特許第6961013号(P6961013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961013無線アクセスポイント、端末デバイス、および無線アクセスポイントによって端末デバイスをウェイクアップさせるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961013
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】無線アクセスポイント、端末デバイス、および無線アクセスポイントによって端末デバイスをウェイクアップさせるための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20211025BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20211025BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W84/12
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-558532(P2019-558532)
(86)(22)【出願日】2018年4月26日
(65)【公表番号】特表2020-520139(P2020-520139A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(86)【国際出願番号】CN2018084581
(87)【国際公開番号】WO2018196799
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年12月3日
(31)【優先権主張番号】201710282884.8
(32)【優先日】2017年4月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】季 晨荷
(72)【発明者】
【氏名】庄 ▲艷▼
(72)【発明者】
【氏名】王 云▲貴▼
【審査官】 米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/072053(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/052596(WO,A1)
【文献】 特開2011−049721(JP,A)
【文献】 特開2015−136113(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0111858(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0334650(US,A1)
【文献】 Jason Yuchen Guo (Huawei Technologies),Initial thoughts on High Level MAC procedures,IEEE 802.11-17/0354r0,2017年03月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスであって、プライマリ無線周波数回路とウェイクアップ無線(WUR)無線周波数回路とを備え、
前記WUR無線周波数回路は、無線信号を受信するのみであり、指定されたチャネルで動作し、前記WUR無線周波数回路が前記指定されたチャネルでウェイクアップフレームを受信し、かつ前記端末デバイスがウェイクアップするべき端末デバイスであるならば、前記プライマリ無線周波数回路をウェイクアップさせるように構成され、前記ウェイクアップフレームは、前記ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子を含み、
前記プライマリ無線周波数回路は、ウェイクアップした後に前記プライマリ無線周波数回路の動作チャネルで動作するように構成さ
前記プライマリ無線周波数回路が、前記プライマリ無線周波数回路の前記動作チャネルで前記WUR無線周波数回路の前記指定されたチャネルに関する情報を受信するようにさらに構成される、端末デバイス。
【請求項2】
前記プライマリ無線周波数回路に利用可能な動作チャネルが、前記指定されたチャネル以外の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)チャネルである、請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項3】
前記ウェイクアップフレームが、前記動作チャネルの指示をさらに含み、前記プライマリ無線周波数回路が、ウェイクアップした後、前記ウェイクアップフレームによって示される前記動作チャネルで動作するように構成される、請求項1または2に記載の端末デバイス。
【請求項4】
前記WUR無線周波数回路が、WURビーコンフレームを受信し、前記WURビーコンフレームが新たな指定されたチャネルを示すならば、前記新たな指定されたチャネルで動作するようにさらに構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の端末デバイス。
【請求項5】
前記プライマリ無線周波数回路の動作帯域が、前記WUR無線周波数回路の動作帯域と同じである、請求項1から4のいずれか一項に記載の端末デバイス。
【請求項6】
端末デバイスのウェイクアップ無線(WUR)無線周波数回路により、無線信号を受信するのみであり、指定されたチャネルで動作するステップと、
前記WUR無線周波数回路がウェイクアップフレームを受信し、かつ前記端末デバイスがウェイクアップするべき端末デバイスであるならば、前記WUR無線周波数回路により、前記端末デバイスのプライマリ無線周波数回路をウェイクアップさせるステップであって、前記ウェイクアップフレームは、前記ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子を含む、ステップと、
前記プライマリ無線周波数回路により、ウェイクアップした後に前記プライマリ無線周波数回路の動作チャネルで動作するステップと、
を含
前記プライマリ無線周波数回路により、前記プライマリ無線周波数回路の前記動作チャネルで前記WUR無線周波数回路の前記指定されたチャネルに関する情報を受信するステップをさらに含む、端末デバイスをウェイクアップさせるための方法。
【請求項7】
前記プライマリ無線周波数回路に利用可能な動作チャネルが、前記指定されたチャネル以外の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)チャネルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェイクアップフレームが、前記動作チャネルの指示をさらに含み、前記方法は、前記プライマリ無線周波数回路により、ウェイクアップした後、前記ウェイクアップフレームによって示される前記動作チャネルで動作するステップをさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記WUR無線周波数回路により、WURビーコンフレームを受信し、前記WURビーコンフレームが新たな指定されたチャネルを示すならば、前記WUR無線周波数回路により、前記新たな指定されたチャネルで動作するステップをさらに含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プライマリ無線周波数回路の動作帯域が、前記WUR無線周波数回路の動作帯域と同じである、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2017年4月26日に中国特許庁に提出され、発明の名称を「無線アクセスポイント、端末デバイス、および無線アクセスポイントによって端末デバイスをウェイクアップさせるための方法」とする中国特許出願第201710282884.8の優先権を主張し、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0002】
この出願は、通信分野、詳細には、無線アクセスポイント、端末デバイス、および無線アクセスポイントによって端末デバイスをウェイクアップさせるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ローカルエリアネットワーク(英語:wireless local area network,WLAN)の端末デバイスは、スリープモード(英語:sleep mode)に入り得る。ただし、スリープモードの端末デバイスは、また、データを受信するために、ドーズ状態(英語:doze state)から頻繁にアウェイク状態(英語:awake state)に入る必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この出願は、無線アクセスポイント、端末デバイス、および端末デバイスをウェイクアップさせるための方法を提供し、それによって、端末デバイスの電力消費を減少させる。
【0005】
第1の態様によれば、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、プライマリ無線周波数回路とウェイクアップ無線(英語:wake-up radio,WUR)無線周波数回路を含む。WUR無線周波数回路は、無線信号を受信するのみであり、指定されたチャネルで動作するように構成される。WUR無線周波数回路が指定されたチャネルでウェイクアップフレームを受信し、かつ端末デバイスがウェイクアップするべき端末デバイスであるならば、WUR無線周波数回路は、プライマリ無線周波数回路をウェイクアップさせるようにさらに構成される。ウェイクアップフレームは、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子を含む。プライマリ無線周波数回路は、ウェイクアップした後、プライマリ無線周波数回路の動作チャネルで動作するように構成される。
【0006】
WUR無線周波数回路は、端末デバイスのプライマリ無線周波数回路以外の無線周波数回路である。WUR無線周波数回路は、無線信号を受信できるのみであり、無線信号を送信できない。WUR無線周波数回路は、ウェイクアップ動作に関連するフレーム(WURフレーム)を受信するように構成されるのみであり、他のフレーム(たとえば、WLANデータフレーム)を無視する。従って、WUR無線周波数回路の電力消費と複雑さは両方とも比較的低い。動作中に生成されるWUR無線周波数回路の電力消費は、100マイクロワット(μW)より小さいことがある。端末デバイスを遅れずにウェイクアップさせるために、WUR無線周波数回路は指定されたチャネルで動作する。WUR無線周波数回路は、チャネルを頻繁に切り替える必要はない。別のWLANデバイスは指定されたチャネルを認識しているため、別のWLANデバイスは指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信できる。指定されたチャネルで動作しているとき、WUR無線周波数回路は、プライマリ無線周波数回路をウェイクアップさせるために、ウェイクアップフレームを受信できる。
【0007】
第1の態様を参照して、第1の態様の第1の実装形態では、プライマリ無線周波数回路は、プライマリ無線周波数回路の動作チャネルでWUR無線周波数回路の指定されたチャネルに関する情報を受信するようにさらに構成される。指定されたチャネルが動的にネゴシエーションされ、または端末デバイスが指定されたチャネルを認識していないならば、WLANデバイスは指定されたチャネルを端末デバイスに通知し得る。
【0008】
第1の態様または第1の態様の第1の実装形態を参照して、第1の態様の第2の実装形態では、プライマリ無線周波数回路の動作帯域は、WUR無線周波数回路の動作帯域と同じである。
【0009】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、または第1の態様の第2の実装形態を参照して、第1の態様の第3の実装形態では、プライマリ無線周波数回路に利用可能な動作チャネルは、指定されたチャネル以外のWLANチャネルである。動作チャネルと指定されたチャネルが異なるため、チャネル間干渉を減少させることができる。
【0010】
第1の態様、または第1の態様の第1の実装形態から第3の実装形態のいずれか1つを参照して、第1の態様の第4の実装形態では、ウェイクアップフレームは動作チャネルの指示をさらに含み、プライマリ無線周波数回路は、ウェイクアップした後、ウェイクアップフレームで示された動作チャネルで動作するように構成される。ウェイクアップフレームは、ウェイクアップフレームが送信されるWLANデバイスの動作チャネルを示し、それによって、プライマリ無線周波数回路がウェイクアップした後にチャネルをスキャンする際のプライマリ無線周波数回路の負荷を軽減できる。
【0011】
第1の態様、または第1の態様の第1の実装形態から第4の実装形態のいずれか1つを参照して、第1の態様の第5の実装形態では、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子は、端末デバイスの個々の識別子であり、プライマリ無線周波数回路は、ウェイクアップした後、ウェイクアップフレームによって示された動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を送信するようにさらに構成される。端末デバイスは、ウェイクアップフレームに応答して、WLANデバイスに、端末デバイスがウェイクアップしたことを通知する。WUR無線周波数回路は無線信号を送信できないため、端末デバイスのプライマリ無線周波数回路は、ウェイクアップした後、動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を送信する。
【0012】
第1の態様、または第1の態様の第1の実装形態から第5の実装形態のいずれか1つを参照して、第1の態様の第6の実装形態では、WUR無線周波数回路は、WURビーコンフレームを受信し、WURビーコンフレームが新たな指定されたチャネルを示すならば、新たな指定されたチャネルで動作するようにさらに構成される。WLANデバイスの指定されたチャネルが動的であるならば、WLANデバイスは指定されたチャネルを変更し得る。端末デバイスが指定されたチャネルの変更を認識することを可能にするために、WLANデバイスは新たな指定されたチャネルを端末デバイスに通知する。
【0013】
第2の態様によれば、端末デバイスをウェイクアップさせるための方法が提供される。この方法は、第1の態様において端末デバイスによって実行されるステップを含む。
【0014】
第3の態様によれば、端末デバイスをウェイクアップさせるための方法が提供される。この方法は、WLANデバイスにより、指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信するステップであって、ウェイクアップフレームは、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子を含む、ステップと、WLANデバイスにより、動作チャネルでWLANフレームを送信するステップと、を含む。
【0015】
第3の態様を参照して、第3の態様の第1の実装形態では、方法は、WLANデバイスにより、動作チャネルで指定されたチャネルに関する情報を送信するステップをさらに含む。
【0016】
第3の態様または第3の態様の第1の実装形態を参照して、第3の態様の第2の実装形態では、WLANデバイスに利用可能な動作チャネルは、指定されたチャネル以外のWLANチャネルである。
【0017】
第3の態様、第3の態様の第1の実装形態、または第3の態様の第2の実装形態を参照して、第3の態様の第3の実装形態では、ウェイクアップフレームは動作チャネルの指示をさらに含む。
【0018】
第3の態様、または第3の態様の第1の実装形態から第3の実装形態のいずれか1つを参照して、第3の態様の第4の実装形態では、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子は1つの端末デバイスの識別子であり、方法は、WLANデバイスが動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を受信しないならば、WLANデバイスにより、指定されたチャネルで新しいウェイクアップフレームを送信するステップをさらに含む。
【0019】
第3の態様、または第3の態様の第1の実装形態から第4の実装形態のいずれか1つを参照して、第3の態様の第5の実装形態では、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子はグループ識別子またはブロードキャスト識別子であり、WLANフレームはグループにアドレス指定されたフレームであり、WLANデバイスは、ウェイクアップフレームが送信された後の準備期間の後に、動作チャネルでWLANフレームを送信する。WLANデバイスが、複数の端末デバイスをウェイクアップさせるために、識別子がグループ識別子またはブロードキャスト識別子であることを示すウェイクアップフレームを送信するならば、WLANデバイスは、各WLANデバイスがウェイクアップしたかどうかを判断する必要はない。
【0020】
第3の態様、または第3の態様の第1の実装形態から第5の実装形態のいずれか1つを参照して、第3の態様の第6の実装形態では、方法は、WLANデバイスにより、指定されたチャネルでウェイクアップ無線(WUR)ビーコンフレームを定期的に送信するステップをさらに含み、WURビーコンフレームと動作チャネル上のビーコンフレームは別々に送信される。
【0021】
第3の態様の第6の実装形態を参照して、第3の態様の第7の実装形態では、WURビーコンフレームは、動作チャネルの指示を含む。
【0022】
第3の態様、または第3の態様の第1の実装形態から第7の実装形態のいずれか1つを参照して、第3の態様の第8の実装形態では、方法は、指定されたチャネルを変更する前に、WLANデバイスにより、WURビーコンフレームを使用して、新たな指定されたチャネルを示すステップをさらに含む。
【0023】
第3の態様、または第3の態様の第1の実装形態から第8の実装形態のいずれか1つを参照して、第3の態様の第9の実装形態では、指定されたチャネルのWLAN帯域は動作チャネルのWLAN帯域と同じである。
【0024】
第4の態様によれば、端末デバイスをウェイクアップさせるための装置が提供される。この装置は、第3の態様の方法でWLANデバイスの挙動を実現する機能を有する。これらの機能は、ハードウェアによって実現されてもよく、対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアにより実現されてもよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1つまたは複数のモジュールを含む。
【0025】
第5の態様によれば、WLANデバイスが提供される。WLANデバイスは、プロセッサとトランシーバを含む。プロセッサは、トランシーバを使用して無線信号を受信および送信し、第3の態様の方法のステップを実行するように構成される。
【0026】
第6の態様によれば、本発明の実施形態は、前述のWLANデバイスによって使用されるコンピュータソフトウェア命令を記憶するように構成されたコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータソフトウェア命令は、前述の態様を実行するために設計されたプログラムを含む。
【0027】
第7の態様によれば、本発明の実施形態は、前述の端末デバイスによって使用されるコンピュータソフトウェア命令を記憶するように構成されたコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータソフトウェア命令は、前述の態様を実行するために設計されたプログラムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態によるネットワークアーキテクチャの概略図である。
図2】本発明の一実施形態による、WLANデバイスによって端末デバイスをウェイクアップさせる概略図である。
図3】本発明の一実施形態による、端末デバイスが2つのWLANデバイスのカバレッジエリア内を移動する例である。
図4】本発明の一実施形態による、端末デバイスが2つのWLANデバイスのカバレッジエリア内を移動する別の例である。
図5】本発明の一実施形態による、端末デバイスをウェイクアップさせるための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下は、図1から図5を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0030】
モノのインターネットのシナリオでは、多くのデバイスはバッテリによって駆動される必要がある。従って、デバイスの寿命(バッテリ寿命)を延ばすことは非常に重要である。WLANデバイスは非常に普及しているため、WLANデバイスを使用してモノのインターネットシナリオに要求される機能を実現できるならば、モノのインターネットを普及させるための閾値を下げることができる。
【0031】
WLANデバイスはスリープモードに入り得る。ただし、スリープモードの端末デバイスは、また、別のWLANデバイス(例えば、無線アクセスポイント(英語:access point,AP)または別のタイプのWLANデバイス)のデータを受信するために、ドーズ状態からアウェイク状態に頻繁に入る必要がある。デバイスがドーズ状態にとどまる、より長い時間は、より少なく消費されるエネルギーに貢献する。ただし、長時間にわたってドーズ状態にとどまることは、データ送信のタイムリーな性能が低下する。
【0032】
WLANデバイスの電力消費を可能な限り減少させ、データ送信のタイムリーな性能の要件を満たすために、本発明の実施形態では、プライマリ無線周波数(英語:radio frequency,RF)回路以外の専用のウェイクアップ無線(英語:wake-up radio,WUR)無線周波数回路が、WLANデバイスに配置される。WUR無線周波数回路が配置されているWLANデバイスは、WUR端末デバイスまたは端末デバイスと呼ばれる。WUR無線周波数回路は、無線信号を受信できるのみであり、無線信号を送信できない。WUR無線周波数回路は、ウェイクアップ動作に関連するフレーム(WURビーコンフレームまたはWURウェイクアップフレームのようなWURフレームと呼ばれ得る)を受信し、他のフレーム(例えば、データフレーム)を無視するように構成されるのみである。従って、WUR無線周波数回路の電力消費と複雑さは低い。動作中に生成されるWUR無線周波数回路の電力消費は、100マイクロワット(μW)より小さいことがある。プライマリ無線周波数回路とWUR無線周波数回路は別々であってもよく、またはチップに統合されていてもよい。
【0033】
送信されるべきデータがないとき、端末デバイスはスリープ状態である。端末デバイスがスリープ状態にあるとき、エネルギーの節約のためにプライマリ無線周波数回路が切断される。端末デバイスがスリープ状態にあるとき、WUR無線周波数回路は無線媒体をリッスンし、遅れずにウェイクアップフレームを受信する。任意選択で、WUR無線周波数回路は、さらなるエネルギーの節約のために動作を一時停止してもよい。例えば、WUR無線周波数回路は定期的に動作を一時停止してもよい。さらに、端末デバイスがスリープ状態にあるとき、装置全体のWUR無線周波数回路を除く任意のコンポーネントは、電力オフ状態にあってもよい。端末デバイスが揮発性メモリを含むならば、端末デバイスがスリープ状態にあるとき、揮発性メモリは電力オフ状態にならなくてもよい。あるいは、端末デバイスは、スリープ状態に入る前に揮発性メモリ内のコンテンツを不揮発性メモリにコピーし、スリープ状態に入るときに揮発性メモリを無効にしてもよい。
【0034】
WLANデバイスがデータを端末デバイスに送信する必要があり、または端末デバイスのデータを照会する必要があるとき、WLANデバイスは最初にウェイクアップフレームを送信する。ウェイクアップフレームを受信した後、ウェイクアップするべき端末デバイスのWUR無線周波数回路は、端末デバイスのプライマリ無線周波数回路をウェイクアップさせる。この場合、端末デバイスはアウェイク状態にある。ウェイクアップフレームを送信した後、WLANデバイスはWLANフレームを送信する。WLANフレームは、データフレームまたは管理フレームであり得る。データフレームは、WLANデバイスによって端末デバイスにデータを送信するか、または端末デバイスのデータを照会するための指示を含み得る。
【0035】
WLANデバイスが無線APである例では、無線AP間の干渉を減少させるために、通常、隣接する無線APは異なる動作チャネル(英語:operating channel)で動作する。無線APがそれぞれの動作チャネルでWURフレームを送信するならば、隣接する無線APは異なるチャネルでWURフレームを送信する。
【0036】
端末デバイスが元の無線APのカバレッジエリアから隣接する無線APのカバレッジエリアに移動した後、端末デバイスは新しい無線APの動作チャネルを認識していないため、端末デバイスは、新しい無線APによって送信されたWURフレームのリッスンを試みるために、WUR無線周波数回路の動作チャネルに切り替えることができるのみである。WLAN帯域は、900メガヘルツ(MHz)帯域、2.4ギガヘルツ(GHz)帯域、3.65GHz帯域、4.9GHz帯域、5GHz帯域、5.9GHz帯域、60GHz帯域、および同様のものを含む。異なるWLAN帯域に含まれるWLANチャネルの数は、各国/地域の規制によって指定されている。例えば、米国の5GHz帯域には20MHzの帯域幅を持つ25のチャネルがある。端末デバイスは新しい無線APの動作チャネルを認識していないため、25チャネルから新しい無線APの動作チャネルを見つけるために、端末デバイスのWUR無線周波数回路の動作チャネルが頻繁に切り替えられる必要がある。頻繁なチャネルの切り替えは、WUR無線周波数回路の電力消費を増加させる。
【0037】
1つのエリアの複数の無線APが同じチャネルでWURフレームを送信するならば、端末デバイスがそのエリアでランダムに移動するとき、端末デバイスのWUR無線周波数回路は、チャネル切り替えを実行する必要なく、新しい無線APによって送信されたWURフレームをリッスンし得る。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態によるネットワークアーキテクチャの概略図である。
【0039】
図1には、複数の無線デバイス、すなわち、WLANデバイス101からWLANデバイス106が存在する。
【0040】
本発明のこの実施形態では、WLANデバイス101からWLANデバイス106の動作チャネルは異なるが、WLANデバイス101からWLANデバイス106は、同じ指定されたチャネル(チャネル165(CH165))でWURフレームを送信する。端末デバイス110がWLANデバイス101からWLANデバイス106のカバレッジエリア内でランダムに移動するとき、端末デバイス110のWUR無線周波数回路は、チャネル切り替えを実行する必要なく、任意の無線APによって送信されたWURフレームをリッスンし得る。あるいは、いずれかのWLANデバイスがWLANデバイスの動作チャネルでウェイクアップフレームを送信することに失敗した後、WLANデバイスは指定されたチャネル(チャネル165)でウェイクアップフレームを送信する。端末デバイス110が元のWLANデバイスのカバレッジエリアを離れた後、端末デバイス110のWUR無線周波数回路が指定されたチャネルに切り替えられると仮定して、端末デバイス110のWUR無線周波数回路は、任意の無線APによって送信されたWURフレームをリッスンし得る。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態によるWLANデバイスによって端末デバイスをウェイクアップさせる概略図である。
【0042】
本発明のこの実施形態におけるプロセスを説明するために、WLANデバイス210が端末デバイス220をウェイクアップさせる例が図2で使用される。
【0043】
WLANデバイス210は、プロセッサ212およびトランシーバ214を含む。プロセッサ212は、中央処理ユニット(CPU)、ネットワークプロセッサ(NP)、無線周波数回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。PLDは、複雑プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、汎用アレイロジック(GAL)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。無線周波数回路はRFモジュールとも呼ばれ、デバイス間で無線信号を送信および/または受信するための電子コンポーネントである。プロセッサ内の回路は別個でもよく、または1つまたは複数のチップに統合されたものでもよい。
【0044】
トランシーバ214はアンテナであり得る。アンテナは、アレイアンテナ、マルチバンドアンテナ、マイクロストリップアンテナ、指向性アンテナ、または別のタイプの任意のアンテナを含み得る。プロセッサ212は、トランシーバ214を使用して無線信号を受信および送信する。
【0045】
任意選択で、WLANデバイス210はメモリをさらに含む。メモリは、別個のデバイスであってもよく、またはプロセッサ212に統合されていてもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリを含んでもよい。あるいは、メモリは、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスク、またはソリッドステートドライブのような不揮発性メモリを含んでもよい。あるいは、メモリは、前述のタイプのメモリの任意の組み合わせを含んでもよい。プロセッサ212がプログラムコードを必要とするならば、メモリはプログラムコードを格納し、プログラムコードをプロセッサ212に送信してもよく、それによって、プロセッサ212はプログラムコードの指示に従って本発明のこの実施形態を実現する。
【0046】
端末デバイス220は、プライマリ無線周波数回路222およびWUR無線周波数回路224を含む。1つまたは複数のプライマリ無線周波数回路222があってもよい。1つまたは複数のWUR無線周波数回路224があってもよい。例えば、プライマリ無線周波数回路222の動作帯域は、WUR無線周波数回路224の動作帯域と同じである。端末デバイス220が異なる動作帯域を有する複数のプライマリ無線周波数回路222を含むならば、端末デバイス220は、対応する動作帯域を有する複数のWUR無線周波数回路224を含んでもよい。別の例では、異なる動作帯域を有する2つ以上のプライマリ無線周波数回路222は、1つのWUR無線周波数回路224によってウェイクアップしてもよい。プライマリ無線周波数回路222およびWUR無線周波数回路224は、アンテナを共有してもよい。あるいは、プライマリ無線周波数回路222およびWUR無線周波数回路224は、それぞれのアンテナを使用してもよい。以下は、5GHz帯域を例として使用して、本発明のこの実施形態を説明する。本発明のこの実施形態は、別の帯域にも適用され得る。
【0047】
プライマリ無線周波数回路222は、WLANデータを送信および受信するための端末デバイス220の無線周波数回路である。プライマリ無線周波数回路222の動作チャネルは、プライマリ接続無線(英語:primary connectivity radio)チャネルと呼ばれ得る。
【0048】
WUR無線周波数回路224は、WURフレームを受信するための端末デバイス220の無線周波数回路である。WUR無線周波数回路224は、受信機のみを含み、送信機を含まない。従って、WUR無線周波数回路は、無線信号を受信できるのみであり、無線信号を送信できない。WUR無線周波数回路224の動作チャネルは、WURチャネルと呼ばれ得る。WUR無線周波数回路224は、指定されたチャネルをWURチャネルとして使用する。あるいは、WURチャネルは、プライマリWURチャネルとセカンダリWURチャネルを含む。プライマリWURチャネルはプライマリ無線周波数回路222の動作チャネルであり、セカンダリWURチャネルは指定されたチャネルである。WLANデバイス210がプライマリWURチャネルでウェイクアップフレームを送信することに失敗したならば、WLANデバイス210は、ウェイクアップフレームを送信するために、セカンダリWURチャネルに切り替える。端末デバイス220が長時間にわたってプライマリWURチャネルでWURビーコンフレームをリッスンして取得しないならば、端末デバイス220は、無線媒体をリッスンするために、セカンダリWURチャネルに切り替える。指定されたチャネルは、複数のAPがWURフレームを送信するのと同じチャネルである。
【0049】
任意選択で、端末デバイス220は、プロセッサをさらに含んでもよい。プロセッサは、CPU、NP、ASIC、PLD、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。任意選択で、端末デバイス220はメモリをさらに含んでもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリを含んでもよい。あるいは、メモリは、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスク、またはソリッドステートドライブのような不揮発性メモリを含んでもよい。あるいは、メモリは、前述のタイプのメモリの任意の組み合わせを含んでもよい。プライマリ無線周波数回路222、WUR無線周波数回路224、プロセッサ(もしあれば)、およびメモリ(もしあれば)は別個のチップであってもよく、または1つまたは複数のチップに統合されてもよい。
【0050】
WLANデバイス210によって端末デバイス220をウェイクアップさせるプロセスは以下のとおりである:
【0051】
231.WLANデバイス210は、WLANデバイス210の動作チャネルで、指定されたチャネルに関する情報を送信し、指定されたチャネルに関する情報を受信した後、端末デバイス220のプライマリ無線周波数回路は、情報に基づいてWUR無線周波数回路の指定されたチャネルを構成する。
【0052】
例えば、WLANデバイス210は図1のWLANデバイス103であり、端末デバイス220は図1の端末デバイス110である。WLANデバイス210の動作チャネルはチャネル44であり、WLANデバイス210の指定されたチャネルはチャネル165である。WLANデバイス210の指定されたチャネルは固定されてもよい。例えば、指定されたチャネルは、標準または規制によって指定されてもよく、またはデバイスベンダによって指定されてもよい。あるいは、WLANデバイス210の指定されたチャネルは静的に構成されてもよい。例えば、指定されたチャネルは、指定された値として手動で構成されてもよい。あるいは、WLANデバイス210の指定されたチャネルは、動的にネゴシエーションされてもよい。例えば、エリア内の複数のWLANデバイス210は、WLANデバイス210によって共有される指定されたチャネルをネゴシエーションする。
【0053】
端末デバイス220が指定されたチャネルを認識しているならば、ステップ231は省略されてもよい。従って、指定されたチャネルが固定されているか静的に構成されているならば、ステップ231はオプションである。例えば、標準または規制によって指定された、指定されたチャネルが、端末デバイス220に対して固定されている、または指定されたチャネルがWLANデバイス210および端末デバイス220の両方に対して手動で構成されているならば、ステップ231は省略されてもよい。
【0054】
指定されたチャネルが固定されているか静的に構成されているならば、動的周波数選択(英語:dynamic frequency selection,DFS)が実行される必要のないチャネルが、指定されたチャネルとして選択されてもよい。例えば、米国、カナダ、ロシア、シンガポール、中国、韓国、オーストラリア、ブラジル、台湾、およびニュージーランドでは、チャネル149、チャネル153、チャネル157、チャネル161、およびチャネル165のうちの1つが、指定されたチャネルとして使用され得る。
【0055】
WLANデバイス210の指定されたチャネルが動的にネゴシエーションされるならば、WLANデバイス210は、好ましくは、指定されたチャネルとしてDFSが実行される必要のないチャネルを選択してもよい。例えば、指定されたチャネルとして選択されたチャネルの優先度は、WLANデバイス210で構成されてもよく、DFSが実行される必要のないチャネルの優先度は、別のチャネルの優先度よりも高い。
【0056】
いくつかの国/地域の規制で指定されているように、5GHz帯域のすべてのチャネルでDFSが実行される必要があり、または、5GHz帯域のすべてのチャネルは屋内でのみ使用できる。例えば、屋内でのモノのインターネットのシナリオで、WLANが屋内でのみ使用されるならば、WLANデバイス210の指定されたチャネルは、屋内(英語:indoor)チャネルとして手動で構成されてもよい。WLANが屋外で使用される必要があるならば、WLANデバイス210はDFSを実行し、そして指定されたチャネルとして有効なWLANチャネルを選択する。
【0057】
WLANデバイス210の指定されたチャネルが動的にネゴシエーションされ、または指定されたチャネルが固定されているか静的に構成されているが、端末デバイス220が指定されたチャネルを認識していないならば、WLANデバイス210は指定されたチャネルを端末デバイス220に通知する必要がある。WLANデバイス210は、動作チャネルで、指定されたチャネルに関する情報を送信する。指定されたチャネルに関する情報は、WURチャネル要素で搬送されてもよい。WURチャネル要素は、新しく定義された情報要素である。WURチャネル要素の要素ID(英語:Element ID)フィールドの値は、例えば、143から173または175から220のうちの1つである。WURチャネル要素の情報フィールドの長さはオクテット(英語:octet)であってもよく、WURチャネル要素の情報フィールドはチャネル番号(英語:channel number)を含む。例えば、指定されたチャネルがチャネル165であるならば、WURチャネル要素のチャネル番号の値は165である。WURチャネル要素は、ビーコン(英語:beacon)フレーム、プローブ応答(英語:probe response)フレーム、およびアクション(英語:action)フレーム(例えば、スペクトル管理(英語:spectrum management)アクションフレームまたはWURアクションフレーム)のうちの1つまたは複数において搬送されてもよい。
【0058】
指定されたチャネルは、WLANデバイス210の動作チャネルと同じでも、または異なってもよい。例えば、指定されたチャネルがチャネル165であり、複数のWLANデバイスの動作チャネルがそれぞれチャネル149、チャネル153、チャネル157、チャネル161、およびチャネル165であるならば、WLANデバイスのうちの1つの動作チャネルは、指定されたチャネルと同じである。
【0059】
任意選択で、動作チャネルと指定されたチャネルの間の干渉を減少させるために、WLANデバイスとプライマリ無線周波数回路に利用可能な動作チャネルは、指定されたチャネル以外のWLANチャネルとして構成されてもよい。例えば、指定されたチャネルがチャネル165であるならば、WLANデバイスおよびプライマリ無線周波数回路に利用可能な動作チャネルは、チャネル165以外の有効な動作チャネルのみであり得る。
【0060】
指定されたチャネルがWLANデバイス210の動作チャネルと異なるならば、WLANデバイス210は、WURフレームを送信するときに、指定されたチャネルに切り替え、指定されたチャネルでWURフレームを送信する。WURフレームを送信した後、WLANデバイス210は、WLANデバイス210の動作チャネルに戻る。
【0061】
232.WLANデバイス210は、指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信する。
【0062】
WLANデバイス210は、指定されたチャネル(例えば、チャネル165)でWURビーコンフレームを定期的に送信する。WURビーコンフレームは、動作チャネル(例えば、チャネル44)でWLANデバイス210によって送信されるビーコンフレームとは異なり、WURビーコンフレームと動作チャネル上のビーコンフレームは別々に送信される。例えば、WURビーコンフレームのビーコン間隔(英語:beacon interval)は、ビーコンフレームのビーコン間隔よりもはるかに大きくてもよい。WURビーコンフレームのビーコン間隔は、WURモード要素において搬送されてもよい。WURモード要素は、動作チャネル上のビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、およびアクションフレーム(例えば、WURアクションフレーム)のうちの1つまたは複数において搬送されてもよい。
【0063】
WLANデバイス210が指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信し、端末デバイス220のWUR無線周波数回路224が有効にされ、指定されたチャネルで動作するならば、端末デバイス220はWURビーコンフレームを受信する。WURビーコンフレームを受信する端末デバイス220は、WURビーコンフレームを送信するWLANデバイス210の存在を認識している。任意選択で、WURビーコンフレームは、WLANデバイス210の動作チャネルの指示を含んでもよい。
【0064】
前述のステップ232はオプションであり、WLANデバイス210は、指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信しなくてもよい。例えば、プライマリWURチャネルが動作チャネルであり、セカンダリWURチャネルが指定されたチャネルであるならば、WLANデバイス210は、動作チャネルでWURビーコンフレームを送信するのみであってもよく、指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信しない。
【0065】
端末デバイス220がスリープ状態にあるとき、端末デバイス220のWUR無線周波数回路224は有効にされる。任意選択で、端末デバイス220がアウェイク状態にあるとき、端末デバイス220は、さらなるエネルギーの節約のためにWUR無線周波数回路224を切断してもよい。
【0066】
WLANデバイス210は、指定されたチャネルを変更してもよい。例えば、WLANデバイス210の指定されたチャネルが動的にネゴシエーションされるならば、WLANデバイス210は指定されたチャネルを変更してもよい。あるいは、WLANデバイス210の指定されたチャネルが構成されているならば、指定されたチャネルは新しい構成に変更されてもよい。端末デバイス220が指定されたチャネルの変更を認識することを可能にするために、WLANデバイス210は、端末デバイス220に新たな指定されたチャネルを通知する必要がある。例えば、指定されたチャネルを変更する前に、WLANデバイス210は、WURビーコンフレームを使用して、新たな指定されたチャネルを示す。WUR無線周波数回路224は、WURビーコンフレームを受信し、WURビーコンフレームが新たな指定されたチャネルを示すならば、WUR無線周波数回路224は、新たな指定されたチャネルで動作する。別の例では、セカンダリWURチャネルが指定されたチャネルであるならば、WLANデバイス210は、新たな指定されたチャネルを示すために、指定されたチャネルの変更指示を指定されたチャネルで送信する。指定されたチャネルで動作するWUR無線周波数回路224は、指定されたチャネルの変更指示を受信し、WUR無線周波数回路224は、指示に従って新たな指定されたチャネルで動作する。指定されたチャネルの変更指示は、新しいタイプのWURフレームであってもよい。
【0067】
233.WLANデバイス210は、指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信する。
【0068】
WLANデバイス210が1つまたは複数の端末デバイスをウェイクアップさせる必要があるならば、WLANデバイス210は指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信する。本発明のこの実施形態におけるウェイクアップフレームは、WURフレームであり、WURウェイクアップフレームと呼ばれ得る。ウェイクアップフレームは、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子を含む。端末デバイス220のWUR無線周波数回路224は、ウェイクアップフレームを受信し、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子に基づいて、端末デバイス220がウェイクアップするべき端末デバイスであるかどうかを判断し得る。端末デバイスの識別子は、端末デバイスのアドレス、例えば、媒体アクセス制御(MAC)アドレスであってもよく、または端末デバイスを識別することができる別の種類の識別子、例えば、端末デバイス220のアソシエーションID(英語:association ID,AID)、および端末デバイス220に関連付けられた基本サービスセット(英語:basic service set,BSS)のBSSカラーの組み合わせであってもよい。BSSカラーは、エリア内の無線APによって各BBSを簡素化するための識別子である。端末デバイスの識別子は、1つの端末デバイスの識別子であってもよく、またはグループ識別子またはブロードキャスト識別子であってもよい。グループ識別子は、対応するグループ内のすべての端末デバイスがウェイクアップするべき端末デバイスであることを示す。ブロードキャスト識別子は、任意の端末デバイスがウェイクアップするべき端末デバイスであることを示す。
【0069】
WLANデバイス210がWLANフレーム(例えば、個別にアドレス指定された(英語:individually addressed)フレーム)を1つの端末デバイスに送信する必要があるならば、WLANデバイス210は、端末デバイスをウェイクアップさせるために、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子が1つの端末デバイスの識別子であることを示すウェイクアップフレームを送信する。
【0070】
WLANデバイス210がWLANフレームを複数の端末デバイスに送信する必要があるならば、WLANフレームはグループにアドレス指定されたフレームである。WLANデバイス210は、複数の端末デバイスをウェイクアップさせるために、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子がグループ識別子またはブロードキャスト識別子であることを示すウェイクアップフレームを送信する。WLANデバイス210は、識別子がグループ識別子またはブロードキャスト識別子であることを示すウェイクアップフレームが送信された後の準備期間(英語:preparation period)後に動作チャネルでグループにアドレス指定されたフレームを送信する。
【0071】
WLANデバイス210は、オンオフキーイング(英語:on-off keying,OOK)を通じてWURウェイクアップフレームのペイロードを変調してもよい。これに対応して、WUR無線周波数回路224は、OOKを通じてWURウェイクアップフレームのペイロードを復調する。WURウェイクアップフレームは、指定されたチャネルの全帯域幅を占有しなくてもよいが、その1つまたは複数の直交周波数分割多重(OFDM)サブキャリアを使用するのみである。
【0072】
WUR無線周波数回路224が指定されたチャネルでウェイクアップフレームを受信し、かつ端末デバイス220がウェイクアップするべき端末デバイスであるならば、WUR無線周波数回路224はプライマリ無線周波数回路222をウェイクアップさせる。例えば、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子が1つの端末デバイスの識別子であり、かつ端末デバイスの識別子が端末デバイス220の識別子であるならば、WUR無線周波数回路224は、プライマリ無線周波数回路222をウェイクアップさせる。ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子がグループ識別子であり、かつ端末デバイス220がグループ識別子によって識別されるグループにあるならば、WUR無線周波数回路224はプライマリ無線周波数回路222をウェイクアップさせる。ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子がブロードキャスト識別子であるならば、WUR無線周波数回路224は、プライマリ無線周波数回路222をウェイクアップさせる。
【0073】
WUR無線周波数回路224は、プライマリ無線周波数回路222を直接ウェイクアップさせてもよい。あるいは、WUR無線周波数回路224は、プロセッサに、プライマリ無線周波数回路222をウェイクアップさせるように命令してもよい。ウェイクアップした後、プライマリ無線周波数回路は、プライマリ無線周波数回路に利用可能な動作チャネルで動作する。
【0074】
任意選択で、ウェイクアップフレームは、WLANデバイス210の動作チャネルの指示を含んでもよい。プライマリ無線周波数回路222は、ウェイクアップした後に、指示に従って動作チャネルで動作する。
【0075】
234.プライマリ無線周波数回路222は、動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を送信する。
【0076】
WLANデバイス210が、端末デバイス220を個別にウェイクアップさせるために、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子が1つの端末デバイス220の識別子であることを示すウェイクアップフレームを送信するならば、WLANデバイス210は、端末デバイス220がウェイクアップしたかどうかを判断する必要がある。WUR無線周波数回路224は無線信号を送信できないため、WUR無線周波数回路224は、指定されたチャネルで、肯定応答(ACK)フレームを用いて応答することができない。従って、端末デバイス220のプライマリ無線周波数回路222は、ウェイクアップした後、動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を送信する。端末デバイス220がウェイクアップしたことをWLANデバイス210が認識していると仮定して、応答はACKフレーム、プローブリクエスト(英語:probe request)フレーム、データフレーム(例えば、空のデータフレーム)、または別のタイプのフレームであってもよい。WLANデバイス210が動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を受信したならば、WLANデバイス210は、端末デバイス220がウェイクアップに成功したことを認識する。WLANデバイス210が動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を受信しないならば、それはWLANデバイス210が端末デバイス220をウェイクアップさせることに失敗したことを示す。
【0077】
任意選択で、WLANデバイス210が動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を受信しないならば、WLANデバイス210は別のWLANデバイスに通知する。別のWLANデバイスおよびWLANデバイス210は、指定されたチャネルで新しいウェイクアップフレームを送信する。新しいウェイクアップフレームは、端末デバイス220の識別子を含む。加えて、各WLANデバイスによって送信される新しいウェイクアップフレームは、対応するWLANデバイスの動作チャネルの指示を含む。
【0078】
任意選択で、WLANデバイス210が動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を受信しないならば、WLANデバイス210は、指定されたチャネルで新しいウェイクアップフレームを送信する。新しいウェイクアップフレームは、以前に送信されたウェイクアップフレームと同じであってもよい。あるいは、新しいウェイクアップフレームは、以前に送信されたウェイクアップフレームとは異なっていてもよい。例えば、WLANデバイス210が以前に送信されたウェイクアップフレームへの応答を待っているときにWLANデバイス210の動作チャネルが変化したならば、新しいウェイクアップフレームにおける動作チャネルの指示はそれに対応して変化する。
【0079】
任意選択で、WLANデバイス210が最初に端末デバイス220をウェイクアップさせることに失敗したならば、WLANデバイス210は端末デバイス220を再びウェイクアップさせようと試みる。WLANデバイス210が1回または複数回の試行後に端末デバイス220を再びウェイクアップさせることに失敗したならば、WLANデバイス210は、ウェイクアップフレームを送信するように別のWLANデバイスに命令する。
【0080】
WLANデバイス210が、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子がグループ識別子またはブロードキャスト識別子であることを示すウェイクアップフレームを送信するならば、ステップ234は省略されてもよい。
【0081】
235.WLANデバイス210は、動作チャネルでWLANフレームを送信する。
【0082】
WLANデバイス210が端末デバイス220を個別にウェイクアップさせるならば、WLANデバイス210は、端末デバイス220がウェイクアップしたと判断した後、動作チャネルでWLANフレームを端末デバイス220に送信する。WLANデバイス210が、複数の端末デバイスをウェイクアップさせるために、識別子がグループ識別子またはブロードキャスト識別子であることを示すウェイクアップフレームを送信するならば、WLANデバイス210は、各WLANデバイス210がウェイクアップしたかどうかを判断する必要はない。WLANデバイス210は、ウェイクアップフレームが送信された後の準備期間の後、動作チャネルでグループにアドレス指定されたフレームのようなWLANフレームを送信する。
【0083】
図3は、本発明の一実施形態による、端末デバイスが2つのWLANデバイスのカバレッジエリア内を移動する例である。図3では、端末デバイス330はWLANデバイス310に関連付けられ、そしてスリープ状態に入る。スリープ状態にある端末デバイス330は、WLANデバイス320のカバレッジエリアに移動し、そしてWLANデバイス320によってウェイクアップさせられる。例えば、WLANデバイス310は図1のWLANデバイス103であり、WLANデバイス320は図1のWLANデバイス104であり、端末デバイス330は図1の端末デバイス110である。動作プロセスは次のとおりである:
【0084】
341.WLANデバイス310は、WLANデバイス310の動作チャネルで、指定されたチャネルに関する情報を送信し、指定されたチャネルに関する情報を受信した後、端末デバイス330のプライマリ無線周波数回路は、情報に基づいてWUR無線周波数回路のWURチャネルを指定されたチャネルとして構成する。
【0085】
WLANデバイス310の動作チャネルはチャネル44であり、指定されたチャネルはチャネル165である。WLANデバイス310は、チャネル44でチャネル165に関する情報を送信する。チャネル165に関する情報を受信した後、端末デバイス330のプライマリ無線周波数回路は、WUR無線周波数回路の指定されたチャネルをチャネル165として構成する。そして端末デバイス330はスリープ状態に入る。
【0086】
342.WLANデバイス310は、指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信し、WURビーコンフレームは新たな指定されたチャネルを示す。
【0087】
WLANデバイス310は、チャネル165でWURビーコンフレームを定期的に送信する。WLANデバイス310が、新たな指定されたチャネルがチャネル161であると判断したならば、WLANデバイス310によってチャネル165で送信されたWURビーコンフレームは、チャネル161が新たな指定されたチャネルであることを示す。端末デバイス330のWUR無線周波数回路は、WURビーコンフレームを受信し、新たな指定されたチャネルを構成する。
【0088】
343.WLANデバイス310は、新たな指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信する。
【0089】
WLANデバイス310は、チャネル161でWURビーコンフレームを定期的に送信する。スリープ状態にある端末デバイス330は、WLANデバイス310のカバレッジエリアにあるときにWURビーコンフレームを受信することができる。WLANデバイス310のカバレッジエリアを離れるならば、スリープ状態にある端末デバイス330は、WURビーコンフレームを受信することができない。
【0090】
344.WLANデバイス320は、新たな指定されたチャネルでWURビーコンフレームを送信する。
【0091】
WLANデバイス310の指定されたチャネルは、WLANデバイス320のチャネルと同じである。WLANデバイス310が指定されたチャネルをチャネル161に変更するとき、WLANデバイス320の指定されたチャネルもチャネル161に変更される。指定されたチャネルが変更された後、WLANデバイス320は、チャネル161でWURビーコンフレームを定期的に送信する。スリープ状態にある端末デバイス330は、WLANデバイス320のカバレッジエリアに入った後、WURビーコンフレームを受信することができる。
【0092】
345.WLANデバイス320は、新たな指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信する。
【0093】
WLANデバイス320が端末デバイス330をウェイクアップさせる必要があるとき、WLANデバイス320は、チャネル161で、端末デバイス330の識別子を含むウェイクアップフレームを送信する。ウェイクアップフレームは、WLANデバイス320の動作チャネル(チャネル48)の指示をさらに含む。端末デバイス330のWUR無線周波数回路は、ウェイクアップフレームを受信する。
【0094】
346.端末デバイス330のプライマリ無線周波数回路は、動作チャネルでウェイクアップフレームへの応答を送信する。
【0095】
ウェイクアップフレームを受信した後、端末デバイス330のWUR無線周波数回路は、プライマリ無線周波数回路をウェイクアップさせる。WUR無線周波数回路は無線信号を送信できないため、WUR無線周波数回路はチャネル161の肯定応答フレームを用いて応答できない。従って、ウェイクアップした後、端末デバイス330のプライマリ無線周波数回路は、チャネル48でウェイクアップフレームへの応答を送信する。
【0096】
WLANデバイス320がチャネル48でウェイクアップフレームへの応答を受信しないならば、WLANデバイス320は、チャネル161で新しいウェイクアップフレームを送信する。新しいウェイクアップフレームは、以前に送信されたウェイクアップフレームと同じであってもよい。あるいは、新しいウェイクアップフレームは、以前に送信されたウェイクアップフレームとは異なっていてもよい。
【0097】
347.端末デバイス330がウェイクアップしたと判断した後、WLANデバイス320は、チャネル48で端末デバイス330にWLANフレームを送信する。
【0098】
図4は、本発明の一実施形態による、端末デバイスが2つのWLANデバイスのカバレッジエリア内を移動する別の例である。図4では、端末デバイス430はWLANデバイス410に関連付けられ、そしてスリープ状態に入る。スリープ状態にある端末デバイス430は、WLANデバイス420のカバレッジエリアに移動し、そしてWLANデバイス420によってウェイクアップさせられる。例えば、WLANデバイス410は図1のWLANデバイス103であり、WLANデバイス420は図1のWLANデバイス104であり、端末デバイス430は図1の端末デバイス110である。動作プロセスは次のとおりである:
【0099】
441.WLANデバイス410は、WLANデバイス410の動作チャネルで、指定されたチャネルに関する情報を送信し、指定されたチャネルに関する情報を受信した後、端末デバイス430のプライマリ無線周波数回路は、情報に基づいてWUR無線周波数回路の指定されたチャネルを構成する。
【0100】
WLANデバイス410の動作チャネルはチャネル44であり、指定されたチャネルはチャネル165である。WLANデバイス410は、チャネル44でチャネル165に関する情報を送信する。チャネル165に関する情報を受信した後、端末デバイス430のプライマリ無線周波数回路は、指定されたチャネル(チャネル165)としてWUR無線周波数回路のセカンダリWURチャネルを構成する。そして端末デバイス330はスリープ状態に入る。
【0101】
442.WLANデバイス410は、動作チャネルでWURビーコンフレームを送信する。
【0102】
WLANデバイス410は、チャネル44でWURビーコンフレームを定期的に送信する。WLANデバイス410が新たな指定されたチャネルを判断したならば、チャネル44でWLANデバイス410によって送信されたWURビーコンフレームは、新たな指定されたチャネルを示す。端末デバイス430のWUR無線周波数回路は、WURビーコンフレームを受信し、セカンダリWURチャネルを新たな指定されたチャネルとして構成する。
【0103】
443.スリープ状態にある端末デバイス430は、WLANデバイス410のカバレッジエリアを離れ、動作チャネルでWLANデバイス410によって送信されたWURビーコンフレームを受信できない。
【0104】
スリープ状態にある端末デバイス430は、WLANデバイス410のカバレッジエリア内にあるときにWURビーコンフレームを受信することができる。WLANデバイス410のカバレッジエリアを離れるならば、スリープ状態にある端末デバイス430は、チャネル44でWURビーコンフレームを受信することができない。
【0105】
444.WLANデバイス420は、動作チャネルでWURビーコンフレームを送信する。
【0106】
WLANデバイス420の動作チャネルはチャネル48である。スリープ状態にある端末デバイス430は、端末デバイス430のカバレッジエリア内にあるWLANデバイスの動作チャネルを認識することができない。スリープ状態にある端末デバイス430のWUR無線周波数回路は、依然としてチャネル44で動作し、従ってチャネル48でWURビーコンフレームを受信することはできない。WURビーコンフレームの1つまたは複数のビーコン間隔の後、端末デバイス430が依然としてWURビーコンフレームをリッスンして取得することに失敗したならば、WUR無線周波数回路はセカンダリWURチャネル、すなわちチャネル165で動作する。
【0107】
445.WLANデバイス410は、動作チャネルでウェイクアップフレームを送信する。
【0108】
WLANデバイス410が端末デバイス430をウェイクアップさせる必要があるとき、WLANデバイス410は、チャネル44で、端末デバイス330の識別子を含むウェイクアップフレームを送信する。端末デバイス430はWLANデバイス410のカバレッジエリアを離れ、端末デバイス430のWUR無線周波数回路はセカンダリWURチャネル、すなわちチャネル165で動作するため、端末デバイス430はWLANデバイス410からウェイクアップフレームを受信できない。
【0109】
446.WLANデバイス410は、指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信するように各WLANデバイスに命令する。
【0110】
端末デバイス430はウェイクアップしておらず、従ってウェイクアップフレームに応答しないため、WLANデバイス410は、チャネル44でウェイクアップフレームへの応答を受信しない。任意選択で、WLANデバイス410は、チャネル44で新しいウェイクアップフレームを送信してもよい。WLANデバイス410が最初にウェイクアップフレームを送信することに失敗した、またはウェイクアップフレームを再送することに失敗したならば、WLANデバイス410は、指定されたチャネル(チャネル165)で、端末デバイス430の識別子を含むウェイクアップフレームを送信するように各WLANデバイス(WLANデバイス420を含む)に命令する。さらに、各ウェイクアップフレームは、対応するWLANデバイスの動作チャネルの表示を含む。端末デバイス430のWUR無線周波数回路は、セカンダリWURチャネル、すなわちチャネル165で動作する。従って、端末デバイス430は、WLANデバイス420からウェイクアップフレームを受信する。WLANデバイス420からのウェイクアップフレームは、WLANデバイス420の動作チャネル(チャネル48)の指示を含む。
【0111】
447.端末デバイス430のプライマリ無線周波数回路は、ウェイクアップフレームによって示される動作チャネル(チャネル48)でウェイクアップフレームへの応答を送信する。
【0112】
448.端末デバイス430がウェイクアップしたと判断した後、WLANデバイス420は、チャネル48で端末デバイス430にWLANフレームを送信する。
【0113】
図5は、本発明の一実施形態による、端末デバイスをウェイクアップさせるための装置の概略図である。端末デバイスをウェイクアップさせるための装置は、図1の任意のWLANデバイスによって実現される。端末デバイスをウェイクアップさせるための装置は、ウェイクアップモジュール502および送信モジュール504を含む。ウェイクアップモジュールは、指定されたチャネルでウェイクアップフレームを送信するように構成され、ウェイクアップフレームは、ウェイクアップするべき端末デバイスの識別子を含む。送信モジュールは、動作チャネルでWLANフレームを送信するように構成される。端末デバイスをウェイクアップさせるための装置に関する詳細については、図1から図4に示される前述の実施形態の内容を参照されたい。
【0114】
前述の実施形態のすべてまたはいくつかは、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実現され得る。ソフトウェアまたはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実施形態を実現するとき、実施形態のすべてまたはいくつかは、コンピュータプログラム製品の形で実現されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされ実行されるとき、本発明の実施形態による手順または機能がすべてまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、記憶媒体に格納されてもよく、またはある記憶媒体から別の記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに、有線(例えば、同軸ケーブル、ツイストペア、または光ファイバ)または無線(例えば、赤外線、高周波、マイクロ波)の方式で送信されてもよい。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または1つまたは複数の媒体を統合するサーバまたはデータセンタのようなデータ記憶デバイスであってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(例えば、光ディスク)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(SSD))、または同様のものであってもよい。
【0115】
前述の説明は、本発明の単に特定の実施形態であり、本発明の保護範囲を限定するように意図されない。本発明で開示された技術的範囲内で当業者が容易に考え出す任意の変化または置換は、本発明の保護範囲内に入るものである。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものである。
【符号の説明】
【0116】
101 WLANデバイス
102 WLANデバイス
103 WLANデバイス
104 WLANデバイス
105 WLANデバイス
106 WLANデバイス
110 端末デバイス
210 WLANデバイス
212 プロセッサ
214 トランシーバ
220 端末デバイス
222 プライマリ無線周波数回路
224 WUR無線周波数回路
310 WLANデバイス
320 WLANデバイス
330 端末デバイス
410 WLANデバイス
420 WLANデバイス
430 端末デバイス
502 ウェイクアップモジュール
504 送信モジュール
図1
図2
図3
図4
図5