(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ランドマーク補修部は、前記ランドマーク情報認識部がランドマークに汚れが生じていると認識した場合、前記ランドマークの汚れを排除することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
前記ランドマーク補修部は、前記ランドマーク情報認識部がランドマークの位置にズレが生じていると認識した場合、前記ランドマークのズレを補修することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車支援装置。
前記ランドマーク補修部は、前記ランドマーク情報認識部がランドマークに剥げ、欠けが生じていると認識した場合、前記ランドマークを修復することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
前記ランドマーク情報認識部がランドマークを異常な状態と認識した場合、前記ランドマークの周辺を補修する第2のランドマーク補修部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
前記第2のランドマーク補修部は、前記ランドマーク情報認識部がランドマークの周辺に障害物が存在していると認識した場合、前記障害物を排除することを特徴とする請求項5に記載の駐車支援装置。
前記ランドマーク情報認識部が認識したランドマークの状態に基づいて、前記第2のランドマーク補修部が前記ランドマークの周辺を正常な状態に戻すことができるか否かを判定する第2の補修可否判定部と、
前記第2の補修可否判定部により前記第2のランドマーク補修部が前記ランドマークの周辺を正常な初期状態に戻すことができないと判定した場合、前記ランドマークの周辺を初期状態に戻すことができない旨を前記ランドマークの近傍に位置する車両のドライバーまたは駐車場の管理者に通知する第2のユーザー通知部とをさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の駐車支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、本願における実施の形態について図面を参照して説明する。
図1、
図2は、実施の形態1に係る駐車支援装置の外観を示す概要図、および駐車支援装置の初期の動作状態を示す概要図である。
図において、駐車支援装置100は、センサーとしてのカメラ部101と駐車場内を移動させる移動手段を構成する車輪102とを備えている。なお、移動手段としては、駐車場内を自在に移動できればよく、例えばドローンのように空中を飛行するものであってもよい。
【0009】
一方、駐車場内には複数のランドマーク103が配置され、車両の駐車区画104を定義するように構成されている。
このようなランドマーク103は、駐車場の使用に伴って汚損されることが避けられず、例えば、
図3に示すように、足跡などの汚れが付着したランドマーク103a、模様の一部が大きく欠けたランドマーク103b、一部が擦れ又は剥げにより欠損したランドマーク103c、正常位置から移動したランドマーク103dなどが想定される。
なお、ランドマーク103a〜103dとしては,同一形状の4つのマーカーを配置して示しているが、全て異なる形状のマーカーを設けてもよく、マーカーを認識しマーカーの位置によって駐車区画や駐車場内での現在位置を特定することが可能なシステムであれば適用することができる。
【0010】
図4は、駐車支援装置100の構成を示すブロック図である。
図において、制御部110は、駐車支援装置100の全体の動作を制御するもので、
この制御部110には、駐車場情報取得部111を介して駐車場情報が供給されるとともに位置演算部112を介して駐車支援装置100の現在位置の情報が供給される。これらの情報に基づいて制御部110は、プログラムされた命令により移動手段113を駆動して必要とされる位置に駐車支援装置100を移動させ、カメラ部101を所定の位置で動作させてランドマーク103を撮影させる。このカメラ部101の出力は、駐車場の初期状態におけるランドマーク103の位置情報とランドマーク103を撮影した画像情報とを記憶したランドマーク情報記憶部114の出力とともにランドマーク情報比較部115に供給され、初期状態に対し、現在のランドマーク103の情報の状態を比較する。
【0011】
さらに、このランドマーク情報比較部115の出力は、ランドマーク認識部116に供給されてランドマーク103の状態を認識し、このランドマーク認識部116の出力に基づいてランドマーク補修可否判定部117においてランドマーク103の補修が可能か否かを判定する。このランドマーク補修可否判定部117によって補修不可能と判定された場合、ランドマーク交換部118は、補修不可と判定されたランドマーク103を設置地面から取り外し、内蔵している新しいランドマーク103を取り出して本来の設置位置に取り付ける。
【0012】
一方、ランドマーク補修可否判定部117によって補修可能と判定された場合、ランドマーク補修部119によってランドマーク103を正常な初期状態に修復させる。
なお、ランドマーク補修部119としては、例えば
図3に示すようなランドマーク103aの汚れを取り除くため、洗浄液を噴霧する洗浄液噴霧部と、ランドマーク103aを布類などで汚れを拭き取る拭取部とを有し、また、ランドマーク103bの欠けに対して、ランドマーク103の凹部をプラスチックなどで埋める穴埋め部と、ランドマークを塗装する塗装部を有し、また、ランドマーク103cの塗装剥げに対して、ランドマーク103本来の光学的なパターンに基づいて塗装を行う塗装部を有し、さらに、ランドマーク103dの位置ずれに対して、ランドマーク103cを地面から取り外す取外し部と、適切な場所に取り付ける取付け部を有するなどランドマーク103の異常原因を排除し、ランドマーク103を正常な初期状態に戻すことができればどのような補修手段を用いてもよい。
【0013】
また、ランドマーク補修部119は、1台の駐車支援装置100が複数又は全ての補修手段を保有していてもよく、あるいは複数台の駐車支援装置100がそれぞれ異なる補修手段を保有してもよい。さらに、複数台の駐車支援装置100に通信手段を付加し、各駐車支援装置100が認識したランドマーク103の状態に関する情報を共有することによって効率的に駐車場内のランドマーク103を検査し、異常原因を排除することができる。
【0014】
以上のような制御部110を含む駐車支援装置100の機能は、ハードウエア構成の一例を
図5に示すように、各種のデータを入力する入力回路と、制御プログラムが格納された記憶装置(ROM)と、データを一時的に保存する揮発性記憶装置(RAM)と、各種データに基づき演算処理を実行する中央処理装置(CPU)と、演算結果を出力する出力回路とを備えて構成されている。
【0015】
次に、このような構成の駐車支援装置100の動作について
図6のフローチャートを用いて説明する。
最初に、ステップS201において、制御部110は、ランドマーク情報記憶部114に保存されている各ランドマークの検査が完了したか否かを表すランドマークの検査リストを”検査未完”の状態に初期化する。この検査リストには各ランドマークの初期状態における座標や設置向き、サイズ、画像が記録されている。
ここで、広大な駐車場でランドマークの数が多い場合、複数の駐車支援装置100によってランドマークの検査を分担し、駐車場全体を管理する中央制御装置によって指定された駐車場内の一部ランドマークのリストとしてもよい。
【0016】
次に、ステップS2L1に移行し、駐車支援装置100が検査リストにある各ランドマークの検査が完了するまでステップS202からステップS211までの処理を繰り返すループ処理を行う。
【0017】
まず、ステップS202において、駐車場情報取得部111は、現在の駐車場情報を取得し、ステップS203において、制御部110は、取得した駐車場情報に基づいて検査リストにある未検査ランドマークから次に検査する目標を決定する。駐車場情報には、例えば駐車場の現在の各駐車区画への駐車状況や、駐車場の地図、駐車場内を移動中の車両の現在位置、経路、目的駐車区画が含まれる。これらの情報に基づいて現在駐車されていない駐車区画を優先的に検査することによって、ランドマークの検査中に車両の駐車を妨げないように構成してもよい。
【0018】
次に、ステップS204において、位置演算部112は、駐車支援装置100の現在の座標を演算して制御部110に出力し、制御部110は、現在の座標と駐車場の地図、目標ランドマークの座標に基づき目標ランドマークまでの経路を生成して移動手段113を介して目標ランドマークまで移動させ、ステップS2L2に移行する。なお、ここで、座標とは、駐車場のある地点を基準とした座標としているが、ランドマークと駐車支援装置100との相対的な位置関係を把握することができればよいため、緯度および経度としても構わない。また、現在座標の演算方法には、カメラ映像に映る駐車場の構造物との相対的な位置関係に基づく演算方法や、車輪102の回転情報に基づいた自律航法(デッドレコニング:Dead Reckoning)、緯度、経度であればGPS(全地球測位システム)などを用いることができる。
【0019】
ステップS2L2においては、駐車支援装置100が目標ランドマークの状態を認識し、検査を完了するまでステップS2M1からステップS208までの処理を繰り返すループ処理を行う。
ここで、ステップS2M1は、ランドマーク検査モードであり、詳細のフローチャートを示す
図7を用いて説明する。
【0020】
まず、ステップS221において、カメラ部101によってランドマークを撮影し、ランドマーク画像を取得する。このとき、現在の駐車支援装置100の座標と目標ランドマークの座標・サイズからカメラの撮影範囲にランドマークが含まれる位置に移動するか、カメラ部101の向き・角度などを予め調整しておくとよい。
【0021】
次に、ステップS222において、取得したランドマークの情報を比較するためにデータを変換する。ここで、画像を比較するためには、撮影したランドマーク画像とランドマークの正常な初期状態での画像におけるランドマークの向きを一致させることが必要であり、ランドマーク画像を射影変換することによってランドマークを上から見下ろしたような俯瞰画像に変換する。すなわち、
図8に示すようにカメラ部101によって撮影したランドマーク103a部分の画像を
図9に示すように射影変換して俯瞰画像を形成する。
また、ランドマーク103の初期状態における画像も同様に俯瞰変換し、
図10に示すような真上から見下ろした画像に変換することによって、同じ向き、同じスケールで撮影したランドマークと比較することが可能となる。なお、変換処理が少なくて済むようにランドマーク103の初期状態の画像情報は、予め真上から撮影した様な画像データとして保存しておくことが望ましい。さらに、このランドマーク103の初期状態のデータは、撮影した画像でも3D−CADなどで作成した映像データで形成してもよい。
【0022】
次に、ステップS223において、ランドマーク情報比較部115は、このランドマーク画像とランドマーク情報記憶部114に保存されているランドマークの初期状態での画像とを比較し、ステップS224において、ランドマーク認識部116は、変換したランドマーク画像とランドマークの初期状態の画像の差を認識する。ここで、画像の差の認識手法として以下に示す画像差分を用いた手法を用いることができる。
すなわち、ランドマークの中央座標と向きからランドマーク画像中のランドマーク領域とランドマークの初期状態の画像中のランドマーク領域が重なるようにして
図9と
図10のデータの差分を取り、
図11に示すような画像情報を得る。なお、
図11において、破線は、差分画像中のランドマーク領域を示すものである。
【0023】
このように差分画像を取得することによって、現在のランドマークと初期状態のランドマークの相違点を検出することができる。なお、ここではランドマーク画像の差分を用いた手法を例に画像の比較処理を説明したが、その他の方法として、例えば画像から抽出したエッジやコーナー点を比較してもよく、また、ランドマークが複雑な模様の場合は、HoG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量などに基づいて比較してもよい。
【0024】
次に、ランドマーク検査モードS2M1を終了すると、ステップS205(
図6)において、ランドマーク認識部116は、ステップS224で得られた差分データに基づいて差分領域の大きさや形状、色によってランドマークの状態を認識し、ランドマークの状態が正常か異常か、ランドマークが異常状態にある原因(以後、異常原因と記載)は何か、ランドマークにおける異常な領域(以後、異常箇所と記載)はどこかという情報を認識する。
例えば、
図11の差分データについて、まずはランドマークが正常な状態か異常な状態かを認識する。差分画像中のランドマーク領域内における差分領域の面積に対して閾値を設け、閾値以上であればランドマークが異常状態とし、閾値未満であればランドマークは正常な状態と認識する。また、差分画像中のランドマーク領域103a内における差分領域を異常箇所として認識する。
【0025】
次に、ランドマークが異常状態になっている原因を認識する。本実施の形態で用いる光学的なマーカーの場合に考えられるランドマークの異常原因として、上述したように例えば汚れたランドマーク103aや、剥げ、欠けたランドマーク103b、103c、位置ずれしたランドマーク103dが挙げられる。このようなランドマークの異常原因を認識する手法には、例えば機械学習手法の一種である深層学習(Deep Learning)を用いることができ、様々なランドマークの異常な状態の画像を学習することによってランドマークの異常原因を認識することができる。
なお、ランドマークが異常な状態か否かの認識と、ランドマークの異常原因の認識を1度に行うようにしてもよい。また、ランドマークの異常原因を認識する手法として例えば差分画像における差分領域の形状や、差分領域の色情報などを用いてランドマークの異常原因を認識してもよい。
【0026】
このステップS205において、ランドマークが異常状態にないと認識した場合(N)、ループ処理ステップS2L2を終了し、ステップS210に移行する。
一方、異常状態にあると認識された場合(Y)、ステップS206に移行し、補修可否判定部117は、ランドマーク認識部116の認識結果に基づいてランドマークを補修することが可能であるか否かを判定する。ここで、ランドマーク認識部116が認識した異常箇所の面積がある定められた閾値より大きい場合や、ステップS224において異常原因が認識できない場合など、駐車支援装置100では排除できない異常原因の場合、ランドマークの補修は、不可能と判定し、ループ処理ステップS2L2を終了してステップS209に移行する。
また、補修可能と判定された場合(Y)は、ステップS207に移行し、上述したようにランドマークの状態に応じてランドマーク補修部119によりランドマークを補修する。
【0027】
次に、補修可否判定部117は、目標ランドマークの補修回数をカウントしておき、ステップS218において、補修回数が3回ならばランドマークの補修を不可能と判定し、ループ処理ステップS2L2を終了してステップS209に移行する。また、補修回数が3回未満の場合、ランドマークの補修は、可能と判定してループ処理ステップS2L2を繰り返し、ステップS2M1の動作を実行する。なお、ここでは補修回数を3回でランドマークの異常原因を排除することが不可能であると判定しているが、これは、ランドマークの異常原因が一度に排除できない場合や、様々な異常原因が複合している可能性を考慮してのことであるため、3回でなくてもよく、ランドマーク認識部の異常原因の認識精度やランドマーク補修部119の補修精度に応じて変更してもよい。また、ステップS206の補修可否の精度が高ければ、ステップS208を設けなくてもよく、ステップS206の補修可否の精度が低ければ、ステップS206を設けずステップS208のみで補修可否を判定してもよい。
【0028】
次に、ステップS209において、ランドマーク交換部118は、ランドマーク補修可否判定部117によって補修不可能と判定されたランドマークを接地面から取り外し、新しいランドマークに交換する。ここではランドマーク交換部118に駐車場に設置されているランドマークと同じものを内蔵しておき、ランドマークの交換の際にはランドマーク交換部118より新たなランドマークを取り出し、補修不可能と判定されたランドマークを取り外して本来のランドマークの設置位置にランドマークを設置する。なお、複数のランドマークの形状を同一のものとしているが、ランドマークの光学的なパターンが複数ある場合、駐車場に予備のランドマークを保管するランドマーク保管所を設けてランドマーク交換の際には駐車支援装置100がランドマーク保管所まで移動し、交換するランドマークを取得するようにしてもよい。
【0029】
次に、ステップS210において、制御部110は、ステップS2L2からステップS209までの検査、補修又は交換が完了した目標ランドマークのステータスを”検査未完”から”検査完了”に更新してステップS211に移行する。
このステップS211において、制御部110は、検査リストを参照し、検査リストに記載された全てのランドマークのステータスが”検査完了”であれば(Y)、全ランドマークの検査が完了したと判定し、ループ処理ステップS2L1を終了してステップS212に移行する。
最後に、ステップS212において、制御部110は、位置演算部112から駐車支援装置100の現在座標を取得し、駐車場内又は駐車場付近の駐車支援装置100の待機場所までの経路を演算し、移動手段113によって待機場所まで移動させ、処理を終了する。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態1の駐車支援装置100によれば、駐車場に設置されたランドマークをカメラ部101によって撮影し、撮影したランドマーク画像とランドマーク情報記憶部114に保存されたランドマークの初期状態の画像とを比較し、この比較結果に基づいてランドマークの状態を認識することによって駐車場に設置されたランドマークの状態を常に監視することができ、ランドマークが異常状態になっても、車両入庫時にランドマーク未検出による入庫が困難になる不具合を防ぐことができる。
また、ランドマークが異常な状態の場合に、ランドマーク認識部116の結果に基づき、ランドマーク補修部119によってランドマークの異常原因を排除し、ランドマークを正常な状態に補修することができる。これにより、車両のタイヤ痕による汚れや剥げ、欠け、位置ズレなどによって検出できなくなったランドマークを速やかに検出可能な状態に復帰させることができる。
さらに、ランドマークの補修が不可能な状態に陥った時、ランドマーク交換部118によりランドマークを新しいランドマークに交換することによって、検出できなくなったランドマークを速やかに検出可能な状態に復帰させることができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、マーカーとして光学的なパターンを持つランドマークを利用し、カメラ部101によってその状態を認識するものとしているが、駐車区画に対する自車の位置を特定できるもの、例えば、発光素子とカメラの組み合わせ、赤外線発光素子と赤外線センサーの組み合わせなどを用いても構わない。また、駐車支援装置100が検査対象のランドマークの異常状態を認識できれば、補修又は交換などの対応ができるため、センサー部にはランドマークに応じたセンサーを利用すればよい。
【0032】
実施の形態2
図12は、実施の形態2に係る駐車支援装置100の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2は、実施の形態1に対して第2のランドマーク補修部120を追加したもので、他の構成については、同一あるいは相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
ここで、第2のランドマーク補修部120は、ランドマーク周辺を正常な初期状態に戻すためにランドマーク周辺を補修するもので、ランドマーク周辺の異常原因を排除し、ランドマークおよびランドマーク周辺を正常な状態に修復する補修手段を有している。
例えば、ランドマーク103の異常原因が
図13に示すようにランドマーク周辺にある障害物105の影106に由来する場合、あるいはランドマーク上に障害物105がある場合、第2のランドマーク補修部120は、障害物105を掴んで運搬するアーム部を持ち、障害物105を持ち上げてランドマーク周辺から安全な場所に移動させる。これによって、障害物105または障害物105の影106によるランドマーク103の異常を排除し、ランドマーク103を正常な初期状態に戻すことができる。また、ランドマーク周辺を照らす光源107が照度不足の場合、第2のランドマーク補修部120は、電灯などの光源を新規のものに交換する光源交換部を持ち、ランドマーク周辺を照らす光源107を新規のものに交換する。これによって、ランドマークを正常に撮影させることができる。さらに、ランドマーク103の異常原因が水たまり108に由来する場合、第2のランドマーク補修部120は、水を吸い上げる吸水部を持ち、吸水部にて水を吸い上げることによって、水たまり108によるランドマークの異常を排除し、ランドマーク103を正常な初期状態に戻すことができる。
【0034】
次に、実施の形態2における駐車支援装置100の動作についてフローチャートを示す
図14を用いて説明する。
図14におけるステップS201からステップS212までの処理およびステップS210からステップS212までの処理(図示せず)は、実施の形態1におけるフローチャート(
図6、
図7)と同じ処理であり、異なる部分について以下説明する。
【0035】
この実施の形態2においては、ステップS205でランドマークが異常状態であるとランドマーク認識部116が判定した場合(Y)、ステップS231に移行し、ランドマークの異常原因がランドマークによるものか否かを判定する。
ここで、ランドマークの異常による場合は、ステップS206に移行し、上述した処理を行う。また、ランドマーク周辺の異常によってランドマークが異常となる場合は、ステップS232に移行して第2のランドマーク補修部120によりランドマーク周辺を補修し、その後、ステップS208に移行して実施の形態1と同様に処理を継続する。
【0036】
なお、ランドマーク周辺にある障害物105によってランドマーク103上に影106がある場合、カメラ部101によって
図15に示すようにランドマーク周辺の画像を取得し、ランドマーク情報比較部115によって
図16に示すようなランドマーク周辺を俯瞰変換した画像とし、さらに、
図17に示すようなランドマークの正常な初期状態の画像と差分をとった画像を取得する。このように差分情報により、ランドマークは、異常状態にあると認識し、実施の形態1と同様にランドマーク画像に対して深層学習などの認識手法を用いて、ランドマークの異常原因と異常箇所を判別する。
【0037】
また、
図13に示すようなランドマーク103に水たまり108がある場合、ランドマークの状態は”異常”で、その異常原因は”ランドマークを含む周辺の水たまり”となるため、ステップS231でランドマーク周辺の状況に起因するものと判定され、ステップS232へ移行することになる。
【0038】
このように、実施の形態2における駐車支援装置100は、ランドマークおよびランドマーク周辺をカメラ部101によって撮影したランドマーク画像とランドマーク情報記憶部114に保存されたランドマークの初期状態の画像とをランドマーク情報比較部115にて比較し、この比較結果に基づくランドマークの状態およびランドマーク周辺の状況をランドマーク認識部116により認識し、第2のランドマーク補修部120によってランドマーク周辺を正常な状態に戻すことできる。したがって、駐車場に設置されたランドマークの状態を認識する精度が向上し、ランドマークを検出できないことによる入庫が不可能に陥る不具合を防ぐことができる。
【0039】
実施の形態3
図18は、実施の形態3に係る駐車支援装置100の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3は、実施の形態2に対してさらに第2のランドマーク補修可否判定部121、ユーザー通知部122および第2のユーザー通知部123を追加したもので、他の構成については、同一あるいは相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
ここで、第2のランドマーク補修可否判定部121は、ランドマーク周辺に由来するランドマークの異常原因が第2のランドマーク補修部120によって補修可能か判定するものである。また、ユーザー通知部122は、目標ランドマークの示す駐車区画に車両が入庫できない旨をユーザーへ通知し、さらに、第2のユーザー通知部123は、ランドマークの補修又は交換が完了したため、ランドマークが正常な状態に戻り、目標ランドマークの示す駐車区画に車両が入庫可能になった旨をユーザーへ通知するものである。
なお、通知先としては、駐車場の管理者、駐車場の中央制御装置、駐車中の車両ユーザー、他の駐車支援装置100などが考えられる。
【0040】
次に、この実施の形態3における駐車支援装置100の動作を
図19に示すフローチャートを用いて説明する。
図において、ステップS201からステップS205までの処理およびステップS210からステップS212までの処理は、上述した実施の形態1および2と同じものであるため、省略しており、以下異なる部分について説明する。
ステップS205において、目標ランドマークの状態が異常であるとランドマーク認識部116が判定した場合、ステップS241に移行し、ユーザー通知部122は、目標ランドマークの状態が異常で、目標ランドマークの示す駐車区画に車両が入庫できない旨を駐車場管理者などのユーザーへ通知する。
【0041】
次に、ステップS231に続くステップS242において、第2のランドマーク補修可否判定部121は、ランドマーク周辺に由来するランドマークの異常原因を除去することが可能か判定する。ここで、ランドマークの異常原因の除去が不可能と判定された場合(N)、ループ処理ステップS2L2を終了し、ステップS243に移行する。
次に、ステップS243において、第2のユーザー通知部123は、目標ランドマーク周辺の異常原因を排除できないため、目標ランドマークが補修不可能であること、目標ランドマークの示す駐車区画に車両が入庫できない旨をユーザーに通知し、ステップS210へ移行する。
【0042】
一方、ステップS206〜ステップS209、またはステップS232を実行した後、ステップS244においてユーザー通知部122は、ランドマークの補修又は交換が完了したため、ランドマークが正常な状態に戻ったこと、目標ランドマークの示す駐車区画に車両の入庫が可能になった旨をユーザーへ通知し、ステップS210に移行して上述した以降の処理を実行することになる。
【0043】
このように、実施の形態3における駐車支援装置100は、ランドマークをカメラ部101によって撮影したランドマーク画像とランドマーク情報記憶部114に保存されたランドマークの初期状態の画像とをランドマーク情報比較部115にて比較し、この比較結果に基づくランドマークの状態およびランドマーク周辺の状況をランドマーク認識部116により認識し、ランドマークが異常な状態と認識された場合、異常によりランドマークが検出できずランドマークの示す駐車区画に車両が入庫できない旨をユーザーに通知するため、ユーザーはランドマークの異常原因を排除するか別の駐車位置に車両を入庫させるなどにより車両を速やかに入庫させることができる。
【0044】
また、ランドマークの補修、交換が完了し、ランドマークが正常な初期状態に戻ったと認識された場合、ランドマークが正常な状態に戻ったこと、目標ランドマークの示す駐車区画に車両の入庫が可能になった旨をユーザーへ通知することにより、ユーザーは、駐車区画に車両を入庫できるようになったタイミングを知ることができ、速やかに車両を入庫させることが可能となる。
さらに、目標ランドマークが補修不可能であること、目標ランドマークの示す駐車区画に車両が入庫できない旨をユーザーに通知することにより、ユーザーは、駐車支援装置100によりランドマークの補修ができない旨を知ることができ、ユーザー自身で異常原因を排除するか駐車場管理者に連絡してランドマークの異常原因を排除させるなどにより、速やかに車両を入庫させることが可能となる。
【0045】
なお、以上の実施の形態においては、車両が入庫できない場合を想定して駐車支援装置100の動作を説明したが、車両が出庫する際にランドマークを検出することができないことにより車両の出庫が不可能となる場合であっても駐車支援装置100を用いることによって不具合を解消することができる。
【0046】
また、本開示には、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。