(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記評価ステップは、前記第二の演算ステップで演算された誤差を用いて所定の球体列方向の誤差の程度を表す伸縮係数を演算し、前記伸縮係数を用いて工作機械の精度を評価する
ことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の測定誤差評価方法。
前記評価ステップは、前記伸縮係数を用いて前記工作機械の測定空間における鉛直軸を含み互いに略直交する3軸からなる測定座標系の各軸の交差角度が直角からどの程度ずれているかを表す軸ずれ係数を演算し、前記伸縮係数および前記軸ずれ係数を用いて工作機械を評価する
ことを特徴とする請求項3に記載の工作機械の測定誤差評価方法。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の工作機械の測定誤差評価方法によって得られた評価に基づいて、前記工作機械による被測定対象に対する測定結果を補正する補正ステップを含む
ことを特徴とする工作機械の測定結果補正方法。
【背景技術】
【0002】
従来、機械部品の寸法測定や工作に際しては、例えば測定/工作テーブル上にセッティングされた被測定物に対して3次元方向に移動制御可能なプローブ(測定子)の先端を接触させて所定箇所の測定を行うなどして、その誤差や精度を評価することが行われてきた。そして、これらの誤差や精度を高めるために、ゲージや補正処理方法において様々な工夫がなされてきた。
【0003】
例えば、従来の3次元座標測定機を校正するためのゲージは、必ずしも正確なものとはいえないことを踏まえ、国家標準器に基づくゲージを提供すると共に、そのゲージを使用した3次元座標測定機校正方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すわなち、特許文献1には、国家標準器として第1端面6と第2端面7間の長さの絶対値が保証されているブロックゲージ1の表面3に、球体2を載置して固定することにより3次元座標測定機校正ゲージ4が構成され、使用に際しては、第1端面6に3点以上3次元座標測定機の測定子を当てて第1端面6の平面を特定し、次いで球体2の赤道部分に3点測定子を当てると共に極点にも当てて、第1端面6の平面からの球体2の中心座標と球体の直径を特定し、次いで第2端面7に測定子を当てて第2端面と球体の上記特定値を補正し、球体の3次元空間の座標が正確に特定された3次元座標測定機校正ゲージとする方法が開示されている。
【0005】
また、小型のアーティファクトを用いて、広い操作空間を有する3次元座標測定機等を校正することができる方法も提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、校正対象のパラメータを有する運動機構の操作空間内に、第1アーティファクト及び第2アーティファクトを設置する設置工程と、前記運動機構を操作して、第1アーティファクトの標準座標を測定する第1測定工程と、前記運動機構を操作して、第2アーティファクトの標準座標を測定する第2測定工程と、前記第1測定工程にて得られる各座標値についての前記各パラメータによる偏微分値を成分とする行列をP1行列、前記第2測定工程にて得られる各座標値についての前記各パラメータによる偏微分値を成分とする行列をP2行列、前記第1測定工程にて得られる各座標値についての、前記運動機構の座標系を前記第1アーティファクトの座標系に変換する座標変換ベクトルの各成分による偏微分値を成分とする行列をR1行列、前記第2測定工程にて得られる各座標値についての、前記運動機構の座標系を前記第2アーティファクトの座標系に変換する座標変換ベクトルの各成分による偏微分値を成分とする行列をR2行列、とした時の行列を計画行列とし、最小二乗法によって前記パラメータを推定する計算工程と、を備えたことを特徴とする運動機構の校正方法が開示されている。
【0007】
また、より高精度、より簡便に構成可能な3次元座標測定機ゲージを提供するとともに、当該3次元座標測定機ゲージを用いた精度評価方法も提案されている(特許文献3)。
【0008】
すなわち、特許文献3には、3次元座標測定機の精度を評価するためのゲージであって、上面が平坦な基板と、前記基板の上面に配置される第1の球体列と、前記基板の上面に対して傾斜して配置される第2の球体列とを備えることを特徴とする3次元座標測定機ゲージが開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等を実施するシステムモジュール等の構成概念を説明する説明図である。
【
図2】
図1に示したモジュールのうち、測定プログラム生成モジュール内のサブモジュール等の構成概念を説明する説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等において採用されるゲージの外観構成を説明する説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等における処理フローを説明するフロー図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等において採用される長さの検査を用いた機械の精度検査要領を説明する説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等において採用される6方向の検査要領を説明する説明図である。
【
図7】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等における算出処理の詳細を説明する説明図である。
【
図8】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等における算出処理の詳細を説明する説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等における算出処理の詳細を説明する説明図である。
【
図10】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等における補正処理の詳細を説明する説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等を実施するシステム構成のバリエーションを説明する説明図である。
【
図12】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等を実施するシステム構成のバリエーションを説明する説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等を実施するシステム構成のバリエーションを説明する説明図である。
【
図14】本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等を実施するシステム構成のバリエーションを説明する説明図である。
【
図15】従来の工作機械等において機械上(機上)に備えられた3次元空間の座標系を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法及びプログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1に、本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法を実施するシステムモジュール等の構成概念を示す。これらのシステムモジュール等は、一実施形態において以下のハードウェア(
図1において不図示)を前提としている。
[ハードウェア構成例]
(1)NC等の工作機械(3〜6軸のマシニングセンタ、あるいは、複合加工機)
(2)外付け端末(PC等)
工作機械には、測定プログラム生成モジュール(一実施形態において、商品名:NCゲージを採用することができる)や統計分析ソフトウェア(一実施形態において、商品名:O-QIS, SolaraMPを採用することができる)が実装されている。あるいは、これらのソフトウェアはPC等の外付け端末に実装されてもよい(この場合には、工作機械から外付け端末へ測定データが逐次送信されることとなる)。
【0020】
ここで、測定プログラム生成モジュールは、工作機械側のAPI(Application Programing Interface)を介して通信する。また、統計分析ソフトウェアは、測定プログラム生成モジュールで測定された結果を分析するための種々の処理を実施する。
【0021】
図1において、システムモジュール100は、NC等の工作機械側に実装される工作機械制御モジュール110とPC等の端末側に実装される端末側モジュール120とを含む。本発明の一実施形態において、工作機械制御モジュール110は、NC等の工作機械(不図示)に接続される2種類のプローブからの測定信号を受信する。
【0022】
2種類のプローブのうちの1つは、ワーク形状測定用のプローブ191である。他の1つは、ワーク温度測定用のプローブ192である。
なお、本発明において2種類のプローブは必須の構成ではなく、少なくともワーク形状測定用のプローブ191を備えていればよい。
【0023】
また、プローブのキャリブレーション等にあたっては、一実施形態として、マスターゲージ199(本発明において特徴的なゲージについては、
図3を参照して後述する)が使用される。本発明はこれに限定されないが、具体的には、測定に使用されるプローブは測定プログラム生成モジュールに登録され、プローブのキャリブレーションが行われる。キャリブレーションの結果は、測定プログラム生成モジュールの測定結果の補正に使用される。なお、5軸制御マシニングセンタの場合には、回転軸(第5軸であるC軸と、第4軸であるA軸またはB軸)のキャリブレーションも必要とされる。
【0024】
工作機械制御モジュール110は、ワーク形状測定プローブ191からの測定データを受信して処理するための測定プログラム生成モジュール111と、ワーク温度測定プローブ192からの測定データを受信して処理するための専用マクロプログラム112と、マクロ変数に温度情報等を書き込むマクロ変数生成等モジュール113とを含む。
【0025】
本発明の一実施形態において、マクロ変数生成等モジュール113で生成された温度に関するマクロ変数は端末側モジュール120内の温度補正モジュール122へ送信され、温度補正処理(詳細な説明は割愛)されたうえで測定プログラム生成モジュール111へフィードバックされることにより、計測誤差評価の信頼性を向上させることができる。
【0026】
本発明の一実施形態において、測定プログラム生成モジュール111で処理されたデータは端末側モジュール120内のゲージ能力評価モジュール121へ送信され、ゲージ能力評価を行うこともできる。
【0027】
図2に、
図1に示したモジュールのうち、測定プログラム生成モジュール内のサブモジュール等の構成概念を示す。
図2において、サブモジュール200は、工作機側コントローラ201が、マクロ202、測定プログラム生成モジュール203、3次元計測モジュール(CADデータからオフラインで測定プログラムを生成可能なソフトウェアモジュールであり、一実施形態において、商品名:PC-DMIS NCなどを採用することができる)204を制御するように構成されており、これらのモジュールにより計測等されたデータは変換部205において所定のデータ形式に変換されてレポートモジュール(一実施形態において、商品名:O-QISを採用することができる)206へ送信され測定結果データが処理され報告データが生成される。そして、必要に応じてグラフィック解析モジュール207へ送信され、報告情報が視覚的に表示される。このとき、報告情報の変化に応じてリアルタイムに処理されてもよい。
【0028】
図3に、本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等において採用されるゲージの外観構成を示す。
【0029】
ゲージ300は、土台301と、土台301上に固定された台座302aおよび302bと、台座302bに取り付けられた回転支持部材305aおよび305bと、回転支持部材305aに固定されたアーム303と、アーム303上に略等間隔に設置固定された球体304a〜304dとを有する。本発明の一実施形態において、土台301は、200mm四方程度の正方形状の平板である。台座302bは、略円柱状であり、土台301及び台座302aに対して円柱の軸周りに回転可能に構成されている。台座302bが回転することによって、アーム303を水平方向に任意の角度に回転させることができる。回転支持部材305aは、回転支持部材305bを介して台座302bに取り付けられており、台座302bの軸方向と直交する回転部材支持305bの軸の周りに回転に構成されている。回転支持部材305aが回転することによって、一実施形態においてはアーム303を垂直方向に最大45°まで任意の角度で回転させることができる。
【0030】
このようにアーム303を水平方向および/または垂直方向の任意角度(所望の角度)に回転させる回転機構によって、球体304a〜304dの位置を様々に調整する(「球体列方向調整」という)ことができるため、任意の設定条件を作り出して誤差を計測することが可能となる。一実施形態において、アーム303は、長さ620mmの長尺体である。球体304a〜304dは、アーム303上に約200mm間隔で略等間隔に固定されている。アーム303は、他の実施形態においては長さ600mmから1000mmのものを採用することも可能であり、これにより球体304a〜304dの間隔をより広くすることも可能である。
【0031】
従来のゲージでは100mm程度のアームが採用されていたが、本実施形態のように従来の約10倍の長さのアームを採用することにより、高精度で誤差を検出することが可能となる。換言すれば、検出される誤差及びそこから読み取られる全体誤差傾向に対する信頼性を大きく高めている。なお、本発明の一実施形態においては、4つの球体がアーム上に等間隔に固定されるが、本発明における球体の数は4つに限定されず、5つ以上としてもよい。
【0032】
図4に、本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等における処理フローを示す。本処理フローは、工作機械等の空間的誤差を把握し、実際の計測時にその誤差を補正するまでの手順を説明するものであり、大別すると以下4つの手順に分けられる。
手順1:標準器を用いて機械の精度を検査する。
手順2:検査結果から6つの空間補正パラメータを算出する。
手順3:補正対象とする機上計測を実施し計測データを取得する。
手順4:空間補正パラメータを用いて計測データを補正する。
【0033】
手順1に先立って、予め目標とする精度よりも上位の精度での長さ値が保証(校正)された標準器を用意する(ステップ401)。標準器としては、例えば
図3で説明したような、複数の真球度の高いボールを固定し、不変なボールの中心間距離を提供するボール型座標用ゲージを用いることができる。ボール型座標用ゲージに対して高精度な3次元測定機を用いて球表面の接触点から球の中心座標を割り出し、その値を元に複数の球の空間的な距離を高精度に算出して、
図5(A)に示されるように校正値として各球間距離La、Lb、Lcを得る(ステップ402)。なお、Lcは
図5には図示されていない球Bの右隣に設定固定された球である。
【0034】
手順1−1では、このボール型座標用ゲージを、機上計測を行う機械上に配置し、校正時と同じように球表面の接触点を用いて球中心座標及び各球間距離を検出して、各球間距離La’、Lb’、Lc’を得る(ステップ411)。
【0035】
手順1−2では、標準器に対応した校正値である各球間距離La、Lb、Lcを予め登録しておき(ステップ412)、検出した各球間距離La’、Lb’、Lc’から、校正値である各球間距離La、Lb、Lcを減算して、機械上の各長さでの誤差を下式のとおり算出する(ステップ413)。
La’−La=誤差a
Lb’−Lb=誤差b
Lc’−Lc=誤差c
この手順1−1および手順1−2を、評価機械上で、
図6に示すX方向、Y方向、空間対角4方向(V4、V5、V6、V7)に対して繰り返し実施して各方向における誤差を算出する。
【0036】
手順2では、まず
図7に示されるように手順1で算出した所定方向における長さの誤差を複数プロットし、最小二乗法などの統計計算を用いて当該方向における長さの全体伸縮傾向を表す伸縮係数Sを得る。これをX方向、Y方向、空間対角4方向(V4、V5、V6、V7)で実施して、それぞれの伸縮係数Sx、Sy、Sv4、Sv5、Sv6、Sv7を得る(ステップ414)。
そして、Sv4〜Sv7を統計合成した全体伸縮傾向Svaを計算する。より具体的には、Svaは、空間4方向の長さ(V4、V5、V6、V7)の傾きの平均として算出される。
【0037】
次に、対角方向の検査時の配置角度を変数として、Svaに含まれるSxとSyの影響成分を、計算テーブルを準備し、実際のSxとSyを代入して実係数を得る。
図8に示すとおり、この係数を用いてSvaからSxとSyの影響を除外し、実際には検査していないZ方向の伸縮係数Szを仮想値として得る(ステップ415)。
このように、Szは、上述のSvaから、既に判明しているX軸とY軸の長さの傾きの影響を除去したZ軸の長さの傾きの想定値ということができる。
【0038】
さらに、4つの空間対角方向の伸縮傾向Sv4、Sv5、Sv6、Sv7のバラつき傾向から、XYZ3軸の交差角度が直角からどの程度ずれているか(「軸ずれ係数」という)を演算により推測する。具体的には
図9(A)及び
図9(B)に示すとおり、4つの空間対角方向の伸縮傾向Sv4〜Sv7を、XY、XZ、YZの直交座標面における2つの対角線になるように投影処理し、対角線の比率からXYθ、XZθ、YZθを得る(ステップ416)。
以上の計算により、6つの空間補正パラメータSx、Sy、Sz、XYθ、XZθ、YZθが得られる。
【0039】
手順3では、空間補正パラメータを取得した機械で、測定要素である製品部品の機上計測を実施し、計測データを保存する(ステップ417)。ここで、保存される計測データは機械上の1つの座標系での座標値を表すデータであり、この座標系は、手順1の精度評価時の座標系と方向が同一の座標系であることとする。また、測定データは測定要素の各ポイント点を座標値で表した、座標点データ群とする。
【0040】
手順4では、補正対象である測定データの全座標値を対象に以下の計算を行う(ステップ418)。
(1)X座標値をパラメータSx(X軸の伸縮係数)で除算して、X座標値を変換する。
(2)Y座標値をパラメータSy(Y軸の伸縮係数)で除算して、Y座標値を変換する。
(3)Z座標値をパラメータSz(仮想Z軸の伸縮係数)で除算して、Z座標を変換する。
【0041】
本発明の一実施形態においては、上述の変換されたX座標値、Y座標値、Z座標値に対して、さらに、変換後の座標値を対象に以下の計算を行う。
(4)XY軸直角誤差(XYθ−90°)を用いて三角関数計算でX座標値、Y座標値を変換する。
(5)XZ軸直角誤差(XZθ−90°)を用いて三角関数計算でX座標値、Z座標値を変換する。
(6)YZ軸直角誤差(YZθ−90°)を用いて三角関数計算でY座標値、Z座標値を変換する。
【0042】
続いて、以上の手順によって補正された測定要素の座標点データ群に基づいて、測定要素を評価し、その結果を評価レポートとして出力する(ステップ419)。
【0043】
図11〜14に、本発明の一実施形態にかかる計測誤差評価方法等を実施するシステム構成のバリエーションを示す。これらの図に示されるとおり、本発明にかかる計測誤差評価方法は多様なソフトウェアモジュール構成をとることができる。以下、説明の便宜上、
図14を参照してシステム構成の一形態を説明し、順次
図11〜13に示されたシステム構成について説明する。
【0044】
図14に示されるシステム構成は、これまで説明したほぼ全ての機能をNCゲージ(既述の測定プログラム生成モジュールである)上に実装した形態である(
図4に示したシステム構成はこれに該当する)。
【0045】
図14に示されるとおり、NCゲージ上に次の機能(F1)〜(F6)が実現される。
(F1)機上計測機器の精度検査
(F2)精度評価機能
(f2−1)標準器校正値登録
(f2−2)機器精度評価
(F3)補正パラメータ算出機能
(f3−1)各方向伸縮係数計算
(f3−2)仮想Z伸縮係数計算
(f3−3)3直角角度計算
(F4)測定評価物の機上計測機能
(F5)補正計算機能
(f5−1)座標値補正計算
(F6)測定要素評価機能
【0046】
図11には、システム構成の他のバリエーションが示されている。同図では、NCゲージに実装されている機能は、(F1)、(F4)、(F6)であり、その他は、評価補正総合ソフトとして実装されている(NCゲージから独立したソフトウェアである)。このため、NCゲージ及び評価補正総合ソフト間は、図示された機能間でやりとりされるデータとして、検査データや点群データが送受信されている。
【0047】
図12には、システム構成のさらに他のバリエーションが示されている。同図では、NCゲージに実装されている機能は、(F1)、(F4)、(F6)であり、その他の機能のうち、(F5)を除き、評価補正総合ソフトとして実装されている(NCゲージから独立したソフトウェアである)。さらに、(F5)については補正計算ソフトとして独立して構成されている。このため、NCゲージ、評価補正総合ソフト及び補正計算ソフト間は、図示された機能間でやりとりされるデータとして、検査データ、補正パラメータ、点群データが送受信されている。
【0048】
図13には、システム構成のさらに他のバリエーションが示されている。同図では、NCゲージに実装されている機能は、(F1)、(F4)、(F5)、(F6)であり、その他は、精度評価・パラメータ算出ソフトとして実装されている(NCゲージから独立したソフトウェアである)。このため、NCゲージ及び精度評価・パラメータ算出ソフト間は、図示された機能間でやりとりされるデータとして、検査データや補正パラメータが送受信されている。
【0049】
以上、具体例に基づき、本発明の一実施形態にかかる工作機械の計測誤差評価方法等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、当該評価を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0050】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0051】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によって、または別のPC上での独立したプログラムとして、その一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0052】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0053】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0054】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。