(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る搬送装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の搬送装置1の概略構成図であり、(a)が側断面図であり、(b)が正断面図である。なお、
図1(a)は、
図1(b)のA−A断面図である。また、
図1(b)は、
図1(a)のB−B断面図である。本実施形態の搬送装置1は、四輪自動車のドアパネルP(搬送対象物)をプレス加工する複数のプレス装置(
図1(a)におけるプレス装置X1とプレス装置X2)の間に配置されており、一方のプレス装置X1でプレス加工されたドアパネルPを他方のプレス装置X2へ搬送する。なお、本実施形態においては、搬送装置1の搬送対象物をドアパネルPとするが、本発明における搬送対象物はドアパネルPに限られるものでない。
【0019】
本実施形態の搬送装置1は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、架台2と、旋回モータ3と、旋回軸部4と、旋回アーム5と、メインアーム6と、クロスバー7と、吸着部8と、傾斜調整部9とを備えている。
【0020】
架台2は、プレス装置X1とプレス装置X2との間にて床部に立設されており、旋回モータ3、旋回軸部4、旋回アーム5、メインアーム6、クロスバー7、吸着部8及び傾斜調整部9を直接あるいは間接的に支持している。この架台2は、メインアーム6が移動する場合にも移動及び変形せず、本実施形態の搬送装置1の強度部材である。なお、本実施形態の搬送装置1において架台2は、プレス装置X1及びプレス装置X2と別体として設けられている。しかしながら、架台2をプレス装置X1あるいはプレス装置X2と一体化する構成や、プレス装置X1あるいはプレス装置X2のフレームを架台2とする構成を採用することも可能である。
【0021】
本実施形態の搬送装置1において架台2は、
図1(b)に示すように、ドアパネルPの搬送領域を挟んで立設される複数の柱部2aと、ドアパネルPの搬送領域の上方にて柱部2aから水平方向に延出される梁部2bとを有している。梁部2bは、内部が中空とされた長尺状の箱形状とされており、メインアーム6を挟むように一対設けられている。これら一対の梁部2bは、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向から見て重ねて配置されており、互いに対向する側の端部が開口端とされている。
【0022】
旋回モータ3は、旋回アーム5を旋回駆動させるための動力を生成するサーボモータであり、不図示の制御部の制御の下に動力を生成する。旋回モータ3は、一対の梁部2bに各々設けられている。つまり、本実施形態の搬送装置1においては、2つの旋回モータ3が設置されている。これらの旋回モータ3は、不図示の制御部により同期制御される。
【0023】
旋回軸部4は、旋回モータ3と旋回アーム5とを接続する軸部材であり、旋回モータ3から伝達される回転動力によって回転される。旋回軸部4は、2つの旋回モータ3の出力軸の各々に設けられている。つまり、本実施形態の搬送装置1においては、2つの旋回軸部4が設けられている。これらの旋回軸部4は、
図1(b)に示すように、梁部2bの端部よりもメインアーム6側の位置に配置されている。また、これらの旋回軸部4は、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿う単一の旋回軸芯L1を中心として旋回される。なお、旋回モータ3と旋回軸部4との間には、必要に応じて減速機等の装置が設置されても良い。
【0024】
旋回アーム5は、一端部が旋回軸部4に固定されると共に他端部がメインアーム6の上端部に回転可能に接続されたアーム部材である。旋回アーム5は、2つの旋回軸部4の各々に設けられている。つまり、本実施形態の搬送装置1においては、2つの旋回アーム5が設けられている。これらの旋回アーム5は、同一の長さ寸法に設定されており、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向から見て重なる姿勢で旋回軸部4に固定されている。これらの旋回アーム5は、旋回軸部4が回転されることにより、旋回軸芯L1を中心として回転される。つまり、これらの旋回アーム5は、旋回モータ3によって旋回軸芯L1を中心として同期して回転駆動可能とされている。さらに、旋回アーム5の他端部は、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿う回転軸芯を中心とする回転方向に回転可能となるように、メインアーム6に接続されている。つまり、メインアーム6は、上端部が旋回アーム5の他端部に軸支されている。
【0025】
また、旋回アーム5の他端部がメインアーム6の上端部に接続されているため、旋回アーム5の他端部の位置がメインアーム6の上端部の位置となる。本実施形態の搬送装置1では、後述のように旋回アーム5の他端部が旋回軸部4の真下に位置する場合に、メインアーム6が最も寝かされた姿勢となる。このため、旋回アーム5の長さ寸法は、最も寝かされた状態のメインアーム6の上端位置を規定し、最も寝かされた状態のメインアーム6の傾斜角度がプレス装置X1及びプレス装置X2に対してドアパネルPを出し入れ可能な角度となるように設定されている。例えば、本実施形態の搬送装置1において旋回アーム5の長さ寸法は、先端部が最下位置となった場合に、高さ方向において先端部がプレス装置(プレス装置X1及びプレス装置X2)の出入口(高さ方向に離間されたダイとパンチとの間)と重なる位置となるように設定されている。
【0026】
メインアーム6は、上端部が上述のように旋回アーム5の他端部に回転可能に接続されると共に先端部である下端部にドアパネルPを支持する支持部(クロスバー7及び吸着部8等)が接続されている。このメインアーム6は、上端部から下端部に向けて直線状に延伸する長尺部材であり、長手方向と直交する断面形状が略矩形状とされている。また、メインアーム6は、旋回アーム5の他端部が最上部に位置する場合に、下端部が傾斜調整部9よりも下方に位置するように長さ寸法(長手方向の寸法)が設定されている。また、メインアーム6の周面は、傾斜調整部9の後述する摺動ブロック9fがスライドする摺動面となっている。このようなメインアーム6は、旋回モータ3から旋回軸部4及び旋回アーム5を介して伝達される動力によって移動可能とされ、さらに傾斜調整部9によって移動中の姿勢が変更される。
【0027】
クロスバー7は、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に直線状に延伸する長尺部材であり、
図1(b)に示すようにドアパネルPの搬送方向から見てメインアーム6と直交するように接続されている。このクロスバー7は、長手方向における中央部がメインアーム6の下端部に接続されており、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿った回転軸芯を中心として回転可能にメインアーム6の下端部に軸支されている。
【0028】
吸着部8は、ドアパネルPの上面に吸着することによりドアパネルPを支持する部位であり、クロスバー7から下方に垂下するようにしてクロスバー7の長手方向に配列されて複数設けられている。これらの吸着部8では、制御装置の制御の下で不図示の真空発生装置(ポンプ、インジェクタ等)により形成される負圧によりドアパネルPを吸着支持する。
【0029】
なお、メインアーム6とクロスバー7との接続部分には、クロスバー7の回転角度を調整する不図示のチルト調整機構が収容されている。このチルト調整機構は、サーボモータ等を備えており、吸着部8に支持されたドアパネルPの姿勢が安定するようにクロスバー7の回転姿勢を調整する。本実施形態の搬送装置1においては、上述のクロスバー7と吸着部8と不図示のチルト調整機構等により、本発明の支持部が構成されている。ただし、チルト調整機構を設けずに本発明の支持部を構成することも可能である。
【0030】
傾斜調整部9は、旋回モータ3の動力により移動されるメインアーム6の姿勢を調整する機構であり、ベース部9a(
図1(a)においては不図示)と、第1直動機構9bと、スイングアーム9c(第1リンク棒)と、第2直動機構9dと、サポートアーム9e(第2リンク棒)と、摺動ブロック9fとを備えている。ベース部9aは、架台2の梁部2bに固定されており、第1直動機構9bや第2直動機構9dを支持する強度部材である。
図1(b)に示すように、本実施形態の搬送装置1では、第1直動機構9bを支持するベース部9aと、第2直動機構9dを支持するベース部9aとの合計2つのベース部9aが設けられている。
【0031】
第1直動機構9bは、スイングアーム9cの上端部(他端部)を直動させるユニットであり、第1直動ガイド9b1と、第1直動用モータ9b2と、第1ボールネジ9b3とを備えている。第1直動ガイド9b1は、
図1(a)に示すように、ドアパネルPの搬送方向において上端部が下端部よりも下流側に位置するようにして傾斜して配置されたガイドであり、ドアパネルPの搬送方向下流側に向かうに連れて下方に向かうようにスイングアーム9cの上端部を直線状に案内する。第1直動用モータ9b2は、スイングアーム9cの上端部を移動させるための動力を生成するサーボモータであり、第1直動ガイド9b1に固定されている。この第1直動用モータ9b2は、不図示の制御装置の制御の下に、動力を生成する。第1ボールネジ9b3は、第1直動用モータ9b2で生成された動力をスイングアーム9cの上端部に伝達することで、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1に沿って直線運動させる。
【0032】
スイングアーム9cは、上端部が第1直動機構9bの第1直動ガイド9b1に対して摺動可能に取り付けられ、下端部(一端部)が摺動ブロック9fの外周面に対して回転可能に接続されたリンク棒である。このスイングアーム9cの下端部は、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿った回転軸芯を中心として回転可能に摺動ブロック9fと接続されている。
【0033】
第2直動機構9dは、サポートアーム9eの上端部(他端部)を直動させるユニットであり、第2直動ガイド9d1と、第2直動用モータ9d2と、第2ボールネジ9d3とを備えている。第2直動ガイド9d1は、
図1(a)に示すように、ドアパネルPの搬送方向において上端部が下端部よりも上流側に位置するようにして傾斜して配置されたガイドであり、ドアパネルPの搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうようにサポートアーム9eの上端部を直線状に案内する。第2直動用モータ9d2は、サポートアーム9eの上端部を移動させるための動力を生成するサーボモータであり、第2直動ガイド9d1に固定されている。この第2直動用モータ9d2は、不図示の制御装置の制御の下に、動力を生成する。第2ボールネジ9d3は、第2直動用モータ9d2で生成された動力をサポートアーム9eの上端部に伝達することで、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1に沿って直線運動させる。
【0034】
サポートアーム9eは、上端部が第2直動機構9dの第2直動ガイド9d1に対して摺動可能に取り付けられ、下端部(一端部)が摺動ブロック9fの外周面に対して回転可能に接続されたリンク棒である。このサポートアーム9eの下端部は、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿った回転軸芯を中心として回転可能に摺動ブロック9fと接続されている。なお、サポートアーム9eの下端部の回転軸芯と、上述のスイングアーム9cの下端部の回転軸芯とは、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向から見て重なるように配置されている。
【0035】
摺動ブロック9fは、メインアーム6の長手方向に沿う方向から見て中央部にメインアーム6が挿通される開口がある筒部であり、メインアーム6に対してスライド可能に外装されている。この摺動ブロック9fは、内周面がメインアーム6の外周面に対して摺動可能とされている。このような摺動ブロック9fは、スイングアーム9c及びサポートアーム9eの移動によってメインアーム6に沿って移動することでメインアーム6を支える位置を変更し、これによってメインアーム6の姿勢を変更する。
【0036】
このような傾斜調整部9は、メインアーム6に対してスライド可能に接続された摺動ブロック9fを備え、この摺動ブロック9fに対して2本のリンク棒(スイングアーム9c及びサポートアーム9e)が接続されたパラレルリンク構造を有している。つまり、本実施形態の搬送装置1において傾斜調整部9は、メインアーム6に対してメインアーム6の長手方向にスライド可能に接続されると共にパラレルリンク機構を有し、メインアーム6の傾きを調整する。
【0037】
次に、本実施形態の搬送装置1の動作について、
図2〜
図4を参照して説明する。なお、
図2〜
図4においては、各構成要素を模式的に示すと共に、上述の架台2及び旋回モータ3を省略して図示し、傾斜調整部9の第1直動用モータ9b2、第1ボールネジ9b3、第2直動用モータ9d2及び第2ボールネジ9d3も省略して図示している。
【0038】
また、以下の説明においては、プレス装置X1(
図2〜
図4における左側)で成形されたドアパネルPをプレス装置X2(
図2〜
図4における右側)に搬送するまでの動作を説明する。この動作の主体は、不図示の制御装置である。また、
図2〜
図4に示す各図は、プレス装置X1からプレス装置X2までドアパネルPを連続的に搬送する過程の途中の瞬間を図示したものであり、
図2〜
図4の各図に示す状態でドアパネルPの搬送が一旦停止されることを意味するものではない。
【0039】
まず、旋回モータ3を駆動することにより、
図2(a)に示すように、先端部が最下位置から僅かにプレス装置X1側(
図2(a)における左側)に位置するように旋回アーム5の旋回角度を設定する。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の中央部に配置し、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の下端近傍に配置する。これにより、クロスバー7は、最もプレス装置X1側であって下降された位置に配置され、吸着部8がドアパネルPに当接する。ここで、吸着部8によってドアパネルPを上面側から吸着支持する。これにより、ドアパネルPの移動が可能となる。
【0040】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図2(b)に示すように、先端部が最下位置に近づくように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の上端に近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の上端に近づける。これにより、クロスバー7は、
図2(a)の状態よりも上昇される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPが持ち上げられる。
【0041】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図2(c)に示すように、先端部が最下位置を通過してプレス装置X2側(
図2(c)における右側)に位置するように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の上端にさらに近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の上端にさらに近づける。これにより、メインアーム6がプレス装置X2側に引かれると共に摺動ブロック9fに摺動支持されて立ち上げられ、クロスバー7はプレス装置X2側に略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、プレス装置X2に向けて略水平移動される。
【0042】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図3(a)に示すように、先端部がプレス装置X2側(
図3(a)における右側)であって高さ方向において旋回軸部4よりも高くなる位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の上端にさらに近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の上端にさらに近づける。これにより、さらにメインアーム6がプレス装置X2側に引かれると共に摺動ブロック9fに摺動支持されて立ち上げられ、クロスバー7はプレス装置X2側に略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、さらにプレス装置X2に向けて略水平移動される。
【0043】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図3(b)に示すように、先端部が最上位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の下端に近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の上端にさらに近づけ、スイングアーム9cの上端部とサポートアーム9eの上端部との高さ位置が同じとする。これにより、メインアーム6が鉛直姿勢となり、クロスバー7はプレス装置X1とプレス装置X2との間に位置することになる。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、プレス装置X1とプレス装置X2との間に配置されることとなる。
【0044】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図3(c)に示すように、先端部がプレス装置X1側(
図3(c)における左側)であって高さ方向において旋回軸部4よりも高くなる位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の下端に近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の上端に近づける。これにより、さらにメインアーム6がプレス装置X1側に引かれると共に摺動ブロック9fに摺動支持されて寝かされ、クロスバー7はプレス装置X2側に略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、さらにプレス装置X2に向けて略水平移動される。
【0045】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図4(a)に示すように、先端部が最下位置よりもプレス装置X1側(
図4(a)における左側)であって高さ方向において旋回軸部4よりも低くなる位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1の下端にさらに近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の下端に近づける。これにより、メインアーム6がプレス装置X1側に押されると共に摺動ブロック9fに摺動支持されてさらに寝かされ、クロスバー7はプレス装置X2側にさらに略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、プレス装置X2に向けてさらに略水平移動される。
【0046】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図4(b)に示すように、先端部が最下位置から僅かにプレス装置X2側(
図4(b)における右側)に配置されるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1のさらに下端に近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の下端にさらに近づける。これにより、クロスバー7は、プレス装置X2のドアパネルPの載置位置の上方に配置される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPもプレス装置X2のドアパネルPの載置位置の上方に配置される。
【0047】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図4(c)に示すように、先端部が最下位置からさらにプレス装置X2側(
図4(c)における右側)に位置するように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1直動用モータ9b2を駆動することにより、スイングアーム9cの上端部を第1直動ガイド9b1のさらに下端に近づけ、第2直動用モータ9d2を駆動することにより、サポートアーム9eの上端部を第2直動ガイド9d1の下端にさらに近づける。これにより、クロスバー7は、最もプレス装置X2側であって
図4(b)で示された位置よりも下降された位置に配置され、吸着部8に吸着されたドアパネルPがプレス装置X2に載置される。この後、吸着部8からドアパネルPを解離させることにより、ドアパネルPのプレス装置X1からプレス装置X2への搬送が完了する。
【0048】
なお、クロスバー7をプレス装置X2からプレス装置X1に戻す場合には、
図2〜
図4を用いて説明した上述の動作の反対の動作を行う。これによって、クロスバー7が連続的に略水平移動されてプレス装置X2からプレス装置X1まで移動される。
【0049】
また、上述の動作説明における旋回アーム5の旋回角度、スイングアーム9cの上端部の位置、及び、サポートアーム9eの上端部の位置は、各部材を
図1に示す寸法や形状とした場合のあくまでも一例である。各部材の寸法や形状は特に限定されるものではない。このため、各部材の寸法や形状が変更になった場合には、その寸法や形状に沿って、旋回アーム5の旋回角度、スイングアーム9cの上端部の位置、及び、サポートアーム9eの上端部の位置も変更される。実際には、メインアーム6の先端位置(すなわちクロスバー7の位置)が所望の位置となるように、旋回アーム5の旋回角度、スイングアーム9cの上端部の位置、及び、サポートアーム9eの上端部の位置が設定される。
【0050】
このような本実施形態の搬送装置1においては、メインアーム6の長手方向にスライド可能とされたパラレルリンク機構を用いてメインアーム6の傾きを調整する。このような本実施形態の搬送装置1によれば、パラレルリンク機構のメインアーム6との接続箇所である摺動ブロック9fをメインアーム6に沿ってスライドさせることでメインアーム6の傾きを調整することができるため、メインアーム6の傾きを調整するために略水平方向に長尺な機構を設ける必要がない。したがって、メインアーム6を水平姿勢に近く傾けることができ、メインアーム6の途中に関節を設けたり、メインアーム6を屈曲させるためのモータを設置したりする必要がない。したがって、メインアーム6を屈曲させる必要をなくすことによりメインアーム6の剛性向上を図り、さらにはドアパネルPの搬送速度及び安定性の向上、及び、メインアーム6を駆動する動力を削減することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態の搬送装置1においては、パラレルリンク機構が、メインアーム6に対してスライド可能に外装された摺動ブロック9fと、一端部が摺動ブロック9fに対して回転可能に接続されかつ他端部がドアパネルPの搬送方向下流側に向かって移動されるに連れて下降されるスイングアーム9cと、一端部が摺動ブロック9fに対して回転可能に接続されかつ他端部がドアパネルPの搬送方向下流側に向かって移動されるに連れて上昇されるサポートアーム9eとを有している。このような本実施形態の搬送装置1によれば、パラレルリンク機構の構造を簡素化することができ、搬送装置1の可動部の軽量化を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態の搬送装置1においては、傾斜調整部9が、ドアパネルPの搬送方向下流側に向かうに連れて下方に向かうようにスイングアーム9cの他端部を案内する第1直動ガイド9b1と、スイングアーム9cの他端部を移動させる動力を発生する第1直動用モータ9b2と、ドアパネルPの搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうようにサポートアーム9eの他端部を案内する第2直動ガイド9d1と、サポートアーム9eの他端部を移動させる動力を発生する第2直動用モータ9d2とを有している。このような本実施形態の搬送装置1においては、
図1(a)に示すように、第1直動ガイド9b1に第1直動用モータ9b2を固定し、第2直動ガイド9d1に第2直動用モータ9d2を固定することができる。このため、搬送装置1の動作の際に、第1直動用モータ9b2と第2直動用モータ9d2が移動されることがなく、搬送装置1を駆動する動力を削減することができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、
図5〜
図7を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0054】
図5〜
図7は、本実施形態の搬送装置1Aの動作を説明するための模式図である。なお、
図5〜
図7では、
図2〜
図4と同様に、上述の架台2及び旋回モータ3を省略して図示し、傾斜調整部9の第1直動用モータ9b2、第1ボールネジ9b3、第2直動用モータ9d2及び第2ボールネジ9d3も省略して図示している。
【0055】
これらの図に示すように、本実施形態の搬送装置1Aは、上記第1実施形態の搬送装置1が備えていた傾斜調整部9の第1直動機構9b及びスイングアーム9cに換えて第1回動機構9gを備え、上記第1実施形態の搬送装置1が備えていた傾斜調整部9の第2直動機構9d及びサポートアーム9eに換えて第2回動機構9hを備えている。また、本実施形態の搬送装置1Aにおいて傾斜調整部9は、第1回動機構9g及び第2回動機構9hに加えて、上記第1実施形態の搬送装置1が備えていた摺動ブロック9fを備えている。
【0056】
第1回動機構9gは、第1回動用モータ9g1と、第1リンク部9g2とを備えている。第1回動用モータ9g1は、架台2の一方の梁部2b(
図1(b)参照)に対して、直接的にあるいはベース部9a(
図1(b)参照)を介して間接的に固定されている。この第1回動用モータ9g1は、第1リンク部9g2の一方側の端部である第1端部(他端部)と接続されており、第1リンク部9g2に伝達する動力を生成する。
【0057】
第1リンク部9g2は、途中部位に1つ(単数)の関節部9g3を有するリンク部材であり、一方側の端部である第1端部が上述のように第1回動用モータ9g1に接続され、他方側の端部である第2端部(一端部)がドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿った回転軸芯La(第1回転軸芯)を中心として回転可能に摺動ブロック9fと接続されている。この第1リンク部9g2は、第1回動用モータ9g1に一端部が固定された根元側リンク棒と、関節部9g3にて根元側リンク棒と回転可能に接続されると共に一端部が摺動ブロック9fと接続された先端側リンク棒とを有し、根元側リンク棒の長さ寸法が先端側リンク棒の長さ寸法よりも短く設定されている。
【0058】
このような第1リンク部9g2は、第1回動用モータ9g1から動力を伝達されることにより、第1端部を通過する回転軸芯Laを中心として回転駆動可能とされている。また、第1リンク部9g2は、第1回動用モータ9g1で生成された動力が伝達されることにより、関節部9g3が従動的に曲がり、これによって屈曲状態で変形する。第1回動用モータ9g1で生成された動力が伝達されることによって関節部9g3は、根元側リンク棒の長さ寸法と略同一の半径寸法にて回転軸芯Laを中心として回転移動される。
【0059】
第2回動機構9hは、第2回動用モータ9h1と、第2リンク部9h2とを備えている。第2回動用モータ9h1は、架台2の他方の梁部2b(
図1(b)参照)に対して、直接的にあるいはベース部9a(
図1(b)参照)を介して間接的に固定されている。この第2回動用モータ9h1は、第2リンク部9h2の一方側の端部である第1端部(他端部)と接続されており、第2リンク部9h2に伝達する動力を生成する。
【0060】
第2リンク部9h2は、途中部位に1つ(単数)の関節部9h3を有するリンク部材であり、一方側の端部である第1端部が上述のように第2回動用モータ9h1に接続され、他方側の端部である第2端部(一端部)がドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向に沿った回転軸芯Lb(第2回転軸芯)を中心として回転可能に摺動ブロック9fと接続されている。この第2リンク部9h2は、第2回動用モータ9h1に一端部が固定された根元側リンク棒と、関節部9h3にて根元側リンク棒と回転可能に接続されると共に一端部が摺動ブロック9fと接続された先端側リンク棒とを有し、根元側リンク棒の長さ寸法が先端側リンク棒の長さ寸法よりも短く設定されている。なお、第1リンク部9g2と第2リンク部9h2とにおいて、根元側リンク棒同士の長さは同一に設定されており、また先端側リンク棒同士の長さも同一に設定されている。また、第2リンク部9h2の第2端部の回転軸芯Lbと、上述の第1リンク部9g2の第2端部の回転軸芯Laとは、ドアパネルPの搬送方向と直交する水平方向から見て重なるように配置されている。
【0061】
このような第2リンク部9h2は、第2回動用モータ9h1から動力を伝達されることにより、第1端部を通過する回転軸芯Lbを中心として回転駆動可能とされている。また、第2リンク部9h2は、第2回動用モータ9h1で生成された動力が伝達されることにより、関節部9h3が従動的に曲がり、これによって屈曲状態で変形する。第2回動用モータ9h1で生成された動力が伝達されることによって関節部9h3は、根元側リンク棒の長さ寸法と略同一の半径寸法にて回転軸芯Lbを中心として回転移動される。
【0062】
本実施形態の搬送装置1Aにおいて傾斜調整部9は、メインアーム6に対してスライド可能に接続された摺動ブロック9fを備え、この摺動ブロック9fに対して2本のリンク部(第1リンク部9g2及び第2リンク部9h2)が接続されたパラレルリンク構造を有している。つまり、本実施形態の搬送装置1Aにおいて傾斜調整部9は、メインアーム6に対してメインアーム6の長手方向にスライド可能に接続されると共にパラレルリンク機構を有し、メインアーム6の傾きを調整する。
【0063】
次に、本実施形態の搬送装置1Aの動作について説明する。以下の説明においては、プレス装置X1(
図5〜
図7における左側)で成形されたドアパネルPをプレス装置X2(
図5〜
図7における右側)に搬送するまでの動作を説明する。この動作の主体は、不図示の制御装置である。また、
図5〜
図7に示す各図は、プレス装置X1からプレス装置X2までドアパネルPを連続的に搬送する過程の途中の瞬間を図示したものであり、
図5〜
図7の各図に示す状態でドアパネルPの搬送が一旦停止されることを意味するものではない。
【0064】
まず、旋回モータ3を駆動することにより、
図5(a)に示すように、先端部が最下位置から僅かにプレス装置X1側(
図5(a)における左側)に位置するように旋回アーム5の旋回角度を設定する。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動することにより、関節部9g3が第1回動用モータ9g1よりもプレス装置X1側でかつ高い位置となるように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動することにより、関節部9h3が第2回動用モータ9h1よりもプレス装置X1側でかつ低い位置となるように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、クロスバー7は、最もプレス装置X1側であって下降された位置に配置され、吸着部8がドアパネルPに当接する。ここで、吸着部8によってドアパネルPを上面側から吸着支持する。これにより、ドアパネルPの移動が可能となる。
【0065】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図5(b)に示すように、先端部が最下位置に近づくように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3が最上位置に向かうように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3が最下位置に向かうように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、クロスバー7は、
図5(a)の状態よりも上昇される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPが持ち上げられる。
【0066】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図5(c)に示すように、先端部が最下位置を通過してプレス装置X2側(
図5(c)における右側)に位置するように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3がさらに最上位置に向かうように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3が最下位置を通過してプレス装置X2側(
図5(c)における右側)に向かうように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、メインアーム6がプレス装置X2側に引かれると共に摺動ブロック9fに摺動支持されて立ち上げられ、クロスバー7はプレス装置X2側に略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、プレス装置X2に向けて略水平移動される。
【0067】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図6(a)に示すように、先端部がプレス装置X2側(
図6(a)における右側)であって高さ方向において旋回軸部4よりも高くなる位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3が最上位置となるように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3がさらにプレス装置X2側に向かうように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、さらにメインアーム6がプレス装置X2側に引かれると共に摺動ブロック9fに摺動支持されて立ち上げられ、クロスバー7はプレス装置X2側に略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、さらにプレス装置X2に向けて略水平移動される。
【0068】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図6(b)に示すように、先端部が最上位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を逆回転駆動することにより、関節部9g3をプレス装置X1側(
図6(b)における左側)に近づくように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3がさらにプレス装置X2側であって第2回動用モータ9h1よりも上方に位置するように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、メインアーム6が鉛直姿勢となり、クロスバー7はプレス装置X1とプレス装置X2との間に位置することになる。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、プレス装置X1とプレス装置X2との間に配置されることとなる。
【0069】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図6(c)に示すように、先端部がプレス装置X1側(
図6(c)における左側)であって高さ方向において旋回軸部4よりも高くなる位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3がさらに最下位置に近づくように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3が最上位置となるように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、さらにメインアーム6がプレス装置X1側に引かれると共に摺動ブロック9fに摺動支持されて寝かされ、クロスバー7はプレス装置X2側に略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、さらにプレス装置X2に向けて略水平移動される。
【0070】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図7(a)に示すように、先端部が最下位置よりもプレス装置X1側(
図7(a)における左側)であって高さ方向において旋回軸部4よりも低くなる位置となるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3が最下位置近傍となるように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を逆回転駆動することにより、関節部9h3がプレス装置X2側に向かうように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、メインアーム6がプレス装置X1側に押されると共に摺動ブロック9fに摺動支持されてさらに寝かされ、クロスバー7はプレス装置X2側にさらに略水平移動される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPは、プレス装置X2に向けてさらに略水平移動される。
【0071】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図7(b)に示すように、先端部が最下位置から僅かにプレス装置X2側(
図7(b)における右側)に配置されるように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3がさらにプレス装置X2に近づくように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3が僅かにプレス装置X2側に向かうように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、クロスバー7は、プレス装置X2のドアパネルPの載置位置の上方に配置される。このため、吸着部8に吸着されたドアパネルPもプレス装置X2のドアパネルPの載置位置の上方に配置される。
【0072】
さらに、旋回モータ3を駆動し続けることにより、
図7(c)に示すように、先端部が最下位置からさらにプレス装置X2側(
図7(c)における右側)に位置するように旋回アーム5を旋回させる。同時に、第1回動用モータ9g1を駆動し続けることにより、関節部9g3がさらにプレス装置X2に近づくように第1リンク部9g2の根元側リンク棒を回転させる。また、第2回動用モータ9h1を駆動し続けることにより、関節部9h3がさらにプレス装置X2側に向かうように第2リンク部9h2の根元側リンク棒を回転させる。これにより、クロスバー7は、最もプレス装置X2側であって
図7(b)で示された位置よりも下降された位置に配置され、吸着部8に吸着されたドアパネルPがプレス装置X2に載置される。この後、吸着部8からドアパネルPを解離させることにより、ドアパネルPのプレス装置X1からプレス装置X2への搬送が完了する。
【0073】
なお、クロスバー7をプレス装置X2からプレス装置X1に戻す場合には、
図5〜
図7を用いて説明した上述の動作の反対の動作を行う。これによって、クロスバー7が連続的に略水平移動されてプレス装置X2からプレス装置X1まで移動される。
【0074】
また、上述の動作説明における旋回アーム5の旋回角度、関節部9g3の位置、及び、関節部9h3の位置は、各部材を
図5に示す寸法や形状とした場合のあくまでも一例である。各部材の寸法や形状は特に限定されるものではない。このため、各部材の寸法や形状が変更になった場合には、その寸法や形状に沿って、旋回アーム5の旋回角度、関節部9g3の位置、及び、関節部9h3の位置も変更される。実際には、メインアーム6の先端位置(すなわちクロスバー7の位置)が所望の位置となるように、旋回アーム5の旋回角度、関節部9g3の位置、及び、関節部9h3の位置が設定される。
【0075】
このような本実施形態の搬送装置1Aにおいては、上記第1実施形態の搬送装置1と同様に、メインアーム6の長手方向にスライド可能とされたパラレルリンク機構を用いてメインアーム6の傾きを調整する。このような本実施形態の搬送装置1によれば、パラレルリンク機構のメインアーム6との接続箇所である摺動ブロック9fをメインアーム6に沿ってスライドさせることでメインアーム6の傾きを調整することができるため、メインアーム6の傾きを調整するために略水平方向に長尺な機構を設ける必要がない。したがって、メインアーム6を水平姿勢に近く傾けることができ、メインアーム6の途中に関節を設けたり、メインアーム6を屈曲させるためのモータを設置したりする必要がない。したがって、メインアーム6を屈曲させる必要をなくすことによりメインアーム6の剛性向上を図り、さらにはドアパネルPの搬送速度及び安定性の向上、及び、メインアーム6を駆動する動力を削減することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態の搬送装置1Aにおいては、パラレルリンク機構が、メインアーム6に対してスライド可能に外装された摺動ブロック9fと、関節部9g3を有し、一端部が摺動ブロック9fに対して回転可能に接続されかつ他端部が回転軸芯Laを中心として回転駆動可能とされた第1リンク部9g2と、関節部9h3を有し、一端部が摺動ブロック9fに対して回転可能に接続されかつ他端部が回転軸芯Lbを中心として回転駆動可能とされた第2リンク部9h2とを有している。このような本実施形態の搬送装置1Aにおいても、パラレルリンク機構の構造を簡素化することができ、搬送装置1Aの可動部の軽量化を図ることができる。
【0077】
また、本実施形態の搬送装置1Aにおいては、傾斜調整部9が、回転軸芯Laを中心として第1リンク部9g2の他端部を回転駆動する第1回動用モータ9g1と、回転軸芯Lbを中心として第2リンク部9h2の他端部を回転駆動する第2回動用モータ9h1とを有している。このような本実施形態の搬送装置1Aによれば、簡素な構造でメインアーム6の姿勢を調整することができる。さらに、本実施形態の搬送装置1Aにおいては、第1回動用モータ9g1及び第2回動用モータ9h1は、架台2に対して固定されている。このため、搬送装置1Aの動作の際に、第1回動用モータ9g1及び第2回動用モータ9h1が移動されることがなく、搬送装置1を駆動する動力を削減することができる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0079】
例えば、上記第1実施形態においては、第1直動機構9bが第1ボールネジ9b3によりスイングアーム9cの上端部を直線移動し、第2直動機構9dが第2ボールネジ9d3によりサポートアーム9eの上端部を直線移動させる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1ボールネジ9b3及び第2ボールネジ9d3の少なくとも一方に換えて、ベルト駆動機構やリニアモータ機構を設置するようにしても良い。
【0080】
また、上記第1実施形態においては、傾斜調整部9がリンク棒としてスイングアーム9cとサポートアーム9eとを備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでなく、傾斜調整部9が3本以上のリンク棒を備える構成を採用することも可能である。
【0081】
例えば、上記第2実施形態においては、第1回動用モータ9g1が架台2の一方の梁部2bに固定され、第2回動用モータ9h1が架台2の他方の梁部2bに固定されている。つまり、上記第2実施形態においては、メインアーム6を挟むように、メインアーム6の両側に第1回動用モータ9g1と第2回動用モータ9h1とが配置された構成を採用している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、メインアーム6の片側に第1回動用モータ9g1と第2回動用モータ9h1とが配置された構成を採用することも可能である。
【0082】
また、上記第2実施形態においては、傾斜調整部9が2つのリンク部(第1リンク部9g2及び第2リンク部9h2)を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上のリンク部を備える構成を採用することも可能である。
【0083】
また、上記第2実施形態においては、第1リンク部9g2及び第2リンク部9h2が各々1つずつ関節部を有する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1リンク部9g2及び第2リンク部9h2が複数の関節部を有する構成を採用することも可能である。
【0084】
また、上記実施形態においては、ドアパネルPを吸着することにより支持する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、把持や下方から支えること等の他の方法にてドアパネルPを支持する構成を採用することも可能である。
【0085】
また、上記実施形態においては、ドアパネルPを搬送対象物とする構成について説明した。しかしながら、本発明の搬送対象物は、当然にドアパネルPに限定されるものではない。