(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2切欠き部の左右の側縁部のうち少なくとも前記第1切欠き部との連接部位は、上方に向けて前記第2切欠き部の横幅を広げる方向に傾斜する傾斜部とされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の折畳み容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、積層側壁部のヒンジ部と連結される軸受部は、ヒンジ部の軸部の上下方向のスライドを許容するべく、上下の幅が長く構成される。これに伴い、積層側壁部のヒンジ部についても、ヒンジ本体の上下幅が長く構成されることとなる。
【0007】
しかしながら、この場合、積層側壁部のヒンジ部に閉鎖カバーを取付けると、起立位置とされた積層側壁部のヒンジ部の周縁部と、軸受部の内周開口部の周縁部との間の隙間が閉鎖カバーにより塞がれるものの、ヒンジ本体、ひいては、これに取付けられる閉鎖カバーの上下幅が長い分、積層側壁部を回動変位させる際に、閉鎖カバーと、軸受部の内周開口部の周縁部とが干渉し易くなってしまうことが懸念される。
【0008】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は組立状態において側壁部のヒンジ部の周縁部と、軸受部の内周開口部の周縁部との間に隙間が形成されることを防止するとともに、側壁部の回動操作性の向上を図ることのできる折畳み容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0010】
手段1.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の各側辺部に沿ってそれぞれ上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記各土台部に対して、前記各土台部の上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備える折畳み容器において、
前記各側壁部は、前記側壁部の下辺部から下方に突出するヒンジ本体と、前記側壁部の横幅方向における前記ヒンジ本体の側面の下部から側方に突出する軸部とを具備するヒンジ部を複数備え、
前記各土台部は、上方、及び、前記底壁部の内周側に開口し、前記ヒンジ本体を挿入可能な挿入部と、前記軸部を挿入可能に構成され、前記軸部の前記底壁部の内周側への変位を規制するとともに、前記軸部の回動変位を許容する軸支部とを具備する軸受部を備え、
前記側壁部は、全ての前記側壁部が前記起立位置とされた折畳み容器の組立状態において対向し、かつ、全ての前記側壁部が前記寝かせ位置とされた折畳み容器の折畳み状態において一方が他方の上側に重なるとともに、それぞれが略水平方向に延在する一対の積層側壁部を備え、
前記積層側壁部の前記複数のヒンジ部のうち少なくとも前記積層側壁部の両側部側に配置される対象ヒンジ部には、折畳み容器を前記組立状態とした場合に、前記対象ヒンジ部の前記ヒンジ本体と、対応する前記軸受部のうち前記底壁部の内周側の開口部である内周開口部の周縁部との間の隙間を塞ぐ閉鎖カバーが取付けられ、
前記閉鎖カバーは、対応する前記軸受部の前記内周開口部と同じ形状をなす閉鎖板部と、前記閉鎖板部を前記対象ヒンジ部に取付けるための取付部とを備え、
折畳み容器の前記折畳み状態において前記一対の積層側壁部のうち上側に前記寝かせ位置とされた前記積層側壁部の前記対象ヒンジ部に取付けられた前記閉鎖カバーの前記閉鎖板部のうち前記軸受部に挿入されている部位の横幅は、前記内周開口部のうち当該閉鎖カバーの前記閉鎖板部が挿通されている部位、及び、それよりも上方部位の横幅よりも狭く、前記上側に寝かせ位置とされた積層側壁部に取付けられた前記閉鎖カバーと、前記内周開口部の両側縁部との間に隙間を形成可能に構成されて
おり、
前記対象ヒンジ部と連結される前記軸受部の前記内周開口部は、当該内周開口部の下縁部を含む部位において横幅が一定の第1切欠き部と、前記第1切欠き部の上方に位置し、前記第1切欠き部よりも横幅の大きな第2切欠き部とを備え、
上下方向における前記第1切欠き部と、前記第2切欠き部との境界部は、前記積層側壁部に取付けられた前記閉鎖カバーのうち折畳み容器の前記折畳み状態において前記軸受部に挿入されている部位の長さと同じ距離を、前記内周開口部の下縁部から上方に変位した位置よりも上方に位置していることを特徴とする折畳み容器。
【0011】
手段1によれば、一対の積層側壁部のうち上側に寝かせ位置とされている積層側壁部の対象ヒンジ部に取付けられた閉鎖カバーの閉鎖板部のうち軸受部に挿入されている部位の横幅は、内周開口部のうち当該閉鎖カバーの閉鎖板部が丁度挿通(貫通)されている部位、及び、それよりも上方部位の横幅よりも狭くなっている。このため、一対の積層側壁部のうち上側に寝かせ位置とされている積層側壁部を起立位置へと回動変位させる際に、閉鎖カバーと、内周開口部の側縁部との干渉を回避させつつ回動変位を開始させることができる。従って、積層側壁部の回動操作性の向上を図ることができ、閉鎖カバーや内周開口部の側縁部の損傷を抑制しつつ、折畳み容器の組立て、及び、折畳みに際しての作業性の向上等を図ることができる。
【0012】
その一方で、閉鎖カバーの閉鎖板部は内周開口部と同形状に構成されており、積層側壁部を土台部の内面と同じ角度に(略鉛直に)延在させるとともに、軸受部の軸支部において上下に変位可能に構成されている軸部を最下部に位置させる(積層側壁部を起立位置とさせる)ことで、閉鎖板部と、内周開口部の周縁部との間の隙間を閉塞することができる。結果として、組立状態において積層側壁部の対象ヒンジ部の周縁部と、軸受部の内周開口部の周縁部との間に隙間が形成されることを閉鎖カバーにより防止するとともに、積層側壁部の回動操作性の向上を図ることができる。
【0013】
尚、「折畳み容器の前記組立状態において、前記積層側壁部に取付けられている前記閉鎖カバーの前記閉鎖板部の内面は、前記積層側壁部が連結されている前記土台部の内面と略面一とされること」としてもよい。この場合、積層側壁部の閉鎖カバーの閉鎖板部と、土台部の内周開口部周縁部との間に段差が形成され、当該段差に対し折畳み容器に収容された物品が引っ掛かる等といった事態を回避することができる。
【0015】
また、手段
1によれば、閉鎖カバーの閉鎖板部が内周開口部と同じ形状をなす構成において、内周開口部の下部を構成する第1切欠き部の横幅が一定に構成されている。このため、例えば、第1切欠き部を上方に向けて拡幅するテーパ状に構成した場合のように、折畳み容器を折畳み状態とする際に、一対の積層側壁部のうち下側となる積層側壁部に取付けられた閉鎖カバーと、内周開口部の第1切欠き部の側縁部とが干渉してしまう(閉鎖カバーのうち第1切欠き部に挿通されている部位の横幅が、第1切欠き部の下端部の横幅よりも大きくなってしまい、閉鎖カバーが内周開口部の下縁部から上方に浮いた状態になってしまう)といった事態を回避することができる。特に、本手
段のように、第1切欠き部の上下幅が確保されることで、閉鎖カバーのうち内周開口部に挿通される部位の横幅が、内周開口部の横幅よりも大きくなるといった事態が確実に回避され、上記作用効果がより確実に奏される。
【0016】
手段3.
平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の各側辺部に沿ってそれぞれ上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記各土台部に対して、前記各土台部の上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備える折畳み容器において、
前記各側壁部は、前記側壁部の下辺部から下方に突出するヒンジ本体と、前記側壁部の横幅方向における前記ヒンジ本体の側面の下部から側方に突出する軸部とを具備するヒンジ部を複数備え、
前記各土台部は、上方、及び、前記底壁部の内周側に開口し、前記ヒンジ本体を挿入可能な挿入部と、前記軸部を挿入可能に構成され、前記軸部の前記底壁部の内周側への変位を規制するとともに、前記軸部の回動変位を許容する軸支部とを具備する軸受部を備え、
前記側壁部は、全ての前記側壁部が前記起立位置とされた折畳み容器の組立状態において対向し、かつ、全ての前記側壁部が前記寝かせ位置とされた折畳み容器の折畳み状態において一方が他方の上側に重なるとともに、それぞれが略水平方向に延在する一対の積層側壁部を備え、
前記積層側壁部の前記複数のヒンジ部のうち少なくとも前記積層側壁部の両側部側に配置される対象ヒンジ部には、折畳み容器を前記組立状態とした場合に、前記対象ヒンジ部の前記ヒンジ本体と、対応する前記軸受部のうち前記底壁部の内周側の開口部である内周開口部の周縁部との間の隙間を塞ぐ閉鎖カバーが取付けられ、
前記閉鎖カバーは、対応する前記軸受部の前記内周開口部と同じ形状をなす閉鎖板部と、前記閉鎖板部を前記対象ヒンジ部に取付けるための取付部とを備え、
折畳み容器の前記折畳み状態において前記一対の積層側壁部のうち上側に前記寝かせ位置とされた前記積層側壁部の前記対象ヒンジ部に取付けられた前記閉鎖カバーの前記閉鎖板部のうち前記軸受部に挿入されている部位の横幅は、前記内周開口部のうち当該閉鎖カバーの前記閉鎖板部が挿通されている部位、及び、それよりも上方部位の横幅よりも狭く、前記上側に寝かせ位置とされた積層側壁部に取付けられた前記閉鎖カバーと、前記内周開口部の両側縁部との間に隙間を形成可能に構成されており、
前記対象ヒンジ部と連結される前記軸受部の前記内周開口部は、当該内周開口部の下縁部を含む部位において横幅が一定の第1切欠き部と、前記第1切欠き部の上方に位置し、前記第1切欠き部よりも横幅の大きな第2切欠き部とを備え、
上下方向における前記第1切欠き部と、前記第2切欠き部との境界部は、折畳み容器の前記折畳み状態において前記一対の積層側壁部のうち上側に前記寝かせ位置とされた前記積層側壁部に取付けられている前記閉鎖カバーの前記閉鎖板部の下側を向いている内面よりも下方に位置していることを特徴とす
る折畳み容器。
【0017】
手段
2によれば、一対の積層側壁部のうち上側に寝かせ位置とされている積層側壁部に取付けられている閉鎖カバーよりも下方位置まで第2切欠き部とされている。このため、当該積層側壁部の上辺部側をそのまま上方に持ち上げるような格好で、積層側壁部を起立位置側に回動変位させる場合でも、比較的スムースに積層側壁部の回動変位を開始させることができる。従って、折畳み容器の組立作業性の向上等を図るといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段3.上下方向における前記第1切欠き部と、前記第2切欠き部との境界部は、前記積層側壁部に取付けられた前記閉鎖カバーのうち折畳み容器の前記折畳み状態において前記軸受部に挿入されている部位の長さと同じ距離を、前記内周開口部の下縁部から上方に変位した位置よりも上方に位置していることを特徴とする手段2に記載の折畳み容器。
【0018】
手段4.前記第2切欠き部の左右の側縁部のうち少なくとも前記第1切欠き部との連接部位は、上方に向けて前記第2切欠き部の横幅を広げる方向に傾斜する傾斜部とされていることを特徴とする手段
1乃至3のいずれかに記載の折畳み容器。
【0019】
手段4によれば、第2切欠き部の側縁部のうち第1切欠き部との連結部位が傾斜部とされていることから、閉鎖カバーの閉鎖板部のうち、積層側壁部が起立位置にある場合に第2切欠き部に対応する部位であって、第2切欠き部と同じ形状の部位(第2対応部)についても、その側辺部のうち傾斜部に対応する部位が傾斜していることとなる。このため、寝かせ位置にある積層側壁部を回動変位させて起立位置とする際に、閉鎖カバーの閉鎖板部の第2対応部のうち、先ず、第2切欠き部の傾斜部に対応する部位が、内周開口部に挿通されることとなる。このため、例えば、積層側壁部を起立位置とする際に、第2対応部と、内周開口部の側縁部とがたとえ接触したとしても、第2対応部のうち傾斜部に対応する部位により、第2対応部の内周開口部への挿通が案内される。従って、積層側壁部を比較的スムースに起立位置へと変位させることができ、折畳み容器の組立て作業性の向上を図ることができる。
【0020】
さらに、折畳み容器の折畳み状態においては、積層側壁部に取付けられている閉鎖カバーの閉鎖板部のうち、積層側壁部が起立位置にある場合に第1切欠き部に対応する部位であって、第1切欠き部と同じ形状の部位(第1対応部)が内周開口部に挿通されている。また、例えば、折畳み容器の組立状態において、積層側壁部に取付けられている閉鎖カバーの閉鎖板部の内面が、積層側壁部が連結されている土台部の内面と略面一とされる構成の場合には、積層側壁部を起立位置とする場合に、第1対応部のうち内周開口部よりも底壁部の外周側に位置する部位(軸受部に挿入されている部位)を内周開口部に挿通させることとなる。そして、折畳み容器の折畳み状態において一対の積層側壁部のうち上側に寝かせ位置とされている積層側壁部を起立位置とする際に、第1対応部のうち内周開口部よりも底壁部の外周側に位置する部位が、内周開口部の側縁部に接触したとしても、当該第1対応部は、内周開口部の側縁部のうち第2切欠き部の傾斜部に当接することにより、第1対応部の内周開口部への挿通が案内されるようになっている。従って、積層側壁部を比較的スムースに起立位置へと変位させることができ、折畳み容器の組立て作業性の向上を図ることができる。
【0021】
手段5.前記第2切欠き部は、上方に向けて漸次拡幅するテーパ状に構成されていることを特徴とする手段
1乃至4のいずれかに記載の折畳み容器。
【0022】
手段5によれば、積層側壁部が起立位置にある状態から、閉鎖カバーを内周開口部に対して若干上方に相対変位させるだけで、内周開口部の第2切欠き部と、閉鎖カバーの第2対応部との間に隙間を形成することができる。しかも、かかる作用効果が第2切欠き部の全体に及ぶ上、閉鎖カバーがたとえ土台部の内面と同じ角度に延在したとしてもかかる作用効果が奏される。従って、積層側壁部を回動変位させる際に、内周開口部の側縁部と、閉鎖カバーとの干渉をより確実に回避させることができ、積層側壁部の回動操作性の向上を図るといった作用効果がより一層奏されることとなる。
【0023】
尚、「前記第2切欠き部の左右の側縁部は、前記第1切欠き部と連接する第1傾斜部と、前記第1傾斜部の上端部と連接する第2傾斜部とを備え、前記第2傾斜部の傾斜は、前記第1傾斜部の傾斜に比べ鉛直方向に近くなるように構成されていること」としてもよい。この場合、内周開口部の横幅が拡がり過ぎることを抑制することができる。従って、内周開口部の周辺部の強度の低下や、内周開口部を含む軸受部の大型化等を抑制するとともに、対象ヒンジ部の軸部の突出長の抑制等を図ることができる。従って、軸受部及び対象ヒンジ部等の変形や損傷を抑制しつつ、連結状態の安定化等を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図2、
図4等に示すように、折畳み容器1は、平面視略矩形状をなす底壁部3と、底壁部3の各長辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4と、底壁部3の各短辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部5とを具備する底壁構成部2を備えている。さらに、
図1等に示すように、折畳み容器1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ回動可能に連結された長辺側側壁部6と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動可能に連結された短辺側側壁部7とを備えている。本実施形態の折畳み容器1は、ポリプロピレンにより構成されている。
【0026】
長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立位置(
図1参照)と、底壁部3の中央部側に寝かされる寝かせ位置(
図2参照)との間を回動変位可能に構成されている。また、
図4に示すように、長辺側土台部4の底壁部3からの突出長は、短辺側土台部5の底壁部3からの突出長よりも長くなっており、長辺側側壁部15を回動可能に支持するための長辺側軸受部8の形成位置も、短辺側側壁部7を回動可能に支持するための短辺側軸受部9の形成位置よりも上方に位置している。さらに、長辺側側壁部6の横幅は、底壁構成部2の長手幅とほぼ同じに構成され、短辺側側壁部7の横幅は、一対の長辺側土台部4間の距離とほぼ同じに構成されている。
【0027】
このため、本実施形態では、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が起立位置とされた組立状態にある折畳み容器1を、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が寝かせ位置とされた折畳み状態とする場合には、一対の短辺側側壁部7を先に寝かせ位置へと変位させてから、長辺側側壁部6を寝かせ位置へと変位させる構成となっている。そして、折畳み容器1が折畳み状態とされた場合には、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7が底壁部3の上方に重なるとともに、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6が短辺側側壁部7の上方に重なるようになっている。
【0028】
図1、
図6、
図7等に示すように、長辺側側壁部6は、当該長辺側側壁部6の内面を構成する略矩形板状のベース壁部11と、ベース壁部11の上辺部から外方に突出する上フランジ部12と、ベース壁部11の下辺部から外方に突出する下フランジ部13と、上フランジ部12と、下フランジ部13との間を連結する側壁補強リブ14とを備えている。さらに、長辺側側壁部6には、長辺側土台部4の長辺側軸受部8に対して回動可能に連結される長辺側ヒンジ部15が設けられている。長辺側ヒンジ部15は、長辺側側壁部6の下フランジ部13から下方に突出するヒンジ本体16と、長辺側側壁部6の横幅方向におけるヒンジ本体16の両側面の下端部から側方に突出する一対の軸部17とを備えている。
【0029】
その一方で、
図4、
図5、
図13等に示すように、長辺側土台部4に設けられた長辺側軸受部8は、上方、及び、底壁部3の内周側に開口し、ヒンジ本体16を挿入可能な挿入部21と、軸部17を挿入可能に構成され、軸部17の底壁部3の内周側への変位を規制するとともに、軸部17の回動変位を許容する軸支部22とを備えている。さらに、長辺側軸受部8は、軸支部22に挿入された軸部17の上方への変位を規制するフック部23を備えている。
【0030】
より具体的には、
図5、
図13、
図15、
図16等に示すように、長辺側軸受部8は、長辺側土台部4の内面を構成する内壁部24に設けられた正面視略矩形状の切欠き部(以下、「内周開口部25」と称する)を備えている。さらに、内壁部24のうち内周開口部25の両側縁部よりもそれぞれ若干側方に位置する部位と、長辺側土台部4の外面を構成する外壁部26との間をそれぞれ連結する一対の連結壁27を備えている。また、当該一対の連結壁27の間においては、長辺側土台部4の上面を構成する上壁部28が省略され、これにより、長辺側軸受部8が上方に開口している。当該構成において、連結壁27よりも内周開口部25側に位置する内壁部24(以下、「規制壁部29」とも称する)と、外壁部26との間の領域が軸支部22に相当し、規制壁部29によって、軸支部22に挿入された軸部17の底壁部3の内周側への変位が規制される。さらに、一対の軸支部22の間の領域が挿入部21に相当する。また、フック部23は、内周開口部25の両側方に位置する各規制壁部29の外面(長辺側土台部4の外面側の面)からそれぞれ外方に突出して一対で設けられている。
【0031】
尚、
図9に示すように、短辺側側壁部7についても、短辺側土台部5の短辺側軸受部9に対して回動可能に連結される短辺側ヒンジ部31を備え、短辺側ヒンジ部31は、短辺側側壁部7の下辺部から下方に突出するヒンジ本体32、及び、ヒンジ本体の両側面から突出する軸部(図示略)を具備している。さらに、図示は省略するが、短辺側軸受部9についても、短辺側ヒンジ部31のヒンジ本体32が挿入される挿入部、短辺側ヒンジ部31の軸部が挿入される軸支部、及び、当該軸支部に挿入された軸部の上方への変位を規制するフック部を備えている。
【0032】
また、
図3等に示すように、短辺側側壁部7の外面の両側部には、外方に突出する挿入突起33が設けられている。これに対し、長辺側側壁部6には、内面の両側部から内方に突出する係止壁34が設けられるとともに、係止壁34において、折畳み容器1が組立状態とされた場合に、短辺側側壁部7の挿入突起33が挿入される挿入孔部35が設けられている。当該構成により、短辺側側壁部7の外側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との間の上下方向における位置ずれが防止されるようになっている。
【0033】
さらに、短辺側側壁部7の外面側には、短辺側側壁部7の内側への傾倒変位を防止するロック機構36が設けられている。ロック機構36は、長辺側側壁部6の各側辺部において出没可能に設けられた左右一対のスライド片36aを備え、折畳み容器1が組立状態とされた場合に、スライド片36aの先端部が、長辺側側壁部6の内面側に設けられた係止凹部(図示略)に挿入されるようになっている。加えて、ロック機構36は、作業者が操作可能な操作部36bを備え、操作部36bの所定の操作を行うことで、左右一対のスライド片36aがともに係止凹部から抜け出した位置へと変位するようになっている。
【0034】
また、
図1等に示すように、各長辺側側壁部6、及び、各短辺側側壁部7の上部には、長辺側側壁部6及び短辺側側壁部7の厚み方向に貫通し、作業者が手を掛けることのできる持ち手部37が設けられている。さらに、各持ち手部37に対応して、各長辺側側壁部6、及び、各短辺側側壁部7の内面側に対し、各長辺側側壁部6、及び、各短辺側側壁部7の内面よりも内側に突出しないように装着され、持ち手部37を閉塞する持ち手カバー38が設けられている。持ち手カバー38は弾性変形可能に構成され、作業者が持ち手部37に指先を挿入する場合には内側に変形し、指先を持ち手部37から外した場合に、自らの弾性力により持ち手部37を閉塞する姿勢に戻るようになっている。
【0035】
尚、一対の短辺側土台部5間の距離は、短辺側側壁部7の高さ(上下幅)の2倍の長さよりも長くなっている。このため、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7の高さが揃うようになっている。その一方で、一対の長辺側土台部4間の距離は、長辺側側壁部6の高さ(上下幅)の2倍の長さよりも短くなっている。このため、
図2、
図10〜
図12等に示すように、折畳み容器1を折畳む場合には、一対の長辺側側壁部6のうち一方の長辺側側壁部6を寝かせ位置へと変位させた後、他方の長辺側側壁部6を、既に寝かせ位置とされた一方の長辺側側壁部6の上方に重ねるようにして、寝かせ位置へと変位させる。つまり、一対の長辺側側壁部6は、互いに折り重なるようにして畳まれる。さらに、長辺側軸受部8は、寝かせ位置にある長辺側側壁部6の長辺側ヒンジ部25の上下方向における変位を許容するように構成されており、寝かせ位置とされた一対の長辺側側壁部6は、ともに略水平方向に延在するようになっている。本実施形態では、長辺側側壁部6により積層側壁部が構成されている。
【0036】
図1、
図9に示すように、本実施形態では、各長辺側側壁部6に対して長辺側ヒンジ部15が6つ設けられている。そのうち、長辺側側壁部6の横幅方向中央部側に設けられる2つの長辺側ヒンジ部15については、
図6、
図9に示すように、ヒンジ本体16の内面が、長辺側側壁部6(ベース壁部11)の内面と面一に構成される上、対応する長辺側軸受部8の内周開口部25とほぼ同じ形状をなしている。その一方で、
図7、
図9、
図14に示すように、残り4つの長辺側ヒンジ部15(長辺側側壁部6の両側辺部側の長辺側ヒンジ部15、及び、その隣に位置する長辺側ヒンジ部15。以下、「長辺側一般ヒンジ部41」とも称する)に関しては、ヒンジ本体16の内面が、対応する長辺側軸受部8の内周開口部25よりも若干小さく構成されている。
【0037】
この点、
図7〜
図9、
図14に示すように、本実施形態の長辺側一般ヒンジ部41には、その内面側に対して閉鎖カバー42が取付けられている。折畳み容器1を組立状態とした場合には、長辺側一般ヒンジ部41のヒンジ本体16と、対応する長辺側軸受部8の内周開口部25の周縁部との間の隙間が閉鎖カバー42により塞がれるように構成されている。
図7に示すように、閉鎖カバー42は、対応する長辺側軸受部8の内周開口部25と同じ形状をなす閉鎖板部43と、閉鎖板部43を長辺側一般ヒンジ部41に取付けるための取付部44とを備えている。
図9に示すように、長辺側一般ヒンジ部41に取付けられた閉鎖カバー42の閉鎖板部43の内面は、長辺側側壁部6の内面と略面一とされ、また、折畳み容器1の組立状態において、閉鎖板部43の内面は、長辺側土台部4の内面と略面一とされる。
【0038】
尚、
図6、
図11等に示すように、長辺側一般ヒンジ部41を含む長辺側ヒンジ部15の外面は、長辺側側壁部6の外面と面一ではなく、長辺側側壁部6の外面よりも長辺側側壁部6の内面側に位置している。また、本実施形態では、長辺側一般ヒンジ部41が、対象ヒンジ部に相当する。加えて、
図9に示すように、短辺側側壁部7に設けられた3つの短辺側ヒンジ部31のうち短辺側側壁部7の両側辺部側に位置する短辺側側壁部31に関しても、内面側に対し、閉鎖カバー45が取付けられている。
【0039】
さて、
図13、
図14、
図16に示すように、長辺側一般ヒンジ部41と連結される長辺側軸受部8の内周開口部25は、当該内周開口部25の下縁部を含む部位において横幅が一定の第1切欠き部51と、第1切欠き部51の上方に位置し、第1切欠き部51よりも横幅の大きな第2切欠き部52とを備えている。本実施形態の第2切欠き部52は、上方に向けて漸次拡幅するテーパ状に構成されている。特に、本実施形態では、第2切欠き部52の左右の側縁部は、第1切欠き部51と連接する第1傾斜部53と、第1傾斜部53の上端部と連接する第2傾斜部54とを備え、第2傾斜部54の傾斜は、第1傾斜部53の傾斜に比べ鉛直方向に近くなるように構成されている。尚、内周開口部25(第2切欠き部52)の側縁部の上端部は面取り形状とされており、第2傾斜部54よりも内周開口部25の横幅が広がる方向に大きく傾斜している。
【0040】
また、
図14等に示すように、上下方向における第1切欠き部51と、第2切欠き部52との境界部は、前記閉鎖カバー42のうち折畳み容器1の折畳み状態において長辺側軸受部8に挿入されている部位の長さ(
図15参照)と同じ距離を、内周開口部25の下縁部から上方に変位した位置よりも上方に位置している。つまり、上記のように、閉鎖カバー42の閉鎖板部43は、長辺側側壁部6が起立位置とされた状態で、対応する長辺側軸受部8の内周開口部25と同じ形状をなしており、第1切欠き部51に対応する(第1切欠き部51を閉塞する)第1対応部46と、第2切欠き部52に対応する(第2切欠き部52を閉塞する)第2対応部47とを備えている。
【0041】
そして、
図15に示すように、閉鎖カバー42のうち折畳み容器1の折畳み状態において長辺側軸受部8に挿入される部位は、第1対応部46であって、横幅は一定であり、かつ、第1切欠き部51と同じ横幅である。このため、
図16に示すように、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6に取付けられた閉鎖カバー42の閉鎖板部43を、内周開口部25の下縁部に位置させる(当接させる)ことが可能となる。
図11に示すように、本実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6は、寝かせ位置にある短辺側側壁部7の上方を向いている外面、及び、内周開口部25の下縁部に当接して支持され、略水平方向に延在するように構成されている。
【0042】
さらに、
図17に示すように、上下方向における第1切欠き部51と、第2切欠き部52との境界部は、折畳み容器1の折畳み状態において一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43の下側を向いている内面よりも下方に位置している。
【0043】
つまり、
図11に示すように、折畳み容器1の折畳み状態において一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6は、下側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6の上方を向いている外面に当接して支持され、略水平方向に延在するように構成されている。そして、
図17に示すように、上側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43は、第1対応部46において内周開口部25の第2切欠き部52に挿通されることとなる。このため、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43と、内周開口部25の両側縁部との間には、隙間が形成されることとなる。
【0044】
さて、
図12、
図13に示すように、本実施形態の各長辺側軸受部8においてそれぞれ一対で設けられた各フック部23は、規制壁部29(内壁部24)の外面から外方(底壁部3の外周側)に突出している。また、各フック部23は、折畳み容器1が組立状態にある場合に、長辺側一般ヒンジ部41の軸部17の上方に位置して当該軸部17と当接、又は、近接する組立時持ち上がり防止ブロック55と、組立時持ち上がり防止ブロック55の上方に位置し、折畳み容器1が折畳み状態にある場合に、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の軸部17の上方に位置して当該軸部17と当接、又は、近接する折畳み時持ち上がり防止ブロック56とを備えている。
【0045】
また、折畳み時持ち上がり防止ブロック56は、組立時持ち上がり防止ブロック55よりも底壁部3の外周側に突出している。さらに、本実施形態では、組立時持ち上がり防止ブロック55が、折畳み時持ち上がり防止ブロック56と連結されている。加えて、
図13、
図17に示すように、折畳み時持ち上がり防止ブロック56の下端部には、内周開口部25から側方に突出する下部突部57が設けられている。組立時持ち上がり防止ブロック55は、折畳み時持ち上がり防止ブロック56の下面に対し、下部突部57にも跨るようにして連結されている。
【0046】
また、
図12に示すように、組立時持ち上がり防止ブロック55の下面の外側端部と、折畳み時持ち上がり防止ブロック56の下面の内側端部との間に延びる組立時持ち上がり防止ブロック55の外側端縁(以下、「連絡辺部58」と称する)は、下方に向けて底壁部3の内周側に傾斜している。一方、折畳み時持ち上がり防止ブロック56の外側端縁は、下方に向けて底壁部3の外周側に傾斜している。
【0047】
加えて、
図13に示すように、長辺側軸受部8には、挿入部21において、長辺側ヒンジ部15の下方への変位を規制する規制台59が設けられている。規制台59の上面は、内周開口部25の下縁部よりも若干下方に位置している。
【0048】
また、
図7、
図8、
図12に示すように、長辺側ヒンジ部15の軸部17は、長辺側側壁部6が起立位置にある状態において、ヒンジ本体16の下端部から側方に突出するとともに、長辺側側壁部6の厚み方向に延在する水平ブロック48と、水平ブロック48の上面のうち起立位置とした長辺側側壁部6の内面側から上方に突出する垂直ブロック49とを備えている。さらに、長辺側ヒンジ部15の軸部17は、長辺側側壁部6が寝かせ位置にある場合の水平方向における幅が、長辺側側壁部6が起立位置にある場合の水平方向における幅よりも狭く構成されている。このため、長辺側側壁部6を底壁構成部2(長辺側土台部4)に取付ける際には、長辺側側壁部6を寝かせた姿勢として、長辺側ヒンジ部15の軸部17を、折畳み時持ち上がり防止ブロック56と外壁部26との間に挿通させるようになっている。尚、折畳み時持ち上がり防止ブロック56と外壁部26との間の距離は、長辺側側壁部6が寝かせ位置にある場合の軸部17の水平方向における幅よりも若干狭くなっている。
【0049】
折畳み容器1が組立状態とされた場合には、長辺側ヒンジ部15の垂直ブロック49の上端部が、組立時持ち上がり防止ブロック55の下面と当接又は近接するようになっている(
図12の右側の長辺側側壁部6を参照)。このため、折畳み容器1を組立て状態として、長辺側側壁部6に設けられた持ち手部37に手を掛けて(掴んで)折畳み容器1を持ち上げる場合には、長辺側ヒンジ部15の垂直ブロック49の上端部と、組立時持ち上がり防止ブロック55の下面とが当接し、組立時持ち上がり防止ブロック55が垂直ブロック49に支持される(持ち上げられる)ようになっている。
【0050】
さらに、
図11に示すように、折畳み容器1が折畳み状態とされた場合には、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の長辺側ヒンジ部15の垂直ブロック49のうち上方を向いている面が、折畳み時持ち上がり防止ブロック56の下面と当接又は近接するようになっている。
【0051】
また、
図12に示すように、本実施形態では、水平ブロック48のうち長辺側側壁部6が起立位置にある場合に上方を向いている水平ブロック48の上面は、長辺側側壁部6が起立位置にある場合に、底壁部3の外周側に向けて下方傾斜し、長辺側側壁部6が寝かせ位置にある場合に、底壁部3の外周側に向けて上方傾斜している。尚、長辺側ヒンジ部15のヒンジ本体16、及び、軸部17の下面の外面側部位は、略円弧状に構成され、長辺側側壁部6の回動動作がスムースに行われるようになっている。
【0052】
以上詳述したように、本実施形態によれば、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の長辺側一般ヒンジ部41に取付けられた閉鎖カバー42の閉鎖板部43のうち長辺側軸受部8に挿入されている部位(第1対応部46)の横幅は、内周開口部25のうち当該閉鎖カバー42の閉鎖板部43が丁度挿通(貫通)されている部位、及び、それよりも上方部位(ともに、第2切欠き部52)の横幅よりも狭くなっている。このため、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6を起立位置へと回動変位させる際に、閉鎖カバー42と、内周開口部25の側縁部との干渉を回避させつつ回動変位を開始させることができる。従って、長辺側側壁部6の回動操作性の向上を図ることができ、閉鎖カバー42や内周開口部25の側縁部の損傷を抑制しつつ、折畳み容器1の組立て、及び、折畳みに際しての作業性の向上等を図ることができる。
【0053】
その一方で、閉鎖カバー42の閉鎖板部43は内周開口部25と同形状に構成されており、長辺側側壁部6を長辺側土台部4の内面と同じ角度に(略鉛直に)延在させるとともに、長辺側軸受部8の軸支部22において上下に変位可能に構成されている軸部17を最下部に位置させる(長辺側側壁部6を起立位置とさせる)ことで、閉鎖板部43と、内周開口部25の周縁部との間の隙間を閉塞することができる。結果として、組立状態において長辺側側壁部6の長辺側一般ヒンジ部41の周縁部と、長辺側軸受部8の内周開口部25の周縁部との間に隙間が形成されることを閉鎖カバー42により防止するとともに、長辺側側壁部6の回動操作性の向上を図ることができる。
【0054】
尚、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43の内面は、長辺側土台部4の内面と略面一とされている。このため、長辺側側壁部6の閉鎖カバー42の閉鎖板部43と、長辺側土台部4の内周開口部25周縁部との間に段差が形成され、当該段差に対し折畳み容器1に収容された物品が引っ掛かる等といった事態を回避することができる。
【0055】
また、閉鎖カバー42の閉鎖板部43が内周開口部25と同じ形状をなす構成において、内周開口部25の下部を構成する第1切欠き部51の横幅が一定に構成されている。このため、例えば、第1切欠き部51を上方に向けて拡幅するテーパ状に構成した場合のように、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、一対の長辺側側壁部6のうち下側となる長辺側側壁部6に取付けられた閉鎖カバー42と、内周開口部25の第1切欠き部51の側縁部とが干渉してしまう(閉鎖カバー42のうち第1切欠き部51に挿通されている部位の横幅が、第1切欠き部51の下端部の横幅よりも大きくなってしまい、閉鎖カバー42が内周開口部25の下縁部から上方に浮いた状態になってしまう)といった事態を回避することができる。
【0056】
特に、本実施形態では、上下方向における第1切欠き部51と、第2切欠き部52との境界部は、長辺側側壁部6に取付けられた閉鎖カバー42のうち折畳み容器1の折畳み状態において長辺側軸受部8に挿入されている部位の長さと同じ距離を、内周開口部25の下縁部から上方に変位した位置よりも上方に位置している。当該構成により、閉鎖カバー42のうち内周開口部25に挿通される部位の横幅が、内周開口部25の横幅よりも大きくなるといった事態が確実に回避され、上記作用効果がより確実に奏される。
【0057】
さらに、上下方向における第1切欠き部51と、第2切欠き部52との境界部は、折畳み容器1の折畳み状態において一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43の下側を向いている内面よりも下方に位置している。これにより、一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42よりも下方位置まで第2切欠き部52とされる。このため、当該長辺側側壁部6の上辺部側をそのまま上方に持ち上げるような格好で、長辺側側壁部6を起立位置側に回動変位させる場合でも、比較的スムースに長辺側側壁部6の回動変位を開始させることができる。従って、折畳み容器1の組立作業性の向上等を図るといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
【0058】
また、内周開口部25の第2切欠き部52は、上方に向けて漸次拡幅するテーパ状に構成されている。このため、長辺側側壁部6が起立位置にある状態から、閉鎖カバー42を内周開口部25に対して若干上方に相対変位させるだけで、内周開口部25の第2切欠き部52と、閉鎖カバー42の第2対応部47との間に隙間を形成することができる。しかも、かかる作用効果が第2切欠き部52の全体に及ぶ上、閉鎖カバー42がたとえ長辺側土台部4の内面と同じ角度に延在したとしてもかかる作用効果が奏される。従って、長辺側側壁部6を回動変位させる際に、内周開口部25の側縁部と、閉鎖カバー42との干渉をより確実に回避させることができ、長辺側側壁部6の回動操作性の向上を図るといった作用効果がより一層奏されることとなる。
【0059】
さらに、第2切欠き部52の左右の側縁部のうち、第1切欠き部51と連接する第1傾斜部の傾斜よりも、第1傾斜部53の上端部と連接する第2傾斜部54の傾斜の方が、鉛直方向に近くなるように構成されている。このため、内周開口部25の横幅が拡がり過ぎることを抑制することができる。従って、内周開口部25の周辺部の強度の低下や、内周開口部25を含む長辺側軸受部8の大型化等を抑制するとともに、長辺側一般ヒンジ部41の軸部17の突出長の抑制等を図ることができる。従って、長辺側軸受部8及び長辺側一般ヒンジ部41等の変形や損傷を抑制しつつ、連結状態の安定化等を図ることができる。
【0060】
また、寝かせ位置にある長辺側側壁部6を回動変位させて起立位置とする際に、閉鎖カバー42の第2対応部47のうち、先ず、第2切欠き部52の第1傾斜部53に対応する部位が、内周開口部25に挿通されることとなる。このため、例えば、長辺側側壁部6を起立位置とする際に、第2対応部47と、内周開口部25の側縁部とがたとえ接触したとしても、第2対応部47のうち第1傾斜部53に対応する部位により、第2対応部47の内周開口部25への挿通が案内されるようになっている。従って、長辺側側壁部6を比較的スムースに起立位置へと変位させることができ、折畳み容器1の組立て作業性の向上を図ることができる。
【0061】
加えて、折畳み容器1の折畳み状態においては、長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43のうち第1対応部46が内周開口部25に挿通されている。さらに、折畳み容器1の組立状態においては、長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の閉鎖板部43の内面が、長辺側土台部4の内面と略面一とされることから、長辺側側壁部6を起立位置とする場合には、第1対応部46のうち内周開口部25よりも底壁部3の外周側に位置する部位(長辺側軸受部8に挿入されている部位)を内周開口部25に挿通させることとなる。そして、折畳み容器1の折畳み状態において一対の長辺側側壁部6のうち上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6を起立位置とする際に、当該長辺側側壁部6に取付けられている閉鎖カバー42の第1対応部46のうち内周開口部25よりも底壁部3の外周側に位置する部位が、内周開口部25の側縁部に接触したとしても、当該第1対応部46は、内周開口部25の側縁部のうち第2切欠き部52の第1傾斜部53に当接することにより、第1対応部46の内周開口部25への挿通が案内されるようになっている。従って、長辺側側壁部6を比較的スムースに起立位置へと変位させることができ、折畳み容器1の組立て作業性の向上を図ることができる。
【0062】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0063】
(a)上記実施形態において、長辺側ヒンジ部15(長辺側軸受部8)の数、配置、及び、横幅等については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。さらに、閉鎖カバー42が取付けられる長辺側ヒンジ部15(長辺側一般ヒンジ部41)の数についても特に限定されるものではなく、必要に応じて、適宜変更可能である。但し、長辺側側壁部6の側辺部側に関しては、成形上、公差が比較的大きく設定される上、長辺側土台部4との連結状態においてガタツキが生じ易い部位でもある。このため、長辺側側壁部6の側辺部側の長辺側ヒンジ部15に対しては、閉鎖カバー42が設けられるとともに、対応する長辺側軸受部8の内周開口部25が、第1切欠き部51と、第2切欠き部52とを備えるように構成することが望ましい。尚、閉鎖カバー42が取付けられない長辺側ヒンジ部15、及び、当該長辺側ヒンジ部15が連結される長辺側軸受部8の内周開口部25に関しては、その側辺部、及び、側縁部が鉛直方向に延在するように構成することとしてもよい。
【0064】
(b)上記実施形態では、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7の高さ位置が揃っているが、例えば、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7同士が上下に重なり合うように構成してもよい。当該構成を採用する場合、短辺側土台部5の短辺側軸受部9にも、組立時持ち上がり防止ブロック55、及び、折畳み時持ち上がり防止ブロック56を具備するフック部23を設けることとしてもよい。さらに、かかる構成を採用する場合には、一対の長辺側側壁部6を先に寝かせ位置とした後、一対の短辺側側壁部7を寝かせ位置とするような構成としてもよい。また、短辺側軸受部9が、第1切欠き部51及び第2切欠き部52を具備する内周開口部25を有するよう構成してもよい。尚、フック部23のうち組立時持ち上がり防止ブロック55を省略してもよいし、フック部23を省略してもよい。
【0065】
(c)上記実施形態では、長辺側側壁部6、及び、長辺側土台部4の上辺部は、その内側部位から上方に突出し、長辺側側壁部6、及び、長辺側土台部4の横幅方向に延在する突部が設けられるような格好で段差形状をなしているが、当該突部を省略し、略平坦状に構成してもよい。また、上記実施形態では、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7に開口部が設けられることで持ち手部37が構成されているが、開口部を設けることなく、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の外面側に設けられる補強リブ等によって、作業者が手を掛けることのできる持ち手部を構成することとしてもよい。
【0066】
(d)記実施形態では、内周開口部25の第2切欠き部52の全体が上方に向けて漸次拡幅するテーパ状をなしているが、少なくとも第2切欠き部52のうち第1切欠き部51との連接部位のみがテーパ状をなし、テーパ状部位よりも上方部位を略鉛直方向に延在させるように構成してもよい。この場合においても、寝かせ位置にある長辺側側壁部6を起立位置とする際に、第2対応部47が内周開口部25の側縁部に接触したとしても、第2対応部47のうち第1傾斜部53に対応する部位により、第2対応部47を比較的スムースに内周開口部25に挿通させることができるといった作用効果が奏される。
【0067】
(e)上記実施形態の折畳み容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。