(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したコントロールボックスの構造においては、ボリュームが固着された回路基板を、ナットなどを用いた締結手段でコントロールボックスの内壁に固定していた。従って、冷蔵庫の製造工程において、ボリュームをコントロールボックスの内壁に固定する作業が繁雑である課題があった。更には、製造工程においてナットの締め忘れが発生し、回路基板がコントロールボックスに固定されない事態が発生してしまう課題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コントロールボックス等の箱体部材の内部に於いて、簡素な構成で回路基板を確実に固定することができる基板固定構造およびそれを備えた冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、冷蔵庫に収納される箱体部材の内部で、導電パターンが形成された回路基板を固定する基板固定構造であり、前記回路基板は、前記箱体部材の外側に面する第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、前記箱体部材の内面に沿う第1方向に向かって伸びると共に相対向する第1側辺および第2側辺と、前記第1方向に直交する第2方向に向かって伸びると共に相対向する第3側辺および第4側辺と、を有し、前記箱体部材の内面から延出する第1移動規制部が、前記回路基板の前記第1側辺に当接することで、前記回路基板の前記第1方向に沿う移動が規制され、前記箱体部材の内面から延出する第2移動規制部が、前記回路基板の前記第2側辺に当接することで、前記回路基板の前記第2方向に沿う移動が規制され
、前記回路基板の前記第1主面には、ユーザにより回転操作される電子部品が固着され、前記第2移動規制部は、前記回路基板の前記第1側辺および前記第2側辺を挟持する挟持部であり、前記第2移動規制部は、前記第1移動規制部の両側に配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明は、冷蔵庫に収納される箱体部材の内部で、導電パターンが形成された回路基板を固定する基板固定構造であり、前記回路基板は、前記箱体部材の外側に面する第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、前記箱体部材の内面に沿う第1方向に向かって伸びると共に相対向する第1側辺および第2側辺と、前記第1方向に直交する第2方向に向かって伸びると共に相対向する第3側辺および第4側辺と、を有し、前記箱体部材の内面から延出する第1移動規制部が、前記回路基板の前記第1側辺に当接することで、前記回路基板の前記第1方向に沿う移動が規制され、前記箱体部材の内面から延出する第2移動規制部が、前記回路基板の前記第2側辺に当接することで、前記回路基板の前記第2方向に沿う移動が規制され、
前記回路基板の前記第1主面には、発光素子が固着され、前記回路基板の近傍の前記箱体部材は、前記発光素子から発光される光を透過させる透光部から成り、前記第1移動規制部は、前記回路基板の前記第1側辺が挿入される挿入部であり、前記挿入部は、前記回路基板の前記第1側辺の両端部付近に形成され、前記第2移動規制部は、前記挿入部に挟まれる位置に形成され、前記回路基板の前記第2主面に当接する当接面と、前記第2側辺を挟持する挟持部位、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の基板固定構造では、前記第1移動規制部は、前記回路基板の前記第1側辺を部分的に切り欠いた切欠部に当接する切欠当接部であることを特徴とする。
【0011】
本発明の基板固定構造では、前記第2移動規制部は、前記発光素子から発光される光が前記冷蔵庫の貯蔵室内の中心側を向くように、前記回路基板を傾斜させることを特徴とする。
【0012】
本発明の基板固定構造では、前記透光部には、前記回路基板の前記第1側辺に沿って溝部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の冷蔵庫は、前述した基板固定構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、冷蔵庫に収納される箱体部材の内部で、導電パターンが形成された回路基板を固定する基板固定構造であり、前記回路基板は、前記箱体部材の外側に面する第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、前記箱体部材の内面に沿う第1方向に向かって伸びると共に相対向する第1側辺および第2側辺と、前記第1方向に直交する第2方向に向かって伸びると共に相対向する第3側辺および第4側辺と、を有し、前記箱体部材の内面から延出する第1移動規制部が、前記回路基板の前記第1側辺に当接することで、前記回路基板の前記第1方向に沿う移動が規制され、前記箱体部材の内面から延出する第2移動規制部が、前記回路基板の前記第2側辺に当接することで、前記回路基板の前記第2方向に沿う移動が規制され
、前記回路基板の前記第1主面には、ユーザにより回転操作される電子部品が固着され、前記第2移動規制部は、前記回路基板の前記第1側辺および前記第2側辺を挟持する挟持部であり、前記第2移動規制部は、前記第1移動規制部の両側に配置されることを特徴とする。従って、本発明により、挟持部である第2移動規制部により回路基板の第1側辺および第2側辺を挟持することで、回路基板の第2方向に対する移動を規制することができる。更に、第1移動規制部を挟む位置に第2移動規制部を配置することで、回路基板をより安定して箱体部材に固定することができる。
【0019】
本発明は、冷蔵庫に収納される箱体部材の内部で、導電パターンが形成された回路基板を固定する基板固定構造であり、前記回路基板は、前記箱体部材の外側に面する第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、前記箱体部材の内面に沿う第1方向に向かって伸びると共に相対向する第1側辺および第2側辺と、前記第1方向に直交する第2方向に向かって伸びると共に相対向する第3側辺および第4側辺と、を有し、前記箱体部材の内面から延出する第1移動規制部が、前記回路基板の前記第1側辺に当接することで、前記回路基板の前記第1方向に沿う移動が規制され、前記箱体部材の内面から延出する第2移動規制部が、前記回路基板の前記第2側辺に当接することで、前記回路基板の前記第2方向に沿う移動が規制され、
前記回路基板の前記第1主面には、発光素子が固着され、前記回路基板の近傍の前記箱体部材は、前記発光素子から発光される光を透過させる透光部から成り、前記第1移動規制部は、前記回路基板の前記第1側辺が挿入される挿入部であり、前記挿入部は、前記回路基板の前記第1側辺の両端部付近に形成され、前記第2移動規制部は、前記挿入部に挟まれる位置に形成され、前記回路基板の前記第2主面に当接する当接面と、前記第2側辺を挟持する挟持部位、を有することを特徴とする。従って、本発明により、第2移動規制部が、回路基板の第2主面に当接して第2側辺を挟持することで、回路基板を第2方向に対して強固に固定することができ、更に、回路基板の角度を所定の角度に保つことができる。
【0020】
本発明の基板固定構造では、前記第1移動規制部は、前記回路基板の前記第1側辺を部分的に切り欠いた切欠部に当接する切欠当接部であることを特徴とする。従って、回路基板の切欠部に切欠当接部を当接させる簡易な構成で、回路基板を第1方向に対して固定することができる。
【0021】
本発明の基板固定構造では、前記第2移動規制部は、前記発光素子から発光される光が前記冷蔵庫の貯蔵室内の中心側を向くように、前記回路基板を傾斜させることを特徴とする。従って、本発明により、第2移動規制部で回路基板を傾斜させることで、発光素子から発光される光が冷蔵庫の貯蔵室内中央に向かって進行し、貯蔵室を明るく照らし出すことができる。
【0022】
本発明の基板固定構造では、前記透光部には、前記回路基板の前記第1側辺に沿って溝部が形成されていることを特徴とする。従って、本発明により、例えばLED素子である発光素子から発光された光を、溝部が形成された透光部を透過させることで、貯蔵室の内部に於いて広範囲を照らし出すことができる。
【0023】
本発明の冷蔵庫は、前述した基板固定構造を備えることを特徴とする。従って、冷蔵庫に配設される箱体部材の内部で、回路基板を簡素な構成にて所定箇所に固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示す。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10の概略構造を示す側面断面図である。
図1に示すように、冷蔵庫10は、本体としての断熱箱体11を備え、この断熱箱体11の内部に食品等を貯蔵する貯蔵室が複数形成されている。この貯蔵室として、具体的には、上段から、冷凍室17および冷蔵室18が形成されている。
【0031】
冷蔵庫10の本体である断熱箱体11は、前面が開口する鋼板製の外箱12と、この外箱12内に間隙を持たせて配設され、前面が開口する合成樹脂製の内箱13とから構成されている。外箱12と内箱13との間隙には、発泡ポリウレタン製の断熱材14が充填発泡されている。尚、冷凍室17と冷蔵室18とを区分する断熱仕切壁19も、同様の断熱構造を採用している。
【0032】
冷凍室17および冷蔵室18の前面開口は、ここでは図示しない断熱扉で開閉可能な状態で閉鎖されている。冷凍室17および冷蔵室18を閉鎖する断熱扉としては、例えば、右側の上下端部が回転自在に断熱箱体11により支持される断熱扉を採用することができる。
【0033】
また、冷凍室17および冷蔵室18の内部には、各室内を上下方向に区分する棚が配設されている。更に、冷蔵室18の内部に於いて、コントロールボックス20の左方側には、前後方向にスライド可能な収納容器60が配設されており、冷蔵室18の最下部にも前後方向にスライド可能な収納容器61が配設されている。
【0034】
更に、冷凍室17および冷蔵室18の奥側の内壁には、冷気が送風される送風口、および、冷却後の冷気が帰還する帰還口が形成されている。
【0035】
更にまた、ここでは図示しないが、冷凍室17および冷蔵室18の奥側には、各貯蔵庫に送風される冷気を冷却する冷凍サイクルが内蔵されている。この冷凍サイクルは、圧縮機、放熱器、膨張手段および冷却器を有する蒸気圧縮式のものであり、冷却器で冷気を冷却している。また、冷蔵庫10は、図示しない制御装置を備えており、この制御装置は、センサ類からの入力値を基に所定の演算処理を実行し、圧縮機等の各構成機器を制御する。更に、後述するように、ユーザがボリュームつまみ21を回転させると、制御装置は、例えば、冷凍サイクルの圧縮機が運転される頻度を変化させ、これにより各貯蔵庫の室内温度を調整する。
【0036】
図2を参照して、本実施形態の冷蔵庫10が備えるコントロールボックス20について説明する。
図2(A)はコントロールボックス20が配設される部分を拡大して示す冷蔵庫10の前面図であり、
図2(B)はコントロールボックス20を内側から見た側面図である。
【0037】
図2(A)を参照して、コントロールボックス20は、冷蔵室18の上方右端部に配設された箱体部材であり、その前面にボリュームつまみ21および開閉検知装置22が設けられている。ボリュームつまみ21は、コントロールボックス20の筐体に対して回転可能に取り付けられている。ユーザは、ボリュームつまみ21を一方方向に回転させることで冷蔵室18の室内温度を上昇させることができ、ボリュームつまみ21を他方向に回転させることで冷蔵室18の室内温度を下降させることができる。
【0038】
開閉検知装置22は、前後方向に進退可能なスイッチ構造を有している。図示しない断熱扉で冷蔵室18を閉鎖すると、断熱扉で開閉検知装置22が押圧される。これにより、開閉検知装置22は断熱扉が冷蔵室18を閉鎖したことを検知し、コントロールボックス20に配置された後述する発光素子29は発光しない。一方、冷蔵室18を閉鎖する図示しない断熱扉を開くと、断熱扉で開閉検知装置22が押圧されず前方に突出する。これにより、開閉検知装置22は断熱扉が開いた状態であることを検知し、コントロールボックス20に配置された後述する発光素子29を発光させ、冷蔵室18の内部を照らし出す。
【0039】
図2(B)を参照して、コントロールボックス20の側面を壁状に突出させることでレール31が形成されている。上記した収納容器60は、レール31に沿って前後方向に移動する。また、コントロールボックス20の下端にはスリット24が形成されており、スリット24の近傍に温度センサ23が配置されている。温度センサ23は冷蔵室18の室内温度を検知し、図示しない制御装置は、温度センサ23の出力に基づいて、冷蔵室18の室内温度が所定の温度帯域となるように、冷凍サイクルの圧縮機を制御する。
【0040】
図3を参照して、コントロールボックス20の構成を詳述する。
図3(A)はコントロールボックス20を示す斜視図であり、
図3(B)は他の視点からコントロールボックス20を見た場合の斜視図である。なおここでは、コントロールボックス20の内部の構成を図示するために、コントロールボックス20の下面に取り付けられる透光部32を図示していない。
【0041】
図3(A)および
図3(B)を参照して、コントロールボックス20は、箱体部材30と、この箱体部材30に組み込まれた各構成部品から構成されている。コントロールボックス20は、射出成形されたPP(Polyepropylene)などの合成樹脂から成り、上下前後方向に延びる主面部26と、主面部26の周縁部から右方に向かって直角に延在する側面部27および側面部28を有する。ボリュームつまみ21および開閉検知装置22は、箱体部材30の前方を向く側面部27に配設されている。また、箱体部材30の内部には、導電パターンが形成された回路基板34および回路基板35が配置されている。回路基板34は、箱体部材30の前方側端部に配置され、ボリュームつまみ21を介してユーザの回転操作により回転することで抵抗値が変化する可変抵抗(電子部品)が実装されている。回路基板35は、箱体部材30の下方側端部に配置され、冷蔵室18を照らし出す後述する発光素子29が実装されている。回路基板34および回路基板35の詳細は後述する。また、側面部28を部分的に開口することでスリット24が形成されている。
【0042】
図4を参照して、回路基板34をコントロールボックス20の箱体部材30に固定する基板固定構造40を説明する。
図4(A)は電子部品37が固着された回路基板34を示す斜視図であり、
図4(B)は回路基板34を固定する基板固定構造40を示す拡大斜視図であり、
図4(C)は基板固定構造40と回路基板34とを示す拡大斜視図である。
【0043】
図4(A)を参照して、回路基板34はガラスエポキシ樹脂等から成る基板であり、回路基板34の両主面には図示しない導電パターンが形成されている。回路基板34は略矩形形状を呈しており、左右方向で相対向する第1側辺34Aおよび第2側辺34B、上下方向で相対向する第3側辺34Cおよび第4側辺34Dを有している。第1側辺34Aおよび第2側辺34Bは第1方向に沿って延び、第3側辺34Cおよび第4側辺34Dは第2方向に沿って延びる。また、回路基板34は、前方を向く第1主面34Eと、後方を向く第2主面34Fを有している。
【0044】
回路基板34の前方を向く第1主面34Eには、電子部品37が固着されている。電子部品37は上記したボリュームつまみ21と接続され、その前方部分が回転することで内蔵された可変抵抗器の抵抗値が変化する。使用状況下では、ユーザがボリュームつまみ21を回転させると、電子部品37の前方部分もボリュームつまみ21と共に回転する。
【0045】
回路基板34の第1側辺34Aを部分的に矩形に切り欠くことで2つの切欠部36が形成されている。切欠部36は、回路基板34を箱体部材30に組み付けた際に、切欠部36の上下方向に於ける位置を固定するための部位である。
【0046】
なお、
図4(A)には図示していないが、ハーネスと接続するための端子部が回路基板34の第1主面34Eに実装されている。
【0047】
図4(B)を参照して、上記した構成を有する回路基板34は、箱体部材30の内部に於いて側面部27の近傍に配置されている。回路基板34の第1主面34Eは側面部27に面している。また、回路基板34の第1主面34Eに固着された電子部品37の端部は、側面部27の開口から内部に挿入されるボリュームつまみ21に接続している。
【0048】
回路基板34を箱体部材30の内部に固定する基板固定構造40を説明する。基板固定構造40は、箱体部材30の主面部26の内面から左方に向かって突出する挟持部42および切欠当接部41を有している。切欠当接部41は回路基板34を上下方向に固定する第1移動規制部であり、挟持部42は回路基板34を左右方向に固定する第2移動規制部である。挟持部42および切欠当接部41は、ここでは、それぞれ2個形成されており、上下方向に於いて挟持部42は切欠当接部41を挟む位置に配置されている。挟持部42および切欠当接部41は、箱体部材30の他の部位と共にPP等の合成樹脂を射出成形することで一体的に形成されている。
【0049】
挟持部42は、
図4(C)に示すように、その中間部に第1挟持部位43を有し、その端部に第2挟持部位44を有する。第1挟持部位43および第2挟持部位44は、回路基板34の端部を挟持することが可能な爪形状を呈している。第1挟持部位43と第2挟持部位44との離間距離は、回路基板34の第1側辺34Aと第2側辺34Bとが離間する距離に等しい。よって、基板固定構造40で回路基板34を固定すると、第1挟持部位43が回路基板34の第1側辺34Aを挟持し、第2挟持部位44が回路基板34の第2側辺34Bを挟持する。また、挟持部42の後方向側主面は、回路基板34の第1主面34Eに接する平坦面とされている。挟持部42は、左右方向および前後方向に対して、回路基板34を固定する。
【0050】
ここでは図示していないが、回路基板34の第2主面34Fには、電子部品37の実装に用いられる半田が溶着されている。よって、回路基板34の第2主面34Fには、半田による凹凸形状が形成されている。本実施形態では、挟持部42の後方向側主面は、半田による凹凸形状が形成されていない回路基板34の第1主面34Eに当接している。このようにすることで、挟持部42により更に安定的に回路基板34を固定することができる。
【0051】
回路基板34に実装される電子部品37は使用状況下にて回転するので、これに伴い回路基板34には回転モーメントが作用する。本形態では、回路基板34の長手方向の両端部を挟持部42で挟持しているので、回路基板34に回転モーメントが作用したとしても、回路基板34が回転方向に移動してしまうことを抑止することができる。
【0052】
切欠当接部41は、
図4(C)に示すように、主面部26を突出させた壁状部位の上端を矩形に切り欠いた部位であり、その位置は、
図4(A)に示す切欠部36に対応している。よって、回路基板34を基板固定構造40に組み込むと、それぞれの切欠当接部41は、それぞれの切欠部36に嵌合する。かかる構成により、上下方向に沿って、回路基板34は箱体部材30に対して固定される。
【0053】
本実施形態では、背景技術で述べたような締結構造を利用することなく、箱体部材30の一部をその内部に突出させて形成した基板固定構造40で、回路基板34の位置を固定している。よって、回路基板34を基板固定構造40に嵌め込むことで、回路基板34を箱体部材30に固定することができ、締結のための工具や手間が不要になるので、回路基板34の組み込み工程を簡略化することができる。
【0054】
図5を参照して、上記した基板固定構造40を詳述する。この図は基板固定構造40を詳しく示す図であり、
図5(A)は基板固定構造40を上方から見た図であり、
図5(B)は基板固定構造40を前方から見た図であり、
図5(C)は基板固定構造40を右方から見た図であり、
図5(D)は基板固定構造40を後方から見た図であり、
図5(E)は
図5(C)のE−E線に於ける断面図であり、
図5(F)は基板固定構造40を下方から見た図であり、
図5(G)は
図5(C)のG−G線に於ける断面図であり、
図5(H)は回路基板34を示す斜視図であり、
図5(I)は第2挟持部位44を拡大して示す断面図であり、
図5(J)は第1挟持部位43を拡大して示す断面図である。
【0055】
図5(A)および
図5(F)を参照して、上記した回路基板34を挟持する挟持部42は、基部48と、基部48の左端側に形成された第1挟持部位43と、基部48の右端側に形成された第2挟持部位44と、第2挟持部位44から更に右方に延びる延伸部57と、を有している。基部48は、主面部26から右方に延びる矩形断面を有する略板状の部材である。第1挟持部位43は、基部48から後方向かって鈎形状に突出して右方側が開口する。第2挟持部位44は、基部48から後方向かって鈎形状に突出して左方側が開口する。第1挟持部位43は、
図5(H)に示す回路基板34の第1側辺34Aを挟持する。第2挟持部位44は、
図5(H)に示す回路基板34の第2側辺34Bを挟持する。基板固定構造40は、かかる構成の挟持部42を、上下方向に離間した箇所に2つ有している。
【0056】
図5(C)を参照して、基板固定構造40は、上方側の挟持部42と下方側の挟持部42とをつなぐ板状部45を有している。板状部45は、
図5(B)および
図5(D)に示すように、主面部26から右方に向かって延びている。
【0057】
図5(B)および
図5(C)を参照して、板状部45の前面から前方に向かって延びる2つの前方リブ46が形成されている。前方リブ46の後端は前方リブ46に接続している。前方リブ46の左端は主面部26に接続している。
図5(C)および
図5(D)を参照して、板状部45の後面から後方に向かって延びる2つの後方リブ47が形成されている。後方リブ47の前端は主面部26に接続している。更に、後方リブ47の左端は主面部26に接続している。このような前方リブ46および後方リブ47を形成することで、前後方向に於ける基板固定構造40の強度を高めることができ、基板固定構造40に回路基板34を組み込んだ際に、基板固定構造40が前後方向に倒れてしまうことを防止することが出来る。
【0058】
図5(E)を参照して、後方リブ47の上面を矩形状に切り欠くことで切欠部62が形成されている。切欠部62の前後方向に於ける幅は、回路基板34の略同一とされている。
図5(C)に示すように、切欠部62はそれぞれの後方リブ47に形成されている。
図5(H)に示す回路基板34を、基板固定構造40に組み込むと、回路基板34の下面に形成された切欠部36のそれぞれが、基板固定構造40の各切欠部62に嵌合する。かかる構成により、上下方向において、回路基板34が基板固定構造40に対して位置決めされる。
【0059】
図5(G)、
図5(I)および
図5(J)を参照して、上記した第1挟持部位43および第2挟持部位44等を詳述する。
図5(I)は第2挟持部位44を拡大して示し、
図5(J)は第1挟持部位43を拡大して示している。
【0060】
図5(G)を参照して、第1挟持部位43の後端から主面部26に向かって、板状の支持部58が形成されている。支持部58の左端は主面部26に接続している。支持部58を形成することで、第1挟持部位43を左方から強固に支持することができ、回路基板34を第1挟持部位43に嵌め込む際に、第1挟持部位43が変形や破損してしまうことを防止することが出来る。
【0061】
図5(I)を参照して、第2挟持部位44は、基部48から後方に向かって鈎状に突出しており、更に左方に向かって開口しており、この開口している部分に回路基板34の第2側辺34Bが嵌め込まれる。第2挟持部位44と基部48との距離L10は、回路基板34の厚みと略同一とされている。第2挟持部位44の左端面は、左方に向かって前方に傾斜する傾斜面となっている。かかる構成により、回路基板34を基板固定構造40に嵌め込む作業が容易となる。
【0062】
図5(J)を参照して、第1挟持部位43は、基部48から後方に向かって鈎状に突出しており、右方に向かって開口しており、この開口している部分に回路基板34の第1側辺34Aが嵌め込まれる。第1挟持部位43と基部48との距離L11は、上記した距離L10と同様であり、回路基板34の厚みと略同一とされている。第1挟持部位43の右端面は、右方に向かって前方に傾斜する傾斜面となっている。かかる構成により、回路基板34を基板固定構造40に嵌め込む作業が容易となる。
【0063】
上記した基板固定構造40に回路基板34を固定する際には、先ず、作業者は、回路基板34の第1側辺34Aを、基板固定構造40の第1挟持部位43に嵌め込む。この際、
図5(H)に示す回路基板34の切欠部36は、
図5(C)および
図5(E)に示す基板固定構造40の切欠部62と互いに噛み合う。次に、作業者は、
図5(F)および
図5(H)を参照して、回路基板34の第2側辺34Bを、基板固定構造40の第2挟持部位44に嵌め込む。この際、基板固定構造40の延伸部57を作業者が保持することで、この嵌め込みが容易となる。上記作業により、基板固定構造40に回路基板34を固定することが出来る。
【0064】
図6および
図7を参照して、発光素子29が実装された回路基板35を箱体部材30の内部に固定する構造を説明する。
図6は回路基板35を示す斜視図である。
図7(A)は回路基板35が配置される部分の箱体部材30を示す拡大斜視図であり、
図7(B)は基板固定構造50と回路基板35とを示す拡大斜視図であり、
図7(C)は固定構造を他の視点から見た斜視図である。
【0065】
図6を参照して、回路基板35は、例えば、導電パターンが形成されたガラスエポキシ樹脂等から成る基板であり、貯蔵室内を照らし出す発光素子29を実装するための基板である。具体的には、回路基板35は略矩形形状を呈しており、左右方向で相対向する第1側辺35Aおよび第2側辺35B、前後方向で相対向する第3側辺35Cおよび第4側辺35Dを有している。また、回路基板35は、下方を向く第1主面35Eと、上方を向く第2主面35Fを有している。
【0066】
ここでは、一例として、2つの発光素子29が電子部品として回路基板35の第1主面35Eに実装されている。発光素子29としては、例えばLEDが採用される。また、回路基板35の第2主面35Fには、導線と接続するための接続端子38が固着されている。発光素子29は、接続端子38を経由して、電源と接続される。
【0067】
図7(A)を参照して、上記した構成を有する回路基板35は、箱体部材30の側面部28に嵌め込まれた透光部32に面するように配置される。ここでは図示しないが、回路基板35に固着された発光素子29は、箱体部材30に面する。透光部32は、可視光線に対して透明または半透明な合成樹脂から成り、その内面を前後方向に沿って溝状に窪ませることで溝部33が形成される。透光部32の内面には、複数の溝部33が略等間隔に形成されている。
【0068】
発光素子29から発せられた光は、透光部32を透過し、
図1に示す冷蔵室18を照らし出す。また、透光部32に溝部33が形成されていることで、発光素子29から直進的に発せられた光は、溝部33で屈折する。このことにより冷蔵室18は全体的に照らし出されるようになる。
【0069】
図7(A)、
図7(B)および
図7(C)を参照して、基板固定構造50で回路基板35を固定する構成を説明する。
【0070】
図7(B)に示すように、回路基板35は、基板固定構造50により、箱体部材30の内部に固定されている。基板固定構造50は、第1移動規制部として挿入部51を有し、第2移動規制部として挟持部52を有している。
【0071】
挿入部51は、
図7(B)に示すように、箱体部材30の主面部26の内面を右方に向かって穴状に突出させた部位であり、回路基板35の前後方向端部が挿入される。
図7(B)に示す前方に配置される挿入部51は、
図6に示す回路基板35の前方下端部に嵌合する形状を呈している。
図7(B)に示す後方に配置される挿入部51は、
図6に示す回路基板35の後方下端部に嵌合する形状を呈している。
【0072】
挟持部52は、挿入部51どうしの間に配置されており、箱体部材30の主面部26の内面を壁状に突出させた部位である。
図7(B)および
図7(C)に示すように、挟持部52の中間部は平坦な基部53が形成され、挟持部52の右方側の端部には爪状の挟持部位54が形成されている。更に、基部53から板状に上方に向かって伸び、且つ、主面部26と連続する支持部55が形成されている。支持部55が基部53の後方に形成されていることで、挟持部52は所定の角度で傾斜するようになる。
【0073】
また、基板固定構造50は、下方から回路基板35の第1主面35Eに当接する当接部56を有している。当接部56は、前後方向に於いて、挟持部52と挿入部51との間に配置されている。また、当接部56は、上下方向に於いて、挟持部52および挿入部51よりも下方に配置されている。後方から当接部56を見た場合、当接部56は略直角三角形形状を呈している。当接部56の傾斜面が、回路基板35の第1主面35Eに当接する。
【0074】
図7(B)に示すように、回路基板35は、その第1側辺35A側の両端部が挿入部51に挿入されることで、前後方向に於ける位置が固定されている。そして、回路基板35は、その第2側辺35B側の中央部の端部が挟持部52の挟持部位54に挟持されることで、左右方向の位置が固定されている。かかる構成の基板固定構造50により、箱体部材30の内部における回路基板35の位置が正確に固定される。
【0075】
図7(A)を参照して、挟持部52を後方から見た場合、挟持部52は、その先端部が主面部26に対して下方に向かって右方に傾斜する傾斜形状を呈している。このようにすることで、挟持部52により固定される回路基板35を、下方に向かって右方に傾斜するように固定することができる。よって、回路基板35に実装された発光素子29から発せられる光を、
図1を参照して、冷蔵室18の中心に向かって進行させ、冷蔵室18を全体的に照らし出すことができる。
【0076】
上記したように、挟持部52は、主面部26に対して傾斜する部位であるため、背景技術のようにビスなどの締結手段で回路基板35を挟持部52に締結することは容易ではない。本実施形態では、箱体部材30の一部である基板固定構造50に、回路基板35を挿入させ且つ挟持させることで、箱体部材30を所定角度に傾斜した状態で容易に固定することができる。更に、挟持部52は、柔軟性に優れるPPから成るため、回路基板35を強固に固定することができる。
【0077】
また、挟持部52の基部53の下方を向く面は平坦に形成され、基部53は回路基板35の第2主面35Fに当接している。一方、回路基板35は、その第1主面35Eに発光素子29が固着され、その第2主面35Fには発光素子29は固着されていない。基部53は、発光素子29が固着されない回路基板35の第2主面35Fに当接している。このようにすることで、基部53が発光素子29の発光や配置を阻害してしまうことを防止することができる。
【0078】
図8を参照して、上記した基板固定構造50の構成等を詳述する。
図8(A)は固定される回路基板35を示す斜視図であり、
図8(B)は基板固定構造50を上方から見た図であり、
図8(C)は基板固定構造50のB−B断面における断面図であり、
図8(D)は基板固定構造50を前方から見た図であり、
図8(E)は基板固定構造50を右方から見た図であり、
図8(F)は基板固定構造50を後方から見た図であり、
図8(G)は挟持部位54を拡大して示す図であり、
図8(H)は基板固定構造50を下方から見た図であり、
図8(I)は挿入部51を拡大して示す図である。
【0079】
図8(B)、
図8(E)、
図8(D)等を参照して、基板固定構造50は、回路基板35の第2側辺35Bを挟持する挟持部49と、回路基板35の第1側辺35Aが挿入される挿入部51と、を有している。挟持部49は、主面部26から右方に向かって延びる板状の基部53と、基部53の右端側に形成された挟持部位54と、基部53の右端部を形成る延伸部63と、を有している。
【0080】
図8(D)等を参照して、基部53の下方側の面は回路基板35の第2主面35Fに接する平坦面である。また、基部53は、回路基板35に実装された発光素子29から発せられる光を、貯蔵室内の中央側に向かって射出させるために、右方に向かって下方に傾斜するように延伸している。
【0081】
図8(D)等を参照して、挟持部位54は、基部53の右端側から下方に向かって鈎状に突出しており、左方に向かって開口している。
図8(B)に示すように、前後方向に於いて、挟持部位54は基部53の中央部付近に形成されている。また、
図8(G)を参照して、挟持部位54の先端と基部53が離間する距離L20は、回路基板35の厚みと略同一とされている。
【0082】
図8(E)を参照して、前後方向に於ける基板固定構造50の両端部には挿入部51が形成されている。
図8(D)および
図8(F)に示すように、挿入部51は主面部26から右方側に突出するように形成されている。また、挿入部51の内部に於いて、主面部26を右方に向かって突出することで、挿入部51よりも低い当接部64が形成されている。挿入部51に回路基板35を挿入する際に、回路基板35の第1側辺35Aに当接部64が当接することで、回路基板35の左右方向に於ける位置を規定することが出来る。
【0083】
図8(I)を参照して、挿入部51は、前方の側辺が欠損した不完全矩形を呈している。また、上下方向に於ける挿入部51の内側空間の幅L21は、回路基板35の幅と略同一とされている。また、
図8(E)に示す前方側の挿入部51は、
図8(I)に示す挿入部51と線対称な形状を呈している。
【0084】
図8(B)および
図8(D)を参照して、前後方向に於ける基部53の上面中央を上方に突出させることで、リブ状の支持部55を形成している。支持部55の下端部分は基部53に連続し、支持部55の左端部分は主面部26に連続している。支持部55を形成することで基部53を補強することができ、挟持部49で回路基板35をより強固に挟持できる。
【0085】
図8(B)および
図8(D)を参照して、挿入部51の下方部分を下方に向かってリブ状に突出させることで当接部56が形成されている。当接部56は、各挿入部51に対応して2つ形成されている。
図8(D)に示すように、当接部56の上方側面は、挟持部49の基部53と平行に成るように、傾斜している。当接部56の上方側面と、基部53の下方側面とが離間する距離は、回路基板35の厚みと略同一とされている。回路基板35を基板固定構造50で固定すると、回路基板35の第1主面35Eが当接部56の上方側辺に接し、回路基板35の第2主面35Fが基部53の下方側面に接する。即ち、当接部56と基部53とで回路基板35は挟み込まれて固定される。
【0086】
上記した構成を有する基板固定構造50に回路基板35を組み込む際には、先ず、作業員は、回路基板35の第1側辺35Aを、基板固定構造50の挿入部51に挿入する。
図8(E)を参照して、前後方向に於いて、挿入部51の内壁同士が離間する距離は、基板固定構造50の前後方向の幅と略同一である。よって、回路基板35を挿入部51に挿入することで、回路基板35の前後方向に於ける位置を固定することができる。次に、作業員は、
図8(D)を参照して、回路基板35の第2側辺35Bを、挟持部49の挟持部位54に嵌め込む。このようにすることで、回路基板35の左右方向に於ける位置が固定される。この嵌め込みを行う際、作業員が延伸部63を上方から押圧することで、回路基板35の嵌め込みが容易になる。
【0087】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。