特許第6961124号(P6961124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961124
(24)【登録日】2021年10月14日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】多層型メイクアップ保護化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20211025BHJP
   A61K 8/03 20060101ALI20211025BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20211025BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   A61K8/891
   A61K8/03
   A61K8/02
   A61Q17/00
   A61Q1/00
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2021-502217(P2021-502217)
(86)(22)【出願日】2020年2月21日
(86)【国際出願番号】JP2020007192
(87)【国際公開番号】WO2020175398
(87)【国際公開日】20200903
【審査請求日】2021年3月5日
(31)【優先権主張番号】特願2019-34450(P2019-34450)
(32)【優先日】2019年2月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 郁
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−264824(JP,A)
【文献】 特開平07−242528(JP,A)
【文献】 特開2018−008910(JP,A)
【文献】 特開2012−180316(JP,A)
【文献】 特開2011−213669(JP,A)
【文献】 特開平07−267843(JP,A)
【文献】 アヴァンセ シェイクミスト さっぱり(100mL),Amazon.co.jp,2019年01月21日,https://www.amazon.co.jp/dp/B07MZDB9DJ/ref=twister_B07PJQYR1W?_encoding=UTF8&psc=1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)〜(C);
(A)油溶性皮膜形成剤 0.05〜8質量%
(B)水 40〜95質量%
(C)揮発性油剤 1〜40質量%
を含有し、メイクアップの上に噴霧して使用する多層型メイクアップ保護化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)が、シリコーン系皮膜形成剤である、請求項1に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)が、トリメチルシロキシケイ酸を含有する、請求項1又は2に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
【請求項4】
乳化剤を0.25質量%以上含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
【請求項5】
さらに、シリコーンワックスを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
【請求項6】
噴射剤を使用しないスプレー容器用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、メイクアップ保護料、特に顔に噴霧して使用するメイクアップ保護化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
汗や、衣服とのこすれ等によって生じる化粧崩れを防ぎたいという要望は、メイクアップ化粧料に強く求められるものである。そのため、化粧料そのものの化粧もち効果を高める技術が、数多く開発されてきた。しかしながら、消費者の中には、自分の手持ちの化粧料でのメイクアップの化粧もちを向上させたい、また、普段のメイクアップの化粧もちを向上させたいなどという要望も強い。このような要望をかなえるために、化粧崩れを起こすことなく、メイクの化粧もちを高めるため、化粧を施した顔の上から塗布して使用することができる保護化粧料が求められ、これまでにも、化粧崩れを防ぐ目的でメイクアップをした上から直接塗布する化粧料(特許文献1)等が開発されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、アイメイクアップ化粧料の中でも、主にアイライナー、マスカラ、アイブロウなどの目の際、睫毛、眉毛に主に用いられる眉目化粧料に対して二次的な化粧を施すことによって、化粧持続性、二次付着性の格段の向上を実現する化粧崩れ防止用オーバーコート剤を提供する方法を提供することが開示されている。
また、特許文献2には、霧のやわらかさ、塗布後のしっとりさ、なじみのよさ、きしみのなさ、べたつきのなさに優れたミスト化粧料を提供することが開示されている。
また、特許文献3には、長期安定性に優れ、メーキャップを施した顔の上から塗布してもファンデーションのよれを生じず、かつ経時でのうるおい感の優れた皮膚化粧料を提供することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−320905号公報
【特許文献2】特開2014−237615号公報
【特許文献3】特開2002−138030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、従来、噴霧使用時に霧の細かさを実現させつつ、かつ、優れたメイクアップ保護効果を有するメイクアップ保護化粧料を提供することを課題として試みていないことに着目した(例えば特許文献1〜3参照)。そこで、先ず、本発明者は、後記〔実施例〕に示すように、噴霧使用時に霧の粒子が肌上で水滴になりにくい及び塗布後8時間後に化粧崩れがみられにくいかどうかの評価を行い、これら評価が良好なメイクアップ保護料を得ようとした。
【0006】
従って、本技術は、メイクアップの上から噴霧して使用するメイクアップ保護化粧料であり、噴霧使用時の霧の細かさに優れながらも、優れたメイクアップ保護効果を持つ、メイクアップ保護化粧料を提供することを主な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油溶性皮膜形成剤、特定量の水、揮発性油剤を組み合わせることにより、噴霧使用時での霧の細かさに優れながらも、優れたメイクアップ保護効果を持つ、多層型メイクアップ保護化粧料を提供できることを見出し、上記課題を解決しうる本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は以下のものである。
〔1〕
以下の成分(A)〜(C);
(A)油溶性皮膜形成剤
(B)水を40〜95質量%
(C)揮発性油剤
を含有し、メイクアップの上に噴霧して使用する多層型メイクアップ保護化粧料。
〔2〕
前記成分(A)が、シリコーン系皮膜形成剤である、前記〔1〕に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
〔3〕
前記成分(A)が、トリメチルシロキシケイ酸を含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
〔4〕
乳化剤を0.25%以上含まない、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
〔5〕
さらに、シリコーンワックスを含有する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
〔6〕
噴射剤を使用しないスプレー容器用である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の多層型メイクアップ保護化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本技術は、メイクアップの上から噴霧して使用するメイクアップ保護化粧料であり、噴霧使用時の霧の細かさに優れながらも、優れたメイクアップ保護効果を持つ、メイクアップ保護化粧料を提供することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。また、本明細書において「%」は特に断りのない限り質量%表示であり、「〜」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。また、各数値範囲の上限値と下限値は、所望により、任意に組み合わせることができる。
【0011】
<本技術の概要>
本発明者は、ユーザが、顔のメイクアップの上にメイクアップ保護料を噴霧して使用する際に、これを噴霧した後に、できるだけ長時間、化粧崩れがほとんど見られないことを望んでいることに着目した。また、本発明者は、噴霧使用時に霧が細かいことで、肌上で水滴にならずに、顔のメイクアップに均一に噴霧でき、メイクアップを保護しやすいことに着目した。
【0012】
そこで本技術は、メイクアップの上から噴霧して使用するメイクアップ保護化粧料であり、噴霧使用時の霧の細かさに優れながらも、優れたメイクアップ保護効果を持つ、メイクアップ保護化粧料を提供することを第一の目的とするものである。
【0013】
さらに、本技術は、優れたメイクアップ保護効果を持ちながらも、負担感のなさ、ベタつきのなさ、噴霧使用時の霧の細かさに優れる、メイクアップの上から噴霧して使用する多層型メイクアップ保護化粧料を提供することを第二の目的とするものである。
【0014】
本技術は、次の成分(A)〜(C);(A)油溶性皮膜形成剤、(B)水を40〜95質量%、(C)揮発性油剤を含有することで、メイクアップの上から噴霧して使用したときに、噴霧使用時の霧の細かさに優れながらも、優れたメイクアップ保護効果を持つ、メイクアップ保護化粧料を提供するという本技術における第一の目的を達成することができる。
【0015】
さらに、本技術は、前記成分(A)が、シリコーン系皮膜形成剤であることが、噴霧使用時の霧の細かさや持続性の高いメイクアップ保護効果の観点から、好ましい。また、前記成分(A)が、トリメチルシロキシケイ酸を含有することが、噴霧使用時の霧の細かさや持続性の高いメイクアップ保護効果の観点から、より好ましい。
【0016】
また、本技術は、前記多層型メイクアップ化粧料が、噴射剤を使用しないスプレー容器用であることが、顔に噴霧するという使用性から、噴射剤を使用するエアゾール形態よりも、好ましい。
【0017】
また、本技術は、本技術の多層型メイクアップ保護化粧料が、さらに成分(D)としてシリコーンワックスを含有することが、優れたメイクアップ保護効果や噴霧使用時の霧の細かさの観点、負担感のなさやベタつきのなさの観点から、好ましい。さらに、本技術の化粧料中に、成分()水を50〜95質量%含有させることが、負担感のなさやベタつきのなさの観点から、より好ましい。
【0018】
このように、本技術は前記成分(A)〜(D)を含むことで、優れたメイクアップ保護効果を持ちながらも、負担感のなさ、ベタつきがなく、噴霧使用時の霧の細かさに優れる、メイクアップの上から噴霧して使用する多層型メイクアップ保護化粧料を提供するという本技術の第二の目的を達成することができる。
【0019】
<成分(A)油溶性皮膜形成剤>
本技術に用いられる成分(A)油溶性皮膜形成剤は、揮発性油等の油剤に可溶で、皮膜を形成するものであり、通常の化粧料に使用できるものであれば、いずれのものも使用できる。
成分(A)油溶性皮膜形成剤として、特に限定されないが、例えば、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、アクリル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン系樹脂;ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル等のロジン酸系樹脂;キャンデリラ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリブテン、ポリイソブチレン;などの油溶性樹脂が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。これにより、噴霧使用時の霧の細かさ及び/又は優れたメイクアップ保護効果を得ることができる。
【0020】
前記油溶性皮膜形成剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、KF7312J(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、KF−9021(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、BY11−018(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン、東レ・ダウコーニング社製)、KP541(固形分60%、溶媒:イソプロパノール、信越化学工業社製)、SR−1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、KP545(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、KP575(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、XS66−B8226(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、オパノールB−100(BASF社製)、ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)等が挙げられる。これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
成分(A)油溶性皮膜形成剤の中でも、シリコーン系樹脂が、汗や皮脂に強くべたつきのない膜をより良好に形成できる観点から、好適に用いられ、このうち、フッ素変性シリコーン及び/又はトリメチルシロキシケイ酸が好適であり、このうち、さらにトリメチルシロキシケイ酸が好適である。
【0022】
本技術における成分(A)油溶性皮膜形成剤の含有量は、本技術の化粧料中、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.5%以上、よりさらに好ましくは1%以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは4%以下、よりさらに好ましくは3%以下である。これにより、噴霧使用時の霧の細かさ及び/又は優れたメイクアップ保護効果を得ることができる。
さらに、当該成分(A)の好適な数値範囲として、本技術の化粧料中、0.1〜5%が好ましく、1〜3%がより好ましい。この範囲にすることにより、十分なメイクアップ保護効果がありながらも、より負担感のない良好な使用感を有するメイクアップ保護化粧料を得ることができる。
【0023】
なお、シリコーン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、成分(A)油溶性皮膜形成剤の含有量中、その好適な下限値として、50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、より好ましくは実質100%である。
また、シリコーン系樹脂の含有量は、本技術の化粧料中、特に限定されないが、0.1〜5%が好ましく、1〜3%がより好ましい。
【0024】
また、トリメチルシロキシケイ酸の含有量は、特に限定されないが、シリコーン系樹脂の含有量中、その好適な下限値として、50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上である。
また、トリメチルシロキシケイ酸の含有量は、本技術の化粧料中、0.1〜5%が好ましく、1〜3%がより好ましい。
【0025】
<成分(B)水>
本技術には、成分(B)として水を含有する。水は精製水のほか、イオン交換水、海水や海洋深層水、植物の水蒸気蒸留水も用いることができる。
【0026】
本技術における成分(B)水の含有量は、特に限定されないが、本技術の化粧料中、その好適な下限値として、40%以上、より好ましくは46%以上、さらに好ましくは50%以上、よりさらに好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、より好ましくは67%以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下、よりさらに好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下、より好ましくは76%以下である。これにより、噴霧使用時の霧の細かさ及び/又は優れたメイクアップ保護効果を得ることができる。
【0027】
さらに、当該成分(B)水の好適な数値範囲として、本技術の化粧料中、好ましくは50〜95%であるが、60〜90%がより好ましく、65〜80%がさらに好ましい。この範囲にすることにより、乾きがより早く、よりべたつきがないという良好な使用感のメイクアップ保護化粧料を得ることができる。
【0028】
<成分(C)の揮発性油剤>
本技術に使用される成分(C)の揮発性油剤とは、20℃、常圧において液状であり揮発性を有するものであれば特に限定されず、粘度、起源を問わない。
成分(C)の揮発性油剤は、成分(A)油溶性皮膜形成剤を溶解するとともに、化粧料中に安定に含有させることができる。
成分(C)の揮発性油剤として、特に限定されないが、例えば、シリコーン系油、炭化水素系油、エステル系油等のいずれのものも使用することができ、これらからなる1種又は2種以上用いることができる。
より具体的には、例えば、低分子量メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルトリメチコン、デカメチルテトラシロキサン、エチルトリシロキサンなどのシリコーン系油;軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカンなどの炭化水素系油などが挙げられるがこれらに限定されない。これらからなる1種又は2種以上用いることができる。
【0029】
成分(C)の揮発性油剤の市販品としては、軽質流動イソパラフィンとしてはアイソパーH(エッソ化学社製)、イソドデカン(バイエル社製)、イソヘキサデカン(ユニケマ社製)、IPソルベント1620MU、IPソルベント2028MU、IPソルベント2835(以上、出光興産社製)、デカメチルシクロペンタシロキサンとしてはTSF405(東芝シリコーン社製)、SH245、DC345(東レ・ダウコーニング社製)、KF−995(信越化学工業社製)、メチルトリメチコンとしては、シリコーン TMF−1.5(信越化学工業社製)、低分子量メチルポリシロキサンとしてはKF−96L−2CS(信越化学工業社製)、デカメチルテトラシロキサンとしてはKF−96L−1.5CS(信越化学工業社製)、エチルトリシロキサンとしてはSILSOFT ETS(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。これらからなる1種又は2種以上用いることができる。
【0030】
成分(C)揮発性油剤の中でも、べたつきのなさの観点から、揮発性シリコーン油が好ましく、より具体的には、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、揮発性ジメチルポリシロキサン(好適には、25℃での動粘度が2mm/s以下のジメチルポリシロキサン)などから選択される1種又は2種以上が好ましい。なお、本明細書における動粘度(mm/s)は、以下に示したB型粘度計及びその測定条件にて測定できる。動粘度(mm/s)は、粘度(mPa・s)/密度(g/cm)にて算出できる。
【0031】
本技術における成分(C)揮発性油剤の含有量は、特に限定されないが、本技術の化粧料中、その好適な下限値として、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは4%以上、よりさらに好ましくは5%以上であり、その好適な上限値として、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは30%以下、よりさらに好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。これにより、噴霧使用時の霧の細かさ及び/又は優れたメイクアップ保護効果を得ることができる。
当該成分(C)揮発性油剤の好適な数値範囲として、本技術の化粧料中、5〜40%が好ましく、5〜20%がより好ましい。この範囲にすることにより、乾きがより早く、よりベタつきのないという良好な使用感の多層型メイクアップ保護化粧料を得ることができる。
【0032】
<その他の成分>
本技術の多層型メイクアップ保護化粧料は、実質的に乳化剤を含有しないものであると、噴霧時の霧の細かさの観点及び界面が明瞭な観点において、好ましい。また、化粧持ちの観点から、乳化剤量は少量が好ましい。ここで実質的に乳化剤を含有しないとは、乳化剤の含有量が、本技術の化粧料中、0.25%未満、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.05%未満であり、最も好ましくは含有しないものである。言い換えると、本技術の多層型メイクアップ化粧料は、乳化剤を0.25%以上、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.05%以上含まないことが、乳化剤フリーや乳化剤低減の観点からも、好ましい。
【0033】
本技術の多層型メイクアップ保護化粧料は、通常化粧料に使用できるワックスを含有してもよく、当該ワックスは合成及び天然起源などのいずれでもよく、市販品を使用することができる。ワックスとして、25〜60℃に融点を持つものが、好ましい。前記ワックスの含有量は、特に限定されないが、本技術の化粧料中、0.1〜5%が好ましく、0.1〜3%がより好ましい。
前記ワックスとして、特に限定されないが、例えば、炭化水素系ワックス、シリコーンワックス、天然ロウなどから選択される1種又は2種以上を使用できる。さらに、このうち、シリコーンワックスが好ましい。
【0034】
本技術の多層型メイクアップ保護化粧料は、シリコーンワックスを、さらに含有することが好ましい。
本技術に用いられる「シリコーンワックス」は、シロキサン結合を分子中に有するワックスであることが好適であり、通常化粧料に使用できるものであれば、水溶性でも油溶性いずれのものも使用できる。
【0035】
本技術に用いられるシリコーンワックスは、特に限定されないが、例えば、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アクリル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等が挙げられ、必要に応じて、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
前記シリコーンワックスの市販品としては、特に限定されないが、例えば、ステアリルジメチコン、アルキル(C26−28)ジメチコン、ステアロキシジメチコン、ベヘノキシジメチコン、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ベヘニル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらからなる1種又は2種以上用いることができる。
【0036】
前記シリコーンワックスの中でも、より負担感がなく、よりべたつきがない良好な使用感が得られる点で25〜55℃に融点を持つものが好ましく、25〜40℃のものがより好ましく、さらに好ましくは25〜35℃のものである。なお、融点は医薬部外品原料規格記載の第3法により測定することができる。
【0037】
前記シリコーンワックスの市販品としては、特に限定されないが、例えば、2503 Cosmetic Wax、2501 Cosmetic Wax、(東レ・ダウコーニング社製)、SDM 5055 VP、CDM 3526 VP(旭化成ワッカーシリコーン社製)、KP−561P、KP−562P、KF−7002(信越化学工業社製)、ABIL Wax2324、2440、9800(EVONIK社製)等が挙げられる。これらからなる1種又は2種以上用いることができる。
前記シリコーンワックスは、成分(A)油溶性皮膜形成剤の膜に柔軟性を与えることができるほかに、化粧料が肌に与える負担感を軽減することができる。
【0038】
前記シリコーンワックスの中でも、アクリル変性オルガノポリシロキサンが好ましく、このうちアクリルポリマーとジメチルポリシロキサンからなるグラフト共重合体が、好ましい。
前記シリコーンワックスの中でも、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーを用いると、よりべたつきのない良好な使用感が実現できる観点において、好ましい。
【0039】
本技術に用いられるシリコーンワックスの含有量は、本技術の化粧料中、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.1%以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、よりさらに好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。これにより、噴霧使用時の霧の細かさ及び/又は優れたメイクアップ保護効果を得ることができ、さらに負担感のなさ及び/又はベタつきのなさという優れた使用性を得ることができる。
さらに、当該シリコーンワックスの好適な数値範囲として、本技術の化粧料中、0.1〜5%が好ましく、0.1〜3%がより好ましい。この範囲にすることにより、負担感のなさに優れ、ベタつきのなさに優れたメイクアップ保護化粧料を得ることができる。
【0040】
ここで、特許文献1の技術のように、指などを用いて直接肌上に塗布する方法では、化粧膜を引きずる力が働いてしまうため化粧膜のヨレや剥がれが起きてしまうことがあった。
例えばスプレーノズル付き容器を用いるミスト化粧料は肌に直接触れることなく霧状に吐出・塗布することが可能であるため、化粧膜に影響を与えることなく塗布できる点で有効な形態である。例えば、ミスト化粧料に用いられる化粧もち成分としては、水溶性高分子を用いる方法(特許文献2)が知られている。
【0041】
しかし、植物由来などの水溶性高分子を用いると、ベタつきのなさや霧の細かさ、化粧もちが十分ではない傾向がある。また、水溶性皮膜形成剤によって化粧もちを高める方法(特許文献3)等も検討されてきた。しかし、水溶性皮膜形成剤を用いると特有のベタつきや乾きの遅さ、膜の硬さによる負担感が生じること、撥水性が十分でないため汗等に弱いことがあった。
【0042】
従って、メイクアップに影響を与えることなく塗布することができ、優れた化粧もち効果を持ちながらも、負担感のなさやベタつきのなさなどの使用感に優れる化粧料を提供することを本技術における第二の目的とする。
【0043】
本技術の第二の目的は、上記(A)〜(C)に、さらに前記シリコーンワックスを含有させる、本技術の第二の実施形態に係る多層型メイクアップ化粧料にすることで、達成することができる。また、本技術の第二の実施形態は、前記シリコーンワックスを含有させても、乳化剤を実質的に含ませない場合であっても、また、噴射剤を使用せずに、スプレーノズル付き容器用としても使用しても、当該第二の目的を達成することができる。
【0044】
本発明の多層型メイクアップ保護化粧料には、上記(A)〜(C)や上記成分の他に、通常の化粧料に使用する成分を、本発明の効果を損なわない範囲であれば必要に応じて含有することができる。例えば、ワックス、界面活性剤(乳化剤)、油性成分、水性成分、粉体、保湿剤、増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料、薬効成分等を挙げることができる。これらから選択される1種又は2種以上を使用することができる。
【0045】
ワックスとして、上述したシリコーンワックス以外に、例えば、(エチレン/プロピレン)コポリマー、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、オゾケライトワックス、パラフィンワックス、セレシンワックスなどの炭化水素系ワックス;カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラなどの天然ロウ類などが挙げられが、これに限定されない。シリコーンワックスなどこれらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
【0046】
水溶性高分子としては、特に限定されないが、例えば、グアーガム、スクレロチウムガム、ジェランガム、ペクチン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)共重合体、(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー等が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
【0047】
水性成分としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類;ソルビトール、マルチトール、グルコースなどの糖アルコール類;エタノール、1,3−ブチレングリコール等の低級アルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。また、水性成分は、溶剤としても機能しうる。この中でも、低級アルコール(好適には炭素数1〜3)が好ましい。
本技術の化粧料では、特にエタノールを含有させることで、噴霧使用時に清涼感が得られるほかに、乾きの早さをより向上させ、よりべたつきのない良好な使用感を得ることができる。
その場合は、前記エタノールを含む低級アルコールの含有量は、本技術の化粧料中、その好適な下限値として、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましく、また、その好適な上限値として、15%以下が好ましく、13%以下がより好ましい。
また、前記エタノールの含有量は、本技術の化粧料中、その好適な下限値として、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましく、また、その好適な上限値として、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
【0048】
油性成分としては、化粧品に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、例えば、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、不揮発性シリコーン油類等が挙げられる。より具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の不揮発性シリコーン油類、精油、香料等が挙げられる。これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
本技術において、不揮発性シリコーン油類(好適には、不揮発性ジメチルポリシロキサン及び/又は不揮発性メチルフェニルポリシロキサンなど)を含有することが、霧の細かさがより良好である観点から、好ましい。不揮発性ジメチルポリシロキサンが、シリコーン系皮膜形成剤を用いる場合には、相溶性の観点やべたつきのなさがより良好である観点から、好ましい。不揮発性シリコーン油類の25℃での動粘度が、霧の細かさがより良好である観点から、好ましくは6mm/s以上、より好ましくは6〜20mm/s、さらに好ましくは6〜10mm/sであり、また使用後のノズル詰まりを防ぐことができる観点からも好ましい。また、不揮発性シリコーン油類の好適な含有量は、本技術の化粧料中、好適は1〜20質量%、より好適には3〜15質量%、さらに好適には3〜10質量%である。
【0049】
粉体としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、コンジョウ、群青、酸化鉄、カーボンブラック、雲母、合成金雲母、セリサイト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、窒化ホウ素等の無機粉体類や、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコーン樹脂粉体、セルロース及びその誘導体、ウレタン、シルク末、結晶セルロース、N−アシルリジン等、赤色201号、赤色202号、赤色228号、橙色203号、青色404号、黄色401号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、紫401号、紫201号等の有機タール系顔料やこれらのレーキ顔料等の色素粉体類や、雲母チタン、酸化チタン被覆雲母チタン、酸化亜鉛被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、カルミン被覆雲母チタン等の複合粉体類や、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末等の積層フィルム末類、アルミニウム末、金、銀等の金属末等が挙げられる。これらの粉体をフッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、アミノ酸、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあってもよい。これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。当該粉体を含むことで、メイクアップ保護化粧料の多層型を、本技術の効果を損なわない範囲で、3層以上にすることも可能である。
粉体の含有量は、本技術の化粧料中、特に限定されないが、その好適な下限値として、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上であり、またその好適な上限値として、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。
【0050】
酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロール、アスコルビン酸等;美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等;防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、アルカンジオール、クロルフェネシン等が挙げられるが、これらに限定されず、これらより1種又は2種以上用いることができる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、又はこれらの塩、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等;清涼剤としてはL−メントール、カンファー等が挙げられるが、これらに限定されず、これらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0051】
<本技術の多層型メイクアップ保護化粧料及びその製造方法>
本技術の多層型メイクアップ保護化粧料の製造方法は、特に限定されず、通常公知の方法で製造可能であり、例えば成分(A)〜(C)及びその他の成分を、容器(例えば、ディスペンサー付き容器、スプレーノズル付き容器、スプレー用容器、フィンガースプレー用容器、蓄圧式噴霧用容器、ミスト噴霧用容器など)に充填し、得ることができる。本技術に用いる成分を混合した後に充填してもよい。また、本技術に用いる成分を、水層用容器、油層用容器や粉体用容器など複数の容器に充填し、二液型や三液型など多液型製品(キット)としてもよい。多液型製品の場合、使用時にユーザが水層成分や油層成分、粉体成分などを所望の割合で混合した後に、噴霧することもできる。
【0052】
本技術の多層型メイクアップ保護化粧料は、ファンデーション等のベースメイクや、アイシャドウ、チーク等のメイクアップを施した顔面に噴霧して使用するものが好適であり、スプレーノズル付き容器などを用いたり、エアゾール形態にして用いることができる。スプレーノズルの噴霧する口径(直径)が概ねφ0.1〜0.6mm(好適にはφ0.2〜0.5mm)の噴霧用容器を使用してもよく、噴霧評価の際にφ0.3mmの口径を用いることができる。噴霧して使用することから、液状化粧料であることが好ましい。
【0053】
本技術のメイクアップ保護化粧料は、後記〔実施例〕に示すように、上に油層、下が水層を含む少なくとも2層以上の多層型であり、粉体などを含むことで3層以上にすることもできる。そして、本技術の多層型メイクアップ保護化粧料は、噴霧使用直前に混合することで、良好に分散でき、一定期間、この分散状態を維持することができる一方で、一定期間放置すると多層型に戻る。
【0054】
このように、本技術の多層型メイクアップ保護化粧料は、混合後一定期間、良好な分散状態にあるため、霧のような細かい粒子を噴霧できる。さらに、本技術は、成分(B)水及び成分(C)揮発性油剤を含む多層型の形態であっても、噴霧性や皮膜形成性に優れている。これは、油溶性皮膜形成剤を配合し、前記成分(A)〜(C)の組み合わせにしたことに起因する。さらに、本技術は、乳化剤を配合しなくとも噴霧粒子が細かいので、乳化剤フリーや乳化剤低減のメイクアップ保護化粧料としても提供できる。
【0055】
しかも、本技術は、前記成分(A)〜(C)を組み合わせたことで、高い耐水性及び耐皮脂性を有する皮膜を、施されたメイクアップ上に形成でき、持続性に優れたメイクアップ保護効果を有する。さらに、本技術は、霧のような細かい粒子で全顔に噴霧でき、高い耐水性及び撥水性を有する皮膜を全顔に形成できる。また、本技術は成分(D)シリコーンワックスをさらに含有させてもよい。
【0056】
このようなことから、本技術に関する保護化粧料は、花粉やPM2.5、黄砂などのような大気汚染の粒子に対して優れたバリア効果を有する皮膜を形成できる。このため、本技術に関する保護化粧料は、大気汚染ブロック用、花粉対策用やPM2.5対策用などとしても、メイクアップを施した顔に対して使用することができる。本技術は、本技術に関する保護化粧料を噴霧したメイクアップの表面には様々な粒子が付着しにくくなるという利点を有する。
【0057】
また、本技術の化粧料の粘度(mPa・s)は、25℃において、B型粘度計、ローター2号、6rpm、1分間平均値測定で1500mPa・s以下であることが好ましく、さらには1000mPa・s以下であると霧の細かさに優れるため、より好ましい。
【実施例】
【0058】
次に試験例や実施例などを挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0059】
試験例1〜27:多層型メイクアップ保護化粧料
表1〜4に示す組成の多層型メイクアップ保護料を下記の製造方法により調製し、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表中に示した。
【0060】
【表1】

【0061】
*1:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
*2:KP−561P(融点:25〜35℃、信越化学工業社製)
*3:DC2503(融点32℃、東レ・ダウコーニング社製)
*4:2501 Cosmetic Wax(融点30℃、東レ・ダウコーニング社製)
【0062】
(製造方法)
(A)油層:(1)〜(19)を均一に加熱混合する。
(B)水層:(20)〜(24)を均一に混合する。
(C)スプレーノズル付き容器に、(B)の水層、(A)の油層の順に充填し、多層型メイクアップ保護料を得た。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】

【0066】
(評価方法)
化粧品評価専門パネル10名が、試験例の各多層型メイクアップ保護料をファンデーションとアイメイクのメイクアップを施した全顔に本品を5回噴霧し、「イ.霧の細かさ」、「ロ.メイクアップ保護効果」、「ハ.ベタツキのなさ」、「ニ.負担感のなさ」について、下記の評価基準に従って5段階評価を行い、評点を付けた。イ〜ハの項目については、使用中及び直後に、「ロ.メイクアップ保護効果」については、使用後通常の生活を送ってもらい8時間後にメイクアップの化粧もちについて評価を行った。その後、全パネルの評点の平均点を算出し、下記の判定基準に従って判定した。
【0067】
[評価基準]
イ.霧の細かさ
[評点]:[評価結果]
4点 :非常に霧の粒子が細かい。
3点 :適度に霧の粒子が細かい。
2点 :やや霧の粒子が大きい。
1点 :霧の粒子が大きく肌上で水滴になる。
0点 :霧状に吐出しない。

ロ.メイクアップ保護効果
[評点]:[評価結果]
4点 :塗布後8時間後に全く化粧の崩れがみられない。
3点 :塗布後8時間後にほとんど化粧崩れがみられない。
2点 :塗布後8時間後にやや化粧崩れがみられる。
1点 :塗布後8時間後に化粧崩れがみられる。
0点 :塗布後8時間後に非常に化粧崩れがみられる。

ハ.べたつきのなさ
[評点]:[評価結果]
4点 :全くべたつきがない。
3点 :ほぼべたつきがない。
2点 :どちらでもない。
1点 :ややべたつきがある。
0点 :非常にべたつきがある。

ニ.負担感のなさ
[評点]:[評価結果]
4点 :全く負担感がない。
3点 :負担感がない。
2点 :どちらでもない。
1点 :やや負担感がある。
0点 :非常に負担感がある。

[判定基準]
[評点の平均点] :[判 定]
3.5以上 : ◎(優)
2.5以上〜3.5未満 : ○(良)
1.0以上〜2.5未満 : △(やや不可)
1.0未満 : ×(不可)
【0068】
試験例1〜27の多層型メイクアップ保護料は、上に油層、下が水層の2層に分かれた多層型であった。
表の結果から明らかなように、試験例1〜24の本技術に係る多層型メイクアップ保護料は、(A)油溶性皮膜形成剤、(B)水40%以上、(C)揮発性油剤を含むことで、噴霧時の霧の細かさ、メイクアップ保護効果の両方の項目に関して優れたものであった。そして、本技術の化粧料は、霧が細かく顔全体にふんわりと噴霧され、施されたメイクアップを損なうものではなかった。なお、スプレーノズル付き容器の噴霧口径はφ0.3mmである。
【0069】
また、本技術の化粧料(試験例1〜24)の評価結果からすると、本技術の化粧料は、メイクアップを施した全顔に対して、細かい霧状で噴霧できるため、一般的なユーザであっても、全顔に適度な膜厚でむらなく化粧膜を形成させやすい。また、一般的なユーザであっても、本技術の化粧料を用いれば、高い撥水・撥油性を有する化粧膜をメイクアップ上に容易に形成でき、またそのメイクアップ保護効果も高いという優れた利点がある。
また、本技術の化粧料(試験例1〜24)は、顔に塗布後8時間もの長時間において化粧崩れがみられないことから、本技術の化粧料は高い耐皮脂性を有するという利点がある。
【0070】
なお、接触角度の測定装置及び測定方法は、以下のとおり行った。
測定機器:全自動接触角計 DM−500, 協和界面化学製
塗膜作成方法:30%皮膜形成剤溶液をガラス板,東新理興社製(厚さ3mm,寸法70mm×120mm)上に厚み400μmの膜を引き、70℃10h乾燥させ塗膜を作成する。
滴下試料:撥水性の確認場合には精製水を使用し、撥油性の確認の場合にはトリエチルヘキサノインを使用する。
接触角測定方法:塗膜上に、精製水:2μL、トリエチルヘキサノイン:1μLを滴下し、500ms(millisecond)後の接触角を5回測定した平均値を算出する。
本技術の化粧料(試験例1〜24)に用いる油溶性皮膜形成剤の被膜は水に対しても油剤に対しても高い接触角度を有しており、このことより高い耐水性・撥水性や耐油性・撥油性を有することが分かる。本技術は、細かい霧状で均一的な化粧膜を形成できるので、このような性質をも良好に発揮しやすい。
【0071】
さらに、試験例6〜24の本技術に係る多層型メイクアップ保護料は、前記成分(A)〜(C)に、シリコーンワックスをさらに配合することによって、試験例1〜5の多層型メイクアップ化粧料と比較しても、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさという使用性についてもより良好な効果を得ることができた。このようなことから、前記成分(A)〜(D)を含む本技術に係る多層型メイクアップ保護化粧料(の皮膜)は、噴霧時の霧の細かさ、メイクアップ保護効果、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさ、のすべての項目に関して優れたものであった。前記成分(A)〜(D)を含む本技術の化粧料は、霧が細かく顔全体にふんわりと噴霧され、施されたメイクアップを損なうものではなかった。また、本技術の化粧料が成分(A)〜(D)を含む場合には、成分()の水は少なくとも50%以上であることが、ベタつきのなさ向上の観点から、より好ましい。
【0072】
また、本技術に係る多層型メイクアップ化粧料(試験例1〜24)は、乳化剤を配合しなくとも、指でスプレー部分を押して霧が細かく顔全体にふんわりと噴霧できた。
また、本技術に係る多層型メイクアップ化粧料(試験例1〜24)は、粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。
【0073】
これに対して、成分(A)油溶性皮膜形成剤を含有しない試験例25〜27は、いずれもメイクアップ保護効果が劣る結果となった。さらに、成分(A)〜(D)のうちで、成分(A)油溶性皮膜形成剤の代わりに水溶性皮膜形成剤を用いた試験例26及び27では、メイクアップ保護効果やべたつきのなさが大きく損なわれる結果となった。
【0074】
処方例1:2層型メイクアップ保護化粧水
(成分) (%)
1.オリーブ油 5
2.ポリメチルシルセスキオキサン(*5) 1.2
3.ジメチルポリシロキサン(*6) 10
4.エタノール 3
5.イソノナン酸イソトリデシル 1.5
6.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(*7) 1.5
7.トコフェロール 0.006
8.香料 0.15
9.2−エチルヘキサン酸セチル 5
10.エタノール 7
11.1,3−ブチレングリコール 2.1
12.ビスPEG−18メチルエーテル
ジメチルシラン(*4) 7
13.ヒアルロン酸ナトリウム(*8) 0.1
14.コラーゲン(*9) 0.1
15.塩化ナトリウム 0.7
16.リン酸一水素ナトリウム 0.07
17.リン酸二水素ナトリウム 0.07
18.精製水 残量
*5:SilForm Flexible Resin
(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*6:KF−96L−2CS(25℃:2mm/s、信越化学工業社製)
*7:サラコス5408(日清オイリオグループ社製)
*8:ヒアルロン酸 FCH201(キッコーマンバイオケミファ社製)
*9:PANCOGEN MARINE(GATTEFOSSE社製)
【0075】
(製造方法)
(A)油層:成分(1)〜(9)を加熱し、均一に混合する。
(B)水層:成分(10)〜(18)を均一に混合する。
(C)スプレーノズル付き容器(φ0.3mm)に(B)の水層及び(A)の油層の順に充填し、2層型メイクアップ保護化粧水を得た。
【0076】
以上のようにして得られた本技術品である処方例1の2層型メイクアップ保護化粧水は噴霧時の霧の細かさ、噴霧後の乾きの早さ、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさ、メイクアップ保護効果に優れたものであった。当該化粧料は、しばらく静置すると油層、水層の2層の状態となり、使用する際に混合して噴霧することができる。処方例1の粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。
【0077】
処方例2:メイクキープスプレー
(成分) (%)
1.トリメチルシロキシケイ酸(*10) 1.5
2.(アクリレーツ/アクリル酸ベヘニル/メタクリル酸ジメチコン)
コポリマー(*11) 0.3
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
4.イソノナン酸イソノニル 3
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
6.香料 0.15
7.マカデミアンナッツ油 0.15
8.アルガニアスピノサ核油 0.15
9.L−セリン 0.35
10.1,3−ブチレングリコール 3.5
11.精製水 残量
12.エタノール 5
*10:KF−9021(50%シクロペンタシロキサン溶液、信越化学工業社製)
*11:KP−562P(融点:45〜55℃、信越化学工業社製)
【0078】
(製造方法)
(A)油層:成分(1)〜(8)を加熱し、均一混合する。
(B)水層:成分(9)〜(12)を均一に混合する。
(C)(A)の油層と(B)の水層を混合し、原液を得る。
(D)(C)の原液45部に対し、噴射剤(ジメチルエーテル)55部を加え、エアゾール容器に充填し、メイクキープスプレーを得た。
【0079】
本技術品である処方例2のメイクキープスプレーは、噴霧時の霧の細かさ、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさ、メイクアップ保護効果に優れたものであった。当該化粧料は、しばらく静置すると油層、水層の2層の状態となり、使用する際に混合して噴霧することができる。処方例2の粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。
【0080】
処方例3:2層型メイクキープ保護化粧料
(成分) (%)
1.メドウフォーム油 1
2.マカデミアンナッツ油 1
3.コメヌカ油 1
4.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2
5.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(*12) 12.5
6.ステアリルジメチコン(*3) 3
7.ジメチルポリシロキサン(*14) 5
8.メチルトリメチコン 5
9.エタノール 5
10.アスタキサンチン(*15) 0.1
11.トコフェロール 0.01
12.香料 0.1
13.2−エチルヘキサン酸セチル 7.2
14.エタノール 6
15.フムスエキス 0.1
16.ハマメリスエキス 0.1
17.塩化ナトリウム 0.4
18.クエン酸 0.01
19.クエン酸ナトリウム 0.008
20.精製水 残量
*12:KP−549(固形分40%メチルトリメチコン溶液、信越化学工業社製)
*14:KF−96L−1.5CS(25℃:1.5mm/s、信越化学工業社製)
*15:アスタキサンチン−5C(オリザ油化社製)
【0081】
(製造方法)
(A)油層:成分(1)〜(13)を加熱し、均一に混合する。
(B)水層:成分(14)〜(20)を均一に混合する。
(C)スプレーノズル付き容器(φ0.3mm)に(A)の油層及び(B)の水層を充填し、2層型メイクキープ保護化粧料を得た。
【0082】
本技術品である処方例3の2層型メイクキープ保護化粧料は、噴霧時の霧の細かさ、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさ、メイクアップ保護効果に優れたものであった。当該化粧料は、しばらく静置すると油層、水層の2層の状態となり、使用する際に混合して噴霧することができる。処方例3の粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。
【0083】
処方例4:多層型メイクアップ保護化粧料(オーバーコートミスト)
(成分) (%)
1.イソヘキサデカン 2
2.水添ポリデセン 1
3.トリメチルシロキシケイ酸 2
4.イソノナン酸イソトリデシル 1
5.トコフェロール 0.004
6.香料 0.1
7.紫色201号 0.01
8.赤色218号 0.01
9.ジメチルポリシロキサン(*6) 14
10.エタノール 7
11.グリセリン 3.5
12.1,3−ブチレングリコール 3.5
13.ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン
(*4) 3.5
14.塩化ナトリウム 0.7
15.乳酸ナトリウム 0.07
16.乳酸 0.07
17.青色1号 0.02
18.紫色401号 0.007
19.精製水 残量
20.シリカ(*16) 2
21.カオリン(*17) 2
22.(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)
クロスポリマー(*18) 2
23.結晶セルロース(*19) 4
*16:シリカマイクロビードP−1505(日輝触媒化成社製)
*17:日本薬局方カオリン(JP100)(竹原化学社製)
*18:CS−400(根上工業社製)
*19:セオラスPH―F20JP(旭化成ケミカルズ社製)
【0084】
(製造方法)
(A)油層:成分(1)〜(9)を加熱し均一に混合する。
(B)水層:成分(10)〜(19)を均一に混合する。
(C)粉体層:成分(20)〜(23)を均一に混合する。
(D)スプレーノズル付き容器(φ0.3mm)に(A)の油層及び(B)の水層及び(C)の粉体層を充填し、多層型メイクアップ保護化粧料(オーバーコートミスト)を得た。
【0085】
以上のようにして得られた本技術品である処方例4の多層型メイクアップ保護化粧料(オーバーコートミスト)は噴霧時の霧の細かさ、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさ、メイクアップ保護効果に優れたものであった。当該化粧料は、しばらく静置すると油層、水層、粉体層の3層の状態となり、使用する際に混合して噴霧することができる。処方例4の粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。
【0086】
処方例5:多層型メイクアップ保護化粧料(オーバーコートミスト)
(成分) (%)
1.トリメチルシロキシケイ酸 4
2.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
3.ジメチルポリシロキサン(*6) 5
4.ジメチルポリシロキサン(*20) 5
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
6.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3
7.香料 0.15
8.ナイアシンアミド 2
9.メントール 0.5
10.1,3−ブチレングリコール 5
11.精製水 残量
12.エタノール 10
13.酸化チタン(平均粒子径:0.035μm)(*21) 1
14.酸化チタン(平均粒子径:0.25μm) 2
15.酸化亜鉛(平均粒子径:0.025μm)(*22) 2
*20:KF−96A−6CS(25℃:6mm/s、信越化学工業社製)
*21:SMT−500SAS(平均粒子径:0.035μm、テイカ社製)
*22:MZ−500(平均粒子径:0.025μm、テイカ社製)
【0087】
(製造方法)
(A)油層:成分(1)〜(7)を加熱し均一に混合する。
(B)水層:成分(8)〜(12)を均一に混合する。
(C)粉体層:成分(13)〜(15)を均一に混合する。
(D)スプレーノズル付き容器(φ0.3mm)に(A)の油層及び(B)の水層及び(C)の粉体層を充填し、多層型メイクアップ保護化粧料(オーバーコートミスト)を得た。
【0088】
以上のようにして得られた本技術品である処方例5の多層型メイクアップ保護化粧料(オーバーコートミスト)は、噴霧時の霧の細かさ、ベタツキのなさ、肌への負担感のなさ、メイクアップ保護効果に優れたものであった。当該化粧料は、しばらく静置すると油層、水層、粉体層の3層の状態となり、使用する際に混合して噴霧することができる。処方例5の粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。また、25℃での動粘度が6〜10mm/sである不揮発性シリコーン油を配合したことで、使用後のノズル詰まりを防ぎ、再度噴霧時にスムーズに噴霧することができた。
【0089】
処方例6:多層型メイクアップ保護化粧料
油層
(成分) (%)
1.トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸
(*22) 5
2.ジメチルポリシロキサン 6
3.イソドデカン 残量
4.オリーブ油 5
5.トコフェロール 1
6.香料 3
水層
(成分) (%)
1.米発酵液 0.5
2.1,3−ブチレングリコール 5
3.精製水 残量
4.エタノール 10
*22:XS66−B8226
(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0090】
(製造方法)
(A)油層:成分(1)〜(6)を加熱し均一に混合し、冷却後容器に充填する。
(B)水層:成分(1)〜(4)を均一に混合し、容器に充填する。
(C)使用時に(A)と(B)を好みに応じて(A):(B)を5:5〜1:9の範囲でスプレーノズル付き容器(φ0.2mm)に混合し、多層型メイクアップ保護化粧料を得た。
【0091】
以上のようにして得られた本技術品である処方例6の多層型メイクアップ保護化粧料は、噴霧時の霧の細かさ、メイクアップ保護効果に優れたものであった。当該化粧料は、しばらく静置すると油層と水層の2層の状態となり、使用する際に混合して噴霧することができる。処方例7の多層型メイクアップ保護化粧料は、処方例6の粘度(25℃;B型粘度計)は、上記粘度の測定方法に従って行い、1000mPa・s以下であった。