【文献】
井村 純子,発達性読み書き障害児と小学生の典型発達時における漢字書取の誤反応分析,音声言語医学,2011年04月,Vol.52 No.2,pp.165-172
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被検者の読み書きテストデータは、前記被検者が前記入力装置を介して所定の読み書きテストスキームに従って書くときに生成されたものであり、前記所定の読み書きテストスキームは標準の書き内容を含み、前記読み書きテストデータは前記被検者の実際の書き内容を含んでおり、
前記読み書きテストデータに基づいて、前記被検者に対する少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を取得するステップは、
前記実際の書き内容及び前記標準の書き内容によって、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を含む前記被検者の第2指標セットのテストデータを定めるステップと、
前記第2読み書き能力指標セットのうち前記少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を、前記少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値として取得するステップとを含む、請求項1に記載の読み書き能力のテスト方法。
前記被検者の読み書きテストデータは、前記被検者が前記入力装置を介して所定の読み書きテストスキームに従って書くときに生成されたものであり、前記所定の読み書きテストスキームは標準の書き内容を含み、前記読み書きテストデータは前記被検者の実際の書き内容を含んでおり、
前記評価モジュールは、
前記実際の書き内容及び前記標準の書き内容によって、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を含む前記被検者の第2指標セットのテストデータを決定し、
前記第2読み書き能力指標セットのうち前記少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を、前記少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値として取得することに用いられる、請求項12に記載の読み書き能力のテスト装置。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例について説明する。
【0041】
本明細書における具体的な例は、当業者が本願の実施例をより良好に理解するためのものに過ぎず、本願の実施例の範囲を限定するものではないことを、理解すべきである。
【0042】
本願の様々な実施例では、各過程の番号の前後が実行順序を意味せず、各過程の実行順序は、その機能及び内部ロジックによって決定されるべきであり、本願の実施例の実施過程を限定するものではないことを、さらに理解すべきである。
【0043】
本明細書に記載される様々な実施形態は、個別にまたは組み合わせて実施されてもよく、本願の実施例はこれを限定しないことを、さらに理解すべきである。
【0044】
特に説明がない限り、本願の実施例に使用されているすべての技術用語及び科学用語は、当業者が通常的に理解する意味と同じである。本願に使用されている用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではない。
【0045】
本願の実施例は、子供などの被検者に対して読み書き能力のテストを迅速に行うことができ、ディスレクシアの早期発見に寄与する。被検者は、子供に加えて、読み書き能力テストを行う必要とする他の人であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0046】
図1は、本願の一実施例に係る本願の実施例を応用した構造図を示している。
【0047】
図1に示されるように、読み書き能力のテスト装置110が入力装置120に通信可能に接続される。被検者は、入力装置120を介して書ける。装置110は、被検者が入力装置120を介して書くときの読み書きテストデータを取得して、該読み書きテストデータによって被検者の読み書き能力のレベルを決定することができる。
【0048】
入力装置120はドットマトリックスペンまたはタブレットであってもよく、書きに適用できる他の電子機器であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0049】
ドットマトリックスペンは、ドットマトリックスデジタルペンとも呼称され、筆圧センサー、高速カメラ、プロセッサ、データメモリ、通信インタフェースなどの構成要素を備えてもよい。ドットマトリックスペンの先端に設けられる高速カメラは、ペン先の移動軌跡を随時キャプチャすることができる。同時に、ドットマトリックスペンに設けられる筆圧センサーは、筆圧データを取得することができる。プロセッサは、高速カメラ及び筆圧センサーによって取得されたデータに基づいて、書き者が書くときの様々なデータを取得することができる。
【0050】
タブレットについては、専用ペンまたは指を使用して特定の領域内に文字を書くことができる。タブレットは、ペンまたは指の動きの軌跡を記録して、文字として認識する。ドットマトリックスペンと同様に、タブレットによって記録されたデータは、書き者が書くときの様々なデータを取得するためのものである。
【0051】
装置110は、たとえばコンピュータなどの、データ処理の機能を備える電子機器またはシステムであってもよい。
【0052】
装置110は、データの処理を実現するプロセッサを備える。たとえば、プロセッサは、読み書きテストデータによって被検者の読み書き能力のレベルを決定することを実現するためのものである。プロセッサは、任意のタイプのプロセッサであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0053】
装置110は、メモリをさらに備えてもよい。該メモリは、データ及び命令を記憶することができ、たとえば、装置110におけるプロセッサの、または本願の実施例を適用したコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。該メモリは、任意のタイプのメモリであってもよく、本願の実施例はこれも限定しない。
【0054】
装置110は、通信インタフェースをさらに備えてもよく、通信インタフェースを介して入力装置120に有線または無線方式で通信可能に接続される。
【0055】
装置110は、表示装置をさらに備えてもよい。表示装置は、データ処理の結果を表示し、たとえば、被検者の読み書き能力のレベルのテスト結果を表示する。
【0056】
図2Aは、本願の実施例の読み書き能力のテスト方法200の模式的なフローチャートを示している。該方法200は、
図1における装置110によって実行されてもよい。
図2Aに示されるように、読み書き能力のテスト方法200は、ステップS210及びステップS220を含んでもよい。
【0057】
ステップ210では、被検者の読み書きテストデータを取得する。
【0058】
ステップ220では、被検者の読み書きテストデータによって、被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0059】
たとえば、ステップS210では、前記被検者の読み書きテストデータは、前記被検者が入力装置120を介して書くときに生成されるものであり、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を含む。なお、読み書きテストデータは、ステップS210において、入力装置を介して直接的に検出されたものを含んでもよく、入力装置により直接的に検出されたテストデータを処理して得られるものを含んでもよい。
【0060】
図2Bは、本願の実施例の読み書き能力のテスト方法201の模式的なフローチャートを示している。該方法201は、
図1における装置110によって実行されてもよい。
図2Bに示されるように、読み書き能力のテスト方法201は、ステップS211と、ステップS221と、ステップS231とを含んでもよい。
【0061】
ステップS211では、入力装置から被検者の読み書きテストデータを取得する。
【0062】
ステップS221では、読み書きテストデータに基づいて、被検者に対する少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を取得する。
【0063】
ステップS231では、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0064】
たとえば、ステップS211では、前記被検者の読み書きテストデータは、前記被検者が入力装置120を介して書くときに生成される。なお、読み書きテストデータは、ステップS211において、入力装置を介して直接的に検出されるものである。
【0065】
本願の実施例では、入力装置120により被検者が書くときの読み書きテストデータを収集する。入力装置120は、被検者が入力装置120を介して書くと、対応するデータをリアルタイムに収集する。このようにして、装置110は、被検者が入力装置120を介して書くときの読み書きテストデータを取得することができ、該読み書きテストデータに基づいて被検者の読み書き能力のレベルを迅速に決定することができる。
【0066】
たとえば、いくつかの例では、ステップS210及びステップS211では、前記被検者の読み書きテストデータは、前記被検者が前記入力装置を介して所定の読み書きテストスキームに従って書くときに生成されるものである。このとき、たとえば、方法は、年齢及び性別のうちの少なくとも1つを含む被検者の特徴パラメータを取得するステップと、被検者の特徴パラメータによって、被検者の対応する読み書きテストスキームを所定の読み書きテストスキームとして選択するステップとをさらに含む。すなわち、所定の読み書きテストスキームは、被検者の年齢、性別などのパラメータに基づいて決定され得る。また、被検者の特徴パラメータは、被検者の地域などを含んでもよい。年齢、性別、地域などによって被検者の読み書き能力のレベルも異なるため、異なる読み書きテストスキームを用いて被検者に対してテストすることで、被検者の読み書き能力のレベルを正確に決定するようにすることができる。
【0067】
たとえば、所定の読み書きテストスキームは、選択されるテスト文字の数、テスト文字の難易度などを含む。なお、所定の読み書きテストスキームは、実際の応用ニーズに応じて設定できる。
【0068】
たとえば、年齢及び性別に基づいて、複数の所定の読み書きテストスキームを予め設定してもよい。複数の所定の読み書きテストスキームは、年齢が5−7歳の被検者をテストする第1所定の読み書きテストスキーム、年齢が8−10歳の被検者をテストする第2所定の読み書きテストスキーム、及び、年齢が11−12歳の被検者をテストする第3所定の読み書きテストスキームを含んでもよい。このとき、たとえば、第1所定の読み書きテストスキームは、500個のテスト文字を含んでもよく、第2所定の読み書きテストスキームは、800個のテスト文字を含んでもよく、第3所定の読み書きテストスキームは、1000個のテスト文字を含んでもよい。また、たとえば、第1所定の読み書きテストスキームは、500個のテスト文字を含み、第2所定の読み書きテストスキームは、500個のテスト文字を含み、第3所定の読み書きテストスキームは、500個のテスト文字を含むが、第2所定の読み書きテストスキームにおけるテスト文字の難易度は、第1所定の読み書きテストスキームにおけるテスト文字の難易度よりも高く、且つ第3所定の読み書きテストスキームにおけるテスト文字の難易度よりも低い。また、たとえば、第1所定の読み書きテストスキームは、500個のテスト文字を含んでもよく、第2所定の読み書きテストスキームは、800個のテスト文字を含んでもよく、第3所定の読み書きテストスキームは、1000個のテスト文字を含んでもよいが、第2所定の読み書きテストスキームにおけるテスト文字の難易度は、第1所定の読み書きテストスキームにおけるテスト文字の難易度よりも高く、且つ第3所定の読み書きテストスキームにおけるテスト文字の難易度よりも低い。
【0069】
または、複数の所定の読み書きテストスキームは、女性の被検者をテストする第1所定の読み書きテストスキームと、男性の被検者をテストする第2所定の読み書きテストスキームを含んでもよい。さらにまたは、複数の所定の読み書きテストスキームは、年齢が5−8歳の女性の被検者をテストする第1所定の読み書きテストスキーム、年齢が5−8歳の男性の被検者をテストする第2所定の読み書きテストスキーム、年齢が9−12歳の女性の被検者をテストする第3所定の読み書きテストスキーム、及び、年齢が9−12歳の男性の被検者をテストする第4所定の読み書きテストスキームを含んでもよい。なお、本開示は、上記所定の読み書きテストスキームを含むが、これに限定されない。
【0070】
たとえば、所定の読み書きテストスキームのそれぞれ(たとえば、上記第1所定の読み書きテストスキーム〜第4所定の読み書きテストスキームのいずれかの1項)におけるテスト文字は、参照サンプルライブラリから選択されてもよく、カスタマイズされたサンプルライブラリから選択されてもよい。参照サンプルライブラリは、予め設定されたサンプルライブラリであってもよく、参照サンプルライブラリにおけるテスト文字は、統計結果に基づいて予め選択して得てもよい。参照サンプルライブラリは、被検者の年齢に基づいて設定してもよく、たとえば、年齢が5−7歳の被検者に対応する第1サブ参照サンプルライブラリ、年齢が8−10歳の被検者に対応する第2サブ参照サンプルライブラリ、及び、年齢が11−12歳の被検者に対応する第3サブ参照サンプルライブラリなどを含んでもよい。カスタマイズされたサンプルライブラリは、ユーザーによってカスタマイズされたサンプルライブラリであってもよく、すなわち、カスタマイズされたサンプルライブラリにおけるテスト文字は、ユーザーによって実際の応用ニーズに応じて選択されてもよい。
【0071】
たとえば、被検者の読み書き能力をより正確にテストするために、テスト文字のそれぞれに重さ付けをしてもよい。たとえば、テスト文字の難易度が大きいほど、該テスト文字に割り当てられている重み付けが大きくなる。
【0072】
前記読み書きテストデータは、書きに関連するデータであり、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を含む。たとえば、読み書き能力指標は、書き速度、合計書き時間、オンペーパー時間、休止時間、オンペーパー時間/休止時間、文字書き時間の標準偏差、筆圧、文字の筆圧の標準偏差、食み出し数(すなわち、回数)、筆画数のエラー数、筆順のエラー数、や筆跡のエラー数であってもよいが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0073】
読み書き能力指標は、テストの要求に応じて所定の数を選択し、対応するテスト値を取得してもよい。
【0074】
読み書き能力指標のテスト値が入力装置120により直接的にテストできる場合、装置110は、入力装置120から送信されたテスト値を受信するだけでよい。一方、入力装置120により直接的にテストすることができない場合、装置110は、入力装置120から受信されたデータ及び予め設定されたデータに基づいて該読み書き能力指標のテスト値を取得してもよい。以下、上記場合のそれぞれについて説明する。
【0075】
好ましくは、本願の一実施例では、ステップ210は、入力装置により送信された被検者の第1データを受信するステップを含んでもよい。たとえば、装置110は、前記入力装置120により送信された前記被検者の第1データを受信する。そのうち、前記第1データは、第1読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第1読み書き能力指標のテスト値を含む。被検者の読み書きテストデータは、該第1データを含む。
【0076】
たとえば、本願の一実施例では、
図2Bに示される例において、読み書きテストデータは、第1指標セットのテストデータを含み、この第1指標セットのテストデータは、第1読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第1読み書き能力指標のテスト値を含む。ステップS211では、入力装置により送信された被検者の第1指標セットのテストデータを受信するステップを含んでもよい。ステップS221では、第1読み書き能力指標セットのうち前記少なくとも1つの第1読み書き能力指標のテスト値を、前記少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値として取得するステップを含んでもよい。すなわち、入力装置により送信された被検者の第1指標セットのテストデータをそのままに読み書き能力指標のテスト値とする。
【0077】
なお、本願において、第1データは、第1指標セットのテストデータであり、あるいは、第1指標セットのテストデータとも呼称されてもよい。
【0078】
前記第1読み書き能力指標セットは、入力装置120により直接的にテスト可能な読み書き能力指標を含むものであり、たとえば、書き速度(文字/分)、合計書き時間(秒)、オンペーパー時間(秒)、休止時間(秒)、オンペーパー時間/休止時間(秒)、文字書き時間の標準偏差、筆圧(ニュートンN)、文字の筆圧の標準偏差、食み出し回数などを含む複数の第1読み書き能力指標のうちの少なくとも1つを含む。なお、オンペーパー時間(On−paper time)は、ペンまたは指が入力装置の特定の領域に位置する時間を表し、休止時間(Pause time)は、ペンまたは指が入力装置の特定領域から離れる時間を表し、オンペーパー時間/休止時間は、ペンまたは指が入力装置の特定の領域に位置する時間とペンまたは指が入力装置の特定領域から離れる時間との比率を表す。
【0079】
第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標について、入力装置120は、第1読み書き能力指標のそれぞれをテストし、そのテスト値を取得して装置110に送信することができる。
【0080】
たとえば、被検者の読み書き能力のレベルに対する各第1読み書き能力指標の重要度を示すために、第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標のそれぞれに重み付けをしてもよい。それにより、被検者の読み書き能力をより正確にテストすることができる。たとえば、書き速度は筆圧よりも被検者の読み書き能力のレベルを反映できるため、書き速度の重み付けを筆圧の重み付けよりも大きくしてもよい。この場合、第1読み書き能力指標のテスト値は、入力装置120により実際にテストして得られる第1読み書き能力指標のテスト値と該第1読み書き能力指標の重み付けとの積であり得る。
【0081】
好ましくは、本願の一実施例では、ステップ210は、前記入力装置により送信された前記被検者の第1データと第2データを受信するステップと、前記第2データ及び特徴データによって、前記被検者の第3データを定めるステップとを含んでもよい。たとえば、装置110は、前記入力装置120により送信された前記被検者の第1データ及び第2データを受信してもよい。そのうち、前記第1データは、第1読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第1読み書き能力指標のテスト値を含み、前記第2データは、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標に対応する生データである入力装置120により直接的に検出されたデータを含む。前記第2データ及び特徴データによって前記被検者の第3データを定めるステップにおいて、前記特徴データは、前記第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標に対応する正確なデータを含み、前記第3データは、前記第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を含む。たとえば、被検者の読み書きテストデータは、第1データと第3データとを含む。
【0082】
たとえば、本願の一実施例では、
図2Bに示される例では、所定の読み書きテストスキームは、特定の文字の標準パラメータを表すとともに文字の標準筆画数、文字の標準筆順、文字順序などを含む標準の書き内容をさらに含んでもよい。読み書きテストデータは、被検者が該文字を書くときの実際の筆画数、実際の筆順、実際の筆跡などを含む被検者が実際に文字を書くときのパラメータを表す被検者の実際の書き内容をさらに含んでもよい。ステップS211では、入力装置により送信された被検者の実際の書き内容を受信するステップを含んでもよい。ステップS221では、実際の書き内容及び標準の書き内容に基づいて、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を含む第2指標セットテストデータを定めるステップと、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値として取得するステップとを含んでもよい。
【0083】
なお、本願において、第2データは、被検者の実際の書き内容であり、あるいは、被検者の実際の書き内容とも呼称されてもよい。第3データは、第2指標セットテストデータであり、あるいは、第2指標セットテストデータとも呼称されてもよい。
【0084】
読み書き能力テスト指標は、入力装置120により直接的にテスト可能な読み書き能力指標に加えて、入力装置120により直接的にテストし不能な読み書き能力指標である上記第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標であってもよい。第2読み書き能力指標セットは、たとえば、文字のエラー数、文字順序のエラー数、筆画数のエラー数、筆順のエラー数、筆跡のエラー数などを含む複数の第2読み書き能力指標のうちの少なくとも1つを含む。なお、「文字順序」は、複数のテスト文字の順序を意味するが、被検者が所定の読み書きテストスキームに従って設定された順序によらず複数のテスト文字を書くことは、該被験者の文字順序という第2読み書き能力指標にエラーが発生したことを意味する。
【0085】
たとえば、被検者の読み書き能力のレベルに対する各第2読み書き能力指標の重要度を示すために、第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標のそれぞれに重み付けをしてもよい。それにより、被検者の読み書き能力をより正確にテストすることができる。たとえば、筆順エラーが文字順序のエラー数よりも被検者の読み書き能力のレベルを反映できるため、筆順エラーの重み付けを文字順序のエラー数の重み付けよりも大きくしてもよい。この場合、第2読み書き能力指標のテスト値は、実際の書き内容及び標準の書き内容に基づいて決定された第2読み書き能力指標のテスト値と該第2読み書き能力指標の重み付けとの積であり得る。
【0086】
第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標について、装置110は、該第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標に対応する正確なデータ(すなわち、標準の書き内容)を予め設定し、該第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標の生データ(すなわち、実際の書き内容)を入力装置120から受信した後、これらのデータ(すなわち、正確なデータと生データ)を比較することにより、該第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標のテスト値を取得する。
【0087】
たとえば、文字のエラー数という第2読み書き能力指標について、正確なテスト文字(すなわち、標準のテスト文字)を予め決定し、被検者が該テスト文字を書くときに生成された実際の文字を入力装置120から受信して、それら(すなわち、正確なテスト文字と実際の文字)を比較することにより、該テスト文字を書く時に文字が間違っているかどうかを判断することができる。すべてのテスト文字について、このようにすれば、文字のエラー数のテスト値を得ることができる。たとえば、正確なテスト文字と実際の文字が同じでない(たとえば、正確なテスト文字が実際の文字より1ストローク多く、または1ストローク少ないなど)場合、該テスト文字を書くときに文字が間違っていることを意味し、この場合、文字のエラー数のテスト値に1を加算してもよく、正確なテスト文字と実際の文字が同じである場合、該テスト文字を書くときに文字が間違っていないことを意味し、この場合、文字のエラー数のテスト値を変えない。
【0088】
たとえば、文字順序のエラー数という第2読み書き能力指標について、1組のテスト文字における複数のテスト文字の正確な文字順序(すなわち、標準の文字順序)を予め設定し、被検者が該複数のテスト文字を書くときに生成された実際の文字順序を入力装置120から受信して、それら(すなわち、正確な文字順序と実際の文字順序)を比較することにより、該複数のテスト文字を書くときに文字順序が間違っているかどうかを判断してもよい。複数組のテスト文字について、このようにすれば、文字順序のエラー数のテスト値を得ることができる。たとえば、正確な文字順序と実際の文字順序が同じでない場合、該複数のテスト文字を書くときに文字順序が間違っていることを意味し、この場合、文字順序のエラー数のテスト値に1を加算してもよく、正確な文字順序と実際の文字順序が同じである場合、該複数のテスト文字を書くときに文字順序が間違っていないことを意味し、文字順序のエラー数のテスト値を変えない。
【0089】
たとえば、筆画数のエラー数という第2読み書き能力指標について、テスト文字の正確な筆画数(すなわち、標準の筆画数)を予め設定し、被検者が該テスト文字を書くときに生成された実際の筆画数を入力装置120から受信して、それら(すなわち、正確な筆画数と実際の筆画数)を比較することにより、該テスト文字を書くときに筆画数が間違っているかどうかを判断してもい。すべてのテスト文字について、このようにすれば、筆画数のエラー数のテスト値を得ることができる。たとえば、正確筆画数と実際の筆画数が同じでない場合、該テスト文字を書くときに筆画数が間違っていることを意味し、この場合、筆画数のエラー数のテスト値に1を加算してもよく、正確な筆画数と実際の筆画数が同じである場合、該テスト文字を書くときに筆画数が間違っていないことを意味し、この場合、筆画数のエラー数のテスト値を変えない。
【0090】
筆順のエラー数という第2読み書き能力指標について、テスト文字の正確な筆順(すなわち、標準の筆順)を予め設定し、被検者が該テスト文字を書くときに生成された実際の筆跡(または、記録される座標)を入力装置120から受信して、これらのデータ、すなわち正確な筆順と実際の筆跡に基づいて、該テスト文字を書くときに筆順が間違っているかどうかを判断してもよい。すべてのテスト文字について、このようにすれば、筆順のエラー数のテスト値を得ることができる。たとえば、正確な筆順と実際の筆跡の筆順が同じでない場合、該テスト文字を書くときに筆順が間違っていることを意味し、この場合、筆順のエラー数のテスト値に1を加算してもよく、正確な筆順と実際の筆跡の筆順が同じである場合、該テスト文字を書くときに筆順が間違っていないことを意味し、筆順のエラー数のテスト値を変えない。
【0091】
同様に、筆跡のエラー数という第2読み書き能力指標について、テスト文字の正確な筆跡(すなわち、標準の筆跡)を予め設定し、被検者が該テスト文字を書くときに生成された実際の筆跡(または、記録される座標)を入力装置120から受信して、これらのデータ、すなわち、正確な筆跡と実際の筆跡に基づいて、該テスト文字を書くときに筆跡が間違っているかどうかを判断してもよい。すべてのテスト文字について、このようにすれば、筆跡のエラー数のテスト値を得ることができる。たとえば、正確な筆跡と実際の筆跡が同じでない場合、該テスト文字を書くときに筆跡が間違っていることを意味し、この場合、筆跡のエラー数のテスト値に1を加算してもよく、正確な筆跡と実際筆跡が同じである場合、該テスト文字を書くときに筆跡が間違っていないことを意味し、筆跡のエラー数のテスト値を変えない。
【0092】
読み書き能力テストを行う際には、第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標を利用してもよく、第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標を利用してもよく、第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標と第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標を組み合わせて利用してもよい。装置110は、利用される読み書き能力指標に応じて、データの取得方式を選択する。
【0093】
好ましくは、本願の一実施例として、まず、第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標を利用して第1回の読み書き能力テストを行い、このテストの結果として、被検者の読み書き能力がディスレクシアであると、第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標を利用してさらなる第2回の読み書き能力テストを行う。初期スクリーニングに相当する第1回の読み書き能力テストにおいてディスレクシアと決定された場合に第2回の読み書き能力テストを行うことで、処理の複雑さを低減させて、読み書き能力のテスト効率をさらに向上させることができ、読み書き能力のテストの正確性を高めることができる。本開示の実施例に係る方法は、2回でテストを行うことで、処理の複雑さを低減させて、読み書き能力のテスト効率をさらに向上させることができる。
【0094】
被検者が入力装置120を介して書くときの読み書きテストデータを取得した後、装置110は、該読み書きテストデータを処理して、処理結果に基づいて被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0095】
好ましくは、ステップS220では、被検者の読み書きテストデータに基づいて、被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを定めるステップと、被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップとを含む。たとえば、装置110は、前記被検者の読み書きテストデータに基づいて、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを定め、その後、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定してもよい。
【0096】
本願の実施例では、読み書き能力指標の評価データは、複数の候補被検者に対する被検者の該読み書き能力指標のテスト値の相対データであってもよく、被検者が属する集団での被検者の相対的な状況を反映している。
【0097】
好ましくは、本願の一実施例では、装置110は、前記被検者の読み書きテストデータ及び比較データに基づいて、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを定めてもよい。そのうち、前記比較データは、複数の候補被検者の読み書きテストデータを含み、前記複数の候補被検者の各々の読み書きテストデータは、該少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を含む。
【0098】
なお、被検者と複数の候補被検者との同じ読み書き能力指標のテスト値に基づいて、該被検者の該読み書き能力指標の評価データを定める必要がある。たとえば、被検者の書き速度に関する評価データを定める場合、被検者の書き速度のテスト値を被検者のテストデータとし、複数の候補被検者の書き速度のテスト値を比較データとして、装置110は、被検者の書き速度のテスト値及び複数の候補被検者の書き速度のテスト値に基づいて、被検者の書き速度の評価データを定める。また、たとえば、被検者の筆画数エラー回数に関する評価データを定める場合、被検者の筆画数エラー回数のテスト値を被検者のテストデータとし、複数の候補被検者の筆画数エラー回数のテスト値を比較データとして、装置110は、被検者の筆画数エラー回数のテスト値及び複数の候補被検者の筆画数エラー回数のテスト値に基づいて、被検者の筆画数エラー回数の評価データを定める。
【0099】
好ましくは、本願の一実施例では、複数の候補被検者は、被検者と同時に書く。この場合、前記比較データは、前記被検者と同時に書いている複数の候補被検者の読み書きテストデータでありうる。
【0100】
この場合、複数の候補被検者に対して同時にテストを行い、取得された読み書きテストデータを処理して、他の候補被検者に対する複数の候補被検者のそれぞれの評価データを得る。なお、いくつかの例では、複数の候補被検者は被検者を含んでもよい。
【0101】
好ましくは、本願の一実施例では、前記比較データは、既存のテストデータであってもよく、すなわち、複数の候補被検者の読み書きテストデータは既存のテストデータである。
【0102】
この場合に、比較データを予め設定してもよく、該比較データは、前に取得された複数の候補被検者の読み書きテストデータであってもよく、または、前に取得された複数の候補被検者の読み書きテストデータから選択されたサンプルデータであってもよい。そのうち、前記被検者に対して書きテストを行う前に、既に複数の候補被検者に対して書きテストを行っており、本願の実施例はこれを限定しない。
【0103】
前記被検者の読み書きテストデータ及び比較データに基づいて、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを得ることができる。
【0104】
たとえば、少なくとも1つの読み書き能力指標は、特定の読み書き能力指標を含む。特定の読み書き能力指標について、特定の読み書き能力指標の評価データは、平均値からの被検者の該特定の読み書き能力指標のテスト値の偏差であってもよい。すなわち、前記被検者の読み書きテストデータ及び前記比較データに基づいて、平均値からの前記被検者の特定の読み書き能力指標のテスト値の偏差を定めてもよい。そのうち、前記平均値は、前記被検者と前記複数の候補被検者との前記特定の読み書き能力指標のテスト値の平均値であり、あるいは、前記複数の候補被検者の前記特定の読み書き能力指標のテスト値の平均値である。
【0105】
なお、読み書き能力指標の評価データは、他のデータを採用してもよく、被検者が属する集団での被検者の相対的な状況を反映できることであればよく、上記偏差に限定されない。
【0106】
前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定することができる。
【0107】
好ましくは、本願の一実施例では、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データ及び予め設定された評価基準に基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定することができる。
【0108】
該評価基準は、読み書き能力指標に関連する評価基準であってもよい。該評価基準はトレーニングによって得てもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0109】
好ましくは、本願の一実施例として、以下の方式で被検者の読み書き能力のレベルを決定することができる。
【0110】
前記被検者の第1レベルの読み書き能力指標の数が第1閾値よりも大きい第2閾値に達し、または、第2レベルの読み書き能力指標の数が前記第1閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを軽度のディスレクシアとして決定する。そのうち、前記第1レベルの読み書き能力指標は、テスト値が平均値より1つの標準偏差低いものを含み、前記第2レベルの読み書き能力指標は、テスト値が平均値より2つの標準偏差低いものを含む。
【0111】
または、前記被検者の前記第1レベルの読み書き能力指標の数が前記第2閾値よりも大きい第3閾値に達し、前記第2レベルの読み書き能力指標の数が前記第2閾値に達し、または、第3レベルの読み書き能力指標の数が前記第1閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを中度のディスレクシアとして決定する。そのうち、前記第3レベルの読み書き能力指標は、テスト値が平均値より3つの標準偏差低いものを含む。
【0112】
または、前記被検者の前記第2レベルの読み書き能力指標の数が前記第3閾値に達し、または、前記第3レベルの読み書き能力指標の数が前記第2閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを重度のディスレクシアとして決定する。
【0113】
または、前記被検者の優秀読み書き能力指標の数が前記第3閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを優秀読み書き能力として決定する。そのうち、前記優秀読み書き能力指標は、テスト値が平均値より2つの標準偏差高いものを含む。
【0114】
なお、被検者の読み書きテストデータの対応する少なくとも1つの読み書き能力指標は、第1レベルの読み書き能力指標における読み書き能力指標、第2レベルの読み書き能力指標における読み書き能力指標、第3レベルの読み書き能力指標における読み書き能力指標、及び優秀読み書き能力指標における読み書き能力指標を含んでもよい。
【0115】
たとえば、上記評価基準では、前記第1閾値が2、前記第2閾値が3、前記第3閾値が5であり得る。
【0116】
上記評価基準は例示なものに過ぎず、採用された読み書き能力指標に基づいて他の評価基準を設定してもよく、且つ適宜調整でき、本願の実施例はこれを限定しないことを、理解すべきである。
【0117】
好ましくは、本願の一実施例では、第1回の読み書き能力テストは、第1読み書き能力指標セットのうち読み書き能力指標のみを利用し、且つ、テスト結果として被検者の読み書き能力のレベルがディスレクシアである場合、第2読み書き能力指標セットのうち読み書き能力指標をさらに利用してさらなる読み書き能力テストを行ってもよい。すなわち、前記第1データである前記第1読み書き能力指標セットのそれぞれのテスト値に基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルをディスレクシア(軽度のディスレクシア、中度のディスレクシアまたは重度のディスレクシアを含んでもよい)として決定した場合、前記入力装置により送信された第2読み書き能力指標セットのそれぞれに対応する生データである前記被検者の第2データを受信し、前記第2データ及び前記第2読み書き能力指標セットのそれぞれに対応する正確なデータを含む特徴データに基づいて、前記第2読み書き能力指標セットのそれぞれのテスト値を含む前記被検者の第3データを定めて、前記第3データに基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0118】
好ましくは、いくつかの実施例では、ステップS231では、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定めるステップと、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値及び評価参考値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップとを含む。たとえば、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定めるステップは、所定の読み書きテストスキームに従った複数の候補被検者の読み書きテストデータを取得するステップと、複数の候補被検者の読み書きテストデータに基づいて、複数の候補被検者のそれぞれの少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を取得するステップと、複数の候補被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値に基づいて、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定めるステップとを含む。
【0119】
たとえば、所定の読み書きテストスキームに従った複数の候補被検者の読み書きテストデータは、上記に記載された比較データである。
【0120】
好ましくは、いくつかの実施例では、ステップS231では、被検者の特徴パラメータ及び少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップを含む。たとえば、被検者によって、異なる評価参考値を採用することで、被検者の読み書き能力のレベルを正確に検出することができる。このとき、ステップS231では、具体的には、被検者の特徴パラメータに基づいて、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定めるステップと、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値及び評価参考値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップとを含む。たとえば、いくつかの例では、被検者の年齢については、年齢範囲に応じて評価参考値を予め設定した上、被検者の年齢によって評価参考値を選択し、あるいは、被検者の年齢が属する年齢範囲にある複数の候補被検者を選択して、該複数の候補被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値に基づいて少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定め、たとえば、被検者の年齢が9歳であり、被検者の年齢が属する年齢範囲が8−10歳である場合、複数の候補被検者の年齢が8−10歳の年齢範囲にあることになり、たとえば、複数の候補被検者の年齢がいずれも9歳であってもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0121】
たとえば、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値は標準値を含んでもよい。少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値及び評価参考値に基づいて、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップは、少なくとも1つの読み書き能力指標の各々に対して、被検者のテスト値及び標準値に基づいて標準値からの被検者のテスト値の偏差を定め、偏差に基づいて該読み書き能力指標の評価データを得ることで、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを得るステップと、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップとを含む。
【0122】
たとえば、標準値は、特定の読み書き能力指標に関して被検者が属する集団の平均状況を反映することができる。たとえば、標準値は、統計により予め取得してもよく、特定の読み書き能力指標のテスト値に関して被検者と複数の候補被検者との平均値(算術平均値、幾何平均値、重み付け平均値など)であってもよく、または、特定の読み書き能力指標のテスト値に関して複数の候補被検者の平均値(算術平均値、幾何平均値、重み付け平均値など)であってもよい。
【0123】
たとえば、前記少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値は、標準偏差をさらに含む。たとえば、標準偏差は、統計により予め取得してもよく、被検者と複数の候補被検者との特定の読み書き能力指標のテスト値に基づいて取得してもよい。偏差に基づいて、特定の読み書き能力指標の評価データを得るステップは、読み書き能力指標のそれぞれに対して、該読み書き能力指標の偏差及びその標準偏差に基づいて、偏差の方向及び標準偏差に対する偏差の倍数を示す評価データを得るステップを含む。
【0124】
なお、「評価データは、被検者の該読み書き能力テスト指標の偏差の方向を示す」は、被検者のテスト値が標準値以上でありまたは標準値より小さいことを意味する。たとえば、評価データが被検者の該読み書き能力テスト指標の偏差の方向が正であることを示すことは、被検者のテスト値が標準値以上であることを意味し、評価データが被検者の該読み書き能力テスト指標の偏差の方向が負であることを示すことは、被検者のテスト値が標準値より小さいことを意味する。
【0125】
たとえば、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップは、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、その標準偏差に対する特定の読み書き能力指標の偏差の倍数が第1倍数以下であることを示す第1偏差レベルに属する読み書き能力指標、その標準偏差に対する特定の読み書き能力指標の偏差の倍数が第1倍数よりも大きく第2倍数以下であることを示す第2偏差レベルに属する読み書き能力指標、及び、その標準偏差に対する特定の読み書き能力指標の偏差の倍数が第2倍数よりも大きいことを示す第3偏差レベルに属する読み書き能力指標を決定するステップと、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数、及び、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数のうちの少なくとも1つに基づいて、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップとを含む。
【0126】
たとえば、第1倍数が第2倍数より小さく、且つ第1倍数と第2倍数とがいずれも整数である。いくつかの実施例では、第1倍数が1、第2倍数が2であってもよい。本開示は、これを限定せず、たとえば、第1倍数が2、第2倍数が4であってもよい。
【0127】
たとえば、いくつかの実施例では、第1偏差レベルは第1下位偏差レベルを含み、第2偏差レベルは第2下位偏差レベルを含み、第3偏差レベルは第3下位偏差レベルを含む。このとき、被検者の読み書き能力指標の偏差は標準偏差より小さい。第1偏差レベルは、特定の読み書き能力指標の偏差がその標準偏差より小さく、且つその標準偏差に対する倍数が第1倍数以下であることを示し、第2偏差レベル読み書き能力指標は、特定の読み書き能力指標の偏差がその標準偏差より小さく、且つその標準偏差に対する倍数が第1倍数よりも大きく且つ第2倍数以下であることを示し、第3偏差レベル読み書き能力指標は、特定の読み書き能力指標の偏差がその標準偏差より小さく、且つその標準偏差に対する倍数が第2倍数よりも大きいことを示す。
【0128】
たとえば、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップは、以下のステップを含む。
【0129】
第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第2閾値に達し、または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第1閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを軽度のディスレクシアとして決定する。そのうち、第2閾値が第1閾値よりも大きい。
【0130】
または、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第3閾値に達し、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第4閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第5閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを中度のディスレクシアとして決定する。そのうち、第4閾値が、第3閾値よりも小さく且つ第5閾値よりも大きく、第4閾値が第1閾値よりも大きく、第3閾値が第2閾値よりも大きい。
【0131】
または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第7閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第6閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを重度のディスレクシアとして決定する。そのうち、第7閾値が第6閾値及び第4閾値よりも大きく、第6閾値が第5閾値よりも大きい。
【0132】
たとえば、中度のディスレクシアによって表される被検者の読み書き能力のレベルは、軽度のディスレクシアによって表される被検者の読み書き能力のレベルよりも低く、且つ重度のディスレクシアによって表される被検者の読み書き能力のレベルよりも高い。なお、被検者の読み書き能力は、そのレベルが高いほど、優れている。
【0133】
たとえば、いくつかの実施例では、第1偏差レベルは第1上位偏差レベルを含み、第2偏差レベルは第2上位偏差レベルを含み、第3偏差レベルは第3上位偏差レベルを含む。このとき、被検者の読み書き能力指標の偏差は標準偏差より小さい。第1偏差レベルは、特定の読み書き能力指標の偏差がその標準偏差以上であり、且つその標準偏差に対する倍数が第1倍数以下であることを示し、第2偏差レベル読み書き能力指標は、特定の読み書き能力指標の偏差がその標準偏差以上であり、且つその標準偏差に対する倍数が第1倍数よりも大きく且つ第2倍数以下であることを示し、第3偏差レベル読み書き能力指標は、特定の読み書き能力指標の偏差がその標準偏差以上であり、且つその標準偏差に対する倍数が第2倍数よりも大きいことを示す。
【0134】
たとえば、被検者の読み書き能力のレベルを決定するステップは、以下のステップを含む。
【0135】
第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第2閾値に達し、または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第1閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを1段の優秀読み書きとして決定する。そのうち、第2閾値が第1閾値よりも大きい。
【0136】
または、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第3閾値に達し、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第4閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第5閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを2段の優秀読み書きとして決定する。そのうち、第4閾値が第1閾値よりも大きく、第3閾値よりも小さく且つ第5閾値よりも大きく、また、第3閾値が第2閾値よりも大きい。
【0137】
または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第7閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第6閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを3段の優秀読み書きとして決定する。そのうち、第7閾値が第6閾値及び第4閾値よりも大きく、第6閾値が第5閾値よりも大きい。
【0138】
たとえば、2段の優秀読み書きによって表される被検者の読み書き能力のレベルは、1段の優秀読み書きによって表される被検者の読み書き能力のレベルよりも高く、且つ3段の優秀読み書きによって表される被検者の読み書き能力のレベルよりも低い。
【0139】
たとえば、いくつかの例では、第1閾値〜第7閾値は、それぞれ異なり、たとえば、第1閾値が2、第2閾値が3、第3閾値が8、第4閾値が5、第5閾値が4、第6閾値が6、第7閾値が7であってもよい。いくつかの例では、第1閾値と第5閾値は同じであってもよく、第2閾値、第4閾値及び第6閾値が同じであってもよく、第3閾値と第7閾値が同じであってもよく、たとえば、第1閾値と第5閾値とがいずれも2であり、第2閾値、第4閾値及び第6閾値がいずれも3または4であり、第3閾値と第7閾値とがいずれも5または6である。なお、本開示の実施例は、第1閾値〜第7閾値の値について、具体的に限定しない。
【0140】
好ましくは、本願の一実施例では、被検者の読み書き能力のレベルのテスト結果を得た後、装置110は、前記被検者の読み書き能力のレベルのテスト結果を出力することができる。
【0141】
テスト結果は、確認しやすくするために、被検者の読み書き能力のレベルの結論を含む以外に、被検者のデータ、たとえば、テスト値や評価データを含んでもよい。
【0142】
また、後続に確認するために、テスト結果に対し保存または印刷などの処理を行ってもよい。
【0143】
以下、例を参照しながら、本願の実施例を説明する。これは、当業者が本願の実施例をより良好に理解するためのものに過ぎず、本願の実施例の範囲を限定するものではないことを、理解すべきである。
【0144】
いくつかの例では、ドットマトリックスペンを入力装置として用いる。これに対して、ドットマトリックスペンの書きに合わせて方眼紙を準備する。方眼紙は、たとえば、10*10の升目を採用してもよく、すなわち、合計100個の文字を書くことができ、または、10*50の升目を採用してもよく、すなわち、合計500個の文字を書くことができる。
【0145】
ドットマトリックスペン及び方眼紙の数を、被検者の数に応じて準備する。一例では、30人を超える被検者を同時にテストする。たとえば、テストされる集団は、学校の1組の子供などであってもよく、それにより、30人の被検者の年齢がいずれも同じ、たとえば、7歳である。
【0146】
一例では、読み書き能力指標は、第1読み書き能力指標セットにおける書き速度、合計書き時間、オンペーパー時間、休止時間、オンペーパー時間/休止時間、文字書き時間の標準偏差、筆圧、文字の筆圧の標準偏差、食み出し回数、及び、第2読み書き能力指標セットにおける筆画数のエラー数を用いる。筆画数のエラー数については、特徴データを予め設定する必要がある。
図3Aは、該例のプロセスを示している。
【0147】
ステップ301では、テスト文字を選択する。
【0148】
たとえば、いくつかの実施例では、テスト文字は、被検者の集団によって選択されてもよい。たとえば、子供の場合、子供が認識可能な常用文字を選択してもよい。たとえば、500個の常用文字をテスト文字として選択してもよい。
【0149】
たとえば、いくつかの実施例では、テスト文字は選択された所定の読み書きテストスキームに従って定める。たとえば、被検者の特徴パラメータ(年齢が7歳である)に基づいて、上記第1所定の読み書きテストスキーム(すなわち、年齢が5−7歳である被検者に向けるもの)を選択して、被検者に対して読み書き能力テストを行ってもよい。30人の被検者に対して、いずれも第1所定の読み書きテストスキームに従って書きテストを行ってもよい。
【0150】
たとえば、第1所定の読み書きテストスキームが500個のテスト文字を含む場合、各被検者に5枚の方眼紙を準備して、第1所定の読み書きテストスキームの全ての500個のテスト文字を書かせてもよく、または、各被検者に1枚の方眼紙を準備して、第1所定の読み書きテストスキームの500個のテスト文字から100個のテスト文字を任意に選択し、被検者の読み書き能力テストを行ってもよい。
【0151】
たとえば、いくつかの例では、第1所定の読み書きテストスキームは、第1テストモード、第2テストモード、および第3テストモードなどを含む複数のテストモードを含んでもよい。第1テストモードは、第1所定の読み書きテストスキームの500個のテスト文字から100個のテスト文字を任意に選択してテストし、第2テストモードは、第1所定の読み書きテストスキームの500個のテスト文字から300個のテスト文字を任意に選択してテストし、第3テストモードは、第1所定の読み書きテストスキームの500個のテスト文字を用いてテストする。
【0152】
たとえば、
図3Bは、本開示の実施例に係る方眼紙の模式図を例示的に示しており、
図3Cは、本開示の実施例に係る第1所定の読み書きテストスキームに利用される方眼紙の模式図を例示的に示している。
図3Bに示されるように、方眼紙は、文字を書くための複数の升目310を含み、方眼紙において、複数の所定の読み書きテストスキームのボタン311−313が設置され、たとえば、ボタン311は、第1所定の読み書きテストスキームを表し、ボタン312は、第2所定の読み書きテストスキームを表し、ボタン313は、第3所定の読み書きテストスキームを表す。
【0153】
たとえば、各所定の読み書きテストスキームにおいて、該所定の読み書きテストスキームのページに複数のテストモードのボタンを設置することで、ニーズに応じて特定の所定の読み書きテストスキーム、テストモードなどを選択することができる。たとえば、
図3Cに示されるように、第1所定の読み書きテストスキームで、方眼紙において複数の所定の読み書きテストスキームのボタン3111−3113が設置され、たとえば、ボタン3111は、第1テストモードを表し、ボタン3112は、第2テストモードを表し、ボタン3113は、第3テストモードを表す。
【0154】
なお、ボタンは、方眼紙の縁部や方眼紙における文字を書く升目を除く位置に設置されてもよい。
図3B−3Cに示されるボタンの数、位置、タイプなどはいずれも例示的なものであり、本開示はこれに限定されない。
【0155】
ステップ302では、特徴データを抽出する。
【0156】
選択されたテスト文字に対して、第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標の特徴データを抽出する。たとえば、筆画数のエラー数を採用した場合、各文字の正確な筆画数を特徴データとして抽出して記憶する。たとえば、「王」という文字の特徴データが王(4)として表すことができ、すなわち、「王」という文字の正確な筆画数が4である。
【0157】
ステップ303では、評価サンプルを選択してテストする。
【0158】
上記テスト文字から評価サンプルをランダムに選択し、たとえば、500個の常用文字のうちの100個の文字を評価サンプルとして選択する。たとえば、第1所定の読み書きテストスキームで第1テストモードを選択してテストすることは、第1所定の読み書きテストスキームの500個のテスト文字から100個のテスト文字を任意に選択してテストする。該評価サンプルを利用して被検者に対してテストする。たとえば、被検者は、ドットマトリックスペンを介して10*10の方眼紙に該評価サンプルの100個の文字を書き、方眼紙における「完了」ボタン(
図3Cに示されるボタン320)をクリックすると、評価が終了する。ドットマトリックスペンは、被検者のデータを取得して、被検者が書きを完了した後、被検者のデータを装置110に送信する。
【0159】
ステップ304では、読み書きテストデータを取得して処理する。
【0160】
第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標について、装置110は、ドットマトリックスペンにより送信されたデータから、第1読み書き能力指標セットのうち第1読み書き能力指標のテスト値を直接的に取得する。第2読み書き能力指標セットのうち第2読み書き能力指標である筆画数のエラー数について、装置110は、ドットマトリックスペンにより送信されたデータから、被検者が評価サンプルにおける各文字を書くときの筆画数(すなわち、実際の書き内容)を取得し、対応する各文字の特徴データにおける正確な筆画数(すなわち、標準の書き内容)と比較して、筆画数のエラー数のテスト値を得る。
【0161】
各読み書き能力指標(第1読み書き能力指標と第2読み書き能力指標)について、装置110は、全ての被検者(すなわち、全ての被検者を上記候補被検者とする)の平均値(または、上記標準値)と標準偏差を計算し、各被検者における平均値(または、上記標準値)からのテスト値の偏差を定め、偏差及び該読み書き能力指標の標準偏差に基づいて、該被検者の該読み書き能力指標の評価データを得る。評価データは、被検者の該読み書き能力テスト指標の偏差の方向、及び標準偏差に対する偏差の倍数を示す。
【0162】
たとえば、特定の被検者の書き速度が21.29文字/分、全ての被検者の平均値が8.5文字/分、標準偏差が6である場合、該被検者の書き速度が平均値よりも2つの標準偏差高く(すなわち、標準偏差のずれが+2である)、すなわち、該被検者の書き速度(すなわち、21.29文字/分)が、平均値と2つの標準偏差との和(すなわち、8.5+2*6=20.5文字/分)よりも大きい。該評価データは、該被検者の書き速度に優れることを表す。
【0163】
各被検者に対しては、各読み書き能力指標の評価データを計算により得る。
【0164】
ステップ305では、読み書き能力テスト結果を生成する。
【0165】
各被検者に対しては、各読み書き能力指標の評価データ及び予め設定された評価基準に基づいて、読み書き能力のレベルを決定する。
【0166】
たとえば、いくつかの例では、以下の予め設定された評価基準を利用してもよく、標準偏差のずれが正であることは、平均値よりも高いことを意味し、標準偏差のずれが負であることは、平均値よりも低いことを意味する。
【0167】
軽度のディスレクシア:1)2つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−2であり、または、
2)3−4つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−1である。
【0168】
中度のディスレクシア:1)2つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−3であり、
2)3−4つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−2であり、または、
3)5−6つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−1であり、
【0169】
重度のディスレクシア:1)3つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが−3であり、または、
2)5つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが−2であり、
【0170】
優秀読み書き能力:1)5つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが2である。
【0171】
たとえば、いくつかの例では、以下の予め設定された評価基準を利用してもよく、標準偏差のずれが正であることは、平均値よりも高いことを表し、標準偏差のずれが負であることは、平均値よりも低いことを表す。
【0172】
軽度のディスレクシア:1)2つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−2であり、または、
2)3−4つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−1である。
【0173】
中度のディスレクシア:1)2つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−3であり、または、
2)3−4つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−2であり、または、
3)5−6つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが−1である。
【0174】
重度のディスレクシア:1)3つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが−3であり、または、
2)5つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが−2である。
【0175】
1段の優秀読み書き:1)5つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが2であり、または、
2)3−4つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが1である。
【0176】
2段の優秀読み書き:1)2つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが3であり、
2)3−4つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが2であり、または、
3)5−6つの読み書き能力指標の標準偏差のずれが1である。
【0177】
3段の優秀読み書き:1)3つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが3であり、または、
2)5つ以上の読み書き能力指標の標準偏差のずれが2である。
【0178】
装置110は、各被検者の読み書き能力のレベルの結論及び対応するデータを読み書き能力のテスト結果として出力することができる。
【0179】
本願の実施例は、被検者が入力装置を介して書くときの読み書きテストデータを取得し、このデータに基づいて被検者の読み書き能力のレベルを決定することにより、読み書きテストデータを簡単で迅速に収集して、分析することができる。それにより、読み書き能力のテスト効率を向上させることができる。
【0180】
1対1のオフラインである人工テストに比べて、本願の実施例は、コストが低く、応用しやすいため、幅広く応用することでき、さらにディスレクシアの発見に役に立つ。
【0181】
以上、本願の実施例の読み書き能力のテスト方法を詳細に説明しており、以下、本願の実施例の読み書き能力のテスト装置を説明する。
【0182】
図4は、本願の一実施例の読み書き能力のテスト装置400の模式的なブロック図を示している。該装置400は、上記本願の実施例の読み書き能力のテスト方法を実行することができ、たとえば、該装置400は、上記
図1に示される装置110であってもよい。
【0183】
図4に示されるように、該装置400は、取得モジュール410と、評価モジュール420とを備えてもよい。
【0184】
たとえば、いくつかの実施例では、取得モジュール410は、被検者が入力装置を介して書くときに生成されたテストデータである、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を含む読み書きテストデータを取得することに用いられる。評価モジュール420は、前記被検者の読み書きテストデータによって、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定する。このとき、該装置400は、
図2Aに示される実施例に対応する。
【0185】
好ましくは、本願の一実施例では、前記取得モジュール410は、前記入力装置により送信された前記被検者の第1データを受信する。そのうち、前記被検者の読み書きテストデータは前記第1データを含み、前記第1データは、第1読み書き能力指標セットのそれぞれのテスト値を含む。
【0186】
好ましくは、本願の一実施例では、前記取得モジュール410は、以下のことに用いられる。
【0187】
前記入力装置により送信された前記被検者の第1データと第2データを受信する。そのうち、前記第1データは、第1読み書き能力指標セットのそれぞれのテスト値を含み、前記第2データは、第2読み書き能力指標セットのそれぞれに対応する生データを含む。
【0188】
前記第2データ及び特徴データに基づいて、前記被検者の第3データを定める。そのうち、前記特徴データは、前記第2読み書き能力指標セットのそれぞれの対応する正確なデータを含み、前記第3データは、前記第2読み書き能力指標セットのそれぞれのテスト値を含む。
【0189】
たとえば、被検者の読み書きテストデータは、第1データ及び第3データを含んでもよい。この場合、取得モジュール410は、第2データ及び特徴データに基づいて、被検者の第3データを定める。しかしながら、本開示はこれに限定されず、いくつかの実施例では、被検者の読み書きテストデータは、第1データ及び第2データを含んでもよい。この場合、評価モジュール420は、取得モジュール410から伝送された第2データを受信した後に、第2データ及び特徴データに基づいて、被検者の第3データを定めてもよい。
【0190】
好ましくは、本願の一実施例では、前記第1読み書き能力指標セットは、書き速度、合計書き時間、オンペーパー時間、休止時間、オンペーパー時間/休止時間、文字書き時間の標準偏差、筆圧、文字の筆圧の標準偏差、食み出し回数を含む第1読み書き能力指標のうち少なくとも1つを含む。
【0191】
好ましくは、本願の一実施例では、前記第2読み書き能力指標セットは、文字のエラー数、文字順序のエラー数、筆画数のエラー数、筆順のエラー数、筆跡のエラー数を含む第2読み書き能力指標のうちの少なくとも1つを含む。
【0192】
好ましくは、本願の一実施例では、前記評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0193】
前記被検者の読み書きテストデータに基づいて、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを定める。
【0194】
前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データによって、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0195】
好ましくは、本願の一実施例では、前記評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0196】
すなわち、前記被検者の読み書きテストデータ及び比較データによって、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを定める。前記比較データは、複数の候補被検者の読み書きテストデータを含み、前記複数の候補被検者における各被検者の読み書きテストデータは、前記少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を含む。
【0197】
好ましくは、本願の一実施例では、前記複数の候補被検者が前記被検者と同時に書くため、前記比較データは、前記被検者と同時に書く複数の候補被検者の読み書きテストデータである。あるいは、複数の候補被検者の読み書きテストデータは、既存の読み書きテストデータであるため、前記比較データは既存の読み書きテストデータである。
【0198】
好ましくは、本願の一実施例では、少なくとも1つの読み書き能力指標は、特定の読み書き能力指標を含み、前記評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0199】
すなわち、前記被検者の読み書きテストデータ及び前記比較データに基づいて、平均値からの前記被検者の特定の読み書き能力指標のテスト値の偏差を定める。そのうち、前記少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データは、前記平均値からの前記特定の読み書き能力指標のテスト値の前記偏差を含み、前記平均値は、前記被検者と前記複数の候補被検者との前記特定の読み書き能力指標のテスト値の平均値であり、あるいは、前記複数の候補被検者の前記特定の読み書き能力指標のテスト値の平均値である。
【0200】
好ましくは、本願の一実施例では、前記評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0201】
すなわち、前記被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データ及び予め設定された評価基準に基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0202】
好ましくは、本願の一実施例では、前記評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0203】
すなわち、前記被検者の第1レベルの読み書き能力指標の数が第2閾値に達し、または、第2レベルの読み書き能力指標の数が第1閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを軽度のディスレクシアとして決定する。そのうち、前記第1レベルの読み書き能力指標は、テスト値が平均値より1つの標準偏差低い読み書き能力指標であり、前記第2レベルの読み書き能力指標は、テスト値が平均値より2つの標準偏差低い読み書き能力指標であり、前記第2閾値は、前記第1閾値よりも大きい。
【0204】
または、前記被検者の前記第1レベルの読み書き能力指標の数が第3閾値に達し、前記第2レベルの読み書き能力指標の数が前記第2閾値に達し、または、第3レベルの読み書き能力指標の数が前記第1閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを中度のディスレクシアとして決定する。そのうち、前記第3レベルの読み書き能力指標は、テスト値が平均値より3つの標準偏差低い読み書き能力指標であり、前記第3閾値は、前記第2閾値よりも大きい。
【0205】
または、前記被検者の前記第2レベルの読み書き能力指標の数が前記第3閾値に達し、または、前記第3レベルの読み書き能力指標の数が前記第2閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを重度のディスレクシアとして決定する。
【0206】
または、前記被検者の優秀読み書き能力指標の数が前記第3閾値に達する場合、前記被検者の読み書き能力のレベルを優秀読み書き能力として決定する。そのうち、前記優秀読み書き能力指標は、テスト値が平均値より2つの標準偏差高いものである。
【0207】
好ましくは、本願の一実施例では、前記第1閾値が2、前記第2閾値が3、前記第3閾値が5である。
【0208】
好ましくは、本願の一実施例では、前記取得モジュール410は、さらに、前記被検者の読み書き能力をディスレクシアとして決定すると、前記入力装置により送信された第2読み書き能力指標セットのそれぞれに対応する生データを含む前記被検者の第2データを受信し、前記第2データ及び前記第2読み書き能力指標セットのそれぞれの対応する正確なデータを含む特徴データに基づいて、前記第2読み書き能力指標セットのそれぞれのテスト値を含む前記被検者の第3データを定めることに用いられる。
【0209】
前記評価モジュール420は、さらに、前記第3データに基づいて、前記被検者の読み書き能力のレベルを決定することに用いられる。
【0210】
好ましくは、本願の一実施例では、前記装置400は、前記被検者の読み書き能力のレベルのテスト結果を出力する出力モジュールをさらに備える。
【0211】
いくつかの実施例では、取得モジュール410は、被検者が前記入力装置を介して書くときに生成される被検者の読み書きテストデータを、入力装置から取得することに用いられる。評価モジュール420は、前記読み書きテストデータに基づいて、被検者に対する少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を取得し、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定することに用いられる。この場合、該装置400は、
図2Bに示される実施例に対応する。
【0212】
たとえば、本願の一実施例では、評価モジュール420は、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定め、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値及び評価参考値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定することに用いられる。
【0213】
たとえば、被検者の読み書きテストデータは、被検者が入力装置を介して所定の読み書きテストスキームに従って書くときに生成されるものである。たとえば、入力装置は、被検者の特徴パラメータによって被検者に対応する読み書きテストスキームを、所定の読み書きテストスキームとして選択してもよく、たとえば、被検者が入力装置に被検者の年齢、性別などの特徴パラメータを入力することで、入力装置は、被検者の特徴パラメータによって対応する読み書きテストスキームを、所定の読み書きテストスキームとして選択することができる。
【0214】
たとえば、評価モジュール420は、所定の読み書きテストスキームに従った複数の候補被検者の読み書きテストデータを取得し、複数の候補被検者の読み書きテストデータに基づいて候補被検者のそれぞれに対する少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値を取得し、複数の候補被検者の少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値に基づいて少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値を定めることに用いられる。
【0215】
たとえば、取得モジュール410は、被検者の特徴パラメータを取得することに用いられる。特徴パラメータは、年齢及び性別のうちの少なくとも1つを含む。評価モジュール420は、被検者の特徴パラメータ及び少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値によって、被検者の読み書き能力のレベルを決定する。
【0216】
たとえば、読み書きテストデータは、第1読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第1読み書き能力指標のテスト値を含む第1指標セットのテストデータを含む。評価モジュール420は、第1読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第1読み書き能力指標のテスト値を、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値として取得することに用いられる。
【0217】
たとえば、第1読み書き能力指標セットは、書き速度(文字/分)、合計書き時間(秒)、オンペーパー時間(秒)、休止時間(秒)、オンペーパー時間/休止時間(秒)、文字書き時間の標準偏差、筆圧(ニュートンN)、文字の筆圧の標準偏差、食み出し回数などの第1読み書き能力指標を含む。
【0218】
たとえば、所定の読み書きテストスキームは標準の書き内容を含み、読み書きテストデータは、前記被検者の実際の書き内容を含む。評価モジュール420は、実際の書き内容及び標準の書き内容に基づいて、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を含む被検者の第2指標セットのテストデータを定め、第2読み書き能力指標セットのうち少なくとも1つの第2読み書き能力指標のテスト値を、少なくとも1つの読み書き能力指標のテスト値として取得することに用いられる。
【0219】
たとえば、第2読み書き能力指標セットは、文字のエラー数、文字順序のエラー数、筆画数のエラー数、筆順のエラー数、筆跡のエラー数などの第2読み書き能力指標を含む。
【0220】
たとえば、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値は標準値を含み、評価モジュール420は、少なくとも1つの読み書き能力指標のそれぞれに対して、被検者のテスト値及び標準値に基づいて標準値からの被検者のテスト値の偏差を定め、偏差に基づいて該読み書き能力指標の評価データを得ることにより、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データを得てから、この評価データを基づいて被検者の読み書き能力のレベルを決定することに用いられる。
【0221】
たとえば、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価参考値は、標準偏差をさらに含み、評価モジュール420は、読み書き能力指標のそれぞれに対して、偏差及び該読み書き能力指標の標準偏差に基づいて、該読み書き能力指標の評価データを得ることに用いられる。評価データは、被検者の該読み書き能力テスト指標の偏差の方向、及び標準偏差に対する偏差の倍数を示す。
【0222】
たとえば、評価モジュール420は、少なくとも1つの読み書き能力指標の評価データに基づいて、その標準偏差に対する特定の読み書き能力指標の偏差の倍数が第1倍数以下であることを示す第1偏差レベルに属する読み書き能力指標、その標準偏差に対する特定の読み書き能力指標の偏差の倍数が第1倍数よりも大きく第2倍数以下であることを示す第2偏差レベルに属する読み書き能力指標、及び、その標準偏差に対する特定の読み書き能力指標の偏差の倍数が第2倍数よりも大きいことを示す第3偏差レベルに属する読み書き能力指標を定め、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数、及び第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数のうちの少なくとも1つに基づいて、被検者の読み書き能力のレベルを決定することに用いられる。
【0223】
たとえば、いくつかの例では、第1偏差レベルは第1下位偏差レベルを含み、第2偏差レベルは第2下位偏差レベルを含み、第3偏差レベルは第3下位偏差レベルを含む。この場合、評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0224】
すなわち、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第2閾値に達し、または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第1閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを軽度のディスレクシアとして決定する。そのうち、第2閾値が第1閾値よりも大きい。
【0225】
または、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第3閾値に達し、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第4閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第5閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを中度のディスレクシアとして決定する。そのうち、第4閾値が、第1閾値よりも大きく、第3閾値よりも小さく且つ第5閾値よりも大きく、第3閾値が第2閾値よりも大きい。
【0226】
または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第7閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第6閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを重度のディスレクシアとして決定する。そのうち、第7閾値が第6閾値及び第4閾値よりも大きく、第6閾値が第5閾値よりも大きい。
【0227】
たとえば、いくつかの例では、第1偏差レベルは第1上位偏差レベルを含み、第2偏差レベルは第2上位偏差レベルを含み、第3偏差レベルは第3上位偏差レベルを含む。このとき、評価モジュール420は、以下のことに用いられる。
【0228】
すなわち、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第2閾値に達し、または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第1閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを1段の優秀読み書きとして決定する。そのうち、第2閾値が第1閾値よりも大きい。
【0229】
または、第1偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第3閾値に達し、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第4閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第5閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを2段の優秀読み書きとして決定する。そのうち、第4閾値が、第1閾値よりも大きく第3閾値よりも小さく且つ第5閾値よりも大きく、第3閾値が第2閾値よりも大きい。
【0230】
または、第2偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第7閾値に達し、または、第3偏差レベルに属する読み書き能力指標の数が第6閾値に達する場合、被検者の読み書き能力のレベルを3段の優秀読み書きとして決定する。そのうち、第7閾値が第6閾値及び第4閾値よりも大きく、第6閾値が第5閾値よりも大きい。
【0231】
好ましくは、本願の一実施例では、前記装置400は、前記被検者の読み書き能力のレベルのテスト結果を出力する出力モジュールをさらに備える。
【0232】
たとえば、いくつかの実施例では、該装置400のインタラクティブ・インタフェースは、
図3B及び
図3Cに示されるものであってもよい。
【0233】
図5Aは、本願の別の一実施例の読み書き能力のテスト装置500の模式的なブロック図を示しており、
図5Bは、本願の別の一実施例の読み書き能力のテスト装置500の模式的なブロック図を示している。
【0234】
図5Aに示されるように、該装置500は、プロセッサ510とメモリ520とを備えてもよい。
【0235】
なお、該装置500は、他のコンピュータシステムに一般的に備えられる部品、たとえば、入力出力装置、通信インタフェースなどをさらに備えてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0236】
メモリ520は、コンピュータ実行可能命令を記憶する。
【0237】
メモリ520は、様々なタイプのメモリであってもよく、たとえば、高速ランダムアクセスメモリ(RandomAccess Memory、RAM)を含くんでもよく、少なくとも1つの磁気ディスクメモリである不揮発性メモリ(non−volatile memory)を含んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0238】
プロセッサ510は、該メモリ520にアクセスして、該コンピュータ実行可能命令を実行することで、上記本願の実施例の読み書き能力のテスト方法を実行する。
【0239】
プロセッサ510は、データ処理の機能を備える様々なプロセッサであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0240】
たとえば、本願の一実施例では、
図5Bに示されるように、読み書き能力のテスト装置500は、入力装置530をさらに備える。
【0241】
たとえば、入力装置530は、読み書きテストデータを生成するように、被検者に書かせるように構成される。
【0242】
たとえば、いくつかの例では、入力装置530は、筆圧センサー、タイマー、カメラ、プロセッサ、データメモリ、及び通信インタフェースなどの構成要素を備えてもよい。
【0243】
たとえば、タイマーは、被検者が書くときの時間を記録して、被検者の書き速度(文字/分)、合計書き時間(秒)、オンペーパー時間(秒)、休止時間(秒)、オンペーパー時間/休止時間(秒)などの読み書き能力指標を検出することができる。
【0244】
たとえば、筆圧センサーは、被検者が書くときの筆圧データを検出して、被検者からの筆圧などの読み書き能力指標を検出することができる。
【0245】
たとえば、カメラは、高速カメラであってもよく、被検者が書くときの書き移動軌跡を取得するのに用いられることで、被検者の文字のエラー数、筆画数のエラー数、筆順のエラー数、筆跡のエラー数などの読み書き能力指標を検出することができる。
【0246】
たとえば、プロセッサは、高速カメラ及び筆圧センサーによって取得されたデータに基づいて、書き者が書くときの様々なデータを得ることができる。
【0247】
たとえば、入力装置530は、ドットマトリックスペンまたはタブレットなどであってもよい。
【0248】
本願の実施例の読み書き能力のテスト装置は、本願の実施例の読み書き能力のテスト方法の実行主体に相当する。その各モジュールの上記及び他の操作及び/又は機能は、上記各方法のプロセスをそれぞれ実現するためのものであり、簡潔のために、ここで説明を省略する。
【0249】
本願の実施例は、読み書き能力のテストシステムをさらに提供する。該システムは、上記本願の様々な実施例の読み書き能力のテスト装置及び入力装置を備えてもよい。読み書き能力のテスト装置及び入力装置は、上記に記載された説明を参照すればよい。
【0250】
本願の実施例は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。該コンピュータ記憶媒体には、コンピュータに上記本願の実施例の読み書き能力のテスト方法を実行させるプログラムコードが記憶されている。
【0251】
本願の実施例は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。該命令は、コンピュータに実行されると、上記本願の実施例の読み書き能力のテスト方法をコンピュータに実行させる。
【0252】
本願の実施例では、用語「及び/または」は、関連対象の関連関係を説明するものにすぎず、3つの関係が存在できることを示すことが、理解すべきである。たとえば、A及び/またはBは、Aのみが存在し、AとBが同時に存在し、または、Bのみが存在するとの3つの場合を表すことができる。また、本明細書に記号「/」は、一般的に、前後の関連対象が「または」の関係であることを表す。
【0253】
本明細書に開示された実施例を参照して説明された各例示的なユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、または、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実現できることは、当業者であれば理解することができる。これらの機能は、ハードウェア又はソフトウェアの形態で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計制約条件によって決めされる。当業者は、各特定の応用に応じて異なる方法で記載された機能を実現することができるが、本願の範囲を逸脱することではない。
【0254】
説明の便宜上、上記記載されたシステム、装置及びユニットの具体的な動作過程は、上記の方法の実施例における対応する過程を参照すればよく、ここで説明を省略することが、当業者に明瞭に理解される。
【0255】
本願に係るいくつかの実施例では、開示されたシステム、装置及び方法は、他の形態により実現されてもよいことは理解すべきである。たとえば、以上に記載された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、たとえば、前記ユニットの区画は、ロジック機能の区画に過ぎず、実際の実装において他の区画によるものであってもよく、たとえば、複数のユニットまたは要素は、他のシステムに組み合わせまたは統合してもよく、または一部の特徴を無視したり実行しなかったりしてもよい。また、表示または検討される相互結合または直接的な結合または通信可能な接続は、いくつかのインタフェース、装置またはユニットを介する間接的な結合または通信可能な接続であってもよく、電気的、機械的、または、他の形態であってもよい。
【0256】
分離部材として記載された前記ユニットは、物理的に分離してもよく、物理的に分離しなくてもよく、ユニットとして示される部材は、物理的ユニットであってもよく、または、物理的ユニットでなくてもよく、すなわち、1つの場所に位置してもよく、または、複数のネットワークユニットに分散してもよい。実際のニーズに応じて、一部または全てのユニットを選択して本実施例の技術案の目的を実現することができる。
【0257】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットがそれぞれ物理的に存在し、さらに、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0258】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、且つ独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納できる。このような知見に基づき、本願の技術案では、本質的に、または従来技術に寄与する部分、または該技術案の一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化でき、該コンピュータのソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置などであってもよい)に本願の各実施例に記載された方法の全部または一部のステップを実行させるための複数の命令を含む。上記記憶媒体は、Uディスク、モバイルディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなど、プログラムコードを格納可能な様々な媒体を含む。
【0259】
以上、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲は、これに限定されるものではなく、本願に開示される技術範囲内、当業者が容易に想到できる変更や置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は、前記特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。