(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。以下の各実施の形態では、冷凍サイクル装置の一例として空気調和装置について説明する。また、請求の範囲に記載された熱交換器が室外熱交換器に適用される場合について説明する。なお、請求の範囲に記載された熱交換器は室内熱交換器に適用されてもよい。さらに、請求の範囲に記載された送風機が室外熱交換器に適用される場合について説明する。なお、請求の範囲に記載された送風機は室内送風機に適用されてもよい。
【0016】
実施の形態1.
まず、
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置としての空気調和装置1の全体の構成(冷媒回路)について説明する。
図1に示すように、空気調和装置1は、圧縮機3、室内熱交換器5、室内送風機7、絞り装置9、室外熱交換器11、室外送風機21および四方弁23を備えている。圧縮機3、室内熱交換器5、絞り装置9、室外熱交換器11および四方弁23が、冷媒配管によって繋がっている。
【0017】
室内熱交換器5および室内送風機7は、室内ユニット4内に配置されている。室外熱交換器11および室外送風機21は、室外ユニット10内に配置されている。また、圧縮機3、絞り装置9および四方弁23も室外ユニット10内に配置されている。
【0018】
次に、
図1〜
図6を参照して、実施の形態1に係る室外ユニット10の室外熱交換器(熱交換器)11について説明する。
【0019】
図2に示すように、室外熱交換器11は、主熱交換領域101、副熱交換領域201および複数の接続配管35を備えている。複数の接続配管35は、主熱交換領域101と副熱交換領域201とを接続する。複数の接続配管35の各々は、たとえば円形断面形状を有する円管である。本実施の形態では、主熱交換領域101の下方に副熱交換領域201が配置されている。
【0020】
主熱交換領域101では、第1列目に主熱交換領域101aが配置され、第2列目に主熱交換領域101bが配置されている。副熱交換領域201では、第1列目に副熱交換領域201aが配置され、第2列目に副熱交換領域201bが配置されている。複数の接続配管35のうち少なくともいずれか1つは、副熱交換領域201の出口に配置された合流パス301を有している。
【0021】
主熱交換領域101では、板状の複数のフィン31を貫通するように、複数の伝熱管33が配置されている。副熱交換領域201では、板状の複数のフィン31を貫通するように、複数の伝熱管34が配置されている。これらの複数の伝熱管33、34によって冷媒パスが形成されている。本実施の形態では、主熱交換領域101は、冷媒パスとしての複数の主熱交換流路33A〜33Eを有している。つまり、主熱交換領域101には5つの主熱交換流路33A〜33Eが形成されている。また、副熱交換領域201は、冷媒パスとしての複数の副熱交換流路34A〜34Fを有している。つまり、副熱交換領域201には6つの副熱交換流路34A〜34Fが形成されている。
【0022】
伝熱管33、34の各々は、たとえば、長径および短径を有する扁平断面形状の扁平管である。また、伝熱管33、34の各々は、たとえば、円形断面形状を有する円管または楕円断面形状を有する楕円管であってもよい。
【0023】
図3および
図4に主熱交換領域101の詳細構成を示す。
図5および
図6に副熱交換領域201の詳細構成を示す。
図3〜
図6において矢印Wは風の流れを示している。
図3および
図4に示すように、主熱交換領域101では、複数の伝熱管33によって複数の冷媒パスが形成されている。
図5および
図6に示すように、副熱交換領域201では、複数の伝熱管34によって複数の冷媒パスが形成されている。複数の冷媒パスのうち一部の冷媒パスが副熱交換領域201の出口(副熱交換領域201b側)で合流パス301によって合流されている。
【0024】
再び
図2を参照して、主熱交換領域101の一端側(主熱交換領域101a側)と副熱交換領域201の他端側(副熱交換領域201b側)とが複数の接続配管35によって接続されている。本実施の形態では、複数の接続配管35A〜35Eは、主熱交換領域101と副熱交換領域201とを接続する。接続配管35Aは、主熱交換流路33Aと副熱交換流路34Aとを接続する。接続配管35Bは、主熱交換流路33Bと副熱交換流路34Bとを接続する。接続配管35Cは、主熱交換流路33Cと副熱交換流路34Cおよび副熱交換流路34Dとを接続する。接続配管35Cは、副熱交換流路34Cと副熱交換流路34Dとを合流させたまま主熱交換流路33Cに接続する。接続配管35Dは、主熱交換流路33Dと副熱交換流路34Eとを接続する。接続配管35Eは、主熱交換流路33Eと副熱交換流路34Fとを接続する。
【0025】
本実施の形態では、接続配管35Cが請求の範囲に記載された第1接続配管に相当する。接続配管35A、35B、35D、35Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2接続配管に相当する。主熱交換流路33Cが請求の範囲に記載された第1主熱交換流路に相当する。主熱交換流路33A、33B、33D、33Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2主熱交換流路に相当する。副熱交換流路34C、34Dが請求の範囲に記載された第1副熱交換流路、第2副熱交換流路に相当する。副熱交換流路34A、34B、34E、34Fのいずれかが第3副熱交換流路に相当する。
【0026】
主熱交換領域101の他端側(主熱交換領域101b側)は、ヘッダ27に接続されている。副熱交換領域201の冷媒パスの一端側(副熱交換領域201a側)は、接続配管36によって分配器25に接続されている。分配器25には接続配管37が接続されている。
【0027】
次に、
図2および
図7を参照して、本実施の形態の空気調和装置1の動作について説明する。図中点線矢印により冷房運転時の冷媒の流れが示され、図中実線矢印により暖房運転時の冷媒の流れが示されている。
【0028】
まず、冷房運転の場合について説明する。圧縮機3が駆動することによって、圧縮機3から高温高圧のガス状態の冷媒が吐出される。吐出された高温高圧のガス冷媒(単相)は、四方弁23を介して室外ユニット10の室外熱交換器11に流れ込む。室外熱交換器11では、流れ込んだ冷媒と、室外送風機21によって供給される流体としての外気(空気)との間で熱交換が行われる。これにより、高温高圧のガス冷媒は、凝縮して高圧の液冷媒(単相)になる。
【0029】
室外熱交換器11から送り出された高圧の液冷媒は、絞り装置9によって、低圧のガス冷媒と液冷媒との二相状態の冷媒になる。二相状態の冷媒は、室内ユニット4の室内熱交換器5に流れ込む。室内熱交換器5では、流れ込んだ二相状態の冷媒と、室内送風機7によって供給される空気との間で熱交換が行われる。これにより、二相状態の冷媒は、液冷媒が蒸発して低圧のガス冷媒(単相)になる。この熱交換によって、室内が冷やされる。室内熱交換器5から送り出された低圧のガス冷媒は、四方弁23を介して圧縮機3に流れ込み、圧縮されて高温高圧のガス冷媒となって、再び圧縮機3から吐出される。以下、このサイクルが繰り返される。
【0030】
続いて、冷房運転時の室外熱交換器11における冷媒の流れについて詳しく説明する。冷房運転の場合には、室外熱交換器11は凝縮器として動作する。室外熱交換器11では、圧縮機3から送られてきた冷媒は、主熱交換領域101を流れ、次に、副熱交換領域201を流れる。具体的には、圧縮機3から送られた高温高圧のガス冷媒は、まず、ヘッダ27に流れ込む。ヘッダ27に流れ込んだ冷媒は、ヘッダ27内で分配され、主熱交換領域101aおよび主熱交換領域101bの各主熱交換流路(冷媒パス)33A〜33Eを流れる。主熱交換領域101aおよび主熱交換領域101bを流れた冷媒は、複数の接続配管35を経て副熱交換領域201bおよび副熱交換領域201aに流れる。副熱交換領域201bおよび副熱交換領域201aを流れた冷媒は、接続配管36を経て分配器25に流れ込み、分配器25において合流する。分配器25において合流した冷媒は接続配管37を通って流出する。
【0031】
主熱交換領域101および副熱交換領域201に対して、室外送風機21によって送り込まれた空気は、第1列目(風上側)の主熱交換領域101aおよび副熱交換領域201aから、第2列目(風下
側)の主熱交換領域101bおよび副熱交換領域201bへ向かって流れる。
【0032】
次に、暖房運転の場合について説明する。圧縮機3が駆動することによって、圧縮機3から高温高圧のガス状態の冷媒が吐出される。以下、吐出された高温高圧のガス冷媒(単相)は、四方弁23を介して室内熱交換器5に流れ込む。室内熱交換器5では、流れ込んだガス冷媒と、室内送風機7によって供給される空気との間で熱交換が行われる。これにより、高温高圧のガス冷媒は、凝縮して高圧の液冷媒(単相)になる。この熱交換によって、室内が暖められる。室内熱交換器5から送り出された高圧の液冷媒は、絞り装置9によって、低圧のガス冷媒と液冷媒との二相状態の冷媒になる。二相状態の冷媒は、室外ユニット10の室外熱交換器11に流れ込む。室外熱交換器11では、流れ込んだ二相状態の冷媒と、室外送風機21によって供給される空気との間で熱交換が行われる。これにより、二相状態の冷媒は、液冷媒が蒸発して低圧のガス冷媒(単相)になる。室外熱交換器11から送り出された低圧のガス冷媒は、四方弁23を介して圧縮機3に流れ込み、圧縮されて高温高圧のガス冷媒となって、再び圧縮機3から吐出される。以下、このサイクルが繰り返される。
【0033】
続いて、暖房運転時の室外熱交換器11における冷媒の流れについて詳しく説明する。暖房運転の場合には、室外熱交換器11は蒸発器として動作する。室外熱交換器11では、絞り装置9から送られてきた冷媒は、副熱交換領域201を流れ、次に、主熱交換領域101を流れる。具体的には、室内熱交換器5から絞り装置9を経て送られてきた二相状態の冷媒は、まず、分配器25に流れ込む。分配器25に流れ込んだ冷媒は、副熱交換領域201aおよび副熱交換領域201bの各副熱交換流路(冷媒パス)34A〜34Fを流れる。副熱交換領域201aおよび副熱交換領域201bを流れた冷媒は、接続配管35を経て主熱交換領域101aおよび主熱交換領域101bに流れる。主熱交換領域101aおよび主熱交換領域101bを流れた冷媒は、ヘッダ27に流れ込み、ヘッダ27において合流する。冷媒は、ヘッダ27を介して室外熱交換器11の外へ送り出される。
【0034】
主熱交換領域101および副熱交換領域201に対して、室外送風機21によって送り込まれた空気は、第1列目(風上側)の主熱交換領域101aおよび副熱交換領域201aから、第2列目(風下
側)の主熱交換領域101bおよび副熱交換領域201bへ向かって流れる。
【0035】
上述の通り、暖房運転時には、室外送風機21によって室外ユニット10内に送り込まれる外気と、室外熱交換器11に送り込まれる冷媒との間で熱交換が行われる。この熱交換が行われる際に、外気(空気)中の水分が凝縮し、室外熱交換器11の表面に水滴が成長する。つまり、室外熱交換器11の表面に結露が発生する。成長した水滴は、フィン31と伝熱管33とによって構成された室外熱交換器11の排水路を通じて重力方向に流れ、ドレン水として排出される。
【0036】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る室外熱交換器11によれば、接続配管35Cは副熱交換流路34Cと副熱交換流路34Dとを合流させたまま主熱交換流路33Cに接続する。このため、接続配管35Cは副熱交換流路34Cと副熱交換流路34Dとを再分岐せずに主熱交換流路33Cに接続する。これにより、接続配管35Cの管内の圧力損失の増加を抑制することができる。また、接続配管35Cおよび接続配管35A、35B、35D、35Eが主熱交換領域101と副熱交換領域201とを接続する。このため、副熱交換領域201の全てのパスを1つの接続配管35に集約しない。これにより、接続配管35Cおよび接続配管35A、35B、35D、35Eに冷媒流量が分けられるため接続配管35Cおよび接続配管35A、35B、35D、35Eの管内の圧力損失の増加を抑制することができる。したがって、熱交換器性能が低下することを抑制することができる。
【0037】
また、接続配管35Cは副熱交換流路34Cと副熱交換流路34Dとを合流させたまま主熱交換流路33Cに接続する。このため、副熱交換流路34Cおよび副熱交換流路34Dのいずれか一方の冷媒の流れが悪化してもいずれか他方の冷媒の流れと合流させることにより、副熱交換流路34Cおよび副熱交換流路34Dの冷媒流量を平準化しやすい。したがって、主熱交換領域101に向かう冷媒流量の偏差を抑制することができる。
【0038】
本実施の形態に係る室外ユニット10によれば、室外ユニット10は上記の室外熱交換器11を備えているため、圧力損失の増加に起因して熱交換器性能が低下することを抑制することができる室外ユニット10を提供することができる。
【0039】
本実施の形態に係る空気調和装置1によれば、空気調和装置1は上記の室外ユニットを備えているため、圧力損失の増加に起因して熱交換器性能が低下することを抑制することができる空気調和装置1を提供することができる。
【0040】
実施の形態2.
以下の各実施の形態においては、特に説明しない限り、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0041】
図8〜
図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る室外熱交換器11について説明する。
【0042】
図8および
図9に示すように、本実施の形態では、主熱交換領域101と副熱交換領域201とは互いに隣り合うように配置されている。主熱交換領域101と副熱交換領域201とは互いに上下に並んで配置されている。主熱交換領域101と副熱交換領域201とは互いに接触するように構成されていてもよい。また、主熱交換領域101と副熱交換領域201とは一体で構成されていてもよい。本実施の形態では、主熱交換流路33Aは副熱交換領域201に最も近い位置に配置されている。つまり、主熱交換流路33Aは主熱交換領域101において上下に並んで配置された主熱交換流路33A〜33Eのうち最下段に配置されている。副熱交換流路34Aは主熱交換領域101に最も近い位置に配置されている。つまり、副熱交換流路34Aは副熱交換領域201において上下に並んで配置された副熱交換流路34A〜34Fのうち最上段に配置されている。
【0043】
合流パス301は主熱交換領域101に隣接する副熱交換流路34Aと他の副熱交換流路(例えば副熱交換流路34B)とを合流させるように構成されている。つまり、本実施の形態では、合流パス301は副熱交換流路34Aと隣り合う副熱交換流路34Bとを合流させている。なお、合流パス301は副熱交換流路34Aを含んで他の副熱交換流路34B〜34Fのいずれかと合流させていればよい。
【0044】
本実施の形態では、接続配管35Aが請求の範囲に記載された第1接続配管に相当する。接続配管35B〜35Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2接続配管に相当する。主熱交換流路33Aが請求の範囲に記載された第1主熱交換流路に相当する。主熱交換流路33B〜33Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2主熱交換流路に相当する。副熱交換流路34A、34Bが請求の範囲に記載された第1副熱交換流路、第2副熱交換流路に相当する。副熱交換流路34C〜34Fのいずれかが第3副熱交換流路に相当する。
【0045】
主熱交換領域101に隣接する副熱交換流路34Aでは、冷媒が副熱交換領域201から主熱交換領域101へ流動する際に、管内圧力損失の影響で冷媒温度は低下する。そして、高温冷媒からフィン31および伝熱管33を介して低温冷媒へと熱移動が生じる。つまり、熱伝導ロスが生じる。そのため、副熱交換領域201において主熱交換領域101に隣接する副熱交換流路34Aを流れる冷媒は副熱交換流路34Bを流れる冷媒に比べて乾き度が低くなる。
【0046】
図10に示すように、乾き度が0から1に向かうに従って管内圧力損失が増加する範囲においては、管内圧力損失は乾き度が低いほど小さくなる傾向がある。したがって、副熱交換流路34Aは副熱交換流路34Bに比べて冷媒が流れやすくなる。よって、副熱交換流路34Aから主熱交換領域101に流入する冷媒流量は、副熱交換流路34Bから主熱交換領域101に流入する冷媒流量に比べて大きくなる。これを解決するために、副熱交換領域201出口において合流パス301が主熱交換領域101に隣接する副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとを合流させるように構成されているため、冷媒流量の偏差は抑制される。
【0047】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、副熱交換流路34Aは主熱交換領域101に最も近い位置に配置されている。このため、冷媒流量が大きくなる副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Aよりも冷媒流量が小さくなる副熱交換流路34Bとが合流されるため、冷媒流量の偏差を抑制することができる。
【0048】
また、主熱交換領域101へ流入する冷媒流量の偏差が平準化された場合、合流パス301を構成するパスの一つである副熱交換流路34Aを流れる冷媒流量は少なくなり、管内圧力損失は低下する。よって、主熱交換領域101に隣接する位置に合流パス301が設置されない場合に比べ、冷媒温度低下は小さくなることから、熱伝導ロスを低減することができる。
【0049】
実施の形態3.
図11を参照して、本発明の実施の形態3に係る室外熱交換器11について説明する。本実施の形態では、副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとは重力方向に並んで配置されている。本実施の形態では、副熱交換流路34A〜34Fは重力方向に並んで配置されている。合流パス301は、重力方向に並んで配置された副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとを合流させている。
【0050】
本実施の形態では、接続配管35Aが請求の範囲に記載された第1接続配管に相当する。接続配管35B〜35Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2接続配管に相当する。主熱交換流路33Aが請求の範囲に記載された第1主熱交換流路に相当する。主熱交換流路33B〜33Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2主熱交換流路に相当する。副熱交換流路34A、34Bが請求の範囲に記載された第1副熱交換流路、第2副熱交換流路に相当する。副熱交換流路34C〜34Fのいずれかが第3副熱交換流路に相当する。
【0051】
室外熱交換器11では、暖房運転時に結露水の量が重力方向Gに向かって多くなる。したがって、重力方向Gの下側に行くほど結露水により風が通りにくくなることから、熱交換が阻害されるため、乾き度が小さくなる。
図10に示すように、管内圧力損失は、乾き度が低くなるほど小さい。その結果、重力方向Gの下側に行くほど管内圧力損失が低くなるため冷媒流量が多くなる。したがって、主熱交換領域101へ流入する冷媒流量の偏差は大きくなる。
【0052】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとは重力方向Gに並んで配置されている。このため、副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Aよりも冷媒流量が大きくなる副熱交換流路34Bとが合流されるため、冷媒流量の偏差を抑制することができる。
【0053】
続いて、
図12および
図13を参照して、本発明の実施の形態3の変形例に係る室外熱交換器11について説明する。本実施の形態の変形例では、副熱交換流路34Fは副熱交換領域201において最も下方に配置されている。合流パス301は、副熱交換領域201の最下段に配置された副熱交換流路34Fと他の副熱交換流路(例えば副熱交換流路34E)とを合流させるように構成されている。
【0054】
本実施の形態の変形例では、接続配管35Eが請求の範囲に記載された第1接続配管に相当する。接続配管35A〜35Dのいずれかが請求の範囲に記載された第2接続配管に相当する。主熱交換流路33Eが請求の範囲に記載された第1主熱交換流路に相当する。主熱交換流路33A〜33Dのいずれかが請求の範囲に記載された第2主熱交換流路に相当する。副熱交換流路34F、34Eが請求の範囲に記載された第1副熱交換流路、第2副熱交換流路に相当する。副熱交換流路34A〜34Dのいずれかが第3副熱交換流路に相当する。
【0055】
図12および
図13に示すように、最下段の副熱交換流路34Fでは、結露水40が滞留することにより風が通りにくくなる。このため、副熱交換流路34Fにおける熱交換が阻害される。そのため、副熱交換流路34Fでは、乾き度が副熱交換流路34Eに比べて小さくなる。
図10に示すように、管内圧力損失は乾き度が低いほど小さい。したがって、最下段の副熱交換流路34Fは、管内の圧力損失が低いため冷媒流量が多くなる。そのため、主熱交換領域101へ流入する冷媒流量の偏差が大きくなる。
【0056】
本実施の形態の変形例に係る室外熱交換器11では、副熱交換領域201の出口に設置された合流パス301は副熱交換領域201の最下段の副熱交換流路34Fと副熱交換流路34Eとを合流させるように構成されている。これにより、冷媒流量の偏差が抑制される。
【0057】
本実施の形態の変形例に係る室外熱交換器11によれば、副熱交換流路34Fは副熱交換領域201において最も下方に配置されている。このため、冷媒流量が大きくなる副熱交換流路34Fと副熱交換流路34Fよりも冷媒流量が小さくなる副熱交換流路34Eとが合流されるため、さらに、冷媒流量の偏差を抑制することができる。
【0058】
実施の形態4.
図14を参照して、本発明の実施の形態4に係る室外熱交換器11について説明する。本実施の形態では、副熱交換流路34Fは副熱交換領域201において室外送風機(送風機)21から最も遠い位置に配置されている。合流パス301は、室外送風機21との距離が最も遠い副熱交換領域201の副熱交換流路34Fと他の副熱交換流路(例えば副熱交換流路34E)とを合流させるように構成されている。
【0059】
本実施の形態では、接続配管35Eが請求の範囲に記載された第1接続配管に相当する。接続配管35A〜35Dのいずれかが請求の範囲に記載された第2接続配管に相当する。主熱交換流路33Eが請求の範囲に記載された第1主熱交換流路に相当する。主熱交換流路33A〜33Dのいずれかが請求の範囲に記載された第2主熱交換流路に相当する。副熱交換流路34F、34Eが請求の範囲に記載された第1副熱交換流路、第2副熱交換流路に相当する。副熱交換流路34A〜34Dのいずれかが第3副熱交換流路に相当する。
【0060】
室外送風機21からの距離が遠い冷媒パスでは、熱交換し難くなるため、主熱交換領域101へ流入する冷媒流量は多くなる。これを解決するために、合流パス301が室外送風機21との距離が最も遠い副熱交換流路34Fと他の副熱交換流路(例えば副熱交換流路34E)と合流するように構成されている。これにより、主熱交換領域101へ流入する冷媒流量の偏差が抑制される。
【0061】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、副熱交換流路34Fは副熱交換領域201において室外送風機21から最も遠い位置に配置されている。このため、冷媒流量が大きくなる副熱交換流路34Fと副熱交換流路34Fよりも冷媒流量が小さくなる副熱交換流路34Eとが合流されるため、冷媒流量の偏差を抑制することができる。
【0062】
実施の形態5.
図15および
図16を参照して、本発明の実施の形態5に係る室外熱交換器11について説明する。本実施の形態では、冷媒パスの長さが同等である。本実施の形態は、副熱交換領域201のパス構成に限定されるものではなく、主熱交換領域101にも適用可能である。ここでは、副熱交換領域201を例として説明する。本実施の形態では、副熱交換流路34Aの長さと副熱交換流路34Bの長さは同じである。なお、この同等とは製造誤差の範囲内において同じであることを意味している。また、副熱交換流路34Aおよび副熱交換流路34Bの各々の入口が隣り合うように配置されている。副熱交換流路34Aおよび副熱交換流路34Bの各々の出口が隣り合うように配置されている。
【0063】
上述した熱伝導ロスは、主熱交換領域101と副熱交換領域201の隣接した副熱交換流路間(主熱交換流路34Aと副熱交換流路34Aとの間)のみで生じるわけではなく、互いに隣接する副熱交換流路間に冷媒温度差があれば生じる。これにより、冷媒と空気との熱交換効率が低下する。
【0064】
これを解決するため、副熱交換領域201の合流パス301で合流される少なくとも1組の副熱交換流路34A、34Bにおいて、双方の冷媒流路の長さは同等であるとともに、双方の冷媒流路の入口は隣接し、かつ、双方の冷媒流路の出口は隣接するように構成されている。
【0065】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、副熱交換流路34Aおよび副熱交換流路34Bの各々の長さが同じである。そして、副熱交換流路34Aおよび副熱交換流路34Bの各々の入口および出口がそれぞれ隣り合うように配置されている。これにより、熱伝導ロスの生じる箇所が構造上半分になるため、熱交換効率が向上する。
【0066】
また、例えば三方管などで副熱交換流路34Aおよび副熱交換流路34Bを接続する場合、冷媒流出入位置が近くなることで、三方管が小さくなる。したがって、材料費削減につながる。
【0067】
実施の形態6.
図17を参照して、本発明の実施の形態6に係る室外熱交換器11について説明する。本実施の形態では、複数の合流パス301が設けられている。本実施の形態では、2つの合流パス301が設けられている。一方の合流パス301により副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとが合流されている。接続配管35Aは、副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとを合流させたまま主熱交換流路33Aに接続している。また、他方の合流パス301により副熱交換流路34
Eと副熱交換流路34
Fとが合流されている。接続配管35
Dは、副熱交換流路34
Eと副熱交換流路34
Fとを合流させたまま主熱交換流路33
Eに接続している。
【0068】
2つの合流パス301のうちの一方は、主熱交換領域101に隣接する副熱交換流路34Aと他の副熱交換流路(例えば副熱交換流路34B)とを合流させるように構成されている。また、2つの合流パス301のうちの他方は、副熱交換領域201の最下段の副熱交換流路34Fと他の副熱交換流路(例えば副熱交換流路34E)とを合流させるように構成されている。つまり、この他方の合流パス301は、室外熱交換器11の最下段に配置されている。
【0069】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、接続配管35Aは副熱交換流路34Aと副熱交換流路34Bとを再分岐せずに主熱交換流路33Aに接続する。また、接続配管35Dは副熱交換流路34Eと副熱交換流路34Fとを合流させたまま主熱交換流路33
Eに接続する。これにより、接続配管35Aおよび接続配管35Dの管内の圧力損失の増加を効果的に抑制することができる。したがって、熱交換器性能が低下することを効果的に抑制することができる。
【0070】
また、副熱交換流路34Aは主熱交換領域101に最も近い位置に配置されている。さらに、副熱交換流路34Fは副熱交換領域201において最も下方に配置されている。したがって、冷媒流量の偏差を効果的に抑制することができる。
【0071】
実施の形態7.
図18を参照して、本発明の実施の形態7に係る室外熱交換器11について説明する。室外熱交換器11を通り抜ける外気の風速には、室外送風機21との位置関係によって分布が生じる。この風速分布により、主熱交換領域101内の冷媒パス毎に、処理できる熱交換量が異なる。よって、処理できる熱交換量に合わせて、冷媒流量を調整することで、熱交換効率を向上させることができる。また、合流パス301で合流される冷媒パスが副熱交換領域201の入口において合流されて分配器25に接続されることで、冷媒流量の調整が容易となる。
【0072】
冷媒流量の調整のため、接続配管36の寸法が変更される。具体的には、風速の大きい冷媒パスへは冷媒流量を多くし、また、風速の小さい冷媒パスへは冷媒流量を少なくするように接続配管36の寸法が変更される。より具体的には、接続配管36の長さ、内径などが変更され、風速大のパスの接続配管36の抵抗係数Cv1と風速小のパスの接続配管36の抵抗係数Cv2の関係は、Cv1<Cv2となる。
【0073】
実施の形態8.
図19を参照して、実施の形態8に係る室外ユニットの室外熱交換器11について説明する。本実施の形態では、主熱交換領域101は複数の分配部50を有している。本実施の形態では、主熱交換領域101は、分配
部50A〜50Eを有している。分配
部50A〜50Eは同一の形状を有していてもよい。この同一の形状とは製造誤差の範囲内において同一の形状であることを意味している。分配部50A〜50Eは主熱交換流路33A〜33Eにそれぞれに接続されている。接続配管35A〜35Eは分配部50A〜50Eにそれぞれ接続されている。
【0074】
本実施の形態では、伝熱管33として扁平多穴管が採用されてもよい。この場合、円管に比べて管内の圧力損失が大きくなる。この管内の圧力損失を低減するため、1パスを構成する伝熱管33の本数を減らして多パス化が行われる。多パス化が行われると冷媒分配数が増える。このため、主熱交換領域101のパス群ごとに分配
部50が設置されてもよい。
【0075】
本実施の形態では、接続配管35Cが請求の範囲に記載された第1接続配管に相当する。接続配管35A、35B、35D、35Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2接続配管に相当する。主熱交換流路33Cが請求の範囲に記載された第1主熱交換流路に相当する。主熱交換流路33A、33B、33D、33Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2主熱交換流路に相当する。副熱交換流路34C、34Dが請求の範囲に記載された第1副熱交換流路、第2副熱交換流路に相当する。副熱交換流路34A、34B、34E、34Fのいずれかが第3副熱交換流路に相当する。分配部50Cが請求の範囲に記載された第1分配部に相当する。分配部50A、50B、50D、50Eのいずれかが請求の範囲に記載された第2分配部に相当する。
【0076】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、冷媒パスの多パス化が行われることによって冷媒分配数が増えた場合に主熱交換領域101の冷媒パス群ごとに分配部50を設置することで冷媒流量を調整することができる。
【0077】
実施の形態9.
図20および
図21を参照して、本発明の実施の形態9に係る室外熱交換器11について説明する。本実施の形態では、副熱交換領域201の入口に合流パス302が設けられている。
【0078】
本実施の形態の室外熱交換器11によれば、合流パス302によって副熱交換領域201に流れ込む冷媒流量の偏差を抑制することができる。
【0079】
上述した各実施の形態に係る空気調和装置1に用いる冷媒としては、冷媒R410A、冷媒R407C、冷媒R32、冷媒R507A、冷媒HFO1234yf等、どのような冷媒を用いても、蒸発器として運転させる際の熱交換器性能を向上させることが可能となる。
【0080】
また、空気調和装置1に用いる冷凍機油としては、適用される冷媒との相互溶解性を考慮して適合性を有する冷凍機油が使用される。たとえば、冷媒R410A等のフルオロカーボン系冷媒では、アルキルベンゼン油系、エステル油系またはエーテル油系の冷凍機油が使用される。これらの他に、鉱油系またはフッ素油系等の冷凍機油が使用されてもよい。
【0081】
なお、各実施の形態において説明した室外熱交換器11を備えた空気調和装置1については、各実施の形態の構成を必要に応じて種々組み合わせることが可能である。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。