特許第6960802号(P6960802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6960802
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】作業機械の周囲監視装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20211025BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20211025BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   E02F9/24 H
   E02F9/26 A
   E02F9/20 Q
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-161600(P2017-161600)
(22)【出願日】2017年8月24日
(65)【公開番号】特開2019-39206(P2019-39206A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西澤 匡士
(72)【発明者】
【氏名】坂本 博史
(72)【発明者】
【氏名】中 拓久哉
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−064254(JP,U)
【文献】 特開平11−222882(JP,A)
【文献】 特開2007−023486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/24
E02F 9/26
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体に、フロント作業機を備える上部旋回体を旋回自在に設けた作業機械の周囲監視装置であって、
前記作業機械の周囲の地形情報を取得する地形情報取得部と、
前記地形情報取得部で取得された前記地形情報の時刻変化に基づいて、前記地形情報の信頼度を算出する地形情報信頼度評価部と、
前記作業機械の前記フロント作業機の機械状態を算出する機械状態取得部と、
前記地形情報取得部で取得された前記地形情報と前記地形情報信頼度評価部で算出された前記信頼度と前記機械状態取得部で算出された前記フロント作業機の前記機械状態とに基づいて作業領域を設定する作業領域設定部と、
前記作業機械の周囲の障害物情報を取得する障害物取得部と、
前記障害物取得部で取得された前記障害物情報と前記作業機械との相対位置および、前記作業領域設定部で設定された前記作業領域を用いて接近度を算出する接近度算出部と、
前記接近度算出部により算出された前記接近度に応じた制御指示を出力する動作指示部と、を備えること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項2】
下部走行体に、フロント作業機を備える上部旋回体を旋回自在に設けた作業機械の周囲監視装置であって、
前記作業機械の前記フロント作業機の機械状態を検出するセンサから受信した前記機械状態と地形データとを用いて作業領域を設定する作業領域設定部と、
前記作業機械の周囲の障害物を検出する障害物センサにおいて検出された前記作業機械の周囲の障害物各々について、設定された前記作業領域および当該障害物と前記作業機械との相対位置を用いて接近度を算出する接近度算出部と、
前記接近度に応じた制御指示を出力する指示部と、を備え、
前記作業領域設定部は、前記フロント作業機が前記機械状態を維持した状態で前記上部旋回体が旋回した場合に到達可能な領域の内部を前記作業領域と設定し、
前記接近度算出部は、前記障害物が前記作業領域内である場合、前記相対位置に応じて前記接近度を算出すること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項3】
請求項2記載の作業機械の周囲監視装置であって、
前記地形データの信頼度を評価する信頼度評価部をさらに備え、
前記機械状態は、前記フロント作業機の先端部の水平面上の位置を含み、
前記作業領域設定部は、前記水平面上の、前記作業機械の旋回中心を中心とし、当該中心から前記先端部の位置までの線分を半径とする円周内で、前記信頼度が所定未満の領域を、作業領域候補と設定すること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項4】
請求項3記載の作業機械の周囲監視装置であって、
前記地形データは、前記作業機械の周囲の地形の高さを含み、
前記機械状態は、前記フロント作業機の最下端部の高さを含み、
前記作業領域設定部は、前記円周内で前記信頼度が所定以上の領域のうち、前記地形の高さが、前記最下端部の高さより高い領域である高高度領域は、非作業領域と設定すること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項5】
請求項4記載の作業機械の周囲監視装置であって、
前記地形データは、前記地形毎の当該地形の硬度を特定するデータである材質データをさらに含み、
前記作業領域設定部は、前記高高度領域であっても、前記材質データにより所定の硬度未満と判定された領域は、前記非作業領域と設定しないこと
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項6】
請求項5記載の作業機械の周囲監視装置であって、
前記作業領域設定部は、前記高高度領域のうち、前記非作業領域と設定された領域より、前記半径方向に前記作業機械より遠方の領域は、前記非作業領域と設定すること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項7】
請求項2記載の作業機械の周囲監視装置であって、
前記接近度は、複数段階のレベルを有し、
前記接近度算出部は、
前記作業領域内であって、予め定めた第一の範囲内にある前記障害物の前記接近度を最も高いレベルに設定し、
前記第一の範囲は、前記作業領域内の前記フロント作業機が所定の時間内に到達する領域であること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の作業機械の周囲監視装置であって、
モニタおよびブザーの少なくとも一方を出力装置としてさらに備え、
前記制御指示は、前記出力装置からの警告出力を行う指示であること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【請求項9】
請求項1または2に記載の作業機械の周囲監視装置であって、
前記上部旋回体の旋回を制御するコントローラをさらに備え、
前記制御指示は、前記コントローラへの旋回抑制指示であること
を特徴とする作業機械の周囲監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の周囲監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械においては、周囲監視が必須である。周囲監視技術の一例として、例えば、周囲監視を行い、油圧ショベルのバケットの先端が障害物に干渉しないよう制御する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の技術では、「機体本体の現在位置、上部旋回体の方位、ブーム、アーム、バケットの回転角検知値からバケット先端位置の座標を演算し、該演算座標が、予め設定される干渉回避範囲に入った場合、バケット先端の上下方向および水平方向の移動速度を減速し、障害物から予め設定される距離に至ったら停止するように制御(要約抜粋)」している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−307436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術では、作業機械、障害物、周囲の地形の関係を考慮していない。このため、実際には障害物との接触可能性が低い場合であっても、作業機械と障害物との距離が近い場合は、警報が出力されたり、回避制御がなされたりする。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、作業機械の周囲に対し、必要十分な監視を行いつつ作業効率を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下部走行体に、フロント作業機を備える上部旋回体を旋回自在に設けた作業機械の周囲監視装置であって、前記作業機械の周囲の地形情報を取得する地形情報取得部と、前記地形情報取得部で取得された前記地形情報の時刻変化に基づいて、前記地形情報の信頼度を算出する地形情報信頼度評価部と、前記作業機械の前記フロント作業機の機械状態を算出する機械状態取得部と、前記地形情報取得部で取得された前記地形情報と前記地形情報信頼度評価部で算出された前記信頼度と前記機械状態取得部で算出された前記フロント作業機の前記機械状態とに基づいて作業領域を設定する作業領域設定部と、前記作業機械の周囲の障害物情報を取得する障害物取得部と、前記障害物取得部で取得された前記障害物情報と前記作業機械との相対位置および、前記作業領域設定部で設定された前記作業領域を用いて接近度を算出する接近度算出部と、前記接近度算出部により算出された前記接近度に応じた制御指示を出力する動作指示部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、下部走行体にフロント作業機を備える上部旋回体を旋回自在に設けた作業機械の周囲監視装置であって、前記作業機械の前記フロント作業機の機械状態を検出するセンサから受信した前記機械状態と地形データとを用いて作業領域を設定する作業領域設定部と、前記作業機械の周囲の障害物を検出する障害物センサにおいて検出された前記作業機械の周囲の障害物各々について、設定された前記作業領域および当該障害物と前記作業機械との相対位置を用いて接近度を算出する接近度算出部と、前記接近度に応じた制御指示を出力する指示部と、を備え、前記作業領域設定部は、前記フロント作業機が前記機械状態を維持した状態で前記上部旋回体が旋回した場合に到達可能な領域の内部を前記作業領域と設定し、前記接近度算出部は、前記障害物が前記作業領域内である場合、前記相対位置に応じて前記接近度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、作業機械の周囲に対し、必要十分な監視を行いつつ、作業効率を向上できる。上記した以外の課題および効果は、発明を実施するための形態で明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の作業機械の一例である油圧ショベルの概観を説明するための説明図である。
図2】本発明の実施形態の油圧ショベルの制御システムの概要を説明するための説明図である。
図3】本明細書で用いる車体座標系を説明するための説明図である。
図4】(a)および(b)は、油圧ショベルの動作シーンの例を説明するための説明図である。
図5】(a)および(b)は、油圧ショベルの動作シーンの他の例を説明するための説明図である。
図6】(a)および(b)は、油圧ショベルの動作シーンのさらに他の例を説明するための説明図である。
図7】本発明の実施形態の周囲監視装置の機能ブロック図である。
図8】本発明の実施形態の位置関係判別処理のフローチャートである。
図9】本発明の実施形態の変換後障害物情報の一例を説明するための説明図である。
図10】本発明の実施形態の変換後地形情報の一例を説明するための説明図である。
図11】本発明の実施形態の信頼度マップ算出処理を説明するための説明図である。
図12】本発明の実施形態の信頼度マップ算出処理のフローチャートである。
図13】本発明の実施形態の作業領域設定処理を説明するための説明図である。
図14】本発明の実施形態の作業領域設定処理のフローチャートである。
図15】本発明の実施形態の作業領域設定処理の中の周辺処理を説明するための説明図である。
図16】本発明の実施形態の作業領域設定処理の中の周辺処理のフローチャートである。
図17】本発明の実施形態の作業領域マップの一例を説明するための説明図である。
図18】本発明の実施形態の接近度算出処理のフローチャートである。
図19】(a)は、本発明の実施形態の動作データベースの一例を説明するための説明図であり、(b)は、本発明の実施形態のモニタに表示される表示画面例を説明するための説明図である。
図20】本発明の実施形態の指示出力処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態を説明するための全図において同一の機能を有するものは、特に断らない限り、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0010】
本実施形態では、作業機械の周囲の地形情報を考慮して、当該作業機の周囲の障害物毎にその接近度をレベル分けし、レベルに応じた警告および制御を行う。
【0011】
以下、本実施形態では、作業機械として、油圧ショベルを例にあげて説明する。なお、作業機械は、油圧ショベルに限定されない。例えば、ドーザやローダであってもよい。
【0012】
[構成]
まず、本実施形態の油圧ショベル100の概略構成を説明する。図1は、本実施形態の油圧ショベル100の概観を示す図である。
【0013】
油圧ショベル100は、多関節型フロント作業機110と車体130とを備える。多関節型フロント作業機110は、ブーム111とアーム112と、バケット113とを備える。ブーム111とアーム112とバケット113とは、それぞれ、ブームシリンダ121とアームシリンダ122とバケットシリンダ123との各アクチュエータにより駆動され、掘削および土砂の運搬をする。
【0014】
車体130は、上部旋回体131と下部走行体132とを備える。上部旋回体131および下部走行体132は、旋回モータ124の駆動により旋回し、左右の走行モータ125、126の駆動により前後方向に走行、および回転走行する。
【0015】
また、上部旋回体131は、運転室151を備える。運転室151には、操作レバー152、出力装置(例えば、モニタ153、ブザー154(図2参照)など)が設置される。
【0016】
さらに、ブーム111、アーム112、バケット113、および、上部旋回体131は、それぞれの回動角を検出する角度検出器181、182、183、および、184を備える。
【0017】
また、油圧ショベル100は、障害物情報を取得する外界認識センサ156(図2参照)を備える。外界認識センサ156は、例えば、カメラ、レーダ、レーザスキャナ等である。
【0018】
[制御システム]
次に、本実施形態の油圧ショベル100の、制御システムの概要を説明する。図2は、油圧ショベル100の制御システムの一例を示す図である。
【0019】
油圧ショベル100は、さらに、エンジン143と、油圧ポンプ142と、コントロールバルブ141と、コントローラ162と、情報コントローラ161とを備える。
【0020】
油圧ポンプ142は、エンジン143の動力によって作動する。オペレータが操作レバー152を操作すると、その操作情報は、コントローラ162で制御信号に変換される。制御信号は、油圧ポンプ142とコントロールバルブ141とに送られ、油圧ポンプ142の出力およびコントロールバルブ141の電磁弁を制御する。これらにより、旋回モータ124と、走行モータ125、126と、ブームシリンダ121と、アームシリンダ122と、バケットシリンダ123とは、駆動される。
【0021】
情報コントローラ161は、コントローラ162と、ブザー154と、モニタ153と、記憶媒体155とに接続される。情報コントローラ161は、ブザー154およびモニタ153を介したオペレータへの情報提示やコントローラ162へのコントロールバルブ141の制御指示の出力、障害物や地形情報を用いた演算処理を行う。
【0022】
また、情報コントローラ161は、油圧ショベル100の外部とデータの送受信を行う通信機能を備えていてもよい。
【0023】
本実施形態では、記憶媒体155には、障害物データベース(DB)310と地形DB320と、動作DB330と、が記憶される。
【0024】
障害物DB310は、油圧ショベル100の周囲の障害物情報を保持する。保持する障害物情報は、例えば、外界認識センサ156等で取得される。なお、障害物情報は、例えば、油圧ショベル100の外部に設置されたセンサにより取得され、無線通信により情報コントローラ161に送信されてもよい。また、外界認識センサ156で取得した情報と、送信された情報との組み合わせであってもよい。障害物DB310が保持する障害物情報は、所定の時間間隔で、外界認識センサ156等から送信され、更新される。
【0025】
以下、本明細書では、障害物は、油圧ショベル100が作業の対象としない物体または構造物を指す。
【0026】
地形DB320は、油圧ショベル100の周囲の地図情報(地形情報)を保持する。保持する地形情報は、障害物情報と同様に、例えば、外界認識センサ156で取得する。ま
た、例えば、油圧ショベル100の外部に設置されたセンサにより取得され、無線通信により情報コントローラ161に送信されてもよい。障害物情報と同様に、それらの組み合わせであってもよい。また、油圧ショベル100の外部に設置されたサーバ等に保存されたデータが設定されてもよい。
【0027】
地形DB320が保持する地形情報は、所定の時間間隔で更新される。
【0028】
動作DB330は、後述するように、各障害物に設定したレベル毎の制御動作を保持する。
【0029】
本実施形態では、情報コントローラ161が、記憶媒体155に格納される各種のデータを用いて、後述する周囲監視装置200を実現する。
【0030】
本実施形態の周囲監視装置200の説明に先立ち、本実施形態の概要を説明する。
【0031】
まず、本明細書で用いる座標系について説明する。本実施形態では、図3に示す、車体130に固定された車体座標系900を用いる。車体座標系900は、油圧ショベル100の重心を原点とし、水平面上にX軸とY軸とを取り、鉛直方向にZ軸を取る直交座標系である。本明細書では、車体130の左右方向にX軸をとり、水平面上でX軸に直交する方向をY軸とする。
【0032】
図4(a)〜図6(b)は、油圧ショベル100の動作シーン例の説明図である。一般に、油圧ショベル100の作業半径内に障害物がある場合、接触可能性が高い。しかしながら、油圧ショベル100と障害物との間に、所定の高さの土手711がある場合、土手の高さ、材質によって、接触可能性が変化する。ここでは、油圧ショベル100の車体130から最も遠い位置にバケット113がある場合を例にあげて説明する。これらの図において、バケット113の先端の高さを710とする。
【0033】
なお、図4(a)、図5(a)および図6(a)は、油圧ショベル100を正面から見た図であり、図4(b)、図5(b)および図6(b)は、油圧ショベル100を真上から見た図である。
【0034】
図4(a)および図4(b)は、油圧ショベル100と障害物720との間に、バケット113の先端の高さ710より低い土手711がある場合の動作シーンである。
【0035】
このような場合、たとえ、障害物720と油圧ショベル100との間に土手711があったとしても、その土手711の高さが、バケット113の先端の高さ710より低いため、バケット113が回転すると当該障害物720に接触する可能性が高い。このため、本実施形態の周囲監視装置200では、このような位置にある障害物720については、接触する可能性を高く設定し、警告の対象とする。
【0036】
図5(a)および図5(b)は、油圧ショベル100と障害物720との間に、バケット113の先端の高さ710より高く、かつ、安定した地盤の土手711がある場合の動作シーンである。このような場合は、当該障害物720にバケット113が接触する可能性は低い。本実施形態の周囲監視装置200では、このような位置にある障害物720については、接触する可能性を0に設定し、警告の対象としない。
【0037】
また、図6(a)および図6(b)は、油圧ショベル100と障害物720との間に、バケット113の先端の高さより高いが、安定しない地盤の土手711がる場合の動作シーンである。このような場合、土手711が崩壊し、障害物720に接触する可能性があ
る。従って、本実施形態で周囲監視装置200は、接触する可能性を有りと設定し、警告の対象とする。
【0038】
[周囲監視装置]
以下、上記のような警告制御を実現する本実施形態の周囲監視装置200を説明する。図7は、本実施形態の周囲監視装置200の機能ブロック図である。
【0039】
周囲監視装置200は、障害物情報取得部211と、地形情報取得部221と、機械状態取得部231と、地形情報信頼度評価部222と、作業領域設定部223と、操作状態判定部232と、接近度算出部224と、動作指示部241と、を備える。
【0040】
障害物情報取得部211により、油圧ショベル100の周囲の障害物を検出する障害物センサである外界認識センサ156で検出した各障害物の、車体座標系900での位置情報を得る。
【0041】
また、障害物情報取得部211では、地形データを車体座標系900に変換し、車体座標系900での地形データを得る。また、地形情報信頼度評価部222では、地形情報の、位置毎の信頼度情報を得る。
【0042】
機械状態取得部231では、油圧ショベル100の各部に配置されたセンサで取得したデータから、バケット113を含む多関節型フロント作業機110の各部の位置情報等を得、操作状態判定部232では、多関節型フロント作業機110の旋回角速度を得る。
【0043】
そして、作業領域設定部223では、地形データと信頼度と多関節型フロント作業機110の各部の位置情報等から作業領域を設定し、接近度算出部224では、設定された作業領域と障害物情報とを用いて、各障害物の接近度レベルを算出する。
【0044】
動作指示部241では、各障害物の接近度レベルに応じて警告動作を決定し、警告動作に応じた制御指示を油圧ショベル100の各部に出力する。
【0045】
なお、これらの各部は、情報コントローラ161が、予め定めたプログラムをメモリにロードして実行することにより実現される。プログラムは、例えば、記憶媒体155等に格納される。なお、情報コントローラ161が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアを備え、全部または一部の機能は、これらによって実現されてもよい。また、各部の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、メモリ、または、記憶媒体155に格納される。
【0046】
以下、各部の処理の詳細を説明する。
【0047】
[障害物情報取得部]
障害物情報取得部211は、障害物DB310より油圧ショベル100の周囲の障害物情報を取得し,車体座標系900に変換する。障害物情報取得部211は、所定の時間間隔で、障害物DB310から障害物情報を取得する。なお、取得するタイミングは、障害物DB310の情報更新と同期していてもよいし、予め定めたタイミングであってもよい。このとき、まず、障害物情報取得部211の出力から、油圧ショベル100の周囲の障害物の有無を判定する。そして、障害物有りと判定された場合、障害物情報から得られる各障害物の位置情報を、それぞれ、車体座標系900に変換し、変換後障害物情報として算出する。変換式は、予め保持しておく。
【0048】
[障害物情報取得処理]
障害物情報取得部211による障害物情報取得処理の流れを説明する。図8は、障害物との位置関係判別処理のフローである。
【0049】
<ステップS1100>
障害物情報取得部211は、障害物DB310から障害物情報を取得する。
<ステップS1101>
障害物情報取得部211は、障害物DB310から取得した障害物情報を参照し、油圧ショベル100の周囲の障害物の有無を判定する。例えば、障害物情報として送信される位置情報の数で判定する。
【0050】
<ステップS1102>
ステップS1101において、障害物有り、と判定された場合、障害物情報取得部211は、障害物の数を、障害物数Mobj(Mobjは、1以上の整数)に設定する。また、各障害物について、その位置情報を、それぞれ、車体座標系900の値に変換し、変換後障害物情報として、例えば、記憶媒体155等に一時的に保持し、処理を終了する。
【0051】
<ステップS1103>
なお、ステップS1101において、障害物無し、と判定された場合、障害物情報取得部211は、障害物の数Mobj(Mobjは、1以上の整数)に0を設定し、変換後障害物情報として保持し、処理を終了する。
【0052】
ここで、変換後障害物情報の一例を、図9に示す。本図に示すように、本実施形態の変換後障害物情報311は、障害物毎の、位置情報(x、y、z)314を保持する。なお、障害物毎に、障害物ID313を付し、併せて保持してもよい。また、障害物毎に、レコード番号312を付し、レコード番号をさらに保持してもよい。
【0053】
[地形情報取得部]
地形情報取得部221は、所定の時間間隔で、地形DB320から油圧ショベル100の周囲の地形情報を取得し、車体座標系900に変換し、変換後地形情報を生成する。生成した変換後地形情報は、地形情報信頼度評価部222と、作業領域設定部223に出力される。
【0054】
ここで、変換後地形情報の一例を図10に示す。本実施形態の変換後地形情報321は、本図に示すように、所定領域を格子状領域に分割した各格子状領域について、高さ321a、材質情報(材質データ)321b、データを取得した時刻321c、データを取得したセンサの種類321dを備える。
【0055】
所定の領域は、例えば、地形情報を取得したセンサの視野範囲、外部に保持した地図データのカバー範囲、あるいは、障害物情報を取得した外界認識センサ156の視野範囲等である。また、材質情報321bは、例えば、土砂、石、岩等材質そのものを特定する情報であってもよいし、当該領域の硬度であってもよい。
【0056】
また、格子状領域のサイズは、情報コントローラ161の処理能力、記憶媒体155の容量を考慮し,予め定めておく。
【0057】
[地形情報信頼度評価部]
地形情報信頼度評価部222は、地形情報取得部221から受信した変換後地形情報321から、地形情報の信頼度を算出する。地形情報の信頼度は、地形情報の取得時間、取
得センサの種類を元に算出される。信頼度は、各格子状領域について算出される。以下、地形情報信頼度評価部222の算出結果を信頼度マップと呼ぶ。算出された信頼度マップは、作業領域設定部223に出力される。
【0058】
ここで、地形情報信頼度評価部222による信頼度マップ算出処理を説明する。図11は、本実施形態の信頼度マップ算出処理を説明するための図であり、図12は、信頼度マップ算出処理の処理フローである。
【0059】
図11に示すように、地形情報信頼度評価部222は、変換後地形情報321の、各格子状領域について、予め定めた順に、信頼度を設定する。なお、図11には、座標系等を明示するため、油圧ショベル100が表示されているが、実際の変換後地形情報321には、油圧ショベル100の情報は含まれなくてもよい。以下、他の変換後地形情報321の図についても同様である。
【0060】
上述のように、地形情報信頼度評価部222は、地形情報取得部221が所定の時間間隔で、変換後地形情報321を生成し、当該変換後地形情報321を受信する毎に、処理を行う。以下、地形情報取得部221は、Δt間隔で処理を行うものとし、最新の変換後地形情報321を受信したタイミングをtとする。
【0061】
以下、n番目の格子状領域をArea(n)、時刻tに設定した、Area(n)の信頼度をα(n,t)と表記する。なお、nは、1以上の整数である。
【0062】
<ステップS1201>
図12に示すように、地形情報信頼度評価部222は、まず、処理のカウンタとして機能するnに1を代入する。
【0063】
<ステップS1202>
地形情報信頼度評価部222は、領域Area(n)の変換後地形情報を取得する。ここでは、当該領域の高さ321a、材質情報321b、データを取得した時刻(データ取得時刻)321c、データを取得したセンサの種類321dを取得する。なお、取得したこれらの情報を、時刻tに対応づけて、記憶媒体155に一時的に保持しておく。
【0064】
<ステップS1203>
次に、地形情報信頼度評価部222は、領域Area(n)の地形情報が更新されたか否かを判定する。ここでは、領域Area(n)のデータ取得時刻321cを、1回前に取得した同一領域のデータ取得時刻321cと比較する。両者が合致すれば、更新無し、非合致であれば、更新有り、と判断する。
【0065】
<ステップS1204>
次に、地形情報信頼度評価部222は、時刻tの領域Area(n)の信頼度α(n,t)を設定する。このとき、ステップS1203で更新有り、と判断した場合(Yes)、地形情報信頼度評価部222は、当該地形情報を取得したセンサに予め対応づけられた信頼度αsを、α(n,t)に設定する。なお、センサ毎の信頼度αsは、予め記憶媒体155等に保持しておく。
【0066】
<ステップS1205>
一方、ステップS1203で更新無し、と判断された場合(No)、地形情報信頼度評価部222は、時刻(t−Δt)における地形情報の信頼度αn(t−Δt)に、係数Stを乗算したものを、αn(t)に設定する。なお、係数Stは、前回の処理時からの経過時間(Δt)とセンサの種類とに応じて予め設定され、記憶媒体155等に保持される
【0067】
<ステップS1206、1207>
地形情報信頼度評価部222は、全格子状領域について処理を終えたか否かを判別し(n=N?)、未処理の領域がある場合、nを1インクリメントし(n=n+1)、ステップS1202へ戻る。
【0068】
全格子状領域について処理を終えると、地形情報信頼度評価部222は、各Area(n)の時刻tの信頼度α(n,t)を、時刻tの信頼度マップとして、作業領域設定部223に出力し、処理を終了する。
【0069】
[機械状態取得部]
機械状態取得部231は、多関節型フロント作業機110が備える角度検出器181、182、183、184の出力から機械状態を算出する。なお、本明細書では、多関節型フロント作業機110の各部の位置、速度、旋回半径のことを、機械状態と呼ぶ。この機械状態は、上部旋回体131、ブーム111、アーム112、バケット113の角度検出器181、182、183、184の出力θ1、θ2、θ3、θ4から算出される。各部の位置は、車体座標系900の座標値で表される。また、算出した機械状態は、算出時刻とともに、記憶媒体155に保持される。また、操作状態判定部232、作業領域設定部223に出力される。
【0070】
[操作状態判定部]
操作状態判定部232は、機械状態取得部231が算出した機械状態より、多関節型フロント作業機110の旋回角速度ωbktを算出する。算出には、例えば、上部旋回体131の旋回中心から最も離れた部位である多関節型フロント作業機110の先端部の位置の情報を用いる。すなわち、最新の算出時刻に対応づけて記憶媒体155に保存された先端部の位置の情報と、過去の算出時刻に対応づけて保存された先端部の位置の情報とを用い、旋回角速度ωbktを算出する。本実施形態では、この多関節型フロント作業機110の旋回角速度ωbktを操作状態と呼ぶ。
【0071】
[作業領域設定部]
作業領域設定部223は、変換後地形情報と、信頼度マップと、機械状態と、を用い、変換後地形情報321の範囲内に、作業領域を設定する。具体的には、変換後地形情報321の各格子状領域について、作業領域であるか、非作業領域であるかを判定し、それぞれ、判定結果を設定し、作業領域マップを作成する。作成した作業領域マップは、接近度算出部224に出力される。
【0072】
なお、本明細書では、作業領域は、油圧ショベル100の状態に基づいて、油圧ショベル100が到達可能な領域とする。作業領域設定部223は、作業領域を設定する作業領域設定処理を、上述のいずれかの情報を新たに受信する毎に行う。なお、特定の情報を新たに受信した際行うよう、予め定めてもよい。
【0073】
作業領域設定部223による作業領域設定処理を、図13図17を用いて説明する。図13図15図17は、作業領域設定処理の概要の説明図であり、図14および図16は、作業領域設定処理の処理フローである。
【0074】
上述のように、本明細書では、上述のように、作業領域は、油圧ショベル100が、到達可能な領域である。すなわち、多関節型フロント作業機110が現状の作業状態を維持した状態で、上部旋回体131が旋回した場合に、油圧ショベル100が到達可能な領域である。
【0075】
一例を図13に示す。本図は、バケット113が、多関節型フロント作業機110の、上部旋回体131の旋回中心から最も離れた位置にあり、かつ、多関節型フロント作業機110の中で最下端に位置する場合の作業状態である。本図に示すように、車体座標系900におけるxy平面上では、原点を中心として、原点と、バケット113の先端位置のxy投影点と、を結ぶ線分を半径とした円周520の内部が、基本的には、作業領域である。以下、円周520を、作業機到達円520と呼ぶ。
【0076】
しかしながら、図5(a)および図5(b)を用いて説明したように、油圧ショベル100の実際の周囲の地形には、起伏がある。例えば、図13に示すように、バケット113の先端位置の高度よりも高く、地盤の安定した土手531や、バケット113の先端位置の高度よりも高度は高いが、崩壊する可能性のある土砂532などが含まれる。従って、例えば、作業機到達円520内部であっても、土手531上やその背後等の領域は、油圧ショベル100が到達可能な領域ではない。
【0077】
本実施形態では、このような地形情報も加味し、作業領域を設定する。このため、作業領域設定部223は、作業領域設定処理において、まず、明らかに非作業領域である領域を特定する。なお、明らかな非作業領域は、作業機到達円520外と、作業機到達円520内の、地形データが所定の信頼度を有し、かつ、地盤が固く多関節型フロント作業機110の最下端部より高度が高い領域(高高度領域;例えば、土手531)である。一方、作業機到達円520内の、地形データの信頼度の低い領域や、多関節型フロント作業機110の最下端部より高度が高い領域であっても、地盤が軟らかい領域(例えば、土砂532)は、非作業領域として特定されない。
【0078】
そして、非作業領域以外を作業領域候補とし、作業領域候補の中を、より詳細に判断し、非作業領域と作業領域とを特定する。例えば、本実施形態では、土手531よりも、油圧ショベル100から半径方向遠方領域については、たとえ、作業機到達円520内であっても、非作業領域とする。
【0079】
以下、上記手法による作業領域設定手法の処理の流れを、図14および図16に沿って説明する。
【0080】
作業領域設定処理では、変換後地形情報321の格子状領域Area(n)毎に判定を行う。以下、Area(n)のxy平面上の中心位置の、車体座標系900の座標を(Xn,Yn)、高度をhnとする。また、信頼度の判定に用いる信頼度閾値αthは、予め記憶媒体155等に保持しておく。
【0081】
<ステップS1300>
作業領域設定部223は、機械状態を用いて、半径方向の閾値(半径閾値)Rthを算出するとともに、高さ方向の閾値(高さ閾値)hthを設定する。
【0082】
半径閾値Rthは、Rth=√((Xb)+(Yb))+Krで算出される。ここで、Xb,Ybは、上部旋回体131の旋回中心から最も離れた部位である多関節型フロント作業機110の先端部の水平面(xy平面)上の位置、すなわち、xy座標である。また、Krは、予め設定された値である。また、高さ閾値hthは、hth=hb+Khで算出される。ここで、hbは、多関節型フロント作業機110の、地面に最も近い位置(最下端)の高さである。また、Khは、予め設定された値である。
【0083】
これらの半径閾値Rthおよび高さ閾値hthは、角度検出器181,182,183の値から一意に決まる。従って、例えば、予め計算し、得られた値を記憶媒体155に保
存しておいてもよい。
【0084】
<ステップS1301>
まず、カウンタnを1に設定する。
【0085】
<ステップS1302>
次に、作業領域設定部223は、判定対象領域Area(n)が、既に作業領域判定された領域であるか否かを判定する。判定されていない領域、すなわち未判定領域と判定された場合は、ステップS1303へ、判定された領域と判定された場合は、ステップS1311へ移行する。
【0086】
本実施形態では、後述するように、ステップS1308において、周辺処理を行う。この周辺処理において、処理順に係らず、判定対象領域について、先に判定がなされる可能性がある。このような領域の重複判定を防ぐため、本処理がなされる。
【0087】
<ステップS1303>
ステップS1303で未判定とされた場合(Yes)、作業領域設定部223は、判定対象領域Area(n)が、作業機到達円520内であるか否かを判別する。ここでは、原点から判定対象領域Area(n)の中心座標(Xn,Yn)までの距離Rnと、半径閾値Rthとの比較で判定する。なお、距離Rnは、Rn=√((Xn)+(Yn))により算出される。
【0088】
距離Rnが、半径閾値Rthより大きい場合(Rn>Rth)は、当該判定対象領域Area(n)は、作業機到達円520外であると判定し、ステップS1309へ移行する。一方、距離Rnが半径閾値Rth以下の場合(Rn≦Rth)は、判定対象領域Area(n)は、作業機到達円520内であると判定し、ステップS1304へ移行する。
【0089】
<ステップS1309>
ここでは、作業領域設定部223は、判定対象領域Area(n)を、非作業領域と設定する。例えば、記憶媒体155に予め設けられた作業領域マップ用の領域の、判定対象領域Area(n)に対応する領域に非作業領域であることを意味する情報を登録する。
【0090】
<ステップS1304>
ステップS1303で、判定対象領域Area(n)が、作業機到達円520内であると判定された場合、作業領域設定部223は、判定対象領域Area(n)の地形情報が信頼に足るものであるか否かを判定する。ここでは、判定対象領域Area(n)の、最新の地形情報の信頼度α(n,t)が、信頼度閾値αth以上であるか否かを判定する。
【0091】
信頼度α(n,t)が信頼度閾値αth未満である場合(α(n,t)<αth)、ステップS1310へ移行する。一方、信頼度α(n,t)が信頼度閾値αth以上である場合(α(n,t)≧αth)ステップS1305へ移行する。すなわち、信頼度が低い場合は、その後の判定を行わず、まず、作業領域候補とする。
【0092】
<ステップS1310>
ここでは、作業領域設定部223は、判定対象領域Area(n)を、作業領域候補と設定する。例えば、記憶媒体155の作業領域マップ用の領域の、判定対象領域Area(n)に対応する領域に作業領域候補であることを意味する情報を登録する。
【0093】
<ステップS1305>
十分な信頼度があると判定された場合、作業領域設定部223は、判定対象領域Are
a(n)の高度hnが高さ閾値hth以上であるか否かを判定する。高度hnは、変換後地形情報の高さ321aを用いる。hnがhth以上と判定された場合(hn≧hth)は、ステップS1306へ、hnがhth未満と判定された場合(hn<hth)は、ステップS1310へ進む。
【0094】
<ステップS1306>
判定対象領域Area(n)の高度hnが、高さ閾値hth以上と判定された場合、当該判定対象領域Area(n)の材質を判定する。ここでは、判定対象領域Area(n)の地形の材質が、建物・土手など、地盤が安定したものである場合、材質硬と判定し、一方、土砂のように崩れやすい材質の場合、材質硬ではないと判定する。材質硬と判定された場合、ステップS1307へ移行し、それ以外の場合は、ステップS1310へ移行する。
【0095】
判定は、Area(n)の材質情報321bを用いて行う。材質情報321bが、例えば、材質そのものを特定する情報の場合、予め各材質について、硬であるか否かを、記憶媒体155等に登録しておく。例えば、岩、コンクリート等については、硬と登録しておく。登録の無いものについては、材質硬と判定しない。
【0096】
また、材質情報321bとして、材質の硬度が登録されている場合は、判定基準の硬度閾値を設け、当該閾値以上の硬度を有している場合、材質硬と判定する。
【0097】
<ステップS1307>
ここでは、作業領域設定部223は、判定対象領域Area(n)を、非作業領域と設定する。例えば、記憶媒体155の作業領域マップ用の領域の、判定対象領域Area(n)に対応する領域に非作業領域であることを意味する情報を登録する。そして、ステップS1308の周辺処理へ移行する。
【0098】
<ステップS1308>
ここでは、作業領域設定部223は、周辺処理を行い、作業領域候補と設定された格子状領域の中に、非作業領域と設定すべき領域があるか否かを判定する。周辺処理では、作業領域候補中、非作業領域と設定すべき領域と判定された領域は、非作業領域と設定し、それ以外の領域を作業領域と設定する。周辺処理の詳細は、後述する。
【0099】
<ステップS1311、S1312>
そして、作業領域設定部223は、全格子状領域について、判定を終えたか否かを判断し(n=N?)、終えていない場合は、カウンタnを1インクリメントし、ステップS1302へ戻り、処理を繰り返す。
【0100】
一方、全格子状領域について、判定を終えた場合、作業領域マップ内の作業領域候補を作業領域と設定し、作業領域判定処理を終了する。
【0101】
ここで、ステップS1308の周辺処理を説明する。図15に、作成途中の作業領域マップ351の一例を示す。ここでは、例えば、変換後地形情報321の各格子状領域を、図中左上の領域から順に一列ずつ矢印方向に判定処理を行うものとする。また、本図において、作業領域候補領域511aは、斜線無しとし、非作業領域512には、斜線を付す。
【0102】
例えば、作業領域マップ351内の領域552は、位置、高度の情報だけでは、作業領域と判定される。なお、領域552の材質の信頼度は十分であるものとする。しかしながら、実際は、油圧ショベル100と領域552との間に、地盤の強固な土手531があり
、油圧ショベル100(本図においては、バケット113)が到達できないため、非作業領域に該当する。
【0103】
周辺処理では、このような領域を確実に非作業領域と設定する。すなわち、領域552と原点との間のいずれかの領域551について作業領域設定処理を行う際、領域552についても、併せて判定処理を行う。
【0104】
図16は、本実施形態の作業領域設定部223による周辺処理(上記ステップS1308)の処理フローである。周辺処理では、作業領域候補と判定された領域の中から、上記ステップS1307で非作業領域と判定された領域と、半径方向同方向であって、より遠ざかる方向の領域を、非作業領域と設定する。
【0105】
<ステップS1401>
作業領域設定部223は、領域Area(n)の位置(座標(Xn、Yn))に基づいて、θn=cos−1(Xn/Rn)を計算する。ここで、Rnは、原点からArea(n)までの距離である。なお、算出されるθnは、Area(n)方向の、x軸の正の向きからの偏角である。
【0106】
<ステップS1402>
以下、作業領域設定部223は、変換後地形情報321の各格子状領域Area(i)について、順に判定を行う。iは1以上N以下の整数である。まず、iに1を設定する。
【0107】
<ステップS1403>
作業領域設定部223は、領域Area(i)について、記憶媒体155を参照し、既に非作業領域と判定されているか否かを判定する。
【0108】
そして、既に非作業領域と判定されている領域であれば、ステップS1407へ進む。一方、未判定、あるいは、作業領域候補と判定されている領域であれば、ステップS1404に進む。
【0109】
<ステップS1404>
次に、作業領域設定部223は、領域Area(i)について、判定対象領域Area(n)との位置関係を判別する。そして、判定対象領域Area(n)よりも、油圧ショベル100に近い場合、Area(i)については、そのまま作業領域候補とする。ここでは、原点から領域Area(i)までの距離Riと、Rnとを比較し、判定する。なお、Riは、Ri=√(Xi+Yi)で算出される。
【0110】
ここで、RiがRn以下(Ri≦Rn)の場合、領域Area(i)は、判定対象領域Area(n)よりも油圧ショベル100に近い領域であるため、そのままステップS1407へ進む。一方、RiがRnより大きい(Ri>Rn)場合、ステップS1405へ進む。
【0111】
<ステップ1405>
次に、作業領域設定部223は、領域Area(i)の方向と判定対象領域Area(n)の方向とを比較する。同方向でない場合、Area(i)については、そのまま作業領域候補とする。判定は、Area(i)の偏角θiおよびArea(n)の偏角θnを用いて行う。θiはθi=cos−1(Xi/√(Xi+Yi))で算出される。
【0112】
偏角θiがθnと異なる場合、領域Area(i)の方向は、判定対象領域Area(n)とは異なるため、そのままステップS1407へ移行する。一方、θiがθnに一致
する場合、領域Area(i)は、判定対象領域Area(n)と同方向である。すなわち、図15の領域551と領域552との関係である。この場合、ステップS1406へ移行する。
【0113】
<ステップS1406>
ここでは、作業領域設定部223は、Area(i)を非作業領域と設定し、ステップS1407へ移行する。
【0114】
<ステップS1407、S1408>
そして、作業領域設定部223は、全格子状領域について、判定を終えたか否かを判断し(i=N?)、終えていない場合は、カウンタiを1インクリメントし、ステップS1403へ戻り、周辺処理を繰り返す。
【0115】
一方、全格子状領域について、判定を終えた場合、周辺処理を終了する。
【0116】
作業領域設定部223による作業領域判定処理および周辺処理により作成された作業領域マップ351の一例を図17に示す。本図において、斜線無しの領域は、作業領域511であり、非作業領域512には、斜線を付す。
【0117】
本図に示すように、例えば、たとえ、作業機到達円520の内部であっても、多関節型フロント作業機110の最下端の高さより高い土手531および土手531の裏側は、非作業領域512と設定される。なお、本図の例では、多関節型フロント作業機110の最下端は、バケット113の最下端である。また、土手531の裏側は、油圧ショベル100から土手531方向に見て、土手711より遠距離にある領域である。また、材質が土砂532等と判定された領域は、たとえ、バケット113の高さより高くても、作業機到達円520の内部であれば、作業領域511と設定される。
【0118】
なお、上記作業領域設定処理においては、地形データの信頼度、地形の高さ、位置、材質等全ての条件を用いて作業領域を設定したが、必ずしも全ての条件を用いなくてもよい。また、判定順も、上記手法に限定されない。
【0119】
[接近度算出部]
接近度算出部224は、変換後障害物情報と、作業領域マップ351と、機械状態と、操作状態と、を用い、各障害物の接近度を算出する。接近度は、予め定めた、油圧ショベル100と障害物との接近の度合い(レベル)を示す値である。
【0120】
接近度算出部224による接近度算出処理の詳細を説明する。図18は、本実施形態の接近度算出部224による接近度算出処理の処理フローである。接近度のレベルは、判定対象障害物が作業領域511内であるか否か、作業領域511内に有る場合、バケット113の、判定対象障害物への到達時間、等で判定する。
【0121】
本実施形態では、例えば、判定に多関節型フロント作業機110の、判定対象障害物への到達時間としてTttcを用いる。なお、到達時間Tttcは、以下の式(1)で算出される。
Tttc=cos−1(Xm/√(Xm+Ym))/ωbkt ・・・(1)
ここで、Xm、Ymは、判定対象障害物の車体座標系でのx、y座標である。また、ωbktは、操作状態、すなわち、多関節型フロント作業機110の旋回角速度である。
【0122】
以下、接近度算出部224が以下のように、レベル1、レベル2、レベル3を設定する場合を例にあげて接近度算出処理を説明する。ここでは、レベル1は、障害物が作業領域
511内であり、かつ、到達時間Tttcが所定の閾値Tth以下の場合、設定される。レベル2は、作業領域511内であり、かつ、到達時間Tttcが所定の閾値より大きい場合設定される。また、レベル3は、作業領域511外である場合、設定される。
【0123】
なお、レベル1は、最も緊急度の高いレベルであり、レベル3は、緊急度の低いレベルであり、レベル2は、レベル1とレベル3との間の緊急度のレベルである。
【0124】
<ステップS1501>
まず、接近度算出部224は、変換後障害物情報311を用い、油圧ショベル100の周囲の障害物の有無を判定する。ここでは、例えば、障害物数Mobj等を用いて判定する。
【0125】
障害物が存在しない場合、すなわち、Mobjが0の場合、接近度算出部224は、接近度算出処理を終了する。障害物がないため、判定が不要である。
【0126】
<ステップS1502>
一方、障害物がある場合、すなわち、Mobjが1以上の場合、各障害物について、接近度を決定し、設定する処理を行う。ここでは、各障害物に連番を付し、1番から順に以下の処理を行う。まず、連番のカウンタmに1を設定する。ここで、mは1以上の整数である。
【0127】
<ステップS1503>
まず、接近度算出部224は、処理対象障害物Obj(m)が作業領域511内に存在しているか否かを判定する。これは、変換後障害物情報の位置情報314と、作業領域マップ351とを用いて判定する。
【0128】
処理対象障害物Obj(m)が作業領域511内に存在しないと判定した場合、ステップS1506に進む。一方、処理対象障害物Obj(m)が作業領域511内に存在すると判定した場合、ステップS1504に進む。
【0129】
<ステップS1506>
ここでは、処理対象障害物Obj(m)の接近度βmに、3を設定し、ステップS1509へ移行する。例えば、記憶媒体155の所定の領域に、処理対象障害物Obj(m)に対応づけて3を保持する。
【0130】
<ステップS1504>
ここでは、接近度算出部224は、上記手法で、処理対象障害物Obj(m)の到達時間Tttc(m)を算出する。
【0131】
<ステップS1505>
接近度算出部224は、到達時間Tttc(m)を、予め保持する閾値Tthと比較する。ここでは、符号を含めた大小を判定する。すなわち、Tttc(m)/Tthが1以下の場合、ステップS1506へ進み、1より大きい場合、ステップS1508へ進む。
【0132】
<ステップS1506>
ここでは、接近度算出部224は、処理対象障害物Obj(m)の接近度βmとして、1を設定する。ステップS1508同様、記憶媒体155等に保持する。
【0133】
<ステップS1507>
ここでは、接近度算出部224は、処理対象障害物Obj(m)の接近度βmとして、
2を設定する。ステップS1508同様、記憶媒体155等に保持する。
【0134】
<ステップS1509、S1510>
接近度算出部224は、変換後障害物情報311に保持される全ての障害物に対して、接近度を設定したか否かを判別し(m=Mobj?)、設定し終えていない場合は、カウンタmを1インクリメントし、ステップS1503へ戻り、処理を繰り返す。一方、全ての障害物に対して設定を終えた場合は、処理を終了する。
【0135】
[動作指示部]
動作指示部241は、接近度算出部224が算出した接近度βに応じて、警告動作を決定し、当該警告動作を実現する制御指示を、油圧ショベル100の各部に出力する。警告動作は、例えば、モニタ153やブザー154を用いたオペレータへの警報出力や油圧ショベル100の操作制御などである。
【0136】
次に、動作指示部241による、動作指示処理の詳細を説明する。本実施形態では、動作指示部241は、接近度算出部224が決定した各障害物の接近度レベルに応じて、警告として実行する動作を決定し、対応する制御指示を出力する。
【0137】
本実施形態では、接近度βmを設定した障害物Obj(m)ごとに、動作DB330を参照して、動作を決定する。そして、当該動作を実行するよう油圧ショベル100の各部に制御指示を出す。
【0138】
動作DB330の一例を図19(a)に示す。本図に示すように、動作DB330には、接近度レベルβ331毎に、動作を特定する情報(動作情報)332が保持される。
【0139】
ここでは、例えば、接近度βが3の場合、障害物の存在位置を示すアイコンを表示する指示をモニタ153に出力する。また、接近度βが2の場合、接近度βが3の時の動作に加え、障害物の接近を報知する動作を行う指示をモニタ153またはブザー154に出力する。障害物の接近を報知する動作は、例えば、モニタの点滅、ブザー音の出力等である。また、接近度βが1の場合、接近度βが2の時の動作に加え、障害物方向に対する油圧ショベル100の操作の制限を行う指示をコントローラ162に出力する。操作の制限は、例えば、旋回抑制等である。
【0140】
なお、警告動作は上記に限定されず、様々な動作が考えられる。
【0141】
以下、動作指示部241による指示出力処理の詳細を説明する。図20は、動作指示部241による指示出力処理の処理フローである。ここでも、接近度算出部224同様、各処理対象障害物に連番を付し、順に処理を行う。
【0142】
<ステップS1601>
カウンタmに1を設定する。
【0143】
<ステップS1602>
動作指示部241は、処理対象障害物Obj(m)の接近度βmを特定し、動作DB330を参照し、対応する動作を特定する。
【0144】
<ステップS1603>
特定した動作を実行する制御指示を、油圧ショベル100の対応する構成に出力する。対応する構成は、例えば、運転室151内のモニタ153やブザー154、コントローラ162等である。モニタ153は、制御信号に応じた表示を行い、ブザー154は、制御
信号に応じて音声を出力する。また、制御信号を受信したコントローラ162は、障害物との接触を未然に防止するようコントロールバルブ141を介して、各部の駆動を制御する。ここでは、例えば、走行モータ125、126や旋回モータ124、ブームシリンダ121、アームシリンダ122およびバケットシリンダ123の駆動を制御する。
【0145】
<ステップS1604、S1605>
全ての障害物Obj(m)について処理を行ったか判別し(m=Mobj?)、未処理の障害物Obj(m)があれば、mを1インクリメントし、ステップS1602へ戻り、処理を繰り返す。一方、全ての障害物について処理がなされていれば、処理を終了する。
【0146】
ここで、モニタ153への出力例を説明する。図19(b)は、モニタ153への出力例である表示画面600を示す図である。
【0147】
モニタ153に表示される表示画面600には、例えば、油圧ショベル100、地形情報、作業機到達円、各障害物の位置が示される。表示画面600は、各要素の車体座標系900の座標を表示画像内の画素位置に変換して生成される。
【0148】
本図において、610は、油圧ショベル100のアイコンである。アイコン610は、油圧ショベル100をZ軸方向から見た形状が模して作成される。611は、作業機到達円520に対応する。また、621、622、623、624は、それぞれ、検出された障害物である。
【0149】
例えば、障害物623は、接近度βが3と判定される。従って、障害物623は、障害物623の存在位置を示すアイコン633とともに表示される。
【0150】
障害物622は、接近度βが2と判定される。従って、障害物622は、障害物622の存在位置を示すアイコン632とともに表示され、さらに、アイコン632および障害物622は、点滅表示される。なお、点滅表示の代わりに、あるいは、点滅表示に加えて、ブザー154から警告音が出力されてもよい。
【0151】
障害物621は、接近度βが1と判定される。従って、障害物621は、障害物621の存在位置を示すアイコン631とともに表示され、点滅表示および/またはブザー音の出力がなされる。このとき、さらに、コントローラ162を介してコントロールバルブ141に対し、制御指示が出され、動作が制御される。なお、出力される制御指示は、旋回モータ124の障害物621方向への旋回を抑制する指示である。
【0152】
なお、非作業領域内の障害物624は、表示されなくてもよい。
【0153】
また、モニタ153等への出力は、上記に示す表示画面600例に限定されず、様々な出力が考えられる。
【0154】
以上説明したように、本実施形態の周囲監視装置200は、下部走行体132に多関節型フロント作業機110を備える上部旋回体131を旋回自在に設けた油圧ショベル100の周囲監視装置200であって、油圧ショベル100の多関節型フロント作業機110の作業状態を検出するセンサ(角度検出器181、182、183、および、184)から受信した作業状態と地形データとを用いて作業領域を設定する作業領域設定部223と、油圧ショベル100の周囲の障害物を検出する障害物センサ(外界認識センサ156)において検出された油圧ショベル100の周囲の障害物各々について、設定された作業領域および当該障害物と油圧ショベル100との相対位置を用いて接近度を算出する接近度算出部224と、接近度に応じた制御指示を出力する動作指示部241と、を備える。
【0155】
このように、本実施形態によれば、地形データを考慮して作業領域を設定し、その作業領域に基づいて接近度を算出する。そして、その接近度に応じて警告動作を制御する。従って、地形を考慮した警告動作を行うことができる。このため、過剰な警報出力や、過剰な回避制御を抑制できる。従って、作業機械の周囲に対し、必要十分な監視を行いつつ、作業効率を向上できる。
【0156】
また、作業領域を決定するにあたり、油圧ショベル100の到達範囲、地形データの信頼性、地形の高度、地形の材質等を考慮する。このため、より、高い精度で作業領域を決定できる。そして、高精度に決定した作業領域に基づいて接近度を算出するため、さらに、作業効率を向上できる。
【0157】
また、接近度に応じて警告動作を変えるため、オペレータは障害物との接近の度合いを直感的に把握でき、さらに作業効率を向上できる。
【符号の説明】
【0158】
100:油圧ショベル、110:多関節型フロント作業機、111:ブーム、112:アーム、113:バケット、121:ブームシリンダ、122:アームシリンダ、123:バケットシリンダ、124:旋回モータ、125:走行モータ、126:走行モータ、130:車体、131:上部旋回体、132:下部走行体、141:コントロールバルブ、142:油圧ポンプ、143:エンジン、151:運転室、152:操作レバー、153:モニタ、154:ブザー、155:記憶媒体、156:外界認識センサ、161:情報コントローラ、162:コントローラ、181:角度検出器、182:角度検出器、183:角度検出器、184:角度検出器、
200:周囲監視装置、211:位置関係判別部、221:地形情報取得部、222:地形情報信頼度評価部、223:作業領域設定部、224:接近度算出部、231:機械状態取得部、232:操作状態判定部、241:動作指示部、
310:障害物DB、311:変換後障害物情報、312:レコード番号、313:障害物ID、314:位置情報、320:地形DB、321:変換後地形情報、321a:高さ、321b:材質情報、321c:データ取得時刻、321d:センサ種、330:動作DB、331:接近度レベルβ、332:動作情報、351:作業領域マップ、
511:作業領域、511a:作業領域候補領域、512:非作業領域、520:作業機到達円、531:土手、532:土砂、551:領域、552:領域、
600:表示画面、610:アイコン、611:作業機到達円表示、621:障害物、622:障害物、623:障害物、624:障害物、631:アイコン、632:アイコン、633:アイコン、710:高さ、711:土手、720:障害物、900:車体座標系
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