特許第6961144号(P6961144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961144
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】発酵用調湿装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20211025BHJP
   C12M 1/02 20060101ALI20211025BHJP
   C12M 1/06 20060101ALI20211025BHJP
   C12M 1/08 20060101ALI20211025BHJP
   G05D 22/00 20060101ALI20211025BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   C12M1/00 C
   C12M1/02 A
   C12M1/02 B
   C12M1/06
   C12M1/08
   G05D22/00 A
   B01D53/26 100
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-162563(P2020-162563)
(22)【出願日】2020年9月28日
(65)【公開番号】特開2021-145667(P2021-145667A)
(43)【公開日】2021年9月27日
【審査請求日】2021年2月4日
(31)【優先権主張番号】202010206604.7
(32)【優先日】2020年3月23日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521189503
【氏名又は名称】青島科進工業設計有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100115303
【弁理士】
【氏名又は名称】岩永 和久
(72)【発明者】
【氏名】鄭磊
【審査官】 長谷川 強
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−151418(JP,A)
【文献】 特開平9−222251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
B01D 53/26
C12M 1/02
C12M 1/06
C12M 1/08
G05D 22/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵室の外部に設けられる発酵用調湿装置であって、
出口と、前記発酵室の内部と連通する通風ファンと、前記通風ファンの右側に水平に設けられる筒体と、を含み、
前記筒体は、真っ直ぐな筒状をなし、
前記筒体の右端口と左端口は、それぞれ吸気口と排気口であり、
前記排気口は、前記通風ファンの入口と連通し、
前記筒体の左端内と右端内には、それぞれ冷水コイル管と、湯コイル管と、が設けられ、
前記冷水コイル管と前記湯コイル管とは、いずれも螺旋状をなし、
前記冷水コイル管の給水口と出水口及び前記湯コイル管の給水口と出水口とは、いずれも前記筒体の外部に位置し、
前記筒体内には、管体が固定され、
前記管体は、前記筒体と同軸に設けられ、
前記管体は、前記冷水コイル管と前記湯コイル管との間に位置し、
前記管体の左端と右端は、それぞれ封止状と開口状をなし、
前記管体の右端側壁と前記筒体の内壁との間は、密封して設けられ、
前記管体の右端内壁は、直径が右から左へ次第に小さくなる錐面であり、
前記錐面は、前記管体の右端面まで延在し、
前記管体の中部と左端の内径は、いずれも前記錐面の最小直径と同じであり、
前記管体の左端は、前記冷水コイル管内に延在し、
前記管体の左端面には、前記管体の左端面を貫通する複数の通風穴が前記管体の軸方向に沿って等間隔に形成される、
ことを特徴とする発酵用調湿装置。
【請求項2】
前記通風穴が円錐状をなし、
前記通風穴の直径は、右から左へ次第に小さくなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の発酵用調湿装置。
【請求項3】
前記筒体は、同じ直線に配列される左筒と右筒とを含み、
前記左筒の右端と前記右筒の左端とは、いずれも環状段階であり、
前記環状段階は、環状側壁と環状段階面から構成され、
前記管体の外側壁には、環状をなす接続台が一体成型され、
前記接続台は、二つの前記環状段階面の間に挟まれ、
前記接続台の外側壁は、前記環状側壁と密封され、
前記左筒と前記右筒とは、いずれも前記接続台と固定して接続され、
前記冷水コイル管と前記湯コイル管とは、それぞれ前記左筒の内部と前記右筒の内部に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発酵用調湿装置。
【請求項4】
前記接続台の外側壁には、二つの環状溝が形成され、
二つの前記環状溝は、それぞれ二つの前記環状側壁と対向し、
二つの前記環状溝内には、いずれもガスケットが設けられ、
前記ガスケットの外側壁は、前記環状側壁と当接する、
ことを特徴とする請求項2に記載の発酵用調湿装置。
【請求項5】
前記接続台の外側壁と、前記左筒の右端面と、前記右筒の左端面との三者の間には、環状の位置決め溝が形成され、
前記位置決め溝内には、はんだ付剤が充填される、
ことを特徴とする請求項3に記載の発酵用調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵装置に関し、具体的には、発酵用調湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
麹とは、米・麦・大豆などを蒸してねかし、これに?かびを加えて繁殖させたもの。
【0003】
工業化の推進と伴い、麹発酵装置が開発されてきた。CN205368306Uには、フレーム式室体を含み、前記フレーム式室体の周囲には、保温板が敷設され、前記フレーム式室体の内部には、複数層の仕切り板が設けられ、前記フレーム式室体における内部の上部には、除湿管路が絡みつき、前記除湿管路が吸気ファンと連通して設けられ、前記フレーム式室体の片側内壁には、循環水管が設けられ、前記循環水管は、総管路と連通し、前記総管路は、外部の水ポンプと連通し、前記フレーム式室体の内部には、温度センサが設けられることを特徴とする麹発酵室が開示されています。
麹は、発酵時に室体内に湿気が大量生じ、上記の発酵装置は、吸気ファンと除湿管路との組み合わせによって湿気を排出するが、この除湿方法は大雑把であり、精度が低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第205368306号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来における上記の技術的課題を解決するために、発酵用調湿装置を提供し、調湿精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、発酵室の外部に設けられる発酵用調湿装置であって、出口と、前記発酵室の内部と連通する通風ファンと、前記通風ファンの右側に水平に設けられる筒体と、を含み、前記筒体は、真っ直ぐな筒状をなし、前記筒体の右端口と左端口は、それぞれ吸気口と排気口であり、前記排気口は、前記通風ファンの入口と連通し、前記筒体の左端内と右端内には、それぞれ冷水コイル管と、湯コイル管と、が設けられ、前記冷水コイル管と前記湯コイル管とは、いずれも螺旋状をなし、前記冷水コイル管の給水口と出水口及び前記湯コイル管の給水口と出水口とは、いずれも前記筒体の外部に位置し、前記筒体内には、管体が固定され、前記管体は、前記筒体と同軸に設けられ、前記管体は、前記冷水コイル管と前記湯コイル管との間に位置し、前記管体の左端と右端は、それぞれ封止状と開口状をなし、前記管体の右端側壁と前記筒体の内壁との間は、密封して設けられ、前記管体の右端内壁は、直径が右から左へ次第に小さくなる錐面であり、前記錐面は、前記管体の右端面まで延在し、前記管体の中部と左端の内径は、いずれも前記錐面の最小直径と同じであり、前記管体の左端は、前記冷水コイル管内に延在し、前記管体の左端面には、前記管体の左端面を貫通する複数の通風穴が前記管体の軸方向に沿って等間隔に形成される。
【0007】
取り付けるときに、前記冷水コイル管の給水口と出水口が冷却水源と接続され、これによって冷却水が冷水コイル管内を循環流動し、前記湯コイル管の給水口と出水口が高温水源と接続され、これによって高温水が前記湯コイル管内を循環流動する。
【0008】
作動原理:前記通風ファンが作動し、前記吸気口により吸い込まれた気体が前記湯コイル管に加熱された後に前記管体に入り、気体が前記通風穴に分散排出されて前記冷水コイル管と接触して水玉に冷却され乾燥され、乾燥後の気体が前記通風ファンから前記発酵室に入って前記発酵室の内部に適切な温度と湿度を保ち続ける。
【0009】
湯コイル管からの熱風を管体内に導入して、通風穴によって分散し、熱気と冷水コイル管との接触面積を増加し、熱風中の水蒸気をもっと速いスピードで大量の水玉になるように冷却し、気体が高い乾燥度で発酵室内に入り、発酵室の内部環境に対する制御精度を向上させる。
【0010】
前記発酵用調湿装置において、前記通風穴が円錐状をなし、且つ前記通風穴の直径は、右から左へ次第に小さくなる。
【0011】
前記発酵用調湿装置において、前記筒体は、同じ直線に配列される左筒と右筒とを含み、前記左筒の右端と前記右筒の左端とは、いずれも環状段階であり、前記環状段階は、環状側壁と環状段階面から構成され、前記管体の外側壁には、環状をなす接続台が一体成型され、前記接続台は、二つの前記環状段階面の間に挟まれ、前記接続台の外側壁は、前記環状側壁と密封され、前記左筒と前記右筒とは、いずれも前記接続台と固定して接続され、前記冷水コイル管と前記湯コイル管とは、それぞれ前記左筒の内部と前記右筒の内部に位置する。上記構成を採用することで、構造が簡単であり、組立が便利である。
【0012】
前記発酵用調湿装置において、前記接続台の外側壁には、二つの環状溝が形成され、二つの前記環状溝は、それぞれ二つの前記環状側壁と対向し、二つの前記環状溝内には、いずれもガスケットが設けられ、前記ガスケットの外側壁は、前記環状側壁と当接する。
【0013】
前記発酵用調湿装置において、前記接続台の外側壁と、前記左筒の右端面と、前記右筒の左端面との三者の間には、環状の位置決め溝が形成され、前記位置決め溝内には、はんだ付剤が充填され、すなわち前記接続台は、溶接によって前記左筒と前記右筒と固定して接続される。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べ、本発明の発酵用調湿装置は、湯コイル管からの熱風を管体内に導入して、通風穴によって分散し、熱気と冷水コイル管との接触面積を増加し、熱風中の水蒸気をもっと速いスピードで大量の水玉になるように冷却し、気体が高い乾燥度で発酵室内に入り、発酵室の内部環境に対する制御精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】発酵用調湿装置の構造図である。
図2図1におけるAの部分の拡大図である。
図3】右筒の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、発酵室1の外部に設けられる発酵用調湿装置であって、出口と、前記発酵室1の内部と連通する通風ファン2と、前記通風ファン2の右側に水平に設けられる筒体3と、を含む。前記筒体3は、真っ直ぐな筒状をなし、前記筒体3の右端口と左端口は、それぞれ吸気口と排気口であり、前記排気口は、前記通風ファン2の入口と連通する。
【0017】
具体的には、前記筒体3の左端内と右端内には、それぞれ冷水コイル管4と、湯コイル管5と、が設けられ、前記冷水コイル管4と前記湯コイル管5とは、いずれも螺旋状をなし且つ前記筒体3と同軸に設けられ、前記冷水コイル管4の給水口と出水口及び前記湯コイル管5の給水口と出水口とは、いずれも前記筒体3の外部に位置する。前記筒体3における左端の底壁には、前記筒体3における左端の底壁を貫通する出水口3a1が設けられ、前記出水口3a1は、鉛直に設けられる。
【0018】
図1に示すように、前記筒体3内には、管体6が固定され、前記管体6は、前記筒体3と同軸に設けられ、前記管体6は、前記冷水コイル管4と前記湯コイル管5との間に位置する。前記管体6の左端と右端は、それぞれ封止状と開口状をなし、前記管体6の右端側壁と前記筒体3の内壁との間は、密封して設けられ、前記管体6の右端内壁は、直径が右から左へ次第に小さくなる錐面6aであり、前記錐面6aは、前記管体6の右端面まで延在する。前記管体6の中部と左端の内径は、いずれも前記錐面6aの最小直径と同じであり、前記管体6の左端は、前記冷水コイル管4内に延在し、前記管体6の左端面には、前記管体6の左端面を貫通する複数の通風穴6bが前記管体6の軸方向に沿って等間隔に形成される。好ましくは、前記通風穴6bが円錐状をなし、且つ前記通風穴6bの直径は、右から左へ次第に小さくなる。
【0019】
前記管体6と前記筒体3の接続関係は後記の通りである:図2図3に示すように、前記筒体3は、同じ直線に配列される左筒3aと右筒3bとを含み、前記左筒3aの右端と前記右筒3bの左端とは、いずれも環状段階3cであり、前記環状段階3cは、環状側壁と環状段階面から構成され、前記管体6の外側壁には、環状をなす接続台6cが一体成型され、前記接続台6cは、二つの前記環状段階面の間に挟まれ、すなわちこの時、前記接続台6cの両端面は、それぞれ二つの前記環状段階面と緊密に接触する。前記接続台6cの外側壁は、前記環状側壁と密封され、前記左筒3aと前記右筒3bとは、いずれも前記接続台6cと固定して接続され、前記冷水コイル管4と前記湯コイル管5とは、それぞれ前記左筒3aの内部と前記右筒3bの内部に位置する。更に、前記接続台6cの外側壁には、二つの環状溝が形成され、二つの前記環状溝は、それぞれ二つの前記環状側壁と対向し、二つの前記環状溝内には、いずれもガスケット7が設けられ、前記ガスケット7の外側壁は、前記環状側壁と当接する。
【0020】
前記接続台6cの外側壁と、前記左筒3aの右端面と、前記右筒3bの左端面との三者の間には、環状の位置決め溝が形成され、前記位置決め溝内には、はんだ付剤が充填され、すなわち前記接続台6cは、溶接によって前記左筒3aと前記右筒3bと固定して接続される。
【0021】
取り付けるときに、前記冷水コイル管4の給水口と出水口が冷却水源と接続され、これによって冷却水が冷水コイル管4内を循環流動し、前記湯コイル管5の給水口と出水口が高温水源と接続され、これによって高温水が前記湯コイル管5内を循環流動する。
【0022】
作動原理:前記通風ファン2が作動し、前記吸気口により吸い込まれた気体が前記湯コイル管5に加熱された後に前記管体6に入り、気体が前記通風穴6bに分散排出されて前記冷水コイル管4と接触して水玉に冷却され乾燥され、乾燥後の気体が前記通風ファン2から前記発酵室1に入って前記発酵室1の内部に適切な温度と湿度を保ち続ける。
【符号の説明】
【0023】
1 発酵室
2 通風ファン
3 筒体
3a 左筒
3a1 出水口
3b 右筒
3c 環状段階
4 冷水コイル管
5 湯コイル管
6 管体
6a 錐面
6b 通風穴
6c 接続台
7 ガスケット
8 はんだ付剤
図1
図2
図3