特許第6961146号(P6961146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バーチャル インシジョン コーポレイションの特許一覧

特許6961146ロボット外科的デバイス、システムおよび関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961146
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ロボット外科的デバイス、システムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20211025BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   A61B34/35
   A61B17/34
【請求項の数】20
【全頁数】60
(21)【出願番号】特願2018-526493(P2018-526493)
(86)(22)【出願日】2016年8月3日
(65)【公表番号】特表2018-532519(P2018-532519A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】US2016045436
(87)【国際公開番号】WO2017024081
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年7月26日
(31)【優先権主張番号】62/200,563
(32)【優先日】2015年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518408589
【氏名又は名称】バーチャル インシジョン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】VIRTUAL INCISION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファリター シェイン
(72)【発明者】
【氏名】シャショー ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】クマール ニシャント
(72)【発明者】
【氏名】シチェジアック マテウス
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0051446(US,A1)
【文献】 実開昭63−131380(JP,U)
【文献】 特開平08−057056(JP,A)
【文献】 特開平08−168465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30−34/37
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科的システムであって、
以下を備える:
(a)以下を備えるロボット外科的デバイス:
(i)以下を備えるデバイス本体:
(A)遠位端;
(B)近位端、および
(C)前記デバイス本体内に規定される、カメラルーメン
前記カメラルーメンは、以下を備える:
(1)前記デバイス本体の近位端における、近位ルーメン開口部;
(2)前記近位ルーメン開口部の遠位に規定される、ソケット部分
ここで、前記ソケット部分は、第一の直径および第一の連結コンポーネントを備える;
(3)前記ソケット部分の遠位に規定される、伸長部分
ここで、前記伸長部分は、第二の、より小さな直径を有する;および
(4)前記デバイス本体の遠位端における、遠位ルーメン開口部
ここで、前記遠位ルーメン開口部は、前記伸長部分の遠位端に規定される
(ii)前記デバイス本体の遠位端に動作可能に連結された、第一および第二の肩関節;
(iii)前記の第一の肩関節に動作可能に連結された、第一のロボットアーム;および
(iv)前記の第二の肩関節に動作可能に連結された、第二のロボットアーム;
および
(b)以下を備えるカメラコンポーネント:
(i)以下を備えるハンドル:
(A)前記ソケット部分内に配置可能なように構成された、遠位端;
(B)前記の第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、前記ハンドルを前記ソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント;
(ii)前記ハンドルに動作可能に連結された、細長いチューブ
ここで、前記の細長いチューブは、前記伸長部分を通って配置可能な構成およびサイズであり、前記の細長いチューブは、
(A)剛性部分;
(B)光学部分;および
(C)前記光学部分を前記剛性部分に動作可能に連結する、柔軟部分
を備え、
ここで、前記の細長いチューブは、前記カメラルーメンを通って前記カメラコンポーネントが配置された場合に、少なくとも前記光学部分が前記遠位ルーメン開口部から遠位に伸長するように構成されるような長さを有する、
ロボット外科的システム。
【請求項2】
請求項1のロボット外科的システムであって、
前記カメラルーメンは、前記ソケット部分の遠位および前記伸長部分の近位に規定される、シール部分をさらに備える、
ロボット外科的システム。
【請求項3】
請求項2のロボット外科的システムであって、
前記シール部分は、リングシールおよびワンウェイシールを受け入れるように構成される、
ロボット外科的システム。
【請求項4】
請求項3のロボット外科的システムであって、
前記シール部分は、リングシール保持コンポーネントを受け入れるようにさらに構成されて、
前記リングシールは、前記のリングシール保持コンポーネント内に保持される、
ロボット外科的システム。
【請求項5】
請求項4のロボット外科的システムであって、
前記リングシール保持コンポーネントは、前記のリングシール保持コンポーネントの外壁から伸長している少なくとも1つの突出を備える、
ロボット外科的システム。
【請求項6】
請求項5のロボット外科的システムであって、
前記ソケット部分は、前記ソケット部分の内壁内に規定されるチャネルをさらに備え、
前記チャネルは、前記の少なくとも1つの突出を受け入れるように構成される、
ロボット外科的システム。
【請求項7】
請求項1のロボット外科的システムであって、
前記ハンドルは、前記カメラコンポーネントを操作するように構成されたコントローラーを備える、
ロボット外科的システム。
【請求項8】
請求項1のロボット外科的システムであって、
前記遠位ルーメン開口部は、前記の第一および第二の肩関節の間に配置される、
ロボット外科的システム。
【請求項9】
請求項1のロボット外科的システムであって、
前記光学部分は、前記剛性部分に対して前記柔軟部分で傾斜可能であるように構成されて、
前記光学部分は、直線構造および傾斜構造を有する、
ロボット外科的システム。
【請求項10】
請求項1のロボット外科的システムであって、
前記の細長いチューブは、前記ハンドルに関して回転可能であるように構成される、
ロボット外科的システム。
【請求項11】
請求項1のロボット外科的システムであって、
前記ソケット部分は、挿入デバイスを受け入れるように構成されたチャネルを備える内壁をさらに備える、
ロボット外科的システム。
【請求項12】
以下を備えるロボット外科的システムであって:
(a)以下を備えるロボット外科的デバイス:
(i)以下を備えるデバイス本体:
(A)遠位端;
(B)近位端、および
(C)前記デバイス本体内に規定される、以下を備えるカメラルーメン;
(1)前記カメラルーメン内に規定されるソケット
前記ソケットは、第一の連結コンポーネントを備える;および
(2)前記ソケットの遠位に配置されるシール構造
ここで、前記シール構造は、リングシールおよびワンウェイシールを備える;
(ii)前記デバイス本体の遠位端に動作可能に連結された、第一および第二の肩関節;
(iii)前記の第一の肩関節に動作可能に連結された、第一のロボットアーム;および
(iv)前記の第二の肩関節に動作可能に連結された、第二のロボットアーム;
および
(b)以下を備える取り外し可能なカメラコンポーネント:
(i)以下を備えるハンドル:
(A)前記ソケット内に配置可能なように構成された、遠位端;
(B)前記の第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、前記ハンドルを前記ソケットの中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント;
(ii)前記ハンドルに動作可能に連結された、細長いチューブ
ここで、前記の細長いチューブは、前記カメラルーメンを通って配置可能な構成およびサイズであり、前記の細長いチューブは、光学部分を備え、
ここで、前記の細長いチューブは、前記カメラルーメンを通って前記カメラコンポーネントが配置された場合に、前記光学部分が前記カメラルーメンから遠位に伸長するように構成されるような長さを有する、ロボット外科的システム。
【請求項13】
請求項12のロボット外科的システムであって、
前記シール構造は、リングシール保持コンポーネントを備え、前記リングシールは前記リングシール保持コンポーネント内に保持される
ロボット外科的システム。
【請求項14】
請求項12のロボット外科的システムであって、
前記の第一のロボットアームは、
(a)第一のアーム上腕;
(b)第一のアーム肘関節;および
(c)第一のアーム前腕、
をさらに備え、
ここで、前記の第一のアーム上腕は、前記の第一の肩関節に対してロール、ピッチおよびヨーが可能であるように構成されて、前記の第一のアーム前腕は、前記の第一のアーム肘関節によって前記の第一のアーム上腕に対してヨーが可能であるように構成される、
ロボット外科的システム。
【請求項15】
請求項14の外科的ロボットシステムであって、
前記の第一のロボットアームは、前記の第一のロボットアーム内に配置された少なくとも1つの第一のアームアクチュエーターをさらに備える、
外科的ロボットシステム。
【請求項16】
請求項14のロボット外科的システムであって、
前記の第二のロボットアームは、
(a)第二のアーム上腕;
(b)第二のアーム肘関節;および
(c)第二のアーム前腕
をさらに備え、
ここで、前記の第二のアーム上腕は、前記の第二の肩関節に対してロール、ピッチおよびヨーが可能であるように構成されて、前記の第二のアーム前腕は、前記の第二のアーム肘関節によって前記の第二のアーム上腕に対してヨーが可能であるように構成される、
ロボット外科的システム。
【請求項17】
請求項16の外科的ロボットシステムであって、
前記の第二のロボットアームは、前記の第二のロボットアーム内に配置された少なくとも1つの第二のアームアクチュエーターをさらに備える、
外科的ロボットシステム。
【請求項18】
ロボット外科的システムであって、
以下を備える:
(a)以下を備えるロボット外科的デバイス:
(i)以下を備えるデバイス本体:
(A)遠位端;
(B)近位端、および
(C)前記デバイス本体内に規定される、カメラルーメン
前記カメラルーメンは、以下を備える:
(1)前記デバイス本体の近位端における、近位ルーメン開口部;
(2)前記近位ルーメン開口部の遠位に規定される、ソケット部分
ここで、前記ソケット部分は、第一の直径および第一の連結コンポーネントを備える;
(3)前記ソケット部分の遠位に規定される、伸長部分
ここで、前記伸長部分は、第二の、より小さな直径を有する;および
(4)前記デバイス本体の遠位端における、遠位ルーメン開口部
ここで、前記遠位ルーメン開口部は、前記伸長部分の遠位端に規定される;
(ii)前記ソケット部分の遠位に配置されるシール構造
前記シール構造は、リングシールおよびワンウェイシールを備える;
iii)前記デバイス本体の遠位端に動作可能に連結された、第一および第二の肩関節;
iv)前記の第一の肩関節に動作可能に連結された、第一のロボットアーム;および
)前記の第二の肩関節に動作可能に連結された、第二のロボットアーム;
および
(b)細長いチューブを備える取り外し可能なカメラコンポーネント、
ここで、前記の細長いチューブは、前記伸長部分を通って配置可能な構成およびサイズであり、前記の細長いチューブは、光学部分を備え、
ここで、前記の細長いチューブは、前記カメラルーメンを通って前記カメラコンポーネントが配置された場合に、前記光学部分が前記遠位ルーメン開口部から遠位に伸長するように構成されるような長さを有する、
ロボット外科的システム。
【請求項19】
請求項18の外科的ロボットシステムであって、
前記細長いチューブに動作可能に連結されたハンドルを備え、前記ハンドルは、
(a)前記ソケット部分内に配置可能なように構成された、遠位端;および
(b)前記の第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、前記ハンドルを前記ソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント
を備える、
外科的ロボットシステム。
【請求項20】
請求項18の外科的ロボットシステムであって、
少なくとも1つの前記の第一または第二のロボットアーム内に配置されて、少なくとも1つの前記の第一のロボットアームおよび第二のロボットアームと操作可能に連通した、少なくとも1つのPCBをさらに備え、
前記PCBは、ヨーおよびピッチ機能を実行するように構成される、
外科的ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(単数または複数)の相互参照]
本出願は、2015年8月3日に出願されて、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題された、米国仮出願62/200,563に対する合衆国法典第35巻第119条(e)の下での利益を主張し、それは、その全体で参照により本明細書中に援用される。
【0002】
[本発明の分野]
本明細書中に開示される実施態様は、ロボットおよび/またはインビボ医療機器および関連するコンポーネントを含む様々な医療機器および関連するコンポーネントに関する。特定の実施態様は、体腔内に配置される、および、体腔内のオリフィスまたは開口部を通して配置された支持コンポーネントを用いて配置される、ロボットデバイスを含む様々なロボット医療機器を含む。他の実施態様は、ロボット外科的デバイスおよびコントローラーを備える様々なシステムに関し、ここで、デバイスは、1つまたは複数のセンサーを備え、ここで、コントローラーは、センサーがコントローラーにおいて用いられる情報を伝達して、モーターが触覚フィードバックをユーザーに提供するのを作動するように、1つまたは複数のモーターを備える。
【背景技術】
【0003】
侵襲性の外科的手順は、様々な医学的状態を対処するために必須である。可能な場合は、腹腔鏡検査のような最小侵襲的な手順が好ましい。
【0004】
しかしながら、腹腔鏡検査のような公知の最小侵襲的な技術は、1)アクセスポートを通して挿入される剛性の道具の使用により生じる可動性制限および2)制限された視覚フィードバックに一部起因して、範囲および複雑性が制限される。da Vinci(登録商標)Surgical System(カリフォルニア州サニーベールにあるIntuitive Surgical,Inc.より入手可能)のような公知のロボットシステムもまた、アクセスポートにより制限され、そして、非常に大きくて非常に高価であり、ほとんどの病院で利用できず、そして、感覚および運動の能力が制限されるという、さらなる不都合を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改善された外科的方法、システム、およびデバイスに関する必要性が当分野において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に述べられるのは、様々なカメラシステムを受け入れるように構成されたカメラルーメンを備える特定のシステムを含む、様々なロボット外科的システムである。さらなる実施態様は、空洞の通気を維持しながら様々な外科的デバイスを患者の空洞中へ挿入するために用いられるように構成された、外科的挿入デバイスに関する。
【0007】
1つまたは複数のコンピューターのシステムは、操作中にシステムに動作を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせが、システム上にインストールされているおかげで、特定の操作または動作を実行するように構成され得る。1つまたは複数のコンピュータープログラムは、データ処理装置によって実行された場合に、その装置に動作を実行させる指示を含むおかげで、特定の操作または動作を実行するように構成され得る。
【0008】
一例では、ロボット外科的システムは、
遠位端;近位端、および、デバイス本体内に規定されるカメラルーメンを備える、デバイス本体(カメラルーメンは、(1)デバイス本体の近位端における、近位ルーメン開口部;(2)近位ルーメン開口部の遠位に規定される、ソケット部分(ソケット部分は、第一の直径および第一の連結コンポーネントを備える);(3)ソケット部分の遠位に規定される、伸長部分(伸長部分は、第二の、より小さな直径を有する);および(4)デバイス本体の遠位端における、遠位ルーメン開口部(遠位ルーメン開口部は、伸長部分の遠位端に規定される)を備える);
デバイス本体の遠位端に動作可能に連結された、第一および第二の肩関節;
第一の肩関節に動作可能に連結された、第一のロボットアーム;および
第二の肩関節に動作可能に連結された、第二のロボットアーム、を備える、
ロボット外科的デバイス;
および、
ソケット部分内に配置可能なように構成された、遠位端;第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、ハンドルをソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント、を備えるハンドル;
ハンドルに動作可能に連結された、細長いチューブ(細長いチューブは、伸長部分を通って配置可能な構成およびサイズであり、細長いチューブは、剛性部分;光学部分;および、光学部分を剛性部分に動作可能に連結する柔軟部分を備え、ここで、細長いチューブは、カメラコンポーネントがカメラルーメンを通して配置された場合に少なくとも光学部分が遠位ルーメン開口部から遠位に伸長するように構成されるような長さを有する)、を備える、
カメラコンポーネント
を備える。この態様の他の実施態様は、対応するコンピューターシステム、装置、および、1つまたは複数のコンピューター記憶装置上に記録されたコンピュータープログラムを備え、それぞれ、この方法の動作を実行するように構成される。
【0009】
実施は、以下の機構の1つまたは複数を備えてよい。ロボット外科的システムであって、カメラルーメンは、ソケット部分の遠位および伸長部分の近位に規定されるシール部分をさらに備える。ロボット外科的システムであって、シール部分は、リングシールおよびワンウェイシールを受け入れるように構成される。ロボット外科的システムであって、シール部分は、保持コンポーネントを受け入れるようにさらに構成されて、リングシールは、リングシール保持コンポーネント内に保持される。ロボット外科的システムであって、リングシール保持コンポーネントは、リングシール保持コンポーネントの外壁から伸長している少なくとも1つの突出を備える。ロボット外科的システムであって、ソケット部分は、ソケット部分の内壁内に規定されるチャネルをさらに備え、チャネルは、少なくとも1つの突出を受け入れるように構成される。ロボット外科的システムであって、ハンドルは、カメラコンポーネントを操作するように構成されたコントローラーを備える。ロボット外科的システムであって、遠位ルーメン開口部は、第一および第二の肩関節の間に配置される。ロボット外科的システムであって、光学部分は、剛性部分に関して柔軟部分で傾斜可能であるように構成されて、光学部分は、直線構造および傾斜構造を有する。ロボット外科的システムであって、細長いチューブは、ハンドルに関して回転可能であるように構成される。ロボット外科的システムであって、ソケット部分は、挿入デバイスを受け入れるように構成されたチャネルを備える内壁をさらに備える。ロボット外科的システムであって、カメラルーメンは、デバイス本体の近位端における近位ルーメン開口部;近位ルーメン開口部の遠位に規定されるソケット部分(ソケット部分は、第一の直径および第一の連結コンポーネントを備える);ソケット部分の遠位に規定される伸長部分(伸長部分は、第二の、より小さな直径を有する);および、デバイス本体の遠位端における、遠位ルーメン開口部(遠位ルーメン開口部は、伸長部分の遠位端に規定される)を備える。ロボット外科的システムであって、第一のロボットアームは、第一のアーム上腕;第一のアーム肘関節;および、第一のアーム前腕をさらに備え、第一のアーム上腕は、第一の肩関節に対してロール、ピッチおよびヨーが可能であるように構成されて、第一のアーム前腕は、第一のアーム肘関節によって第一のアーム上腕に対してヨーが可能であるように構成される。外科的ロボットシステムであって、第一のロボットアームは、第一のロボットアーム内に配置された少なくとも1つの第一のアームアクチュエーターをさらに備える。ロボット外科的システムであって、第二のロボットアームは、第二のアーム上腕;第二のアーム肘関節;および、第二のアーム前腕をさらに備え、第二のアーム上腕は、第二の肩関節に対してロール、ピッチおよびヨーが可能であるように構成されて、第二のアーム前腕は、第二のアーム肘関節によって第二のアーム上腕に対してヨーが可能であるように構成される。外科的ロボットシステムであって、第二のロボットアームは、第二のロボットアーム内に配置された少なくとも1つの第二のアームアクチュエーターをさらに備える。ハンドルを備える外科的ロボットシステムは、ソケット部分内に配置可能なように構成された、遠位端;および、第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、ハンドルをソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネントを備える。外科的ロボットシステムは、少なくとも1つの第一または第二のロボットアーム内に配置されて、少なくとも1つの第一のロボットアームおよび第二のロボットアームと操作可能に連通した、少なくとも1つのPCBをさらに備え、ここで、PCBは、ヨーおよびピッチ機能を実行するように構成される。記載される技術の実施は、コンピューターアクセス可能媒体上のコンピューターソフトウェア、方法またはプロセス、または、ハードウェアを含んでよい。
【0010】
一例では、ロボット外科的システムは、
遠位端;近位端、および、デバイス本体内に規定されるカメラルーメンを備える、デバイス本体;
デバイス本体の遠位端に動作可能に連結された、第一および第二の肩関節;
第一の肩関節に動作可能に連結された、第一のロボットアーム;および、
第二の肩関節に動作可能に連結された、第二のロボットアーム;を備える、
ロボット外科的デバイス
および、
ソケット部分内に配置可能なように構成された、遠位端;第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、ハンドルをソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント、を備えるハンドル;
ハンドルに動作可能に連結された、細長いチューブ(細長いチューブは、伸長部分を通って配置可能な構成およびサイズであり、細長いチューブは、剛性部分;光学部分;および、光学部分を剛性部分に動作可能に連結する柔軟部分を備え、ここで、細長いチューブは、カメラルーメンを通ってカメラコンポーネントが配置された場合に、少なくとも光学部分が遠位ルーメン開口部から遠位に伸長するように構成されるような長さを有する)、を備える、
カメラコンポーネント
を備える。この態様の他の実施態様は、対応するコンピューターシステム、装置、および、1つまたは複数のコンピューター記憶装置上に記録されたコンピュータープログラムを備え、それぞれ、この方法の動作を実行するように構成される。
【0011】
実施は、1つまたは複数の以下の機構を備えてよい。ロボット外科的システムであって、カメラルーメンは、デバイス本体の近位端における近位ルーメン開口部;近位ルーメン開口部の遠位に規定されるソケット部分(ソケット部分は、第一の直径および第一の連結コンポーネントを備える);ソケット部分の遠位に規定される伸長部分(伸長部分は、第二の、より小さな直径を有する);および、デバイス本体の遠位端における遠位ルーメン開口部(遠位ルーメン開口部は、伸長部分の遠位端に規定される)を備える。ロボット外科的システムであって、第一のロボットアームは、第一のアーム上腕;第一のアーム肘関節;および、第一のアーム前腕をさらに備え、第一のアーム上腕は、第一の肩関節に対してロール、ピッチおよびヨーが可能であるように構成されて、第一のアーム前腕は、第一のアーム肘関節によって第一のアーム上腕に対してヨーが可能であるように構成される。外科的ロボットシステムであって、第一のロボットアームは、第一のロボットアーム内に配置された少なくとも1つの第一のアームアクチュエーターをさらに備える。ロボット外科的システムであって、第二のロボットアームは、第二のアーム上腕;第二のアーム肘関節;および、第二のアーム前腕をさらに備え、第二のアーム上腕は、第二の肩関節に対してロール、ピッチおよびヨーが可能であるように構成されて、第二のアーム前腕は、第二のアーム肘関節によって第二のアーム上腕に対してヨーが可能であるように構成される。外科的ロボットシステムであって、第二のロボットアームは、第二のロボットアーム内に配置された少なくとも1つの第二のアームアクチュエーターをさらに備える。外科的ロボットシステムは、ソケット部分内に配置可能なように構成された遠位端;および、第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、ハンドルをソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント、を備えるハンドルを備える。外科的ロボットシステムは、少なくとも1つの第一または第二のロボットアーム内に配置されて、少なくとも1つの第一のロボットアームおよび第二のロボットアームと操作可能に連通した、少なくとも1つのPCBをさらに備え、ここで、PCBは、ヨーおよびピッチ機能を実行するように構成される。記載される技術の実施は、コンピューターアクセス可能媒体上のコンピューターソフトウェア、方法またはプロセス、または、ハードウェアを備えてよい。
【0012】
一例では、ロボット外科的システムは、
遠位端;近位端、および、デバイス本体内に規定されるカメラルーメンを備える、デバイス本体(カメラルーメンは、(1)デバイス本体の近位端における、近位ルーメン開口部;(2)近位ルーメン開口部の遠位に規定される、ソケット部分(ソケット部分は、第一の直径および第一の連結コンポーネントを備える);(3)ソケット部分の遠位に規定される、伸長部分(伸長部分は、第二の、より小さな直径を有する);および(4)デバイス本体の遠位端における、遠位ルーメン開口部(遠位ルーメン開口部は、伸長部分の遠位端に規定される)を備える);
デバイス本体の遠位端に動作可能に連結された、第一および第二の肩関節;
第一の肩関節に動作可能に連結された、第一のロボットアーム;および
第二の肩関節に動作可能に連結された、第二のロボットアーム;を備える、
ロボット外科的デバイス、
および
ハンドルに動作可能に連結された細長いチューブを備えるカメラコンポーネント(細長いチューブは、伸長部分を通って配置可能な構成およびサイズであり、細長いチューブは、剛性部分;光学部分;および、光学部分を剛性部分に動作可能に連結する柔軟部分を備え、ここで、細長いチューブは、カメラルーメンを通ってカメラコンポーネントが配置された場合に、少なくとも光学部分が遠位ルーメン開口部から遠位に伸長するように構成されるような長さを有する)
を備える。この態様の他の実施態様は、対応するコンピューターシステム、装置、および、1つまたは複数のコンピューター記憶装置上に記録されたコンピュータープログラムを備え、それぞれ、この方法の動作を実行するように構成される。
【0013】
実行は、1つまたは複数の以下の機構を備えてよい。外科的ロボットシステムは、ソケット部分内に配置可能なように構成された遠位端;および、第一の連結コンポーネントと開放可能に連結して、それによって、ハンドルをソケット部分の中に開放可能にロックするように構成された、第二の連結コンポーネント、を備えるハンドルを備える。外科的ロボットシステムは、少なくとも1つの第一または第二のロボットアーム内に配置されて、少なくとも1つの第一のロボットアームおよび第二のロボットアームと操作可能に連通した、少なくとも1つのPCBをさらに備え、ここで、PCBは、ヨーおよびピッチ機能を実行するように構成される。記載される技術の実施は、コンピューターアクセス可能媒体上のコンピューターソフトウェア、方法またはプロセス、または、ハードウェアを備えてよい。
【0014】
多数の実施態様が開示されるが、本発明のさらに他の実施態様が、本発明の例示的な実施態様を示して説明する以下の詳細な説明から、当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、様々な自明の態様における改変が可能であり、全て、本発明の主旨および範囲を逸脱しない。したがって、図面および詳細な説明は、実際には例示であるとみなされるべきであり、限定でない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】一実施態様に係るロボット外科的デバイスの正面図である。
図1B図1Aのデバイスの斜視正面図である。
図1C図1Aのデバイスの側面図である。
図1D図1Aのデバイスの端面図である。
図1E】カメラコンポーネントなしの図1Aのデバイスのさらなる正面図である。
図1F】カメラコンポーネントなしの図1Aのデバイスのさらなる側面図である。
図1G図1Aの実施態様に係るカメラコンポーネントの正面図である。
図2A】一実施態様に係るロボット外科的デバイスの近位端の斜視図である。
図2B図2Aのデバイスの回転された斜視図である。
図2C図2Aのデバイスの近位端の切断図である。
図3A】一実施態様に係るシール挿入コンポーネントの斜視正面図である。
図3B】シールなしの図3Aの挿入コンポーネントの遠位端のクローズアップ図である。
図3C】Oリング担体を示す、図3Aの挿入コンポーネントの遠位端のクローズアップ図である。
図3D】ロボットデバイス本体の上の図3Aの挿入コンポーネントの斜視図である。
図3E図3Dの実施態様の斜視切断図である。
図4A】一実施態様に係るカメラコンポーネントの端面図である。
図4B】「ダウン」配置での図4Aの実施態様の側面図である。
図4C】「アップ」配置での図4Aの実施態様の側面図である。
図4D図4Cの実施態様の4分の3回転された図である。
図4E】一実施態様に係る、内部コンポーネントを示すカメラコンポーネントの端面図である。
図4F】「アップ」配置での図4Eの実施態様の正面図である。
図4G】「アップ」配置での図4Aの実施態様の側面図である。
図4H図4Gの実施態様の4分の3回転された図である。
図5A】一実施態様に係るロボット外科的デバイスに挿入されたカメラコンポーネントの近位端の切断側面図である。
図5B図5Aの実施態様のさらにクローズアップした切断側面図である。
図5C】一実施態様に係るカメラコンポーネントの内部コンポーネントの側面図である。
図5D図5Cの実施態様のさらなる内部側面図である。
図5E図5Cの実施態様の斜視図である。
図5F】一実施態様に係るロボット外科的デバイスに挿入されたカメラコンポーネントの斜視内部図である。
図5G図5Fの実施態様のさらなる斜視内部図である。
図6A】一実施態様に係るカメラコンポーネントの内部コンポーネントの側面図である。
図6B】一実施態様に係るカメラコンポーネントの内部コンポーネントの斜視内部図である。
図6C図6Bの実施態様に係るカメラコンポーネントの内部コンポーネントの側面内部図である。
図6D図6Bの実施態様に係るカメラコンポーネントの内部コンポーネントの内部正面図である。
図6E】一実施態様に係るロボット外科的デバイスに挿入されたカメラコンポーネントの斜視内部図である。
図7A】一実施態様に係るカメラコンポーネントの遠位端の斜視内部図である。
図7B】別の実施態様に係るカメラコンポーネントの遠位端の斜視内部図である。
図7C】一実施態様に係る、レンズから外科的コンソールへのカメラ情報の概略フローである。
図8A】一実施態様に係る、ハウジングなしのデバイス本体の内部正面図である。
図8B図8Aの実施態様の側面図である。
図8C図8Aの実施態様の斜視図である。
図8D図8Aの実施態様の端面図である。
図8E】一実施態様に係る、ハウジングなしのデバイス本体の後部4分の3の斜視図である。
図8F図8Eの実施態様の側面図である。
図8G】ハウジングなしの図8Eの実施態様の前部4分の3の斜視図である。
図9A】一実施態様に係る、ハウジングまたは支持構造なしの内部コンポーネントを示すデバイス本体の内部正面図である。
図9B図9Aの実施態様の特定のヨーコンポーネントの斜視図である。
図9C図9Aの実施態様の特定のピッチコンポーネントの斜視図である。
図10】一実施態様に係る6自由度を有するロボットアームの斜視図である。
図11A】一実施態様に係るそのハウジングなしの上側ロボットアームの側面図である。
図11B図11Aの実施態様の回転された側面図である。
図11C図11Aの実施態様のさらに別の回転された側面図である。
図11D図11Aの実施態様の端面図である。
図11E】一実施態様に係る上側ロボットアームの斜視図である。
図11F】ハウジングなしの図11Eの実施態様の回転された斜視図である。
図12A図11Eの実施態様のさらに回転された図である。
図12B】一実施態様に係る上側ロボットアームのコンポーネントの別の内部図である。
図12C図12Bの実施態様の特定のヨーコンポーネントの斜視図である。
図12D図12Bの実施態様の特定のピッチコンポーネントの斜視図である。
図13A】一実施態様に係る下側ロボットアームの斜視図である。
図13B】ハウジングなしの図13Aの実施態様の背面斜視図である。
図13C】一実施態様に係る、そのハウジングなしの下側ロボットアームの側面図である。
図13D図13Cの実施態様の回転された側面図である。
図13E図13Cの実施態様のさらに別の回転された側面図である。
図13F図13Cの実施態様の端面図である。
図13A図13Cの実施態様の斜視図である。
図14A】一実施態様に係る下側ロボットアームのコンポーネントの別の内部図である。
図14B図14Aの実施態様の特定のロールコンポーネントの斜視図である。
図14C図14Aの実施態様の特定のエンドエフェクター相互作用連結コンポーネントの斜視図である。
図14D】一実施態様に係る前腕の断面側面図である。
図14E】一実施態様に係る前腕の切断斜視側面図である。
図14F】一実施態様に係る前腕の断面側面図である。
図15A】一実施態様に係るエンドエフェクターの斜視図である。
図15B】一実施態様に係るエンドエフェクターの斜視図である。
図16A】一実施態様に係る単極焼灼器の接続の概略図である。
図16B】一実施態様に係る双極焼灼器(cauter)の接続の概略図である。
図17A-23C】いくつかの実施に係るスリーブのいくつかの図を示す。
図24A-30B】開示されるシステム、デバイス、および方法の様々なさらなる実施を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に開示される様々なシステムおよびデバイスは、医療手順およびシステムでの使用のためのデバイスに関する。より具体的には、様々な実施態様は、ロボットデバイスを含む様々な医療機器および関連する方法およびシステムに関する。
【0017】
本明細書に開示されるロボットデバイスの様々な実施態様および関連する方法およびシステムは、任意の他の公知の医療機器、システム、および方法に組み込むことができ、またはそれらとともに用いることができることが理解される。
【0018】
本明細書に開示されるロボットデバイスの様々な実施態様および関連する方法およびシステムは、任意の他の公知の医療機器、システム、および方法に組み込むことができ、またはそれらとともに用いることができることが理解される。例えば、本明細書に開示される様々な実施態様は、米国特許8,968,332(2015年3月3日に発行された、表題「Magnetically Coupleable Robotic Devices and Related Methods」)、米国特許8,834,488(2014年9月16日に発行された、表題「Magnetically Coupleable Surgical Robotic Devices and Related Methods」)、米国特許出願14/617,232(2015年2月9日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices and Related Methods」)、米国特許出願11/966,741(2007年12月28日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Visualization and Device Manipulation」)、米国特許出願61/030,588(2008年2月22日に出願)、米国特許8,343,171(2013年1月1日に発行された、表題「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」)、米国特許8,828,024(2014年9月9日に発行された、表題「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」)、米国特許出願14/454,035(2014年8月7日に出願された、表題「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」)、米国特許出願12/192,663(2008年8月15日に出願された、表題Medical Inflation,Attachment,and Delivery Devices and Related Methods」)、米国特許出願15/018,530(2016年2月8日に出願された、表題「Medical Inflation,Attachment,and Delivery Devices and Related Methods」)、米国特許8,974,440(2015年3月10日に発行された、表題「Modular and Cooperative Medical Devices and Related Systems and Methods」)、米国特許8,679,096(2014年3月25日に発行された、表題「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」)、米国特許9,179,981(2015年11月10日に発行された、表題「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」)、米国特許出願14/936,234(2015年11月9日に発行された、表題「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」)、米国特許8,894,633(2014年11月25日に発行された、表題「Modular and Cooperative Medical Devices and Related Systems and Methods」)、米国特許8,968,267(2015年3月3日に発行された、表題「Methods and Systems for Handling or Delivering Materials for Natural Orifice Surgery」)、米国特許9,060,781(2015年6月23日に発行された、表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」)、米国特許出願14/745,487(2015年6月22日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」)、米国特許9,089,353(2015年7月28日に発行された、表題「Robotic Surgical Devices, Systems,and Related Methods」)、米国特許出願14/800,423(2015年7月15日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、米国特許出願13/573,849(2012年10月9日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、米国特許出願13/738,706(2013年1月10日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」)、米国特許出願13/833,605(2013年3月15日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、米国特許出願14/661,465(2015年3月18日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」)、13/839,422(2013年3月15日に出願された、表題「Single Site Robotic Devices and Related Systems and Methods」)、米国特許9,010,214(2015年4月21日に発行された、表題「Local Control Robotic Surgical Devices and Related Methods」)、米国特許出願14/656,109(2015年3月12日に出願された、表題「Local Control Robotic Surgical Devices and Related Methods」)、米国特許出願14/208,515(2014年3月13日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Robotic Surgical Devices,End Effectors,and Controllers」)、米国特許出願14/210,934(2014年3月14日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Force Control Surgical Systems)、米国特許出願14/212,686(2014年3月14日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、米国特許出願14/334,383(2014年7月17日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、米国特許出願14/853,477(2015年9月14日に出願された、表題「Quick−Release End Effectors and Related Systems and Methods」)、米国特許出願14/938,667(2015年11月11日に出願された、表題「Robotic Device with Compact Joint Design and Related Systems and Methods」)、および、米国特許出願62/338,375(2016年5月18日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、および、米国特許7,492,116(2007年10月31日に出願された、表題「Robot for Surgical Applications」)、7,772,796(2007年4月3日に出願された、表題「Robot for Surgical Applications」)、および、8,179,073(2011年5月15日に出願された、表題「Robotic Devices with Agent Delivery Components and Related Methods」)に開示される任意の医療機器およびシステムに組み込まれ得て、またはそれらとともに用いられ得て、その全てが、それらの全体で参照により本明細書中に援用される。
【0019】
上記に挙げた出願に開示される特定のデバイスおよびシステムの実施は、本明細書に開示されるものと同様の支持コンポーネンと組み合わせて、患者の体腔内に配置され得る。本明細書において用いられる「インビボのデバイス」は、患者の体腔内に配置されている間、ユーザーによって少なくとも部分的に配置、操作、または制御され得る任意のデバイスを意味し、支持コンポーネント(例えば、ロッド、または、体腔の開口部またはオリフィスを通って置かれる他のそのようなコンポーネント)に連結される任意のデバイスを含み、また、実質的に患者の体腔の壁に対してまたは隣接して配置される任意のデバイスも含み、さらに、内部作動される(原動力の外部源を有さない)任意のそのようなデバイスを含み、加えて、外科的手順中に腹腔鏡または内視鏡的に用いられ得る任意のデバイスを含む。本明細書において用いられる用語「ロボット」および「ロボットデバイス」は、コマンドに応答して、または自動的のいずれかで、タスクを行なうことのできる任意のデバイスを指す。
【0020】
特定の実施態様は、空洞の十分な通気を維持しながら、空洞内への本発明の挿入を提供する。さらなる実施態様は、挿入プロセス中に、本発明と外科医または外科的ユーザーの物理的接触を最小限化する。他の実施は、患者および本発明に関する挿入プロセスの安全性を高める。例えば、一部の実施態様は、システム/デバイスと患者との間に、損傷させる接触が生じないことを保証するために、患者の空洞内へ挿入される際に本発明の視覚化を提供する。加えて、特定の実施態様は、切り込みのサイズ/長さの最小限化を可能にする。さらなる実施は、アクセス/挿入の手順、および/または、手順に要するステップの、複雑性を低減させる。他の実施態様は、最小プロファイル、最小サイズを有し、または、一般に取り扱いおよび使用の簡易性を高めるために機能および外観が最低限である、デバイスに関する。
【0021】
本明細書に開示される特定の実施は、様々な構造に組み立てられ得る「コンビネーション」または「モジュール」の医療機器に関する。本出願の目的に関し、「コンビネーションデバイス」および「モジュールデバイス」は両方とも、様々な異なる構造に配列され得るモジュールまたは交換可能なコンポーネントを備える任意の医療機器を意味する。また、本明細書に開示されるモジュールコンポーネントおよびコンビネーションデバイスは、セグメント化された三角形または四角形の形をしたコンビネーションデバイスも含む。三角形または四角形の構造を形成するために連結されるモジュールコンポーネント(本明細書において「セグメント」とも呼ぶ)で作り上げられるこれらのデバイスは、より大きなコンポーネントまたはより多くの操作コンポーネントに用いられ得るデバイス内の実質的なペイロード空間も提供しながら、使用中、てこ作用(leverage)および/または安定性を提供することができる。上記に開示および記述される様々なコンビネーションデバイスと同様に、一実施態様によれば、これらの三角形または四角形のデバイスは、上記に記述および開示されるこれらのデバイスと同様の方法で、患者の体腔内部に配置することができる。
【0022】
本明細書に開示または検討される特定の実施態様は、結腸切除、より下の胃腸の疾患、例えば、憩室炎、クローン病、炎症性腸疾患および結腸癌を有する患者を治療するために行なわれる外科的手順のために用いられ得る。公知の結腸切除手順のおよそ3分の2は、8〜12インチ切開および6週までの回復時間を伴う完全に開放の外科的手順を介して行なわれる。手順の複雑な性質のために、既存のロボット支援型外科的デバイスは、結腸切除外科的処置には滅多に用いられず、事例の3分の1では手による腹腔鏡下アプローチのみが用いられる。対照的に、本明細書に開示される様々な実施は、公知の技術によって典型的に「開放」で行なわれる様々な手順に対して低侵襲アプローチで用いられ得て、臨床転帰および健康管理コストを改善する潜在性を有する。さらに、本明細書に開示される様々な実施は、患者の外側から体の中に到達する公知のメインフレーム様の腹腔鏡下外科的ロボットの位置において任意の腹腔鏡下外科的手順のために用いられ得る。すなわち、本明細書に開示される低侵襲性ロボットシステム、方法、およびデバイスは、小さくて、患者の腹部において単一の切開を通してそれらの全体で挿入される自己包含外科的デバイスを特徴とする。既存のツールおよび外科医に親しみのある技術を利用するように設計されるので、本明細書に開示されるデバイスは、専用の手術室または特別な基盤施設を必要とせず、そして、それらのさらにいっそう小さなサイズのために、腹腔鏡下外科的処置のための既存のロボットの代替法よりも著しく費用が掛からないことが期待される。これらの技術的利点のため、本明細書における様々な実施態様は、今日において開放外科的処置で低侵襲アプローチの手順が行われるのを可能にし得る。
【0023】
図1A〜1Gに示されるように、特定の例示的な実施態様は、動作可能に連結された2つのアーム14、16を備える本体12を備えるデバイス10、および、その中に配置可能なカメラコンポーネント18に関する。すなわち、デバイス10は、第一の(または「右」)アーム14、および、第二の(または「左)アーム16を備え、その両方とも、以下にさらに詳細に述べられるように本体12に動作可能に連結される。本体12は、示されるように、ケーシング(「カバー」または「エンクロージャ」とも呼ばれる)20を備える。本体12は、「デバイス本体」20とも呼ばれ、2つの回転可能な円柱状のコンポーネント(「ハウジング」および「タレット」とも呼ばれる):第一の(または「右」)ハウジング22および第二の(または「左」)ハウジング24を備える。アーム14、16は、それぞれ、上腕(本明細書において、「内腕」、「内腕アセンブリ」、「内部リンク」、「内部リンクアセンブリ」、「上腕アセンブリ」「第一のリンク」、または、「第一のリンクアセンブリ」とも呼ぶ)14A、16A、および、前腕(本明細書において、「外腕」、「外腕アセンブリ」、「外部リンク」、「外部リンクアセンブリ」、「前腕アセンブリ」、「第二のリンク」、または、「第二のリンクアセンブリ」とも呼ぶ)14B、16Bも備える。右上腕14Aは、右肩関節26で本体12の右ハウジング22に動作可能に連結されて、左上腕16Aは、左肩関節28で本体12の左ハウジング24に動作可能に連結される。さらに、アーム14、16のそれぞれに関して、前腕14B、16Bは、肘関節14C、16Cで上腕14A、16Aに回転可能に連結される。
【0024】
例示的な実施では、示されるように、アーム14、16のそれぞれは、前腕14B、16Bの遠位端に動作可能に連結されたエンドエフェクター30、32も備える。またエンドエフェクターは、本明細書において「操作コンポーネント」と呼ぶこともできて、本明細書において、様々な実施態様が以下にさらに詳細に述べられる。
【0025】
一実施では、アーム14、16のそれぞれは、6自由度を有する。すなわち、以下にさらに詳細に説明されるように、アーム14、16はそれぞれ、肩関節26、28で3自由度、肘関節14C、16Cで1自由度、および、エンドエフェクター30、32で2自由度を有する(それは、特定の実施態様では、回転されることができ−エンドエフェクターのロール−および、開かれる/閉じられることができる)。したがって、各アーム14、16の6自由度は、人の腕の自由度と類似する(それも、肩で3自由度および肘で1を有する)。4自由度を有するアーム(2自由度を有するエンドエフェクターを備える)の一つの利点は、エンドエフェクターが、同一のデカルト点において多数の配向を有することができることである。この追加の巧妙さは、外科医または他のユーザーをより自由にさせて、および、デバイスを操作している間の制御をより直感的にすることを可能にする。
【0026】
カメラコンポーネント18は、一実施態様に係る図1Gに示されるように、本体12に簡単に挿入されて、そして取り外される。示されるように、カメラコンポーネント18は、ハンドル40、カメラ本体またはチューブ42、カメラレンズ48を備える遠位チューブ末端18A、および、ハンドル40の遠位端に規定される2つの肩44、46を備える。すなわち、第一の肩44は第一の直径を有し、第二の肩46は第一の直径よりも大きな第二の直径を有する。
【0027】
一実施態様によれば、図2A、2B、および2Cは、密封された電気接続またはコネクター50、52、支持ロッド54、ラッチ56、および、本体12内に規定された開口部60を備えるヘッド58を備える、デバイス本体12の近位端を示す。本明細書において図25A〜Cに関して述べられるように、これらの実施では、支持ロッドは、使用のためにデバイスを配置するために支持アームに取り付けられるように構成される。
【0028】
様々な実施では、電気コネクター50、52は、ロボット機能性に必要なロボット電力およびバス通信を提供することができ、電力および通信コネクター、双極焼灼器コネクターおよび単極焼灼器コネクター、例えばLEMO(登録商標)プッシュプル円形コネクターを含む。特定の実施では、3つのコネクターが提供され得る。図2A〜Cの実施では、第一の電気コネクター50は、ロボット電力およびバス通信を送信および受信するように構成されて、第二の電気コネクター52は、単−および双−極性の組み合わせた焼灼器の接続性のために構成される。あるいは、3つのコネクターは、単一の統合カスタムコネクターへと組み合わされ得る。また、さらなる代替では、図3D〜Fに示されるように、ロボットに直接組み込まれた単一のケーブル53が提供され得る。密封されて、緊張が解かれたケーブル出口位置は、その結果、コネクター50、52の代わりにこの位置に存在することが理解される。
【0029】
これらの実施によれば、開口部60は、本体12の長さを通って規定されるルーメン62と流体連通している。ルーメン62は、カメラコンポーネント18を受け入れるように構成されて、受け入れ部分(本明細書において「ソケット部分」または「ソケット」とも呼ばれる)62A、シール部分62B、および、伸長部分62Cを備える。
【0030】
特定の実施では、ソケット部分62Aは、「ぴったり合う」ように構成されて、すなわち、カメラコンポーネント18ハンドル40と嵌合して、全ての負荷と反応または抵抗し、または、全ての回転および並進運動を防止するように構成される。様々な実施では、ラッチ56は、カメラコンポーネント18の留め金部分72に連結することが可能であるようにソケット部分62A内に配置される。
【0031】
様々な実施では、シール(単数または複数)63A、63Bは、ルーメン62内に配置されたときにカメラ18の周りに流体シールを維持するようにシール部分62B内に提供される。シール部分62Bは、受け入れ部分62Aに関して遠位であり、図2C〜3Fに関して説明されるように、ルーメン62の壁68に対してシール(単数または複数)63A、63Bを収容するように構成される。
【0032】
図2Cおよび図3A〜Fに示される実施では、デバイスは、ワンウェイダックビルシールである第一のシール63Aを利用するが、様々な他のワンウェイシールが代替の実施態様において用いられ得ることが理解される。これらの実施では、第二のシール63B−それはOリング担体シールであってよい−が、第一のシール63Aの近位に配置されてもよい。図3Aおよび図3C〜Fに示されるように、様々な実施では、Oリング担体シール63Bは、第一のシール63Aを遠位に促すように構成されたOリング65を備える。様々な実施では、Oリングは、カメラコンポーネント18に対するシールを提供することができ、一方で、Oリング担体シール63Aは、本明細書に記載のようにガスまたは流体の漏れに対して、ルーメン62Aに対するシールを提供することができることが理解される。
【0033】
以下に説明されるように、これらの実施では、シールが設置されると、Oリング担体シール63Bは、第一のシール63Aのリップ63A1上を圧迫して、それにより、ハウジングの内壁に対してシールを作成する(67に示される)。第一および第二のシール63A、63Bの使用は、特定の実施では、本明細書に記載の特定の利点を提供する。カメラコンポーネント18が存在しない状況では、腹腔からの圧力がワンウェイダックビルシール63Aを閉じさせて、その圧力の喪失を防ぐ。カメラが存在する状況では、カメラおよびチューブ42はダックビルシール63Aを開かせて、ルーメン62への通路を可能にして、一方で、Oリング65およびOリング担体シール63Aは、それぞれ、剛性カメラチューブ42およびルーメン62に対してシールして、空洞の圧力を維持する。さらなる実施がもちろん可能であることが理解される。
【0034】
図3A〜Fに示されるように、様々な実施では、細長い挿入コンポーネント15が提供されて、それは、交換および/または清掃のためにシール(単数または複数)63A、63Bの挿入および除去を可能にする。図3A〜Cに示されるように、挿入コンポーネント15は、Oリング担体シール63Bのようなシールに嵌合して、ルーメン62内に配置されている間にシールの回転位置を維持するように構成された、取付突起13A、13Bを備えるシール連結リング13を備えることができる。様々な実施では、突起部17は、シールを所定の位置に固定するように提供されてもよい。図2Cに戻り、受け入れ部分62Aの遠位端は、挿入コンポーネント15を受け入れるように構成された肩64によって規定される。少なくとも1つのチャネル66は、示されるように、ルーメン62および肩64の部分に規定されて、突出(単数または複数)67A、67Bがチャネル66内に配置されてそれに沿ってスライドされ得て、それにより、シール63A、63Bがルーメン62内の位置に配置およびロックされるのを可能にするように、Oリング担体シール63B上に配置された対応する突出(単数または複数)67A、67Bを受け入れるように配置される。挿入コンポーネント15は、続いて、使用のためにシール63A、63Bがルーメン62内に含まれるように取り除かれ得る。
【0035】
より具体的には、チャネル66は、長手方向の長さ66Aおよび半径方向の長さ66Bを有するルーメン62内に規定される。特定の実施では、チャネル66は、長手方向の長さ66Aに沿って先細である。したがって、突出67Aは、長手方向の長さ66Aに配置されて、挿入コンポーネント15は、突出67Aが長手方向の長さ66Aの末端に到達するまで遠位に進行する。この時点で、挿入コンポーネント15は、突出67Aが半径方向の長さ66Bに沿って進行するようにその縦軸の周りで回転され得る。図3Bに示されるように、取付突起13A、13Bは、この回転の間、挿入コンポーネント15に対するOリングシール63Bの回転を防ぐことができる。さらに、剛性Oリング65は、この回転およびロックの結果としてそれが所定の位置に固定されるように、第一のシール63Aに対して十分な遠位力を提供する。ルーメン内のシール63A、63Bの生じる連結は、シール63A、63Bを除去せずに使用するために、ユーザーが、カメラコンポーネント18をシール63A、63Bに通すのに十分強固な機械的連結である。
【0036】
図4A〜Hは、カメラコンポーネント18の例示的な実施を示す。この特定の実施におけるカメラコンポーネント18は、図1A〜Bに示されるように、ロボットデバイス本体12の中に取り外し可能に組み込まれるように構成される。より具体的には、カメラコンポーネント18は、カメラコンポーネント18が、近位開口部60、受け入れ部分を通って、受け入れ部分62Aの中へ、シール部分62Bおよびシール(単数または複数)63A、63Bを通って、および、カメラコンポーネント18Aの遠位部分およびカメラレンズ48が遠位開口部60Aから突き出るように伸長部分62Cの中に挿入されるように、デバイス本体12内に規定されたルーメン62を通って取り外し可能に配置されるように構成される。(図1Aに最もよく示される)。
【0037】
図4A〜Hに示されるように、このカメラコンポーネント18の実施態様は、コントローラー(「ハンドル」とも呼ばれる)40、および、ハンドル40にその近位端で動作可能に連結された細長いコンポーネント(本明細書において「チューブ」とも呼ばれる)42を備える。図4Cに最もよく示されるように、チューブ42は、剛性部分42A、柔軟部分42B、および、光学部分42Cを備える。したがって、これらの実施では、カメラコンポーネントは、2自由度を有する:パン(左右の回転)、および、外科的作業場において「上下」を見ることを意味するチルト。これらの自由度のさらなる議論は、図10に関して見ることができる。
【0038】
一実施態様では、ハンドル40は、チューブ42のパンおよびチルト機能を作動するためのアクチュエーターおよび関係がある機構(図4Hに関して最もよく示される)とともに、映像伝送のためのローカル電子装置を備えるように構成される。ローカル電子装置、アクチュエーター、および関係がある機構は、公知の標準的なコンポーネントであってよいことが理解される。さらなる実施では、ハンドル40は、ライトエンジンを備えてもよい。あるいは、ライトエンジンは、別個のコンポーネントであってよく、そして、ライトケーブルは、ライトエンジンをハンドルに動作可能に連結することができる。
【0039】
一実施によれば、チューブ42の剛性部分42Aは実質的に剛性であり、必要に応じて、光学部分42C内の光学コンポーネントをハンドル40に動作可能に連結するための適切なワイヤおよび光ファイバーを備える。剛性部分42Aの実質的な剛性は、ルーメン62の中への簡単な挿入を含むチューブ42の簡単な操作を可能にする。
【0040】
一実施態様に係る柔軟部分42Bは、図4Bの直線構造および図4Cに示される傾斜構造の間、またはその間の任意の位置の光学部分42Cの移動を可能にするように構成される。光学部分42Cは実質的に剛性であり、剛性部分42Aと非常に似ていて、そして、光学素子を適切なローカル電子装置とともに備える。
【0041】
したがって、この実施のカメラコンポーネント18の様々な実施は、機械的な2自由度:パン(左/右を見る)およびチルト(上/下を見る)を有する。使用では、カメラコンポーネント18は、ハンドル40内の電子装置およびアクチュエーターによって電力供給および制御されるパンおよびチルト機能を有する。様々な実施では、ハンドル40は、図5A〜Dにさらに詳細に示されるように、ラッチ56と嵌合するように構成されたカメラ留め金72およびボタン70をさらに備える。
【0042】
チルト機能は、図24A〜Dに関してさらに述べられるように、カメラ48が所望の作業場へ配向するように、光学部分42Cを傾斜させることに関する。この傾斜は、例えば図4Cおよび図7A〜Bに示されるように、ケーブルの作動が、柔軟部分42Bを曲げることによって光学部分42Cを傾斜させるように、柔軟部分42Bまたは光学部分42Cに動作可能に連結されたケーブルを介して達成され得る。あるいは、このチルト機能は、チューブ42を柔軟部分42Bで曲げるための任意の他の公知の機構または方法によって達成され得る。
【0043】
図5A〜7Bの実施に示されるように、カメラコンポーネント18は、カメラ48、チューブ42および他の操作コンポーネントの操作および動作が可能な、いくつかの内部の電気的および機械的コンポーネントを収容する。様々な実施では、カメラコンポーネント18は、ルーメン62へのコンポーネント18の挿入を検出するように構成された存在感知システムを備える。さらに、損傷を防ぐために、特定の実施態様では、カメラコンポーネント18は、チューブ42が「直線」(チルト=0度)構造でない限りカメラコンポーネント18を取り外すことができないような「機械的ロックアウト」を提供するように構成される。
【0044】
上述のように、図5A〜Bは、カメラコンポーネント18が本体12のルーメン62に挿入されている場合の、デバイス10の実施を示す。これらの実施では、シール部分62B内のシール63A、63Bの配置に続いて(図3A〜Fに関して説明)、カメラコンポーネント18がルーメン62に挿入され得て、ラッチ56が係合される。
【0045】
図5Cに示されるように、特定の実施では、カメラコンポーネント18は、光ガイドポスト74、作動コネクター76、および/または、同軸コネクター78を備える。様々な実施では、光ガイドポスト74は、外部の光発生器からカメラ内の光ファイバーへの光の移行を促進させる。作動コネクター76は、電力および通信機能、例えば、図26〜29Dに関して以下に述べられるロボットおよびカメラの電力および通信機能を提供することができる。様々な実施では、同軸コネクター78は、図7Cおよび26Aに関して本明細書に記載されるビデオシグナルの伝達のような、さらなる機能を提供することができる。様々な実施では、光ファイバーケーブル80は、光ガイドポストと操作上および光で通信していて、ルーメン中に遠位に伸長する(図示せず)。さらに、図5E〜Fに関してさらに述べられるように、通信ライン82は、これらの実施において光ファイバーケーブル80とともに伸長する。
【0046】
図5C〜Eの実施は、機械的ロックアウトを備えるカメラコンポーネント18の一実施を示す。特定のこれらの実施では、ハンドルボタン70を下に押すことは、チルト=0度の場合にカメラコンポーネントの取り外しを可能にするようにチューブ42を直線配向に再配向させるのを作動することができる。この実施では、カメラ留め金72は、留め部材84上に配置されて、それはまた、ボタン70を備えてもよく、ボタン70を押すことは、カメラハウジングに回転連結された留め金ピボット86の周りで留め部材の旋回をもたらし(図示せず)、留め部材に隣接して配置されたプランジャー88が、ボタン70の作動に応答して内側に促されるのが可能である。
【0047】
様々な実施では、プランジャー88の末端88Aは、リードスクリューナット90内でスロット90Aと並び、それは、以下にさらに詳細に説明するように、カメラチルトに応答して線形並進される。これらの実施では、スロット90Aおよびプランジャー88の並びは、カメラチューブ42が「直線」配向である場合にのみ生じる。これらの実施では、アームが取り外された場合に−わずかでさえ−アームが制限スイッチ94をトリガーして、「直線になれ(go−straight)」サブルーチンを開始して、それにより、カメラを直線にするように、プランジャーはトリガーアーム92にも固定して取り付けられる。プランジャー88の長さは、これらの実施では、スロット90Aが並んでいない場合に留め金72がロボットから外れないように、カメラが傾斜している場合はスロット90Aに入ることができないようになっている(図5E〜6Dに関して以下に説明される)ことが理解される。
【0048】
特定の実施では、「直線になれ」サブルーチンは、プランジャー末端88Aがスロット90Aに入るかどうかにかかわらず、ボタン70の作動に応答してトリガーされることが理解される。これらの実施では、図5Eに最もよく示されるように、リードスクリューナット90の非スロット部分(概して91に示される)およびプランジャー末端88Aの間の空間は、留め金72Aとラッチエッジ56Aとの間のオーバーラップの距離未満であり(図5Bに示される)、それにより、留め金が外れるのを防止する。これらの実施では、トリガーアーム92と制限スイッチ94との間の距離もまた、プランジャー末端88Aがスロット90Aに入るか入らないかにかかわらず、ボタン70の作動に応答して制限スイッチ94が作動されるように、リードスクリューナット90の非スロット部分(91に概して示される)およびプランジャー末端88Aの間の空間の間の距離未満である。特定の実施では、アクチュエータースプリング96は、プランジャーを外側に促すようにプランジャー88に動作可能に連結されて、それにより、使用中でない場合に留め金72およびボタン70の張力を維持する。
【0049】
図5E〜Gの実施に最もよく示されるように、カメラチルトは、ハンドル40内に配置されたチルトアクチュエーター100によって駆動される。チルトアクチュエーター100は、これらの実施では、6mm Maxon BLDCモーター、または他のそのようなアクチュエーターであってよい。これらの実施では、チルトアクチュエーター100は、リードスクリューナット90において並進運動を引き起こすことが可能である。これらの実施では、チルトアクチュエーター100は、駆動歯車104に連結された遊星ギアヘッドおよび平歯車102を駆動する。これらの実施では、駆動歯車104は、リードスクリュー106と回転連通している。これらの実施では、リードスクリューナット90内でのリードスクリュー106の回転は、リードスクリューナット90および場合により、リードスクリューナット90外部に固定して取り付けられたケーブルカプラーアセンブリ108の並進動作を引き起こす。これらの実施では、リードスクリューナット90は、回転連結されるが、リードスクリュー106の回転がリードスクリューナット90の線形並進を引き起こすように、パンシャフト112から線状に分離されることが理解される。様々な実施では、作動ケーブル(図5F〜Gに120A、120Bで最もよく示される)は、リードスクリューナット90およびケーブルカプラーアセンブリ108の並進がチルト作動を生じさせるように、カプラーアセンブリ108に固定して連結される。
【0050】
図5F〜Gに示されるように、様々な実施では、チルト機能は、以下の構造を介して達成され得る。この実施態様では、柔軟部分42Bは、肘関節124および一組のチルトケーブル120A、120Bを備え、ここで、チルトケーブル120A、120Bのそれぞれは、その遠位端で光学部分42Cに動作可能に連結される。様々な実施では、示されるように、ケーブル120A、120Bは、テフロン被覆材料120C、120Dを備える。これらの実施では、被覆材料は静止したままであり得て、一方で、中に配置されたケーブル120A、120Bは、本明細書に概して説明されるように被覆材料に対してスライドすることが可能である。
【0051】
第一のチルトケーブル120Aは、図5F〜Gに示され参照矢印Cによって指定されるように、ケーブル120Aを近位に促すことが、光学部分42Cをそのサイドで上へ傾けさせるように、示されるように関節124に関して光学部分42Cの一方のサイドで連結されるアクティブのチルトケーブル120Aである。第二のチルトケーブル120Bは、関節124および第一のチルトケーブル120Aに関して光学部分42Cの他方のサイドで連結されるパッシブのチルトケーブル120Bである。第二のチルトケーブル120Bは、ユーザーによって作動されない。その代わりに、第二のチルトケーブル120Bは、ケーブル120Bが近位方向に連続的に促されて、それにより、光学部分42Cを図4Bに示されるような直線構造に促すように、パッシブスプリング122によって所定のレベルの張力で維持される。
【0052】
したがって、図5F〜Gの実施では、光学部分42Cのデフォルトの位置は、直線構造である。すなわち、ケーブルカプラーアセンブリ108によってアクティブのチルトケーブル120Aに力がかけられていない場合、張力がかけられたパッシブのチルトケーブル120Bは、光学部分42Cを直線構造にさせる。ユーザーは、上述のように、リードスクリューナットを通してケーブルカプラーアセンブリ108の近位動作を引き起こすことができ、アクティブのチルトケーブル120Aを近位に促すのを引き起こして光学部分42Cを傾ける。他のアクティビティ、例えばボタン70を下に押すことに応答して、ケーブル120Aは、部分42Cがスプリング122およびリターンケーブル120Bによって、直線構造に戻るのを可能にさせられ得る。図4Bの直線構造は、カメラコンポーネント18をルーメン62内に配置すること、および、さらに、カメラコンポーネント18をルーメン62から同様に取り除くことを容易にさせる。使用では、ユーザーは、アクティブのケーブル120Aを近位に促して、光学部分42Cを所望/必要のとおりに傾けることができる。代替の実施態様では、システムは、システムが直線構造に移動するのを作動して、それにより、容易な挿入および/または除去を促進するように構成され得る、作動ボタン(または他のタイプのユーザーインターフェース)(図示せず)を備えてよい。
【0053】
パン機能は、図5G〜Fの矢印Dによって示されるように、チューブ42の縦軸の周りのチューブ42の回転を介して達成される。チューブの剛性部分42A、柔軟部分42B、および、光学部分42C(図示せず)は、部分42A、42B、42Cが互いに対して回転することができないように一緒に連結される。換言すれば、部分42A、42B、42Cは、単一ユニットとして一緒に回転する。チューブ42は、しかしながら、チューブ42がハンドル40に関して矢印Dによって示されるように回転することができるように、ハンドル40に回転可能に連結される。結果として、パン機能は、光学部分42Cを傾斜構造(例えば図5Fの構造)で配置してチューブ42をハンドル40に関して回転することによって提供される。これは、カメラコンポーネント18の周りを360度まで画像を潜在的にキャプチャーすることができるように、チューブ42軸の周りを光学部分42C内の光学コンポーネントが回転される結果となる。特定の実施では、パンは、図6A〜Bに示されるように、例えばハードストップ133によって、より小さな範囲、例えば100度に制限される。これらの実施では、ハードストップ33は、チューブ42およびチューブヘッド137(またはリードスクリュー106)とともに回転し、一方で、チューブハウジング135(またはリードスクリューナット90)は、固定された位置を維持し、それにより、ハードストップ133はチューブハウジング135を通って回転することが不可能であるので、チューブ42の動作の範囲を制限する。また、ハードストップ開口部133Aは、図6Aに示されるように、チューブヘッド137内にも提供され得る。特定の実施では、パン範囲の制限は、ワイヤのサービスループのためになされると理解される。
【0054】
したがって、図5F〜6Eの実施では、パン機能は、図6Aに最もよく示される、ハンドル40内に配置されたパンアクチュエーター130によって行われる。パンアクチュエーター130は、これらの実施では、6mm Maxon BLDCモーター、または他のそのようなアクチュエーターであってよい。これらの実施では、パンアクチュエーター130は、チューブ42内で回転運動を引き起こすことが可能である。これらの実施では、パンアクチュエーター130は、駆動歯車134に連結された遊星ギアヘッドおよび平歯車132を駆動する。これらの実施では、駆動歯車134は、パンシャフト112と回転連通していて、それは次々に、チューブ42と回転連通している。これらの実施では、パンシャフト112の回転が、光学部分42Cを含むチューブ42全体の回転を引き起こして、その結果、パン機能をもたらすように、パンシャフト112は、チューブ42に回転連結されることが理解される。図6B〜Dは、カメラハンドル40の内部コンポーネントのさらなる実施を示し、ハンドルハウジング内に配置されたパンアクチュエーター130およびチルトアクチュエーター100を示す(図示せず)。
【0055】
これらの実施では、パンアセンブリ(概して、128)は、グラウンドスロット136(回転しない)およびパンシャフトスロット138(回転する)を備え、両方とも、ワイヤ(図示せず)がスロット136、138を安全に通過し得てパン作動中に損傷されないように構成される。
【0056】
例えば、図6Eに示されるように、画像センサー電力/通信ライン82および光ファイバー照明ケーブル80は、支持体140の上に送られて、スロット136、138を通過して、カメラチューブ42に入り(in the to enter)、そして、レンズ48へ伸長する。少なくとも1つのハンドル剛性−屈曲PCBコンポーネント、または「PCB」142は、チルトおよびパンのような様々なカメラハンドル機能を制御するためにも提供される。特定の実施では、3つめの自由度が、デジタル(ソフトウェア)に基づくズームによって達成可能であることが理解される。
【0057】
図7Aおよび7Bは、柔軟部分42Bおよび遠位カメラコンポーネントの様々な内部図を示す。
【0058】
図7Aの実施は、他のパラメーターの中でも、視野(例えば、およそ90度)およびフィールドの深さ(およそ1’’〜6’’集束範囲)を最適化するように構成されたレンズのスタック48Aを備えるカメラレンズ48を備える。また、複数の光ファイバーライト160も、レンズハウジング162内に配置される。図7A〜Bに示されるように、様々な実施では、これらの光ファイバー160A、160B、160Cは、レンズ48の反対側(図7B)、または、レンズ48の放射状に周りにおよび/または「下」(図7A)に、配置され得る。これらの光ファイバー160A、160B、160Cは、例えば図6Fに関して上述されるように、ハンドルから下に伸長しているケーブル80A、80Bまたは光ファイバーケーブルと光通信している。
【0059】
図7A〜Bの実施では、画像センサー164(例えば、OmniVision 22720 IC、1080p @ 30fpsが可能)は、フレックステープ166上のレンズスタック48Aの後ろに配置される。これらの実施では、画像センサー164、または、フレックステープ166を通したMIPIフォーマットでのセンサー出力データは、次々に、軟性部分42Bを通ってスレッドされる。フレックステープ166は、カメラチューブの遠位端で剛性PCB168へ、終点166Aで終わる(図示せず)。軟性チューブ部分42Bは、図7Aの実施では、他の実施が可能であるが、前述したように複数の連接部材170A、170B、170Cを備えることが理解される。
【0060】
様々な実施態様では、図7Cに概して示されるように、フレックステープ166からのセンサー画像シグナル(ボックス170)は、PCB168上のFPGA(ボックス172)によって、MIPIからLVDSにカメラ(ボックス171)内で変換される。例示的な実施では、このLVDSシグナルは、それから、内部カメラハーネスを通って、カメラハンドル上のコネクターを通って、5’カメラピグテイルを通って、コネクターペアを通って、20’ハーネスを通って、外科医コンソール上のパネルマウントコネクターを通って、外科医コンソール内部ハーネスを通って、CCU(カメラ制御ユニット−ボックス173)上のパネルマウントコネクターに、内部CCUハーネスを通って、ドーターカードに伝達される。
【0061】
図7Cの実施では、CCU(ボックス173)は、LVDSシグナルをパラレルデータ(ボックス174および175)に変換して、それから、HDMI出力に変換する。HDMI出力は、外科医コンソールコンピューター(ボックス176)に届けられて、オンボードビデオプロセッシングカード(ボックス177)に届けられる。様々な実施では、それが見られる外科医コンソール(ボックス176)上のメインモニター(ボックス179)に、混合されたシグナルがパスされ得るように、ビデオプロセッシングカード(ボックス177)は、カメラフィードをGUIオーバーレイ(ボックス178)と混合する。このシグナルはまた、外科医コンソールコネクターパネル上のHDMI出力上にも写されて、そこで、補助モニターに送られる。使用され得る多くの異なるシグナル伝達プロトコル(protocal)が存在することが理解される。一例では、剛性チューブ42の遠位端における剛性PCB168は、その代わりに、MIPIデータをシリアルデータに変換し得て、シリアル化されたシグナルを同軸ケーブルに沿ってCCUに戻して伝達する。別の例では、ビデオプロセッシングカード(ボックス177)およびGUIオーバーレイ(ボックス178)は省略され得て、ビデオシグナルは、CCUからメインディスプレイに直接送られ得る。さらなる例では、ビデオシグナルは、外科医コンソールコネクターパネルの代わりに(またはそれに加えて)、メインディスプレイ(ボックス179)から写され得る。
【0062】
一実施態様に係る図8A〜Gおよび図9A〜Dは、本体12の内部コンポーネントを示し、それはこれらの図において、そのケーシング20なしで示される。図9B〜Cは、本体12の右半分および右アーム14Aを制御/作動する内部コンポーネントを示す。左アーム14Bを操作/制御/作動する左半分における内部コンポーネント(図示せず)は、本明細書において示されて説明されるものと実質的に同一であり、以下に提供される説明は、これらのコンポーネントに同様に等しく当てはまることが理解される。
【0063】
図8A〜Gは、本体12の内部構造または支持コンポーネントを備える。一実施では、本体12は、示されるように、内部トップキャップ200および内部支持シェル202を備える。これらのコンポーネントは、本体12の構造を維持し、その中に配置されるコンポーネントに関する構造的支持を提供する。図8Dは、本体12の遠位端の拡大図である。
【0064】
図8A〜Dと対照的に、図9B〜Cは、内部作動および制御コンポーネントをより良く示すために、本体12の内部作動および制御コンポーネントを、内部構造または支持コンポーネントを隠して示す。これらの内部作動および制御コンポーネントは、肩関節26、28で2自由度を提供するように構成される。
【0065】
一実施態様では、図9A〜Cに示される特定の内部コンポーネントは、本体12の縦軸と平行な軸Aの周りで肩関節26、28における回転を作動するように構成される(図9Aに最もよく示される)。軸Aの周りでのこの回転は、「ヨー」または「肩のヨー」とも呼ばれる。回転は、一態様では、以下のように生じる。ヨーアクチュエーター204、すなわち、この実施では、ヨーモーターアセンブリが提供される。ヨーモーターアセンブリ204は、ヨーモーターギア206に動作可能に連結されて、それは、ヨーモーターギア206の回転が被駆動歯車208の回転を生じさせるように被駆動歯車208に連結される。被駆動歯車208は、伝動シャフト210に固定して連結されて、それは、シャフト210の逆末端に伝道歯車212を備える。
【0066】
伝道歯車212は、被駆動歯車214に連結されて、それは、シャフト216に固定して連結される。マグネットを含むマグネットホルダー218もまた、伝道歯車212に動作可能に連結される。ホルダー218およびマグネットは、マグネットエンコーダー(図示せず)に動作可能に連結される。マグネットホルダー218、マグネット、およびマグネットエンコーダー(および、他の関節に関して本明細書において他のどこかで述べられるものと同様のコンポーネント)は、2012年8月8日に出願された米国仮出願61,680,809(その全体で参照により本明細書中に援用される)に開示される絶対位置センサーの1つまたは複数と同一または実質的に同様の絶対位置センサーのコンポーネントであることが理解される。シャフト216は、被駆動歯車214の回転がシャフト216の回転を生じさせて、したがって、図8Bおよび図9Bに示されるように軸Aの周りで(図10において軸Zにも示される)、ハウジング220の回転を生じさせるように、その遠位端において、回転可能なピッチハウジング220(図9A〜Bに最もよく示される)に固定して連結される。
【0067】
一実施によれば、図9Cに示される特定の他の内部コンポーネントは、本体12の縦軸に垂直な軸Bの周りで肩関節26、28の回転を作動するように構成される(図8Cおよび9Cに最もよく示される)。軸Bの周りのこの回転は、「ピッチ」または「肩ピッチ」とも呼ばれる。回転は、一実施態様では、以下のように生じる。ピッチアクチュエーター230、すなわち、この実施では、ピッチモーターアセンブリ230が提供される。ピッチモーターアセンブリ230は、モーターギア232に動作可能に連結されて、それは、モーターギア232の回転が被駆動歯車234の回転を生じさせるように、被駆動歯車234に連結される。被駆動歯車234は、伝動シャフト236に固定して連結されて、それは、シャフト236の逆末端に伝道歯車238を備える。伝道歯車238は、被駆動歯車240に連結されて、それは、シャフト242に固定して連結される。マグネットを含むマグネットホルダー244もまた、被駆動歯車240に動作可能に連結される。ホルダー244およびマグネットは、マグネットエンコーダー(図示せず)に動作可能に連結される。図9B〜Cに最もよく示されるように、シャフト242の部分は、上述のようにシャフト216のルーメン216A内に配置されて、ハウジング220の中に、シャフト216の遠位端の外へ伸長する。図9Cに最もよく示されるように、シャフト242の遠位端は、傘歯車244である回転歯車244に連結される。回転歯車244は、リンク歯車246に動作可能に連結されて、一実施によれば、それもまた傘歯車246である。リンク歯車246は、シャフト242の回転が回転歯車244の回転を生じさせて、それにより、リンク歯車246の回転を生じさせて、その結果、図9Dに最もよく示されて図10において軸Zでも示されるように、軸Bの周りでのリンク16Aの回転を生じさせるように、肩リンク16A(上述)に動作可能に連結される。
【0068】
この実施態様では、回転のこれらの2つの軸は連結される。すなわち、軸Aの周りでの回転のみ(純粋なヨー)が所望の場合は、その結果、「ピッチ駆動トレイン」(ピッチモーター230および軸Bの周りでの回転を達成するために必要な全ての連結された歯車およびコンポーネント)は、ピッチハウジング220と回転歯車244との間に相対的角変位が存在しないように、「ヨー駆動トレイン」(ヨーモーター204および軸Aの周りでの回転を達成するために必要な全ての連結された歯車およびコンポーネント)のスピードに合わせなければならない。対照的に、軸Bの周りでの回転のみ(純粋なピッチ)が所望の場合は、その結果、ピッチ駆動トレインが作動される間、ヨー駆動トレインは位置を保たなければならない。
【0069】
図9Aに示される一実施では、本体12は、本体内に配置された剛性−屈曲PCB250を備える。PCB250は、モーター204、230およびマグネットエンコーダー(図示せず)に動作可能に連結されて制御する。一実施では、図8F、9Aおよび他のどこかに示されるように、本明細書に記載の様々なアクチュエーターまたはモーターは、以下に述べるように、例えば、温度−感受性エポキシによって、温度センサー248が、コントロールユニットへの伝達のために、温度情報を各アクチュエーターから集めることができるように、モーターの表面上に配置された少なくとも1つの温度センサー248を備える。一実施態様では、本明細書において述べられて示される任意のモーターは、ブラシまたはブラシレスモーターであってよい。さらに、モーターは、例えば、6mm、8mm、または10mmの直径のモーターであってよい。あるいは、医療機器に組み込まれ得る任意の公知のサイズが用いられ得る。さらなる代替では、アクチュエーターは、コンポーネントの動作または作用を作動するために医療機器において用いられる任意の公知のアクチュエーターであってよい。本明細書に記載のモーターに用いられ得るモーターの例は、EC 10 BLDC + GP10A Planetary Gearhead、EC 8 BLDC + GP8A Planetary Gearhead、または、EC 6 BLDC + GP6A Planetary Gearheadを含み、それらは全て、マサチューセッツ州フォールリバーに位置するMaxon Motorsから市販される。例えば、DCモーター、ACモーター、永久磁石DCモーター、ブラシレスモーター、気力学、リモートモーターに対するケーブル、水力学の使用など、これらの動作を作動するための多くの方法が存在する。
【0070】
本明細書にも説明されるように、各リンク(本体、上腕、および前腕)は、埋め込まれたセンサー、増幅、およびコントロール電子装置を備える印刷回路基板(PCB)を備えてもよい。例えば、特定の実施では、同一のPCB168、250、290、320、328は、それぞれ1つが2つのモーターを制御する場合、全体を通じて用いられる。1つのPCBが前腕および上腕のそれぞれにあり、2つのPCBが本体内にある。また、各PCBは、完全な6軸の加速度計に基づく慣性計測装置およびモーターの温度をモニターするために用いられ得る温度センサーも備える。また、関節のそれぞれは、絶対位置センサーまたは増加位置センサーのいずれかまたは両方を備えてもよい。特定の実施では、一部の関節は、絶対位置センサー(マグネットエンコーダー)および増加センサー(ホール効果)の両方を備える。関節5&6は、増加センサーのみを備える。これらのセンサーは、モーター制御のために用いられる。関節は、多くの他のタイプのセンサーを備えてもよい。1つの可能な方法のより詳細な説明がここに含まれる。
【0071】
図10は、ロボットの動作を示す。図10に関して示されるように、肩関節26は、上腕14Aを本体12に接続する。肩ヨー(Zについてθ)、肩ピッチ(Zについてθ)、および、肩ロール(Zについてθ)は、球状のような関節を形成するように、大きく交差する3つの軸を有してよく、または有さなくてよい。肘関節14C(Zについてθ)は、上腕14Aを前腕14Bに接続する。それから、ツールはロールすることができる(Zについてθ)。最後に、ツール自体(またはエンドエフェクター)が、ツールを開閉するために用いられ得る動作を有する。このデザインの右アーム14は、左16の鏡像である。図11A〜14Cは、一実施態様によれば、右アーム14の内部コンポーネントを示す。左アーム16における内部コンポーネントは、本明細書に示されて説明されるものと実質的に同一であること、および、以下に提供される説明は、これらのコンポーネントに同様に等しく当てはまることが理解される。
【0072】
図11A〜Fおよび図12A〜Dは、一実施態様によれば、右上腕14Aの内部コンポーネントを示し、それは、図11A〜Eおよび図12A−Dにそのハウジング252なしで示される。より具体的には、これらの図は、右アーム14Aおよびその中の内部コンポーネントを示す。図12A〜Dは、アクチュエーター、駆動コンポーネント、および電子装置を備える右上腕14Aの内部コンポーネントを示し、内部コンポーネントをより良く示すために、内部構造または支持コンポーネントを隠している。図12A〜Dとは対照的に、図11A〜Fは、内部アクチュエーター、ドライブ、および電子工学コンポーネントの両方を備えるが、右上腕14Aの支持コンポーネントまたは内部構造も備える。
【0073】
一実施態様では、図11A〜Fおよび図12A〜Dに示される特定の内部コンポーネントは、右上腕14Aの縦軸と平行なθとしてのZの周りでの肩リンク26における回転を作動するように構成される(図10に最もよく示される)。この回転θは、「肩ロール」とも呼ばれる。回転は、一態様では、以下のように生じる。アクチュエーター260、すなわち、この実施では、モーターアセンブリ260が提供される。モーターアセンブリ260は、モーターギア262に動作可能に連結される。モーターギア262は、軸受ペア264によって支持される。モーターギア262は、モーターギア262の回転が被駆動歯車266の回転を生じさせるように、被駆動歯車266に連結される。被駆動歯車266は、被駆動歯車266の回転が、図10に示されるように軸Zの周りで上腕14Aの回転を生じさせるように、肩リンク(図示せず)に固定して連結される。被駆動歯車266は、軸受ペア268によって支持される。マグネットを含むマグネットホルダー270もまた、被駆動歯車266に動作可能に連結される。ホルダー270およびマグネットは、前述されたようにマグネットエンコーダーに動作可能に連結される。
【0074】
軸Zの周りでの肩リンク26の回転は、右上腕14A(したがって、前腕14B)を本体12に関して回転させる。一実施態様によれば、この回転は、以前の2アーム外科的デバイスでは提供されない追加の自由度を加える。
【0075】
一実施によれば、図11A〜12Dに示される特定の内部コンポーネントは、右上腕14Aの縦軸に垂直な軸Zの周りで肘リンク14Cにおいて回転を作動するように構成される(図3Cに最もよく示される)。軸Zの周りでのこの回転は、「肘ヨー」とも呼ばれる。回転は、一態様では、以下のように生じる。アクチュエーター272、すなわち、この実施では、モーターアセンブリ272が提供される。モーターアセンブリ272は、この実施態様ではベベル付き歯車であるモーターギア274に、動作可能に連結される。モーターギア274は、軸受276によって支持される。モーターギア274は、モーターギア274の回転が被駆動歯車278の回転を生じさせるように、被駆動歯車278に連結される。被駆動歯車278は、被駆動歯車278の回転が、図10に示されるように軸Zの周りで肘リンク14Cの回転を生じさせるように肘リンク14Cに固定して連結される。被駆動歯車278は、軸受ペア280によって支持される。マグネットを含むマグネットホルダーもまた、肘リンク14Cに動作可能に連結される。ホルダーおよびマグネットは、マグネットエンコーダー282に動作可能に連結される。一実施態様によれば、リンク歯車284および肘リンク14Cのさらなる連結は、さらなる外部低減(歯車284は、肘リンク14Cよりも少ない歯車の歯を有するので)、および、上腕14Aの短縮(それにより、動作の接合範囲を改善する)を含む特定の利点を提供し得る。歯車284は、磁気ホルダー282を上に備える別の歯車に連結される。さらに、この他の歯車(図示せず)は、それに取り付けられたトーションスプリングを備え、それは、抗反動デバイスとして機能する。
【0076】
図12A〜12Bに示されるように、上腕14Aは、その中に配置された少なくとも1つの剛性−屈曲PCB290を備えてよい。一実施態様では、PCB290は、モーター260、272および(ホルダー270に連結された)マグネットエンコーダーに動作可能に連結されて制御する。これらの実施では、フレックステープ292は、当業者に理解されるように、PCB290、モーター260、272およびマグネットエンコーダーと通信するために用いられ得る。別の実施態様によれば、少なくとも1つの連結コンポーネントは、上腕14Aと関連する。より具体的には、この実施では、電力/通信ラインおよび焼灼器電力ラインは、前述されたように、上腕14Aの近位端におけるポート(図示せず)を通って入り、遠位端におけるポート(図示せず)を通って出る。
【0077】
以下に記載されるように、前腕14B、16Bのそれぞれは、双極および単極の焼灼器エンドエフェクターの両方を可能にする、2つの電気的に単離された焼灼器回路も備える。特定の実施態様は、エンドエフェクターの容易な除去および交換を可能にするように構成される(「クイックチェンジ」構造)。さらなる実施態様は、機構の中に流体が進入するのを防ぐのを助けるシールエレメントを備える。
【0078】
図13A〜Gは、右前腕14Bの様々な実施態様を示す。図13B〜Gは、前腕14Bを、そのハウジング254なしで示す。本明細書に開示されて示される様々な実施は、以下にさらに詳細に説明されるように、ツールロールおよびツールドライブ(開/閉の動作)の両方を達成するために用いられ得るアクチュエーター、駆動コンポーネント、および電子装置を備える。以下に記載されるように、前腕14Bは、2つの電気的に単離された焼灼器回路も備え、双極および単極焼灼器エンドエフェクターの両方を可能にする。特定の実施態様は、エンドエフェクター300の簡単な除去および交換を可能にするように構成される(「クイックチェンジ」構造)。さらなる実施態様は、流体が機構の中に進入するのを防ぐのを助けるシールエレメントを備える。図13Bに示されるように、電力および通信ルーメン303および焼灼器ルーメン305は、ワイヤ(図示せず)が本体12から前腕に送られるのを可能にするために用いられ得る。
【0079】
一実施によれば、図13A〜Gおよび図14A〜Fに示される特定の内部コンポーネントは、右前腕14Bの縦軸に平行な軸Zの周りでエンドエフェクター300における回転を作動するように構成される(図10に最もよく示される)。軸Zの周りでのこの回転は、「ツールロール」とも呼ばれる。
【0080】
回転は、一態様では、以下のように生じる。図14Bに最もよく示されるように、アクチュエーター301、すなわち、この実施では、モーターアセンブリ301が提供される。モーターアセンブリ301は、この実施態様では平歯車であるモーターギア302に動作可能に連結される。モーターギア302は、モーターギア302の回転が被駆動歯車304の回転を生じさせるように、被駆動歯車304に連結される。被駆動歯車304は、ロールハブ306に固定して連結されて、それは軸受308によって支持される。ロールハブ306は、ツールベースインターフェース310に固定して連結されて、それは、エンドエフェクター300にネジで連結される雄ネジ310Aおよびツールルーメン311を有する。したがって、被駆動歯車304の回転は、ロールハブ306の回転を生じさせて、それは、ツールベースインターフェース310の回転を生じさせて、図10に示されるように、軸Zの周りでのエンドエフェクター300の回転を生じさせる。
【0081】
一実施態様では、図14Aおよび14Cに示される特定の内部コンポーネントは、エンドエフェクターが開閉するのを作動するように構成される。エンドエフェクターが開閉するようなエンドエフェクターアームの回転は、「ツールドライブ」とも呼ばれる。作動は、一態様では、以下のように生じる。アクチュエーター312、すなわち、この実施では、モーターアセンブリ312が提供される。モーターアセンブリ312は、この実施態様では平歯車であるモーターギア314に動作可能に連結される。モーターギア314は、モーターギア314の回転が被駆動歯車316の回転を生じさせるように、被駆動歯車316に連結される。被駆動歯車316は、雌ツールスプライン318に固定して連結されて、それは、軸受ペア320によって支持される。雌ツールスプライン318は、エンドエフェクター上の雄ツールスプライン機構とインターフェース接続して指示どおりにツールを開く/閉じるように構成される。
【0082】
一実施によれば、エンドエフェクター300は、以下の様式で、迅速かつ容易に、前腕14Bに連結および分離され得る。ロールおよびドライブ軸の両方を所定の位置に固定または維持してエンドエフェクター300が回転され得て、それにより、ネジ山310Aを連結または分離する。すなわち、エンドエフェクター300がある方向に回転される場合は、エンドエフェクター300が前腕14Bに連結されて、他の方向に回転される場合は、エンドエフェクター300が前腕14Bから分離される。
【0083】
システム10の様々な実施は、外科的処置中に組織を切断および凝固させるように、エンドエフェクター300にエネルギーを届けるようにも設計される。これは、焼灼器と呼ばれることがあり、多くの電気形態、ならびに、熱エネルギー、超音波エネルギー、およびRFエネルギーとして供給され得て、その全てがこのロボットを意図される。ここでは、電気外科的焼灼器が例として説明される。
【0084】
一実施態様によれば、図14D〜Fに示されるように、前腕14Bは、2つの非依存性の焼灼器チャネルを備え(本明細書において「チャネルA」および「チャネルB」と呼ばれる)、それは、この前腕14Bによって、双極または単極のいずれかの焼灼器エンドエフェクターの使用を可能にする。
【0085】
これらの実施では、チャネルAコンポーネントは、示されるように前腕14B内に前へ設置される。PCB328は、リードA342および/またはリードB344、外部電源に連結される焼灼器電力ライン(例えば以下に述べられる)から、電気的に単離される。PCB328は、モーター301、312と電子通信している少なくとも1つのフレックステープ330A、330Bに、さらに電気的に連結される。したがって、焼灼器ライン342においてリードAにエネルギーを与えることは、双極焼灼器エンドエフェクター300においてチャネルAにエネルギーを与える。
【0086】
図14E〜Fに示されるように、特定の実施では、エンドエフェクター300は、ローターコンタクト341A、341Bおよびステーターコンタクトまたはフープ345A、345Bが、ツールコンタクト330、332と電気通信しているように、ローターアセンブリ343A、343B内の前腕14B内に配置される。これらの実施では、焼灼器ワイヤは、前腕のバックプレート内のルーメン305を通って入る(図13Aに示される)。双極の前腕(導体のペアを用いる)については、導体Aは、ステーターフープA上のタブA342にはんだ付けされる。導体Bは、ステーターフープ345B上のタブB344にはんだ付けされる。単極の前腕については、1つの導体のみ存在するので、導体A342は、ステーターフープ345A上のタブA342にはんだ付けされて、他方のステーターフープ345Bは接続がない。
【0087】
様々な実施では、ステーターアセンブリ347は、2つのステーターフープ345A、345Bを備える。アセンブリ347は、前腕14Bに固定されて動かない。ローターアセンブリ343は、2つのローターリング341A、341Bを備える。ローター343は、軸受アセンブリ(図示せず)を通ってステーター347に同心円状に保持されて、ステーター347内で自由に回転する。ローターリング341A、341Bは、それぞれ、リーフスプリングコンタクトのペアを備え(図14Fに349A、349Bで最もよく示される)、それは、スリップリングに関する場合にステーターリング345A、345Bに対する電気接触を維持する。
【0088】
これらの実施では、ローターリング341A、341Bは、ローターアセンブリへ伸長して、エンドエフェクターは、近位端に向けて配置されたツールコンタクト330、332の対応するペアを備える。これらのツールコンタクト330、332コンタクトは、リーフスプリング突出も備えてよい。
【0089】
使用では、エンドエフェクター300がローター343内に適切に置かれると、エンドエフェクターツールコンタクト330、332のリーフスプリング突出は、電気接続を形成するようにローターリング341A、341Bの内周に対して押す。さらに、ローターは、その内面に沿って「矢形状」突出として備えてよく、中にリードを作り、したがって、ツールを設置すると自己整列して、一方で、エンドエフェクターは、調和するカットアウトを備えてよい。これらの実施では、エンドエフェクターが突出に挿入されると、カットアウトが、エンドエフェクターとローターアセンブリとの間でトルク移行機構を形成するように嵌合する。このようにして、ローターが、ロールモーターを介してスピンすると、エンドエフェクターがそれとともにスピンする。したがって、ローターアセンブリとエンドエフェクター300との間に相対運動は存在しない。
【0090】
一実施では、図15A〜Bに示されるように、前腕14Bは、単一または多数使用のために設計された、挿入可能な双極焼灼器ツール(図15Bにおける300A)、または、挿入可能な単極焼灼器ルール(図15Aにおける300B)が付いていてよい。
【0091】
これらの実施では、エンドエフェクター300A、300Bは、流体が前腕14Bに進入するのを防ぐのを助ける少なくとも1つの流体シールインターフェースを備える。1つのそのような機構は、一実施態様によれば、単一ピースのハウジング322である。図15A〜Bに最もよく示されるように、ハウジング322は、ハウジング322内に規定される溝内に配置されるOリング324を備えてよい。
【0092】
図15Aの双極ツール300Aの特定の実施態様では、ツール330Aの近位端に、2つのブロンズコンタクト330、332が存在する。挿入されると、これらのコンタクト330、332は、ロボットとツール300Aとの間に電気接続を作成するワイパーとインターフェース接続する。例えば米国出願14/212,686において前述したように(その全体で参照により援用されている)、ワイパーは、機械的ストラットによって一方の末端で支持される、張力がかけられたコンポーネントである。絶縁挿入物は、ワイパーと機械的ストラットとの間に配置される。そのフリー末端では、ワイパーは、プリローダーによって支持される。この構造に基づき、ワイパーは、ツールベースインターフェースに対して(リーフスプリングのように)負荷または促進されて、したがって、ツールベースインターフェースに電気的に連結される。ツールベースインターフェースは、エンドエフェクター28Aに機械的に連結されて、そのエンドエフェクターのチャネルBに電気的に連結される。これらの実施では、ワイパーおよびコンタクト330、332は、ワイパーとコンタクトとの間の電気的接触を維持しながら、相対的なツール動作(ツールロールまたはエンドエフェクターロール)が生じ得るように設計される。これらの2つの非依存性のコンタクト330、332は、それから、それぞれ、例えばソリッド銅ワイヤ334によって、ジョーのそれぞれに接続される。ツールは、非伝導性ディバイダー336を含むいくつかの技術を用いて互いから電気的に単離されたままである。電気エネルギーは、それから、2つのジョー338A、338Bの間に維持される組織に届けられる。この実施では、ジョーガイド340もまた提供される。
【0093】
図15Bの双極ツール300Bの特定の実施態様では、ツール330Bの近位端に2つのブロンズコンタクト330、332が存在する。挿入されると、これらのコンタクト330、332は、ロボットとツール300Bとの間に電気接続を作成するワイパーとインターフェース接続する。発生器(図16A〜Bに関して説明)からの単極エネルギーは、潜在的エネルギーがツール先端340に存在するように、1つの電気接続を介してツール300Bに流れる。エネルギーは、それから、リターンパッドを介して外科的ターゲットを通って発生器に戻る。ケーブルは、ロボットの使用および操作を単純化するように、コネクターを含んでよい。この図は、出て行くエネルギーがシールド化ケーブルを通って伝達されるという点で1つのさらなる機構を示し、シールドは、リターンパスに接続されてよく、またはされなくてよい。リターンパッドに接続されたシールドを備えることは、エネルギーが患者に漏れることを防ぐという点で、安全な機構であり得る。ここで、漏れたエネルギーは、シールドによって集められる可能性が非常に高く、発生器に安全に戻される。
【0094】
システムの様々な実施は、少なくとも1つの外部焼灼器発生器354およびそれぞれの単極300Bおよび双極300Bエンドエフェクターと電気通信した、単極焼灼器ライン350(図16Aに示される)および/または双極焼灼器電力ライン352(図16Bに示される)を備える。図16Aの実施では、単極焼灼器ライン352は、単一の同軸ケーブル352であり、それは、患者の体の上の他の場所の配置のためのリターンパッド356とも電気通信している。これらの実施では、シールド358Aは、中心導体358の周りに提供され得る。様々な実施では、シールド358Aは、前腕14Bにおいて遠位に終わるように(358Bで示される)、発生器354から本体12の中に中心導体358の長さを延長することができる。特定の実施では、当業者によって理解されるように放射線が漏れ出すのを防ぐために、シールド358をリターンパッド356および/または発電機354に電気的に縛り付けるシールドタイ360が提供される。
【0095】
図16Bの実施では、双極電力ライン352は、双極焼灼器ライン352A、352Bおよび外部焼灼器発生器354の間に電気通信を提供する。様々な実施では、単極350および/または双極ライン352A、352Bは、本体12に直接接続することができて、または、前述したように「ピグテイル」360A、360B、360Cによって接続される。
【0096】
図17Aに示されるように、別の流体シールは、別の実施態様によれば、アーム14、16の外側に配置された柔軟膜400(または「スリーブ」)の形態で提供され得る。図17Bに示されるように、特定の実施では、膜400は、遠位末端402で前腕ハウジング14B、16Bに取り付けられる。この膜400は、任意の外部流体に対してアーム14、16の内部コンポーネントのための流体シールを提供する役割を果たす。一実施では、エンドエフェクター300が前腕14B、16Bに連結されるか、または、されないかどうかにかかわらず、シールが維持される。
【0097】
大きな、または「嵩張る」膜は、前述したように、特にベルトを備える膜400については、カメラコンポーネント18の操作を妨げ得ることが理解される。様々な実施では、現在開示される膜400は、カメラ干渉を対処する。図18A〜Cから図22Cまでに関して本明細書において述べられるように、特定の実施では、膜400は永久であってよく、一方で、代替の実施では、図23A〜Cに示されるように、膜400は使い捨てであってよい。あるいは、膜400は、前述したように、金属ベローズで置き換えてもよい。
【0098】
様々な実施では、スリーブ400は、プラスチックの平らなピースから2Dパターンが切り出されるように、薄膜押出からパターンを切断することによって作り上げられ得て、それから、例えば超音波溶接によって2Dピースを一緒に接着することによってスリーブが形成される。あるいは、熱接着または接着剤を用いてスリーブが作られ得る。また、さらなる代替では、前述したように、成形プロセスを使用してこれらのスリーブが作られ得る。これは、浸漬成形、注入成形、または、他の公知の成形オプションを含んでよい。永久スリーブは、より分厚いプラスチック、または、耐久性を高めるための使い捨てスリーブではない他の材料から作られ得ることが理解される。
【0099】
図18A〜Cに示されるように、特定の実施では、永久膜400は、アーム14、16のそれぞれの上に配置される。これらの実施では、膜は、遠位端402に剛性終結コンポーネント404を備える。特定の実施では、図18Cに示されるように、終結コンポーネント404は、所定の位置に留めて、前腕ハウジング14B、16Bとシールするために、クリップする内部固定シール404Aを用いてよい。代替の実施では、膜400は、UV硬化生体適合性エポキシを用いて遠位端402で前腕ハウジング14B、16Bに直接接着され得る。また、さらなる実施では、遠位端402は、前腕ハウジングおよび前腕シャシーサブ構造(図19A〜Cに関して近位端に示される)の間の機械的なキャプチャーを用いて前腕ハウジングに取り付けられ得る。
【0100】
図19A〜Cの実施に戻り、近位端406では、Oリングアセンブリ408は、本体12内の対応する溝410の中に膜400を「締め付ける」ために用いられ得る。図19Cに示されるように、これらの実施では、外側本体ハウジング412は、取り付けられた膜400の上に提供され得る。代替の実施では、膜400は、UV硬化生体適合性エポキシを用いて近位端406において直接接着され得る。
【0101】
さらなる実施では、図20A〜20Bに示されるように、膜(図示せず)とともに屈曲−メッシュコンポーネント414を用いて、高度に接合された肘関節14Cにおける「スリーブせん断」を防止することができる。これらの実施では、メッシュ414は、肘14Cおよび肩(概して26、28)のようなアーム関節によって作られるピンチゾーンの中にスリーブが崩壊しないことを確実にする。
【0102】
図21A〜Cの実施では、半剛性スライドガイド420を用いて、永久膜400におけるスリーブせん断を防ぐことができる。これらの実施では、スライドガイド420は、膜がアームの関節の間の空間に入るのを防ぐように、膜(図示せず)の長さを伸長する(上述)。様々な実施では、半剛性ガイド420は、薄いテフロン、デルリン、または他の柔軟な低摩擦ポリマーで作られ得る。
【0103】
特定の実施では、図21A〜21Cに示されるように、半剛性ガイド420は、必要ならばガイドがアームに対して線状に動くのを可能にするように、示されるように前腕14Bまたは上腕の上(図示せず)のいずれかの1つの位置で、421に固定される。図21A〜21Cの実施では、半剛性ガイド420は、逆末端(ここでは、近位端)でガイドブッシング422内に配置される。このことは、ロボットが接合するときに、ガイドのスライドを可能にし、スリーブがピンチゾーンに入るのを防ぐための動くバリアを作ることが理解される。
【0104】
図22A〜Cの実施では、スリーブ形状は、多くの方法で最適化され得る。最適化は、アームが直線から曲がった構造になるときに、スリーブの長さの必要とされる変化の原因となる(accounting for)ことによって達成され得る。いくつかの異なる実施が用いられ得る。図22A〜Bの実施に示されるように、スリーブ400は、過剰材料−アームが曲げられる場合に必要とされる−が、アームが直線である場合には保管/管理されるように作り上げられ得る。図22Aは、「外側ボックス」プリーツ430を備えるスリーブ400を示す。図22Bは、「内側ボックス」プリーツ432を示す。図22Cは、「曲がった」スリーブ434構造を示す。あるいは、図22Cに示されるように、曲げがその動作範囲の中央まで曲げられたロボット肘に対応するように、曲げ構造434を有してスリーブを作り上げることによって、スリーブは、全体的なパラサイトトルクを低減するように改善されて、それは、作動中にスリーブによってロボットに適用されるトルクである。さらに、これらの実施は、低減されたバンチングおよび/またはストレッチングを有することを意味する改善された「フィット」を提供することができ(例えば、図23Bに示される)、清掃がよりしやすくなり得る。これらの最適化のそれぞれは、使い捨てスリーブにも適用され得る。
【0105】
図23A〜Cは、使い捨てスリーブ436の様々な実施を示す。様々な実施では、使い捨てスリーブ436は、設置しやすく生体負荷および流体に対するバリアを形成しなければならない。特定の状況では、スリーブ436は、前述したように、Oリング溝の中に留める、組み込まれたOリングを用いて取り付けられ得る。スリーブ436は、デバイス10にそれを取り付ける組み込まれた接着剤ストリップ437を用いて取り付けられてもよい。図23Bに示されるように、過剰なバンチング436Aは、スリーブが適切にサイズ化または最適化されていない場合に生じ得る。様々な実施では、接着剤ストリップ437は、近位終結部分の周りに最適に回転配置され得て(例えばロボットの腰において)、カメラがルーメンを出る所のような臨界ゾーン内に作られる材料を最小限化する。
【0106】
使用では、図24A〜Dは、例示的な実施に係るデバイス10の挿入および操作を示す。以前に図27A〜Cに関してさらに説明して述べたように、これらのステップは、別のポートから腹腔中に挿入された腹腔鏡448を用いて、例えばコンソール上にデバイス10が視覚化される間に達成され得る。
【0107】
図24Aに示されるように、挿入中、デバイス10は最初に、ゲルポート450の上に維持されて、それは、不規則な形状のデバイス10の周りをゲルポート450がシールする間、腹腔が隔離されたままであるのを可能にする。図24Bに示されるように、それから、ゲルポート450を通って(though)デバイス10が挿入される。肘14C、16Cは、それから、さらなる挿入を収容するように曲がることができる。それから、デバイス10は、図24Cに最もよく示されるように、アーム14、16が実質的に腹腔内にあるまで、さらに挿入され得る。これは、その結果、図24Dに示されるように、デバイス10が回転されて外科的処置のために所望の位置に移動するのを可能にする。
【0108】
図25A〜Bは、一実施に係る、ゲルポート450を示す。図25Aの実施態様では、ゲルポート450は、第一の452および第二の454開口部、または「スリット」を備える。特定の実施では、デバイス10のゲルポート450への通路は、アーム14、16の広がりを生じさせて、患者の損傷を生じさせ得る。これらの実施では、スリット452、454は、デバイス10の垂直配向での維持を促進する。特定のこれらの実施では、ゲルポート450は、アーム14、16を中心に促して、挿入中に広がるのを防ぐように構成された一組の半剛性コーラル456A、456Bを備える。
【0109】
図25Cに示されるように、特定の実施では、ロボットデバイス10は、ロボット支持アーム470の遠位端にクランプ固定(または他の方法で連結)される。支持アーム470の近位端は、手術台上の標準的な支持ストラットにクランプ固定または他の方法で連結される。この実施態様では、支持アーム470は、6自由度を有し、単一のノブによって手作業で解放される。使用では、ユーザーは、ノブを緩めることによって支持アーム470を解放することができ、ロボットデバイス10を適切な位置に移動させて、それからノブを締めて、それによって、アーム470を堅くして、ロボットデバイス10を所定の位置に固定する。市販される支持アーム470の一例は、Automated Medical Products Corpによって製造されるIron Intern(商標)である。
【0110】
使用では、図26Aに示される一実施態様によれば、システム500は、以下の様式で操作することができる。ユーザー−典型的には外科医−は、外科医コンソール502に自分自身を配置する。以下にさらに詳細に述べるように、コンソール502は、視覚ディスプレイ510、タッチスクリーン514、および、入力コンポーネント、例えば、フット入力デバイス(「フットコントローラー」とも呼ばれる)512、および、ハンド入力デバイス(「ハンドコントローラー」とも呼ばれる)518を備えてよい。ユーザーは、視覚ディスプレイ510を用いて患者の標的空洞内に配置されたロボット10に関するカメラ18からのフィードバックを見ながら、手でハンドコントローラー518を、足でフットコントローラー512を、および、手でタッチスクリーン(本明細書において「グラフィカルユーザーインターフェース」または「GUI」とも呼ばれる)514を、操作することによってシステム500を操作することができる。コンソール502は、この実施態様において、3つの異なる方法で、ロボット10およびそのコンポーネントに、連結される。すなわち、コンソール502は、コンソール502とロボット10との間の電力および通信の両方を運ぶケーブル502を介して、ロボット10自体に直接連結される。さらに、コンソール502は、コンソール502とカメラ18との間の電力および通信の両方を運ぶケーブル504を介して、ロボット10上のカメラ18にも連結される。さらに、コンソール502は、コンソール502と焼灼器エンドエフェクター300A、300Bとの間の電力および通信を運ぶケーブル506を介して、ロボット10上の焼灼器エンドエフェクター300A、300Bにも連結される(図16A〜Bに関して上述される)。他の実施では、コンソール502は、他の接続コンポーネントおよび/または他のロボットコンポーネントを介して、ロボット10に連結され得る。
【0111】
一実施態様によれば、図26B〜26Eに最もよく示されるように、コンソール502は、ハンドコントローラー518および/またはフットコントローラー512を用いてユーザーがロボットデバイス10を制御するのを可能にする。ハンドコントローラー518およびフットコントローラー512は、ロボットデバイス10の機能およびアームおよび他のコンポーネントの制御のために用いられ得る。様々な実施では、デバイス10は、ハンドコントローラー518および/またはフットコントローラー512を用いることによって制御されて、ハンドコントローラー518および/またはフットコントローラー512が動かされるのと同様にデバイス10を動かす。より具体的には、例えば、右ハンドコントローラー518を用いて、ロボットデバイス10の右アームを、ハンドコントローラー518の動作がデバイス10の右アームに同じ動作を再現またはシミュレートさせるように作動することができる。例えば、右ハンドコントローラー518がユーザーから外側に離れて伸長される場合は、デバイス10の右アームは、同じ方向にデバイス10から外側に離れて伸長するように作動される。左ハンドコントローラー518およびロボットデバイス10の左アームは、同様の様式で操作することができる。コンソール502とロボットデバイス10との間のこの仮想接続および相互作用は、テレオペレーション(または「tele−op」)モードと呼ばれ得る。
【0112】
例示的なGUI 530の一実施態様を、図27A〜Cに示す。この実施では、デバイス10の挿入、引き込み、および操作を制御するために用いられ得る様々なボタン520が提供される。より具体的には、この実施態様の図27Bに示されるように、ユーザーは、GUI 530上に表示されるべき特定の操作ページを選択することができる。ユーザーが図27Bに示されるように「挿入」ボタンを選択する場合は、その結果、図27Aに示されるように挿入ページが表示される。したがって、GUI 530は、ロボット外科的システムの設定および機能を制御する能力をユーザーに提供することができる。様々な実施では、タッチスクリーンは、動作スケーリングに関する設定、カメラ位置、および、ロボットのモード(焼灼器状態、GUI状態など)を示すインディケーターなどを含んでよい。さらに、図27Aに示されるtele−opモードでは、ディスプレイ530は、デバイス10のアームの特定の位置を含むデバイス10の現在の構造を表示するリアルタイムのロボットアニメーション(概して、10)を示すことができる。
【0113】
特定の実施態様では、上述のコンソール502とデバイス10との間の仮想接続は、「クラッチ」を用いて遮断され得る。特定の一実施では、クラッチは、GUI 530上のボタン520を用いてアクティブにされ得る。あるいは、ユーザーは、フットペダル512の1つを下に押すことによってクラッチをアクティブにすることができる。クラッチがアクティブにされて上述の仮想接続が切断されて、それにより、デバイス10およびそのコンポーネントが、クラッチがアクティブにされたときにコンポーネントがあった最後の位置にデバイス10のコンポーネントが留まる「凍結」または「一時停止」状態に入るように、クラッチの脱アクティブ化されるまで、コンソール502からデバイス10の接続を切る。このクラッチ機構は、いくつかの異なる理由で使用され得る。例えば、クラッチ機構は、緊急一時停止の状況で用いられ得て、そこでは、デバイス10コンポーネントが1つまたは複数のコンポーネントが患者の内部組織を損傷させ得て、クラッチのアクティブ化がそれを防止する位置に向けて移動する。別の例では、クラッチ機構は、コンピューターマウスがマウスパッドから持ち上げられてマウスとコンピュータースクリーン上のカーソルとの間の接続がリセットされるのと同様の方法で、仮想接続をリセットするために用いられ得る。換言すれば、クラッチ機構は、デバイス10を一時停止しながら、ハンドコントローラーをより望ましい位置に配置し直すために用いられ得る。
【0114】
本明細書において開示または検討される特定のシステムの実施態様は、触覚フィードバックを特徴とするハンドコントローラー(例えば上述のコントローラー518)を備えてもよい。すなわち、ハンドコントローラー(例えばコントローラー518)は、触覚入力デバイスを備え、それは、コントローラー(例えばコントローラー518)に力を加えて、それによりコントローラーを握っているユーザーの手に力を加えるようにモーターが作動され得るように、ハンドコントローラーに動作可能に連結されたモーターで構成される。触覚入力デバイスによって作られるユーザーの手に加えられるこの力は、触覚フィードバックと呼ばれ、ユーザーに情報を提供することが意図される。例えば、触覚フィードバックの1つの使用は、ロボットアーム間の衝突をユーザーに示すことである。別の例では、触覚フィードバックは、ロボットデバイスまたはそのコンポーネントの1つ(例えばアームの1つ)が、その到達可能または巧妙な作業場に近づいている、または到達したことを、ユーザーに示すために用いられる。
【0115】
図28Aおよび28Bは、特定の実施態様に係るロボットアームの巧妙な作業場に関する触覚フィードバックの略図を提供する。より具体的には、図28Aは、本明細書における任意のシステムの実施態様のロボットデバイスの1つのアームの作業場600の二次元の「スライス」を表わす。すなわち、画像は、アームがこれらの二次元内を動くことができてデバイス本体が動かないままである場合に、ロボットアームのエンドエフェクターが到達することのできる領域600の全てを示すように、二次元(xおよびy方向)でのロボットアームの遠位端の動作範囲600の表現である。図28Cに示されるように、デバイス10はz方向での操作が同様に可能であるので)、この作業場602は、三次元に伸長され得る。
【0116】
これらの実施では、図28Aに最もよく示されるように、到達可能な作業場600全体は、作業場600の外部部分602および内部部分604の両方で構成される。内部部分604は、ロボットアームの操作上の作業場604である。すなわち、アームが機能的であり適切に操作するのは、作業場604内である。外側部分602は、ロボットアームの望ましくない、または非最適な作業場602である。
【0117】
この特定の実施態様では、図28Bに最もよく示されるように、システムは、アームのエンドエフェクターが作業場600の外側ポイントに到達するときに、触覚フィードバックを提供するように構成されている。より具体的には、システム、または、そのソフトウェアコンポーネントは、操作上の作業場604として触覚境界604を規定する。エンドエフェクターが触覚境界604の内側であるようにユーザーがロボットアームを動かすと、触覚入力デバイスはハンドコントローラーに力を加えず、それにより、ロボットアームが操作上の作業場604内にあることをユーザーに示す。アームのエンドエフェクターが触覚境界604の外側および非最適な作業場602の中に移動する場合は、触覚入力デバイスは、ハンドコントローラーを促す力を提供し、したがって、ロボットアームは、触覚境界上の最も近いポイントに向かって戻る。一実施態様では、ハンドコントローラーにおいて加えられる力は、仮想スプリングがユーザーの手(したがってロボットアーム)を境界604の内側に押し戻しているようにユーザーに感じさせるように、触覚境界からの距離に比例する。あるいは、比例的な距離以外の力に関する他のモデルが作られ得ることが理解される。
【0118】
システムの1回の可能な使用を図28Dに示す。この実施では、ユーザーは、様々なステップを通した並進(ボックス620)および/または配向(ボックス622)モデルでハンドコントローラー518(図226A〜Eに示される)を操作することができる。特定の実施では、コントローラーは、外科的な手術室(surgical theater)におけるデバイスの位置に関する7の度合い(seven degree)の触覚フィードバックを有する。ここで、並進モデルは、x−、y−、およびz−触覚を指し、一方で、配向モデルは、ロール、ピッチおよびヨーのフィードバックを指し、トリガーの操作は、7番目の度合い(seventh degree)の原因となる(account for)ことができる。特定の実施では、特定のこれらのフィードバック動作−例えば配向−をロックして、一方で、他のもの−例えば並進−は、コンソールに対して自由に移動されるままにすることが望ましい。この選択的なロックは、外科的手術室内でのデバイス10の対応する動作を引き起こさずに、ユーザーの手およびコントローラーの全体の再配置(gross re−positioning)を可能にする。
【0119】
例えば、ユーザーは、触覚入力デバイス(図26A〜27Cに関して詳細に記載)が、デバイスの位置にかかわらずそれらの中央(0、0、0)に並べられて(ボックス632)、一方で、配向ベクトルは、ヨー、ピッチおよびロールに対してデバイスアーム14、16の配向で並べられるように(ボックス634)、tele−opモードに入ることができる(ボックス630)。
【0120】
tele−opモードでは、これらの位置は、コントローラーの任意の動作がデバイス10の動作に直接対応して、デバイス10に適用される任意の力が、対応する力を、コントローラーを通してユーザーに戻って適用させるように設定される(ボックス632および634)。しかしながら、特定の状況では、ユーザーは、デバイスの動作に対応する変化を生じさせずに、コンソールに対してハンドコントローラーを再配向させることを望み得る。
【0121】
システムが一時停止されると(ボックス636)、ハンドコントローラー518が所定の位置にロックされるように、システムは「ロック」される(ボックス638および640)。ユーザーがコントローラーに対して何をするかにかかわらずデバイス10が位置を維持するように、デバイス10の動作またはコマンドは送られず、たとえユーザーが触覚ロックを過出力してハンドコントローラーを移動させても、ロボットは移動しないことを意味する。
【0122】
さらなる実施では、コントローラーを独立して動かすために、ユーザーは、コントローラーの並進のみ外して(ボックス644)、一方で、デバイスアーム14、16およびコントローラーは、固定された配向を維持する(ボックス646)ように、クラッチを係合することができる(ボックス642)。クラッチ512が外されると(ボックス648)、ロボットおよびハンドコントローラーは、その結果、コントローラーとデバイスとの間の並進および配向を再度固定するように、実質的に再接続される。
【0123】
これらの実施では、作業場は、デバイス10が配置されると規定され得る(ボックス650)。上述のように、アームおよびコントローラーの並進運動は、作業場の境界によって制限されて(ボックス650)、配向運動は、有効ベクトルと並べられて安全性および精密性を確実にする(ボックス652)。
【0124】
特定の実施では、触覚ロックは、「カメラクラッチ」(ボックス654)のような他の機能によって遮断されてもよく、ここで、2つのハンドコントローラーは一緒に動くことができる。これらの実施では、ハンドコントローラーおよび/またはデバイスアームを、カメラの位置および/または配向に対して再配向する必要があり得る。すなわち、理解されるように、カメラはパンおよびチルト機能が可能であるので、カメラは、作業場およびデバイス10に関する参照の特定のフレームを有する。特定の実施では、コンソールは、参照のこのフレームを示し、アームおよびコントローラーの並進および/または配向は、カメラの配向に対して固定される。カメラが動かされると、コントローラーおよび/またはアームを、参照の第二のカメラフレームに対して再配向する必要があり得て、それはαによって指定され得る。したがって、ハンドコントロールを様々な方向で(例えば地面に対して水平に)促すことが可能であるが、デバイスおよびカメラが真っ直ぐ下に向けられる状況では、ロボットアームの対応する垂直動作を引き起こす。このワークフローの他のバージョンが可能である。
【0125】
図29A〜Dは、力の次元(force dimension)の作業場600における触覚フィードバックの別のあり得る使用を示す。これらの実施では、ハンドコントローラーの動作−並進および/または配向−は、特定の制限を有する。特定の実施態様では、図29A〜Cに示されるように、上述の触覚フィードバックシステムは、ハンドコントローラーがそれらの動作の制限602まで移動したことをユーザーに示すために用いられ得る。ここでは、別の仮想スプリングが実施され得て、または仮想アラート、または可聴アラート、または振動アラートが提供され得る。
【0126】
図30A〜Bは、オペレーター検出システム700を示し、それは、ユーザー入力デバイスまたはコントローラー701の一部として、任意の以前の実施態様と操作上組み込まれ得る。これらの実施では、オペレーター検出システム700は、デバイス10の意図しない動作を防ぐために、ユーザー702の存在を検出するように構成される。1つの実施は、ユーザー702が彼/彼女の手702をユーザー入力デバイス701と接触して挿入するとき、および/または、コントローラーサイド706、708に圧力を加えるときに、係合される機械的スイッチ704を使用することである。様々な実施は、容量性センサー、圧力センサー、および、光学センサー、光ビームブレイク(optical beam break)センサーの形態、または多くの他の形態をとってもよい。様々な代替の実施では、オペレーター検出システム700は、音声アクティブおよび/または視覚システムを利用することができる。
【0127】
様々な実施態様は、添付された図面においてさらに詳細に開示されて、その中の一部の記載された説明を含む。
【0128】
さらに、特定の実施態様によれば、添付された図面に示されて記載されるデバイスは、以下の手順を用いて患者の中に挿入される。
【0129】
最初に、標準的な技術を用いて腹壁を通って切開がなされる。この実施態様では、システムが通るための適切なオリフィスを作るために長さ2.5’’の切開が必要とされる。
【0130】
次に、リトラクタが切開内に置かれる。この実施態様では、Applied Medical Alexis Wound Retractor(http://www.appliedmedical.com/Products/Alexis.aspx)が使用される。それは、剛性リング形状の末端キャップを備える壁の薄い(<.005’’)柔軟な管状膜からなる。遠位リングが患者の中に挿入された時点で、近位リングがロールされてチューブ内の過剰なたるみを取って創傷を引き開く。
【0131】
それから、ポートがリトラクタ上に置かれる。この実施態様では、改変されたApplied Medical Gelポート(http://www.appliedmedical.com/Products/Gelport.aspx)が使用される。ポートは、腹腔の通気が達成され得るように圧力差を維持することが可能である。ポートは、この圧力差/ガスシールを維持しながら、それを通ってアイテム(すなわちロボット)が突っ込まれることが可能である。このポートは、リトラクタの外側剛性リングに対して機械的にクランプ止めする剛性リングからなる。このクランプは、リングに対してシールすることが可能であり、通気圧を保存する。ポートは、さらに、一組の円形ゲル膜からなる。それぞれの膜は、約0.75’’の厚さである。それぞれの膜は、それを通るスリットを備える。スリットは、膜の直径の約50%の長さを有する。アセンブルされると、膜1のスリットは、膜2のスリットに対して90度回転される。膜のゲル/順応特性に起因して、シールは、奇妙な形状の物体に対して、それらが膜のスリットを通って腹腔の中に入るときに維持される。
【0132】
ポートに関する代替の一実施態様によれば、非弾性の格子コードが膜内に埋め込まれて、内圧の結果として、ドーミング/ブローアウトを和らげる。さらなる代替では、剛性/穴開け耐性ポリマーの薄膜が膜1および2の界面に沈着された。このポリマーの目的は、ロボットのエンドエフェクターが、膜1内のスリットを通過した後に、膜2に穴を開けるのを防ぐことである。
【0133】
リトラクタおよびゲルポートが所定の位置に置かれた時点で、ロボットは、患者の中に挿入され得る。
【0134】
次に、カメラ(付属の図面に開示されるロボットカメラまたは補助のカメラ)が補助のポートを通って挿入されて、挿入を見る。
【0135】
次に、ロボットの挿入/引き抜きモードがGUIからアクティブにされる。
【0136】
その後に、ロボットおよび/またはシステムは、その現在の状態からその挿入ポーズにパスを決定して(アームは下に真っ直ぐ)、そして、オペレーターは、このパスを通って入り、必要とされるポーズを達成する。
【0137】
続いて、オペレーターは、ロボットの肘関節が腹壁の内部表面を綺麗にする(clear)まで、ロボットを、(ゲルポートおよびリトラクタポートを通して)患者の中に挿入する。
【0138】
その後に、オペレーターは、肘がそれらのエンドポイントに到達するまで(90度)、挿入パスを通って入る。それから、オペレーターは、肩関節が腹壁の内部表面を綺麗にするまで、ロボットを患者の中にさらに挿入する。オペレーターは、ロボットがその「準備完了(ready)」ポーズ(アームは名目上の操作位置)を達成するまで、挿入パスを通して入り続け、その地点で、外科的手順を進めることができる。
【0139】
手順が完了したら、デバイス引き抜きは、上記順番を逆に従う。
【0140】
本発明は好ましい実施態様に関して説明されているが、当業者は、本発明の主旨および範囲を逸脱せずに、形式および詳細において変更がなされ得ることを認識する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A-18B】
図18C
図19A-19B】
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C
図24D
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図28C
図28D
図29A
図29B
図29C
図29D
図30A
図30B