(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カメラアセンブリを押し付けて取付けるべき少なくとも二つの直交する面との位置合わせのための、互いに直交している少なくとも二つの取付け面を有するエンクロージャと、
前記エンクロージャ内に配置され、および該エンクロージャに対して所定の方向性を有する少なくとも一つのイメージング装置と、
前記エンクロージャ内に配置された通信装置と、を含むカメラアセンブリと、
前記カメラアセンブリが取付けられる場所から離れた位置に配置されたサーバーと、を備えるイメージングシステムであって、
前記カメラアセンブリと前記サーバーは、コンピュータ通信ネットワークを通じて通信して、該カメラアセンブリの少なくとも一つの設置測定値を識別し、前記イメージング装置によって生成された画像のための画像座標系と、前記少なくとも二つの直交する面によって画定される方向性と整合する現実の座標系とからマッピングを確立し、
前記カメラアセンブリのユーザは、該カメラアセンブリを、二つの壁が接する縁部上に取付けるように指示され、前記少なくとも一つの設置測定値は、イメージングシステムの前記ユーザがその上に立つ床面の上の前記カメラアセンブリの取付け高さを含む、イメージングシステム。
前記設置測定値を識別する際に、前記カメラアセンブリおよび前記サーバーの少なくとも一方と通信して、ユーザインタフェースを提供するように構成されたモバイルアプリケーションを作動させるモバイル装置をさらに備える、請求項3に記載のイメージングシステム。
前記ユーザインタフェースは、熱画像が前記サーマルカメラによって生成された画像に捉えられている前記ユーザの背丈を識別する入力を受けるように構成され、前記取付け高さは、前記画像内での該ユーザの背丈と、前記ユーザインタフェースで受けた該背丈とから計算される、請求項4に記載のイメージングシステム。
前記少なくとも一つの設置測定値は、前記イメージング装置によってモニタされる場面内の関心のある箇所の、前記画像座標系内での位置を含み、該関心のある箇所は、前記サーマルカメラによって生成された画像の範囲内にはあるが、該サーマルカメラによって生成された該画像内では目に見えない、請求項2に記載のイメージングシステム。
前記ユーザは、関心のある箇所における前記ユーザの熱画像の位置を用いて、前記画像座標系内での該関心のある箇所の前記位置を標示するために、該関心のある箇所まで移動するように指示される、請求項6に記載のイメージングシステム。
前記イメージングシステムが、前記カメラアセンブリによってモニタされる領域内の関心のある箇所に、または該箇所の近傍に位置する、該カメラアセンブリによって検出可能な物体の画像の位置を用いて、前記カメラアセンブリによって生成された画像中に前記関心のある箇所を登録することを可能にするために、前記物体を、前記領域内の該関心のある箇所まで移動させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
前記イメージングシステムが、画像座標系内での前記物体の前記画像の前記位置と、前記関心のある箇所を相互に関連付けることを可能にするために、前記物体が前記関心のある箇所にある間に、前記イメージングシステムに入力を与えることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
前記構成パラメータのセットは、前記画像座標系内での前記領域内の関心のある箇所をさらに識別し、前記関心のある箇所は、前記カメラアセンブリによって生成された前記画像内の位置であって、前記カメラアセンブリによって生成された画像中には見えない位置を有する、請求項16に記載のサーマルイメージングシステム。
前記サーマルイメージングシステムは、前記カメラアセンブリによって生成された前記画像内で測定された物体のサイズおよび方向性と、前記構成パラメータのセットとに基づいて、前記カメラアセンブリによって生成された前記画像中に見える前記物体のサイズおよび方向性を識別し、前記サーマルイメージングシステムは、前記領域の前記関心のある箇所に関して、前記カメラアセンブリの出力装置を介して与えられるモニタリングアラートを生成する、請求項17に記載のサーマルイメージングシステム。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明および図面は、例示的なものであり、限定的に解釈すべきではない。十分な理解をもたらすように、多くの具体的な詳細が記載されている。しかし、該説明を不明瞭にするのを避けるために、場合により、周知のまたは従来の詳細は記載されていない。本開示における一つの実施形態に関する参照は、必ずしも同じ実施形態に対する参照ではなく、また、このような参照は、少なくとも一つを意味する。
【0006】
本願明細書に開示されている少なくともいくつかの実施形態は、サーマルイメージングシステムにおけるサーマルイメージングアセンブリの調整時に取り込まれた該熱画像と、該熱画像に関連して提供されたユーザ入力とに基づいて、該サーマルイメージングアセンブリの設置構成を決めるためのユーザーフレンドリーな方法を提供する。該ユーザ入力は、該サーマルイメージングアセンブリが中に設置され、およびその中でモニタするように構成される環境に関する情報を得るように、該サーマルイメージングシステムをトレーニングする。構成パラメータおよび該環境に関する情報は、後に、モニタリングサービスのときに得られた該画像を解釈して、人、明らかな大人、子供およびペットの存在、位置および/または活動を区別して識別すること等のモニタリング出力を生成するのに用いられる。
【0007】
例えば、該ユーザは、該サーマルイメージングシステムが、サーマルイメージングアセンブリの取付け高さを計算することを可能にするために、該サーマルイメージングシステムの該設置/調整中に該熱画像内で検出可能な人(例えば、該ユーザ)の背丈を提供してもよい。他のユーザ入力は、該システムが、撮像座標系内での関心のある箇所(point of interest:POI)(例えば、部屋の角、ドア)の位置を学習することを可能にするために、該ユーザが、該POIにいるときの時間インスタンスの指標と、POIの識別等を含んでもよく、この場合、該POIは、該熱画像から直接的に視認可能または認識可能でなくてもよい。
【0008】
該設置/調整中に、該システムは、該カメラから離れてまたは該カメラに向かって歩くこと、関心のある箇所へ行くこと、該カメラによってモニタされている領域内の進路に沿って歩くこと、ある領域内を何度も行き来すること等の活動を実行するように、該ユーザに指示してもよい。該ユーザ活動は、該システムが、それから該モニタした環境の地理的構成を学習する熱画像を生成する。
【0009】
該ユーザ入力および/または該設置/調整中に収集した該熱画像に基づいて、該システムは、該サーマルイメージングアセンブリの取付け高さ、該画像内でのサイズと、該モニタした領域内の人/物体のサイズとの比またはマッピング、および該サーマルカメラによって取り込んだ画像内のPOIの識別等の構成パラメータを計算する。該システムは、対象の該位置、経路および/または領域を、該サーマルイメージングアセンブリがその中に設置され、およびモニタするように構成されている該環境に関する情報として登録する。
【0010】
例えば、一つの実施形態において、モバイルアプリケーションは、該モバイルアプリケーション上に提示された熱画像に捉えられた該ユーザの背丈を入力するように、該ユーザに要求するように構成される。一旦、該モバイルアプリケーションが該画像内に該ユーザを検出すると、該アプリケーションは、該ユーザの背丈の入力、または、該部屋の角、該部屋のドアまたは窓等の関心のある箇所へ行くこと等の行動を実行するように、該ユーザに指示することができる。該モバイルアプリケーション(または、リモートサーバー)は、該行動を実行している該ユーザの該熱画像から位置および/またはサイズデータを抽出して、該指示および/または該ユーザからの任意の入力と関連付けて、該サーマルカメラの該取付け高さ、該熱画像座標系内での関心のある箇所の該位置、該熱画像座標系と、該部屋と整合された座標系の位置マッピング、該熱画像座標系内で測定した物体のサイズと、該部屋の座標系内での現実の物体のサイズのサイズマッピング等の構成パラメータを決定する。
【0011】
図1は、一つの実施形態によるサーマルイメージングシステムを示す。
【0012】
図1において、該サーマルイメージングシステムは、サーマルカメラアセンブリ(101)と、該サーマルカメラアセンブリ(101)に含まれている該サーマルカメラによって捉えられた該熱画像を処理して、該熱画像に基づいてサービスを提供するサーバー(113)とを含む。
【0013】
図1において、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、無線アクセスポイント(111)およびコンピュータネットワーク(115)(例えば、ローカルエリアネットワークおよび/またはインターネット)を介して、該熱画像を該サーバー(113)へ送る。モバイル装置(117)、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータまたはパーソナルメディアプレーヤーは、該サーマルイメージングシステムの調整、設定および/または利用のために、該サーマルカメラアセンブリ(101)および/または該サーバー(113)と情報をやりとりするために、モバイルアプリケーションを中にインストールしている。
【0014】
場合により、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャ内での画像処理を何ら伴うことなく、(例えば、無線接続または有線接続を介して)未編集の動画を該モバイル装置(117)および/または該サーバー(113)へ送る。ホスト装置(例えば、該モバイル装置(117)、または、該部屋(109)内または該部屋(109)の近傍の別のコンピュータ)、または、設置場所から離れている該サーバー(113)は、以下で詳細に説明するように、該ユーザインタフェースを提供するためにおよび/または構成パラメータを計算するために、画像処理を実行する。場合により、該サーバー(113)は、サーバーレスアーキテクチャを介して提供されるクラウドコンピューティングサードパーティサービスを利用して実施される。
【0015】
図1において、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、環境内のある場所、例えば、該サーマルカメラアセンブリ(101)によってモニタされている部屋(109)に取付けられる。
【0016】
好ましくは、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、該部屋(109)の二つの壁(171および172)が互いに接する垂直方向縁部(119)に、壁(例えば、171または172)と該部屋(109)の天井が互いに接する水平方向縁部(102または104)に、または、該部屋(109)の二つの壁(171および172)が該部屋(109)の該天井と接する該部屋(109)の角(174)に取付けられる。別法として、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、他の位置に、例えば、壁(171または172)または天井の表面のある位置に、または、風景内の任意の場所に取り付けてもよい。例えば、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、トップダウンモニタリングのために、該部屋の天井に取付けられるように構成することができ、また、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、ホルダおよび/またはIPカメラ、赤外線センサ(passive infrared sensor:PIR)等のデバイス上におよび/またはこれらとともに取付けてもよい。
【0017】
好ましくは、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、壁(例えば、171または172)および/または該部屋(109)の天井の表面と整合するように適合された面を有するエンクロージャまたはハウジングを有している。したがって、該垂直方向および水平方向に対する該サーマルカメラアセンブリ(101)の方向性の整合は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャまたはハウジングの二つ以上の取付け面を、該壁(171、172)の平坦面および/または該部屋(109)の該天井に押し付けることによって、容易に実現することができる。
【0018】
例えば、一つの実施形態に関する該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャまたはハウジングの外側取付け面は、剥離されて取付け用の接着剤を露出させることができる保護ストリップで被覆されている、事前に塗布された接着剤を有している。該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャまたはハウジングが、該取付け位置において、該縁部(119)または角(174)に押し付けられると、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャまたはハウジングの該取付け面は、該壁および/または天井の該表面と位置合わせされて接着される。該エンクロージャまたはハウジングの該取付け面と、該壁面および/または天井面の位置合わせは、該部屋(109)の該水平方向および/または垂直方向に対する該サーマルカメラアセンブリ(101)の該整合をもたらす。
【0019】
場合により、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャまたはハウジングは、釘、ねじ等の要素を介して、該取付け位置に固定取付けされる。
【0020】
該サーマルカメラアセンブリ(101)が、正しい水平および垂直方向の整合を伴って、該部屋(109)に取付けられた場合、該アセンブリ(101)内の該カメラは、該部屋(109)の方向性に対して既知の方向性を有する。しかし、該取付け高さ(123)(例えば、該床(127)から該サーマルカメラアセンブリ(101)までの垂直方向距離)は、該イメージングシステムにはまだ分からない。
【0021】
該取付け高さ(123)は、(例えば、巻尺を用いて)測定して、ユーザインタフェース、例えば、該モバイル装置(117)上で作動しているモバイルアプリケーションによって提供されるグラフィカルユーザインタフェースなどのユーザインタフェースを介して該システムに提供することができる。場合により、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該方向性は、傾斜センサおよび/または他のセンサ(例えば、加速度計のセットおよび/または磁気センサのセット)から自動的に判断することができる。
【0022】
別法として、該サーマルカメラアセンブリ(101)が、互いに既知の距離で、それらのエンクロージャ内に(または、部屋の角に隣接して)取付けられた二つのカメラを有している場合、該サーバー(113)は、該カメラによって生成される立体映像を用いて、一つ以上の基準物体の立体映像を参照して、該取付け高さを判断することができる。
【0023】
別法として、該サーマルカメラアセンブリ(101)が、信号のTOF(time of flight)に基づいて距離を測定する距離測定センサを有している場合、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、該床面(127)から、その取付け高さを自動的に測定することができる。該TOFは、超音波信号または無線周波信号に基づいて測定することができる。別法として、該取付け高さは、気圧センサおよび/またはモーションセンサを介して測定してもよい。場合により、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、判断された該サーマルカメラアセンブリ(101)の該位置へのGPSレシーバ、地球の磁界に対する該サーマルカメラアセンブリ(101)の該方向性を判断するための磁気センサ、視覚的および/または音響的フィードバックおよび/または警告を与えるための光および/またはオーディオデバイス、空気質モニタリング装置等のセンサおよび/またはデバイスを含む。
【0024】
好適な実施形態において、該イメージングシステムは、該熱画像内の基準物体(131)の該サイズの測定、および該基準物体の該現実のサイズの入力の受取りに基づいて、該取付け高さを決定する。
【0025】
例えば、
図1の該基準物体(131)は、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって生成された該熱画像内に捉えられている上点(106)および最下点(105)を有している。投影像面(103)内に図示されている該モニタ領域の該熱画像は、対応する上点(108)および対応する最下点(107)を備えた該基準物体(131)の画像(133)を有している。該基準物体(131)の該画像(133)の該サイズの測定と、該基準物体(131)の該現実のサイズを識別する入力は、
図2に関連して以下でさらに説明するように、該取付け高さ(123)を計算するのに用いることができる。
【0026】
例えば、該基準物体(131)は、該サーマルカメラアセンブリ(101)を設置する、調整するおよび/または設定する人、または、該部屋(109)の該モニタされる領域内の別の人とすることができ、また、該人の該背丈は、該取付け高さ(123)の該計算における該基準物体(131)の該現実のサイズである。このようなアプローチは、該サーマルイメージングシステムを調整しおよび/または設定するプロセスを大幅に単純化する。
【0027】
図2は、一つの実施形態による、サーマルイメージングカメラの取付け構成パラメータを測定する方法を示す。例えば、
図2の該方法は、
図1に示す該イメージシステムの該サーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さを判断するのに用いることができる。
【0028】
図2において、該取付け位置(121)における該カメラは、該部屋の座標系と整合されているそのハウジングまたはエンクロージャに関して決定済みの取付け角度(125)を有している。捕捉された熱画像におけるサイズの該測定は、所定の投影像面(103)内で、または、該取付け角度(125)によって定義される、該映像面(103)に関して一定の幾何学的関係を有する所定の取付け高さ(122)に対応する画像座標系内で実行される。該所定の取付け高さ(122)は、基準床(126)からの基準取付け高さと見なすことができ、また、該垂直方向における基準高さ(130)は、該投影された画像面(103)内に画像(133)を有するように投影される。
【0029】
図2において、該現実の基準物体(131)が、該イメージング面(103)内の該画像(133)と同じサイズを有している場合、該基準高さ(130)と、該現実の基準物体(131)の該高さの比は、該基準取付け高さ(122)と、該物体(131)がその上に立っている該床(127)までの該現実の取付け高さ(123)の比と同じである。したがって、該基準取付け高さ(122)は、該基準高さ(130)と、該現実の基準物体(131)の該高さの該比に基づいて、該現実の取付け高さ(123)を得るために拡大することができる。該基準高さ(130)は、該画像(133)の該サイズおよび位置と、該カメラの該取付け角度(125)とから判断することができる。
【0030】
一つの実施においては、該取付け角度(125)、該基準取付け高さ(122)、および該画像(133)の該サイズおよび位置から、該基準高さ(130)を計算するための公式が導出される。該基準高さ(130)の該高さと、該現実の基準物体(131)の該高さの該比は、該基準取付け高さ(122)を該現実の取付け高さ(123)まで拡大するのに用いることができる。
【0031】
別の実施様態では、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、基準部屋内に、基準高さ(122)で取付けられる。異なる高さの物体(例えば、130)の基準は、異なるサイズから成る画像(例えば、133)を得て、それにより、該基準高さと該画像のサイズのマッピングを確立するために、
図2に示す該物体(130)の該位置に配置される。該現実の物体(131)が、該画像面(103)内の該位置に画像サイズを生成した場合、該マッピングは、該基準部屋内での該基準高さ(130)を探すのに用いることができる。その場合、該基準取付け高さ(122)は、該画像(133)の該サイズによる該マッピングから探索された該基準高さ(130)と、該画像面(103)内で該同じサイズの該画像(133)を生成する該現実の基準物体(131)の該高さの該比に従って、該床(127)までの該現実の取付け高さ(123)まで拡大することができる。
【0032】
一つの実施形態において、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該カメラは、限定された視野を有している。例えば、
図2において、該カメラは、ライン(129)よりも該縁部(119)に近い領域を捉えることはできない。したがって、該物体(131)が、画像フレームの境界上に隣接する画像(133)を生成する場合、該システムは、該画像が該物体(131)の全体を捉えているか否かを判断することはできない可能性がある。したがって、該モバイル装置(117)内で作動している該モバイルアプリケーションは、該画像(133)が該画像フレームの該境界を離れて、該画像(133)が、該画像フレームの該境界に画素を有していないように、該物体(131)を移動させる指示を与えることができる。該画像(133)が該境界を離れるとすぐに、該システムは、該物体(131)の画像(133)を捉えて、該位置における該同じ画像サイズを生成する該基準高さ(130)を判断する。
【0033】
一般に、該モバイルアプリケーションは、該サーマルカメラアセンブリによって捉えられた該熱画像の表示を生成し、該物体(131)が、該熱画像内の特定の位置に立っているように見えるように、該物体(131)の該動きを、該部屋内の特定の場所まで案内する指示を与えることができる。そして、該画像内の該物体(131)の該サイズは、該取付け高さ(123)を計算するために、該物体(131)の該現実のサイズとともに用いられる。
【0034】
図3は、一つの実施形態による、ユーザ入力を得て、カメラの取付け高さを決めるためのユーザインタフェースを示す。例えば、
図3の該ユーザインタフェースは、
図2の該方法を用いて該取付け高さを計算するために、
図1の該サーマルイメージングシステム内の該モバイル装置(117)上に実装することができる。
【0035】
図3においては、該サーマルカメラアセンブリ(101)が該取付け位置(121)に取付けられた後、該カメラは、該サーバー(113)および/または該モバイル装置(117)との通信を確立して、該モバイル装置(117)上での表示のために、該部屋(109)の該モニタされている領域の熱画像を生成するように構成される。(例えば、該モバイル装置(117)内で作動しているモバイルアプリケーションを用いて)該モバイル装置(117)上に提示されている該熱画像(141)は、室温と著しく異なる温度を有する、該部屋(109)内の物体(131)の熱画像(133)を有している。例えば、該物体(131)は、該部屋(109)内の人、例えば、該サーマルカメラアセンブリ(101)の設置者またはオーナー、あるいは、該部屋(109)の該モニタされている領域内の別の人である。該ユーザインタフェースは、該モバイル装置(117)の該ユーザに、該熱画像(141)内で識別された該物体(131)(例えば、人)の該現実の背丈を入力するように要求する。
【0036】
場合により、該熱画像(141)が、複数の物体の該熱画像を捉えた場合、該ユーザインタフェースは、該モバイル装置(117)の該ユーザが、物体(131)を選択して、該選択した物体(131)の該高さを指定することを可能にする。
【0037】
該サーマルイメージングシステムは、(例えば、該モバイル装置(141)、該サーバー(113)または該サーマルカメラアセンブリ(101)内で作動しているモバイルアプリケーションにより)該画像座標系(139)内での該熱画像(133)の該高さ(137)を測定するように構成されている。
【0038】
場合により、該サーマルイメージングシステムは、該熱画像(133)が、該画像座標系(139)内の特定の位置にあるときの(例えば、該物体(131)の該熱画像(133)が、該画像座標系(139)内の特定の場所に立っているときの)該高さ(137)を測定するように構成されている。このような実施様態において、該ユーザインタフェースは、該熱画像(133)が、該モバイル装置(117)上に提示されている該画像(141)内でマークされた該特定の位置に立っているように、該物体(131)の該動きを案内する指示を与えることができる。
【0039】
他の例においては、該サーマルイメージングシステムは、該物体の該熱画像(133)の全体が、該画像(141)内で捉えられるとすぐに(例えば、該サーマルカメラアセンブリ(101)の死角内に位置している該物体(131)の部分はない)、該物体(131)に、特定の場所へ行くことを要求することなく、該モバイル装置(117)の該ユーザによって提供された該高さ(143)を用いて、該高さ(137)を測定して、該取付け高さ(123)を計算することができる。
【0040】
場合により、該モバイル装置(117)は、該物体(131)の該熱画像(133)の該高さ(137)を、複数の異なる位置で測定して、該対応する位置の該測定値から該取付け高さ(123)を計算できるように、該物体(131)(例えば、該ユーザ)を該部屋内を周って移動するように該ユーザに指示する。該取付け高さ(123)の計算結果は、精度の向上のために、(例えば、該結果の平均、または該結果の加重平均によって)組合せることができる。
【0041】
該取付け高さ(123)が判断された後、該サーマルイメージングシステムは、(既知のまたは推定の高さを有する箇所の)該画像座標系(139)内の該座標を、該部屋(109)内の該座標に適合させることができる。
【0042】
図1から
図3は、サーマルカメラの該取付け高さ該測定(IR放射に基づくイメージング)について説明した。その技法は、人の目に対して視認可能な光に基づいて撮像するカメラの該取付け高さの判断にも同様に拡大適用することができる。
【0043】
可視光に基づいて捕捉された該部屋(109)の画像は、該部屋(109)のレイアウトを自動的に判断するのに用いることができる該部屋(109)の特徴(例えば、該床の境界および関心のある箇所の位置、例えば、該ドア、窓、家具)を示すことができるが、該部屋(109)の熱画像は、典型的には、該部屋(109)の該レイアウトを識別するのに用いることができる、特に該熱画像が、該部屋(109)の該住人のプライバシーを保護するために低い解像度を有している場合は、人にさえ用いることができる十分な特徴を有していない。
【0044】
図4から
図6は、カメラによって得られた熱画像と、該カメラが設置されている環境との間で位置マッピングを確立する一つの実施形態のプロセスを示す。
図4から
図6の該プロセスは、
図1の該サーマルイメージングシステムにおいて、
図2および
図3の該方法および該ユーザインタフェースとともに、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さを判断するのに用いることができる。
【0045】
図4から
図6において、該システムは、該物体(131)が、該部屋(109)の該床(127)上に立っているということに気付いている。したがって、該熱画像(133)の一方の端部(151)は、該物体(131)が立っている該床(127)上の該位置を識別する。該モバイル装置(117)は、該システムが、該部屋のレイアウトを生成するために、該画像座標系(139)内の対応する位置を登録できるように、該物体(131)を該部屋(109)内のさまざまな関心のある箇所へ移動させる指示(145)を与える。
【0046】
例えば、
図4では、該モバイル装置(117)の該ユーザは、該基準物体(131)であり、そして、該モバイル装置(117)は、該床(127)上の対角線上の角の位置を、該画像座標系(139)内の位置(151)にマークすることができるように、該ユーザに、該部屋(109)の該対角線上の角まで歩くように指示する。
【0047】
例えば、該モバイル装置(117)は、該ユーザに、該ユーザが該対角線上の角にいるときの指標を、例えば、該モバイル装置(117)を振り動かすことによって生じるジェスチャー入力、該モバイル装置(117)に与えられる声による確認、該モバイル装置(117)上の所定のボタンの押圧、該モバイル装置(117)のタッチスクリーン上に提示されるユーザインタフェース要素をタッピングすること、所定期間、該角に立ち続けること等によって提供するように指示してもよい。
【0048】
図5は、角位置(153)を登録するために、該ユーザに、該部屋の別の角まで歩くように指示するシナリオを示す。該モバイル装置(117)は、(例えば、該部屋(109)の該レイアウトの位置付けの進行状況を示すために)該画像座標系(139)内で識別して登録した該位置を該画像(141)上に重ね合わせる。
【0049】
図6は、該部屋(109)の該ドアの位置(155)の位置付けるシナリオを示す。例えば、該モバイル装置(117)を作動させている該モバイルアプリケーションは、該ユーザに、関心のある箇所へ移動した後、音声入力、テキスト入力、リストからの選択等により、該関心のある箇所(例えば、ドア)に名称を付けるように指示することができる。別法として、該モバイルアプリケーションは、関心のある箇所(例えば、ドア、窓、机、椅子、TV、暖炉、ストーブ)のリストを有し、該ユーザに、該位置まで歩くことによって、それらの位置を識別することを要求する。例えば、該モバイルアプリケーションは、該ユーザに、歩いて行き来する領域を有するであろう該床の領域を識別するために歩くことによってアクセス可能である領域を歩き回るように要求してもよい。例えば、該モバイルアプリケーションは、該ユーザに、ストーブに向かって行って、該ストーブの熱画像およびその位置を検出し、その後、TVに向かって行き、冷蔵庫を開ける等して、該ユーザの行動の結果としてのそれらの温度の変化に依存する、該モニタした熱画像内の対応するアイテム(例えば、ストーブ、TV、冷蔵庫)の外見を検出して、それに従って該アイテムを該画像座標系(139)内でタグ付けすることを要求してもよい。別の実施例では、該システムは、該ユーザに、「200℃のホットスポットが検出されました。それはストーブですか。」と尋ねてもよい。該ユーザが、「はい」という指標で応答した場合、該システムは、該ホットスポットと、該特定の物体(「ストーブ」)の識別を関連付けるための情報を格納し、そうでない場合は、該システムは、この予期しないホットスポットに対する緊急警報を出すことができる。場合により、該システムは、既知のホットスポット(例えば、ストーブ)の温度範囲および/またはサイズをモニタし、検出した温度および/またはサイズが、通常の範囲またはサイズを超えている場合には、該システムは、フィードバックまたはアラーム(例えば、「該ストーブが燃え始めている」という音声による警告)を提供する。
【0050】
図4から
図6に示す該プロセスを用いて位置付けされた関心のある箇所の該位置は、
図7に示すように、該サーマルカメラアセンブリ(101)によってモニタされている該部屋(109)のレイアウトを構成するのに用いることができる。
【0051】
図7は、一つの実施形態による、該カメラによって生成された熱画像上に重ね合わせられた、サーマルイメージングカメラの環境のレイアウトを示す。
【0052】
図7には、ライン(135)が(例えば、160×60のIR感知画素を有する)該熱画像(141)上に重ね合わせられている。該部屋のレイアウトのこれらのラインは、
図4から
図6に示す該プロセスを用いて識別された関心のある箇所(例えば、該部屋の角)を接続することによって構成することができる。
【0053】
図7に示す該画像から、該モバイル装置(117)、または該サーバー(113)または別のモバイル装置内で作動している該モバイルアプリケーションは、該部屋内の該人の該熱画像の足の位置を判断することができる。該人の該画像は、立っている状態に見えるため、および/または該足の位置は、行き来する領域内にあるため(および/または該熱画像の動きは、該行き来する領域内を歩く人のパターンと一致しているため)、該システムは、該足が該床(127)上にあると仮定することができる。したがって、該システムは、該熱画像(141)内での該足の位置に基づいて、該部屋(109)上での該人の座標を計算することができる。
【0054】
図8は、一つの実施形態による、位置判断システムのアプリケーションを示す。例えば、
図8に示す該アプリケーションは、該
図4から
図6に示す該プロセスで生成された該部屋のレイアウトと、該部屋に対する該カメラの方向性および
図1に示す該システムの該サーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さ(123)に基づいている座標系マッピングとを用いて提供することができる。
【0055】
図8において、該部屋のレイアウト(135)および該取付け高さ(123)は、該システムが、該モニタした活動領域の測定したフロアサイズ(例えば、10×10平方メートル)を計算することを可能にする。
【0056】
物体(および/または移動履歴)の該熱画像(157)の該方向性およびサイズから、該システムは、判断された高さの人が、該部屋(109)内の所定の座標にある該床(127)上にいると判断する。このような判断は、モニタしている人(例えば、高齢者または患者)の転倒の報告を開始するのに利用することができる。
【0057】
図8において、該システムは、物体(および/または移動履歴)の該熱画像(159)の該方向性およびサイズから、二人の人が、該カメラからのある測定距離にいることを判断する。このような判断は、モニタしている環境内での人の存在および/または活動を報告するのに利用することができる。
【0058】
場合により、
図1に示す該イメージングシステムは、ある期間にわたって観察した人の該熱画像に関する統計的分析に基づいて、該取付け高さ(123)および/または他の構成パラメータ(例えば、POIの位置)を自動的に調整および/または再調整するように構成されている。
【0059】
例えば、該イメージングシステムは、ある期間にわたって、該モニタした領域(例えば、部屋(109))に行ったことのある多くの人の該熱画像を検出した後、該システムは、該期間に検出された該人達の相対的高さの統計的分布を計算する。該取付け高さは、該検出した人達の該高さの該分布を、人々(例えば、同じ地理的領域内の人達および/または該モニタした領域を訪れる人達の予測範囲内の年齢を有する人達)の背丈の既知の分布と一致するように拡大縮小することができる。高さ分布から計算された取付け高さは、該設置プロセス中に検出されたユーザの該背丈に関する入力から計算された取付け高さの代わりに用いることができ、または、該設置プロセス中に計算された該取付け高さを検討および/または改善するのに用いることができる。したがって、調整精度は、該イメージングシステムのモニタリング結果に基づいて経時的に向上させることができる。
【0060】
場合により、該モニタした領域(例えば、部屋(109))内の既知の高さの物体は、該イメージングシステムのサービスの特定の期間内に検出することができる。例えば、該部屋(109)と、該部屋(109)の外部の該環境との間に、著しい温度差がある場合、いくつかの時間インスタンスにおいて該ドアを開くことは、該サーマルカメラアセンブリ(101)が、ドアの開口領域が該画像座標系内で認識可能な熱画像を有している画像を生成することを可能にするであろう(例えば、開口領域は、該部屋(109)の外部の環境の温度を有し、一方、該ドアが取付けられている壁は、該部屋の温度を有している)。したがって、該ドアの高さを、該ドアの開口領域の該熱画像から判断して、既知のまたは標準的なドア高さに対する該サーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さを調整することができる。
【0061】
例えば、
図9から
図15に示すエンクロージャを有する該サーマルカメラアセンブリ(101)が、該風景を捉えるためにモニタされる領域(例えば、部屋(109))内に配置された後、調整/トレーニングプロセスは、(例えば、
図1に示すような)該サーマルイメージングシステムが、捉えた動画から実際の幾何学的データを理解して、該イメージング装置の捕捉帯域内で検出可能ではない可能性のある、関心のある箇所(POI)を認識することを可能にするように構成される。例えば、赤外線の帯域内のサーマルイメージングが、均一な部屋温度の風景を見ている場合、該POIは、明確な温度コントラストまたは温度差がないことにより、検出可能ではない。
【0062】
図9から
図15に示すエンクロージャが使用される場合、構成パラメータのセットは、設置場所からの測定値を要することなく、(ファクトリー構成から)既知になっている。このような構成パラメータは、画像サイズおよびアスペクト比、結像レンズパラメータ(例えば、該視野)、該風景(例えば、部屋(109))のいくつかの基準箇所/平面/座標系に対する立体空間内での該取付け角度を含んでもよい。該取付け高さ(123)は、
図1から
図3または
図18に示す該方法を用いて判断することができる。
【0063】
該取付け高さは、追加的なリソースを用いる他の技術的解決策を用いて判断することができる。例えば、互いに既知の距離で、二つのカメラを該エンクロージャ内に取付けることができ、また、立体映像により、該物体の関連性を判断することができる。例えば、該床面(127)からのその取付け高さを自動的に測定するために、距離測定センサ、例えば、TOFセンサを該サーマルカメラアセンブリ(101)に含めることができる。例えば、該設置者は、巻尺を用いて該取付け高さ(123)を測定して、該サーマルイメージングシステムの該調整用に構成された、該モバイル装置(117)によって提供されるユーザインタフェースを介して該測定値を入力するように指示することができる。
【0064】
一旦、該構成パラメータが分かると、該サーマルイメージングシステムは、該捉えた動画からの実際の幾何学的理解のための、該画像座標系(139)および該部屋の座標系からのマッピングを有する。
【0065】
例えば、該モバイル装置(117)は、該部屋(109)内に設置された該サーマルカメラアセンブリ(101)の該調整のために、(例えば、無線ローカルエリアネットワーク用のアクセスポイント(111)を介して)該サーマルカメラアセンブリ(101)および/または該サーバー(113)との通信接続を確立するように構成されている。該モバイル装置(117)は、該ユーザが、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって捉えられた該熱画像内において完全に視認可能であるように、該ユーザに該部屋中を移動するように指示し、および該ユーザに、立った状態で該床(127)上にいるように指示するためのユーザインタフェースを提供する。必要に応じて、該ユーザインタフェースは、該ユーザが、該熱画像内において完全に視認可能である一つ以上の好適な場所へ行くように該ユーザに指示してもよい。該モバイル装置(117)は、(例えば、ユーザインタフェースを介して、または、該ユーザの背丈を有するデータソースから)該ユーザの該背丈を受信する。
【0066】
一般的には、該システムは、該床面(127)上に垂直に立っている該ユーザ(131)の完全な熱画像(133)から、該熱画像(133)の該サイズを測定し、および該サーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さ(123)を計算して、該位置に投影される該ユーザ(131)の該現実の背丈と、該画像座標系(139)内の該ユーザ(131)の該熱画像(133)のサイズを一致させる。該取付け高さ(123)を計算するために、該サーマルカメラアセンブリ(101)、または、該サーマルカメラアセンブリ(101)がその上にある該縁部(119)に対する該ユーザ(131)の正確な位置および/または距離を知る必要はない。
【0067】
場合により、既知の高さを有する該ユーザまたは物体(131)は、該熱画像における(例えば、特に低解像度の赤外線画像における)実際の高さとは異なる高さの、該画像内の該ユーザまたは物体(131)を間違って表示する可能性のある他の物体によって遮られる可能性がある。例えば、熱い物体、または、同じ温度の他の被写体は、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって生成された該画像内では、該ユーザまたは物体(131)の上にいるように見え、このことは、該ユーザまたは物体(131)の被写体を、該熱画像内で、より高く見えるようにする。該ユーザ(131)に、該モニタしている領域内を歩き回るように指示することにより、該システムは、該部屋の温度とは著しく異なる温度を有する他の物体の該熱画像との関連で該ユーザ(131)の該熱画像を検出することができ、その結果として、該取付け高さ(123)の該計算のために、該ユーザ(131)の該熱画像(133)の該サイズを測定するための好適な位置を識別することができる。該好適な位置では、他の物体の該熱画像は、該画像座標系(139)内の該ユーザ(131)の該熱画像(133)の該サイズの該測定に干渉しない。必要に応じて、該モバイル装置(117)内で作動している該モバイルアプリケーションの該ユーザインタフェースは、該画像座標系(139)内の該ユーザ(131)の該熱画像(133)の該背丈の正確な測定に影響を及ぼすように、該ユーザが、他の物体の該熱画像が該ユーザ(131)の該熱画像(133)に重なっていない部屋内の位置に立っていることを確認できるように、該サーマルカメラアセンブリ(101)からの該熱画像をリアルタイムで表示する。
【0068】
既知の背丈を有する人の該熱画像を介した調整は、一つの実施例である。一般に、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該イメージング装置によって検出することができる、既知の高さ/形状寸法の何らかの物体は、撮影風景内の該基準物体(131)として、例えば、湯が入ったカップ、氷水の入ったボトルとして用いることができる。典型的には、該人の体は、該風景内でモニタすべき該物体と同様の典型的な室温背景およびサイズからの良好なコンテストにより、赤外線中の理想的な基準物体を構成している。したがって、基準としての人体の利用は、設置および調整において、シンプルさおよび容易さを呈し、このことは、実際には、この種の基準作りを実行するのに、技術的専門知識に関する何らかのノウハウ、または、他の何らかの物体/装置/補助を必要としない。
【0069】
好ましくは、該サーマルカメラアセンブリ(101)と集中型リモートサーバー(113)との間の通信接続性は、クラウド内のモニタしている領域(例えば、部屋(109))内に設置された該サーマルカメラアセンブリ(101)の調整情報の格納が、クラウドコンピューティングを容易にすることを可能にしている。このような構成は、(例えば、モバイル装置(117)内で作動しているモバイルアプリケーションを介して実施される)非常にスムーズなユーザ体験およびフレンドリーなインタフェースを可能にする。一部の計算および/または資源集約的タスクは、該モバイル装置(117)上でおよび/または該サーバー(113)上で実行することができる。したがって、該サーマルカメラアセンブリ(101)のコストを低減することができる。
【0070】
典型的な設置プロセスにおいて、該モバイル装置(117)(または、指示マニュアル)は、
1.(例えば、バッテリ接点とバッテリとの間の保護ストリップを剥がすこと、または、ボタンを押して、デバイスをオンにすること、電源スルーケーブル等により)該サーマルカメラアセンブリ(101)を作動させるように、
2.(例えば、該モバイル装置(117)、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはパーソナルメディアプレーヤーにインストールされたモバイルアプリケーションを用いて、認証された通信接続、例えば、無線パーソナルエリアネットワーク接続(例えば、ブルートゥース接続または近距離無線通信接続)を確立するために用いられる装置の固有IDを有する、該サーマルカメラアセンブリ(101)上に配置されている、または、該サーマルカメラアセンブリに付随しているコードをスキャンすることにより、および該モバイルアプリケーションと、該サーマルカメラアセンブリ(101)への該接続を用いて、該ネットワーク(115)を通じた該アクセスポイント(111)および該サーバー(113)への該接続を構成し、およびユーザーアカウントで該サーマルカメラアセンブリ(101)を構成することにより)該サーマルカメラアセンブリ(101)への通信接続を確立するように、
3.必要に応じて、クラウドベースのコンピューティングおよびストレージシステムへの接続(例えば、エネルギーを維持するために、インターネットを介した、サーマルカメラアセンブリ(101)から独立しているかまたはハブとの低消費電力通信接続を介した、ブルートゥース、ジグビー等を用いた、該サーマルカメラアセンブリ(101)と該サーバー(113)の接続)を確立するように(ただし、該ハブは該インターネットに接続されている)、
4.必要に応じて、該調整情報を格納および/または処理する際に、該サーバー(113)の機能のうちの少なくともいくつかを実行するように該モバイル装置(117)を構成するように、
5.該サーマルカメラアセンブリ(101)を、部屋(109)の縁部(119)または角(174)に、好ましくは、該モニタしている領域の望ましい適用範囲のために、頭の高さよりも上の位置に取付けるように、この場合、
図9から
図17に示すように、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、該サーマルカメラアセンブリ(101)と、該部屋(109)の該方向性との該整合を単純化する、
6.(例えば、該ユーザに、該ユーザが十分に視認可能になるまで後に下がるように指示して、その後、該ユーザのおよその背丈を確認することにより、この場合、該モバイル装置(117)上で作動している該モバイルアプリケーションは、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって捉えられた該ユーザの熱画像に関する何らかの視覚的フィードバックを与えることができる)、該部屋(109)の該床面(127)の上の該サーマルカメラアセンブリ(101)のおよその取付け高さ(123)を識別するように、
7.後から追加したサーマルカメラアセンブリの取付け高さは、第一のサーマルカメラアセンブリ(101)および該後から追加したサーマルカメラアセンブリによって同時に捉えられた物体の該高さと、該第一のサーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さに従って計算された該現実の高さとから計算することができ、および該同じ部屋(109)をモニタするために設置された異なるサーマルカメラアセンブリによって見える該物体を関連付けるために、機械学習を適用できるため、必要に応じて、(例えば、該改良された転倒検知のために、例えば、隣接するまたは反対側の角および/または縁部に設置された、この場合、少なくとも二つのサーマルカメラアセンブリが、隣接する角または縁部に設置される)追加的なサーマルカメラアセンブリを、それらの取付け高さを識別する動作を実行することを要することなく、該部屋(109)の該第一のサーマルカメラアセンブリ(101)の構成と同様の方法で構成して取付けるように、および
8.必要に応じて、一つ以上の関心のある箇所へ行って、該部屋(109)の該熱画像からは検出できない可能性のある、該部屋(109)内の環境の特徴、例えば、該視野の最大対角距離を定義するための該部屋(109)の反対側の角、該風景の地面を判断するのを補助するための該部屋(109)の他の角、およびドア、テーブル、柱、家具および他の物体の位置を識別するように、該ユーザに指示する。
【0071】
例えば、該モバイルアプリケーションは、該ユーザに、ある位置まで歩いた後、該モバイルアプリケーション上のボタンを押して(または、音声コマンドを該モバイルアプリケーションに与え、該モバイル装置(117)をくるっと回すかまたは振り動かすことによって行うジェスチャーを実行する、または、数秒間、該位置に立ったままでいる)、該ユーザが該位置に立っていることを示すように指示してもよい。このことは、該サーマルイメージングシステムに、該部屋(109)の該形状寸法/レイアウトと、該熱画像座標系内での該部屋(109)内の周囲の物体の該位置および/またはサイズとを教示する。
【0072】
例えば、部屋が複数のドアを有している場合、該設置者は、単純に出入り口に立って、彼/彼女が出入り口に立っていることを該モバイルアプリケーションにおいて確認し、このドアが通じている箇所(例えば、クローゼット、キッチン、エントランス、トイレ、リビングルーム等)をメニューオプションのセットから選択することができる。このような情報は、該サーマルイメージングシステムが、(例えば、店舗またはオフィス空間をモニタして、人の動きがある場所を判断するために、安全および/またはセキュリティ用途のために等で)人の行き来を判断するのを支援する。該赤外線帯域内で不可視である該POIは、単純なユーザと、該モバイル装置(117)内で作動しているモバイルアプリケーションとの相互作用によって識別されるため、このような態様は、サーマルイメージングにとって固有のものである。
【0073】
入力パラメータ、調整パラメータ、POIマッピングデータ等の格納は、該クラウド(例えば、該サーバー(113))、該モバイル装置(117)および/または該サーマルカメラアセンブリ(101)内とすることができる。該サーバー(113)および/または該モバイル装置(117)は、アルゴリズムおよび/または参照テーブルを用いて、該構成パラメータに基づいて、該熱画像座標系と該部屋の座標系との幾何学的関係を再構成するように構成することができる。
【0074】
上述したように構成した場合、サーマルイメージングシステムは、該サーマルイメージング空間と該現実の空間との間の実際の幾何学的関係、および/または該サーマルイメージングシステムでは不可視の該関心のある箇所が分かる。その結果として、該システムは、例えば、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該視野内の人および物体の位置および高さを判断できるだけではなく、どのくらいの人が該風景内で移動したかを判断することもできる。
【0075】
例えば、該風景全体を通して個人を追跡することにより、該システムは、該個人がどのくらいの距離を歩いたかを計算する。このような情報は、高齢者が、高齢者の生活の前提の範囲内で十分に活動的であったか否かを判断する際に利用することができ、また、クラウドベースのシステムは、対象者がどのくらいのエネルギーを消費/燃焼したかを計算することができ、および該ユーザと対話して、活動が不十分である場合は該ユーザに知らせることによって、該ユーザを補助することができる。例えば、該活動が過度であり、および疲労による転倒/けがのリスクがある場合には、該システムは、モニタされている該高齢者および/または介添人に警告を与えることができる。
【0076】
上述した構成プロセスは、最小限のユーザ要件で実行することができ、すなわち、該設置者は、関連する技術において何らかのスキルを有する必要はなく、設置のための何らかの道具を必要とせず、および該パラメータの決定に対しては、インタフェース装置(例えば、スマートフォン、タブレット、または、アプリケーションまたは他のプリインストールされた通信ポートを備えたコンピュータ)と、ユーザの背丈入力だけが使用される。
【0077】
一つの態様において、本出願は、距離測定センサまたは複数の(公知の)カメラ構成を介した該視野の幾何学的関係を判断するためのすべての構成パラメータを自動的に決定することができるイメージングシステムを提供する。(例えば、コストにより)このような工学的解決策を利用できない場合、「よりシンプルな」イメージングシステムは、該ユーザからの入力、すなわち、該取付け高さ、または、該ユーザ/設置者/該調整を実行している人の該背丈のいずれかに基づいて、最終的な構成パラメータ(例えば、取付け高さ)を決定する。
【0078】
別の態様では、本出願は、人が、該ユーザ/設置者/人が技術的熟練を有することを要することなく、指示のセットの下で、(例えば、クラウドコンピューティングによる)計算および記憶の能力を有する(およびユーザインタフェースを介してユーザと対話する)インターネット接続されたサーマルイメージング装置の視野内で、新規の機能的文脈の幾何学的情報およびキーポイント(例えば、関心のある箇所)を提供するための基準(マーカー)になっている方法を提供する。
【0079】
さらなる態様においては、本出願は、シンプルな構成決定により、風景の文脈情報を再構成して提供するクラウドベースのサーマルイメージングシステムを提供する。
【0080】
該無線接続されたサーマルイメージングシステムは、人の識別に関する情報を明らかにすることなく、人の風景内での在室や活動をモニタするために、低解像度のサーマル動画を用いることができる。該システムは、該サーマル動画から、人の活動およびウェルビーイングを判断する。
【0081】
必要に応じて、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、該モニタしている領域(例えば、部屋(109))内の居住者にオーディオ信号を供給するオーディオ装置を含んでいる。該オーディオ信号は、該サーバー(113)から流される音声指示および/またはプロンプトを含んでもよい。このような実施形態では、該モバイル装置(117)に関連して上述した該ユーザインタフェースは、オーディオベースのインタフェースと置換えることができ、または、該オーディオベースのインタフェースで増強することができる。例えば、該モバイル装置(117)によって提供される該調整/設置指示は、該サーバー(113)から流される音声指示と置換えることができ、および/または該音声指示で増強することができる。例えば、該ユーザ(131)が、該ユーザ(131)の該熱画像(133)が該サーマルカメラアセンブリ(101)によって生成された画像のフレームによって完全に捉えられている位置にいる場合、音声プロンプトは、該ユーザに、該システムが高さをアナウンスしている間は該位置に立ったままの状態でいるように、そして、アナウンスされた高さが該ユーザ(131)の該背丈に一致する場合に歩き始めるように指示する。したがって、該ユーザの背丈は、音声プロンプトと、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって生成された該画像から検出することができる動きまたは該動きの欠如(および/または他のジェスチャー)による熱画像フィードバックとの組合せを介して該システムに都合良く供給することができる。
【0082】
必要に応じて、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、該サーマルカメラアセンブリ(101)によってモニタされている該領域内の該ユーザからのオーディオ入力を受けるマイクロフォンを含む。さらに、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、ユーザとの対話用の光ベースのインジケータを含んでもよい。場合により、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、オーディオ機能および/または視覚機能を用いるための該オーディオ機能および/または視覚機能を有する独立した装置への通信接続を利用して、該ユーザインタフェースを提供する。例えば、(例えば、インターネット接続したモバイル装置(117)の形態の)現存の音声ベースのインテリジェントパーソナルアシスタントを該部屋(109)内に設置して、該アクセスポイント(111)に接続することができ、そして、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、該アクセスポイント(111)を介して該パーソナルアシスタントに接続して、音声ベースの対話用の該インタフェースを提供し、その結果、タブレットコンピュータ(117)を介して該ユーザインタフェースを提供する必要はない。
【0083】
該サーマルカメラアセンブリ(101)の該オーディオ装置および/または視覚装置は、さまざまなサービスを提供するのに用いることができる。例えば、年配者のモニタリングの場合、年配者が正確に聞き取れないときは、一部の光の指標を、人の存在に基づくだけで起動させることができる。
【0084】
該サーマルカメラアセンブリ(101)は、他の接続型装置および/またはシステム、例えば、固定電話に接続してもよい。例えば、電話がリビングルームに置かれていて、それが鳴った場合、信号が、クラウド(例えば、該サーバー(113))を介して該サーマルカメラアセンブリ(101)へ送信され、このことは、該ユーザ(131)が住宅内に存在していることをサーマルイメージングから知らせて、それに伴って、この事象に関するオーディオのおよび/または視覚的な指標(例えば、光、ビープ音、音声プロンプト等)を該ユーザ(131)に提供する。例えば、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、不法侵入警報システムからの事象に関する指標を提供してもよい。幼児の監視から高齢者介護まで、該システムの利点は、事象に関する非侵入型の人の存在情報および非ウェアラブル型のリモート通知を含む。該システムは、祖母が、該住宅内で起きているいくつかの事象に関して通知を受けるために、何かを身に付けたり、何かを自身で携帯する必要のない魅力的な解決策を提供することができる。該システムは、祖母の位置および/または該祖母の該活動に関する該情報に基づいて該通知を提供する。該通知は、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって観察された人の活動に基づく合理的な方法でフィルタリングおよび/または提供することができる。例えば、該祖母の熱画像が、眠っているかまたはTVを見ているときの該祖母と一致する場合、特定のアラームまたは通知は抑制される。
【0085】
図9は、居住者を有する部屋内に設置されたエンクロージャを有するサーマルカメラアセンブリを示す。例えば、部屋(109)内に取付けられた該サーマルカメラアセンブリ(101)は、
図1に示すようなサーマルイメージングシステムを構成するために、該サーバー(113)および/または該モバイル装置(117)に接続することができる。
【0086】
図9において、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、
図10に関連してさらに説明するように、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該方向性を、該部屋(109)の水平方向および垂直方向と整合させるプロセスを単純化するように適合された形状寸法を有するエンクロージャを有している。
【0087】
図10は、二つの直交する壁の縁部に取付けられたエンクロージャを有するサーマルカメラアセンブリを示す。
【0088】
図11は、
図10に示す該エンクロージャの後方上からの図を示し、
図13は、サーマルカメラ(175)およびその光軸(177)を明確にするために、該エンクロージャ(167)のベース面が取り外されている(か、または透明に形成されている)状態の
図10のサーマルカメラアセンブリを示す。
【0089】
図10において、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、該サーマルカメラ(175)および/または該サーマルカメラアセンブリ(101)の他のコンポーネントを収容して担持するようにデザインされている。該サーマルカメラ(175)は、該エンクロージャの方向が、該部屋(109)の方向と整合されたときに、該サーマルカメラ(175)が、該部屋(109)の該方向に関して既知の方向性を有するように取付けられて、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャの該方向/方向性に関して整合されている。
【0090】
該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、
図11に示す少なくとも二つの直交する取付け面(162および163)を有している。該取付け面(162および163)は、互いに直交していてもよく、または、互いに実質的に直交していてもよい(例えば、85度から95度の間、または、88度から92度の間の角度を有している)。
【0091】
該部屋(109)の該壁(171および172)は、該部屋(109)内の二つの鉛直面であり、該部屋(109)の該床(127)および該天井(173)は、該部屋(109)の二つの水平方向面であり、該壁(171および172)が接している該縁部(119)は、該部屋(109)の該垂直方向にあり、および該床面(127)および該部屋(109)の該天井面に対して直角であり、壁(171または172)と該天井が接している該縁部は、水平方向になっていると仮定する。
【0092】
したがって、該サーマルカメラアセンブリ(101)が、二つの壁(171および172)が接している縁部(119)に押し付けられると、該取付け面(162)は、該壁(171および172)とそれぞれ整合し、このことが、該サーマルカメラアセンブリ(101)を、該部屋(109)の該方向と整合する方向性に案内し、そこで、該取付け面(162および163)は、該壁(171および172)とそれぞれ平行になり、該サーマルカメラアセンブリ(101)の後縁部(166)は、該壁(171および172)が接して、該部屋(109)の該鉛直方向と平行になっている該縁部(119)と平行になり、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該上面(164)は、該部屋の水平面(例えば、該床面(127)および/または該天井(173))と平行になり、該サーマルカメラ(175)の該光軸(177)は、該取付け面(162および163)および該壁(171および172)に対して所定の方向を有し、および該サーマルカメラ(175)の該光軸(177)は、該部屋の鉛直面内にあり、および該部屋(109)の該鉛直方向に対して所定の方向を有している。
【0093】
該上面(164)は、必要に応じて、該一つ以上の取付け要素(例えば、接着要素)を備えた取付け面として構成することもできる。したがって、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、壁(例えば、171または172)と該天井(173)が接する縁部(119)に押し付けることができ、または、二つの壁(171および172)と該天井(173)が接する角(174)に押し付けることができる。該サーマルカメラアセンブリ(101)の該方向性と、該部屋(109)の該方向との該整合は、該サーマルカメラアセンブリ(101)を、該縁部(119、102または104)または該サーマルカメラアセンブリ(101)が取付けられている角(174)に押し付けることによって容易に実現することができる。
【0094】
図10および
図11は、方向性インジケータ(169)を備えた該上面(164)をマーキングする実施例を示し、このことは、該上面(164)が間違って壁(171または172)に押し付けられて、該サーマルカメラアセンブリ(101)を斜めに取付けるのを避けるのに利用することができる。
【0095】
図12は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャの側面(162)にある代替的な方向性マーカー(169)を有するサーマルカメラアセンブリ(101)を示す。該方向性マーカー(169)は、上方を指している矢印と、該部屋(109)の該鉛直方向縁部(119)に沿った該サーマルカメラアセンブリ(101)の意図する取付け方向性を明確にするための文字「上方(UP)」とを含む。
【0096】
図10および
図11において、該方向性マーカー(169)は、取付け指示として、該表面(164)が、該サーマルカメラアセンブリ(101)を取付けるための上面になっていることを示す該文字「上部(TOP)」を含んでいる。
【0097】
一般に、該方向性マーカー(169)は、取付け指示としての文字または数字を備えたまたは備えていない該意図した取付け方向性に関するグラフィックの指標(例えば、矢印)とすることができる。例えば、該底部の指標は、足または靴で標示することができ、また、上部の指標は、電球、太陽、雲、屋根、天井、または、正しい取付け位置を直感的に示す何らかのシンボルで標示することができる。
【0098】
好ましくは、該取付け面(162、163および/または1644)のうちの少なくとも一つは、該サーマルカメラアセンブリ(101)を取付ける該プロセスを単純化するための取付け要素(例えば、接着要素)を有している。例えば、該取付け要素は、両面接着フィルムであってもよく、このことは、設置者が単に保護層を剥離することと、該エンクロージャが壁に接触されることを要する。該接着フィルムは、該サーマルカメラアセンブリ(101)のエンクロージャの該設置および整合のために、これ以上の工具が必要ないような十分な接合をもたらす。別法として、取付けは、釘、ボルト、ねじ、壁取付けフック用の穴等を介して実現することができる。
【0099】
図11に示す該直交する取付け面(162および163)は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャを、
図10に概略的に示すように、部屋(109)の二つの実質的に直交する壁(171および172)の鉛直方向縁部(119)に取付けできるようになっている。
【0100】
図10において、該直交する取付け面(162および163)は、それぞれ壁(171および172)に対向しているため、図示されている斜視図からは見えない。
図11では、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、該直交する取付け面(162および163)が、
図11を見る人に対向している状態で見せられている。
【0101】
少なくとも二つの直交する取付け面のこのような特定の形状寸法には、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャが、該部屋の該壁および/または天井(173)が互いに該部屋の角で連接する位置に取付けられる場合に、該壁および/または該部屋の天井(173)が、該サーマルカメラアセンブリ(101)を部屋(109)内に取付けることができる多数の可能性のある方向性を制限するように作用するという利点がある。部屋の実質的に直交する鉛直方向縁部における、少なくとも二つの直交する取付け面を含む、サーマルカメラアセンブリ(101)等の取付けに関する残りの変数は、該部屋(109)の該床(127)からの該サーマルカメラアセンブリ(101)の可能性のある取付け高さ(123)と、該部屋の該鉛直方向縁部に沿った該エンクロージャの相対的方向性(例えば、上方対下方)である。
【0102】
いずれの場合においても、特定の形状寸法を備えた該エンクロージャを有するこのようなサーマルカメラアセンブリ(101)の取付け処理手順は、何らかの技術的熟練または工具を有していない人によって実行されるように十分にシンプルである。例えば、該アセンブリ(101)の該設置は、両面接着テープを(例えば、接着要素として)該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャの一つまたは二つの取付け面(162および163)(および/または必要に応じて、面(164))に付着して、これらの面をそれぞれ、
図10に示すように、該鉛直方向の壁(171および172)に(および必要に応じて、該天井(173)に)接触させることによって実行することができる。該設置は、一方の取付け面2または3(例えば、どちらかが、接着フィルムを含んでいる)のみに接触しているエンクロージャを、それぞれ、部屋の該鉛直方向縁部に近接させて、該壁(11aまたは11b)まで持って行くことにより、同様に実行することができる。該直交する取付け面(162および163)は、それを部屋の実質的に直交する縁部に取付けるために、設置者にとって直感で理解できる形状を形成している。さらに、この解決策は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャを、安定していないか、または震える手または腕を有する人が設置できるようにしている。実際には、該解決策は、該直交面を、部屋の鉛直方向縁部に接触または近接させるようにして、該エンクロージャを部屋内に適切に取付けるのに、非常に低い運動感受性または触感受性を要する。
【0103】
このようなエンクロージャの形状寸法は、例えば、
図10および
図11に概略的に見られるような四面体形状を含むことができ、この場合、該四面体は、必要に応じて、(接着/取付け要素の有無に関係なく)該設置中に該天井(173)に接触させるための第三の直交取付け面(164)を含んでもよい。該取付け面(例えば、162、163および/または164)は、該壁(171)および/または該壁(172)(および/または該部屋(109)の該天井(173))に取付けられる取付け面を設けるのに十分な材料がある場合、平面状であり、および中実になっているか、または穿孔されているかのいずれかである。
【0104】
また、(直交頂点(161)と呼ぶ)該直交面の該頂点(161)に対向する四面体形状の実施例では、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、部屋に面したベース面(165)も含んでいてもよい。該ベース面(165)は、
図10に概略的に示されている。
【0105】
好ましくは、該ベース面(165)は、透明ではなく、また、該サーマルカメラ(175)は、(例えば、
図10に示すように)該サーマルカメラ175の捕捉視野内では、人には見えない。
【0106】
2015年6月25日に出願されて米国特許出願公開第2015/0377711号として公開された、“Apparatus and Method for Electromagnetic Radiation Sensing”というタイトルの米国特許出願第14/750,403号、2015年6月30日に出願された“Micromechanical Device for Electromagnetic Radiation Sensing”というタイトルの米国特許出願第14/788,286号、2015年7月27日に出願された“Micromechanical Device for Electromagnetic Radiation Sensing”というタイトルの米国特許出願第14/810,363号および/または2016年6月21日に出願された“Fabrication Method for Micromechanical Sensors”というタイトルの米国特許出願第15/188,116号は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャ内に配置される該サーマルカメラ(175)として用いることができる。しかし、他のイメージング装置も用いることができる。
【0107】
該イメージング装置は、例えば、該風景を低フレームレート(例えば、毎秒1フレーム、毎秒9フレーム未満)で捉えるための30×20の熱赤外画素を有し、およびこのような画像を無線でリモート受信ユニット(例えば、該サーバー(113)または該モバイル装置(117))に送信する、低解像度のサーマルイメージングユニットとすることができるが、該包囲された、すなわち目に見えない低解像度のサーマルイメージングユニットおよび該送信ユニットは、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャ内に収容されたバッテリによって動力が供給される。
【0108】
図14および
図15は、交換可能なバッテリをその底部の角に有するサーマルカメラアセンブリを示す。
【0109】
図14および
図15において、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、交換可能なバッテリユニット(179)をその底部の角に備えた状態で概略的に図示されている。取替え可能なまたは交換可能なユニットは、該底部の角にある必要はなく、また、該エンクロージャ内のどこにでも配置することができる。
図14および
図15の概略的実施例において、交換可能なバッテリユニット(179)は、それを単純に一度、押すことによってエンクロージャ1から取り外すことができる。該交換可能なバッテリユニット(172)の該エンクロージャへの取付け機構は、カードアダプタと同様の固定ばねを介したものとすることができ、この場合、「押込み、押出し」機構が、部材をその専用ソケットに取付けるか、または、部材を該ソケットから取り外すのに用いられる。該交換可能なバッテリユニット(179)は、新たなバッテリユニットと交換することができ、または、インタフェース、例えば、該ユニットをUSBインタフェースを介して再充電できるようなUSBインタフェースを有することができる。必要に応じて、二次バッテリユニットを、(
図14および
図15の斜視図からは見えない)該エンクロージャ内に一体化することができ、すなわち、該交換可能なバッテリユニット(179)が該エンクロージャから取出される場合、該エンクロージャ内の該サーマルカメラ(175)の動作用の電源は、該交換可能なバッテリユニット(179)が交換されている間は、該二次バッテリによって一時的に動力が供給される。
【0110】
該ベース面(165)は、(例えば、
図10、
図11、
図13に概略的に示すように、すべて60度の角度の)正三角形の形状を有することができ、または、不規則にすることができ、または、球状または平坦面とすることができる。
【0111】
他の実施態様では、該サーマルカメラアセンブリ(101)のエンクロージャの該ベース面(165)は、
図16に概略的に示すように、湾曲したまたは球状の形状を有する。
【0112】
図16および
図17は、代替的なベース面形状を有するサーマルカメラアセンブリを示す。
【0113】
図16に示す該実施態様は、図示されている斜視図からは見えない三つの直交する取付け面(162、163および164)を含む。該取付け面(162、163および164)は、壁(171、172)、および/または該部屋(109)の天井(173)に取付けられるための取付け面を設けるのに十分な材料がある場合、平面状であり、および中実かまたは穿孔されている。
【0114】
いくつかの実施態様において、球状のベース面(165)を有するエンクロージャは、最大で三つの直交する取付け面を設けることができ、および(
図16に示すような)丸い球状または楕円形形態(例えば、ボール)の八つ切り、または、(
図17に示すような)丸い球状または楕円形形態の銀杏切りと称することができる形状を含むことができる。
【0115】
このような実施態様において、該設置者が、都合のよい方法で該部屋に到達することが可能な場合、該エンクロージャは、(例えば、
図16に示すように)該部屋(109)の実質的に直交する天井の角に取付けることができる。別の方法では、このような実施態様は、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該上面と該天井(173)との間の離間距離を伴って、部屋(109)の該鉛直方向縁部(119)に取付けることができる。
【0116】
場合により、該天井は、該天井から該鉛直方向の壁への移行部間に、材料から成るストリップ(窪んだ形状、モールドまたはトレイ天井)を有し、またこのような場合、該エンクロージャ1は、
図17に示すように、部屋(109)の該鉛直方向縁部(119)に取付けることができる。
【0117】
一般に、(例えば、全体的な四面体形状、または、球状/楕円形/楕円体形状を有する)該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、二つまたは三つの直交する面を有し、そのうちの一つ以上は、必要に応じて、壁および/または天井に接合するための接着取付け面として作用する接着剤で構成することができる。場合により、一つの取付け面だけが、壁(171または172)または天井(173)に付着するための接着層で構成される。該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャを、部屋(109)の鉛直方向縁部(119)または天井の角(174)に近接する壁に接触させることにより、該サーマルカメラアセンブリ(101)は、何らかの技術的ツールまたはスキルの要件を要することなく、シンプルな指示のセットの下で、複雑ではない取付け処理手順で、該壁に付着することができる。
【0118】
いくつかの実施態様においては、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、二つだけの直交する取付け面(162)および(163)と、(例えば、球状または楕円形の面の部分から成る形状を有する)湾曲したベース面(165)とを有している。該湾曲したベース面(165)は、
図17に概略的に示すように、該二つの直交する取付け面(162および163)を接続している。
【0119】
図17に示す該エンクロージャの該形状は、該楕円形状の長軸に沿ってスライスした四つ切りの楕円形状と言ってもよい。該部屋(109)の該鉛直方向縁部(119)に沿った該エンクロージャの該楕円形状の所望の取付け方向性を示すために、方向性インジケータを、(
図17では見えない)取付け面(162または163)に設けることができる。例えば、該方向性インジケータは、該エンクロージャを該部屋の鉛直方向縁部に取付ける際に、該エンクロージャの適切な方向性を確保するために、単一の箇所を該部屋の該天井に近付けるべきであることを説明する独立した指示のセットを有する該単一の箇所とすることができる。
【0120】
いくつかの実施態様において、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、設置の簡略化を可能にし、かつ確実にするために、(各々が、残りの取付け面に対して直交している)三つ以上の直交する取付け面を含んでいない。
【0121】
この取付け処理手順の一つの利点は、該鉛直方向の壁は、該エンクロージャの該方向性を制限するように作用して、該部屋の床および壁に対する該ベース面(165)の該方向性が、高い信頼度で、および該設置後に該方向性を測定することを要することなく、確実に分かるということである。
【0122】
図18は、エンクロージャの取付け位置と、エンクロージャに収容されたイメージング装置の光軸の方向と、該イメージング装置の視野と、該エンクロージャ内に収容された該イメージング装置から得られた画像に取り込むことができる該部屋内の空間との間の幾何学的関係を示す。
【0123】
熱画像アセンブリ(101)内には、該サーマルカメラ(175)の該エンクロージャが、該部屋(109)の該壁(171、172)および/または天井(173)と整合して取付けられる際に、該サーマルカメラ(175)が、
図13に概略的に示すように、該部屋(109)内の該関心のある領域との実質的な整合を実現するように、該サーマルカメラ(175)が、そのエンクロージャに関して所定の方向性(例えば、該ベース面(165)に対する、その光軸(177)の所望の整合)を有するように取付けられている。該エンクロージャに対する該サーマルカメラ(175)のこの取付けは、該熱画像アセンブリ(101)の該エンクロージャを、部屋の角(174)または部屋の鉛直方向縁部(119)に配置することによって制限される該ベース面(165)の該整合とともに、該サーマルカメラ(175)が、該部屋(109)の壁(171および172)および該床面(127)に対して明確に定義された軸(177)上で該部屋(109)を見ていることを確保する。
【0124】
該エンクロージャに対するイメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該軸(177)の所望の方向性は、例えば、該イメージング装置および用途に最も有用であるように、所望の装置適用範囲を実現するように、または、特定の部屋の形状寸法を対象にするために、多くの要因に依存する。
【0125】
一つの実施態様において、該エンクロージャ1内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該取付けは、撮像軸(177)が、水平方向に対する該二つの取付け壁(171および172)間の角度を二等分するように構成されている。
【0126】
一つの実施態様において、該エンクロージャ1内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該取付けは、該撮像軸(177)が、該部屋の鉛直方向縁部に対して等しく直角になっているか、または、傾斜されているように構成されている。
【0127】
場合により、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))は、90度以上の視野(捕捉視野角)を有している。このようなイメージング装置が使用される場合、四角い部屋内の該エンクロージャ内での画像装置(例えば、サーマルカメラ(175))の固定の対称的な方向性は、該部屋の実質的に完全な部屋適用範囲または合理的な割合の適用範囲をもたらすことができる。
【0128】
場合により、該エンクロージャは、二つ以上のイメージング装置(例えば、サーマルカメラ(175))を収容する。このような場合、該エンクロージャ1は、各イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該光軸(177)を、該ベース面(165)に対して固定できるようになっている各イメージング装置用の固定取付け部を含んでいる。一つの可能性のある実施態様においては、該イメージング装置の該光軸(177)は、水平面および/または鉛直面内に一様に分散させることができる。
【0129】
場合により、該光軸(177)は、該天井(173)または該床面(127)に平行になっている該水平面からの傾斜角度を有していてもよい。該エンクロージャの該取付けは、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))が、該装置が該部屋(109)を「見下ろしている」状態で、該水平面に対して傾斜角度を含む、該部屋に向けられている光軸(177)を有するように、典型的な人の頭部の高さにおいてまたは該頭部の上で、あるいは部屋(109)の該天井の角(174)においても実行することができる。該エンクロージャ上の方向性マーカー(169)は、該エンクロージャが、該部屋に向けられ、および該部屋(109)の該床面(127)に向けられる該イメージング装置に対して正しい方向性になっていることを確実にするためのインジケータとして機能する。
【0130】
一般的には、該イメージング装置の該視野のサイズにより、複数のイメージング装置を、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャ内に収容することができる。例えば、90度以上の視野を有するイメージング装置が、角または縁部の取付けのために使用される場合は、一つのイメージング装置で十分である可能性がある。各々が、限定された視野(例えば、30度)を有するイメージング装置の場合は、該視野をまとめて該部屋をカバーするように、イメージング装置のアレイ(例えば、3×3)を構成することができる。
【0131】
該エンクロージャ1の前方に立っている人には見える、該エンクロージャ内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))(または、複数のイメージング装置)の問題は、該エンクロージャの外部からは視覚的に不透明または半透明であるベース面(165)によって解消される。
【0132】
このような視覚的に不透明の面は、該エンクロージャ1内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))が、(例えば、上述した関連出願の場合と同様に)赤外線域内で検知または放射する場合、赤外線透過材料とすることができるであろう。いくつかの実施態様において、このような視覚的に不透明ではあるが、赤外線透過性の面は、ポリマー材料、例えば、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)から形成することができる。このようなポリマー材料は、人の眼の可視域では白または不透明に見えるが、該赤外線域では透過性になる。他の視覚的には不透明ではあるが、赤外線透過性の材料は、ゲルマニウム(Ge)またはシリコン(Si)を含む。これらの材料は、該可視域において、人の眼には「黒く」見え、および可視光は、該可視域での透過がないことにより、このような材料を通過することはできない。別の例では、該面は、部分透過性のミラー(ワンウェイまたはツーウェイミラー、すなわち、薄い金属層で被覆された視覚的に透明な材料)であってもよく、この場合、該平面に向いている人は、反射面を該ベース面(165)として見ているが、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))は、該部分的に視覚的に透明な面を通して撮像することができる。
【0133】
少なくともいくつかの実施形態では、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該エンクロージャは、取付け処理手順の単純化のために構成され、部屋の実質的に直交する鉛直方向縁部の該壁に接触しているその取付け面によって制限された方向性を有する、該エンクロージャ内に構成された一定の「自己整合」視野角のイメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))を備えている。したがって、該エンクロージャ内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の特定の方向性が分かっている場合、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該視野角(185)が分かっている場合、およびおよその取付け高さ(123)が分かっている場合、該イメージング装置によってモニタされている空間を、該空間が高さ(183)を有し、およびある距離(181)で、および(例えば、該壁(171および172)に対して)該部屋(109)の該水平面内にある角度で位置している一つまたは複数の立っている対象者(131)を含んでいるか否かを判断するために計算することができる。
【0134】
一方、該サーマルイメージングアセンブリ(101)によってカバーされる所望の空間を形成するために、該所望の取付け高さ(123)を、高さ(183)を有する最も遠くの対象者と、該サーマルカメラアセンブリ(101)に対する該光軸(177)の領域の該方向性と、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該視野角(185)との間の距離(181)から計算することができる。一つの実施態様において、該エンクロージャに対する該光軸(177)の領域の該方向性と、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該視野(185)の角度は、エンクロージャの製造によって予め決められている。
【0135】
一つの実施態様において、ユーザ/設置者に対する取付け指示の該セットは、該ユーザに、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャの取付け面(162および163)にデフォルトで予め既に設けられている両面接着テープから保護層を剥離するように、そして、該エンクロージャを、該床面(127)の約6フィート以上上の高さ(123)において、該部屋(109)の実質的に直交する鉛直方向縁部(119)に取付けるように指示する。
【0136】
いくつかの実施態様において、該エンクロージャ内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))は、例えば、90度よりもわずかに大きい水平方向および垂直方向の視野(185)を有する約30×20の画素を有している。バッテリ式である該サーマルカメラ(175)は、例えば、該取付け面(162)のボタンを押すことにより、または、接触停止テープをバッテリ収納部から外すことにより、または、ハンドヘルドコンピュータ(例えば、117)を介して遠隔で作動させることによって該ユーザにより作動される。該サーマルカメラアセンブリ(101)は、(例えば、無線ローカルエリアネットワーク用の無線送信機、無線パーソナルエリアネットワーク、Wi−Fi、ブルートゥース、ジグビー、無線伝送、セルラー方式の通信等を利用して)録画した動画を無線で受信機へ流す。該サーマルカメラ(175)の該低解像度は、該部屋の住人にプライバシー保護をもたらす。このような実施態様において、該ベース面(165)は、該エンクロージャの中身、具体的には該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))を隠す、薄いPE膜で形成された白色の視覚的には不透明のフィルムとすることができる。
【0137】
該エンクロージャ内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該方向性は、該水平面内で対称的であり、かつ該鉛直面に対して対称的であるようにすることができ、この場合、該水平面は、該部屋(109)の該床面(127)に平行な実質的な平面として画定することができ、また、該鉛直面は、該部屋の該取付け壁の一方に平行な実質的な平面として画定することができる。例えば、該エンクロージャ内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該方向性は、その光軸(177)が、該面(162および163)に接続し、およびこれらの面(162および163)に対して等しい角度を有する該後縁部(166)に対して下向きに45度になるようにすることができる。例えば、該エンクロージャ内の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))の該方向性は、その光軸(177)が、該エンクロージャを垂直方向に二等分し(例えば、該面2および3を接続する該鉛直方向縁部を通り)、および該鉛直方向縁部に対して所定の角度(例えば、45度)を有する平面内で整合されるようにすることができる。
図18の二次元の断面図に概略的に示すように、捉えた画像は、製造時に予め設定された該カメラの既知の方向性と、その予め設定された視野(185)と、そのおおよその取付け高さ(123)とによって、該視野(185)内の対象者(131)の該位置と、該対象者(131)の該背丈(183)ならびに幅のために分析することができる。
【0138】
図18において、例えば、
図1から
図3に関連して上述した該方法のいずれかにより、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該取付け高さ(123)が分かっており、および該光軸(177)および該視野(185)が、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャのデザインおよび製造から分かっている場合には、観察可能な空間位置と、該装置20の該視野内の対象者または物体(131)間の該距離(181)とを判断することができる。
【0139】
図18において、該サーマルカメラアセンブリ(101)からの点線は、該画素を、該床面(127)および反対側の該壁に逆に投射している。隣接する点線間の該熱放射は、該サーマルカメラアセンブリ(101)内のサーマルカメラ(175)内の対応する画素によって測定される。したがって、該点線間の該空間は、該対応する画素によって撮像される該空間を表している。
【0140】
例えば、該点線(188および189)間で該サーマルカメラアセンブリ(101)に投射された該熱放射は、画素1によって測定され、また、該点線(187および188)間で該サーマルカメラアセンブリ(101)に投射された該熱放射は、画素2によって測定される等々である。該画素1、画素2およびその他によって測定された熱強度は、熱画像内の画素から成る鉛直線(186)を構成する。該対象者または物体(131)の該熱画像(131)は、陰影画素(183)によって表される。所定の取付け高さ(123)および該視野(185)の場合、該物体(131)の該熱画像(133)の該底部までの画素(181)の計数は、該対象者または物体(131)の該位置と、該サーマルカメラアセンブリ(101)がその上に取付けられている該縁部(119)との間の所定の水平方向距離(181)に対応している。該陰影画素の該計数は、該取付け高さ(123)を考慮した該部屋(109)の該床面(127)の上の該対象者または物体(131)の現実の高さに対応する、該画像座標系(139)内での該対象者または物体(131)の該熱画像(133)の該高さ(183)を示している。また、該幾何学的関係は、該対象者または物体(131)の該現実の高さと、該陰影画素の下の該画素(181)の計数によって識別された位置における、該対象者または物体(131)の該熱画像(133)の該高さ(183)を表す該陰影画素の計数とに基づいて、該取付け高さ(123)を判断するために、逆方向でも用いることができる。
【0141】
図18において、一次元の垂直方向画素列(186)は、該部屋(109)内の該対象者(131)が、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって捉えられた該熱画像中でどのように見えるかを示している。該対象者(131)からの放射は、測定すべき該陰影画素に、該非陰影画素によって測定される他の領域とは著しく異なる温度を持たせる。該非陰影画素は、室温で測定した該部屋の部分を表し、また、該陰影画素は、該室温を超える該対象者(131)の上昇した表面温度を表している。
【0142】
図18において、画素(186)の該垂直方向の列は、「画素1」、「画素2」等に対応して標示した撮像空間に対応する「画素1」、「画素2」等のように識別されている。
【0143】
該対象者(131)が、該部屋(109)内で垂直方向に立っていると仮定すると、彼または彼女の背丈(183)および位置(181)は、三角法の関係によって判断することができる。同様の実施例は、水平方向の寸法に対して有効であり、このことは、該水平方向の寸法およびその幅の範囲内での該対象者または物体の位置の判断を可能にする。このことは、熱赤外での撮像の場合の該室温と異なる温度を有する何らかの物体に対して有効である。
【0144】
例えば、ホットスポットまたはコールドスポットは、その相対温度に加えて、それらの位置およびそれらの相対的サイズを知ることによって、位置を決めることができる。ホットスポットは、危険な物品、例えば、ユーザがスイッチを切るのをうっかり忘れて放ったらかしにされていて、潜在的に火災の危険性または安全上の問題がある可能性があるアイロンを含むことができ、あるいは、コールドスポットは、人が閉めるのを忘れて、非常に冷たい空気が該部屋に流れ込んできた場合の開いている窓を含むことができるであろう。多くのコールドスポットおよびホットスポットを、低解像度のサーマルイメージング装置によって検知することができる。したがって、見ている風景の3次元情報を、該サーマルカメラアセンブリ(101)の記録した画像で再構成することができる。
【0145】
図18の該実施例は、このような実施例における、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該垂直方向の撮像容量を表す、20の画素から成る一つの垂直方向の画素列(186)を伴う二次元断面の事例に単純化されている。該イメージング装置は、好ましくは、画素のマトリクス、例えば、該水平方向の30画素×該垂直方向の20画素に等しい列のアレイのビューイング容量を有する。
【0146】
必要に応じて、該ベース面(165)の眼に見える側の装飾面、照明、Wi−Fiアクセスポイント/リピータ等の追加的な機能を、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャ内に一体化してもよい。
【0147】
必要に応じて、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、丸みの付いた鉛直方向縁部または部屋の丸みの付いた角への容易な嵌め込み/取付けのための、丸みの付いた角/縁部および丸みの付いた頂点(161)を有することができる。
【0148】
必要に応じて、アダプタエンクロージャが、該壁に恒久的に固定されて取付けられ、また、該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))および/または該カメラの他の部材(例えば、バッテリ)を収容する該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャは、該サーマルカメラアセンブリ(101)を、該アセンブリ全体から取り外すことなく容易に交換できるように、該アダプタエンクロージャに取付けられる。
【0149】
必要に応じて、そのエンクロージャ内に配置された該サーマルカメラアセンブリ(101)の任意の部材、例えば、一つまたは多数の該イメージング装置(例えば、該サーマルカメラ(175))、該バッテリ、無線モジュール、電子ボード等は、該エンクロージャ内で取替え可能または交換可能であるようにデザインすることができるが、該エンクロージャは、該アセンブリ全体を取り外すことなく、該壁に恒久的に固定して取付けることができる。例えば、バッテリモジュールは、
図14および
図15に示す方法で交換可能にすることができ、また、他の交換可能なモジュールは、該サーマルカメラ(175)、任意の無線モジュール等のために同様に構成することができる。
【0150】
場合により、壁および/または該部屋(109)の該天井が、互いに実質的に直交していない場合に、該サーマルカメラアセンブリ(101)の該エンクロージャと、該壁(例えば、171および172)および/または天井(173)との間に取付けるために、楔が設けられる。
【0151】
図19は、
図1のイメージングシステム等の一つの実施形態によるイメージングシステムの設置プロセスを示す。
【0152】
図19において、ユーザまたは設置者は、カメラアセンブリ(101)を、該カメラアセンブリ(101)によってモニタすべき領域(例えば、部屋(109))の水平方向および垂直方向と整合する(例えば、鉛直方向縁部(119)に沿った)取付け位置に取付けるように(191)、該カメラアセンブリ(101)を作動させて、リモートサーバー(113)との通信を確立して、(例えば、
図1に示す)イメージングシステムを構成するように(193)、該イメージングシステムから指示を受け取って、該領域の環境要素と、該カメラアセンブリ(101)によって生成された画像中の要素および/または位置を関連付ける際に、該イメージングシステムを調整またはトレーニングするように(195)、および該指示に従って動作を実行し、(例えば、該ユーザまたは設置者(131)を基準として利用して)該カメラアセンブリによって生成された該画像中で識別可能な特徴を介して入力を生成するように(197)指示される。必要に応じて、該ユーザまたは設置者はさらに、モバイル装置(117)を該イメージングシステムに接続して、該指示を受取りおよび/または該イメージングシステムの該調整および/またはトレーニングのための追加的な入力、例えば、該ユーザまたは設置者(131)の背丈、該モニタされる領域内の指定している関心のある箇所(例えば、部屋(109))等を与える(199)。場合により、該ユーザまたは設置者は、該カメラアセンブリ(101)を取付け位置に取付ける前に、該カメラアセンブリ(101)を作動させて(193)もよい。さらに、該ユーザまたは設置者が、該指示を受取り、入力を与えおよび/またはフィードバックを受け取るために該モバイル装置(117)または他の装置(例えば、音声ベースのインテリジェントパーソナルアシスタント)に接続すること(199)は、一般に、該ユーザまたは設置者との対話を伴う動作の前に実行される。例えば、該モバイル装置(117)または音声ベースのインテリジェントパーソナルアシスタントを利用して該指示を受け取るために、該モバイル装置(117)または該音声ベースのインテリジェントパーソナルアシスタントを該イメージングシステムに接続する(199)動作は、該イメージングシステムの該調整またはトレーニングのための該指示の受取り(195)の前に実行される。
【0153】
例えば、該イメージングシステムは、該カメラアセンブリがそこに押し当てられて取付けられる少なくとも二つの直交する面(例えば、171、172および/または173)との整合のために互いに直交している少なくとも二つの取付け面(例えば、162、163および/または164)を有するエンクロージャ(167)と、該エンクロージャ(167)内に配置され、および該エンクロージャに対する所定の方向性を有している少なくとも一つのイメージング装置(例えば、サーマルカメラ(175))と、該エンクロージャ(167)内に配置された通信装置とを有するカメラアセンブリ(101)を含む。該イメージングシステムは、該カメラアセンブリ(101)が取付けられている箇所から離れた場所に配置されたサーバー(113)をさらに含む。該カメラアセンブリ(101)と該サーバー(113)は、コンピュータ通信ネットワーク(115)を通じて、該カメラアセンブリの少なくとも一つの設置測定値を識別して、該イメージング装置によって生成された画像のための画像座標系と、該少なくとも二つの直交する面によって決まる方向性と整合する現実の座標系とからマッピングを確立する。該通信装置は、無線通信装置または有線の通信装置とすることができる。
【0154】
例えば、該カメラアセンブリ(101)のユーザ(例えば、設置者または所有者)は、二つの壁(171および172)が接している鉛直方向縁部(119)上に該カメラアセンブリ(101)を取付けるように指示され、該少なくとも一つの設置測定値は、該システムの該ユーザ(101)がその上に立っている床面(127)の上の該カメラアセンブリ(101)の取付け高さ(123)を含む。
【0155】
必要ではないが、好ましくは、該イメージング装置は、赤外線放射の感知に基づいて該画像を生成するサーマルカメラ(175)である。好ましくは、該サーマルカメラ(175)の解像度は、サーマルカメラ(175)によって生成された該熱画像中に捉えられた該人の識別を該熱画像からは判断できないように十分に低くなっている。
【0156】
必要に応じて、モバイル装置(117)内で作動しているモバイルアプリケーションは、該画像座標系(139)における該設置測定値、例えば、該取付け高さ(123)および/または関心のある箇所の該位置を識別する際に、該カメラアセンブリ(101)および該サーバー(113)の少なくとも一方と通信して、(例えば、
図3から
図6に示すような)ユーザインタフェースを提供するように構成されている。
【0157】
例えば、該ユーザインタフェースは、その熱画像(133)が、該サーマルカメラ(175)によって生成された画像中に捉えられている該ユーザ(131)の背丈を識別する入力を受け取るように構成され、そして、該取付け高さ(123)は、該画像座標系(139)内での該ユーザの該熱画像(133)の高さと、該ユーザインタフェースで受取った該ユーザ(131)の該現実の背丈とから計算される。
【0158】
該少なくとも一つの設置測定値は、該イメージング装置(175)によってモニタされたシーン、領域または空間内の関心のある箇所(例えば、部屋の角、ドアまたは窓)の、該画像座標系内での位置を含んでもよい。該関心のある箇所は、典型的には、該サーマルカメラ(175)によって生成されているが、該サーマルカメラによって生成された該画像中には目で見えない該画像の範囲内にある。該設置測定値は、該モニタした空間の該形状寸法を定義する領域レイアウト(135)を構成するのに用いることができる。
【0159】
場合により、該ユーザは、
図4から
図6に示すように、関心のある箇所における該ユーザの熱画像(133)の位置で、該画像座標系内での該関心のある箇所の該位置を標示するために、該関心のある箇所まで移動するように指示される。
【0160】
いくつかの実施態様において、該イメージングシステムは、(例えば、以前に判断された、センサを用いて自動的に測定された、または、ユーザによって識別する)既知の取付け高さを有する第二のカメラアセンブリを含む。この場合、第一のカメラアセンブリの該取付け高さは、該第二のカメラアセンブリの該取付け高さと、該第一および第二のカメラで生成された画像に同時に捉えられた物体の相関関係とに基づいて計算することができる。該第一のカメラアセンブリの該取付け高さは、該第一のカメラによって観察されて計算された物体の該現実の高さが、該第二のカメラによって観察されて計算された対応する物体の該現実の高さと一致するように調節することができる。
【0161】
場合により、カメラアセンブリ(101)は、該カメラアセンブリ(101)と床面(127)との間の取付け高さ(123)を自動的に測定するセンサを含む。
【0162】
例えば、該カメラアセンブリ(101)を、二つまたは三つの直交する面(例えば、171、172および/または173)が接している縁部(119)または角(174)に取り付けた後、該ユーザは、該カメラアセンブリ(101)を作動させて、リモートサーバー(113)および/またはモバイル装置(117)との通信接続を確立することができる。該サーバー(113)および/または該モバイル装置(117)は、該ユーザが、該ユーザの該熱画像(133)の全高が該カメラアセンブリ(101)によって生成された該画像中で検出されるように、該ユーザに、該モニタしている領域内を動き回るように指示を与えることができる。該イメージングシステムが、該ユーザ(131)の該現実の背丈と、該画像中での該ユーザの背丈の測定値とに基づいて、該カメラアセンブリ(101)の取付け高さ(123)を計算できるように、床面(127)上に立っている該ユーザの背丈を提供するように該ユーザを促して、該ユーザを該カメラアセンブリによって完全に捉えてもよい。該ユーザの該背丈は、該モバイル装置(117)のグラフィカルユーザインタフェースを介して、または、該サーバー(113)によって提供される音声プロンプトに関連する、該カメラアセンブリ(101)によって検出される該ユーザのジェスチャーを介して提供することができる。
【0163】
必要に応じて、該イメージングシステムが、該イメージングシステムの該モニタしている領域内の関心のある箇所に位置しているか、または、該箇所の近傍に位置している該物体の熱画像(133)の位置に従って、該カメラアセンブリ(101)によって生成された画像中の該関心のある箇所を登録することを可能にするために、該ユーザは、熱検出可能な物体(例えば、お湯または冷水の入っているコップ、または、該ユーザの体)を、該カメラアセンブリ(101)によってモニタされている該領域(例えば、部屋(109))内の該関心のある箇所まで移動させるように指示される。例えば、該カメラアセンブリ(101)は、赤外線放射の感知に基づいて撮像し、そして、該関心のある箇所は、該カメラアセンブリによって生成された該画像中には目で見えず、したがって、設置時には、該カメラアセンブリによって生成された該画像の分析からは直接判断することはできない。
【0164】
必要に応じて、該イメージングシステムは、ある期間にわたって、該熱画像から識別した物体に関する機械学習から、いくつかの関心のある箇所の該位置を識別し、この場合、該モニタしている領域の特定の領域における温度変化、および/または該モニタしている領域における人の活動(および/または熱的活動)は、該関心のある箇所の該位置に関する指標を与える。このような実施態様においては、該取付け高さ、該関心のある箇所の該位置等の構成パラメータの該調整、計算および/または該識別用のユーザインタフェースを設けることは必ずしも必要ではない。例えば、該ユーザは、該サーマルカメラアセンブリ(101)を取付けてから立ち去ってもよく、そして、該イメージングシステムは、基準物体の高さを捉えて、その後、考えられる高さ範囲を統計学的に概算する。このような該イメージングシステムのユーザとの対話は、任意のものであり、また、該システムは、さまざまな位置および設定で設置された大量のカメラアセンブリの結果による、物体認知に関する統計学的分析および/または「機械学習」に基づいて、背景における該調整を実行する。該カメラアセンブリおよび/または参照テーブルによって観察する際の物体および/または環境の統計的結果は、該カメラアセンブリによって記録された画像から認識する際に、該取付け高さおよび関心のある箇所を自動的に計算するように、該イメージングシステムをトレーニングするのに用いることができる。
【0165】
場合により、ユーザ入力は、既知の背景(例えば、ユーザは、関心のある箇所へ行くように指示される)と、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって観察された該物体の該熱画像(例えば、該ユーザ(131)の熱画像(133)の該位置)との相関関係によって、該イメージングシステムに与えられる。また、ユーザ入力は、ユーザインタフェースのボタンを押すことにより、該モバイル装置(117)に実装されているユーザインタフェースに音声コマンドを与えることにより、または、該モバイル装置(117)を用いてジェスチャー入力を与えることにより、該モバイル装置(117)を介して与えることもできる。また、これらの入力は、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって検出可能な熱的ジェスチャーを介して、例えば、該物体を移動させた後、該物体を、少なくとも所定期間、静止させたままにすることによって実行することもできる。
【0166】
該関心のある箇所の実例は、該カメラアセンブリが設置されている部屋の角、該部屋のドア、該部屋の窓、該部屋に配設された家具、該部屋内の通路、および該部屋内の活動領域を含む。
【0167】
該熱画像システムが、該カメラアセンブリ(101)によって生成された画像の画像座標系と、該カメラアセンブリ(101)によってモニタされた該領域の現実の座標系とを対応付けるような構成パラメータのセットで調整または構成された後、該熱画像システムは、有益なサービスを提供することができる。
【0168】
例えば、該サーマルイメージングシステムは、該カメラによって生成された該画像中で測定される該物体のサイズおよび方向性と、該構成パラメータのセットとに基づいて、該カメラによって生成された該画像中に見える物体のサイズおよび方向性を識別する。
【0169】
例えば、該サーマルイメージングシステムは、該構成パラメータのセットが、該画像座標系内での該領域内に、関心のある箇所(例えば、該カメラアセンブリによって生成されたが、そのような画像中には見えない該画像中の位置を有する、関心のある箇所)をさらに識別した場合、該領域内の該関心のある箇所を参照して、該カメラアセンブリの出力装置を介して与えられるモニタリングアラートを生成する。
【0170】
場合により、該熱画像システムは、統計学的分析および/または機械学習によって、該構成パラメータのセットを改善することができる。例えば、該モニタしている領域の床面(127)の上の該カメラアセンブリ(101)の該取付け高さ(123)の精度は、ある期間にわたって、該サーマルカメラアセンブリ(101)によって観察された人々の熱画像の高さに関する統計的分布と、既知の分布とのマッチングに基づいて改善することができる。
【0171】
該モバイル装置(117)、該サーバーシステム(113)および該サーマルカメラアセンブリ(101)の各々は、多少の構成要素を有する、
図20に示す一つ以上のデータ処理システムの形態で、少なくとも部分的に実施することができる。
【0172】
本開示は、上述した該方法と、方法を実行するように構成されたコンピューティング装置と、該コンピューティング装置上で実行した場合に、該コンピューティング装置に該方法を実行させる命令を格納しているコンピュータ記憶媒体とを含む。
【0173】
図20は、本出願の実施形態のいくつかの構成要素を実施するのに用いることができるデータ処理システムを示す。
図20は、コンピュータシステムのさまざまな構成要素を示しているが、それらの構成要素を相互に接続する任意の特定のアーキテクチャまたは方法を表すことを意図するものではない。
図20に示すものよりも少ないかまたは多い構成要素を有する他のシステムも利用することができる。
【0174】
図20において、該データ処理システム(200)は、マイクロプロセッサ(203)と記憶装置(211)を相互接続する相互接続部(201)(例えば、バスおよびシステムコアロジック)を含む。該マイクロプロセッサ(203)は、
図20の該実施例においては、キャッシュメモリ(209)に結合されている。
【0175】
図20において、該相互接続部(201)は、該マイクロプロセッサ(203)と該記憶装置(211)を相互接続し、また、I/Oコントローラ(207)を介して、入力/出力(I/O)装置(205)とも相互接続している。I/O装置(205)は、ディスプレイ装置および/または周辺機器、例えば、マウス、キーボード、モデム、ネットワークインタフェース、プリンタ、スキャナ、ビデオカメラ、および当技術分野において公知の他の装置を含んでもよい。該データ処理システムがサーバーシステムである場合、プリンタ、スキャナ、マウスおよび/またはキーボード等の該I/O装置(205)のうちのいくつかは、任意のものである。
【0176】
該相互接続部(201)は、さまざまなブリッジ、コントローラおよび/またはアダプタを介して互いに接続された一つ以上のバスを含む。例えば、該I/Oコントローラ(207)は、USB周辺機器を制御するUSB(ユニバーサルシリアルバス)アダプタ、および/またはIEEE−1394の周辺機器を制御するIEEE−1394のバスアダプタを含む。
【0177】
該記憶装置(211)は、ROM(読み出し専用メモリ)、揮発性RAM(ランダムアクセスメモリ)、およびハードドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリのうちの一つ以上を含む。
【0178】
揮発性RAMは、該メモリ内のデータをリフレッシュまたは維持するために、典型的には、電力を持続的に必要とするダイナミックRAM(DRAM)として実装される。不揮発性メモリは、典型的には、磁気ハードドライブ、磁気光学ドライブ、光学ドライブ(例えば、DVD RAM)、または、電源が該システムから除去された後でも、データを維持する他の種類のメモリシステムである。該不揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリであってもよい。
【0179】
該不揮発性メモリは、該データ処理システム内の該構成要素の残りの部分に直接結合されたローカルデバイスとすることができる。該システムから遠隔にある不揮発性メモリ、例えば、モデムまたはイーサネットインタフェース等のネットワークインタフェースを介して該データ処理システムに結合されたネットワークストレージデバイスも利用することができる。
【0180】
この説明において、いくつかの機能および動作は、説明を簡単にするために、ソフトウェアコードによって実行され、または引き起こされるものとして記載されている。しかし、このような表現は、該機能が、プロセッサ、例えば、マイクロプロセッサによる該コード/命令の実行によって生じることを指定するのにも用いられる。
【0181】
別法として、または、併用して、本願明細書に記載されているような該機能および動作は、ソフトウェア命令の有無に関わらず、専用回路を用いて、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を用いて実施することができる。実施形態は、ソフトウェア命令を伴わないハードワイヤード回路を用いて、または、ソフトウェア命令と組合せて実施することができる。したがって、本技術は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組合せ、または、該データ処理システムによって実行される該命令のための任意の特定のソースのいずれにも限定されない。
【0182】
一つの実施形態は、十分に機能するコンピュータおよびコンピュータシステムで実施することができるが、さまざまな実施形態が、さまざまな形態のコンピュータプロダクトとして配置されることが可能であり、および該配置を実際に実施するのに用いられる特定の種類のマシンまたはコンピュータ可読媒体に無関係に適用されることが可能である。
【0183】
開示されている少なくともいくつかの態様は、少なくとも部分的にソフトウェアで具体化することができる。すなわち、本技術は、ROM、揮発性RAM、不揮発性メモリ、キャッシュまたはリモートストレージデバイス等の記憶装置に含まれる命令のシーケンスを実行する、マイクロプロセッサ等のそのプロセッサに応じたコンピュータシステムまたは他のデータ処理システムで実行することができる。
【0184】
該実施形態を実施するように実行されるルーチンは、オペレーティングシステムまたは特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または、「コンピュータプログラム」と呼ばれる命令のシーケンスの一部として実施することができる。該コンピュータプログラムは、典型的には、コンピュータ内のさまざまな記憶装置およびストレージデバイスにさまざまなときに設定され、およびコンピュータ内の一つ以上のプロセッサによって読み出されて実行される場合に、該コンピュータに、さまざまな態様を含む要素を実行するのに必要な動作を実行させる一つ以上の命令を含む。
【0185】
機械可読媒体は、データ処理システムによって実行される際に、該システムにさまざまな方法を実行させるソフトウェアおよびデータを格納するのに用いることができる。該実行可能なソフトウェアおよびデータは、例えば、ROM、揮発性RAM、不揮発性メモリおよび/またはキャッシュを含むさまざまな場所に格納することができる。このソフトウェアおよび/またはデータの一部は、これらのストレージデバイスのうちのいずれか一つに格納してもよい。さらに、該データおよび命令は、集中型サーバーまたはピアツーピアネットワークから取得することができる。該データおよび命令の異なる部分は、異なる時間に、および異なる通信セッションで、または、同じ通信セッションで、異なる集中型サーバーおよび/またはピアツーピアネットワークから取得することができる。該データおよび命令は、該アプリケーションの実行の前に完全に取得することができる。別法として、該データおよび命令の一部は、実行が必要なときに間に合うように、動的に取得することができる。したがって、該データおよび命令が、特定の時間のインスタンスに完全に機械可読媒体上にあることは必要ない。
【0186】
コンピュータ可読媒体の実例は、限定するものではないが、特に、記録可能および記録可能ではないタイプの媒体、例えば、揮発性および不揮発性のメモリ装置、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ装置、フロッピーおよび他のリムーバブルディスク、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD ROM)、ディジタル多用途ディスク(DVD)等)を含む。該コンピュータ可読媒体は、該命令を格納することができる。
【0187】
また、該命令は、電気的、光学的、音響または他の形態の伝播信号、例えば、搬送波、赤外線信号、ディジタル信号等のためのディジタルおよびアナログ通信リンク中に具体化してもよい。しかし、搬送波、赤外線信号、ディジタル信号等の伝播信号は、実態のない機械可読媒体であり、および命令を格納するように構成されていない。
【0188】
一般に、機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、パーソナルディジタルアシスタント、製造ツール、一つ以上のプロセッサのセットを有する何らかのデバイス等)によってアクセス可能な形態で情報を生成(すなわち、格納および/または送信)する何らかの機構を含む。
【0189】
さまざまな実施形態において、ハードワイヤード回路は、本技術を実施するためのソフトウェア命令とともに用いることができる。したがって、本技術は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組合せ、または、該データ処理システムによって実行される該命令のための任意の特定のソースのいずれにも限定されない。
【0190】
(その他の態様)
上記説明および図面は、例示的なものであり、限定的に解釈すべきではない。本開示は、当業者が該技術を実行および利用することを可能にするための、発明に関する特徴の例証である。本願明細書に記載されているさまざまな特徴は、プライバシー、セキュリティ、許可、同意、承諾およびその他に関連する現在および将来のすべての規則、法律および規制に従って利用すべきである。多くの具体的な詳細は、十分な理解をもたらすように記載されている。しかし、場合により、該説明を曖昧にするのを避けるために、周知のまたは従来の詳細は記載されていない。本開示における一つのまたはある実施形態に関する言及は、必ずしも同じ実施形態に関する言及である必要はなく、このような言及は、少なくとも一つを意味するものとする。
【0191】
本願明細書における項目名の使用は、参照を容易にするために記載されているのにすぎず、決してこの開示および以下のクレームを限定するものと解釈すべきではない。
【0192】
「一つの実施形態」または「ある実施形態」に関する言及は、該実施形態に関連して記載されている具体的な特徴、構造または特徴が、本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれていることを意味する。本明細書におけるさまざまな場所での「一つの実施態様において」という言い回しの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に関する言及ではなく、すべてが、他の実施形態を互いに排除した、独立したまたは代替的な実施形態に関する言及である必要はない。さらに、他の実施形態によってではなく、一つの実施態様によって呈示することのできるさまざまな特徴が記載されている。同様に、他の実施形態のではなく、一つの実施態様の要件とすることができるさまざまな要件が記載されている。明確な記載および/または明らかな矛盾によって除外されていない限り、この説明に記載されているさまざまな特徴のいかなる組合せも、ここでは含まれるものとする。例えば、「一つの実施態様において」または「いくつかの実施形態において」関連して上述した該特徴は、該説明から明らかな特定の特徴の他の特徴に対する依存性が、該実施態様から選択された特徴を除外するという選択肢を限定する可能性がある場合、および該説明から明らかな特定の特徴と他の特徴との矛盾が、該実施態様において一緒に選択された特徴を含むという該選択肢を限定する可能性がある場合を除いて、必要に応じて、すべて一つの実施態様に含めることができる。
【0193】
上記の明細書においては、本開示を、本開示の具体的で例示的な実施形態に関連して説明してきた。それらに関するさまざまな変更を、以下のクレームに記載されている広範な趣旨および範囲から逸脱することなく実行できることは明らかであろう。したがって、該明細書および図面は、限定的意味ではなく、例示的意味で考えるべきである。