【実施例】
【0062】
以下に、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0063】
<フェノール樹脂Aの合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液(52質量%ホルマリン)3,500kgと99質量%フェノール2,510kg(不純物として水を含む)を仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで48質量%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.7になるまで加えた後85℃まで昇温して、反応を行わせた。反応液のオストワルド粘度が160平方ミリメートル毎秒(=160mm
2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、フェノール樹脂中の尿素含有量が4.6質量%となるように尿素を添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.3になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、40℃における粘度が13,200mPa・s、水分量が4.1質量%のフェノール樹脂Aを得た。
【0064】
<フェノール樹脂Bの合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液(52質量%ホルマリン)3,500kgと99質量%フェノール2,510kg(不純物として水を含む)を仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで48質量%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.7になるまで加えた後85℃まで昇温して、反応を行わせた。反応液のオストワルド粘度が160平方ミリメートル毎秒(=160mm
2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、フェノール樹脂中の尿素含有量が4.6質量%となるように尿素を添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.3になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、40℃における粘度が7,800mPa・s、水分量が7.9質量%のフェノール樹脂Bを得た。
【0065】
<フェノール樹脂Cの合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液(52質量%ホルマリン)3,500kgと99質量%フェノール2,510kg(不純物として水を含む)を仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.7になるまで加えた後85℃まで昇温して、反応を行わせた。反応液のオストワルド粘度が60平方ミリメートル毎秒(=60mm
2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を570kg(ホルムアルデヒド仕込み量の15モル%に相当)添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.4になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、40℃における粘度が6,900mPa・s、水分量が10.1質量%のフェノール樹脂Cを得た。
【0066】
<フェノール樹脂組成物の粘度測定>
回転粘度計(東機産業(株)製、R−100型、ローター部は3°×R−14)を用い、40℃で3分間安定させた後の測定値をフェノール樹脂の粘度とした。
【0067】
<フェノール樹脂の水分量測定>
水分量を測定した脱水メタノール(関東化学製)に、フェノール樹脂を3質量%から7質量%の範囲で溶解して、その溶液の水分量から脱水メタノール中の水分を除して、フェノール樹脂の水分量を求め、フェノール樹脂から水分量の差分をフェノール樹脂の樹脂量とした。測定にはカールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製、MKC−510)を用いた。
【0068】
(実施例1)
<フェノール樹脂発泡体の製造>
表1に示すように、合成したフェノール樹脂Aの100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50%ずつ含有する組成物を3.5質量部の割合で混合し、更に、難燃剤としてタイエンC=II(太平化学産業製)を22.0質量部添加して、二軸押出機((株)テクノベル製) によって混練することで難燃剤入りフェノール樹脂組成物を得た。
【0069】
その後、難燃剤入りフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド40質量%と1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン60質量%の混合物3.1質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.40質量%、更に、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を10.6質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は8.5質量部)添加し、30℃に温調した回転数可変式のミキシングヘッドに供給した。
【0070】
混合し、得られた発泡性フェノール樹脂組成物をマルチポート分配管にて分配し、移動する面材上に供給した。なお、混合機(ミキサー)は、特開平10−225993号に開示されたものを使用した。即ち、混合機の上部側面に、フェノール樹脂および発泡核剤を含む発泡剤の導入口があり、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に酸性硬化剤の導入口を備えている混合機を使用した。攪拌部以降は発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するためのノズルに繋がっている。また、混合機は、酸性硬化剤導入口までを混合部(前段)、酸性硬化剤導入口〜攪拌終了部を混合部(後段)、攪拌終了部〜ノズルを分配部とし、これらにより構成されている。分配部は先端に複数のノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。ここで、混合機およびノズルは、各々温調水により温度を調節できるようになっており、温調水温度はともに23℃とした。また、マルチポート分配管の吐出口には、発泡性フェノール樹脂組成物の温度を検出できるように熱電対が設置してあり、ミキシングヘッドの回転数は650rpmに設定した。このとき面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度は44℃であった。面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物は、予成形工程に導入されるが、このときの予成形工程の設備温度は60℃とした。なお、予成形は、上方からの被覆面材の上方より、金属ロールにて行った。
【0071】
続いて、発泡性フェノール樹脂組成物は二枚の面材で挟み込まれるようにして、83℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアに導入され、15分の滞留時間で硬化させ、更に110℃のオーブンで2時間加熱して、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。なお、面材としては、上下面材共に目付量30g/m
2のポリエステル不織布(旭化成エルタスE05030)を使用した。フェノール樹脂発泡体積層板の両面から面材を丁寧に剥がして、厚み30mmのフェノール樹脂発泡体を得た。
【0072】
その後、後述の方法でフェノール樹脂発泡体の密度と平均気泡径を測定したところ、密度は60.0kg/m
3、平均気泡径は105μmであった。更に、得られたフェノール樹脂発泡体に対し、後述する方法で熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。
【0073】
<フェノール樹脂発泡体の密度>
200mm角のフェノール樹脂発泡体を試料とし、JIS K7222に従い質量と見かけ容積を測定して求めた。なお、発泡体の密度xに基づいて定められる、有機酸の添加部数yの範囲(13.0−0.1x≦y≦17.0−0.1x)を満たす場合を「Y」、満たさない場合を「N」と評価した。
【0074】
<フェノール樹脂発泡体の平均気泡径>
フェノール樹脂発泡体の厚み方向のほぼ中央を表裏面に平行に切削して得た試験片の切断面を50倍に拡大した写真を撮影し、得られた写真上にボイドを避けて9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数に準じて測定したセル数を各直線で求め、それらの平均値で1,800μmを割った値を平均気泡径とした。なお、本方法はJIS K6402に記載の方法を参考にしている。
【0075】
<フェノール樹脂発泡体の独立気泡率>
ASTM−D−2856に従い測定した。具体的には、フェノール樹脂発泡体積層板より面材を取り除いた後、直径30mm〜32mmの円柱形試料をコルクボーラーで刳り貫き、フェノール樹脂発泡体の厚み方向中心が中心となるように高さ9mm〜13mmに切り揃えた後、空気比較式比重計(東京サイエンス社製、1,000型)の標準使用方法により試料容積を測定した。その試料容積から、試料質量とフェノール樹脂の密度から計算した壁(気泡以外の部分)の容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけの容積で割り、100をかけた値を独立気泡率として求めた。なお、フェノール樹脂の密度は1.3kg/Lとした。なお、フェノール樹脂発泡体の厚みが30mm以下の場合には、直径30mm〜32mmの円柱形試料をコルクボーラーで刳り貫き、フェノール樹脂発泡体の厚み方向中心が中心となるように高さ4mm〜6mmに切り揃えた後同様の評価を行った。
【0076】
<フェノール樹脂発泡体の熱伝導率>
JIS A 1412−2:1999に準拠し、以下の方法で23℃の環境下におけるフェノール樹脂発泡体の熱伝導率を測定した。
【0077】
フェノール樹脂発泡体を600mm角に切断し、切断により得られた試片を23±1℃、湿度50±2%の雰囲気に入れ、24時間ごとに質量の経時変化を測定し、直近の質量からの変化率が0.2質量%以下になるまでその状態を保持した。直近の質量からの変化率が0.2質量%以下となった600mm角のフェノール樹脂発泡体を、傷つけないように面材を剥がしてから、同環境下に置かれた熱伝導率の測定装置に導入した。
【0078】
熱伝導率の測定は、試験体1枚、対称構成方式の測定装置(英弘精機社、商品名「HC−074/600」)を用い行った。23℃の環境下における熱伝導率は、低温板が13℃、高温板が33℃の条件で測定した。
【0079】
なお、熱伝導率の測定は、常温に置いていたフェノール樹脂発泡体、および70℃において30週間放置したフェノール樹脂発泡体に対して行った。
【0080】
<フェノール樹脂発泡体のX線回折法による分析>
フェノール樹脂発泡体のX線回折分析装置としては、Rigaku製のSmartLabを使用した。試料については、試料中心部付近を切り出し、測定試料とし、試料セル(AL製)に充填した。測定条件は、以下の通りである。X線管球は、Cu Kα、光学系は、平行ビームとし、管電圧・管電流を45kV−200mA、スキャン範囲は5〜80度、スキャンステップを0.02度、スキャンスピードを10度/分、検出器を一次元半導体検出器とした。
【0081】
なお、実施例1で得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0082】
<コーンカロリーメーターによるフェノール樹脂発泡体の難燃性能評価>
厚みが50mm以内のフェノール樹脂発泡体の評価においては、フェノール樹脂発泡体から、(99±1)mm×(99±1)mmのサンプルを切り出し、ISO−5660に準拠し、輻射強度50kW/m
2にて加熱したときの総発熱量が8MJ/m
2に到達する時間を測定した。なお、フェノール樹脂発泡体の厚みが50mmを超える場合には、厚み方向の上下面のうち、どちらか片面を一面として厚み方向に垂直にスライス切断することで試料の厚みが50mmとなるようにした上で、非切断面を加熱面側として評価する。また、難燃性能評価用試料に面材、サイディング等が付いている場合にはこれを取り除いて、フェノール樹脂発泡体とする。上記総発熱量が8MJ/m
2に到達する時間が21.0分以上であれば「A」、20.5分以上21.0分未満であれば「B」、20.0分以上20.5分未満であれば「C」、20分未満であれば「D」と評価した。
【0083】
試験時間は、試験体表面に輻射熱が照射され、同時に電気スパークが作動してからとした。酸素、一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度は5秒以内の間隔で測定した。
【0084】
なお、難燃性の評価は、常温に置いていたフェノール樹脂発泡体、および70℃において30週間放置したフェノール樹脂発泡体に対して行った。
【0085】
(実施例2)
表1に示すように、難燃剤としてタイエンK(太平化学産業製)を22.0質量部添加した以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、16.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0086】
(実施例3)
表1に示すように、難燃剤としてタイエンC=IIを17.0質量部及びタイエンKを5.0質量部添加した以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.5°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0087】
(実施例4)
表1に示すように、難燃剤としてタイエンC=IIを20.0質量部及びタイエンKを2.0質量部添加した以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.5°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0088】
(実施例5)
表1に示すように、難燃剤としてタイエンC=IIを12.0質量部及びタイエンKを10.0質量部添加した以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、16.6°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0089】
(実施例6)
表1に示すように、難燃剤としてタイエンC=IIを15.5質量部及びタイエンKを6.5質量部添加した以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0090】
(実施例7)
表1に示すように、難燃剤としてExolit AP 423(クライアントケミカルズ株式会社)を17.0質量部及びタイエンKを5.0質量部添加した以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0091】
(実施例8)
表1に示すように、フェノール樹脂Bを用いる以外は実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0092】
(実施例9)
表1に示すように、フェノール樹脂と界面活性剤との合計100質量部に対する、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を8.8質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は7.0質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.3°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0093】
(実施例10)
表1に示すように、フェノール樹脂と界面活性剤との合計100質量部に対する、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を13.7質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は11.0質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0094】
(実施例11)
表1に示すように、難燃剤入りフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド40質量%と1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン60質量%の混合物10.0質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.40質量%、更に、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を13.7質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は11.1質量部)添加し、30℃に温調した回転数可変式のミキシングヘッドに供給する際の樹脂組成物の供給量を調整することで、フェノール樹脂発泡体の密度を35kg/m
3とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0095】
(実施例12)
表1に示すように、難燃剤入りフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてシクロペンタン75質量%とイソペンタン25質量%の混合物2.7質量部とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られたフェノール樹脂発泡体の、X線回折法による分析で得られたX線回折パターンにおいて、15.4°に存在するピークの強度が最も大きかった。
【0096】
(比較例1)
表1に示すように、フェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤の添加部数を4.2質量部とし、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を7.0質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は5.6質量部)添加し、難燃剤を無添加とする以外は、実施例1と同様にして、密度38.7kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。
【0097】
(比較例2)
表1に示すように、フェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤の添加部数を6.3質量部とし、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を4.4質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は3.5質量部)添加する以外は、比較例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。
【0098】
(比較例3)
表1に示すように、フェノール樹脂と界面活性剤との合計100質量部に対する、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を8.5質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は6.8質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。
【0099】
(比較例4)
表1に示すように、フェノール樹脂と界面活性剤との合計100質量部に対する、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を14.0質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は11.2質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。
【0100】
(比較例5)
表1に示すように、特許文献1に相当するフェノール樹脂Cを用い、発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのみを用い、更に、フェノール樹脂と界面活性剤との合計100質量部に対する、キシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を11.0質量部(有機酸の、フェノール樹脂および界面活性剤の合計100質量部に対する添加量は8.8質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、密度60.0kg/m
3のフェノール樹脂発泡体を作製した。その後、熱伝導率の測定、X線回折法分析、及び難燃性評価を行った。結果を表2に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】