(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の流体経路と前記第2の流体経路との間で、前記一連の分注の間に、前記第1の流体経路から前記第2の流体経路への方向にのみ流体が流れる、請求項16に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0035】
分析器用ディスペンサは、所望の流体温度及び/又は所望の流体温度範囲で流体を分注するのを容易にする1つ以上の特徴を備えることができる。これらの特徴によって、例えば、分注流体の一部又は全部を引き戻す、及び/又はパージすることなく、複数の分注速度、周波数において、広範囲の分注容量を伴って、この所望の流体温度、及び/又は所望の流体温度範囲を更に維持することができる。
【0036】
一実施形態では、ディスペンサは、本明細書では「第1の流体経路(first fluid pathway)」及び/又は「第1の流体パス(first fluid path)」とも呼ばれる第1の流
体経路(first fluidic pathway)を含むことができる第1の構造体を備えることがで
きる。第1の流体経路は、第1の構造体内に配置することができ、熱源と熱的に連通することができる。この熱連通のおかげで、熱源によって、第1の流体経路内の流体を加熱することができる。
【0037】
プローブを第1の構造体に接続することができる。本プローブは、本明細書において「第2の流体経路(second fluid pathway)」及び/又は「第2の流体パス(second fluid path)」とも呼ばれる第2の流体経路(second fluidic pathway)を備えること
ができる。本プローブは、第1及び第2の流体経路が接続して、流体が第1の流体経路を通って、次に第2の流体経路を通って流れることを可能にするように、第1の構造体に接続することができる。更に、本プローブは、第1の構造体に熱的に接続することができ、それによって、熱源によって第1の構造体を介して、プローブを間接的に加熱することができる。プローブと第1の構造体との間のこの熱的接続は、プローブを所望のプローブ温度及び/又は所望のプローブ温度範囲内に維持するようなものとすることができる。流体はプローブの出口で分注される。したがって、分注ポイントにおける流体の温度は、所望の温度及び/又は所望の温度範囲内に維持することができる。いくつかの実施形態では、この所望のプローブ温度及び/又は所望のプローブ温度範囲は、所望の流体温度及び/又は所望の流体温度範囲と同じであっても異なっていてもよい。
【0038】
次に
図1A及び
図1Bを参照すると、ディスペンサ100の一部分の第1の実施形態の側面図が示されている。いくつかの実施形態では、ディスペンサ100は、1つ以上の試料を分析するために使用され得る分析器の一部分とすることができる。ディスペンサ100は、例えば、洗浄緩衝液ディスペンサを含む任意の所望のタイプのディスペンサであってもよい。ディスペンサ100は、所望の速度、分注間の周期、及び/又は所望の温度で、所望の量の流体の分注を可能にするように構成された1つ以上の特徴を備えることができる。本発明の一部は、最小分注容量の観点から望ましい流体の分注容量を説明しているが、流体の所望の分注容量は、択一的に、最大分注容量、又は最小及び最大分注容量の間の任意の分注容量とすることができる。
【0039】
図1A〜
図4Bの実施形態では、ディスペンサ100は、約100μl〜約500μlの容量、及び/又は任意の他の中間容量を分注することができ、約1035μlの全流体容量を保持することができる。あるいは、
図5〜
図7の実施形態では、ディスペンサ100は、約5μl〜約2500μlの容量、及び/又は任意の他の中間容量を分注することができ、5000μlまでの全流体容量を保持することができる。
【0040】
ディスペンサ100は、分注間の予め選択された周期で、分注容量を分注することができる。分注間の予め選択された周期は、所望のスループットレベルに応じて変化し得る。ディスペンサ100は、約9秒〜無限大、1秒〜9秒、及び/又は任意の他の中間値の分注間の予め選択された周期で分注することができる。多くのアッセイを短時間で処理する必要がある場合、ディスペンサ100は、約9秒ごと、又は9秒未満の任意の周期で分注するように構成することができる。Beckman Coulter Unicel DxI 800免疫検定法システムで時間当たり400回の試験などの高スループット条件を実行すると、システムのディスペンサは9秒ごとに分注する。これに対して、アッセイシステムがアイドルである場合、ディスペンサ100は、約4時間に1回しか分注しないこともある。本システムは、業務時間外など、4時間を超えてアイドル状態になることさえある。
【0041】
ディスペンサ100は、予め選択された温度又は温度範囲で流体を加熱及び分注するように構成することができる。アッセイの温度プロファイルには、アッセイ反応混合物の温度を約37℃にする必要がある場合、ディスペンサは、約37℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注するように構成され得る。
図1A〜
図4Bの実施形態では、ディスペンサ100は、約37℃±0.7℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注することができる。
図5〜
図8の実施形態では、ディスペンサ100は、約37℃±2℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注することができる。あるいは、他のアッセイの温度プロファイルには、異なるアッセイ反応混合物温度が必要であることがある。したがって、他の実施形態では、ディスペンサ100は、約20℃、約30℃、約35℃、約37℃、約37℃±0.5℃、約40℃、約50℃、及び/又は任意の他の中間値で流体を分注することができる。
【0042】
予め選択された温度又は温度範囲は、例えば、熱源230の熱源設定点を設定することによって、構成することができる。熱源230は、その設定点を第1の予め選択された温度範囲内の温度に設定することによって、第1の構造体を第1の予め選択された温度範囲に、プローブを第2の予め選択された温度範囲に加熱するのに好適である。
図1A〜
図4Bの実施形態では、熱源230の設定点を約37.7℃に設定して、第1の構造体を約36〜38℃の第1の予め選択された温度範囲に、プローブを第2の予め選択された約26〜36℃の温度範囲に加熱することができる。
図5〜
図7の実施形態では、熱源230の設定点を約37.7℃に設定して、第1の構造体を約36〜38℃の第1の予め選択された温度範囲に、プローブを約25〜36℃の第2の予め選択された温度範囲に加熱することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、流体は約20℃、約30℃、約35℃、約37℃、約40℃、約50℃、約60℃、約75℃の温度で、約37℃±0.5℃で、約37℃±0.7℃で、及び約37℃±2℃で、及び/又は任意の他の若しくは中間の温度若しくは温度範囲で、分注することができる。したがって、一例として、ディスペンサ100は、約55℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注することができる。熱源230の設定点を約55℃に設定して、第1の構造体を約55℃±2℃の予め選択された温度範囲で、プローブを約55℃±15℃の第2の予め選択された温度範囲に加熱することにより、ディスペンサ100は、約55℃±2℃の予め選択された温度範囲で流体を分注することになる。同様に、更なる実施例として、ディスペンサ800は、約55℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注することができる。熱源900の設定点を約55℃に設定して、第1の構造体を約55℃±2℃の予め選択された温度範囲で、プローブを約55℃±15℃の第2の予め選択された温度範囲に加熱することにより、ディスペンサ100は、約55℃±2℃の予め選択された温度範囲で流体を分注することになる。
【0044】
いくつかの実施形態では、これらの温度の1つ以上は、熱源設定点に対応することができる。本明細書で使用される場合、「約」とは、関連付けられた値の10%以内の値を指すものである。
【0045】
ディスペンサ100は、本明細書では「第1の構造体」又は「加熱可能な構造体」とも呼ばれる加熱モジュール102と、プローブ104とを備えることができる。第1の構造体102内の第1の流体経路とプローブ104内の第2の流体経路との一方又は双方に含まれる流体を、予め選択された温度及び/又は予め選択された温度範囲内に加熱できるように、第1の構造体102を構成することができる。第1及び第2の流体経路の一方又は双方に含まれる流体は、静的又は動的な流体とすることができる。したがって、第1の構造体102は、静的又は動的な流体を加熱及び維持することができる。ディスペンサ100が流体の分注、吸引、又は交換のプロセスにあるとき、第1の流体経路と第2の流体経路とのうちの一方又は双方に含まれる流体は動的であり得る。あるいは、ディスペンサ100が分注又は吸引の動作の間にあるとき、第1の流体経路と第2の流体経路とのうちの一方又は双方に含まれる流体は静的であり得る。したがって、流体経路に含まれる流体は、動的であっても静的であってもよい。
【0046】
流体が第1及び第2の流体経路に含まれる実施形態では、第1の流体経路に含まれる流体は第1の流体部分と呼ぶことができ、第2の流体経路に位置する流体は第2の流体部分と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、ディスペンサ100から分注される流体は、第1及び第2の流体部分の組み合わせを含むことができ、いくつかの実施形態では、分注された流体には、第2の流体経路内の第2の流体部分からよりも、第1の流体経路内の第1の部分から、より多くの流体が含まれ得る。いくつかの実施形態では、この第1の流体経路は、流体が第1の流体経路及び第1の構造体102に入る入口と、流体が第1の流体経路及び第1の構造体102を出る出口とを含むことができる。
【0047】
図1A及び
図1Bに示すように、第1の構造体102は、ハウジング106を含む。ハウジング106は、さまざまな形状及び寸法を備えることができ、さまざまな材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング106の全て又は一部は、第1の構造体102に含まれる流体と接触することができる。かかる実施形態では、ハウジング106は、流体とは非反応性の材料から作製することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング106に接触しないように流体を収容することができる。かかる実施形態では、ハウジング106の材料は、流体との潜在的又は実際の反応性によっては制約されない。
図1に示す実施形態では、ハウジング106は、例えば、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマーから作製することができる。一実施形態では、ハウジング106は、0.0020W/cm℃(0.20W/mK)の熱伝導率を有する透明鋳造アクリルを含むことができる。
【0048】
ハウジング106は、コア108を含むことができる。コア108は、さまざまな形状及び寸法を備えることができる。いくつかの実施形態では、コア108は、例えば円筒形であり得る細長い部材とすることができる。いくつかの実施形態では、コア108は、1つ以上の空間がハウジング106とコア108との間に存在するように、ハウジング106に対して配置され得る。これらの空間は、第1の流体経路110を画定することができる。いくつかの実施形態では、これらの1つ以上の空間は、コア108の外壁113上に配置された1つ以上の隆起部112によって画定することができる。これらの隆起部112は、例えばハウジング106と係合して第1の流体経路110を形成する1つ以上の空間を画定するような寸法及び形状とすることができる。いくつかの実施形態では、隆起部112は、コア108の外壁113の全部又は一部の周りに延在し、
図1A及び
図1Bの第1の実施形態に見られるように、いくつかの実施形態では、隆起部112の一部又は全部がコア108の外壁113の周りを螺旋状に覆い、第1の流体経路110の一部又は全部が、コア108の外壁113の周りに同様に螺旋状に覆ってもよく、これによって、例えば、第1の流体経路110に螺旋形状を付与することができる。
【0049】
図1〜
図7の実施形態は、螺旋形状を有する第1の流体経路110を示している。螺旋形状は、同じ直径を有する直線状の円筒管として構成された流体経路と比較して、より多くの流体を第1流体経路110に収容することができるので、利点を有するものである。したがって、同じ直径を有する直線状の円筒管と比較して、螺旋形状は第1の構造体の表面積を最大にする。螺旋形状はまた、吸引及び分注の間に一掃されないデッドスペースが最小限か0であるため、有利である。これにより、後の移送を汚染する可能性のある液体のポケットの残留を防止する。
【0050】
コア108は、さまざまな形状及び寸法を含むことができ、さまざまな材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、コア108の材料は、例えば、反応性、熱伝導率などを含む1つ以上の材料特性に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、コア108の全て又は一部が、第1の構造体102に含まれる流体と接触し得る。
図1〜
図7の実施形態では、第1の流体経路110に含まれる流体は、コア108と接触しており、コア108から第1の流体経路110に含まれる流体への熱伝達が可能となる。いくつかの実施形態では、コア108は、流体と接触しているが流体とは反応しない材料から作製することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、流体は、コア108に接触しないように収容されてもよい。かかる実施形態では、コア108に使用する材料は、流体との潜在的又は実際の反応性によっては制約されない。
【0051】
いくつかの実施形態では、コア108の熱伝導率がディスペンサ100の機能に影響を及ぼし、所望の結果を達成するために所望の熱伝導率を有する材料を選択することができる。コア108は、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、ステンレス鋼、熱伝導性プラスチック、熱伝導率が少なくとも約0.7W/cm℃(70ワット/メートルケルビン(W/mK))の材料、前述のものの組み合わせ及び/又は合金、及び/又はその他、から作製することができる。熱伝導性プラスチックとは、少なくとも約0.0025W/cm℃(0.25W/mK)の熱伝導率を有するプラスチックを意味する。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、約0.0025W/cm℃(0.25W/mK)の熱伝導率を有する熱伝導性プラスチックである。
図1〜
図7の実施形態では、コア108は、ニッケル200合金から作製することができ、特に、約0.703W/cm℃(70.3W/mK)の熱伝導率、約8.9g/cm
3の密度、約456J/kg℃の比熱を示すニッケル200合金から作製することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、ニッケル200合金製のコア108を用いて、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒に約1回の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±0.7℃の所定の温度で、例えば、約500μlを分注することができる。
図5〜
図7の実施形態では、ニッケル200合金製のコア108を用いて、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒に約1回の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±2℃の所定の温度で、例えば、約500μlを分注することができる。
【0052】
図1〜
図7の実施形態では、
図1A〜
図2B及び
図5に示すように、螺旋形状を有する第1の流体経路110は、コア108とハウジング106との組み合わせによって囲まれている。
図1A〜
図4Bの実施形態では、ニッケル200合金製のコア108を用いて、第1の流体経路110に含まれる流体と接触するコア108の部分は、約18℃の水との間で、静的状態では約7.5W/m
2K、動的状態では約2,215.1W/m
2Kである熱伝達係数を達成することができる。
図5〜
図7の実施形態では、ニッケル200合金製のコア108を用いて、第1の流体経路110に含まれる流体と接触するコア108の部分は、約18℃の水との間で、静的状態では約8.0W/m
2K、動的状態では約8,155.4W/m
2Kである熱伝達係数を達成することができる。
図1〜
図7の実施形態では、アクリル製のハウジング106を用いて、第1の流体経路110に含まれる流体と接触するアクリルの部分は、静的状態で約5.035W/m
2K〜約6.92W/m
2Kである熱伝達係数を達成することができる。
【0053】
第1の構造体102は、ディスペンサに電力を供給するために、及び/又はディスペンサ100から信号(例えば、1つ以上の制御信号、検出信号など)を送信/受信するために使用され得る1つ以上のワイヤを含むことができるケーブル114を更に備えることができる。
【0054】
プローブ104は、第1の構造体102から流体を受け取り、その流体を送出することができる。プローブ104は、さまざまな形状及び寸法を含むことができ、さまざまな材料から作製することができる。プローブ104は、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、ステンレス鋼、熱伝導性プラスチック、熱伝導率が少なくとも約0.7W/cm℃(70ワット/メートルケルビン(W/mK))、熱伝達係数が約19ワット/平方メートルケルビン(W/m
2K)の材料、前述のものの組み合わせ及び/又は合金、及び/又はその他、から作製することができる。
図1〜
図7の実施形態では、プローブ104は、ニッケル200合金から作製することができ、特に、約0.703W/cm℃(70.3W/mK)の熱伝導率、約8.9g/cm
3の密度、約456J/kg℃の比熱を示すニッケル200合金から作製することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、ニッケル200合金製のプローブ104を用いて、静止状態で約19W/m
2Kの熱伝達係数を達成することができる。
図5〜
図7の実施形態では、ニッケル200合金製のプローブ104を用いて、静的状態で約10W/m
2Kの熱伝達係数を達成することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、ニッケル200合金製のプローブ104を用いて、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒に約1回の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±0.7℃の所定の温度範囲で、例えば、約500μlを分注することができる。
図5〜
図7の実施形態では、ニッケル200合金製のコア108を用いて、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒に約1回の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±2℃の所定の温度範囲で、例えば、約500μlを分注することができる。
【0055】
あるいは、
図5〜
図7の実施形態では、プローブ104をステンレス鋼で作製することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、ステンレス鋼製のプローブ104とニッケル200合金製のコア108を用いて、熱源230の設定点を約37.7℃に設定して、第1の構造体を約36〜38℃の第1の予め選択された温度範囲に、プローブを第2の予め選択された約21.5〜36℃の温度範囲に加熱することができる。
【0056】
プローブ内の第2の流体経路の寸法は、理想的なフィンに近似するように設計される。理想的なフィンは、熱抵抗のない理想的な熱伝達の熱特性を示す均一な断面の長い円形フィンである。プローブは、以下で更に説明するように、複数の次元によって定義することができる。
【0057】
理想的なフィンは、フィン効率及びフィン有効度によって定義することができる。フィン効率は、熱源(T
base)から周囲環境(T
amb)へ熱を伝導する理想的なフィンの性能の尺度である。フィン効率を測定するために、プローブの第2の流体経路にわたる実際の温度勾配を、プローブの第2の流体経路にわたる理想的な温度勾配と比較してもよい。理想的な温度勾配は、熱抵抗のない理想的な熱伝達の熱特性を示すことができる。理想的な状況では、プローブの第2の流体経路の入口における温度は、プローブの第2の流体経路の出口における温度と同じであり得るため、プローブの第2の流体経路にわたる理想的な温度勾配は、例えば、1とすることができる。
【0058】
このフィン効率は、以下の式に従って決定することができる。ここで、
N
finはフィン効率であり、
m
finは次のように定義される。
【数1】
h
probeはプローブの熱伝達係数、
kはプローブの材料の熱伝導率、
d
probeはプローブの直径である。
L
cは臨界長であり、次のように定義される。
【数2】
L
probeはプローブの長さである。
【数3】
【0059】
フィン有効度は、(1)第1の構造体からプローブにどれだけの熱が伝達されているかを、(2)プローブがない第1の構造体に対して比較することである。これによって、第1の構造体にプローブを連結することが正当化されるので、1より大きいフィン有効度が望ましい。フィン有効度が1以下であることは、(1)プローブに連結された第1の構造体と、(2)プローブに結合されていない第1の構造体との間に差がないことを意味し、第1の構造体にプローブを連結することが正当化されない。
【0060】
このフィン有効度は、以下の式に従って決定することができる。
E
finはフィン有効度、
T
hは、第1の温度及び/又は温度範囲における流体の温度、
T
iは、第2の温度及び/又は温度範囲における流体の温度、
h
probeはプローブの熱伝達係数又は境膜係数、
A
baseは、プローブが取り付けられた第1の構造体の部分の面積、
Q
finはプローブに伝達される熱量である。
【数4】
【0061】
図1A〜
図4Bの実施形態では、プローブ104がニッケル200合金製である場合、プローブ104は約0.79のフィン効率と約69のフィン有効度を示すことができる。約0.79のフィン効率とは、プローブ104が理想的なフィン効率の約79%であり得ることを意味する。フィン有効度が約69であることは、第1の構造体102の端部にプローブ104を備えることにより、熱伝達の効果が約69倍に増加することを意味する。
図5〜
図7の実施形態では、プローブ104がニッケル200合金製の場合、プローブ104は約0.89のフィン効率と約102のフィン有効度を示すことができる。約0.89のフィン効率とは、プローブ104が理想的なフィン効率の約89%であり得ることを意味する。フィン有効度が約102であることは、第1の構造体102の端部にプローブ104を備えることにより、熱伝達の効果が約102倍に増加することを意味する。
【0062】
コア108及びプローブ104の材料はまた、いくつかの実施形態では、流体と適合していてもよい。洗浄緩衝液は、コア108の材料を劣化させる可能性がある既知の酸化剤である。洗浄緩衝液は、金属の表面から金属を酸化し得る。続いて、酸化された金属は流体に入り、酵素反応を引き起こす恐れがある。酸化された金属は、放出された化学発光と反応し、アッセイ結果において偽陰性又は偽陽性を引き起こすことがある。ニッケル200合金は315℃までの温度を含む優れた耐酸化性を示す。ニッケル200合金は、洗浄緩衝液と反応しないか、又はLumi−Phos 500基質流体に著しくは影響を及ぼさないことが明らかになっている。
【0063】
いくつかの実施形態では、プローブ104は、近位端116と、遠位端118と、プローブ104の近位端116と遠位端118との間に延在する、本明細書では第2の流体経路とも呼ばれる管腔と、を有することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、プローブ104の第2の流体経路は、約54μlの容量を保持することができる。あるいは、
図5〜
図7の実施形態では、プローブ104の第2の流体経路は、約80μlの容量を保持することができる。他の実施形態では、プローブ104の第2の流体経路は、移送される流体の量に適した容量、即ち、約5μl、約10μl、約20μl、約30μl、約40μl、約50μl、約60μl、約70μl、約90μl、約100μl、約150μl、約200μl、及び/又は任意の中間容量、を保持することができる。
【0064】
次に
図2A及び
図2Bを参照すると、ディスペンサ100の第1の実施形態の断面図が示されている。
図2A及び
図2Bに見られるように、ディスペンサ100は、ハウジング106とコア108とを含む第1の構造体102を備える。説明したように、ハウジング106及びコア108は、共に隆起部112を介して第1の流体経路110を画定する。第1の流体経路110は、ハウジング106内に配置された入口200、入口200をコア108の外壁113に接続する入口チャネル202、出口206、及び出口206をコア108の外壁113に接続する出口チャネル208を更に備える。シール210は、コア108とハウジング106との間を出口206に近接して延在している。シール210は、Oリング又は類似のシールとすることができ、流体が第1の流体経路110から漏洩するのを防止することができる。接続部212がプローブ104のコネクタ214に接続されると、通常の振動及び動作中にプローブ104が接続部212から外れるのを防止するために、シール210が圧縮されてプローブ104に適合するフィードバックを提供する。
【0065】
出口206は、第1の構造体102の一部、具体的にはコア108の一部である接続部212上に配置される。接続部212は、プローブ204のコネクタ214に接続され、それによって、第1の流体経路110の出口206を、入口218及び出口220を有する第2の流体経路216に流体的に接続することができる。いくつかの実施形態では、ディスペンサ100は、出口220を通して流体を分注するように構成することができ、及び/又はいくつかの実施形態では、ディスペンサ100は、出口220を通して流体を吸引するように構成することができる。かかる実施形態では、ディスペンサ100は、約5μl〜約500μl、約25μl〜約55μl、及び/又は中間容量の流体を吸引するように構成することができる。
図1A〜
図7の実施形態では、ディスペンサ100は、約5μl〜約500μlの容量、及び/又は任意の中間容量の流体を吸引することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の構造体102が第1の温度及び/又は第1の温度範囲にあるとき、プローブ104は第2の温度及び/又は第2の温度範囲にあるように、接続部212及びコネクタ214は、第1の構造体102からプローブ104への所望の熱伝達度を達成するような寸法、形状、及び/又は設計とすることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の温度並びに/又は温度範囲のうちの一方又は双方を予め選択することができる。いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と同じであってもよく、いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と異なってもよい。
【0067】
図2A〜
図3Bに示すように、接続部212及びコネクタ214は、プローブ104と第1の構造体102とを物理的に接続し、第1の流体経路110と第2の流体経路216とを流体的に接続することができ、プローブ104と第1の構造体102とを熱的に接続することができる。第1の構造体102とプローブ104とは、コネクタ214と接続部212とのねじ継手、例えば、雄型及び雌型の5/16−18 UNCねじなど、によって接続することができる。
図2〜
図3に示されるように、コネクタ214は、ねじ継手によって接続部212と係合する。コネクタ214の内面は、接続部212の外面上の対応するらせん状のねじと、回転によって係合するらせん状のねじを有する。いくつかの実施形態では、コネクタ214が接続部212と係合すると、接続部112の外面はコネクタ214の内面と物理的に接触し、第1の構造102とプローブ104との間の熱伝導が可能となる。コネクタ214がこのねじ継手によって接続部212と係合すると、約18℃の周囲温度で動作するディスペンサ100は、約9秒の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±2℃の所定の温度で、例えば、約500μlを分注することができる。また、コネクタ214が接続部212と係合すると、第1の流体経路の出口206は、第2の流体経路216の入口218と流体連通することになる。接続部212及びコネクタ214の関連する寸法は、
図3A及び
図3Bを参照して以下に更に説明される。
【0068】
ワンピースの構造体と比較して、第1の構造体102とプローブ104とは分離されているが連結可能な構造体とすることは、上述したように、供用性が向上するので有利である。プローブ104に欠陥が生じた場合、ユーザ又は保守要員は、ディスペンサ全体ではなく、プローブのみを交換することができる。ディスペンサが分析器全体にどのように接続されているかを理解する必要があるため、ディスペンサ全体を交換するのは面倒で時間を要するものとなり得る。あるいは、別のディスペンサは、ディスペンサ内に埋め込まれたプローブを含み、かかるプローブを交換するためには、ディスペンサを分解してかかるプローブを取り外す方法を理解する必要がある。平均的なユーザは、ディスペンサを交換、分解する方法を知らないか、又はその時間がなく、したがって定期保守要員が必要となり、それによって時間が遅延することになる。したがって、それ(第1の構造体102とプローブ104とを一体ではなく連結可能な構造体とすること)によれば、ディスペンサ全体を交換又は分解する必要なく、プローブの交換が簡単で、コストと時間を節約できるため、保守性が向上することになる。
【0069】
図2A及び
図2Bに見られるように、いくつかの実施形態では、コア108は、例えば、一端が閉じられ、他端が開放され得る細長い内部容積224とすることができるコア108の内部容積224を画定し得る内壁222を備えることができる。コア108の内部容積224は、ケーブル114に近接する頂部226と、コア108の接続部212に近接する底部228とを有してもよい。図示のように、内部容積224の頂部226は開いており、内部容積224の底部228は閉じている。
【0070】
コア108は、それを加熱することができて、かつ、コア108からの熱伝達を介して間接的にプローブ104を加熱することができる熱源230を備える、及び/又はそれに接続することができる。実施形態において、熱源230をコア108に一体化することができ、いくつかの実施形態では、熱源230は、コア108と物理的及び/又は熱的に接続することができる。
図1A〜
図7の実施形態では、熱源230はコア108に直接接続/連結されるが、熱源230はプローブ104に直接接続/連結されない。熱源230は、コア108を介してプローブ104と熱的に連通しており、それによって、プローブ104は、熱源230からのコア108又はそれらの組み合わせを介した熱を、コア108及び熱源230から伝導することが可能となる。プローブ104をこのように間接的に加熱すれば、プローブ104の温度を有利に制御する一方で、小径の反応容器及び他の流体容器と適合するようプローブ104の直径を制限することになる。他の実施形態では、熱源230は、プローブ104に直接接続/連結することができる。
【0071】
熱源230は、さまざまな形状、寸法、及びタイプを含むことができ、所望の流体温度及び/又は流体温度範囲を達成するための熱源230の性能/適合性に基づいて、1組の所望の及び/又は予想される動作条件の下で、それらを選択することができる。いくつかの例示的な実施形態では、熱源230は、循環水式熱源、抵抗熱源、ヒートポンプなどを含むことができる。1つの特定の例示的な実施形態では、
図2A及び
図2Bに示すように、熱源230は、例えば、12Wエッチングされたフォイル抵抗ヒータなどのエッチングされたフォイル抵抗ヒータを含むことができ、これはコア108の内部容積224に配置され、特に、コア108の内壁222に固定することができる。熱源230が抵抗熱源である実施形態では、熱源230の電力は、ケーブル114を介して供給され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、コア108の内部容積224はまた、サーミスタ232などの熱感知素子を含むことができる。熱感知素子は、第1の構造体102の全部又は一部の温度を検出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、熱感知素子は、第1の構造体102の一部の温度、具体的には出口206に近接するコア108の部分の温度を検出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コア108の内部容積224の底部228に熱感知素子を配置して、出口206に近接したコア108の一部の温度を感知することができる。熱感知素子は、ケーブル114の1つ以上のワイヤに電気的に接続することができ、第1の構造体102及びプローブ104のうちの一方又は双方の温度を調節するように構成することができる温度コントローラに接続することができる。
【0073】
内部容積224は、温度ヒューズ(TCO)234を更に含むことができる。TCO234は、熱源230の温度及び/又はコア108のうちの1つ以上の部分の温度及び/又は第1の構造体102の温度を検出し、検出された温度が閾値を超えた場合に、熱源230の動作に影響を与えるように構成することができる。いくつかの実施形態では、TCO234は、例えばバイメタルスイッチなどのスイッチを備えることができる。いくつかの実施形態では、TCO234によって測定された温度が閾値を超えると、熱源230への電力が減少及び/又は切断される。いくつかの実施形態では、TCO234は、コアの内部容積224の上部226に近接して配置することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、コア108の内部容積224の残りの部分を内側コア236で充填することができる。内側コア236は、内部容積224内の残りの空間を充填し、それによってコア108の内部容積224に位置する構成要素に支持を提供し、コア108の内部容積224に位置する構成要素を熱的に接続するように構成することができる。いくつかの実施形態では、内側コア236は、例えば1つ以上のエポキシ樹脂などの1つ以上の樹脂を含むことができる。特定の一実施形態では、内側コア236は、1つ以上の熱伝導性エポキシ樹脂を含むことができる。
【0075】
コア108は、ハウジング106内に取り付け及び/又は固定することができる。いくつかの実施形態では、
図2Aに示すように、コア108は、コア108の出口206に近接して配置された第1のスナップリング238などの第1の固定機構、内部容積224の頂部226に近接して配置された第2のスナップリング240などの第2の固定機構、及び第2のスナップリング240と内部容積224の頂部226との間に配置された波ばね242などのばねを介して、ハウジング106内に取り付け、及び/又は固定することができる。これらの機構238,240,242は、コア108をハウジング106内に固定するために、相互に、及びコア108及びハウジング106と、相互作用することができる。
【0076】
次に
図3A及び
図3Bを参照すると、コア108及びプローブ104の実施形態の断面図が示されている。
図3A及び
図3Bに示されるコア108は、外壁113に配置された複数の隆起部112を含み、この隆起部は複数の溝300を画定する。
図1A〜
図4Bの実施形態では、各溝300は、約0.24センチメートル(0.094インチ)の直径を有する。コア108は更に、コア108の内壁222によって画定され、かつ頂部226及び底部228を有する内部容積224を含んでいる。コア108は更に、プローブ104のコネクタ214に接続する接続部212を含んでいる。プローブ104は、近位端に近接した入口218を含む近位端116と、遠位端に近接した出口220を含む遠位端118と、入口218と出口220との間に延びる管腔を含む第2の流体経路216とを備えている。
【0077】
いくつかの実施形態では、コア108とプローブ104の双方が複数の寸法によって画定される。
図1A〜
図4Bの実施形態では、コア長さAは、約7.1センチメートル(2.8インチ)、約7.32センチメートル(2.88インチ)、約8センチメートル(3インチ)、約8.019センチメートル(3.157インチ)、3〜13センチメートル(1〜5インチ)、5〜10センチメートル(2〜4インチ)、6.4〜8.9センチメートル(2.5〜3.5インチ)、6.99〜8センチメートル(2.75〜3インチ)、8〜8.9センチメートル(3〜3.5インチ)、又は任意の他の若しくは中間値、又は他の若しくは中間の範囲内である。コア108の内部容積は、内部容積の頂部226から底部228まで測定した内部容積長さBによって画定することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、内部容積長さBは、約5センチメートル(2インチ)、約5.16センチメートル(2.03インチ)、約5.164センチメートル(2.033インチ)、約5.8センチメートル(2.3インチ)、約5.867センチメートル(2.310インチ)、3〜10センチメートル(1〜4インチ)、5〜8センチメートル(2〜3インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間の範囲内である。コア108は、コア直径Cによって更に画定することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、外側コア直径Cは約1.06センチメートル(0.419インチ)である。
【0078】
コア壁厚Dは、内壁222と外壁113との間で測定することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、コア壁厚Dは、溝の直径を省略しないと約0.208センチメートル(0.082インチ)であり、溝の直径を省略すると約0.089センチメートル(0.035インチ)である。
図1A〜
図4Bの実施形態では、内側コア直径Uは約0.648センチメートル(0.255インチ)である。
【0079】
プローブ104は、複数の寸法によって画定することができる。コネクタ214は、近位外側コネクタ直径E、近位長さK、近位内径L、遠位外側コネクタ直径N、遠位長さM、及び遠位内側コネクタ直径Fによって画定することができる。遠位内側コネクタ直径Fは、後述する細長い部材302の部材の直径Fにほぼ等しい。
図1A〜
図4Bの実施形態では、近位外側接続直径Eは約1センチメートル(0.4インチ)、近位長さKは約0.99センチメートル(0.39インチ)、近位内径Lは約0.64センチメートル(0.25インチ)、約0.66センチメートル(0.26インチ)、約0.99センチメートル(0.39インチ)、約1センチメートル(0.4インチ)、0.64〜1センチメートル(0.25〜0.5インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間の範囲内であり、遠位外側コネクタ直径Nは約0.38センチメートル(0.15インチ)、遠位の長さMは約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.46センチメートル(0.18インチ)、0.3〜0.5センチメートル(0.1〜0.2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間の範囲内であり、遠位内側コネクタ直径Fは約0.16センチメートル(0.062インチ)である。プローブ104は、第2の流体経路216を画定する細長い部材302を備え得る。細長い部材302は、部材の直径Fを有することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、部材の直径Fは、約0.16センチメートル(0.062インチ)であり、これは内側コネクタ直径Fと一致する。第2の流体経路216は、第2の流体経路直径Gを有することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、第2の流体経路直径Gは、約0.056センチメートル(0.022インチ)である。細長い部材302は壁厚Hを有することができる。
図1A〜
図4Bの実施形態では、壁厚Hは約0.05センチメートル(0.02インチ)である。細長い部材302は、入口218から出口220まで測定した部材長さがIであり得る。
図1A〜
図4Bの実施形態では、部材の長さIは、約3.18センチメートル(1.25インチ)、約3.43センチメートル(1.35インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約4.45(1.75インチ)、約5センチメートル2.0インチ)、約6.4センチメートル(2.5インチ)、約6.916センチメートル(2.723インチ)、約6.97センチメートル(2.75インチ)、約8センチメートル(3インチ)、約8.9センチメートル(3.5インチ)、3〜10センチメートル(1〜4インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間の範囲内である。長さJは、コア108の内部容積224の底部228からプローブ104の出口220まで測定されるものである。
図1A〜
図4Bの実施形態では、長さJは、約5センチメートル(2.0インチ)、約5.59センチメートル(2.20インチ)、約6.4センチメートル(2.5インチ)、約6.99センチメートル(2.75インチ)、約8.9センチメートル(3.5インチ)、約9.07センチメートル(3.57インチ)、約10センチメートル(4インチ)、3〜13センチメートル(1〜5インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間の範囲内である。したがって、
図1A〜
図4Bの実施形態では、部材長さIの壁厚Hに対する比は、約60、約67.5、約100、約130、約130、約136、約136.15、約150、及び/又は任意の他の若しくは中間値であり、部材長さIの第2の流体経路直径Gに対する比は、約60、約61.4、約100、約120、約123.77、約130、約150、及び/又は、任意の他の若しくは中間値である。部材長さIの部材直径Fに対する比は、約20、約21.8、約30、約40、約32、約43.19、約50、及び/又は任意の他の若しくは中間値であり、第2の流体経路直径Gの部材直径Fに対する比は約2.82である。
【0080】
接続部212は、長さK及び外径Lによって画定され得る。外径Lは、複数のらせん状のねじ山を含んでいる。接続部212の長さKは、コネクタ214の近位長さKにほぼ等しく、接続部212の外径Lは、コネクタ214の近位内径Lにほぼ等しい。したがって、コネクタ214が接続部212と係合すると、長さK及び接続部212の外径Lによって画定される接続部112の外面は、コネクタ213の近位の長さK及び近位の内径Lによって画定されるコネクタ214の内面と物理的に接触する。
【0081】
A〜Nに関する上述の寸法によって、
図1A〜
図4Bの例示的な実施形態を説明する。A〜Nがこれらの寸法を有する場合、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒に約1回の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±0.7℃の所定の温度で、例えば、約500μlを分注することができる。
【0082】
ディスペンサ100の寸法及び熱源230の配置によって、ディスペンサ100の異なる部分を異なる温度に維持することができる。これは、
図4A及び
図4Bに示されており、第1の組の温度における第1の構造体102と、コア108を介して、熱源230によって間接的に加熱される、第2の組の温度におけるプローブ104とを表している。具体的には、いくつかの実施形態では、出口206に近接するコア108及び/又は出口206から出る流体は、予め選択することができる第1の温度及び/又は第1の温度範囲内とすることができ、出口220に近接するプローブ及び/又は出口220から出る流体は、予め選択することができる第2の温度及び/又は第2の温度範囲内とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と同じであってもよく、いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と異なってもよい。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲は、例えば、約35℃〜38℃であり、第2の温度範囲は、例えば、25℃〜35℃とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲の上限は、第2の温度範囲の下限よりも最大で15℃高いことがあり得る。いくつかの実施形態では、ディスペンサは、約18℃の周囲温度で動作することができる。この実施形態の設計によれば、制御された温度範囲に対する影響を最小限に抑えながら、ある範囲の周囲温度での動作が可能となる。分析器用のディスペンサは、約18℃〜約36℃の周囲温度範囲で動作することができる。
【0083】
次に
図5を参照すると、ディスペンサ100の第2の実施形態の断面図が示されている。このディスペンサ100は、ハウジング106及びコア108を含む第1の構造体102と、プローブ104とを含んでいる。
図4に示すディスペンサ100の構成要素及び材料は、上述の実施形態で説明したものと同じであるが、それらの構成要素のいくつかの寸法、形状、及び/又は位置は異なるものである。
【0084】
次に
図6を参照すると、コア108及びプローブ104の第2の実施形態の断面図が示されている。
図6に示されるコア108は、外壁113に配置された複数の隆起部112と、コア108の内壁222によって画定されて頂部226及び底部228を有する内部容積224とを備える。コア108は更に、プローブ104のコネクタ214に接続する接続部212を含んでいる。
図6に示すように、プローブ104は、近位端116であってそれ自身に近接した入口218を備える近位端116と、遠位端118であってそれ自身に近接した出口220を備える遠位端118と、入口218と出口220との間に延在する管腔を含む第2の流体経路216と、を備えている。
【0085】
図6に見られるように、コア108とプローブ104の双方は、複数の寸法によって画定される。
図5〜
図7の実施形態では、コア長さAは約8.33センチメートル(3.28インチ)である。
【0086】
コア108の内部容積は、内部容積の頂部226から底部228まで測定した内部容積長さBによって画定することができる。
図5〜
図7の実施形態では、内部容積長さBは約6.1センチメートル(2.4インチ)である。コア108は、内部容積直径Cによって更に画定することができる。
図5〜
図7の実施形態では、内部容積直径Cは約0.97センチメートル(0.38インチ)である。コア壁厚Dは、内壁222と外壁113との間で測定され、最小厚さ又は最大厚さのいずれかとなり得る。
図5〜
図7の実施形態では、コア壁厚Dは、溝の直径を省略しないと約0.429センチメートル(0.169インチ)であり、溝の直径を省略すると約0.310センチメートル(0.122インチ)である。
図6に示すコア108は、外壁113上に配置された複数の隆起部112を含み、この隆起部は複数の溝300を画定する。
図5〜
図7の実施形態では、各溝300は、約0.24センチメートル(0.094インチ)の直径を有する。
図5〜
図7の実施形態では、内側コア直径Uは約0.97センチメートル(0.38インチ)である。
【0087】
プローブ104は、複数の寸法によって画定することができる。コネクタ214は、近位外側コネクタ直径E、近位長さQ、近位内径I、遠位外側コネクタ直径J、遠位長さK、及び遠位内側直径部内側コネクタ直径Lによって画定することができる。遠位内側直径部内側コネクタ直径Lは、後述する細長い部材302の第1の部材の直径F−1にほぼ等しい。
図5〜
図7の実施形態では、外側コネクタ直径Eは約1センチメートル(0.4インチ)、近位長さQは約0.99センチメートル(0.39インチ)、近位内径Iは約0.66センチメートル(0.26インチ)、遠位外側コネクタ直径Jは約0.38センチメートル(0.15インチ)、遠位長さKは約0.38センチメートル(0.15インチ)、遠位内側直径部内側コネクタ直径Lは約0.66センチメートル(0.26インチ)である。
【0088】
プローブ104は、第2の流体経路216を画定する細長い部材302を備え得る。細長い部材302は、入口218から出口220までの測定値がHである部材長さを有する。
図5〜
図7の実施形態では、当該部材の長さHは約10.00センチメートル(3.937インチ)である。細長い部材302は、第2の流体経路216の入口218に近接して配置された第1の部材直径F−1を更に有することができる。
図5〜
図7の実施形態では、第1の部材直径F−1は約0.300センチメートル(0.118インチ)であり、近位の壁厚F−3は約0.21センチメートル(0.081インチ)である。第2の部材直径F−2は、第2の流体経路216の出口220に近接して配置される。
図5〜
図7の実施形態では、第2部材の直径F−2は約0.14センチメートル(0.057インチ)であり、遠位の壁厚F−4は約0.05センチメートル(0.02インチ)である。より長いプローブ長さ、部材の長さHに適合するために、プローブ104の壁厚は、近位の壁厚F−3から遠位の壁厚F−4へと先細になる。第2の流体経路216は、第2の流体経路直径Gを有することができる。
図5〜
図7の実施形態では、第2の流体経路直径Gは、約0.094センチメートル(0.037インチ)である。したがって、
図5〜
図7の実施形態では、部材長さHの第2の流体経路直径Gに対する比は約106.4であり、部材長さHの近位壁厚F−3に対する比は約4.81、部材長さHの遠位壁厚F−4に対する比は約19.5、部材長さHの第1部材直径F−1に対する比は約33.4、部材長さHの第2部材直径F−2に対する比は約69.1、第1部材直径F−1の第2流体経路直径Gに対する比は約3.2、第2部材直径F−2の第2流体経路直径Gに対する比は約1.5である。
【0089】
接続部212は、長さR及び外径Sによって画定され得る。外径Sは、複数のらせん状のねじ山を備える。接続部212の長さRは、コネクタ214の近位長さHにほぼ等しく、接続部212の外径Sは、コネクタ214の近位内径Iとほぼ等しい。したがって、コネクタ214が接続部212と係合すると、接続部212の長さR及び外径Sによって画定される接続部112の外面は、コネクタ213の近位長さH及び近位内径Iによって画定されるコネクタ214の内面と物理的に接触する。A〜Lについて上述した寸法によって、
図5〜
図7の例示的な実施形態を説明する。A〜Lがこれらの寸法を有する場合、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒に約1回の分注間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±2℃の所定の温度で、例えば、約500μlを分注することができる。
【0090】
ディスペンサ100の寸法及び熱源230の配置によって、ディスペンサ100の異なる部分を異なる温度に維持することができる。これは、
図7に示されており、第1の組の温度における第1の構造体102と、コア108を介して、熱源230によって間接的に加熱される、第2の組の温度でのプローブ104とを表している。具体的には、いくつかの実施形態では、出口206に近接するコア108及び/又は出口206から出る流体は、予め選択することができる第1の温度及び/又は第1の温度範囲内とすることができ、出口220に近接するプローブ及び/又は出口220から出る流体は、予め選択することができる第2の温度及び/又は第2の温度範囲内とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と同じであってもよく、いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と異なってもよい。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲は、例えば、約35℃〜38℃であり、第2の温度範囲は、例えば、25℃〜35℃とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲の上限は、第2の温度範囲の下限よりも最大で15℃高いことがあり得る。
図7に見られるように、いくつかの実施形態では、ディスペンサは、約18℃の周囲温度で動作することができる。
【0091】
次に
図8を参照すると、ディスペンサ800の第3の実施形態の正面側の斜視図が示されている。ディスペンサ800は、分注間の所望の周期で、及び/又は所望の温度で、所望の容量の流体の分注を可能にするように構成された1つ以上の特徴を備えることができる。本発明の一部は、最小分注容量の観点から望ましい流体の分注容量を説明しているが、流体の所望の分注容量は、択一的に、最大分注容量、又は最小及び最大分注容量の間の任意の分注容量とすることができる。
【0092】
図8A〜
図12の実施形態では、ディスペンサ800は、約200μlまで分注することができる。他の実施形態では、ディスペンサ800は、約50μl〜約1,000μlの範囲の容量、及び/又は任意の中間値を分注することができる。
図8A〜
図12の実施形態では、ディスペンサ100は、約650μlの全流体容量を保持することができる。他の実施形態では、ディスペンサ100は、約500μl〜約6000μlの範囲の全流体容量、及び/又は任意の他の中間値を保持することができる。
【0093】
ディスペンサ800は、分注間の予め選択された周期で、最小分注容量を分注することができる。分注間の予め選択された周期は、例えば、所望のスループットレベルに応じて変化し得る。例えば、ディスペンサ800は、約9秒に1回から約4時間に1回まで、及び/又は任意の他の中間値の分注間の予め選択された周期で、最小分注容量を分注することができる。多くのアッセイを短時間で処理する必要がある場合、ディスペンサ800は、約9秒ごと、又は1〜9秒の間の任意の周期で最小分注容量を分注するように構成することができる。Beckman Coulter Unicel DxI 800免疫検定法システムで時間当たり400回の試験などの高スループット条件を実行すると、システムのディスペンサは9秒ごとに分注する。対照的に、アッセイシステムがアイドルである場合、ディスペンサ100は、約4時間以上で最小分注容量を分注するように構成することができる。本システムは、業務時間外など、4時間を超えてアイドル状態になることがある。したがって、他の実施形態では、ディスペンサ100は、約4時間を超える、例えば約4時間から無限大までの分注間の予め選択された周期で、又は任意の他の中間値で、最小分注量を分注するように構成することができる。
【0094】
ディスペンサ800は、予め選択された温度又は温度範囲で流体を加熱及び分注するように構成することができる。アッセイの温度プロファイルには、アッセイ反応混合物の温度を約37℃にする必要がある場合、ディスペンサは、約37℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注するように構成され得る。
図8A〜
図12の実施形態では、ディスペンサ800は、約37℃±0.5℃の予め選択された温度で流体を加熱及び分注することができる。あるいは、他のアッセイの温度プロファイルには、異なるアッセイ反応混合物温度が必要であることがある。したがって、他の実施形態では、ディスペンサ100は、約20℃、約30℃、約35℃、約37℃、約37℃±0.7℃、約37℃±2℃、約40℃、約50℃、及び/又は任意の他の中間値で流体を分注することができる。予め選択された温度又は温度範囲は、例えば、熱源900の熱源設定点を設定することによって、構成することができる。熱源900は、その設定点を第1の予め選択された温度範囲内の温度に設定することによって、第1の構造体を第1の予め選択された温度範囲に、プローブを第2の予め選択された温度範囲に加熱するのに好適である。熱源900の設定点を約37.5℃に設定して、第1の構造体を約36〜38℃の第1の予め選択された温度範囲に、プローブを約25〜36℃の第2の予め選択された温度範囲に加熱することができる。
【0095】
ディスペンサ800は、本明細書では「第1の構造体」とも呼ばれる本体802と、プローブ804とを備えることができる。第1の構造体802は、第1の構造体802内に含まれる流体を所望の温度及び/又は所望の温度範囲内に加熱することができるように構成することができる。したがって、第1の構造802は、流体が含まれ得る第1の流体経路を備えることができる。いくつかの実施形態では、この第1の流体経路は、流体が第1の流体経路及び第1の構造体802に入る入口と、流体が第1の流体経路及び第1の構造体802を出る出口とを含むことができる。
【0096】
図8A及び
図8Bに示すように、第1の構造体802は、バックプレート806、フロントプレート808、及びプローブプレート810を備えている。プレート806,808,810は、さまざまな形状及び寸法を含むことができ、さまざまな材料から作製することができる。
図8A〜
図12の実施形態では、プレート806,808、及び810の各々は、約0.61センチメートル(0.24インチ)の厚さを有する。他の実施形態では、プレート806,808,810のうちの1つ以上は、例えば、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.8センチメートル(0.3インチ)、約1センチメートル(0.4インチ)、約1センチメートル(0.5インチ)、約2センチメートル(0.6インチ)、約2センチメートル(0.8インチ)、約3センチメートル(1インチ)、及び/又は任意の中間値、の厚さを有することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、プレート806,808,810は、6061−T6アルミニウムなどのアルミニウムから作製される。6061−T6アルミニウムの熱伝導率は約1.67W/cm℃(167W/mK)である。他の実施形態では、プレート806,808,810は、他の金属、金属合金、又はアルミニウム合金で作製することができる。いくつかの実施形態では、プレート806,808,810は、流体チャネル内の流体に熱を伝達することができる熱量を備えることができる。いくつかの実施形態では、プレート806,808,810のうちの1つ以上は、約1.67W/cm℃(167W/mK)の熱伝導率を有する材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、プレート808及び810を一体化して1つのプレートを形成することができる。
【0098】
第1の構造体802は、ディスペンサに電力を供給するために、及び/又はディスペンサ800から信号(例えば、1つ以上の制御信号、検出信号など)を送信/受信するために使用され得る1つ以上のワイヤを含むことができるケーブル812を更に備えることができる。
【0099】
プローブ804は、第1の構造体802から流体を受け取り、その流体を送出することができる。プローブ804は、さまざまな形状及び寸法を含むことができ、熱を伝導することができるさまざまな材料から作製することができる。プローブ804は、バックプレート806を介して熱源900と熱的に連通することができる。したがって、プローブ804は、バックプレート806及び熱源900から熱を伝導し、熱源900からバックプレート806、又はそれらの組み合わせを介して熱を伝導することができる。
図11Aで説明するように、いくつかの実施形態では、プローブ804は、導電性コア1110及びシェル1112を備える。いくつかの実施形態では、導電性コア1110をシェル1112内に完全に封入することができ、いくつかの実施形態では、導電性コア1110をシェル1112内に部分的に封入することができる。いくつかの実施形態では、プローブ804は、近位端814と、遠位端816と、プローブ804の近位端814と遠位端816との間に延在する、本明細書では第2の流体経路とも呼ばれる管腔と、を有することができる。いくつかの実施形態では、プローブ804の第2の流体経路は、約5μl、約10μl、約20μl、約25μl、約30μl、約40μl、約50μl、約54μl、約60μl,約70μl、約75μl、約80μl、約90μl、約100μl、約150μl、約200μl、約250μl、約300μl、及び/又は任意の他の若しくは中間の容量を保持することができる。
【0100】
プローブ804は、ポリプロピレンでオーバーモールドされたアルミニウム製である。プローブ804がポリプロピレンでオーバーモールドされたアルミニウム製である場合、プローブ804は約0.96のフィン効率と約27のフィン有効度を示すことができる。約0.96のフィン効率とは、プローブ804のフィン効率が理想的なフィンの約96%であり得ることを意味する。フィン有効度が約27であることは、第1の構造体802の端部にプローブ804を備えることにより、熱伝達の効果が約27倍に増加することを意味する。また、プローブ804がポリプロピレンでオーバーモールドされたアルミニウム製である場合、プローブ804は、静的状態で約10W/m
2Kの熱伝達係数を達成することができる。
【0101】
次に
図9を参照すると、ディスペンサ800の裏側の斜視図が示されている。この図では、プレート806,808,810及びケーブル812を含む第1の構造体802、並びにプローブ804が見える。この図に更に示されているように、バックプレート806は、バックプレート806を直接加熱し、かつ間接的に熱プレート808,810をバックプレート806からの熱伝達によって加熱し、かつプローブ804をバックプレート806からの熱伝達によって間接的に加熱し得る熱源900を含んでいる。実施形態では、熱源900は、バックプレート806に一体化することができ、いくつかの実施形態では、熱源900は、バックプレート806と物理的及び/又は熱的に接続することができる。いくつかの実施形態では、熱源900をプローブ804に直接接続することができ、いくつかの実施形態では、熱源900はプローブ804に直接接続されていない。
【0102】
熱源900は、さまざまな形状、寸法、及びタイプを含むことができ、1組の所望の及び/又は予想される動作条件の下で、所望の流体温度及び/又は流体温度範囲を達成するための熱源900の能力に基づいて、それらを選択することができる。いくつかの例示的な実施形態では、熱源900は、循環水式熱源、抵抗熱源、ヒートポンプなどを含むことができる。1つの特定の例示的な実施形態では、
図9に示すように、熱源900は、例えば、バックプレート806の外壁に取り付けることができる12Wエッチングされたフォイル抵抗ヒータなどのエッチングされたフォイル抵抗ヒータを備えることができる。熱源900が抵抗熱源である実施形態では、熱源900の電力は、ケーブル812を介して供給され得る。
【0103】
バックプレート806は、サーミスタ902などの熱感知素子を含むことができる。熱感知素子は、第1の構造体802の全部又は一部、具体的には、第1の構造体802に含まれる流体の全部又は一部、及び/又は熱感知素子に近接するバックプレート806の一部、の温度を検出するように構成することができる。熱感知素子は、ケーブル812の1つ以上のワイヤに電気的に接続することができ、第1の構造体802及びプローブ804のうちの一方又は双方の温度を調節するように構成することができる温度コントローラに接続することができる。
【0104】
バックプレート806は、温度ヒューズ(TCO)904を更に含むことができる。TCO904は、熱源900の温度、及び/又はバックプレート806のうちの1つ以上の部分、及び/又は第1の構造体802、の温度を検出し、検出された温度が閾値を超えた場合に、熱源900の動作に影響を与えるように、構成することができる。いくつかの実施形態では、TCO904は、例えばバイメタルスイッチなどのスイッチを備えることができる。いくつかの実施形態では、TCO904によって測定された温度が閾値を超えると、熱源900への電力が減少及び/又は切断される。
【0105】
いくつかの実施形態では、第1の構造体802は、入口906を更に含むことができる。この入口は、流体を第1の構造体802内に、具体的には第1の構造体の流体経路内に受け入れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、
図9に示されるか、又は、本明細書に開示される任意の他の実施形態において、入口906は、入口906への流体の供給を可能にするために、他の構成要素と係合するように構成された、1つ以上の機構を含むことができる。
【0106】
次に
図10を参照すると、フロントプレート808及びプローブプレート810のないディスペンサ800の一実施形態の斜視図が示されている。
図10に見られるように、流体チューブ1000は、入口906から出口1002まで延在している。いくつかの実施形態では、流体チューブ1000は、プレート806,808,810のうちの1つ以上にチャネル及び/又は溝を有するように配置することができる。
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、チャネル及び/又は溝は、約0.3センチメートル(0.1インチ)の直径を有する。他の実施形態では、チャネル及び/又は溝は、例えば、約0.13センチメートル(0.05インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.8センチメートル(0.3インチ)、約1センチメートル(0.4インチ)、約1センチメートル(0.5インチ)、及び/又は任意の中間値、の直径を有してもよい。
【0107】
流体チューブ1000は、第1の流体経路とすることができて流体を収容するように構成し得る管腔を画定することができる。上述のように、第1の流体経路及び/又は第2の流体経路に含まれる流体は、静的又は動的であり得る。流体チューブ1000は、さまざまな形状及び寸法を備えることができる。いくつかの実施形態では、流体チューブ1000は、例えば、所望の搬送される流体容量、流体搬送のための所望の時間、及び搬送される流体の所望の圧力などの1つ以上の設計パラメータに従った寸法及び形状にすることができる。
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、チューブ100は、約0.3センチメートル(0.1インチ)の外径と、約0.2センチメートル(0.06インチ)の内径とを有する。他の実施形態では、チューブ1000は、外径が、例えば、約0.13センチメートル(0.05インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.8センチメートル(0.3インチ)、約1センチメートル(0.4インチ)、約1センチメートル(0.5インチ)、及び/又は任意の中間値、であり、並びに、内径は、例えば、約0.03センチメートル(0.01インチ)、約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.08センチメートル(0.03インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.13センチメートル(0.05インチ)、約0.18センチメートル(0.07インチ)、約0.20センチメートル(0.08インチ))、約0.23センチメートル(0.09インチ)約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.7センチメートル(0.3インチ)、約1.3センチメートル(0.5インチ)、約1.8センチメートル(0.7インチ)、約2センチメートル(0.9インチ)、及び/又は任意の中間値、とすることができる。
【0108】
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、流体チューブ1000は、約36センチメートル(14インチ)の長さを有する。他の実施形態では、流体チューブ1000は、例えば、約3センチメートル(1インチ)、約5センチメートル(2インチ)、約8センチメートル(3インチ)、約10センチメートル(4インチ)、約13センチメートル(5インチ)、約15センチメートル(6インチ)、約18センチメートル(7インチ)、約20センチメートル(8インチ)、約25センチメートル(10インチ)、約30センチメートル(12インチ)、約41センチメートル(16インチ)、約46センチメートル(18インチ)、約51センチメートル(20インチ)、約61センチメートル(24インチ)、及び/又は任意の中間値、を含むさまざまな長さを有することができる。
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、チューブ1000は約650μlの容量を収容することができる。他の実施形態では、チューブ1000は、例えば、約100μl、約200μl、約300μl、約400μl、約500μl、約600μl、約700μl、約800μl、約1000μl、約1500μlの容量、及び/又は任意の中間容量、を収容することができる。
【0109】
流体チューブ1000は、さまざまな材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、流体チューブ1000は、流体と反応しない材料から作製することができ、いくつかの実施形態では、流体と反応する材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、流体チューブ1000は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリプロピレン(PP)を含む熱伝導性ポリマー/プラスチックなどの、流体と反応しない人工材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体チューブ1000は、流体を光へ露出させないように構成される。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、Lumi−Phos 530、又は他の化学発光基質などのさまざまな基質流体は、光又は金属への露出によって損傷及び/又は影響を受ける可能性があり、かかる露出を避けることが望ましい場合がある。
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、流体チューブ1000は、含有流体と反応しないポリプロピレン(PP)で作製されている。また、
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、流体チューブ1000はプレート806,808,810内に位置するため、流体チューブ1000に含まれる流体は光に露出されない。
【0110】
図10に更に見られるように、流体チューブ1000は、入口906から出口1002まで延在することができ、プローブ804の近位端814と流体的に接続することができ、それによって、流体チューブ1000の第1の流体経路をプローブ804の第2の流体経路に接続する。いくつかの実施形態では、流体チューブ1000は、1つ以上のコネクタ1004を介してプローブ804に接続することができる。いくつかの実施形態では、このコネクタ1004は、プローブ804に近接して配置することができ、例えば、ネジ付きコネクタ、スナップロックコネクタなどとしてもよい。
【0111】
次に
図11A及び
図11Bを参照すると、例えば、第1の構造体802及びプローブ804を含むディスペンサ800の第3の実施形態の断面図が示されている。第1の構造体802は、入口906と、流体チューブ1000と、出口1002と、流体チューブ1000と、コネクタ1004とを含むバックプレート806を備え、コネクタ1004は、流体チューブ1000をプローブ804に接続し、特に流体チューブ1000の出口1002をプローブ804の近位端814の入口1100に流体連通し、入口1100はプローブ804の管腔1102に接続し、最終的にプローブ804の出口1104に流体連通する。
【0112】
上述したように、
図11Aのプローブ804は、導電性コア1110及びシェル1112を備える。いくつかの実施形態では、導電性コア1110をシェル1112内に完全に封入することができ、いくつかの実施形態では、導電性コア1110をシェル1112内に部分的に封入することができる。いくつかの実施形態では、導電性コア1110はアルミニウムで作製され、シェル1112はポリプロピレン(PP)で作製される。ポリプロピレン(PP)は、流体と反応しない熱伝導性プラスチックである。アルミニウム製の導電性コア1110とポリプロピレン(PP)製のシェル1112を用いて、第1の構造体800の第1の流体経路は、約18℃の水との熱伝達係数が、静止状態で約5W/m
2K、動的状態で約2,389.67W/m
2Kを達成することができる。
【0113】
他の実施形態では、導電性コア1110は、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、熱伝導性プラスチック、又はこれらの任意の組み合わせなどの他の熱伝導性材料から作製することができる。他の実施形態では、シェル1112は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの他の熱伝導性ポリマー/プラスチックから作製することができる。いくつかの実施形態では、導電性コア1110は、例えば、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又はその他、などの金属のような、熱を容易に伝導する材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、プローブ804の導電性コア1110は、例えば6061−T6アルミニウムを含むことができ、及び/又は約1.67W/cm℃(167ワット/メートルケルビン(W/mK))の熱伝導率を有することができる。
【0114】
導電性コア1110は効率的に熱を伝達することができるが、いくつかの実施形態では、導電性コア1110が流体と接触することを防止することが望ましい場合がある。かかる実施形態では、導電性コア1110は、導電性コア1110が流体と接触しないように、シェル1112によって取り囲んでもよい。
【0115】
プローブ804の熱伝達特性を更に改善するために、いくつかの実施形態では、導電性コア1110は、シェルによって覆われていない及び/又は薄く覆われている1つ以上の部分を含むことができ、プレート806,808,810のうちの1つ以上と熱的に接続されている。いくつかの実施形態では、例えば、プローブ804の近位端814における導電性コア1110の部分は、シェル1112によって取り囲まれてなく、バックプレート806の部分と直接接触し、それによって、プローブ804とバックプレート806との間で熱伝達が可能となる。いくつかの実施形態では、プローブ804の近位端814は、プローブ804をバックプレート806の対応する円筒形のアンカ受け入れ部分に固定するように、円筒形のアンカ形状を有する。プローブ804をバックプレート806と係合させるために、遠位端816が挿入され、バックプレート806の対応する円筒形のアンカ受け入れ部分を通って摺動する。近位端814が、バックプレート806の対応する円筒形のアンカ受け入れ部分に固定されると、近位端814の導電性コア1110の外面は、バックプレート806の内側部分と物理的に接触し、それによって、プローブ804とバックプレート806との間で熱伝導が可能となる。したがって、近位端814が、バックプレート806の対応する円筒形のアンカ受け入れ部分に固定されると、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒の分配間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±0.4℃の所定の温度で、例えば、約200μlを分注することができる。また、近位端814が、バックプレート806の対応する円筒形のアンカ受け入れ部分に固定されると、コネクタ1004は、この接続部を定位置に固定することができる。プローブ804及びバックプレート806の関連する寸法は、
図14A及び
図14Bを参照して以下に更に説明される。
【0116】
図11A及び
図11Bに更に見られるように、ディスペンサは、1つ以上の寸法によって画定することができる。第1の構造体802は、長さA及び高さBを有することができる。第1の構造体802のいくつかの実施形態では、長さAは約6.30センチメートル(2.48インチ)であり、高さBは約7.01センチメートル(2.76インチ)である。
【0117】
図11A及び
図11Bに更に見られるように、プローブ804は、近位端814及び遠位端816の間で測定されたプローブ長さCを有することができる。いくつかの実施形態では、プローブ長Cは、約3センチメートル(1インチ)、約3.76センチメートル(1.48インチ)、約4.45センチメートル(1.75インチ)、約5センチメートル(2インチ)、約6.4センチメートル(2.5インチ)、約8センチメートル(3インチ)、約8.750センチメートル(3.445インチ)、約10センチメートル(4インチ)、約13センチメートル(5インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値であってもよい。侵入長さDは、プローブ804が第1の構造体802内に侵入する長さである。いくつかの実施形態では、侵入長さDは約0.66センチメートル(0.26インチ)である。プローブ804は、外側プローブ外径E及びプローブ内径Fによって記述することができる。いくつかの実施形態では、プローブ外径Eは、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.394センチメートル(0.155インチ)、約0.480センチメートル(0.189インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができ、プローブ内径Fは、約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.15センチメートル(0.06インチ)、約0.099センチメートル(0.039インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.119センチメートル(0.047インチ)、約0.15センチメートル(0.06インチ)、及び/又は、任意の他の若しくは中間値であってもよい。いくつかの実施形態では、プローブ804は、約64μl、約100μl、約150μl、約200μl、約250μl、約300μl、及び/又は任意の他の若しくは中間の容量、の全流体容量を保持することができる。したがって、いくつかの実施形態では、プローブ長さCのプローブ外径Eに対する比は、約5,約6、約7、約7.8、約9、約10、約15、約20、約22.2、約25、約30、及び/又は任意の他の若しくは中間の比とすることができる。プローブ長さCのプローブ内径Fに対する比は、約20、約25、約30、約31.4、約35、約40、約50、約70、約75、約80、約85、約88.3、約90、約100、約150、及び/又は任意の他の若しくは中間の比とすることができ、プローブ外径Eのプローブ内径Fに対する比は、約2、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、及び/又は任意の他の若しくは中間の比とすることができる。
【0118】
図14A及び
図14Bには、プローブ804及びバックプレート806の異なる実施形態が示されている。次に
図14Aを参照すると、プローブ804の金属部分は、第1の近位外径G、第1の近位長さI、第2の外径J、第2の近位長さK、細長い外径L、細長い長さM、及び金属の内径Nによって画定することができる。
図14Aの実施形態では、第1の近位外径Gは約0.531センチメートル(0.209インチ)、第1の近位長さIは約0.3センチメートル(0.1インチ)、第2の外径Jは約0.48センチメートル(0.19インチ)、第2の近位長さKは約0.5センチメートル(0.2インチ)、細長い外径Lは約0.38センチメートル(0.15インチ)、細長い長さMは約2.61センチメートル(1.03インチ)であり、金属内径Nは約0.3センチメートル(0.1インチ)である。プローブ804のアンカは、第1の近位長さI及び第1の近位外径Gによって画定することができる。
【0119】
更に
図14Aを参照すると、プローブ804の非金属熱伝導部分は、プローブ直径F、内壁O及び外壁Pによって画定され得る。
図14Aの実施形態では、内壁Oは、約0.673センチメートル(0.265インチ)の厚さを有し、外壁Pは、約0.08センチメートル(0.03インチ)の厚さを有する。
図14Aに示すように、非金属の熱伝導部分が金属部分の上にオーバーモールドされる。非金属の熱伝導部分は、金属部分から熱を伝導することができる。上述したように、
図14Aの実施形態では、金属部分はアルミニウム製であり、非金属の熱伝導部分はポリプロピレン(PP)製である。
【0120】
更に
図14Aを参照すると、バックプレート806は、第1の内径Q、第1の長さR、第2の内径S、第2の長さT、第3の内径U、及び第3の長さVによって画定することができる。第1の内径Qは約0.28センチメートル(0.11インチ)、第1の長さRは約0.5センチメートル(0.2インチ)、第2の内径Sは約0.531センチメートル(0.209インチ)、第2の長さTは約0.24センチメートル(0.095インチ)、第3の内径Uは約0.541センチメートル(0.213インチ)、第3の長さVは約0.8センチメートル(0.3インチ)である。バックプレート806の対応する円筒形アンカ受け入れ部分は、第2の内径S及び第2の長さTによって画定することができる。バックプレート806の第2の内径Sは、プローブ804の第1の近位外径Gにほぼ等しく、バックプレート806の第1の内径Qは、プローブ804の第2の外径Jの外側にほぼ等しい。したがって、プローブ804がバックプレート806に固定されると、第1の近位外径Gを有する第1の近位長さIは、第2の内径Sを有する第2の長さTと物理的に接触し、第2の外径Jを有する第2の近位長さKは、第1の内径Qを有する第1の長さRと物理的に接触している。上述したように、
図14Aの実施形態では、バックプレート806はアルミニウム製である。したがって、熱伝達は、熱源からアルミニウムバックプレート806へ、プローブ804のアルミニウム部分へ、プローブ804の非金属の熱伝導部分へ、最終的にはプローブ804に収容される流体へ行われる。
【0121】
次に
図14Bを参照すると、プローブ804の第2の実施形態が示されている。
図14Bのプローブ804は、その近位端814からその遠位端816まで延在するポリマーチューブ1400を備えることができる。プローブ804の近位端814にフランジを含むことができるポリマーチューブ1400は、それが使用される環境に耐え得る任意の所望のポリマーを含むことができ、具体的には、ポリマーチューブ1400を通って使用中のポリマーチューブ1400の温度で輸送される流体と共に、使用することができる任意のポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ1400は、例えばペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)などのフルオロポリマーを含むことができる。ポリマーチューブ1400は、外径Nと、内径Fと、壁厚Oによって画定することができる。いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ1400の外径Nは、例えば、約0.1センチメートル(0.05インチ)、約0.2センチメートル(0.06インチ)、約0.2センチメートル(0.07インチ)、約0.2センチメートル(0.079インチ)、約0.2センチメートル(0.08インチ)、約0.2センチメートル(0.09インチ)、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.4センチメートル(0.15インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値であってもよい。いくつかの実施形態では、内径Fは、例えば、約0.03センチメートル(0.01インチ)、約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.08センチメートル(0.03インチ)、約0.099センチメートル(0.039インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.13センチメートル(0.05インチ)、約0.3センチメートル(0.1インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ1400の壁厚Oは、例えば、約0.013センチメートル(0.005インチ)、約0.0191センチメートル(0.0075インチ)、約0.03センチメートル(0.01インチ)、約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.08センチメートル(0.03インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.13センチメートル(0.05インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間の厚さであってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ1400の長さは、プローブ804の長さと等しくすることができる。
【0122】
ポリマーチューブ1400は、プローブ1402のハウジング内に部分的に収容することができる。プローブハウジング1402は、プローブ804の近位端814からプローブ804の遠位端816に向かって延在することができる。いくつかの実施形態では、プローブハウジング1402は、プローブ804の遠位端816まで延在することができ、いくつかの実施形態では、プローブハウジング1402は、プローブ804の遠位端816に達する前に終了することができる。いくつかの実施形態では、プローブハウジング1402は、プローブ804の長さの約80パーセントに沿って、プローブ804の長さの約85パーセントに沿って、プローブ804の長さの約90パーセントに沿って、プローブ804の長さの約95パーセントに沿って、及び/又は、プローブ804の長さの任意の他の所望の又は中間のパーセントに沿って、延在することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、プローブハウジング1402は、例えば、ポリマー部分1406内に全体的又は部分的に封入することができる金属部分1404を含むことができる。いくつかの実施形態では、金属部分1404は、例えば所望の熱伝達特性などの所望の機械的特性又は材料特性を有する任意の所望の金属を含んでもよい。いくつかの実施形態では、金属部分1404は、銅、青銅、黄銅、ニッケル、及び/又はアルミニウムのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、プローブハウジング1402は、金属部分1404がポリマーチューブ1400に直接接触するように構成することができ、いくつかの実施形態では、金属部分1404がポリマーチューブ1400に接触しないようにプローブハウジング1402を構成することができる。金属部分1404がポリマーチューブ1400と接触しないいくつかの実施形態では、金属部分1404は、ポリマー部分1406の薄い層によってポリマーチューブ1400から分離することができ、ポリマー部分1406の厚さは、例えば約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.08センチメートル(0.03インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.13センチメートル(0.05インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値であってもよい。
【0124】
金属部分1404は、直径P及び壁厚Qによって画定することができる。いくつかの実施形態では、直径Pは、例えば、約0.2センチメートル(0.08インチ)、約0.2センチメートル(0.09インチ)、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.3センチメートル(0.12インチ)、約0.318センチメートル(0.125インチ)、約0.33センチメートル(0.13インチ)、約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値であってもよい。いくつかの実施形態では、壁厚Qは、例えば、約0.013センチメートル(0.005インチ)、約0.0191センチメートル(0.0075インチ)、約0.03センチメートル(0.01インチ)、約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.08センチメートル(0.03インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.1センチメートル(0.05インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間の厚さとすることができる。
【0125】
同様に、ポリマー部分1406は、例えば所望の伝熱特性、耐腐食性などのような所望の機械的特性又は材料特性を有する任意のポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマー部分1406は、例えば、ポリプロピレン(PP)及び/又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含んでもよい。ポリマー部分1406は、外径L及び壁厚Wによって画定することができる。いくつかの実施形態では、外径Lは、例えば、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.28センチメートル(0.11インチ)、約0.3センチメートル(0.12インチ)、約0.33センチメートル(0.13インチ)、約0.36センチメートル(0.14インチ)、約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.394センチメートル(0.155インチ)、約0.41センチメートル(0.16インチ)、約0.43センチメートル(0.17インチ)、約0.46センチメートル(0.18インチ)、約0.48センチメートル(0.19インチ)、約0.51センチメートル(0.2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。いくつかの実施形態では、壁厚Wは、例えば、約0.013センチメートル(0.005インチ)、約0.0191センチメートル(0.0075インチ)、約0.03センチメートル(0.01インチ)、約0.038センチメートル(0.015インチ)、約0.05センチメートル(0.02インチ)、約0.08センチメートル(0.03インチ)、約0.10センチメートル(0.04インチ)、約0.13センチメートル(0.05インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間の厚さとすることができる。
【0126】
図14Bのプローブ804は、第1の近位外径G、第1の近位長さI、及び第2の外径Jによって更に画定され得る。いくつかの実施形態では、第1の近位外径Gは、約0.531センチメートル(0.209インチ)であり、第1の近位長さIは、約0.13センチメートル(0.05インチ)、約0.15センチメートル(0.06インチ)、約0.165センチメートル(0.065インチ)、約0.18センチメートル(0.07インチ)、約0.20センチメートル(0.08インチ)、約0.23センチメートル(0.09インチ)、約0.3センチメートル(0.1インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値である。いくつかの実施形態では、第2外径Jは約0.48センチメートル(0.19インチ)である。
【0127】
更に
図14Bを参照すると、バックプレート806は、第1の内径X、第1の長さR、第2の内径S、第2の長さT、第3の内径U、及び第3の長さVによって画定することができる。第1の内径Xは、約3センチメートル(0.1インチ)、約0.28センチメートル(0.11インチ)、約0.30センチメートル(0.12インチ)、約0.33センチメートル(0.13インチ)、約0.36センチメートル(0.14インチ)、約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.41センチメートル(0.16インチ)、約0.43センチメートル(0.17インチ)、約0.46センチメートル(0.18インチ)、約0.48センチメートル(0.19インチ)、約0.51センチメートル(0.2インチ)、約0.56センチメートル(0.22インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。第1の長さRは、約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.445センチメートル(0.175インチ)、約0.460センチメートル(0.181インチ)、約0.48センチメートル(0.19インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。第2の内径Sは約0.531センチメートル(0.209インチ)とすることができ、第2の長さTは、約0.38センチメートル(0.15インチ)、約0.41センチメートル(0.16インチ)、約0.43センチメートル(0.17インチ)、約0.439センチメートル(0.173インチ)約0.46センチメートル(0.18インチ)、約0.48センチメートル(0.19インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。第3の内径Uは、約0.48センチメートル(0.19インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.53センチメートル(0.21インチ)、約0.541センチメートル(0.213インチ)、約0.56センチメートル(0.22インチ)、約0.58センチメートル(0.23インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。第3の長さVは、約0.74センチメートル(0.29インチ)、約0.8センチメートル(0.3インチ)、約0.79センチメートル(0.31インチ)、約0.800センチメートル(0.315インチ)、約0.81センチメートル(0.32インチ)、約0.84センチメートル(0.33インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。バックプレート806の対応する円筒形アンカ受け入れ部分は、第2の内径S及び第2の長さTによって画定することができる。バックプレート806の第2の内径Sは、プローブ804の第1の近位外径Gにほぼ等しく、バックプレート806の第1の内径Xは、プローブ804の第2の外径Jの外側にほぼ等しい。したがって、プローブ804がバックプレート806に固定されると、第1の近位外径Gを有する第1の近位長さIは、第2の内径Sを有する第2の長さTと物理的に接触し、第2の外径Jを有する第2の近位長さKは、第1の内径Xを有する第1の長さRと物理的に接触する。上述したように、バックプレート806はアルミニウムから作製される。したがって、熱伝達は、熱源から、アルミニウムバックプレート806へ、プローブ804の金属部分1404へ、プローブ804のポリマーチューブ1400へ、最終的にはプローブ804に収容される流体へと行われる。
【0128】
上述の寸法によって、
図8A〜
図12B、及び
図14A〜
図14Bの例示的な実施形態を説明する。これらの寸法を用いて、約18℃の周囲温度で作動するディスペンサ100は、約9秒の分配間の予め選択された周期で、又は1秒〜9秒の間の任意の周期で、及び約37℃±0.4℃の所定の温度で、例えば、約200μlを分注することができる。
【0129】
ディスペンサ800の寸法及び熱源900の配置によって、ディスペンサ800の異なる部分を異なる温度に維持することができる。これは、
図12A及び12Bに示されており、第1の組の温度における第1の構造体802と、熱源900によってバックプレート806を介して間接的に加熱される、第2の組の温度でのプローブ804とを示す。いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と同じであってもよく、いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と異なってもよい。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲は、例えば、約35℃〜38℃であり、第2の温度範囲は、例えば、25℃〜35℃とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲の上限は、第2の温度範囲の下限よりも最大で15℃高いことがあり得る。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲の上限は、第2の温度範囲の下限よりも最大で7℃高いことがあり得る。
図12A及び
図12Bに見られるように、いくつかの実施形態では、ディスペンサは、約18℃の周囲温度で動作することができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、ディスペンサ100及び800は、それぞれプローブ104及び804の出口を介して流体を反応容器に分注することができる。いくつかの実施形態では、ディスペンサ100及び800は、Beckman Coulter Access 2 Dispense Plate又はBeckman Coulter DxI Dispense Plateなどの分注プレートアセンブリーの上へ取り付け可能である。
【0131】
いくつかの実施形態では、ガントリは、ディスペンサ100及び/又は800を運ぶことができる。ガントリは、ディスペンサを試薬吸引位置、分注位置、及び洗浄ステーションに連続的に移動させることができる。洗浄ステーションに配置されている間、ディスペンサは、流体経路を経由してプローブ出口を通って洗浄緩衝液を分注することによって、洗浄することができる。この分注動作によって、残留試薬をディスペンサから除去し、ディスペンサの内面と加熱された洗浄緩衝液との間の接触によってディスペンサに熱を伝達することもできる。制御された温度の洗浄緩衝液によるこの熱の伝達によって、ディスペンサの温度を更に目標温度に制御することができ、その結果、上記のようなコアからの熱伝導と、洗浄動作中の洗浄緩衝液からの断続的な熱伝達との組合せ効果によって、ディスペンサの温度を維持することができる。
【0132】
次に
図13を参照すると、ディスペンサ100,800のうちの1つを含むシステム1300の概略図が示されている。システム1300は流体供給部1302を備え、そこからポンプ1304によって、流体が移送される。流体は、ポンプ1304によって、ディスペンサ100,800のうちの少なくとも1つとすることができるディスペンサ1306に供給される。いくつかの実施形態では、流体は、ディスペンサ1306の第1の流体経路に供給され得る。ポンプ1304によってディスペンサ1306に供給される流体の容量は、例えば、最小分注容量、最大分注容量、又は最小分注容量と最大分注容量との間の分注容量など、ディスペンサ1306によって分注される流体の量に相当し得る。本発明の一部は、最小分注容量の観点から望ましい流体の分注容量を説明しているが、流体の所望の分注容量は、択一的に、最大分注容量、又は最小及び最大分注容量の間の任意の分注容量とすることができる。
【0133】
異なる種類の流体は、異なる温度で保存することができる。したがって、流体供給源1302は、室温又は冷却された温度であり得る。試薬に関して、流体供給源1302では、冷却した温度で試薬を保存することができる。あるいは、洗浄緩衝液に関して、流体供給源1302では、洗浄緩衝液を室温で保存することができる。したがって、アッセイを実施する装置が試薬、洗浄緩衝液、又はその双方を分注しなければならない場合、アッセイ反応混合物温度に悪影響を及ぼさない温度でかかる流体を分注することが有益であり得る。例えば、アッセイの温度プロファイルには、アッセイ反応混合物の温度を約37℃にすることが必要な場合、冷却試薬及び室温洗浄緩衝液を約37℃まで加熱して分注することができる。
【0134】
第1の構造体1308とプローブ1310とを含むことができるディスペンサ1306は、ディスペンサ1306の異なる温度及び/又はディスペンサ1306のその部分を通過する流体の異なる温度に対応する異なる領域に分割することができる。第1の構造体1308は、第1の構造体102又は802のうちの少なくとも1つとすることができる。プローブ1310は、プローブ104又は804のうちの少なくとも1つとすることができる。これらの領域は、予熱ゾーン1312、制御ゾーン1314、及び分注ゾーン1316を含んでいる。いくつかの実施形態では、予熱ゾーン1312は、流体を初期温度から第1の温度及び/又は第1の温度範囲にもたらすように構成することができ、制御ゾーン1314は、流体の温度を第1の温度及び/又は第1の温度範囲に維持するように構成することができ、分注ゾーン1316は、流体が第2の温度及び/又は第2の温度範囲を下回ることを防止するように構成することができる。分注ゾーン1316は、制御ゾーン1314から熱を伝導することができる。いくつかの実施形態では、分注ゾーン1316の一部は、制御ゾーン1314内に存在することができる。
【0135】
ディスペンサの第1の流体経路に含まれる流体は、ディスペンサ1306の第1の構造体1308及びプローブ1310の一方又は双方のうちの1つ以上のゾーン1312、1314、1316における熱源によって加熱することができる。いくつかの実施形態では、この加熱プロセス中、流体を第1の予め選択された温度及び/又は温度範囲に加熱することができ、流体が第1の構造体1308の出口にあるときに流体の温度を測定することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、受け入れた流体の全部又は一部を第1の構造体1308からプローブ1310に移動させることができ、第2の予め選択された温度及び/又は温度範囲に加熱することができる。いくつかの実施形態では、この第2の温度及び/又は温度範囲は、第1の予め選択された温度及び/又は温度範囲よりも低く、いくつかの実施形態では、この加熱は、第1の構造体1308を介してプローブ1310に間接的に伝達されるエネルギーによって達成することができる。流体のこの第2の温度は、プローブ1310の出口で測定することができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、
図13のグレースケールによって示されるように、ディスペンサ1306の異なるゾーンは、異なる温度であり得、したがって、ゾーンのうちの1つに流体が残留する時間が長いほど、流体の温度はそれが収容されるゾーンの温度により近づくことになる。したがって、分注ゾーン1316内に長期間にわたって含まれた流体が分注されるとき、流体の温度は、制御ゾーン1314内の長期間にわたり収容された流体の温度と異なる可能性がある。したがって、複数のゾーンに長期間にわたって含有される流体が単一の分注に含まれるいくつかの実施形態では、単一の分注中に分注される流体の瞬時温度は変動する可能性があり、所望の温度及び/又は温度範囲を超えるか又は下回る一部の流体を含む恐れがある。しかし、かかる実施形態では、分注された流体の平均温度は、所望の温度及び/又は所望の温度範囲にある。したがって、分注された流体の瞬時容量が所望の温度及び/若しくは所望の温度及び/若しくは所望の温度範囲内にある場合、並びに/又は、分注イベントにより混合された流体の温度が所望の温度及び/又は所望の温度範囲内にある場合、分注された流体は、所望の温度及び/又は所望の温度範囲内にあることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、次に、ディスペンサ1306によって、受け入れた流体を、プローブ1310の出口を介して反応容器1320に分注することができる。いくつかの実施形態では、この分注動作は、分注間の一定又は変動する予め選択された周期に従って行うことができる。同様に、いくつかの実施形態では、分注流体の容量は、予め選択された一定の又は変動する容量であり得る。以下の方程式において、流体の総容量V
Tは、流体の所望の分注容量とすることができる。いくつかの実施形態では、分注流体は、第1の温度及び/又は温度範囲、並びに、第2の温度及び/又は温度範囲における流体を含むことができる。これらの温度範囲による流体容量のために、単一の分注の混合流体は、いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は第1の温度範囲内の温度を有し得る。この流体の温度は、以下の式に従って決定することができる。ここで、
T
avgは得られる平均流体温度、
T
hは、第1の温度及び/又は温度範囲における流体の温度、
V
Tは流体の総容量、
V
iは、第2の温度及び/又は温度範囲における流体の容量、並びに、
T
iは、第2の温度及び/又は温度範囲における流体の温度である。
【数5】
【0139】
熱抵抗は熱特性であり、物体の熱伝導に対する抵抗の尺度である。熱抵抗は熱伝導係数の逆数である。ディスペンサの各実施形態の総等価熱抵抗は、以下の式を用いて導出することができる。ここで、
R
eqは総等価熱抵抗、
T
1は熱源の設定温度、
T
2はプローブ遠位端の温度、
Qは熱源のワット数定格、並びに、
Dutyは、定常状態での熱源のデューティサイクルである。
【数6】
【0140】
図1A〜
図4Bの実施形態では、ニッケル200合金製のコア及びプローブを用いて、約37.7℃のT
1、約31.3℃のT
2、約12WのQ、及び約8%のDutyによって、約6.66K/WのR
eqを達成することができる。本明細書で開示されるいくつかの実施形態では、熱抵抗は、約5K/W〜8K/W、約6K/W〜7K/W、約6.25K/W〜6.75K/W、約6.5K/W、少なくとも約6.5K/W、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。
【0141】
図5〜
図7の実施形態では、ニッケル200合金製のコア及びプローブを用いて、約37.7℃のT
1、約21.5℃のT
2、約12WのQ、及び約12%のDutyによって、約11.25K/WのR
eqを達成することができる。
【0142】
あるいは、
図5〜
図7の実施形態では、ニッケル200合金製のコアとステンレス鋼製のプローブとを用いて、約37.7℃のT
1、約18.5℃のT
2、約12WのQ、及び約12%のDutyによって、約13.33K/WのR
eqを達成することができる。
図1〜
図4の実施形態と比較して、
図5〜
図7の実施形態は、プローブの長さがより長いので、より大きな全等価熱抵抗を有する。
【0143】
図8A〜
図12,
図14A及び
図14Bの実施形態では、アルミニウム製のコア及びアルミニウム上にオーバーモールドされたポリプロピレンで作製されたプローブを用いて、約37.5℃のT
1、約35.1℃のT
2、約12WのQ、及び約21%のDutyによって、約0.97K/WのR
eqを達成することができる。
図1A〜
図7の実施形態と比較して、
図8A〜
図12,
図14A、及び
図14Bの実施形態は、寸法がより小さく、アルミニウムがニッケル200合金よりも高い熱伝導率を有するので、より低い総等価熱抵抗を有する。
【0144】
流体を分析器に分注するための方法もまた開示される。第1に、流体の最小分注容量が、加熱可能な構造体の流体経路に供給される。加熱可能な構造体は、第1の構造体102又は802のうちの少なくとも1つであり得る。流体経路は、第1の構造体102又は802のうちの少なくとも1つの第1の流体経路とすることができる。流体は、ポンプ1304などのポンプによって流体経路に供給することができる。流体は、その周囲温度で流体経路に供給することができる。第2に、加熱可能な構造体と熱的に連通している熱源は、最小の分注容量が加熱可能な構造体の出口に含まれているとき、最小の分注容量を第1の予め選択された温度範囲に加熱する。説明したように、流体経路に含まれる最小分注容量は、静的又は動的な流体であり得る。最小分注容量は、第1の構造体102又は802のうちの少なくとも1つから熱エネルギーを引き出すので、導電性熱伝達によって加熱することができる。熱源は、熱源230又は900のうちの少なくとも1つとすることができる。加熱可能な構造体の出口は、出口206又は1002の少なくとも1つとすることができる。第3に、プローブとも熱的に連通している熱源は、最小分注容量がプローブに含まれているとき、最小分注容量を第2の予め選択された温度範囲に加熱する。説明したように、プローブに含まれる最小分注容量は、静的又は動的な流体であってもよい。プローブは、プローブ104又は804のうちの少なくとも1つであり得る。最小分注容量は、プローブ104又は804のうちの少なくとも1つから熱エネルギーを引き出すので、導電性熱伝達によって加熱することができる。最後に、分注間の予め選択された周期で、第1の予め選択された温度範囲内で、プローブの出口で最小分注容量を分注する。プローブの出口は、出口220又は1104のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0145】
次に
図15を参照すると、ディスペンサ100の一実施形態の側面図が示されている。ディスペンサ100は、加熱モジュール102及びプローブ104を含むことができる。プローブ104は、近位端116、遠位端118、及び第2の流体経路216を含むことができる。加熱モジュール102は、コア108と、ディスペンサ100の別の構成要素と結合することができる結合部分1500と、を含むハウジング106を備えている。いくつかの実施形態では、加熱モジュール102の結合部分1500は、ディスペンサ100の別の構成要素と接続するために、1つ以上のコネクタ1502と係合するように構成することができる。
【0146】
図15に見られるように、ディスペンサは、ハウジング106をプローブ104に接続するエルボ1506を備えている。エルボ1506は、さまざまな形状及び寸法を含むことができ、さまざまな材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、エルボ1506は、ニッケル又はニッケル合金などの金属から作製することができる。
【0147】
エルボ1506は、加熱モジュール102の結合部分1500に接続することができる近位端1508を含むことができ、同エルボ1506は、プローブ104に接続する遠位端1510を含むことができる。エルボ1506は、その近位端1508からその遠位端1510まで延在する流体経路1512を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、エルボ1506の流体経路1512は、ヒーターモジュール102から受け入れた流体がエルボ1506を通過してプローブ104に至るチャネルを、生成することができる。
【0148】
次に
図16を参照すると、コア108、エルボ1506、及びプローブ104の一実施形態の断面図が示されている。図示のように、コア108は、その外壁113上に配置された複数の隆起部112によって画定された複数の溝300を含んでいる。いくつかの実施形態では、溝300の直径は、約0.03センチメートル(0.01インチ)、0.05センチメートル(0.02インチ)、0.08センチメートル(0.03インチ)、0.10センチメートル(0.04インチ)、0.119センチメートル(0.047インチ)、0.13センチメートル(0.05センチメートル(0.07インチ)、0.15センチメートル(0.06インチ)、0.18センチメートル(0.07インチ)、0.20センチメートル(0.08インチ)、0.23センチメートル(0.09インチ)、0.3センチメートル(0.1インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値であってもよい。
【0149】
コア108は更に、ケーブル114に近接する頂部226とコア108の接続部212に近接する底部228とを有することができる内部容積224を含んでいる。
図2に見られるように、内部容積224の頂部226は開いており、内部容積224の底部228は閉じている。コア108は、その接続部212を通って出口206に延在する出口チャネル208と、複数の溝300のうちの少なくとも1つによって画定された流体経路を出口チャネル208に接続する連結チャネル280とを更に含む。コア108は、その内部容積224の内側に配置することができる熱源230を含むことができる。
【0150】
図16に更に見られるように、エルボ1506は、コアの接続部212を受け入れるような寸法と形状を有する受け入れ部分1600を含む。いくつかの実施形態では、受け入れ部分1600及び接続部212の双方を、エルボ1506とコア108との接続を可能にするようにねじ込むことができ、他の実施形態では、受け入れ部分1600及び接続部212のうちの一方又は双方はねじがなく、エルボ1506及びコアは、ハウジング106の結合部分1500を介して接続することができる。
【0151】
エルボ1506を通って延在する流体経路1512は、入口経路1602及び出口経路1604と、入口経路1602と出口経路1604とを接続する接続経路1606とを含むことができる。いくつかの実施形態では、入口経路1602は、プローブ104の第2の流体経路216と流体接続するような寸法、形状、及び配置にすることができる。エルボ1506は、プローブ104に接続するように構成することができるプローブ接続部1608を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、
図16に示されるように、このプローブ接続部1608はネジ山を有してもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、コア108は、コア長さAによって画定することができ、このAは、約3センチメートル(1インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約5センチメートル(2インチ)、約6.4センチメートル(2.5インチ)、約7.1センチメートル(2.8インチ)、約7.29センチメートル(2.87インチ)、約8センチメートル(3インチ)、約8.019センチメートル(3.157インチ)、3〜13センチメートル(1〜5インチ)、5〜10センチメートル(2〜4インチ)、6.4〜8.9センチメートル(2.5〜3.5インチ)、6.99〜8センチメートル(2.75〜3インチ)、8〜8.9センチメートル(3〜3.5インチ)、又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間範囲とすることができる。コア108は、内部容積224の頂部226から底部228まで測定した内部容積長さBによって更に画定することができる。
図16の実施形態の内部容積長さBは、約3センチメートル(1インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約5センチメートル(2インチ)、約5.26センチメートル(2.07インチ)、約5.281センチメートル(2.079インチ)、約5.3センチメートル(2.1インチ)、約6.4センチメートル(2.5インチ)、3〜10センチメートル(1〜4インチ)、5〜8センチメートル(2〜3インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値、又は任意の他の若しくは中間範囲とすることができる。コア108は、例えば、約1センチメートル(0.4インチ)、約1.0センチメートル(0.41インチ)、約1.1センチメートル(0.42インチ)、約1.1センチメートル(0.43インチ)、約1.10センチメートル(0.435インチ)、約1.1センチメートル(0.45インチ)、約1センチメートル(0.5インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができるコア直径Cによって、更に画定することができる。
【0153】
コア108は、その頂部226に最も近い溝から連結チャネル280まで測定される長さGによって、更に画定することができる。いくつかの実施形態では、長さGは、例えば、約3.0センチメートル(1.2インチ)、約3.3センチメートル(1.3インチ)、約3.6センチメートル(1.4インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約4.1センチメートル(1.6インチ)、約4.128センチメートル(1.625インチ)、約4.3センチメートル(1.7インチ)、約4.6センチメートル(1.7インチ)、約4.6センチメートル(1.8インチ)、約4.8センチメートル(1.9インチ)、約5センチメートル(2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、ディスペンサ100は、連結チャネル280から接続経路1606まで測定される長さHと、連結経路1606からプローブ104の遠位端118までの長さIとによって画定することができる。いくつかの実施形態では、長さHは、例えば、約1センチメートル(0.5インチ)、約2センチメートル(0.6インチ)、約2センチメートル(0.7インチ)、約2センチメートル(0.8インチ)、約2.2センチメートル(0.88インチ)、約2センチメートル(0.9インチ)、約3センチメートル(1インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約5センチメートル(2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。いくつかの実施形態では、長さIは、例えば、約2センチメートル(0.7インチ)、約2センチメートル(0.8インチ)、約2センチメートル(0.9インチ)、約3センチメートル(1インチ)、約2.59センチメートル(1.02インチ)、約3.0センチメートル(1.2インチ)、約3.0センチメートル(1.2インチ)、約3.3センチメートル(1.3インチ)、約3.6センチメートル(1.4インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約5センチメートル(2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。
【0155】
図16に更に見られるように、エルボ1506は、幅Kによって画定することができ、この幅は、例えば、約1センチメートル(0.5インチ)、約2センチメートル(0.6インチ)、約2センチメートル(0.7インチ)、約2センチメートル(0.8インチ)、約2.2センチメートル(0.88インチ)、約2センチメートル(0.9インチ)、約3センチメートル(1インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、約5センチメートル(2インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。更に、エルボ1506の受け入れ部分1600は、直径Lによって画定することができる。直径Lは、例えば、約0.3センチメートル(0.1インチ)、約0.5センチメートル(0.2インチ)、約0.8センチメートル(0.3インチ)、約0.79センチメートル(0.31インチ)、約1センチメートル(0.4インチ)、約1センチメートル(0.5インチ)、約2センチメートル(0.7インチ)、約3センチメートル(1インチ)、約3.8センチメートル(1.5インチ)、及び/又は任意の他の若しくは中間値とすることができる。
【0156】
ディスペンサ100の寸法及び熱源230の配置によって、ディスペンサ100の異なる部分を異なる温度に維持することができる。これは、
図17に示されており、第1の組の温度における第1の構造体102と、コア108を介して、熱源230によって間接的に加熱される、第2の組の温度でのプローブ104とを表している。更に、エルボ1506は、コア108からの伝導を介して、第1構造体102の温度とプローブ104の温度との間の中間の温度に加熱することができる。具体的には、いくつかの実施形態では、出口206に近接するコア108及び/又は出口206から出る流体は、第1の温度及び/又は第1の温度範囲内にあってもよく、第1の温度及び/又は第1の温度範囲は予め選択することができ、プローブ接続部1608に近接するプローブ104及び/又はプローブ接続部1608を出る流体は、第2の温度及び/又は第2の温度範囲内にあってもよく、第2の温度及び/又は温度範囲は予め選択することができる。いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と同じであってもよく、いくつかの実施形態では、第1の温度及び/又は温度範囲は、第2の温度及び/又は温度範囲と異なってもよい。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲は、例えば、約35℃〜38℃であり、第2の温度範囲は、例えば、25℃〜35℃とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の温度範囲の上限は、第2の温度範囲の下限よりも最大で15℃高いことがあり得る。
図17に見られるように、いくつかの実施形態では、ディスペンサは、約18℃の周囲温度で動作することができる。この実施形態の設計によれば、制御された温度範囲に対する影響を最小限に抑えながら、ある範囲の周囲温度での動作が可能となる。分析器用のディスペンサは、約18℃〜約36℃の周囲温度範囲で動作することができる。
【0157】
前述の明細書では、本発明をその特定の実施形態を参照して説明したが、当業者は、本発明がそれらに限定されないことを認識するであろう。上述の発明のさまざまな特徴及び態様は、個別に、又は組み合わせて使用することができる。更に、本発明は、本明細書のより広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において記載されるものを超える、任意の数の環境及び用途において利用することができる。したがって、本明細書及び図面は、限定的ではなく例示的なものとみなさなければならない。本明細書で使用されるとき、用語「含む(comprising)」「含む(including)」「有する(having)」は、具
体的には、オープンエンドの技術用語として読まれることを意図していることが認識されるであろう。