(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961005
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】多色グラビア輪転機
(51)【国際特許分類】
B41F 9/18 20060101AFI20211025BHJP
B41F 13/24 20060101ALI20211025BHJP
B41F 9/02 20060101ALI20211025BHJP
B41F 9/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
B41F9/18
B41F13/24 138
B41F9/02
B41F9/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-543499(P2019-543499)
(86)(22)【出願日】2018年8月27日
(86)【国際出願番号】JP2018031475
(87)【国際公開番号】WO2019058877
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2020年2月21日
(31)【優先権主張番号】特願2017-181529(P2017-181529)
(32)【優先日】2017年9月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000131625
【氏名又は名称】株式会社シンク・ラボラトリー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】重田 龍男
【審査官】
中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−168035(JP,A)
【文献】
特開2001−341276(JP,A)
【文献】
特開2015−120311(JP,A)
【文献】
特開2002−265009(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0072992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 9/18
B41F 13/24
B41F 9/02
B41F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷ユニットを有し、各印刷ユニットに版胴をセットして色を重ねて印刷することで多色印刷する多色グラビア輪転機であり、
複数の印刷ユニットが平面視L字状に並べられて配置されてなるL字状配置印刷ユニット群と、
前記L字状配置印刷ユニット群のL字状配置の屈曲部外側付近に設けられた反転ローラと、
前記L字状配置印刷ユニット群のL字状配置の屈曲部内側付近に設けられ、円状のハンドリングエリアを有し、前記版胴をチャックしてハンドリングすることで前記印刷ユニットの版胴を交換する第一の非走行型産業ロボットと、
円状のハンドリングエリアを有し、前記版胴をチャックしてハンドリングすることで前記印刷ユニットの版胴を交換する第二の非走行型産業ロボットと、
版胴をストックしておくためのターンテーブル式の版胴ストック装置と、
給紙装置の役目を果たす自動紙継装置と、
巻取装置の役目を果たす自動紙切装置と、
を含み、
前記第一の非走行型産業ロボットのハンドリングエリアと、前記第二の非走行型産業ロボットのハンドリングエリアとが隣接又は一部重複してなり、
前記第一の非走行型産業ロボットのハンドリングエリア及び前記第二の非走行型産業ロボットのハンドリングエリアに、前記L字状配置印刷ユニット群、前記版胴ストック装置、前記自動紙継装置及び前記自動紙切装置、が設置されてなり、
前記印刷ユニットにセットされる版胴が前記第一の非走行型産業ロボット又は前記第二の非走行型産業ロボットによって交換されてなるようにした、多色グラビア輪転機。
【請求項2】
前記少なくとも一つの非走行型産業ロボットが、固定式台座部と、前記固定式台座部に接続された旋回式アーム部と、を有する、請求項1記載の多色グラビア輪転機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ユニットをもち、多色印刷を行うためのグラビア輪転印刷機である多色グラビア輪転機に関し、より詳しくは、版胴を自動的に交換可能とした多色グラビア輪転機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多色グラビア輪転機としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1では、記載された印刷機の印刷ユニットにおける印刷機器を取替える方法および装置として、キャリッジに装着された彫り込んであるシリンダなどの印刷要素を取替える方法と装置が開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された印刷機の印刷ユニットにおける印刷機器を取替える方法および装置では、印刷機の複数の印刷ユニットに平行して多数の作業機器を設置する必要があるし、また版胴の交換作業に時間もかかるという問題があった。
【0004】
また、特許文献2では、印刷ラインを構成する印刷ユニットが多数であっても、また印刷ラインが複数列であっても、印刷ロールの交換に共通使用できる印刷ロール自動交換機能を有する走行形産業用ロボットを備えた印刷工場も提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載された印刷工場では、走行形のロボットを用いており、ロボットの走行ゾーンも必要なため、ロボットの走行ゾーンのスペースの確保のほか、版胴の交換作業に時間もかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−203056号公報
【特許文献2】特開2000−71417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたもので、複数の印刷ユニットにおける版胴の交換を自動的に且つ従来よりも迅速に行うことができるようにした多色グラビア輪転機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る多色グラビア輪転機は、複数の印刷ユニットを有し、各印刷ユニットに版胴をセットして色を重ねて印刷することで多色印刷する多色グラビア輪転機であり、複数の印刷ユニットが平面視L字状に並べられて配置されてなるL字状配置印刷ユニット群と、前記L字状配置印刷ユニット群のL字状配置の屈曲部外側付近に設けられた反転ローラと、前記L字状配置印刷ユニット群のL字状配置の屈曲部内側付近に設けられ、円状のハンドリングエリアを有し、前記版胴をチャックしてハンドリングすることで前記印刷ユニットの版胴を交換する少なくとも一つの非走行型産業ロボットと、を含み、前記非走行型産業ロボットのハンドリングエリアに前記L字状配置印刷ユニット群が設置されてなり、前記印刷ユニットにセットされる版胴が前記非走行型産業ロボットによって交換されてなるようにした、多色グラビア輪転機である。
【0009】
前記少なくとも一つの非走行型産業ロボットが、第一の非走行型産業ロボットと、第二の非走行型産業ロボットと、を含み、前記第一の非走行型産業ロボットのハンドリングエリアと、前記第二の非走行型産業ロボットのハンドリングエリアとが隣接又は一部重複してなり、前記第一の非走行型産業ロボットのハンドリングエリア及び前記第二の非走行型産業ロボットのハンドリングエリアに、前記L字状配置印刷ユニット群が設置されてなり、前記印刷ユニットにセットされる版胴が前記第一の非走行型産業ロボット又は前記第二の非走行型産業ロボットによって交換されてなるようにするのが好適である。
【0010】
前記少なくとも一つの非走行型産業ロボットが、固定式台座部と、前記固定式台座部に接続された旋回式アーム部と、を有するのが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の印刷ユニットにおける版胴の交換を自動的に且つ従来よりも迅速に行うことができるようにした多色グラビア輪転機を提供することができるという著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る多色グラビア輪転機の一つの実施の形態を示す概略平面図である。
【
図2】
図1の実施の形態のL字状配置印刷ユニット群の要部概略側面図であって、(a)はL字状配置印刷ユニット群の第一辺の印刷ユニット群を示し、(b)はL字状配置印刷ユニット群の第二辺の印刷ユニット群を示す。
【
図3】
図1の実施の形態の印刷ユニットの概略側面図である。
【
図4】本発明に係る多色グラビア輪転機の別の実施の形態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これら実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0014】
本発明に係る多色グラビア輪転機を添付図面を用いて説明する。多色グラビア輪転機とは多色印刷を行うためのグラビア輪転印刷機である。
図1〜
図3において、符号10Aは本発明に係る多色グラビア輪転機の一つの実施の形態を示す。多色グラビア輪転機10Aは、複数の印刷ユニット12a〜12gを有し、各印刷ユニット12a〜12gに版胴14a〜14gをセットして、ウェブ状の被印刷物に色を重ねて印刷することで多色印刷する多色グラビア輪転機である。図示例では、多色印刷の例として、7色印刷(C,M,Y,K,R,G,Bなど)の例を示した。多色グラビア輪転機では、各印刷ユニット12a〜12gの数に対応して、版胴が必要となるため、図示例では版胴14a〜14gとして7本の版胴が必要となる。
【0015】
多色グラビア輪転機10Aは、複数の印刷ユニット12a〜12gが平面視L字状に並べられて配置されてなるL字状配置印刷ユニット群50と、前記L字状配置印刷ユニット群50のL字状配置の屈曲部52の外側付近に設けられた反転ローラ54と、前記L字状配置印刷ユニット群50のL字状配置の屈曲部52の内側付近に設けられ、円状のハンドリングエリアP,Qを有し、前記版胴14a〜14gをチャックしてハンドリングすることで前記印刷ユニット12a〜12gの版胴14a〜14gを交換する第一の非走行型産業ロボット16及び第二の非走行型産業ロボット18を備えている。
【0016】
図1では、少なくとも一つの非走行型産業ロボットとして、第一の非走行型産業ロボット16及び第二の非走行型産業ロボット18を設けた例を示した。そして、第一の非走行型産業ロボット16及び第二の非走行型産業ロボット18のハンドリングエリアP,Qに前記L字状配置印刷ユニット群50が設置されてなり、前記印刷ユニット12a〜12gにセットされる版胴14a〜14gが前記非走行型産業ロボットによって交換されてなるようにされている。
【0017】
前記L字状配置印刷ユニット群50は、図示例では、第一辺の印刷ユニット群44aと第二辺の印刷ユニット群44bとから構成されている(
図1及び
図2)。反転ローラ54は、ターンバーとも言われるもので、第一辺の印刷ユニット群44aから第二辺の印刷ユニット群44bへとウェブ状の被印刷物(例えば、ウェブ状のプラスチックフィルム)を90°反転させるため(ターンさせるため)の装置である。なお、ウェブ状の被印刷物は、第一辺の印刷ユニット群44aから第二辺の印刷ユニット群44bへの給紙方向となることもあるし、それとは逆の第二辺の印刷ユニット群44bから第一辺の印刷ユニット群44aへの給紙方向となることもある。
【0018】
図1の例では、第一の非走行型産業ロボット16のハンドリングエリアPは、主として第一辺の印刷ユニット群44aに届くようにされており、第二の非走行型産業ロボット18のハンドリングエリアQは、第二辺の印刷ユニット群44bに届くようにされている。
【0019】
第一の非走行型産業ロボット16と第二の非走行型産業ロボット18は、それぞれがアーム先端部20及びアーム先端部22を備えており、前記アーム先端部20,22の間隔を広狭させて版胴14a〜14gの両端を把持するようにして版胴14a〜14gをチャックする構成とされている(
図3参照)。また、第一の非走行型産業ロボット16と第二の非走行型産業ロボット18の固定式台座部24,26は、床面Fに固定されている。
【0020】
このように、第一の非走行型産業ロボット16と第二の非走行型産業ロボット18は、特許文献2に記載されたような、台座が移動する走行型の産業ロボットではなく、台座が床面Fに固定された固定型の産業ロボットである。このため、産業ロボットが走行するための、特許文献2に記載されたようなロボットの走行レーンが不要である。このため、従来よりもスペースの確保ができ、また、走行レーンを産業ロボットが行き来する必要もないため、版胴の交換作業の迅速化が図れる。本発明に係る多色グラビア輪転機10Aでは、特許文献2に記載されたような構造の装置と比べて、版胴の交換作業において、およそ10倍もの時間の短縮が可能である。
【0021】
また、前記第一の非走行型産業ロボット16のハンドリングエリアPと、前記第二の非走行型産業ロボット18のハンドリングエリアQとが隣接又は一部重複してなるように構成されている。
図1の例では、前記第一の非走行型産業ロボット16のハンドリングエリアPと、前記第二の非走行型産業ロボット18のハンドリングエリアQとが一部重複している例を示したが、ハンドリングエリアPとハンドリングエリアQとは隣接していてもよい。
【0022】
非走行型産業ロボットのハンドリングエリアは非走行型産業ロボットのロボットアームの旋回範囲であり、非走行型産業ロボットの作業エリア(又は作業範囲)となる。
図3の符号46は、前記第一の非走行型産業ロボット16の固定式台座部24に接続された旋回式アーム部を示し、旋回式アーム部46の先端がアーム先端部20とされている。前記第二の非走行型産業ロボット18の固定式台座部26にも同様に旋回式アーム部48が接続されており、先端がアーム先端部22とされている。前記第一の非走行型産業ロボット16及び前記第二の非走行型産業ロボット18のロボットアームは旋回自在な多軸のロボットアームである。この前記第一の非走行型産業ロボット16及び前記第二の非走行型産業ロボット18は制御盤を操作することで制御される。
【0023】
そして、前記第一の非走行型産業ロボット16のハンドリングエリアP及び前記第二の非走行型産業ロボット18のハンドリングエリアQに、前記複数の印刷ユニット12a〜12gが設置されてなり、前記印刷ユニット12a〜12gにセットされる版胴14a〜14gが前記第一の非走行型産業ロボット16又は前記第二の非走行型産業ロボット18によって交換されるように構成されている。
【0024】
図1の例では、第一辺の印刷ユニット群44aが前記第一の非走行型産業ロボット16の作業エリアであるハンドリングエリアP上に設置されており、第二辺の印刷ユニット群44bが前記第二の非走行型産業ロボット18の作業エリアであるハンドリングエリアQ上に設置されている。前記複数の印刷ユニット12a〜12gのいずれの印刷ユニットを前記第一の非走行型産業ロボット16及び前記第二の非走行型産業ロボット18のどちらのハンドリングエリアに設置するかは、適宜変更すればよい。
【0025】
また、
図1において、符号28はインクの付いた版胴を洗浄するための洗浄槽であり、洗浄槽28は、前記第一の非走行型産業ロボット16のハンドリングエリアPに設置されている。また、
図1において、符号30もインクの付いた版胴を洗浄するための洗浄槽であり、洗浄槽30は、前記第二の非走行型産業ロボット18のハンドリングエリアQに設置されている。
図1において、符号32は版胴14をストックしておくためのターンテーブル式の版胴ストック装置である。前記第一の非走行型産業ロボット16及び前記第二の非走行型産業ロボット18が版胴14をチャックして、前記印刷ユニット12a〜12gに版胴14a〜14gとしてセットすることとなる。なお、
図1において、符号34は梯子を示す。
【0026】
また、前記複数の印刷ユニット12a〜12gにはそれぞれ制御盤36a〜36gが設けられている。符号38a,38bは自動紙継装置であり、それぞれ給紙装置の役目を果たす。符号40a,40bは自動紙切装置であり、それぞれ巻取装置の役目を果たす。
図1において、符号42a,42bはフレーム部材である。なお、
図2において、符号Oはオペレータを示す。
【0027】
このように構成された多色グラビア輪転機10Aにおいて、前記複数の印刷ユニット12a〜12gで印刷が行われて版胴14a〜14gの交換の必要が生じると、第一の非走行型産業ロボット16と第二の非走行型産業ロボット18は、それぞれのアーム先端部20及びアーム先端部22の間隔を広狭させて版胴14a〜14gの両端を把持して版胴14a〜14gをチャックする。そして、前記複数の印刷ユニット12a〜12gから版胴14a〜14gを外して、洗浄槽28,30で洗浄して版胴ストック装置32にストックする。
【0028】
そして、版胴ストック装置32にストックされていた別のパターンが刻設された版胴14が第一の非走行型産業ロボット16と第二の非走行型産業ロボット18によってチャックされて前記複数の印刷ユニット12a〜12gにセットされて次の印刷が行われる。印刷が終わって版胴14を交換する場合には、上記と同様となる。
【0029】
このようにして、多色グラビア輪転機10Aでは、複数の印刷ユニット12a〜12gにおける版胴14a〜14gの交換を自動的に且つ従来よりも迅速に行うことができるように構成されている。
【0030】
次に、本発明に係る多色グラビア輪転機の別の実施の形態を
図4に示す。
図4において、符号10Bは本発明に係る多色グラビア輪転機の別の実施の形態である。
【0031】
多色グラビア輪転機10Bは、一つの非走行型産業ロボット56を用いた実施の形態である。非走行型産業ロボット56は、アーム先端部62を備えており、前記アーム先端部62の間隔を広狭させて版胴14a〜14gの両端を把持するようにして版胴14a〜14gをチャックする構成とされている。
図4の符号60は、前記非走行型産業ロボット56の固定式台座部58に接続された旋回式アーム部を示し、旋回式アーム部60の先端がアーム先端部62とされている。また、非走行型産業ロボット56の固定式台座部58は、床面Fに固定されている。非走行型産業ロボット56は、非走行型産業ロボット16,18よりもサイズが大きいだけで基本的構成は同じである。
【0032】
図4の例では、第一辺の印刷ユニット群44a及び第二辺の印刷ユニット群44bが前記非走行型産業ロボット56の作業エリアであるハンドリングエリアR上に設置されている。前記複数の印刷ユニット12a〜12gのいずれの印刷ユニットを前記非走行型産業ロボット56のハンドリングエリアRにどのように設置するかは、適宜変更すればよい。多色グラビア輪転機10Bのその他の構成については、上述した多色グラビア輪転機10Aの構成と基本的に同様であるので、再度の説明は省略する。
【0033】
多色グラビア輪転機10Aは、二つの非走行型産業ロボット16,18を用いているため多色グラビア輪転機10Bよりも迅速化が可能となる。一方、多色グラビア輪転機10Bは、一つの非走行型産業ロボット56を用いているため、多色グラビア輪転機10Aよりも、簡素化できる利点がある。本発明では、L字状に配置されたL字状配置印刷ユニット群50に少なくとも一つの非走行型産業ロボットを組み合わせることで、複数の印刷ユニット12a〜12gに非走行型産業ロボットのハンドリングエリアが適切に配置されることとなる。
【0034】
このように構成された多色グラビア輪転機10Bにおいて、前記複数の印刷ユニット12a〜12gで印刷が行われて版胴14a〜14gの交換の必要が生じると、非走行型産業ロボット56は、アーム先端部62の間隔を広狭させて版胴14a〜14gの両端を把持して版胴14a〜14gをチャックする。そして、前記複数の印刷ユニット12a〜12gから版胴14a〜14gを外して、洗浄槽28,30で洗浄して版胴ストック装置32にストックする。
【0035】
そして、版胴ストック装置32にストックされていた別のパターンが刻設された版胴14が非走行型産業ロボット56によってチャックされて前記複数の印刷ユニット12a〜12gにセットされて次の印刷が行われる。印刷が終わって版胴14を交換する場合には、上記と同様となる。
【0036】
このようにして、多色グラビア輪転機10Bでも、複数の印刷ユニット12a〜12gにおける版胴14a〜14gの交換を自動的に且つ従来よりも迅速に行うことができるように構成されている。
【符号の説明】
【0037】
10A,10B:本発明に係る多色グラビア輪転機、12a〜12g:印刷ユニット、14,14a〜14g:版胴、16:第一の非走行型産業ロボット、18:第二の非走行型産業ロボット、20:第一の非走行型産業ロボットのアーム先端部、22:第二の非走行型産業ロボットのアーム先端部、24:第一の非走行型産業ロボットの固定式台座部、26:第二の非走行型産業ロボットの固定式台座部、28,30:洗浄槽、32:ターンテーブル式の版胴ストック装置、34:梯子、36a〜36g:制御盤、38a,38b:自動紙継装置、40a,40b:自動紙切装置、42a,42b:フレーム部材、44a:第一辺の印刷ユニット群、44b:第二辺の印刷ユニット群、46:第一の非走行型産業ロボットの旋回式アーム部、48:第二の非走行型産業ロボットの旋回式アーム部、50:L字状配置印刷ユニット群、52:L字状配置印刷ユニット群の屈曲部、54:反転ローラ、56:非走行型産業ロボット、58:固定式台座部、60:旋回式アーム部、62:アーム先端部、F:床面、O:オペレータ、P:第一の非走行型産業ロボットのハンドリングエリア、Q:第二の非走行型産業ロボットのハンドリングエリア、R:非走行型産業ロボットのハンドリングエリア。