(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
貫通開口を画定する構成要素に取り外し可能に装着されるグロメットであって、第1の端と第2の端との間で延びるとともに孔を画定する本体、および、前記第1の端またはその近傍において前記本体から突出し、前記孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びるフランジを有するグロメットと、
前記本体に取り外し可能に装着される係止部材と
を備え、
前記グロメットが前記構成要素に装着されるとともに前記係止部材が前記本体に装着されるとき、前記グロメットの前記本体は前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられ、前記係止部材は、前記係止部材と前記フランジとが前記グロメットを前記構成要素に締め付けるように前記本体に装着され、
前記係止部材は二次的な保持特徴部を有し、前記係止部材が前記本体に装着されるとき、前記二次的な保持特徴部は前記本体に圧着され、
前記本体に取り外し可能に装着されるコンプライアント部材をさらに備え、前記本体は外側表面と内側表面とを有し、前記コンプライアント部材が前記本体に装着されるとき、前記コンプライアント部材は、前記係止部材と前記構成要素との間で前記本体の前記外側表面の少なくとも一部分の周りに配置され、
前記フランジは前記孔の周りを3分の2以下で周方向に延びる、グロメット組立体。
前記本体は、滑らかな外側表面を有する接合部分と、前記第2の端と前記接合部分との間で延びるネジ部分とを有し、前記グロメットが前記構成要素に装着されるとき、前記本体の前記接合部分は前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられる、請求項1に記載のグロメット組立体。
前記構成要素は、第1の表面と、前記第1の表面から離間される第2の表面とを有し、前記貫通開口は前記第1の表面と前記第2の表面との間で延び、前記グロメットおよび前記コンプライアント部材が前記本体に装着されるとき、前記コンプライアント部材は前記係止部材と前記構成要素の前記第2の表面との間に配置され、前記フランジは前記構成要素の前記第1の表面に接触する、請求項4に記載のグロメット組立体。
前記フランジは、前記孔の周りを360度未満で周方向に延びる第1のフランジ部分と、前記孔の周りを360度未満で周方向に延び、前記第1のフランジ部分から離間される第2のフランジ部分とを有する、請求項1に記載のグロメット組立体。
前記本体の前記接合部分が前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられるとともに前記係止部材が前記本体の前記ネジ部分に捩じ込まれるとき、前記係止部材と前記フランジとが前記グロメットを前記構成要素に締め付ける、請求項9に記載の接合組立体。
セラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面から離間される第2の表面とを有し、前記第1の表面と前記第2の表面との間で延びる貫通開口を画定する構成要素と、
金属材料から形成される接合部材と、
グロメット組立体であって、
金属材料から形成され、第1の端と第2の端との間で延びる本体を有するグロメットであって、前記本体は前記接合部材を受け入れるための孔を画定する接合部分を有し、前記本体は、前記第2の端から前記接合部分へと延びるネジ部分も有し、前記グロメットは、前記第1の端またはその近傍において前記本体の前記接合部分から径方向に突出するフランジをさらに有し、前記フランジは前記孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びる、グロメット、および、
前記本体の前記ネジ部分に取り外し可能に装着される係止部材
を備えるグロメット組立体と
を備え、
前記本体の前記接合部分が前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられるとともに前記係止部材が前記本体の前記ネジ部分に捩じ込まれるとき、前記係止部材と前記フランジとが前記グロメットを前記構成要素に締め付け、
前記係止部材は二次的な保持特徴部を有し、前記係止部材が前記本体に装着されるとき、前記二次的な保持特徴部は前記本体に圧着され、
前記本体に取り外し可能に装着されるコンプライアント部材をさらに備え、前記本体は外側表面と内側表面とを有し、前記コンプライアント部材が前記本体に装着されるとき、前記コンプライアント部材は、前記係止部材と前記構成要素との間で前記本体の前記外側表面の少なくとも一部分の周りに配置され、
前記フランジは前記孔の周りを3分の2以下で周方向に延びる、接合組立体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、前述した課題のうちの1つまたは複数に対処するグロメット組立体が有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様および利点は、以下の記載において一部説明されているか、本明細書から明らかとなり得るか、または、本発明の実施を通じて学習され得る。
【0008】
本開示の1つの例の実施形態では、グロメット組立体が提供される。グロメット組立体は、貫通開口を画定する構成要素に取り外し可能に装着されるグロメットであって、第1の端と第2の端との間で延び、孔を画定する本体、および、第1の端またはその近傍において本体から突出し、孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びるフランジを有するグロメットを備える。さらに、グロメットは、本体に取り外し可能に装着される係止部材を備える。さらに、グロメットが構成要素に装着されるとともに係止部材が本体に装着されるとき、グロメットの本体は構成要素の貫通開口内に受け入れられ、係止部材は、係止部材とフランジとがグロメットを構成要素に締め付けるように本体に装着される。
【0009】
一部の実施形態では、本体は、滑らかな外側表面を有する接合部分と、第2の端と接合部分との間で延びるネジ部分とを有し、グロメットが構成要素に装着されるとき、本体の接合部分は構成要素の貫通開口内に受け入れられる。
【0010】
一部のさらなる実施形態では、係止部材が本体に装着されるとき、係止部材はネジ部分に捩じ込まれる。
【0011】
一部の実施形態では、係止部材は二次的な保持特徴部を有し、係止部材が本体に装着されるとき、二次的な保持特徴部は本体に圧着される。
【0012】
一部の実施形態では、グロメット組立体は、本体に取り外し可能に装着されるコンプライアント部材をさらに備え、本体は外側表面と内側表面とを有し、コンプライアント部材が本体に装着されるとき、コンプライアント部材は、係止部材と構成要素との間で本体の外側表面の少なくとも一部分の周りに配置される。
【0013】
一部のさらなる実施形態では、コンプライアント部材は、ブッシング、バネ、およびダンパのうちの少なくとも1つである。
【0014】
なおも他の実施形態では、構成要素は、第1の表面と、第1の表面から離間される第2の表面とを有し、貫通開口は第1の表面と第2の表面との間で延び、グロメットおよびコンプライアント部材が本体に装着されるとき、コンプライアント部材は係止部材と構成要素の第2の表面との間に配置され、フランジは構成要素の第1の表面に接触する。
【0015】
一部の実施形態では、フランジは孔の周りを周方向に延びる。つまり、一部の実施形態では、フランジは孔の周りを環状に延びる。
【0016】
一部の実施形態では、フランジは孔の周りを360度未満で周方向に延びる。
【0017】
一部の実施形態では、フランジは、孔の周りを360度未満で周方向に延びる第1のフランジ部分と、孔の周りを360度未満で周方向に延び、第1のフランジ部分から離間される第2のフランジ部分とを有する。
【0018】
一部の実施形態では、本体の孔は接合部材を受け入れるように構成される。
【0019】
一部の実施形態では、グロメットは金属材料から形成される。
【0020】
一部の実施形態では、構成要素は複合材料から形成される。
【0021】
一部の実施形態では、複合材料はセラミックマトリックス複合(CMC)材料である。
【0022】
本開示の別の例の態様では、接合組立体が提供される。接合組立体は、第1の表面と、第1の表面から離間される第2の表面とを有し、第1の表面と第2の表面との間で延びる貫通開口を画定する構成要素を備える。接合組立体はグロメット組立体も備える。グロメット組立体は、第1の端と第2の端との間で延び、接合部材を受け入れるための孔を画定する本体を有するグロメットを備え、本体は接合部分とネジ部分とを有し、グロメットは、第1の端またはその近傍において本体の接合部分から突出するフランジをさらに有し、フランジは孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びる。グロメット組立体は、本体のネジ部分に取り外し可能に装着される係止部材も備える。
【0023】
一部の実施形態では、本体の接合部分が構成要素の貫通開口内に受け入れられるとともに係止部材が本体のネジ部分に捩じ込まれるとき、係止部材とフランジとがグロメットを構成要素に締め付ける。
【0024】
一部の実施形態では、フランジは孔の周りを3分の2以下で周方向に延びる。
【0025】
一部の実施形態では、接合組立体は、本体の接合部分に取り外し可能に装着されるコンプライアント部材を備え、コンプライアント部材が本体の接合部分に装着されるとき、コンプライアント部材は接合部分の少なくとも一部分の周りで周方向に延び、係止部材と構成要素の第2の表面との間に配置される。
【0026】
一部の実施形態では、係止部材は二次的な保持特徴部を有し、係止部材が本体のネジ部分に捩じ込まれるとき、二次的な保持特徴部はネジ部分に圧着される。
【0027】
本開示のなおも別の例の態様では、接合組立体が提供される。接合組立体は、セラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成され、第1の表面と、第1の表面から離間される第2の表面とを有し、第1の表面と第2の表面との間で延びる貫通開口を画定する構成要素を備える。接合組立体は、金属材料から形成される接合部材も備える。さらに、接合組立体はグロメット組立体を備える。グロメット組立体は、金属材料から形成され、第1の端と第2の端との間で延びる本体を有するグロメットを備え、本体は接合部材を受け入れるための孔を画定する接合部分を有し、本体は、第2の端から接合部分へと延びるネジ部分も有し、グロメットは、第1の端またはその近傍において本体の接合部分から径方向に突出するフランジをさらに有し、フランジは孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びる。さらに、グロメット組立体は、本体のネジ部分に取り外し可能に装着される係止部材を備える。本体の接合部分が構成要素の貫通開口内に受け入れられるとともに係止部材が本体のネジ部分に捩じ込まれるとき、係止部材とフランジとがグロメットを構成要素に締め付ける。
【0028】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の記載および添付の請求項を参照してより良く理解されることになる。この明細書の一部に組み込まれ、この明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を図示しており、本明細書と共に本発明の原理を説明するように供する。
【0029】
当業者に向けられている、本発明の最良の様態を含む本発明の完全および可能な開示は、添付の図を参照している本明細書において説明されている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、本発明のここでの実施形態が詳細に参照され、その1つまたは複数の例が添付の図面に示されている。詳細な説明は、図面における特徴部を参照するために、数字および文字の指示を用いている。図面および説明における同様の表示または類似の表示が、本発明の同様の部分または類似の部分を参照するために使用されている。本明細書で使用されているように、「第1」、「第2」、および「第3」といった用語が、ある構成要素を別の構成要素から区別するために置き換え可能に使用されてもよく、個別の構成要素の場所または重要性を意味するように意図されていない。「前方」および「後方」といった用語は、ガスタービンエンジン内の相対的な位置を参照しており、前方はエンジン入口により近い位置を参照しており、後方はエンジンノズルまたは排気管により近い位置を参照している。「上流」および「下流」といった用語は、流路における流体の流れに関する相対的な方向を参照している。例えば、「上流」は、流体が流れてくる方向を参照しており、「下流」は、流体が流れていく方向を参照している。本明細書で用いられているように、「約」および「おおよそ」などの近似の用語が10パーセント(10%)の誤差の範囲内にあることに言及していることは、理解されるべきである。
【0032】
タービンエンジンの構成要素への装着のためのグロメット組立体に向けられている本開示の例示の態様が提供されている。ある例示の態様では、グロメット組立体は、構成要素によって画定される貫通開口内に取り外し可能に装着されるグロメットを備える。構成要素は、例えば複数のCMCプライなど、複合材料から形成され得る。係止部材がグロメットの本体に装着され得る。係止部材は、例えば係止ナットまたはナットであり得る。フランジが本体から突出する。グロメットが構成要素に装着され、係止部材が本体に装着されるとき、本体は構成要素の貫通開口内に受け入れられ、係止部材は、係止部材とフランジとが構成要素を締め付けるように本体に装着される。これにより、グロメットは構成要素に固定される。ピンなどの接合部材が、グロメットによって画定される孔によって受け入れられてもよい。例示の接合組立体も提供される。
【0033】
図1は、本開示の例示の実施形態によるガスタービンエンジンの概略的な断面図である。より具体的には、
図1の実施形態について、ガスタービンエンジンは、ここでは「ターボファン10」として言及される高バイパスターボファンジェットエンジン10である。
図1に示しているように、ターボファン10は、軸方向A(参照のために提供されている長手方向中心線12と平行に延びている)、径方向R、および周方向(つまり、軸方向Aの周りに延びる方向で、描写されていない)を画定する。概して、ターボファン10は、ファン区域14と、ファン区域14から下流に配置されたコアタービンエンジン16とを備える。
【0034】
描写されている例示のコアタービンエンジン16は、環状の入口20を画定する実質的に管状の外側ケーシング18を概して備える。外側ケーシング18は、連続する流れの関係において、ブースタまたは低圧(LP)圧縮機22および高圧(HP)圧縮機24を備える圧縮機区域と、燃焼区域26と、高圧(HP)タービン28および低圧(LP)タービン30を備えるタービン区域と、ジェット排気ノズル区域32とを包み込んでいる。高圧(HP)のシャフトまたはスプール34は、HPタービン28をHP圧縮機24へと駆動可能に連結する。低圧(LP)のシャフトまたはスプール36は、LPタービン30をLP圧縮機22へと駆動可能に連結する。
【0035】
描写した実施形態について、ファン区域14は、離間された手法でディスク42に結合された複数のファンブレード40を有する可変ピッチファン38を備える。描写されているように、ファンブレード40は、ディスク42から概して径方向Rに沿って外向きに延びている。各々のファンブレード40は、ファンブレード40のピッチを一致して集合的に変えるように構成された適切な作動部材44にファンブレード40が動作可能に結合されているおかげで、ピッチ軸Pの周りでディスク42に対して回転可能である。ファンブレード40、ディスク42、および作動部材44は、長手方向軸12の周りで、LPシャフト36によって、動力歯車箱46にわたって一緒に回転可能である。動力歯車箱46は、LPシャフト36の回転速度をより効率的な回転ファン速度へと落とすための複数の歯車を備える。
【0036】
図1の例示の実施形態をなおも参照すると、ディスク42は、気流を複数のファンブレード40に通すように促進するように空気力学的な輪郭とされた回転可能なスピナまたは前ナセル48によって覆われる。また、例示のファン区域14は、ファン38、および/または、コアタービンエンジン16の少なくとも一部分を周方向で包囲する環状のファンケーシングまたは外側ナセル50を備える。ナセル50が、複数の周方向に離間された出口案内羽根52によって、コアタービンエンジン16に対して支持されるように構成され得ることは、理解されるべきである。さらに、ナセル50の下流区域54が、ナセル50とコアタービンエンジン16との間にバイパス気流通路56を画定するようにコアタービンエンジン16の外側部分にわたって延び得る。
【0037】
ターボファン10の動作の間、大量の空気58が、ナセル50の関連する入口60および/またはファン区域14を通じてターボファン10へと入る。大量の空気58がファンブレード40を通過するとき、矢印62によって指示されている空気58のうちの第1の部分はバイパス気流通路56へと方向付けられるかまたは経路が画定され、矢印64によって指示されている空気58のうちの第2の部分はLP圧縮機22へと方向付けられるかまたは経路が画定される。空気のうちの第1の部分62と空気のうちの第2の部分64との間の比は、バイパス比として一般的に知られている。そのため、空気のうちの第2の部分64の圧力は、高圧(HP)圧縮機24を通過して燃焼区域26へと経路が画定されときに増加させられ、燃焼区域26では、燃料と混合されて燃焼ガス66を提供するように燃やされる。
【0038】
燃焼ガス66はHPタービン28を通じて経路が画定され、HPタービン28では、燃焼ガス66からの熱エネルギーおよび/または運動エネルギーの一部分が、外側ケーシング18に結合されたHPタービン静翼68の連続する段と、HPシャフトまたはスプール34に結合されたHPタービンロータブレード70とを介して抽出され、したがってHPシャフトまたはスプール34を回転させ、それによってHP圧縮機24の動作を支援する。次に、燃焼ガス66はLPタービン30を通じて経路が画定され、LPタービン30では、燃焼ガス66からの熱エネルギーおよび運動エネルギーの一部分が、外側ケーシング18に結合されたLPタービン静翼72の連続する段と、LPシャフトまたはスプール36に結合されたLPタービンロータブレード74とを介して抽出され、したがってLPシャフトまたはスプール36を回転させ、それによってLP圧縮機22の動作および/またはファン38の回転を支援する。
【0039】
燃焼ガス66は、その後、推力を提供するためにコアタービンエンジン16のジェット排気ノズル区域32を通じて経路が画定される。同時に、空気のうちの第1の部分62が、ターボファン10のファンノズル排気区域76から排気される前にバイパス気流通路56を通じて経路が画定されるとき、空気のうちの第1の部分62の圧力が実質的に増加させられ、推進力も提供している。HPタービン28、LPタービン30、およびジェット排気ノズル区域32は、燃焼ガス66をコアタービンエンジン16に通すように経路を画定するための高温ガス路78を少なくとも部分的に画定する。
【0040】
図1に描写した例示のターボファン10が単に例の目的であることと、他の事例の実施形態では、ターボファン10が任意の適切な構成を有し得ることとは、理解されるべきである。例えば、本開示の事項は、ターボプロップ、ターボシャフト、ターボジェット、逆流エンジン、産業用ガスタービンエンジン、船舶用ガスタービンエンジン、および/もしくは補助動力ユニットとの使用、または、それらにおける使用に適してもよい。
【0041】
一部の例では、ターボファン10の1つまたは複数の構成要素は、例えばセラミックマトリックス複合材(CMC)構成要素など、複合材の構成要素であり得る。例えば、シュラウド、ノズル部分、燃焼器ライナなどはすべて、高温性能を有する非金属材料であるCMC材料から形成できる。このような構成要素のために利用される例示のCMC材料は、炭化ケイ素、シリコン、シリカ、またはアルミナのマトリックス材料およびそれらの組み合わせを含み得る。セラミック繊維は、サファイヤおよび炭化ケイ素(例えば、TextronのSCS-6)などのモノフィラメントと、炭化ケイ素(例えばNippon CarbonのNICALON(登録商標)、Ube IndustriesのTYRANNO(登録商用)、およびDow CorningのSYLRAMIC(登録商標))、アルミナシリケート(例えばNextelの440および480)、チョップドウイスカおよび繊維(例えばNextelの440およびSAFFIL(登録商標))、ならびに、任意選択で、セラミック粒子(例えば、Si、Al、Zr、Yの酸化物およびそれらの組み合わせ)、無機充填剤(例えばパイロフィライト、ウォラストナイト、マイカ、タルク、カイヤナイト、およびモンモリロナイト)を含む粗糸および糸を含む酸化安定性強化用繊維など、マトリックス内に埋め込まれ得る。CMC材料は、おおよそ1000〜1200°Fの温度において約1.3×10
-6in/in/°Fから約3.5×10
-6in/in/°Fまでの範囲での熱膨張の係数を有し得る。
【0042】
一部のCMC構成要素は、CMC構成要素を貫いて画定される貫通開口と、ターボファン10の残りの部分に荷重を伝達する金属ピンとを用いて、タービン区域または燃焼区域26へと機械的に留め付けられ得る。例えば、金属ピンは、ニッケルに基づく超合金(おおよそ1000〜1200°Fの温度において約8.3〜8.5×10
-6in/in/°Fの熱膨張の係数を有する)、または、コバルトに基づく超合金(おおよそ1000〜1200°Fの温度において約7.8〜8.1×10
-6in/in/°Fの熱膨張の係数を有する)など、金属から形成され得る。CMC構成要素は、金属ピンがCMC構成要素と接合する場所の近くにおいて、貫通開口またはその近傍で通常は影響を受ける。この影響は、孔の中でのピンの相対的な運動または滑りによって少なくとも一部引き起こされる。滑り運動があると、CMC構成要素のプライ同士の間で剥離の危険性がある。さらに、CMC構成要素と金属ピンとの間の大きな摩擦係数が、ピン結合部において望ましくない力を引き起こす可能性があり、これは不測のシステムの反応をもたらす可能性がある。したがって、一部の例では、特には金属グロメットであるグロメットを、金属ピンがCMC構成要素の代わりに金属グロメットと接合するように、CMC構成要素の貫通開口内に位置決めすることが望ましい。金属ピンのための金属担持面を作り出し、一点の部品のレベルで取り外し可能および交換可能である例示のグロメット組立体が、以下に記載されている。例示のグロメットは、例えば弦状のシールなど、遮断される表面の近くで利用されてもよい。
【0043】
図2、
図3、および
図4は、本開示の例示の実施形態による例示の接合組立体200の様々な図を提供している。具体的には、
図2は、接合組立体200の斜視図を提供している。
図2では、接合組立体200の構成要素210が例示の目的のために透明に示されている。
図3は、例示の接合組立体200の側方からの斜視図を提供している。
図4は、例示の接合組立体200の側面図を提供している。参照のために、接合組立体200は、軸方向A、径方向R、および周方向Cを画定している。さらに、接合組立体200は、軸方向Aに沿って延びる軸方向中心線AXを画定している。接合組立体200は軸方向中心線AXと同心で位置合わせされている。概して、軸方向Aは軸方向中心線AXと平行に延びており、径方向Rは軸方向中心線AXに向けて直角に延びていると共に軸方向中心線AXから直角に延びており、周方向Cは軸方向中心線AXの周りに360度(360°)で延びている。
【0044】
接合組立体200は構成要素210を備える。例えば、構成要素210は、燃焼器ライナ、シュラウド、ノズル部分のバンドなどであり得る。構成要素210は他の適切な構成要素であってもよい。構成要素210は、第1の表面212と、例えば軸方向Aに沿って、第1の表面212から離間された第2の表面214とを有する。第1の表面212と第2の表面214とは、互いに対して概して平行であり、両方で軸方向Aに対して直角の平面において延びている。しかしながら、第1の表面212と第2の表面214とは、互いに対して平行に延びる必要がなく、両方で軸方向Aに対して直角の平面において延びる必要もない。さらに、構成要素210は、第1の表面212および第2の表面214を貫いて、または、第1の表面212と第2の表面214との間で延びる貫通開口216を画定している。この実施形態では、貫通開口216は概して円形の軸方向の断面を有し、しかしながら、他の例示の実施形態では、貫通開口216は任意の適切な軸方向の断面を有し得る。構成要素210の内部表面218が貫通開口216を画定してもよい。
【0045】
この例示の実施形態について、構成要素210は複合材料から形成される。1つの例として、構成要素210の複合材料は、例えば先に記載したCMC材料のうちの1つなど、CMC材料であり得る。つまり、構成要素210は複数のCMCのプライから形成され得る。別の例として、構成要素210の複合材料は、ポリママトリックス複合(PMC)材料であり得る。他の適切な複合材料が検討される。代替の実施形態では、構成要素210は、例えば金属またはポリマ材料など、他の適切な材料から形成され得る。
【0046】
接合組立体200はグロメット組立体220も備える。グロメット組立体220は、構成要素210に取り外し可能に装着されるかまたは装着可能なグロメット230(
図5において最もよく示されている)を備える。より具体的には、装着されるとき、グロメット230は、後でより詳細に説明されているように、構成要素210の貫通開口216によって受け入れられる。グロメット組立体220は、グロメット230に取り外し可能に装着されるかまたは装着可能な係止部材250も備える。
図3および
図4において最もよく示されているように、係止部材250は二次的な保持特徴部270を備え得る。また、この実施形態について、グロメット組立体220はコンプライアント部材260も備える。概して、グロメット230は、例えば軸方向Aに沿って、第1の端232と第2の端234との間で延びる。グロメット230は、この実施形態では金属材料から形成されているが、代替の実施形態では、別の適切な材料から形成されてもよい。
【0047】
図5は、本開示の1つの例示の実施形態によるグロメット230の斜視図を提供している。図示しているように、グロメット230は本体236を備える。本体236は接合部分240とネジ部分242とを有する。ネジ部分242は、例えば軸方向Aに沿って、第2の端234から接合部分240へと延びる。描写しているように、ネジ部分242は、相補的なネジを有するネジ式構成要素を受け入れるためのネジを備える。例えば、ネジ式構成要素は、グロメット組立体220の係止部材250であり得る。
【0048】
接合部分240はネジ部分242からグロメット230の第2の端234へと延びる。本体236の接合部分240は、内側表面244と、例えば径方向Rに沿って、内側表面244から離間された外側表面246とを有する。内側表面244および外側表面246は、この実施形態では滑らかな表面である。注目すべきは、本体236の接合部分240は孔238を画定している。より具体的には、接合部分240の内側表面244は孔238を画定している。したがって、本体236の接合部分240は概して中空である。この実施形態について、孔238は、第1の端232と、本体236のネジ部分242との間で延びている。したがって、
図5に描写されている孔238は有底穴である(つまり、孔238はグロメット230を貫通していない)。しかしながら、代替の実施形態では、孔238は、例えばグロメット230の完全な軸方向の長さで、グロメット230の第1の端232と第2の端234との間で延びてもよい。
【0049】
図3において最もよく示されているように、グロメット230の本体236によって画定される孔238(
図2)は、接合部材280を受け入れるように構成される。例えば、一部の実施形態では、接合部材280は金属ピンである。一部の実施形態では、内側表面244の材料、または、より大まかにはグロメット230の材料は、所望の接合特性を促進するように選択され得る。例えば、内側表面244の材料は、接合部材280との温度適合性を促進するように選択され得る。さらに、内側表面244またはグロメット230の材料は、接合部材280との有利な摩擦係数および接触コンプライアンスを促進するように選択され得る。さらに、内側表面244および接合部材280が金属材料から形成される実施形態では、内側表面244と接合部材280との間の潤滑摩耗表面が達成され得る。また、構成要素210が、複数のプライから形成される複合材構成要素である場合、構成要素210のプライは保護され、貫通開口216の近くまたは近傍でのプライの剥離は、最小限とされる、および/または、防止される。
【0050】
注目すべきは、接合部分240の外側表面246は、構成要素210の貫通開口216の形および大きさと相補的な大きさおよび形とされる。グロメット230が構成要素210に装着されるとき、本体236の接合部分240は構成要素210の貫通開口216内に受け入れられる。より具体的には、接合部分240は貫通開口216内に受け入れられ、接合部分240の外側表面246は、貫通開口216を画定する構成要素210の内部表面218に接触する。したがって、接合部分240の外側表面246と構成要素210の内部表面218とは密接して結合され、したがって、構成要素210とグロメット230との間の大きな相対的な運動が防止される。
【0051】
ここで
図5および
図6を参照すると、
図6は、接合組立体200の構成要素210に装着されたグロメット230の斜視図を提供している。図示しているように、グロメット230は、第1の端232またはそれに近接して本体236から突出するフランジ248を備える。この実施形態については、フランジは本体236の接合部分240から突出している。フランジ248は、本体236から径方向外向きに突出しており、孔238の少なくとも一部分の周りで周方向に延びている。この実施形態については、フランジ248は孔238の周りを360度(360°)未満で周方向に延びている。描写されているように、フランジ248は、孔238の約3分の2の周りで周方向に延びており、軸方向Aから見たときにU字形を有する。したがって、一部の実施形態では、フランジ248は、孔238の周りを3分の2以下で周方向に延びている。有利には、フランジ248は、この実施形態では孔238の周りで部分的に延びているだけであり、他の特徴部または構成要素は、グロメット230のフランジ248によって遮断されることなく、グロメット組立体220の近傍または非常に近くに位置決めできる。反対に、フランジ248は、構成要素または表面のこのような特徴部によって遮断されることなく位置決めされ得る。例えば、フランジ248が、孔238の周り全体で、または、孔238の周りで環状に延びていないため、弦状のシールが、グロメット230を遮断することなくグロメット組立体220に近接して位置決めされてもよい。グロメット230が構成要素210に装着されるとき、フランジ248は、構成要素210の第1の表面212と直接接触してもよい。他の実施形態では、スペーサまたは他の構成要素がそれらの間に位置決めされてもよい。例えば、コンプライアントスペーサが、フランジ248と構成要素210の第1の表面212との間に位置決めされてもよい。スペーサは、例えば金属材料またはポリマ材料から形成され得る。
【0052】
図7に示しているように、一部の例示の実施形態では、フランジ248は、フランジ248の一部分同士の間に複数の遮断または空間を有し得る。例えば、
図7に描写しているように、フランジ248は、孔238の周りを3分の1で周方向に延びる第1のフランジ部分290を備える。フランジ248は、孔238の周りを3分の1で周方向に延びる第2のフランジ部分292を備える。第1のフランジ部分290は、第2のフランジ部分292から、それらの間に画定される第1の遮断294によって離間されている。具体的には、第1の遮断294は、孔238の周りの円弧の6分の1で周方向に延びている。第1のフランジ部分290は、第2のフランジ部分292から、それらの間に第1の遮断294の径方向の反対で画定される第2の遮断296によって離間されてもいる。第2の遮断296は、孔238の周りの円弧の6分の1で周方向に延びている。したがって、他の特徴部または構成要素は、例えば、グロメット230のフランジ248によって遮断されることなく第1の遮断294および第2の遮断296またはそれらの中、またはそれらにおいて、グロメット組立体220の近傍または非常に近くに位置決めできる。他の実施形態において、フランジ248が、3つ以上の部分を備えてもよく、フランジ部分同士の間に3つ以上の遮断または空間を備えてもよいことは、理解されるものである。一部の代替の実施形態では、
図8に示しているように、フランジ248は孔238の周りで周方向に延びている。つまり、フランジ248は、一部の実施形態では、孔238の周りで環状に延び得る。
【0053】
図3、
図4、および
図5に戻ると、図示しているように、接合組立体200のグロメット組立体220も係止部材250を備えている。係止部材250は、本体236に取り外し可能に装着される、または、本体236に装着可能である。この実施形態について、係止部材250は本体236のネジ部分242に捩じ込まれる。したがって、係止部材250は、ネジ部分242のネジと相補的であるネジまたはネジ部分を有する。係止部材250は、例えばナットまたは係止ナットなど、任意の適切なネジ式留め付け装置であり得る。この実施形態については、係止部材250は係止ナットである。係止部材250は、例えば金属材料またはポリマ材料から形成され得る。後でより詳細に説明されているように、係止部材250がネジ部分242に捩じ込まれるとき、係止部材250はグロメット230を張った状態で配置し、フランジ248に構成要素210の第1の表面212への締め付け力を加えさせる。係止部材250が所定位置へと完全に捩じ込まれるとき、係止部材250は反対の締め付け力を第2の表面214に加える。これにより、係止部材250およびフランジ248は、グロメット230を構成要素210へと固定するために、構成要素210を締め付ける。
【0054】
一部の実施形態では、係止部材250は二次的な保持特徴部270を備える。
図3および
図4において最もよく見られるように、二次的な保持特徴部270は軸方向Aに沿って係止部材250から外向きに突出しており、係止部材250によって画定される開口の周りで周方向に延びる。この実施形態について、二次的な保持特徴部270は、例えば周方向Cに沿って、互いから離間されている複数のキャスタレーション272である。係止部材250が本体236に装着されるとき、または、より具体的には、係止部材250がネジ部分242に捩じ込まれるとき、二次的な保持特徴部270は本体236に締め付けられる。より詳細には、この実施形態については、キャスタレーション272は、グロメット230のネジ部分242に、それらの間に大きな摩擦接合を作り出すために圧着される。フランジ248、構成要素210、および/または係止部材250が、ターボファン10(
図1)、または、グロメット組立体220が位置決めされるターボマシンの動作の間に失陥した場合、二次的な保持特徴部270は、係止部材250をグロメット230において保持する二次的な手段を提供する。代替の例示の実施形態では、二次的な保持特徴部270は、別の適切な種類の保持特徴部であり得る。例えば、一部の実施形態では、二次的な保持特徴部270は、係止部材250およびグロメット組立体220の他の構成要素を固定するために作用可能な係止ワイヤであり得る。別の例として、コッタピンまたは他の外部係止特徴部が、係止部材250およびグロメット組立体220の他の構成要素を固定するために使用されてもよい。
【0055】
接合組立体200のグロメット組立体220はコンプライアント部材260をさらに備える。一部の実施形態では、コンプライアント部材260は、ブッシング、バネ、およびダンパのうちの少なくとも1つである。この実施形態については、コンプライアント部材260は、コンプライアント材料から形成されたブッシングである。例えば、コンプライアント部材260は、係止部材250と構成要素210との両方より硬くないコンプライアント金属材料から形成され得る。コンプライアント部材260は、グロメット230の本体236に取り外し可能に装着される。より具体的には、コンプライアント部材260は接合部分240の外側表面246に装着され得る。装着されるとき、コンプライアント部材260は、外側表面246の少なくとも一部分の周りで周方向に延びる。
図2、
図3、および
図4の描写した実施形態については、コンプライアント部材260は外側表面246の周りを360度(360°)未満で周方向に延びている。より具体的には、コンプライアント部材260は、孔238の約3分の2の周りで周方向に延びており、軸方向Aから見たときにU字形を有する。有利には、コンプライアント部材260だけが接合部分240の外側表面246の周りで部分的に延びるため、他の特徴部または構成要素は、グロメット組立体220のコンプライアント部材260によって遮断されることなく、グロメット組立体220の近傍または非常に近くに位置決めできる。逆に言えば、コンプライアント部材260は、このような遮断する特徴部によって遮断されることなく位置決めできる。しかしながら、一部の実施形態では、コンプライアント部材260は接合部分240の外側表面246の周りで周方向に延びる。つまり、コンプライアント部材260は、一部の実施形態では、外側表面246の周りで環状に延び得る。
【0056】
コンプライアント部材260がグロメット230の本体236に装着されるとき、コンプライアント部材260は係止部材250と構成要素210の第2の表面214との間に配置される。他の実施形態では、スペーサまたは他の構成要素が第2の表面214とコンプライアント部材260との間、および/または、コンプライアント部材260と係止部材250との間に位置決めされ得る。コンプライアント部材260が、先に記載されているようなコンプライアント材料から形成されるため、係止部材250がネジ部分242における所定位置へと完全に捩じ込まれるとき、コンプライアント部材260は構成要素210と係止部材250との間で圧縮されてもよい。
【0057】
図2〜
図6を大まかに参照すると、グロメット組立体220は、構成要素210に以下の例示の手法で装着され得る。グロメット230は、構成要素210の貫通開口216を最初に通過させられる。具体的には、グロメット230の第2の端234は、構成要素210の貫通開口216に挿入されて通過させられる。グロメット230は、フランジ248が構成要素210の第1の表面212に接触するまで軸方向Aにおいて移動させられる。したがって、フランジ248は、組立の間、停止部として作用する。
図6は、構成要素210の貫通開口216を通じて所定位置へと完全に挿入されているグロメット230を描写している。グロメット230が構成要素210に装着されるとき、本体236は構成要素210の貫通開口216によって受け入れられる。より具体的には、グロメット230の接合部分240は、構成要素210の貫通開口216によって受け入れられる。接合部分240の外側表面246は、構成要素210の内部表面218と接触し、合致して係合している。
【0058】
グロメット230が構成要素210に装着されると、係止部材250はグロメット230の本体236に装着される。より具体的には、この実施形態では、係止部材250はグロメット230のネジ部分242に捩じ込まれる。係止部材250が本体236のネジ部分242に捩じ込まれるとき、フランジ248は構成要素210の第1の表面212に対して張った状態で配置され、係止部材250は、グロメット230を構成要素210へと締め付けるために、構成要素210の第2の表面214に対して反対の力を加える。したがって、係止部材250およびフランジ248は、グロメット230を構成要素210へと固定するために、構成要素210を締め付ける。
【0059】
より具体的には。
図3において最もよく示されているように、係止部材250が本体236のネジ部分242に捩じ込まれるとき、ネジ部分242における係止部材250のトルク付与はグロメット230を張った状態にする。これは、フランジ248に第1の力F1を構成要素210の第1の表面212に加えさせる。フランジ248は、第1の力F1を第1の表面212に直接的に加えることができる、または、例えば、スペーサもしくは他の部材がフランジ248と第1の表面212との間に位置決めされる場合、いくらか間接的に加えることができる。係止部材250がネジ部分242へと完全に捩じ込まれるとき、係止部材250は、グロメット230を構成要素210に締め付けるために、第2の力F2を構成要素210の第2の表面214に加える。係止部材250は、第2の力F2を第2の表面214に直接的に加えることができる、または、いくらか間接的に加えることができ、例えば、係止部材250がコンプライアント部材260に力を加えることができ、これは力F2を構成要素210の第2の表面214にさらに加えることができる。第2の力F2は第1の力F1と反対であり、反対の力F1、F2は、構成要素210において締め付ける効果を作り出す。したがって、係止部材250およびフランジ248は一緒にグロメット230を構成要素210へと固定する。有利には、構成要素210が複数のプライから形成される複合材の構成要素である実施形態では、係止部材250およびフランジ248による構成要素210の締め付けが、結合部または接合部の近傍においてプライのための層間での圧縮による支持を作り出す。
【0060】
さらに、係止部材250の二次的な保持特徴部270は、係止部材250をグロメット230にさらに保持または固定することができる。例えば、キャスタレーション272は、グロメット230のネジ部分242へと圧着させることができる。したがって、係止部材250のネジとグロメット230のネジ部分242のネジとの間のネジ係合に加えて、係止部材250は、二次的な保持特徴部270によってグロメット230にさらに固定され得る。ある実施形態では、先に記載したように、二次的な保持特徴部270は、安全ワイヤ、または係止ワイヤ、またはコッタピンなど、他の適切な外部係止特徴部であってもよい。ある例示の実施形態では、例えば、圧着されたキャスタレーション272およびコッタピンといった、複数の二次的な保持特徴部270が利用されてもよい。
【0061】
一部の例では、グロメット組立体220の1つまたは複数の部品を修理および/または交換することが望ましい可能性がある。したがって、グロメット組立体220は、次の例示の手法で構成要素210から取り外しできる。初めに、係止部材250が二次的な保持特徴部270を備える場合、二次的な保持特徴部270は、係止部材250がグロメット230から取り外しできるように、取り外される、および/または、操作される。例えば、二次的な保持特徴部270の圧着されたキャスタレーション272は、係止部材250がグロメット230から取り外しできるように、持ち上げられ得る、または、曲げ戻され得る。係止部材250が取り外され得るように二次的な保持特徴部270が取り外された後、および/または、操作された後、係止部材250は実際に取り外される。具体的には、係止部材250がグロメット230の本体236のネジ部分242から取り外されるように係止部材250はトルク付与される。係止部材250がグロメット230から取り外されると、コンプライアント部材260は、係止部材250と構成要素の第2の表面214との間の圧縮の下にもはや置かれず、結果として、コンプライアント部材260はグロメット230から取り外しできる。さらに、フランジ248は、係止部材250がグロメット230から取り外され、そのためグロメット230が構成要素210の貫通開口216を通じて取り外され得るとき、もはや張った状態にない。具体的には、グロメット230は、ネジ部分242が構成要素210の第1の表面212に向けて移動されるように、軸方向Aに沿ってスライドまたは移動させられ得る。最終的に、グロメット230のネジ部分242は、構成要素210の貫通開口216を通じて通過またはスライドさせられる。これが行われると、グロメット230は構成要素210から完全に取り外される。そのため、グロメット組立体220の部品は運用者によって検査されてもよく、グロメット組立体220の部品のうちのいずれかが修理または交換される必要がある場合、運用者は一点の部品のレベルで修理または交換できる。さらに、構成要素210は、必要に応じて検査および修理させることができる。注目すべきは、例えば溶接の機械および/またはロウ付けの機械などの工作機械が、グロメット組立体220を構成要素210から取り外すために必要とされない。むしろ、標準的なレンチが係止部材250をグロメット230から取り外すために使用されてもよい。一対のプライヤまたは他の適切な工具が、二次的な保持特徴部270をグロメット230のネジ部分242から圧着解除するために使用されてもよく、または、係止ワイヤ、コッタピン、または任意の他の容易に取り外し可能な二次的な保持特徴部270を取り外すために使用されてもよい。したがって、グロメット組立体220の組み立て解除は、より簡単となり、単純な工具だけを必要とし、構成要素210は、グロメット組立体220が構成要素210から取り外されるときに影響されない。
【0062】
ここに記載されている例示のグロメット組立体220はいくつかの利点を提供する。例えば、先に記載したように、グロメット組立体220は、溶接の機械および/またはロウ付けの機械などの工作機械を必要とせずに、構成要素210に装着でき、構成要素210から取り外しできる。グロメット組立体220は、例えば標準的なレンチで、構成要素210に装着できる、または、構成要素210から取り外しできる。したがって、グロメット組立体220を構成要素210に装着すること、および、グロメット組立体220を構成要素210から取り外すことの時間、コスト、および複雑性が低減される。また、グロメット230のフランジ248は孔238の周り全体で周方向に延びる必要がない。したがって、本開示のグロメット230は、例えば弦状のシールなど、遮断する表面または構成要素に近接して利用されてもよい。従来の加締められるグロメットは、構成要素に装着するための環状の平坦な表面を必要とする。
【0063】
さらに、グロメット組立体220は取り外し可能であり、グロメット組立体220の部品は一点の部品のレベルで交換可能である。したがって、グロメット組立体220の部品は使用後に検査でき、特定の部品が修理の必要性がある、または、交換を必要とする場合、その特定の部品は修理/交換され、修理または交換の必要性のない部品と共に利用され得る。グロメット組立体220から取り外される部品は、取り外されてもよく、それらを動作可能な状態へと戻すために熱処理されてもよい。例えば、グロメット組立体220の部品または構成要素は、焼き鈍し処理、溶射処理、または被覆処理を受けてもよい。構成要素210へと溶接またはロウ付けされる従来のグロメットは、このような利点を備えていない。さらに、構成要素がCMC材料または一部の他の複合材料から形成される実施形態では、貫通開口216の近くでフランジ248および係止部材250によって加えられる構成要素210への圧縮は、貫通開口216に近接するプライのための層間での圧縮による支持を提供できる。これは、貫通開口216の近くで複合材の構成要素を構造的に改善させることができる。さらに、接合部材280を受け入れるためのグロメット230の使用は、貫通開口216に近接してのプライの剥離を大幅に低減または防止する。接合部材280と構成要素210との両方における潤滑摩耗表面が、内側表面244とグロメット230の外側表面246とによって作り出されてもよい。さらに、グロメット230の材料は、向上した温度能力、摩擦係数、グロメット230とグロメット230の孔238に受け入れられる接合部材280との間の接触コンプライアンスのために選択および調整され得る。本開示のグロメット組立体220は、本明細書に明示的に記載されていない他の利点および便益を提供する。
【0064】
この記載した説明は、最良の態様を含め、本発明を開示するために、および、任意の装置またはシステムを作成および使用することと、任意の組み込まれた方法を実施することとを含め、当業者に本発明を実施させることができるようにするために、例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって画定され、当業者の思いつく他の例を含み得る。このような他の例は、請求項の文字通りの言葉と異ならない構造的な要素を含む場合、または、請求項の文字通りの言葉と非実質的な違いを伴う同等の構造的な要素を含む場合、請求項の範囲内にあると意図されている。
【0065】
本発明のさらなる態様は、以下の項の主題によって提供される。
【0066】
[項1]
貫通開口を画定する構成要素に取り外し可能に装着されるグロメットであって、第1の端と第2の端との間で延びるとともに孔を画定する本体、および、前記第1の端またはその近傍において前記本体から突出し、前記孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びるフランジを有するグロメットと、
前記本体に取り外し可能に装着される係止部材と
を備え、
前記グロメットが前記構成要素に装着されるとともに前記係止部材が前記本体に装着されるとき、前記グロメットの前記本体は前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられ、前記係止部材は、前記係止部材と前記フランジとが前記グロメットを前記構成要素に締め付けるように前記本体に装着される、グロメット組立体。
【0067】
[項2]
前記本体は、滑らかな外側表面を有する接合部分と、前記第2の端と前記接合部分との間で延びるネジ部分とを有し、前記グロメットが前記構成要素に装着されるとき、前記本体の前記接合部分は前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられる、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0068】
[項3]
前記係止部材が前記本体に装着されるとき、前記係止部材は前記ネジ部分に捩じ込まれる、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0069】
[項4]
前記係止部材は二次的な保持特徴部を有し、前記係止部材が前記本体に装着されるとき、前記二次的な保持特徴部は前記本体に圧着される、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0070】
[項5]
前記本体に取り外し可能に装着されるコンプライアント部材をさらに備え、前記本体は外側表面と内側表面とを有し、前記コンプライアント部材が前記本体に装着されるとき、前記コンプライアント部材は、前記係止部材と前記構成要素との間で前記本体の前記外側表面の少なくとも一部分の周りに配置される、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0071】
[項6]
前記コンプライアント部材は、ブッシング、バネ、およびダンパのうちの少なくとも1つである、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0072】
[項7]
前記構成要素は、第1の表面と、前記第1の表面から離間される第2の表面とを有し、前記貫通開口は前記第1の表面と前記第2の表面との間で延び、前記グロメットおよび前記コンプライアント部材が前記本体に装着されるとき、前記コンプライアント部材は前記係止部材と前記構成要素の前記第2の表面との間に配置され、前記フランジは前記構成要素の前記第1の表面に接触する、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0073】
[項8]
前記フランジは前記孔の周りを周方向に延びる、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0074】
[項9]
前記フランジは前記孔の周りを360度未満で周方向に延びる、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0075】
[項10]
前記フランジは、前記孔の周りを360度未満で周方向に延びる第1のフランジ部分と、前記孔の周りを360度未満で周方向に延び、前記第1のフランジ部分から離間される第2のフランジ部分とを有する、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0076】
[項11]
前記本体の前記孔は接合部材を受け入れるように構成される、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0077】
[項12]
前記グロメットは金属材料から形成される、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0078】
[項13]
前記構成要素は複合材料から形成される、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0079】
[項14]
前記複合材料はセラミックマトリックス複合(CMC)材料である、任意の前項に記載のグロメット組立体。
【0080】
[項15]
第1の表面と、前記第1の表面から離間される第2の表面とを有し、前記第1の表面と前記第2の表面との間で延びる貫通開口を画定する構成要素と、
グロメット組立体であって、
第1の端と第2の端との間で延び、接合部材を受け入れるための孔を画定する本体を有するグロメットであって、前記本体は接合部分とネジ部分とを有し、前記グロメットは、前記第1の端またはその近傍において前記本体の前記接合部分から突出するフランジをさらに有し、前記フランジは前記孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びる、グロメット、および、
前記本体の前記ネジ部分に取り外し可能に装着される係止部材
を備えるグロメット組立体と
を備える接合組立体。
【0081】
[項16]
前記本体の前記接合部分が前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられるとともに前記係止部材が前記本体の前記ネジ部分に捩じ込まれるとき、前記係止部材と前記フランジとが前記グロメットを前記構成要素に締め付ける、任意の前項に記載の接合組立体。
【0082】
[項17]
前記フランジは前記孔の周りを3分の2以下で周方向に延びる、任意の前項に記載の接合組立体。
【0083】
[項18]
前記本体の前記接合部分に取り外し可能に装着されるコンプライアント部材をさらに備え、前記コンプライアント部材が前記本体の前記接合部分に装着されるとき、前記コンプライアント部材は前記接合部分の少なくとも一部分の周りで周方向に延び、前記係止部材と前記構成要素の前記第2の表面との間に配置される、任意の前項に記載の接合組立体。
【0084】
[項19]
前記係止部材は二次的な保持特徴部を有し、前記係止部材が前記本体の前記ネジ部分に捩じ込まれるとき、前記二次的な保持特徴部は前記ネジ部分に圧着される、任意の前項に記載の接合組立体。
【0085】
[項20]
セラミックマトリックス複合(CMC)材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面から離間される第2の表面とを有し、前記第1の表面と前記第2の表面との間で延びる貫通開口を画定する構成要素と、
金属材料から形成される接合部材と、
グロメット組立体であって、
金属材料から形成され、第1の端と第2の端との間で延びる本体を有するグロメットであって、前記本体は前記接合部材を受け入れるための孔を画定する接合部分を有し、前記本体は、前記第2の端から前記接合部分へと延びるネジ部分も有し、前記グロメットは、前記第1の端またはその近傍において前記本体の前記接合部分から径方向に突出するフランジをさらに有し、前記フランジは前記孔の少なくとも一部分の周りで周方向に延びる、グロメット、および、
前記本体の前記ネジ部分に取り外し可能に装着される係止部材
を備えるグロメット組立体と
を備え、
前記本体の前記接合部分が前記構成要素の前記貫通開口内に受け入れられるとともに前記係止部材が前記本体の前記ネジ部分に捩じ込まれるとき、前記係止部材と前記フランジとが前記グロメットを前記構成要素に締め付ける、接合組立体。