第1のボディー部材110に対して回動(旋回)できる。即ち、弧状の第1の便器カバーの両端部(C状の末端部)である第1の前方端部131及び第1の後方端部132は、第1のボディー部材110の上部面の縁部に接した状態からポータブル便器100の上方へ移動できる。
【0045】
また、第2の便器カバー140が第2のボディー部材120に対して回動できるように、第2のヒンジ部材160により、第2の便器カバー140の下部面または側面と、第2のボディー部材120の上部の丸い面が、ヒンジ結合されている。
【0046】
例えば、第2のヒンジ部材160が第2のボディー部材120の上部の丸い面と、第2の便器カバー140の下部面の中央部を接続し、第2の便器カバー140は、第2のヒンジ部材160を介して、第2のボディー部材120に対して回動できる。即ち、第1の便器カバー130と同様に、弧状の第2の便器カバー140の両端部である第2の前方端部141及び第2の後方端部142は、第2のボディー部材110の上部面の縁部に接した状態からポータブル便器100の上方へ移動できる。
【0047】
従って、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の上に、対称となるように配設された第1の便器カバー130と第2の便器カバー140において、第1の前方端部131と第2の前方端部141が向き合い、また、第1の後方端部132と第2の後方端部142が向き合うように配設され、第1の前方端部131、第2の前方端部141、第1の後方端部132、及び第2の後方端部142は、第1のヒンジ部材160及び第2のヒンジ部材170を介して、一緒にポータブル便器100の上方へ移動できる。
【0048】
図示された内容では、第1のヒンジ部材150及び第2のヒンジ部材160の回動軸が、第1の便器カバー130及び第2の便器カバー140の面と、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の丸い面に対し、水平に配設されるため、第1の便器カバー130の第1の前方端部131及び第2の前方端部132と、第2の便器カバー140の第1後方端部141及び第2の後方端部142の全てが、ポータブル便器100の上方へ回動するが、これに限定されない。
【0049】
例えば、第1のヒンジ部材150が、第1の便器カバー130の面と第1のボディー部材110に対し垂直に配設され、同様に、第2のヒンジ部材160が、第2の便器カバー140の面と第2のボディー部材120に対し垂直に配設されても良い。
【0050】
この場合、第1の便器カバー130の面と第1のボディー部材110に対し垂直に配設された第1のヒンジ部材150は、第1の便器カバー130の一端部側に配設され、第2の便器カバー140の面と第2のボディー部材120に対し垂直に配設された第2のヒンジ部材160は、第2の便器カバー140の一端部側に配設されて良い。即ち、第1のヒンジ部材150は、第1の便器カバー130を第1のボディー部材110に対して水平方向に旋回可能で、第2のヒンジ部材160は、第2の便器カバー140を第2のボディー部材120に対して水平方向に旋回可能である。
【0051】
第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の丸い面が露出された状態で、即ち、図1dに示されたように、回動により露出された第1のボディー部材110または第2のボディー部材120の上部の丸い面に排便袋Bを取り付けることができる。
【0052】
排便袋Bは、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の上部の縁部を覆うように広げられ、更に、ボディー部110,120の内側に位置することができる。次いで、第1の便器カバー130又は第2の便器カバー140が、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の上部の丸い面を覆うように、再び回動し、第1の便器カバー130と第1のボディー部材110の接触、また、第2の便器カバー140と第2のボディー部材120の接触により、排便袋Bがポータブル便器100に固定される。
【0053】
また、第1の便器カバー130と第2の便器カバー140が回動し、第1の便器カバー130及び第2の便器カバー140の少なくとも一端部131,132,141,142が第1のボディー部材110又は第2のボディー部材120から離れると、取り付けられていた排便袋Bを取り外すことができる。
【0054】
図1c及び図1dに示されたように、第1の便器カバー130と第1のボディー部材110の間、及び第2の便器カバー140と第2のボディー部材120の間には、夫々係合部122とフック部143が締結するように設けられる。係合部122とフック部143が締結することにより、第1の便器カバー130又は第2の便器カバー140が第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120に対して回動することを防止できるように、第1の便器カバー130又は第2の便器カバー140を第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120に固定することができる。
【0055】
例えば、第2の便器カバー140の一面には、フック部143が形成され、、第2のボディー部材120には、第2の便器カバー140が第2のボディー部材120に接触した際に第2の便器カバー140のフック部143に対応する位置に、係合部122が形成される。第2の便器カバー140のフック部143と、第2のボディー部材120の係合部122が締結することにより、第2の便器カバー140が第2のボディー部材120に接触した状態を維持できる。逆に、第2の便器カバー140のフック部143と、第2のボディー部材120の係合部122を外すことにより、第2の便器カバー140の一端部が第2のボディー部材120から離れるように、第2の便器カバー140を第2のボディー部材120に対して回動させることができる。
【0056】
図1bに示されたように、第1の便器カバー130と第1のボディー部材110の間、及び第2の便器カバー140と第2のボディー部材120の間には、溝114,124又は突出部134,144が係合するように形成されても良い。
【0057】
例えば、第1の便器カバー130の下部面には、突出部134が形成され、第1の便器カバー130の突出部134の位置に対応する第1のボディー部材110の上部の丸い面上の位置には、溝114が形成され、且つ、第2の便器カバー140の下部面には、突出部144が形成され、第2の便器カバー140の突出部144の位置に対応する第2のボディー部材120の上部の丸い面上の位置には、溝124が形成されても良い。
【0058】
突出部134,144と溝114,124は、第1の便器カバー130又は第2の便器カバー140の第1のボディー部材110又は第2のボディー部材120に対する回動により、係合または外される。
【0059】
突出部134,144と溝114,124の係合により、排便袋Bはポータブル便器100に確実に固定される。
【0060】
第1の便器カバー130及び第2の便器カバー140の上部面は、使用者の皮膚を保護できるように、曲面処理されて良い。例えば、第1の便器カバー130及び第2の便器カバー140はバナナの形状で良い。好ましくは、使用者が安定的に座っていられるように、第1の便器カバー130又は第2の便器カバー140は、その一端部が、使用者のお尻の曲面に合わせて上方に向けて曲線状を成しても良い。
【0061】
第1の便器カバー130と第2の便器カバー140は互いに離れて配設され、使用者が第1の便器カバー130や第2の便器カバー140を回動させる際に、手を保護できるように、第1の便器カバー130の下部面及び第2の便器カバー140の下部面には、取っ手が設けられても良い。
【0062】
図6は、一実施例に係るポータブル便器100における回動を、図7は、一実施例に係るポータブル便器100の折りたたまれた状態を示す。
【0063】
図6及び図7に示されたように、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の重なった端部に設けられた前方回動部材170及び後方回動部材180は、同一の回動軸を有するように配設されて良い。即ち、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120は、前方回動部材170及び後方回動部材180を回動軸にして、弧状の第1のボディー部材110の内側面の方へ弧状の第2のボディー部材120の外側面が入るように回動して良い。
【0064】
第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の回動により、第2のボディー部材120の下部面の縁部と、第1のボディー部材110の上部面の縁部の近くには、第1の便器カバー130が位置し、また、第1のボディー部材110の下部面の縁部と、第2のボディー部材120の上部面の縁部の近くには、第2の便器カバー140が位置するようになる。
【0065】
回動する第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120は、第1のボディー部材110が第2の便器カバー140と接触するか、又は、第2のボディー部材120が第1の便器カバー130と接触すると、回動が停止する。
【0066】
具体的に、第1のボディー部材110及び第2のボディー部材120の回動により、第2のボディー部材120上の第2の便器カバー140の下部面が、第1のボディー部材110の下部端部に接触すると(図7ご参照)、第1のボディー部材110の回動は第2の便器カバー140により停止し、また、第1のボディー部材110上の第1の便器カバー130の下部面が、第2のボディー部材120の下部端部に接触すると、第2のボディー部材120の回動は第1の便器カバー130により停止する。
【0067】
そこで、第1のボディー部材110と第2のボディー部材120が重なり、一つの弧状として折りたたむことができる。
【0068】
上述した事象により、一実施例に係るポータブル便器は、乳幼児の衛生的な排便を助けるように袋を固定でき、乳幼児との屋外活動時に素早く乳幼児の排便をサポートできるように手軽く設置可能で、また、簡単な回動を行うことにより、コンパクトとなり携帯性が高められる。
【0069】
また、一実施例に係るポータブル便器は、乳幼児が安定した姿勢から排便できるように、便器カバーが曲線状となっており、また、乳幼児の体重を安定的に支持できるように、地面等に支えられることが可能である。
【0070】
一実施例に係るポータブル便器は、排便袋を確実に固定でき、また、手軽く取り外すことも可能であり、更に、保護者のバッグに収納する際には、弧状に変形することにより、バッグ内部のスペースを効率的に使用できる。
【0071】
上述のように、本発明の実施例では、具体的な構成要素を含む特定の事象を、限定的な実施例及び図面により説明したが、これは、本発明の理解を助けるために提供したものであって、本発明は上記の実施例等に限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者ならば、上記の実施例等に開示された内容に種々の修正や変更を加えることが可能である。従って、本発明の思想は、開示した実施例に制限して定められてはいけず、後述する特許請求の範囲だけでなく、該特許請求の範囲と均等または等価な全ては本発明の範疇に属する。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7