(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960765
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】挿入ニードル用安全モジュール
(51)【国際特許分類】
A61M 5/158 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
A61M5/158 500H
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-94016(P2017-94016)
(22)【出願日】2017年5月10日
(65)【公開番号】特開2017-202324(P2017-202324A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2020年3月6日
(31)【優先権主張番号】62/335,032
(32)【優先日】2016年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ホワン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ソンデレッガー
【審査官】
上石 大
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0276320(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0173414(US,A1)
【文献】
特表2015−500100(JP,A)
【文献】
特開2008−237921(JP,A)
【文献】
特開平08−215315(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0178473(US,A1)
【文献】
特表2013−542008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースを含む医療器具と選択的に接続するための安全なニードルとハブのモジュールであって、当該ベースはベースから近位端側に延在する柱部と、柱部から延在する頭部とを備え、当該柱部及び頭部によってアンダーカットが形成されており、当該安全なニードルとハブのモジュールは、
ニードルの遠位端を選択的に遮蔽するためのニードルシールドであって、
近位端及び遠位端を備える周壁であって、軸方向通路を形成するべく、当該近位端は近位開口部を含み、且つ当該遠位端は、軸方向に貫通して延在し近位開口部に連通する遠位開口部を有する遠位面を含み、その外壁が上側壁部分を当該遠位端に接続する一対の側部ポストを有している周壁、及び
側部ポストの対向する側に配置され、前記軸方向通路に連通する一対の横方向開口を含むニードルシールド、
前記近位開口部内に移動可能に受入れられ、当該ニードルシールドの通路を通って延在するニードルハブであって、
近位端、遠位端及びそれらの間に延在する側壁、及び
当該ニードルハブの遠位端に固定的に接続されたニードルを含むニードルハブ、
且つ、
一対の鍵穴形状の開口部を有し、前記ニードルシールドの横方向開口内に移動可能に受け入れられた作動ボタンであって、第一の位置において、前記鍵穴形状の開口部の一方の周囲が、前記ニードルハブと連結し、残りの鍵穴形状の開口部の周囲が、前記医療器具と連結する、前記作動ボタン、
を備えることを特徴とする安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項2】
前記作動ボタンは、ロック用タブを含む上側脚部と下側脚部とを備え、そして
当該上側脚部と下側脚部は、ユーザ作動面を含む第1の壁によって第1の端部で連結され、第2の端部で第2の壁によって連結されており、
作動ボタンの第1の位置では、作動ボタンの上側脚部がニードルハブと係合し、及び作動ボタンの下側脚部が、前記医療器具に係合して、前記ニードルシールド、ニードルハブ、及び医療器具の間の相対運動を制限し、且つ、
作動ボタンが作動された後の作動ボタンの第2の位置では、作動ボタンの下側脚部が前記医療器具から係合解除され、安全なニードルとハブのモジュールが医療器具から取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項3】
前記ニードルシールドは、前記側部ポストから近位方向に延在する外側壁に配置された第1のシールド案内スロットをさらに含み、
前記第1のシールド案内スロットは前記横方向開口と連通し、そして
前記ニードルハブは、当該第1のシールド案内スロットに係合してその中を移動するためのハブのタブをさらに含んでいることを特徴とする請求項2に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項4】
前記第2の位置では、前記作動ボタンと前記ニードルシールドとの間の相対移動を防止するべく、前記上側脚部の前記ロック用タブが前記第1のシールド案内スロット内に受入れられることを特徴とする請求項3に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項5】
前記作動ボタンの前記上側脚部は、上側側面をさらに備え、
ロック用タブが前記上側側面の一方側の片持ちアームに配置され、そして制限用タブが前記上側側面のうちの残りの一方側に配置され、
作動ボタンが第1の位置にあるとき、前記上側脚部のロック用タブ及び制限用タブが前記ニードルシールドの側部ポストの1つに係合し、これによって、前記作動ボタン、ニードルシールド、ニードルハブ及び頭部を共にロックすることを特徴とする請求項2に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項6】
前記作動ボタンの前記下側脚部は、下側側面をさらに備え、
当該下側側面の各々に制限用タブが配置されており、そして前記第1の位置において、前記制限用タブの1つが前記ニードルシールドの前記側部ポストの1つに係合し、これによって、前記作動ボタン、ニードルシールド、ニードルハブ及び医療器具の間の移動を制限することを特徴とする請求項5に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項7】
前記上側脚部及び下側脚部の各々は、ロック用ローブ及びロック解除用ローブを備える穴を有し、前記ロック用ローブは前記ロック解除用ローブよりも小さく、前記第1の位置では、前記ニードルハブ及び医療器具が当該ロック用ローブに係合することを特徴とする請求項6に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項8】
前記ニードルハブは、前記側壁の遠位端のフランジ及び当該フランジの近位にあり、それから離間されているカラーをさらに備え、
ハブタブが、当該カラーに配置され、そしてノッチが、当該フランジとカラーとの間に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項9】
前記作動ボタンの前記上側脚部は、前記第1の位置において、前記ニードルハブの前記ノッチ内に受入れられることを特徴とする請求項8に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項10】
前記ニードルハブは、前記カラーの近位に間隔を空けて配置された管状部分をさらに備え、そして前記管状部分と前記カラーとの間に凹部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項11】
前記ニードルシールドは、前記周壁の内面から内側に延在する第1の突出部を含み、そして
前記ニードルハブは、シールドの突出部を受入れ、前記ニードルシールドを前記ニードルハブに沿って案内するべく、前記管状部分に配置された第1のハブ案内スロットを含むことを特徴とする請求項10に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項12】
前記ニードルハブの凹部は、前記ニードルシールドの前記第1の突出部を受け入れ、前記ハブを前記ニードルシールドに対してロックし、それらの間の相対的な動きを防止するべく、第1のハブロック用スロットを含んでいることを特徴とする請求項11に記載の安全なニードルとハブのモジュール。
【請求項13】
ニードルシールド、ニードルハブ、及び医療用具と共に使用するための作動ボタンであって、
当該作動ボタンは、
上側脚部、
当該上側脚部から離間されている下側脚部、
前記上側脚部と下側脚部とを第1の端部で連結する第1の壁であって、当該第1の端部がユーザ作動面を含んでいる第1の壁、及び
第2の端部において前記上側脚部と下側脚部を連結する第2の壁、を備え、
第1の位置では、当該作動ボタンが前記ニードルハブ及び医療器具と係合し、それによって、前記ニードルシールド、ニードルハブ及び医療器具の間の動きを制限し、そして
第2の位置では、当該作動ボタンが医療器具から係合解除され、前記ニードルシールドと前記ニードルハブが医療器具から取り外し可能になり、且つ当該作動ボタンは、当該作動ボタンと前記ニードルシールドとの間の相対移動を防止すべく、前記ニードルシールドと係合したままであることを特徴とする作動ボタン。
【請求項14】
前記上側脚部及び前記下側脚部の各々は、ロック用ローブ及びロック解除用ローブを有する穴を含み、前記ロック用ローブは前記ロック解除用ローブより小さいことを特徴とする請求項13に記載の作動ボタン。
【請求項15】
前記第1の位置において、前記ニードルハブは、前記上側脚部のロック用ローブに受け入れられ、前記医療器具は、前記下側脚部の前記ロック用ローブに受け入れられていることを特徴とする請求項14に記載の作動ボタン。
【請求項16】
前記上側脚部は、上側側面をさらに備え、ロック用タブを有する片持ちアームが前記上側側面の一方に配置され、制限用タブが前記上側側面の残りの一方に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の作動ボタン。
【請求項17】
前記下側脚部は、下側側面をさらに備え、前記制限用タブは、前記下側側面の各々に配置されていることを特徴とする請求項16に記載の作動ボタン。
【請求項18】
前記上側脚部は、前記下側脚部に実質的に平行であることを特徴とする請求項13に記載の作動ボタン。
【請求項19】
ベースを含む医療器具と選択的に接続するための安全なニードルとハブのモジュールであって、当該ベースはベースから近位端側に延在する柱部と、柱部から延在する頭部とを有し、当該ベース及び頭部の間にアンダーカットを形成しており、当該安全なニードルとハブのモジュールは、
ニードルの遠位端を選択的に覆うためのニードルシールドであって、
近位端及び遠位端と連絡する通路を備える外側壁であって、当該近位端は近位開口部を含み、当該遠位端はそこを貫通して延在する遠位開口部を備える遠位面を含む、外側壁、及び
当該ニードルシールドに配置された対向する開口、を含むニードルシールド、
近位開口部内に移動可能に受け入れられ、前記ニードルシールドの通路を通って延在するニードルハブであって、
近位端及び遠位端、及び
当該ニードルハブの当該遠位端に固定的に接続されたニードル、を含むニードルハブ、及び
前記ニードルシールド、ニードルハブ及び医療器具に係合するべく、前記ニードルシールドの対向する開口内に移動可能に受け入れられた作動ボタンであって、
当該作動ボタンは、作動可能に連結された上側脚部及び下側脚部、を備え、前記上側脚部及び下側脚部は、それぞれ、ロック用ローブ及びロック解除用ローブを有する穴を含む、作動ボタンを備え、
第1の位置では、前記ニードルハブが、前記上側脚部の前記ロック用ローブに受け入れられ、そして前記医療器具が、前記下側脚部の前記ロック用ローブに受け入れられることを特徴とする安全なニードルとハブのモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全モジュールに関し、より詳しくは、ニードル刺し損傷を防止する、挿入ニードルを備える安全モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ニードル鋭利物の安全性は、医療器具に関して高まっている重要な側面である。規制当局と市場の力は、ヘルスケアの専門家、保護者及びユーザをニードル刺し損傷から守るための、信頼できる手段の必要性を引き起こしている。ニードル刺し損傷からユーザ及び人員を保護する能力は、医療器具の市場での成功に影響を与える重要な側面である。
【0003】
カテーテル及び挿入装置を使用して、患者に流体を導入することは知られている。静脈内注入の場合、一般的な挿入デバイスは、カテーテル内に受け入れられた導入ニードルを有する注射器である。現在、ニードル刺し損傷を防止し、導入ニードルの安全な廃棄を可能にするいくつかの装置が存在する。これらの装置は、しばしば複雑であり、高価であり及び/又は製造が困難である。さらに、以前のデバイスの中には、動作ウィンドウ全体で作動の不一致があるものがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、上記の問題に対処し、製造するのが簡単で低コストである、挿入ニードルのための新規で改良された安全モジュールが引き続き必要とされていることが理解されよう。本発明の実施形態は、この必要性を実質的に満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の1つの態様は、挿入ニードルのための改善された安全モジュールである。
【0006】
本発明の前述の及び/又は他の態様は、ベースを含む医療器具と選択的に接続するための安全なニードルとハブのモジュールであって、当該ベースはベースから近位端側に延在する柱部と、柱部から延在する頭部とを備え、当該柱部及び頭部によってアンダーカットが形成されている安全なニードルとハブのモジュールを含んでいる装置を提供することによって、達成される。安全なニードルとハブのモジュールは、ニードルの遠位端を選択的に遮蔽するためのニードルシールドを有している。このニードルシールドは、近位端及び遠位端を備える周壁を含んでいる。近位端は近位開口部を含み、且つ遠位端は、軸方向通路を形成するべく、軸方向に貫通して延在し近位開口部に連通する遠位開口部を有する遠位面を含んでいる。周壁の外壁は、上側壁部分を遠位端に接続する一対の側部ポストを有している。ニードルシールドはまた、側部ポストの対向する側に配置され、軸方向通路に連通する一対の横方向開口を含んでいる。ニードルハブは、近位開口部内に移動可能に受入れられ、ニードルシールドの通路を通って延在している。このニードルハブは、近位端、遠位端及びそれらの間に延在する側壁を有している。ニードルがニードルハブの遠位端に固定的に接続されている。作動ボタンが、ニードルシールド、ニードルハブ及び医療器具と係合するべく、ニードルシールドの横方向開口内に移動可能に受け入れられている。
【0007】
本発明の上記及び/又は他の態様はまた、ニードルシールド、ニードルハブ、及び医療用具と共に使用するための作動ボタンを提供することによっても達成される。作動ボタンは、上側脚部、上側脚部から離間されている下側脚部、及び上側脚部と下側脚部とを第1の端部で連結する第1の壁を含んでいる。第1の端部は、ユーザ作動面を含んでいる。作動ボタンはまた、第2の端部において上側脚部と下側脚部を連結する第2の壁を含んでいる。第1の位置では、作動ボタンはニードルハブ及び医療器具に係合され、それによって、ニードルシールド、ニードルハブ及び医療器具の間の動きを制限している。第2の位置では、安全なニードルとハブのモジュールが医療器具から係合解除され、安全なニードルとハブのモジュールは医療器具から取り外し可能になり、且つ作動ボタンは、作動ボタンとニードルシールドとの間の相対移動を防止すべく、ニードルシールドと係合したままである。
【0008】
本発明の上記及び/又は他の態様はまた、ベースを含む医療器具と選択的に接続するための安全なニードルとハブのモジュールを提供することによっても達成され、ベースを含む医療器具と選択的に接続するための安全なニードルとハブのモジュールであって、当該ベースはベースから近位端側に延在する柱部と、柱部から延在する頭部とを有し、当該ベース及び頭部の間にアンダーカットを形成している。当該安全なニードルとハブのモジュールは、ニードルの遠位端を選択的に覆うためのニードルシールドを含んでいる。このニードルシールドは、近位端及び遠位端を連絡する通路を備える外側壁を含んでいる。当該近位端は近位開口部を含み、そして当該遠位端は貫通して延在する遠位開口部を備える遠位面を含んでいる。対向する開口が当該ニードルシールドに配置されている。ニードルハブが近位開口部内に移動可能に受け入れられ、ニードルシールドの通路を通って延在している。当該ニードルハブは、近位端及び遠位端、及びニードルハブの遠位端に固定的に接続されたニードルを含んでいる。作動ボタンが、ニードルシールド、ニードルハブ及び医療器具に係合するべく、前記ニードルシールドの対向する開口内に移動可能に受け入れられている。当該作動ボタンは、作動可能に連結された上側脚部及び下側脚部を有している。第1の位置では、作動ボタンの上側脚部がニードルハブの凹部内に受入れられ、そして当該作動ボタンの下側脚部が医療器具のベースと頭部との間のアンダーカット内に受入れられる。作動ボタンが作動された後の第2の位置では、ニードルとハブのモジュールが、医療器具から取り外し可能である。
【0009】
本発明の追加の及び/又は他の態様及び利点は、以下の説明に記載されるか、又は明細書の記載から明らかになるか、又は本発明の実施によって習得されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態の上記及び/又は他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による挿入ニードルのための安全モジュール及び注入セットのベースの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の安全モジュールの第1の位置における断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の安全モジュールの第2の位置における断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の安全モジュールの第2の位置における断面図である。
【
図6】
図6は、
図1の安全モジュールの断面図であるが、分かりやすくするために注入セットのベースが省略されている。
【
図7】
図7は、
図1の安全モジュールの作動ボタンの上面図である。
【
図8】
図8は、
図1の安全モジュールのニードルハブがロック位置にある状態での断面図である。
【
図9】
図9は、
図1の安全モジュールのニードルハブがロック位置にある状態での斜視図であり、分かりやすくするために注入セットのベースが省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面に示されている、本発明の実施形態を詳細に参照する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を示す。本明細書に記載された実施形態は、図面を参照することによって例示されるが、本発明を限定するものではない。
【0012】
この開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことが、当業者には理解されるであろう。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明のためのものであり、限定的であると見なされるべきではないことが理解されよう。本明細書における「含む」「備える」又は「有する」及びその変形の使用は、その後に列挙されるアイテム及びその均等物、ならびに追加のアイテムを包含することが意味されている。他に制限されない限り、本明細書における「接続された」、「結合された」及び「取り付けられた」という用語及びそれらの変形は、広義に用いられ、直接的及び間接的な接続、結合及び取り付けを包含している。加えて、「接続された」及び「結合された」という用語及びその変形は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。さらに、上、下、底、頂などの用語は、相対的なものであり、例示を助けるために用いられているが、限定するものではない。
【0013】
注入セットのベース500及び安全モジュール100が
図1に示されている。
図3及び
図6に最もよく示されるように、注入セットのベース500は、それに取り付けられた柱部510、柱部上に配置された頭部512を有している。作動ボタン200は、ニードルシールド300の遠位端に隣接してニードルシールド300に形成された横方向開口324を介して、ニードルシールド300、ニードルハブ400及びベース500に係合している。作動ボタン200は、ニードル410及びニードルハブ400が作動ボタン200を通って延在することを可能にする鍵穴形状の開口部224を含んでいる。
【0014】
図2は安全モジュールの分解図である。図示のように、ニードル410の遠位端を選択的に覆うためのニードルシールド300は、近位端312及び遠位端314を有する周壁310を含んでいる。近位端312は近位開口部316を含み、そして、遠位端は、そこを通って延在する遠位開口部320を有する遠位面318を含んでいる。通路322は、周壁310によって形成され、近位開口部316と遠位開口部320との間に延在している。横方向開口部324は、遠位面318に近接して周壁310に形成されている。横方向開口部324は、壁310における第1のガイドポスト326と、対向する第2のガイドポスト328との間に形成されている。
【0015】
第1のガイドポスト326及び第2のガイドポスト328は、遠位面320から近位端312に向かって延びている。第1の切欠き330及び第2の切欠き332が、近位端312において周壁310に形成されている。一実施形態によれば、第1の切り欠き330及び第2の切り欠き332は、互いに正反対に対向している。さらに、一実施形態によれば、第1のシールド案内スロット334及び第2のシールド案内スロット336が、周壁310で互いに正反対に対向されている。一実施形態によれば、シールド案内スロット334、336は、それぞれ、第1及び第2の側部ポスト326、328から第1及び第2の切欠き330、332のすぐ下まで垂直方向(軸方向)に延在している。第1のシールド案内スロット334及び第2のシールド案内スロット336は、ニードルシールド300を介して横方向開口324と連通している。第1のシールド突起338及び第2のシールド突起340が、近位端312において、周壁310の内面から半径方向内向きに延在している。
【0016】
ニードルハブ400は、ニードルシールド300の近位開口部316内に移動可能に受け入れられ、ニードルシールド300の通路322を通って延在することができる。ニードルハブ400は、近位端412、遠位端414、及びそれらの間に延在する側壁416を含んでいる。一実施形態によれば、ニードル410は、ニードルハブ400の遠位端414に固定して接続されている。ニードルハブの側壁416は、遠位端414にフランジ418を含んでいる。カラー420が、フランジ418の近位でフランジ418から離間されている。凹状のノッチ422が、フランジ418とカラー420との間の空間によって形成されている。カラー420は、シールド案内スロット334、336内にそれぞれ係合して移動する、対向するカラータブ424、426を含んでいる。管状部分428は、カラー420の近位に、カラー420から離間して配置され、そして、管状部分428とカラー420との間の空間によって凹部430が形成されている。
【0017】
凹部430は、ニードルハブ400をニードルシールド300に対してロックし、それらの間の相対運動を防止するべく、対向するハブロックスロット432、434を含んでいる。第1のハブ案内スロット436及び第2のハブ案内スロット438は対向して、管状部分428に軸方向に配置されている。第1のハブ案内スロット436及び第2のハブ案内スロット438は、ニードルシールド300をニードルハブ400に沿って案内するために、ニードルシールド突起338、340を受け入れる。第1及び第2の把持部材440、442がニードルハブ400の近位端412に配置されている。第1の把持部材440及び第2の把持部材442は、ニードルシールド300の第1の切り欠き330及び第2の切り欠き332にそれぞれ受け入れられ得る。
【0018】
作動ボタン200は、第1の端部においてユーザ作動面を含む第1の壁214によって結合され、そして第2の端部において第2の壁216によって結合された、上側脚部210及び下側脚部212を含んでいる。上側脚部210及び下側脚部212は、第1の壁214と第2の壁216との間で横方向に延在している。上側脚部210は、ロック用ローブ220及びロック解除用ローブ222を備える第1の穴218を含んでいる。ロック用ローブ220はロック解除用ローブ222よりも小さい。上側及び下側の脚部210及び212は、それぞれ、第1の(上側)側面224及び第2の(下側)側面226を有する。ロック用タブ230を有する片持ちアーム228が第1の側面224に配置されている。制限用タブ232が第2の側面226に配置されている。下側脚部212は、ロック用ローブ236とロック解除用ローブ238とを有する第2の穴234を含んでいる。ロック解除用ローブ238は、ロック用ローブ236より大きい。上側脚部210及び下側脚部212はまた、第1及び第2の側面224及び226の反対側に配置された第3(上側)及び第4(下側)の側面240及び242を有している。好ましくは、制限用タブ232は、第3及び第4の側面240及び242にも配置される。
【0019】
図3に示すように、注入セットのベース500は、柱部510と頭部512のオーバーハングとによって形成されたアンダーカット514を介して、作動ボタン200に取り外し可能に係合させることができる。作動ボタン200が第1の位置、すなわち、非作動位置にあるとき、作動ボタン200の上側脚部210はニードルハブ400のフランジ凹部430に受け入れられ、作動ボタン200の下側脚部212は、注入セットのベース500の柱部510と頭部512とによって形成されたアンダーカット514に受け入れられている。
図1に戻るに、上側脚部210のロック用タブ230及び制限用タブ232、及び下側脚部212の制限用タブ232は、ニードルシールド300の第1のガイドポスト326と係合し、これによって、ニードルシールド300、ニードルハブ400及び頭部512を一緒にロックしている。
【0020】
図4は、ベース500をロック解除するために、作動ボタン200が移動される方向を示している。好ましくは、この方向は、ニードルハブ400の長手方向軸に対して実質的に直交している。
図5に示すように、第2の、すなわち、作動位置では、注入セットの頭部512が作動ボタン200の下側脚部212のロック解除用ローブ238に受け入れられ、そしてニードルハブ400のフランジ418が作動ボタン200の上側脚部210のロック解除用ローブ222に、同時に、受け入れられている。上側脚部及び下側脚部のそれぞれのロック解除用ローブ222、238は、ニードルハブ400の頭部512及びフランジ418よりも大きい。第2の位置では、ニードルシールド300及び作動ボタン200は、
図6に示されるように、頭部512から取り外すことができる。
【0021】
図9は、第2の、作動中の位置において、上側脚部210のロック用タブ230が、作動ボタン200とニードルシールド300との間の相対運動を防止するべく、第1のシールド案内スロット334に受け入れられることを示している。作動ボタンが第2の作動中の位置にあるとき、使用者は、把持部材440、442を係合させ、そしてニードルハブ400をニードルシールド300に対して近位方向に摺動させることによって、ニードルシールド300に対してニードルハブ400を近位方向に動かすことができる。ニードルハブ400のカラータブ424、426は、ニードル410をシールド300内に引き出すべく、シールド案内スロット334、336内を近位方向に移動する。シールドの突出部338、340が、ニードルハブ400のカラー凹部430内に着座すると、ニードルハブ400はニードルシールド300にロックされ、そしてそれにより、ニードルハブ400とニードルシールド300との間の軸方向移動が防止される。
【0022】
当業者であれば、本発明の原理及び精神から逸脱することなく、実施形態に変更を加えることができることが理解されよう。本明細書で開示された実施形態及び/又は要素のいずれも、互いに矛盾しない限り、具体的に開示されていない様々な追加の実施形態を形成するために、互いに組み合わせることができる。当業者は、上述した様々な例示的実施形態の様々な要素の様々な技術的側面を、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物により規定される、本発明の範囲内にあると考えられる多数の他の方法で容易に組み合わせることができることが留意される。