【文献】
飛岡 尚作,金融IT・イノベーションの進展 欧州におけるオンラインを活用した新たな投資アドバイスの形態,野村資本市場クォータリー 2016年冬号,日本,株式会社野村資本市場研究所,2016年02月01日,第19巻第3号,第25-37頁
【文献】
和田 敬二朗,個人マーケット 米国で拡大する「ロボ・アドバイザー」による個人投資家向け資産運用,野村資本市場クォータリー 2015年冬号,日本,株式会社野村資本市場研究所,2015年02月01日,第18巻第3号,第111-118頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポートフォリオ生成表示手段で生成されたポートフォリオ情報に含まれる複数の目標情報の少なくとも一つに関連する外部装置に対して、当該ポートフォリオ情報に係る顧客に関する所定情報を送信する顧客情報送信手段を備える、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の目標達成ポートフォリオ生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本発明の目標達成ポートフォリオ生成装置は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0016】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。また、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置は、単一の情報処理装置(例えば1台のパーソナルコンピュータ等)で構成することもでき、複数の情報処理装置(例えば複数台のサーバコンピュータ群等)で構成することもできる。
【0017】
[システム構成]
図1に、本発明の一実施形態に係る目標達成ポートフォリオ生成装置を備えたシステム構成を示す。
同図に示す本発明の一実施形態に係る目標達成ポートフォリオ生成装置を備えたシステムは、投資運用支援サーバ10と、金融機関20に備えられる投資運用アプリ21・金融機関システム22と、顧客端末30と、販売会社40に備えられる販社装置41,金融機関基幹システム50を備えた投資運用提案システム1として構成されている。
これら投資運用提案システム1を構成する投資運用支援サーバ10,金融機関20(投資運用アプリ21・金融機関システム22),顧客端末30,販売会社40(販社装置41),金融機関基幹システム50は、例えばインターネット等の所定のネットワークを介して、相互にデータ通信可能に接続される。
【0018】
[投資運用支援サーバ10]
投資運用支援サーバ10は、入力情報に基づいて顧客が設定した目標達成のための資産運用を提案するポートフォリオ情報を生成する本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置となる情報処理装置によって構成されている。
具体的には、投資運用支援サーバ10は、例えば1又は2以上のサーバコンピュータや、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等によって構成することができる。
この投資運用支援サーバ10には、図示しないOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)などが備えられ、サーバコンピュータとして運用されるようになっている。
【0019】
そして、投資運用支援サーバ10には、Webサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアとして実装される投資運用API11が備えられている。
投資運用API11は、1又は2以上の金融機関20(20a,20b・・・20n)に対して、インターネット等のネットワークを介して、API(Application Programming Interface)という形で利用可能なアプリケーションを公開、提供する。
これにより、各金融機関20では、投資家や顧客(以下「ユーザ」という)に対して資産運用の提案,アドバイス等のサービスを提供するために運用するアプリケーションプログラムである投資運用アプリ21(21a,21b・・・21n)を介して投資運用API11を呼び出すことにより、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置の機能を実行させることができる。
【0020】
また、投資運用支援サーバ10には、データベース等として実装される投資運用支援データウェアハウス(DWH)12が備えられている。
投資運用支援DWH12は、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置の運用に必要となる所定の情報を取得・蓄積する記憶手段である。
具体的には、投資運用支援DWH12は、各種の情報リソースとして、各金融機関20が販売する投資商品の情報や、当該金融機関20のユーザの属性情報、口座取引の履歴情報、アクセス履歴の情報などが記憶されている。
【0021】
また、投資運用支援DWH12には、上述した投資運用API11の実装・運用に必要となる所定の情報が格納され、投資運用API11の実行に伴って随時必要な情報が読み出され、記憶・更新される。
具体的には、金融機関20側で用意されたリスク水準に応じたポートフォリオについての情報が、投資運用支援DWH12に金融機関別の情報として記憶・保持される。
また、後述する一又は二以上のポートフォリオに対応したリスク判定用データやリスク補正用データ等も、金融機関別の情報として投資運用支援DWH12に記憶・保持される(
図17,18参照)。
【0022】
なお、このように投資運用支援DWH12に蓄積される情報は、例えば金融機関20が有する勘定系・情報系の情報処理システムとなる自前の金融機関システム22や、複数の金融機関20に対して勘定系・情報系の情報処理システムを提供する金融機関基幹システム50から、日次処理等により定期的に抽出して、投資運用支援DWH12で取得、蓄積することができる(
図1参照)。
また、金融機関20が連携できる自前の情報処理システムや外部の基幹システム等を有していない場合には、例えば手動で各種情報を投資運用支援DWH12に登録・蓄積することもできる。また、例えば外部のデータソース等から銘柄毎の過去の値動きや格付け等の実績情報を取得して蓄積することもできる。さらに、投資運用支援DWH12に蓄積された情報は、投資運用API11を介して、他のプログラム(例えば金融機関20の投資運用アプリ21)において取得・参照することができる。
【0023】
そして、以上のような投資運用支援サーバ10に備えられる投資運用API11は、具体的には、
図1に示すように、目標表示手段13,ヒアリング表示手段14,ポートフォリオ生成表示手段15,顧客情報送信手段16として機能するように構成されている。
目標表示手段13は、入力操作によってユーザ等が選択可能な、所定の目標情報を表示するための手段である。
ヒアリング表示手段14は、入力操作によってユーザ等が回答可能な、所定のヒアリング情報を表示する手段である。
【0024】
ポートフォリオ生成表示手段15は、入力操作によって選択及び回答された上記の目標情報及びヒアリング情報に基づいて、所定のポートフォリオ情報を生成して、ユーザ側の表示手段において視認可能に表示させる手段である。特に、ポートフォリオ生成表示手段15は、ユーザ等が選択した複数の目標情報に対応した単一の資産運用を提案するポートフォリオ情報を生成できるようになっている。
ここで、本発明に係る「ポートフォリオ情報」とは、ユーザの資産運用に対して提示する資産運用情報であり、例えば目標金額を目標達成予定日までに到達させるための投資計画を示すグラフや表、資産を複数の金融商品に分散して投資する場合の各金融商品の組み合わせやその比率を示すグラフや表などをいう(
図19〜22等参照)。
【0025】
顧客情報送信手段16は、上記のポートフォリオ生成表示手段15で生成されたポートフォリオ情報に含まれる複数の目標情報の少なくとも一つに関連する外部装置として、後述する販売会社40の販社装置41に対して、生成されたポートフォリオ情報に係るユーザ等に関する所定情報を送信する手段である。
これら投資運用API11で実現される各手段の具体的な機能・動作については、顧客端末30に出力・表示される表示画面例を参照しつつ後述する(
図2〜31参照)。
【0026】
[金融機関20・金融機関基幹システム50]
金融機関20は、例えば銀行や証券会社などの金融機関・投資法人等であって、投資運用支援サーバ10とデータ通信可能に接続される情報処理装置が備えられ、その情報処理装置において投資運用アプリ21が実装・運用されるようになっている。
図1に示す例では、複数の金融機関20a,20b・・・20nにおいて、それぞれ、投資運用アプリ21a,21b・・・21nが運用できるようになっている。
各金融機関20では、それぞれ投資運用アプリ21を介して、上述した投資運用支援サーバ10の投資運用API11から提供されるアプリケーションを実行できるようなっている。これにより、各金融機関20では、それぞれ自己のユーザに対して資産運用の提案,アドバイス等のサービスを提供するためのアプリケーションプログラムとして投資運用アプリ21(21a,21b・・・21n)を介して投資運用API11を呼び出して、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置の機能を実行させることができる。
【0027】
また、各金融機関20は、自前の金融機関システム22を備えるか、あるいは、外部の金融機関基幹システム50によって、各金融機関20が販売する投資商品の情報や、当該金融機関20のユーザの属性情報、口座取引の履歴情報、アクセス履歴の情報などが記憶・管理されている。
図1に示す例では、金融機関A20a及び金融機関B20bは、それぞれ自前の金融機関システムA22a及び金融機関システムB22bが備えられ、金融機関N20nについては外部の金融機関基幹システム50が備えられている。
【0028】
これら金融機関システム22・金融機関基幹システム50は、対応する金融機関20が有する勘定系・情報系の情報処理システムとして構成されている。
また、金融機関基幹システム50は、例えば1又は2以上の金融機関の外部委託に応じて当該金融機関のデータシステムの運用を業務として請け負う、所謂システム・インテグレーターと呼ばれる情報システム企業が所有する巨大なサーバシステム群によって構成・運用される。このような金融機関基幹システム50としては、例えば株式会社野村総合研究所が運用する、証券基幹系システム(STAR(登録商標))、銀行の金融商品仲介システム(BESTWAY(登録商標))などが知られている。
【0029】
[顧客端末30]
顧客端末30は、上述した金融機関20のユーザ(顧客・投資家)が利用可能な情報処理装置であり、例えばユーザが自己所有するPCや携帯端末,スマートフォン(
図31参照)や、金融機関20に設置されるPCや専用端末装置などで構成される。
この顧客端末30をユーザが操作して、各金融機関20(20a,20b・・・20n)が提供する投資運用アプリ21(21a,21b・・・21n)にアクセス・起動することで、投資運用アプリ21を介して投資運用支援サーバ10の投資運用API11を呼び出すことができ、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置で提供される機能・サービスを実行・利用することができる。
【0030】
このように、本実施形態に係るユーザは、顧客端末30を使用して、インターネット等を介して自身が利用する金融機関20が提供するWebアプリケーション等からなる投資運用アプリ21にアクセスし、ポートフォリオの構築・運用のサービスを利用することができる。
但し、このような本実施形態の構成に限られず、例えば、投資運用アプリ21を顧客端末30に導入し、この投資運用アプリ21に対応する投資運用サーバを各金融機関に導入する構成であってもよく、この場合、顧客端末30の投資運用アプリ21から各金融機関の投資運用サーバを介して投資運用支援サーバ10にアクセスすることになる。
また、例えば、ユーザが自身で所有するPC等の情報処理端末に投資運用アプリ21に相当するアプリケーションを導入し、投資運用支援サーバ10に金融機関20を介さずに直接アクセスして、ポートフォリオの構築サービスを利用できるようにすることも可能である。
【0031】
[販売会社40]
販売会社40は、例えば不動産会社や輸入自動車ディーラー,マンションデベロッパーなど、資産運用の目標・ゴールとなる商品やサービス等を提供・販売する企業などであって、投資運用支援サーバ10とデータ通信可能に接続される情報処理装置として販社装置が41備えられている。
図1に示す例では、複数の販売会社40a,40b・・・40nに、それぞれ、販社装置41a,41b・・・41nが備えられている。
【0032】
そして、各販売会社40に対しては、それぞれ投資運用支援サーバ10から、投資運用API11のポートフォリオ生成表示手段15で生成されたポートフォリオ情報に含まれる複数の目標情報に関連する販売会社40の販社装置41に対して、生成されたポートフォリオ情報に係るユーザ等に関する所定情報が送信されるようになっている。
例えば、将来的に不動産や輸入自動車の購入を目標としているユーザが、投資運用支援サーバ10に対してその目標達成のためのポートフォリオ生成等を行うと、当該ユーザの情報が、対応する不動産会社や自動車ディーラーである販売会社40の販社装置41に対して送信・通知され、例えばユーザの氏名や住所,電話番号,メールアドレス,対象製品,対象金額,対象目標金額等の情報が提供されることなる。
【0033】
その結果、そのようなユーザ情報を受信した販売会社40は、そのユーザに対して宣伝広告等のプロモーション活動を行うことができるようになる(
図30参照)。
なお、このような販売会社40に対するユーザ情報の送信・提供は、事前に当該ユーザの許諾・承認を得た上で実行されるものである。
また、販売会社40に提供されるユーザの情報は、ユーザの選択・設定等によって、特定情報(例えばメールアドレス)のみを提供可能とし、住所や電話番号などの重要な情報は提供されないようにすることできるものである。
【0034】
[動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係る目標達成ポートフォリオ生成装置を備えるシステムの具体的な動作(目標達成ポートフォリオ生成方法)について、
図2及び
図3〜31を参照しつつ説明する。
図2は、本実施形態における目標達成ポートフォリオ生成装置を備えるシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下に示す動作は、顧客端末30から投資運用アプリ21を介して読み出される投資運用API11(目標表示手段13,ヒアリング表示手段14,ポートフォリオ生成表示手段15,顧客情報送信手段16)及び投資運用支援DWHによって実行・運用される。
【0035】
まず、ユーザは、顧客端末30を操作して、自己が取引を行う金融機関20(20a,20b・・・20n)が提供する投資運用アプリ21(21a,21b・・・21n)にアクセスする。この場合、ユーザは、自己に割り当てられたユーザIDやパスワードを入力することにより、投資運用アプリ21にログインすることができる。
そして、ログインした投資運用アプリ21を介して投資運用支援サーバ10の投資運用API11が呼び出され、以下のようにして本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置で提供される機能・サービスを利用することができる。
【0036】
投資運用アプリ21にログインした顧客端末30には、
図1に示すように、本発明に係る目標情報としてゴールリストが表示される(ステップ01)。
このゴールリストとしては、例えば
図3に示すような表示画面が提示される。
同図に示す例では、ユーザが顧客端末30に対する入力操作によって選択可能な目標情報として、不動産・自動車・旅行・ホビー・ライフイベント・リタイアメント・貯蓄の7項目が表示されるようになっている。したがって、ユーザは自己の資産運用の目標・目的に応じたゴールとして、いずれかの目標情報を選択することできる(ステップ02)。
【0037】
ユーザの入力操作に応じていずれかのゴール(目標情報)が選択されると、
図4に示すように、選択されたカテゴリーに属する、より具体的なゴールリストが選択可能に提示される。
図4に示す例では、ユーザが
図3のゴールリストから「不動産」を選択した場合に、より具体的な不動産として、価格や所在地などに応じたマンション・一戸建て・別荘の8項目が表示されるようなっている。したがって、ユーザは自己の資産運用のより具体的な目標・ゴールとして、いずれかの不動産情報を選択することできる(ステップ02)。
【0038】
ユーザの入力操作に応じて具体的なゴール(不動産)が選択されると、次に、
図5に示すように、選択されたゴールに対する数値目標を設定するための画面が表示される(ステップ03)。
図5に示す例では、ユーザが
図4の画面から「マンション・都内・5000万円」のゴールを選択した場合に、その選択されたゴールの内容が表示されるとともに、そのゴール(マンション)に対する目標金額と目標達成予定を入力させる画面が表示される。ここでは、ユーザが「目標金額:1000万円」、「目標達成予定:8年0ヶ月」と入力した例を示している。
表示画面の下欄には「目標を追加する」、「決定」という選択ボタン(アイコン)が表示され、ユーザの入力操作に応じて後続の処理が実行されるようになっている。
【0039】
ユーザが目標金額・目標達成予定の項目を入力して「決定」を選択操作すると、
図6に示すように、入力された目標金額と目標達成予定を確認可能に表示するとともに、目標の追加・削除を選択可能に提示する画面が表示される。
具体的には、表示された目標金額・目標達成予定の右端欄には「削除」の選択ボタン(アイコン)が表示され、ユーザの入力操作に応じて、既に入力されている目標情報を削除することができる。
また、表示画面の下欄に「目標を追加する」、「この目標で投資計画に進む」という選択ボタン(アイコン)が表示され、ユーザの入力操作に応じて後続の処理が実行されるようになっている。したがって、ユーザは、自己の選択・判断で、任意に目標を追加することができ、また、目標の設定が終われば、後続の投資計画の作成処理に進むことができる。
ここでは、ユーザが「目標を追加する」を選択した場合について説明する。
【0040】
ユーザが、
図6の画面で「目標を追加する」を選択操作すると、
図7に示すように、再び複数の目標情報が選択可能に表示される画面が提示される。この
図7の画面は、上述した
図3の画面と同じ画面である。
したがって、ユーザは追加の目標・ゴールとして、いずれかの目標情報を選択することできる(ステップ02)。例えば、ユーザは、追加の目標として再び「不動産」を選択することもでき(
図3,4参照)、また、他の目標を選択することもできる。
ここでは、ユーザが、2つ目の目標として、「自動車」を選択した場合について説明する。
【0041】
ユーザの入力操作に応じてゴール(自動車)が選択されると、
図8に示すように、選択されたカテゴリーに属するより具体的なゴールリストが選択可能に提示される。
図8に示す例では、ユーザが
図7(
図3)のゴールリストから「自動車」を選択しているので、より具体的な自動車として、メーカーや価格,車種などが異なる複数(8台)の自動車が表示されるようなっている。したがって、ユーザは自己の目標・ゴールとして、いずれかの自動車の情報を選択することできる(ステップ02)。
【0042】
ユーザの入力操作に応じて具体的なゴールとして「自動車」が選択されると、次に、
図9に示すように、上述した
図5の場合と同様に、選択されたゴールに対する数値目標を設定するための画面が表示される(ステップ03)。
図9に示す例では、ユーザが
図8の画面から「メルセデス・ベンツCクラス・C450AMG4MATIC・X78万円」のゴールを選択した場合に、その選択されたゴールの内容が表示されるとともに、そのゴール(自動車)に対する目標金額と目標達成予定を入力させる画面が表示される。ここでは、ユーザが「目標金額:200万円」、「標達成予定:4年0ヶ月」と入力した例を示している。
【0043】
ユーザが目標金額・目標達成予定の項目を入力して「決定」を選択操作すると、
図10に示すように、入力された目標金額と目標達成予定を確認可能に表示するとともに、目標の追加・削除を選択可能に提示する画面が表示される。
ここでは、先に選択・入力された1つ目の目標情報(不動産)と、2つ目の目標情報(自動車)が全て確認できるように同一画面に複数の目標情報が並列的に表示される。
そして、この段階でも、上述した
図6の場合と同様に、ユーザは入力操作によって、既に入力されている目標情報を「削除」し、また、表示画面下欄の「目標を追加する」、「この目標で投資計画に進む」を選択することできる。
【0044】
ここでは、ユーザが「この目標で投資計画に進む」を選択した場合について説明する。
ユーザが「この目標で投資計画に進む」を選択すると、既に入力・設定された一又は二以上の目標情報(上記の例では「不動産」と「自動車」の二つの目標情報)が、単一・共通のゴールとして登録される(ステップ04)。
この登録情報は、顧客端末30・投資運用アプリ21を介して、投資運用支援サーバ10の投資運用支援DWH12において、ユーザ別の情報として記憶・保持される。
【0045】
したがって、目標情報を登録したユーザは、その後も任意のタイミングで、自己が設定・登録した一又は二以上の目標情報を読み出して、参照したり加工・変更することができる。
なお、ユーザは、目標情報のゴール登録だけを行うこともできる(ステップ04)。その場合には、上述した
図3,7に示したステップ01(
図2)に戻り、以下に示す投資計画やポートフォリオの生成や、そのためのヒアリング情報の入力・回答を行う必要がなくなる。
また、その場合に、後日に投資計画やポートフォリオを生成するために、過去に登録した目標情報を読み出して使用することができる。
【0046】
目標情報が登録され(ステップ04)、さらに、後続の投資計画・ポートフォリオの生成処理に進む場合には、顧客端末30には、本発明に係るヒアリング情報として、ユーザが入力操作によって回答可能な複数の表示画面が表示される。
この表示画面に従ってユーザが入力操作によって回答を行うことで、投資のためのヒアリングが行われることになる(ステップ05)。
ユーザに回答させるヒアリング情報としては、例えばユーザの年齢,性別,初期投資額,毎月積立投資額,リスク許容度などの個人属性情報であり、それらの情報が複数の質問が行われることで、回答・収集されることになる。
【0047】
具体的には、本実施形態では、ヒアリング情報の表示画面として、例えば
図11〜16に示すような表示画面が提示される。これら複数の画面は、先行する画面のヒアリング情報の回答が入力・完了すると、後続の画面に遷移するようになっており、また、ユーザの「前の質問に戻る」の操作によって、既に回答した画面に戻ることができるようになっている。
まず、
図11に示す画面では、ユーザの年齢と性別を回答させる画面が表示される。
図11の画面の回答が行われて「次へ」が選択されると、
図12に示す画面では、初期投資する資金額を回答させる画面が表示される。
【0048】
図12の画面の回答が行われて「次へ」が選択されると、
図13に示す画面では、毎月積立投資する金額を回答させる画面が表示される。
図13の画面の回答が行われて「次へ」が選択されると、
図14に示す画面では、資金運用する期間を回答させる画面が表示される。
図14の画面の回答が行われて「次へ」が選択されると、
図15に示す画面では、保有する金融資産に対する投資額の割合を回答させる画面が表示される。
図15に示す例では、ユーザが想定している投資額が、当該ユーザが保有する金融資産の10%以下・30%以下・50%以下・50%超・100%の5つの中からいずれかを選択できるようになっている。
【0049】
すなわち、本実施形態では、本システムを用いて試算・運用する投資資金が、そのユーザが保有する金融資産の50%なのか10%なのか、あるいは100%なのかを回答させるようになっている。これを回答させることで、後述するリスク許容度を変えることができ、例えば「100%」ならそのユーザの全金融資産となるため、あまり冒険はしない方がよく、リスク許容度を低めに設定し、一方、「10%」なら、多少冒険してもよいと考えられ、リスク許容度を高めに設定する、という判定を行うことができる。
また、このような回答を行わせることで、そのユーザが他に金融資産をどれ位もっているかを推定・把握することができ、例えば「10%」と回答したユーザに対しては、さらに投資金額の増額を促すなどのサービス・提案を行うことが可能となる。
【0050】
図15の画面の回答が行われて「次へ」が選択されると、
図16に示す画面では、ユーザに資産運用のリスク許容度を選択させる画面が表示される。
図16に示す例では、ユーザが許容できるリスク水準(許容度)として、A〜Eの5つのリスク水準を提示して、いずれか一つを選択できるようになっている。
この例では、100万円を1年間運用した場合の運用損益の上限と下限が各リスク水準A〜Eについて示されており、Aが最もローリスク・ローリターンの場合であり、Eが最もハイリスク・ハイリターンの場合である。
そして、このA〜Eのリスク水準に対応して、それぞれ異なるポートフォリオが適用されるようなる。
【0051】
すなわち、本実施形態では、リスク水準に合わせて複数のポートフォリオが用意されるようになっている。また、リスク水準(ポートフォリオ)は、例えば5段階,10段階,20段階等と任意に設定することができ、金融機関20ごとに用意したり変更することができる。
好ましくは、リスク水準にあった複数のポートフォリオは、各金融機関20で個別に用意し、その情報を金融機関システム22や金融機関基幹システム50を介して、投資運用支援サーバ10の投資運用支援DWHに記憶・保持するようにする。
なお、ポートフォリオは、1つのファンドでもよいし、ファンドラップのように複数のファンドで構成されていてもよい。また、ビットコンや不動産などリスクに見合ったリターンがあるものであれば他のものであってもよい。
【0052】
そして、本実施形態では、ユーザが選択・許容したリスク水準(許容度)と、ユーザが回答したヒアリング情報に基づいて、複数のポートフォリオの中から、当該ユーザに最適な投資計画となる推奨のポートフォリオが抽出・決定されるようになっている。
ここで、リスク水準(許容度)と推奨ポートフォリオの決定方法について説明する。
図17は、本発明の一実施形態に係る目標達成ポートフォリオ生成装置で用いられるリスク判定用データを示す説明図であり、(a)はリスク判定用の定義テーブル、(b)は(a)に示す定義テーブルに基づいて行われるリスク許容度の試算例である。
図17(a)に示すように、リスク水準は、ユーザから得られたヒアリング情報、例えばユーザの年齢・性別・初期資金・積立金月額・運用基幹・保有総資産・想定運用結果(リスク許容度に基づくポートフォリオ種別)に応じて、所定のポイントを配点として割り振ることができるようなっている。
【0053】
そして、このような定義テーブルに基づいて、各ユーザの推奨されるリスク許容度を算出・判定することができる。
具体的には、
図17(b)に示すように、該当のユーザが、例えば年齢:30代・性別:男性・初期資金:100万円未満・積立金月額:1万円未満・運用期間:3年以内・保有総資産:100万円以上500万円未満・想定運用結果(リスク許容度):ポートフォリオDであれば、配点合計が「55」となり、この配点結果に対して判定結果(リスク許容度)として「5」を割り当てることができる。したがって、当該ユーザに対しては、リスク許容度「5」に対応するポートフォリオを推奨ポートフォリオとして提示することができる。
【0054】
なお、上記のような判定テーブルに基づく配点合計に対して、どのような判定結果(リスク許容度)を割り当てるかは、自由に設定することができる。
例えば、金融機関ごとに、また、用意されたポートフォリオの数や種類によって、リスクレベルの段階が「5」段階の場合もあれば「10」段階、「20」段階の場合もあり、それらリスクレベルに応じて、配点合計からリスクレベルを算出する方法は自由に決めることができる。
【0055】
また、
図18に示すようなデータを用いて推奨ポートフォリオを選定することもできる。
図18は、本発明の一実施形態に係る目標達成ポートフォリオ生成装置で用いられる他のリスク判定用データを示す説明図であり、(a)は想定運用(リスク許容度)と運用期間で特定される推奨ポートフォリオのテーブル、(b)は(a)で特定される推奨ポートフォリオに対する補正値を示すテーブルである。
図18(a)に示す例では、ユーザが選択した想定運用A〜E(リスク許容度)と、ユーザが想定している運用期間から、1〜10のいずれかのポートフォリオが抽出・特定できるようになっている。なお、ここで、示されるポートフォリオ1〜10は、番号が大きくなるに連れてリスクも大きくなるポートフォリオが割り当てられており、「1」が最もリスクが低い(ローリスク・ローリターン)のポートフォリオであり、「10」が最もリスクの高い(ハイリスク・ハイリターン)のポートフォリオとなっている。
なお、ここではユーザが選択した想定運用A〜E(リスク許容度)を用いているが、上述した
図17(b)で求められるリスク許容度と運用期間からなるリストを代わりに用いることも可能である。
【0056】
そして、そのように特定されたポートフォリオに対して、
図18(b)に示すように、例えばユーザの性別・年代ごとに、また、全資産中の投資比率ごとに、補正値をかけることにより、最終的な推奨ポートフォリオを抽出するようになっている。
例えば、例えば性年代:男性30代・想定運用(リスク許容度):D・保有総資産に対する運用比率:25−50%のユーザであれば、
図18(a)によって、ポートフォリオ「5」が抽出され、これに対して
図18(b)によって補正値「+1」と「0」がかけられ、推奨ポートフォリオとして「6」のポートフォリオを提示することができる。
なお、
図18(b)に示すようなリスク許容度に対して補正をかける項目や質問内容は柔軟に設定・変更することが可能である。
また、以上のようなリスク許容度・推奨ポートフォリオを判定するためのデータ・テーブルは、各金融機関別に作成され、投資運用支援サーバ10の投資運用支援DWH12に予め記憶しておくことができる。
【0057】
そして、以上のようにして選定された推奨ポートフォリオに基づく投資計画・ポートフォリオが生成され、当該ユーザに提案する投資&消費プランとして表示される(ステップ06)。
投資計画・ポートフォリオを含むポートフォリオ情報の生成は、投資運用API11のポートフォリオ生成表示手段によって実行される。
図19は、ユーザが入力した目標情報及びヒアリング情報に基づいて生成された投資計画を提示する画面であり、上述した
図3〜8に対応して目標金額は不動産:1000万円と自動車:200万円の合計1200万円、目標達成予定は現時点から8年0ヶ月後の2024年2月、初期投資額:400万円、毎月積立投資金額:5万円、リスク水準:3のユーザに対して推奨・提案された内容となっている。
【0058】
この
図19から明らかなように、本実施形態で生成・提示されるポートフォリオ情報となる投資計画は、複数の目標(不動産・自動車)に対して単一の資産運用計画が示されている。具体的には、運用開始から4年間は資産が増加しており、4年後の2020年2月に、複数の目標の一つである自動車の購入が行われることで、資産が一時的に減少し、その後再び資産が増加し、もう一つの目標である不動産購入のための目標金額1000万円が、最終の目標達成予定より約2年早い2022年2月に目標達成できることが示されている。
このように、自己が設定した具体的な複数の目標・ゴールについて、単一(共通)の一つの投資計画が生成・提示されることで、ユーザは将来的な資産運用計画が分り易いシンプルな形で入手でき、投資・資産運用に対するインセンティブが高められることなる。
【0059】
また、
図19で示される投資計画に対応するポートフォリオを表示することができる(ステップ07)。
具体的には、
図19に示す投資計画の表示画面の右下欄の「ポートフォリオ」という選択ボタン(アイコン)を選択操作することで、
図20に示すように、投資計画を実現するための複数の金融商品の分散投資比率等を示すポートフォリオが表示される。これによって、ユーザは、投資計画で提示された資産運用について、具体的な投資配分比率等を容易かつ分り易い形で表示・確認することができるようになる。
【0060】
そして、以上のようにして提示された投資計画・ポートフォリオに基づいて、実際の買付指示や、シミュレーションを行うことができる(ステップ08)。
買付指示は、投資運用支援サーバ10から、金融機関20の金融機関システム22や金融機関基幹システム50(上述した証券基幹系システム、銀行の金融商品仲介システムなど)に、システム上のメッセージを送信することによって買付指示を行うことができる。
【0061】
また、シミュレーションは、生成された投資計画・ポートフォリオに基づいて、実際にお金をかけずに、すなわち、上記の買付指示を行わずに、仮想的に投資運用を行うものである。
シミュレーションと実際に投資運用を行っている設定内容(シナリオ)は、投資運用支援サーバ10の投資運用支援DWHに登録保存される。
したがって、シミュレーションで運用していたものを実際に投資運用に切り替えることができ、また、実際に投資運用しているものとシミュレーションで運用しているものを交換することもできる。
【0062】
さらに、登録保存されているシナリオを複製して、別の投資計画・ポートフォリオの生成に利用することができる。例えば、複製したシナリオをユーザが適宜内容を修正し、例えばリスク許容度のみを変更したり、目標達成期間を変更したりといったプラン変更等を行うことができる。
具体的には、例えば2016年3月に作成したシナリオ1とシナリオ2(シナリオ1とリスク許容度が異なるため別のポートフォリオが提案されているシナリオ)が設定・登録されている場合に、その当時シナリオ1を選択したものの、2年後の2018年3月にユーザが対比したところ、実績は、シナリオ2の方が優れて既に目標到達している場合、ユーザは2018年3月時点でシナリオ1からシナリオ2に切り替えて運用を行うことができる。また、上記のような場合に、シナリオ1からシナリオ2への完全な切り替えだけでなく、シナリオ1に運用資産半分残したまま、シナリオ2に運用資産半分を移行することもできる。
また、そのような投資計画・ポートフォリオをユーザ以外の他者に提示・公開することも可能である。
【0063】
例えば、
図19,20で示した投資計画・ポートフォリオのシナリオに基づいて、リスク許容度のみを変更することができる。
具体的には、
図21は、
図19で提示された投資計画について、リスク許容度が「3」であったところ「5」に変更して投資計画を生成し直したものである。リスク許容度を「3」から「5」にすることで、投資リスクは増大するが、目標達成までの期間が短縮されることになる。また、
図22は、
図20に示す投資計画に対応するポートフォリオを提示する画面である。
このようなリスク許容度の変更は、
図19,21の表示画面中の左下欄に示されるリスクのレベル表示を、例えばマウス等の入力デバイスを操作して左右にスライド移動させることで、リスク許容度を変更・調整することができる。
【0064】
このようにして、本発明では、ユーザが選択した複数の目標情報に対応した単一の資産運用を提案するポートフォリオ情報として、資産運用内容の異なる複数のポートフォリオ情報を生成することができるものである。
また、ユーザの入力操作に応じて、既に生成したポートフォリオ情報について、資産運用内容の異なる他のポートフォリオ情報として再生成することができる。
さらに、既に生成したポートフォリオ情報を、他のポートフォリオ情報の生成用にコピー生成することも行える。
したがって、ユーザは、一度設定した目標について、例えばリスク許容度などを変更することによって、同一目標についてのポートフォリオを、内容を変更して複数生成することができ、それらを比較・検討することで、プランの見直し等を図ることができるようになる。
【0065】
また、本実施形態では、現在運用中の投資計画・ポートフォリオについても、随時生成して表示させることができる。
図23は、上述した
図19,20と同様の内容(シナリオ)で生成された投資計画・ポートフォリオに基づいて、実際に投資運用が開始された現在運用中の投資計画の全体を示す画面である。
また、
図24は、
図23で表示された現在運用中の投資計画に対応するポートフォリオを表示する画面である。
また、
図25,26は、
図23で表示された現在資産運用中の一つの目標についての現時点での達成率を示す画面であり、
図25は「不動産」、
図26は「自動車」についての達成率を示している。
【0066】
さらに、このように現在運用中の投資計画・ポートフォリオに対して、上述したように例えばリスク許容度のみを変更したシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果のポートフォリオや投資計画を、実際の運用中のポートフォリオや投資計画と比較・対照させることもできる。
図27は、あるユーザについて、当該ユーザが入力・設定した目標プランとして登録・保存されているシナリオとして、現在運用中のもの、シミュレーション中のもの、一時保存中のものを一覧表示する画面である。
図28は、
図27に対応する運用中、シミュレーション中、一時保存中の目標プランの、現時点での達成率を一覧表示する画面である。
【0067】
このようにして、本実施形態では、単に推奨する投資計画・ポートフォリオを提示するだけでなく、実際に運用中のデータとシミュレーションのデータとを同時に生成・表示して、比較・対照等が行えるようになっている。
その結果、例えば実際に投資運用しているものとシミュレーションで運用しているものを交換することができるようになる。
このように本発明では、資産運用内容の異なる複数のポートフォリオ情報を、ユーザの顧客装置30側の表示手段において同一画面上に表示可能な情報として生成することができるものである。
これにより、現在の運用内容を随時確認できるとともに、プランの変更や見直し等も容易に行え、市況や相場等の現状や動向に応じた機動的な対応を取ることも可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のようにして生成されたポートフォリオ情報に含まれる複数の目標情報(不動産,自動車等)の少なくとも一つに関連する販売会社40の販社装置41に対して、そのポートフォリオ情報に係るユーザの所定情報が送信されるようになっている。
ここで、販売会社40の販社装置41に対する所定情報の送信タイミングとしては、ユーザが任意のタイミングで送信できる他、目標情報に対する到達度若しくは現在の目標に対する運用成績が所定閾値に達成した場合に送信できる。
また、販売会社40側は単に前記ユーザの所定情報を受信するだけでなく、本システムに対してアクセスし、検索条件に対応するユーザを抽出できるようにし、抽出されたユーザに対して宣伝広告を送信できる構成としてもよい(但し、ユーザを特定できる情報は出力されないようにする)。
【0069】
これによって、販売会社40では、例えば不動産購入を検討しているユーザや、自動車の買い替えを考えているユーザの情報をいち早く入手することが可能となり、当該ユーザに対する宣伝広告等を効果的に行うことができる。
例えば、あるタイプのメジャーチェンジを控えている自動車販売会社が本システムにアクセスし、該当するタイプの車種及び/又は類似する車種を目標設定しているユーザ(更に目標金額達成率や運用金額等の条件を加えることも可能である)を抽出することができる。これによって、メジャーチェンジに伴う当該自動車の価格変更をユーザに対して通知することができる。また、ユーザの中には価格変更により現在の運用金額で到達する場合もあり、目標金額変更を自動的に行うようにすることもできる。
図29,30は、本システムを利用するユーザに提供されるサービス・情報の一例であり、
図29は、金融機関20側から提供される投資運用に関するお知らせ情報を一覧表示する画面であり、また、
図30は、ユーザが登録した目標情報に対応する販売会社から提供される情報を一覧表示する画面である。
【0070】
なお、販売会社40の販社装置41に対するユーザ情報の送信は、ユーザの許諾・了承を得た上で、例えば上述した投資計画・ポートフォリオ情報が生成されたゴール登録のタイミング(
図2:ステップ04)で、投資運用支援サーバ10の顧客情報送信手段16から、該当する販売会社40の販社装置41に送信することができる。
また、販売会社40側からの宣伝広告等のオファーは、ゴール登録(
図2:ステップ04)、シミュレーション(
図2:ステップ08)、本番投資運用(
図2:ステップ08)のどのモードであっても、ユーザが選択したゴールの内容に合わせて、商材提供者となる販売会社40からオファーが通知されるようにすることができる。
ここで、販売会社40からのオファーとしては、商材提供者である販売会社40からのお知らせ(最新情報、イベントなど)や特典(割引クーポンやキャンペーン等)などがある。
【0071】
なお、以上説明した本実施形態では、顧客端末30側に出力・表示される表示画面(
図3〜17,19〜30)の例として、PCのディスプレイのように、比較的大きな画面の表示手段に表示される場合を示している。
但し、本発明で生成・表示される表示画面は、例えば携帯電話機やスマートフォンの表示手段のように、比較的小さな画面の表示手段に表示することも勿論可能である。
図31に、顧客端末30がスマートフォンの場合の表示画面の一例を示す。
このように、小型の携帯端末等においても、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置で運用される機能を、いつでも、どこにいても利用することが可能となり、ユーザにとってより利便性や有用性の高い資産運用サービスを提供することが可能となる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置を構成する投資運用支援サーバ1で運用される投資運用API11が、金融機関20の投資運用アプリ21を介してユーザ側の顧客端末30において表示・利用可能に提供される。
そして、ユーザは、顧客端末30に表示される投資運用アプリ21の表示内容に従って、一又は二以上の表示項目を順次選択するとともに、ヒアリング情報に回答を入力することにより、自己の資産運用の目標・ゴールに対応した複数の対象を想定した単一のポートフォリオを生成して表示・出力させることができる。
これによって、具体的な目標等のない抽象的な資産運用プランやポートフォリオとは異なり、自己が実現を望む具体的なゴールに向かって構築された現実的なポートフォリオが提示されることで、将来への夢や楽しみが大きく膨らみ、投資意欲もかき立てられ、更なる投資や資産運用に対するインセンティブが高められることなる。
【0073】
また、具体的な目標等に対応したポートフォリオは、例えばリスク許容度などを変更することによって、同一目標についてのポートフォリオを、内容を変更して複数生成することができ、それらを容易に比較・対照等して検討することができる。
したがって、例えば現在運用中の資産形成についても、最新の分析データ等に基づいてプランの見直し等を図ることも可能であり、ユーザにとって利便性や有用性の高い投資運用提案システムとして提供することができる。
このようにして、本発明に係る目標達成ポートフォリオ生成装置の一実施形態によれば、様々な投資家の多様なニーズにも柔軟に対応することが可能となり、特にライフステージ等に応じた具体的・計画的な資産運用を望んでいる個人投資家に好適な投資運用の提案を行うことができるフィンテック(Fin Tech)として実現が可能である。
【0074】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、ポートフォリオ生成の入口となる目標・ゴールの表示選択項目において、本発明に係る目標情報として、不動産・自動車・旅行・ホビー・ライフイベント・リタイアメント・貯蓄の7項目を表示・提供するようにしていたが、これはあくまでも例示であり、目標情報は、これら以外にも変更・追加・減少することができる。また、それに応じて販売会社も同様に変更・追加・減少等することができる。
【0075】
同様に、ユーザが回答するヒアリング情報についても、上述した実施形態に限定されるものではなく、必要なヒアリング情報は任意に設定・変更することができる。
また、上記実施形態で示した顧客端末で表示・閲覧可能な表示画面は一例であり、画面の構成や内容は任意に設定・変更できることは言うまでもない。