(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された折畳み容器を組立状態から折畳み状態とする場合には、相対する一対の第1側壁部のうち、上壁部と下壁部との連結部位の高さ位置が下方に位置する方の第1側壁部の折畳み操作を先に開始し、上方に位置する方の第1側壁部の折畳み操作を後に開始するといった順番を守らなければ、一対の第1側壁部同士が干渉し、折畳めなくなってしまう。このため、折畳み容器の折畳み作業に際し、一対の第1側壁部のうちどちらが折畳み操作を先に行う第1側壁部なのかを確認する必要が生じ、作業性の低下等を招くことが懸念される。
【0008】
さらに、特許文献1の折畳み容器は、相対する一対の第1側壁部の上壁部、及び、下壁部同士の上下幅が同じである代わりに、上枠、及び、底壁構成部のうち、一方の第1側壁部が連結される部位と、他方の第1側壁部が連結される部位とで上下幅が異なっている。このため、上枠及び底壁構成部がアンバランスな形状となってしまい、折畳み容器の強度や各種構成の設置等に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0009】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、折畳み作業性の低下、折畳み状態における高さの増加、及び、平面視の面積の増加を招くことなく、組立状態における高さを大きくすることのできる折畳み容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0011】
手段1.
略矩形状の底壁部を具備する平面視略矩形状の底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部と、前記側壁部の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠とを備え、
前記側壁部は、下辺部が前記底壁構成部の側辺部に対して回動可能に連結された下壁部と、上辺部が前記上枠に対して回動可能に連結された上壁部とを具備する相対する一対の第1側壁部と、上辺部が前記上枠に対して回動可能に連結された相対する一対の第2側壁部とを備え、
箱型に組立てられた組立状態から、前記第2側壁部を回動変位させるとともに、前記第1側壁部を折畳むことにより折畳み状態とされる折畳み容器において、
前記第1側壁部は、上辺部が前記上壁部の下辺部に対して回動可能に連結されるとともに、下辺部が前記下壁部の上辺部に対して回動可能に連結された中間壁部を備え、
前記組立状態において、前記上壁部と、前記下壁部とが上下に離間するとともに、前記上壁部と、前記下壁部との間に前記中間壁部が介在
し、
前記中間壁部の上下幅は、前記上壁部の厚みと、前記下壁部の厚みとを足した長さよりも長く、
前記第1側壁部は、前記折畳み状態において、前記底壁構成部の上方に折畳まれる構成であって、
前記底壁構成部は、前記折畳み状態において、前記中間壁部のうち少なくとも前記上壁部との連結部よりも前記下壁部との連結部側の部位と、前記下壁部とを収容する底壁側収容部を備えており、
前記折畳み状態において、一対の前記第1側壁部の両下壁部における前記中間壁部側が前記底壁部に向けて下るように下方傾斜して延びていることを特徴とする折畳み容器。
【0012】
手段1によれば、第1側壁部は、底壁構成部に対して回動可能に連結される下壁部と、上枠に対して回動可能に連結され、折畳み容器の組立状態において下壁部に対し上下方向に離間する上壁部と、下壁部の上辺部、及び、上壁部の下辺部に対して回動可能に連結される中間壁部とを備えている。これにより、第1側壁部の上下幅を、上壁部、下壁部、及び、中間壁部で確保することができる。このため、例えば、折畳み容器の組立状態において、相対する一対の第1側壁部間の距離が、第1側壁部の上下幅(下壁部の上下幅、中間壁部の上下幅、及び、上壁部の上下幅を足した長さ)よりも短い場合であっても、折畳み容器の折畳み状態において、各第1側壁部の下壁部、上壁部、及び、中間壁部が、底壁構成部の中央部を超えて、他方の第1側壁部側へはみ出さないように、下壁部、上壁部、及び、中間壁部の各上下幅を設定することができる。また、例えば、第1側壁部が上壁部と、下壁部とから構成される場合に比べ、折畳み容器を折畳み状態とした場合の第1側壁部の形状に自由度を持たせることも可能であり、例えば、折畳み容器を折畳み状態とする際に第1側壁部同士が接触しても、互いの干渉を避ける形状に変形、変位するように構成することも可能である。
【0013】
従って、折畳み容器を折畳み状態とする際に、相対する一対の第1側壁部同士が阻害し合うといった事態を回避しつつ、第1側壁部の上下幅が、一対の第1側壁部間の距離よりも長い折畳み容器を得ることができる。結果として、折畳み作業性の低下、及び、一対の第1側壁部間の距離の増加を招くことなく、折畳み容器の組立状態における高さを大きくすることができ、例えば、折畳み容器の平面視の面積を増加させることなく、背の高い物品を収容可能にする等のニーズに応えることができる。
【0014】
さらに、例えば、一対の第1側壁部のうち、下側になる第1側壁部と、上側になる第1側壁部とが予め決められてしまうといった構成を回避することができ、一対の第1側壁部のうちどちらを先に折畳むとしても(両方同時に折畳んでも)、第1側壁部同士の干渉を回避することができる。従って、折畳み容器の折畳み作業に際し、先に折畳む第1側壁部を判別するといった作業をしなくても済み、折畳み作業性の向上等を図ることができる。加えて、例えば、上枠及び底壁構成部のうち、一方の第1側壁部と連結される部位と、他方の第1側壁部と連結される部位とで上下の幅が異なるといった構成を回避することができる。従って、上枠及び底壁構成部がアンバランスな形状となることを回避することができ、強度が低下したり、各種構成の設置場所を確保し難くなったりするといった事態を防止することができる。
また、例えば、折畳み容器の折畳み状態において、上枠の内側(上枠側収容部)に対し、第2側壁部だけでなく、第1側壁部の大部分(例えば、中間壁部のうち少なくとも下壁部との連結部よりも上壁部との連結部側の部位、及び、上壁部)についても収容可能に構成する場合等のように、上枠の上下幅が大きくなり、上枠が重くなってしまうといった懸念を払拭することができる。従って、折畳み容器の組立作業性の向上を図ることができるとともに、折畳み容器の組立状態の安定化(第1側壁部、及び、第2側壁部、特に、連結部位への負担軽減、低重心化等)を図ることができる。
また、折畳み容器の折畳み状態において、底壁側収容部に対し、下壁部だけでなく、中間壁部の大部分が収容されるため、折畳み状態における上枠と、底壁構成部との間の距離を、組立状態における中間壁部の上下幅よりも短く構成することができ、さらには、折畳み状態における上枠と、底壁構成部とを当接させることも可能となる。従って、折畳み状態における折畳み容器の高さを小さく(低く)抑えることができ、折畳み状態にある折畳み容器の保管・運搬効率の向上等を図ることができる。
【0015】
尚、「前記折畳み状態における前記上枠と、前記底壁構成部との間の距離は、前記組立状態における前記中間壁部の上下幅よりも短く構成されていること」としてもよい。この場合、折畳み容器の折畳み状態においては、上枠と底壁構成部との間の距離が、組立状態における中間壁部の上下幅よりも短くなるように構成されている。このため、例えば、中間壁部に代えて、上枠や底壁構成部の上下幅を大きくすることで組立状態における折畳み容器の高さを大きくする構成(組立状態における高さを大きくした分だけ、折畳み状態における高さも大きくなってしまう)に比べ、折畳み状態における折畳み容器の高さを小さく(低く)抑えることができる。従って、折畳み状態にある折畳み容器の保管・運搬効率の向上等を図ることができる。
【0016】
さらに、「前記折畳み状態において、前記上枠と、前記底壁部とが上下に当接すること」としてもよい。この場合、折畳み状態における折畳み容器の高さをより小さくすることができる上、折畳み状態にある折畳み容器同士を上下に積み重ねる(段積みする)等した場合において、第1側壁部に荷重が掛けられてしまうといった事態を防止することができる。
【0017】
手段2.
略矩形状の底壁部を具備する平面視略矩形状の底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部と、前記側壁部の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠とを備え、
前記側壁部は、下辺部が前記底壁構成部の側辺部に対して回動可能に連結された下壁部と、上辺部が前記上枠に対して回動可能に連結された上壁部とを具備する相対する一対の第1側壁部と、上辺部が前記上枠に対して回動可能に連結された相対する一対の第2側壁部とを備え、
箱型に組立てられた組立状態から、前記第2側壁部を回動変位させるとともに、前記第1側壁部を折畳むことにより折畳み状態とされる折畳み容器において、
前記第1側壁部は、上辺部が前記上壁部の下辺部に対して回動可能に連結されるとともに、下辺部が前記下壁部の上辺部に対して回動可能に連結された中間壁部を備え、
前記組立状態において、前記上壁部と、前記下壁部とが上下に離間するとともに、前記上壁部と、前記下壁部との間に前記中間壁部が介在し、
前記中間壁部の上下幅は、前記上壁部の厚みと、前記下壁部の厚みとを足した長さよりも長く、
前記第1側壁部は、前記折畳み状態において、前記底壁構成部の上方に折畳まれる構成であって、
前記第1側壁部の前記下壁部が、前記底壁部から上方に離間した位置で軸支され、
前記折畳み状態において、一対の前記第1側壁部の両下壁部における前記中間壁部側が前記底壁部に向けて下るように下方傾斜して延び、
前記折畳み状態において、前記第1側壁部同士が上下に重ならないように構成されていることを特徴とする折畳み容器。
【0020】
手段3.
平面視略矩形状の底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部と、前記側壁部の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠とを備え、
前記側壁部は、下辺部が前記底壁構成部の側辺部に対して回動可能に連結された下壁部と、上辺部が前記上枠に対して回動可能に連結された上壁部とを具備する相対する一対の第1側壁部と、上辺部が前記上枠に対して回動可能に連結された相対する一対の第2側壁部とを備え、
箱型に組立てられた組立状態から、前記第2側壁部を回動変位させるとともに、前記第1側壁部を折畳むことにより折畳み状態とされる折畳み容器において、
前記第1側壁部は、上辺部が前記上壁部の下辺部に対して回動可能に連結されるとともに、下辺部が前記下壁部の上辺部に対して回動可能に連結された中間壁部を備え、
前記組立状態において、前記上壁部と、前記下壁部とが上下に離間するとともに、前記上壁部と、前記下壁部との間に前記中間壁部が介在し、
前記中間壁部は、前記第1側壁部の高さ方向において複数設けられ、前記中間壁部同士が回動変位可能に連結されており、
前記組立状態において、前記上壁部の下辺部と、上側の前記中間壁部の上辺部とが当接し、前記下壁部の上辺部と、下側の前記中間壁部の下辺部とが当接し、上側の前記中間壁部の下辺部と下側の前記中間壁部の上辺部とが当接し、
複数の前記中間壁部の上下幅は、前記上壁部の厚みと、前記下壁部の厚みとを足した長さよりも長く、
前記折畳み状態においては、前記上壁部の外面と上側の前記中間壁部の外面とが上下に対向して当接し、前記下壁部の外面と下側の前記中間壁部の外面とが上下に対向して当接し、上側の前記中間壁部の内面と、下側の前記中間壁部の内面とが上下に対向して当接し、
前記折畳み状態において、前記第1側壁部同士が上下に重ならないように構成されていることを特徴とする折畳み容器。
【0021】
手段
2、3によれば、折畳み容器を折畳み状態とする際に、一対の第1側壁部同士の接触をより確実に回避させることができる。このため、折畳み容器の折畳み作業性の向上、第1側壁部同士の接触に起因する第1側壁部の損傷等のリスクの回避を図ることができる。さらに、折畳み状態における折畳み容器の高さの低減をより一層図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図2等に示すように、折畳み容器1は、平面視略矩形状の底壁構成部2と、底壁構成部2の相対する一対の長側辺部からそれぞれ上方に延びる第1側壁部としての長辺側側壁部3と、底壁構成部2の相対する一対の短側辺部からそれぞれ上方に延びる第2側壁部としての短辺側側壁部4と、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠5とを備えている。さらに、折畳み容器1は、上枠5の開口部を閉鎖する閉位置と、上枠5の開口部を開放する開位置との間を変位可能な一対の蓋部材6を備えている。本実施形態の底壁構成部2、長辺側側壁部3、短辺側側壁部4、上枠5、及び、蓋部材6は、ポリプロピレンにより構成されている。
【0024】
また、
図3、
図4等に示すように、本実施形態の折畳み容器1は折畳み可能に構成されている。すなわち、
図5、
図7等に示すように、長辺側側壁部3は、下辺部が底壁構成部2の長辺部に対して回動可能に連結された下壁部11と、上辺部が上枠5の長辺部に対して回動可能に連結された上壁部12と、上辺部が上壁部12の下辺部に対して回動可能に連結されるとともに、下辺部が下壁部11の上辺部に対して回動可能に連結された中間壁部13とを備えている。本実施形態では、
図4、
図9に示すように、中間壁部13を折畳み容器1の内側に押し込むように押圧することで、上壁部12の外面と下壁部11の外面とを上下に対向させるようにして長辺側側壁部3を折畳み可能になっている。以下、上壁部12、中間壁部13、及び、下壁部11が上下に延びた長辺側側壁部3の姿勢を長辺側側壁部3の起立姿勢と称し、上壁部12、中間壁部13、及び、下壁部11が折畳まれた長辺側側壁部3の姿勢を長辺側側壁部3の折畳み姿勢と称する。
【0025】
短辺側側壁部4は、上枠5の短辺部に対して回動可能に連結されている。本実施形態では、短辺側側壁部4を折畳み容器1の内側に押圧することで、短辺側側壁部4を略水平に延在するまで回動可能になっている。以下、上枠5から下方に延びた短辺側側壁部4の姿勢を短辺側側壁部4の起立姿勢と称し、上枠5から上枠5の内周側に向けて略水平に延在する短辺側側壁部4の姿勢を短辺側側壁部4の跳ね上げ姿勢と称する。
【0026】
また、
図8に示すように、短辺側側壁部4の横幅は、一対の長辺側側壁部3間の距離とほぼ同じである。さらに、
図2等に示すように、短辺側側壁部4の上枠5に対する回転軸は、長辺側側壁部3の上枠5に対する回転軸よりも上方に位置している。
【0027】
図1、
図2に示すように、折畳み容器1は、一対の長辺側側壁部3、及び、一対の短辺側側壁部4が起立姿勢とされることで、箱型に組立てられた組立状態とされる。折畳み容器1の組立状態では短辺側側壁部4が一対の長辺側側壁部3の間に位置する。また、折畳み容器1を組立状態から、底壁構成部2の上方に長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4が折畳まれた(折重ねられた)折畳み状態とする場合には、先ず、
図4に示すように、一対の短辺側側壁部4を折畳み容器1の内側に押圧して略水平に延在するまで回動させる(跳ね上げる)。続いて、一対の長辺側側壁部3を折り曲げることで、折畳み状態とすることができるようになっている。
【0028】
さらに、
図1、
図6に示すように、各長辺側側壁部3の下壁部11、及び、上壁部12の左右両端部には、内面から突出する断面略L字状の第1係合部14、及び、第2係合部15が設けられている。これに対し、
図1に示すように、短辺側側壁部4の外面側には、折畳み容器1を組立状態とした場合に、上記第1係合部14、及び、第2係合部15とそれぞれ係合される第1被係合部16、及び、第2被係合部17が設けられている。そして、折畳み容器1を組立状態とすることで、起立姿勢とされた一対の長辺側側壁部3の間に、起立姿勢とされた一対の短辺側側壁部4が位置するとともに、第1係合部14、及び、第2係合部15と、第1被係合部16、及び、第2被係合部17とが係合状態とされる。これにより、長辺側側壁部3の折畳み容器1の内方への傾倒変位(折り畳まれるような変位)、長辺側側壁部3の折畳み容器1の外方への傾倒変位、及び、短辺側側壁部4の折畳み容器1の外方への傾倒変位がより確実に防止されるようになっている。
【0029】
また、
図4、
図7、
図8に示すように、底壁構成部2は、略矩形板状をなす底壁部21と、底壁部21の各長辺部に沿って底壁部21からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部22と、底壁部21の各短辺部に沿って底壁部21からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部23とを備えている。長辺側土台部22が設けられることにより、長辺側側壁部3の下壁部11が、底壁部21から上方に離間した位置で軸支されるようになっている。
【0030】
図2、
図7、
図10に示すように、短辺側土台部23は、折畳み容器1の組立状態において短辺側側壁部4の下面と対向する基台24と、基台24の上面の外側辺部から上方に延出し、折畳み容器1の組立状態において短辺側側壁部4の外面と対向する縦壁部25とを備え、底壁部21の各短側辺部に沿って、一対の長辺側土台部22間を連結するようにして延在している。
図7に示すように、基台24は、底壁部21の上面よりも上方に突出して設けられているが、長辺側土台部22に比べ、底壁部21からの突出長が短くなっている。
図8に示すように、縦壁部25は、その両側部を含む部位が長辺側土台部22と高さが同じであり、縦壁部25の上面は、長辺側土台部22の上面と連続して延びている。
【0031】
加えて、
図7に示すように、短辺側側壁部4の下面には、短辺側側壁部4の横幅方向中央部の近傍位置から下方に突出する左右一対の係止突片26が設けられている。さらに、係止突片26には、短辺側側壁部4の外面側に開口する係止孔部27(
図7参照)が設けられている。これに対し、
図7、
図9に示すように、短辺側土台部23には、基台24において、上方、及び、折畳み容器1の内方に開口し、折畳み容器1の組立状態において、短辺側側壁部4の各係止突片26をそれぞれ収容する係止収容部28が設けられている。さらに、各係止収容部28の内側には、基台24の上面とほぼ同じ高さ位置から折畳み容器1の内方に突出する係止突部29が設けられている。そして、短辺側側壁部4が起立姿勢とされた場合に、短辺側側壁部4の係止突片26が、短辺側土台部23の係止収容部28に収容されるとともに、短辺側土台部23の係止突部29が、短辺側側壁部4の係止孔部27に挿入される(或いは、短辺側側壁部4の内面側にも開口形成されている係止孔部27の下縁部から外方に突出する延長底壁を設け、当該延長底壁が、短辺側土台部23の係止突部29の下方に対向配置される)ようになっている。
【0032】
さらに、
図8に示すように、短辺側側壁部4の外面側の中央下部には、ロック部材31が装着されている。ロック部材31は、短辺側側壁部4の外面側から操作可能、かつ、上下にスライド変位可能に構成され、短辺側側壁部4が起立姿勢とされた状態において、ロック部材31が下方に変位させられることで、ロック部材31が短辺側側壁部4の下面から下方に突出するとともに、短辺側土台部23の基台24の上面側に設けられたロック係止孔32(
図10参照)に挿入される。これにより、短辺側側壁部4の折畳み容器1の内方への変位が防止されるようになっている。
【0033】
尚、
図1、
図2に示すように、一対の蓋部材6は、上枠5の各長辺部の上面側に対して回動可能に連結されるとともに、閉位置から270度程度回動変位することで開位置とされる。折畳み容器1の組立状態では、開位置とされた蓋部材6は、長辺側側壁部3の外面に沿って上下に延在する。また、上枠5の各短辺部の外側面には、折畳み状態にある折畳み容器1を組立状態とするべく上枠5を持ち上げる際に操作される組立操作部33が設けられている。さらに、折畳み容器1の組立状態において、組立操作部33の下方に位置する短辺側側壁部4の上部には、組立状態にある折畳み容器1を持ち運ぶ際に操作される持ち手部34が設けられている。
【0034】
次に、長辺側側壁部3について、より具体的に説明する。
図5、
図6等に示すように、本実施形態の上壁部12、中間壁部13、及び、下壁部11は、それぞれ左右に長い略矩形板状をなしており、上壁部12、中間壁部13、及び、下壁部11は、いずれもほぼ同じ横幅となっている。このため、折畳み容器1の組立状態においては、上壁部12と、下壁部11とが上下に離間するとともに、上壁部12と、下壁部11との間に中間壁部13が介在するようになっている。さらに、
図7に示すように、折畳み容器1の組立状態においては、上下に並んで配置される上壁部12、中間壁部13、及び、下壁部11の内面が略面一とされ、特に、本実施形態では、これらの内面と、上枠5、及び、長辺側土台部22の内面とがほぼ面一とされるようになっている。加えて、折畳み容器1の組立状態では、上壁部12、中間壁部13、及び、下壁部11の内面の両側部が、それぞれ短辺側側壁部4の側面と対向して略当接するように構成されている。
【0035】
また、
図5等に示すように、上壁部12、及び、下壁部11は、互いに類似した形状をなしており、特に、中間壁部13の上辺部、及び、下辺部に設けられた連結部41に対して回動可能に連結される被連結部42に関しては、ほぼ同じ形状となっている。さらに、中間壁部13は、上下対称形状をなしている。このため、中間壁部13を上下逆にしても上壁部12、及び、下壁部11と連結可能となっている。
【0036】
加えて、上壁部12、及び、下壁部11の上下幅は、ほぼ同じとなっている。本実施形態では、上壁部12、及び、下壁部11の上下幅は、一対の長辺側土台部22間の距離(折畳み容器1の組立状態における一対の長辺側側壁部3間の距離)の1/2の長さよりも若干短く構成されている。また、中間壁部13の上下幅は、上壁部12、及び、下壁部11の上下幅よりも短く、かつ、上壁部12の厚みと、下壁部11の厚みとを足した長さよりも長くなっている(
図9参照)。さらに、起立姿勢にある長辺側側壁部3の上下幅(上壁部12の上下幅、中間壁部13の上下幅、及び、下壁部11の上下幅を足した長さ)は、一対の長辺側土台部22間の距離(折畳み容器1の組立状態における一対の長辺側側壁部3間の距離)よりも長くなっている。
【0037】
尚、本実施形態では、一対の長辺側側壁部3は、上壁部12、下壁部11、及び、中間壁部13がそれぞれ同じ形状となっている。このため、
図7、
図9に示すように、折畳み容器1の組立状態、及び、折畳み状態のどちらにおいても、一方の長辺側側壁部3の断面形状と、他方の長辺側側壁部3の断面形状とがほぼ左右対称形状となる(上壁部12と中間壁部13との連結部位、及び、下壁部11と中間壁部13との連結部位の高さ位置がそれぞれほぼ同じとなる)。
【0038】
また、上記のように、本実施形態の底壁構成部2は、底壁部21の各側辺部から上方に突出する長辺側土台部22、及び、短辺側土台部23が設けられており、
図9に示すように、その内側空間(以下、「底壁側収容部43」と称する)に対して、折畳み姿勢とされた長辺側側壁部3の下壁部11と、中間壁部13の大部分(上壁部12との連結部41よりも下壁部11側の部位)とが収容されるようになっている。さらに、
図10に示すように、跳ね上げ姿勢にある一対の短辺側側壁部4、及び、折畳み姿勢にある長辺側側壁部3の上壁部12については、上枠5の内側空間(以下、「上枠側収容部44」と称する)に収容されるようになっている。つまり、折畳み容器1の折畳み状態では、一対の長辺側側壁部3、及び、一対の短辺側側壁部4の全体が、底壁側収容部43、及び、上枠側収容部44に収容されるようになっている。
【0039】
より具体的に、折畳み容器1の折畳み状態における長辺側側壁部3は、
図9に示すように、上壁部12が上枠5の下辺部から上枠5の内周側に向けて略水平方向に延び、下壁部11が長辺側土台部22の上辺部から底壁構成部2の内周側に向けて下方傾斜して延びるとともに、上壁部12の上枠5の内周側の端部と、下壁部11の底壁構成部2の内周側の端部との間を連結する中間壁部13が、下方に向けて、若干、底壁構成部2の外周側に傾斜しつつ(ほぼ鉛直方向に)延びている。特に、本実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、下壁部11の内面(当該折畳み状態では下側を向いている面)のうち中間壁部13側の部位が、底壁構成部2の短辺側土台部23の係止収容部28に設けられた係止突部29と当接して支持されるようになっている。また、上壁部12、及び、下壁部11の上下幅は、それぞれ一対の長辺側土台部22間の距離の1/2の長さよりも短く構成されていることから、折畳み容器1の折畳み状態において長辺側側壁部3同士が上下に重なったり、折畳み容器1を組立状態から折畳み状態とする際に長辺側側壁部3同士が接触したりしないようになっている。
【0040】
さらに、
図10に示すように、短辺側側壁部4の上下幅は、一対の短辺側土台部23間の距離(折畳み容器1の組立状態における一対の短辺側側壁部4間の距離)よりも短く、かつ、一対の短辺側土台部23間の距離の1/2の長さよりも長く構成されている。折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部4は、一方が他方の上側に重なって他方に支持されるとともに、他方は、一対の長辺側側壁部3の上壁部12の上方に重なって、上壁部12に支持されるようになっている。尚、本実施形態では、一対の短辺側側壁部4のうちどちらを先に跳ね上げ姿勢としても、上側となる短辺側側壁部4が、下側となる短辺側側壁部4の回転軸側に向けて若干上方傾斜するようにして延在し、下側となる短辺側側壁部4が、上側となる短辺側側壁部4の回転軸側に向けて若干下方傾斜するようにして延在することとなり、短辺側側壁部4同士を支障なく上下に重ねることが可能となっている。
【0041】
また、
図3に示すように、上枠5の外寸は、底壁構成部2の外寸とほぼ等しくなっている。さらに、折畳み容器1の折畳み状態では、上枠5と、底壁構成部2とが上下に直接当接するように構成されている。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側側壁部3は、底壁構成部2に対して回動可能に連結される下壁部11と、上枠5に対して回動可能に連結され、折畳み容器1の組立状態において下壁部11に対し上下方向に離間する上壁部12と、下壁部の上辺部、及び、上壁部12の下辺部に対して回動可能に連結される中間壁部13とを備えている。これにより、長辺側側壁部3の上下幅を、上壁部12、下壁部11、及び、中間壁部13で確保する(分担させる)ことができる。このため、例えば、折畳み容器1の組立状態において、相対する一対の長辺側側壁部3間の距離が、長辺側側壁部3の上下幅(下壁部11の上下幅、中間壁部13の上下幅、及び、上壁部12の上下幅を足した長さ)よりも短い場合であっても、折畳み容器1の折畳み状態において、各長辺側側壁部3の下壁部11、上壁部12、及び、中間壁部13が、底壁構成部2の中央部を超えて、他方の長辺側側壁部3側へはみ出さないように、下壁部11、上壁部12、及び、中間壁部13の各上下幅を設定することができる(本例では、下壁部11、及び、上壁部12の上下幅が、一対の長辺側土台部22間の距離の1/2よりも短くなっている)。
【0043】
従って、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、相対する一対の長辺側側壁部3同士が阻害し合うといった事態を回避しつつ、長辺側側壁部3の上下幅が、一対の長辺側側壁部3間の距離よりも長い折畳み容器1を得ることができる。結果として、折畳み作業性の低下、及び、一対の長辺側側壁部3間の距離の増加を招くことなく、折畳み容器1の組立状態における高さを大きくすることができ、例えば、折畳み容器1の平面視の面積を増加させることなく、背の高い物品を収容可能にする等のニーズに応えることができる。
【0044】
さらに、一対の長辺側側壁部3のうち、下側になる長辺側側壁部3と、上側になる長辺側側壁部3とが予め決められてしまうといった構成を回避することができ、一対の長辺側側壁部3のうちどちらを先に折畳むとしても(両方同時に折畳んでも)、長辺側側壁部3同士の干渉を回避することができる。従って、折畳み容器1の折畳み作業に際し、先に折畳む長辺側側壁部3を判別するといった作業をしなくても済み、折畳み作業性の向上等を図ることができる。加えて、上枠5及び底壁構成部2のうち、一方の長辺側側壁部3と連結される部位と、他方の長辺側側壁部3と連結される部位とで上下の幅が異なるといった構成を回避することができる。従って、上枠5及び底壁構成部2がアンバランスな形状となることを回避することができ、強度が低下したり、各種構成(被連結部42等)の設置場所を確保し難くなったりするといった事態を防止することができる。
【0045】
また、折畳み容器1の折畳み状態において、上枠5と、底壁部21とが上下に当接するように構成されている。このため、例えば、中間壁部13に代えて、上枠5や底壁構成部2(長辺側土台部22、及び、短辺側土台部23)の上下幅を大きくすることで組立状態における折畳み容器1の高さを大きくする構成(組立状態における高さを大きくした分だけ、折畳み状態における高さも大きくなってしまう)に比べ、折畳み状態における折畳み容器1の高さを小さく(低く)抑えることができる。従って、折畳み状態にある折畳み容器1の保管・運搬効率の向上等を図ることができる。さらに、折畳み状態にある折畳み容器1同士を上下に積み重ねる(段積みする)等した場合において、長辺側側壁部3に荷重が掛けられてしまうといった事態を防止することができる。
【0046】
さらに、本実施形態の底壁構成部2は、折畳み状態において、中間壁部13のうち少なくとも上壁部12との連結部41よりも下壁部11との連結部41側の部位、及び、下壁部11を収容する底壁側収容部43を備えている。このため、例えば、折畳み容器1の折畳み状態において、短辺側側壁部4を収容する上枠5の上枠側収容部44が、長辺側側壁部3の大部分(例えば、中間壁部13のうち少なくとも下壁部11との連結部41よりも上壁部12との連結部41側の部位、及び、上壁部12)についても収容可能に構成する場合等のように、上枠5の上下幅が大きくなり、上枠5が重くなってしまうといった懸念を払拭することができる。従って、折畳み容器1の組立作業性の向上を図ることができるとともに、折畳み容器1の組立状態の安定化(長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4、特に、連結部位への負担軽減、低重心化等)を図ることができる。
【0047】
また、折畳み容器1の折畳み状態において、底壁側収容部43に対し、下壁部11だけでなく、中間壁部13の大部分が収容されるため、上記のように、折畳み状態において上枠5と、底壁構成部2とを当接させることが可能となる。
【0048】
加えて、本実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部3同士が上下に重ならないように構成されている。このため、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、一対の長辺側側壁部3同士の接触をより確実に回避させることができる。このため、折畳み容器1の折畳み作業性の向上、長辺側側壁部3同士の接触に起因する長辺側側壁部3の損傷等のリスクの回避を図ることができる。さらに、折畳み状態における折畳み容器1の高さの低減をより一層図ることができる。
【0049】
また、上記実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、折畳み姿勢にある長辺側側壁部3のうち底壁部21側を向いている面(本例では、下壁部11のうち折畳み容器1の折畳み状態では下側を向く面である内面の中間壁部13側の部位)が、底壁構成部2の短辺側土台部23の係止収容部28に設けられた係止突部29に当接して支持されるようになっている。このため、例えば、折畳み容器1の折畳み状態において、長辺側側壁部3の下壁部11が長辺側土台部22に支持されるのみであって、下壁部11の中間壁部13側が底壁構成部2に支持されない構成に比べ、下壁部11の長辺側土台部22との連結部への負担を軽減させることができる。
【0050】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0051】
(a)上記実施形態では、折畳み容器1を折畳み状態とした場合に、一対の長辺側側壁部3同士が接触しないように構成されているが、接触するように構成してもよい。当該構成においても、長辺側側壁部3が中間壁部13を備えることにより、例えば、長辺側側壁部3が上壁部12と、下壁部11とから構成される場合に比べ、折畳み容器1を折畳み状態とした場合の長辺側側壁部3の形状に自由度を持たせることができる。このため、折畳み容器1を折畳み状態とする際に長辺側側壁部3同士が接触しても、互いの干渉を避ける形状に長辺側側壁部3を変形、変位させることができる。従って、上記実施形態と同様に、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、相対する一対の長辺側側壁部3同士が阻害し合うといった事態を回避しつつ、長辺側側壁部3の上下幅が、一対の長辺側側壁部3間の距離よりも長い折畳み容器1を得ることができるといった作用効果が奏される。
【0052】
また、上記実施形態では、長辺側側壁部3を折畳み姿勢とする場合に、中間壁部13を折畳み容器1の内側に変位させ、上壁部12の外面、及び、下壁部11の外面を上下に対向させるように構成されているが、起立姿勢にある長辺側側壁部3の中間壁部13を折畳み容器1の外側に変位させ、上壁部12の内面、及び、下壁部11の内面を上下に対向させるようにして、長辺側側壁部3を折畳み姿勢とするように構成してもよい。加えて、短辺側側壁部4に関しても、跳ね上げ姿勢とする場合に、折畳み容器1の内側に回動変位させるのではなく、折畳み容器1の外側に回動変位させるように構成してもよい。
【0053】
(b)上記実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、上枠5と底壁構成部2とが上下に当接するように構成されているが、離間するように構成されていてもよい。当該構成を採用する場合においても、折畳み状態における上枠5と、底壁構成部2との間の距離が、組立状態における中間壁部13の上下幅よりも短く構成されることで、例えば、中間壁部13に代えて、上枠5、又は、底壁部21の上下幅を大きくすることで組立状態における折畳み容器1の高さを大きくする構成に比べ、折畳み状態における折畳み容器1の高さを小さく抑えることができるといった作用効果が奏される。但し、上記実施形態のように、上枠5と、底壁構成部2とが当接し得るように構成されることで、折畳み状態における折畳み容器1の高さをより小さくすることができる上、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みする等した場合において、長辺側側壁部3等に荷重が掛けられてしまうといった事態を防止することができる。
【0054】
(c)上記実施形態では、各長辺側側壁部3の下壁部11、及び、上壁部12の左右両端部において、折畳み容器1の組立状態時に、短辺側側壁部4の第1被係合部16、及び、第2被係合部17と係合する第1係合部14、及び、第2係合部15が設けられているが、かかる構成に加えて、又は、代えて、中間壁部の左右両端部において、折畳み容器の組立状態時に、短辺側側壁部4の被係合部と係合される係合部が設けられることとしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、折畳み容器1の組立状態における上壁部12、及び、下壁部11と、中間壁部13との連結部位(連結部41)の高さ位置が、一方の長辺側側壁部3と、他方の長辺側側壁部3とで同じとされていたが、異なるように構成してもよい。
【0056】
さらに、例えば、上記実施形態では、中間壁部13の横幅が、上壁部12、及び、下壁部11の横幅と同じであったが、上壁部12、及び、下壁部11の横幅よりも短く構成してもよい。但し、折畳み容器1の組立状態において、中間壁部13の内面が短辺側側壁部4と略当接し、折畳み容器1の内側への変位が規制され得るように構成することで、折畳み容器1の組立状態における形状の安定化等を図ることができる。
【0057】
加えて、中間壁部13の連結部41、及び、上壁部12、並びに、下壁部11の被連結部42の構造については特に限定されるものではなく、長辺側側壁部3を起立姿勢と折畳み姿勢とに姿勢変化可能に構成されていればよい。尚、長辺側側壁部3が起立姿勢にある場合に、中間壁部13と、上壁部12及び下壁部11とが、連結部41、及び、被連結部42以外の部位においても上下に当接するように構成されることが望ましい。
【0058】
(d)また、上記実施形態では、各長辺側側壁部3において1つの中間壁部13が設けられているが、例えば、長辺側側壁部3の横幅方向において中間壁部13を複数に分割するような格好としてもよいし、長辺側側壁部3の高さ方向において中間壁部13を複数に分割し、中間壁部13同士を回動変位可能に連結するような格好としてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態の中間壁部13は、折畳み容器1の組立状態において上壁部12と下壁部11との間に形成される隙間を閉鎖する部位(中間本体部)と、閉塞板部を上壁部12、及び、下壁部11に対して回動変位可能に連結する部位(連結部)とが一体的に構成されているが、別体として構成してもよい。例えば、上壁部と下壁部との間において、上下一対の中間壁部(中間本体部)を介在させるとともに、上壁部と上側の中間壁部(中間本体部)との間、下壁部と下側の中間壁部(中間本体部)との間、及び、上側の中間壁部と下側の中間壁部との間を、連結部としてのヒンジブロックで回動可能に連結することとしてもよい。ヒンジブロックとしては、断面略長円形状の(長手幅が、上壁部又は下壁部の厚みと、中間壁部の厚みとを足した長さとほぼ同じ)ブロック本体と、ブロック本体を中間壁部(中間本体部)と連結するための左右一対の第1軸部と、ブロック本体を上壁部、又は、下壁部と連結するための左右一対の第2軸部とを備える。これに対し、中間壁部(中間本体部)は、ヒンジブロックの前記一対の第1軸部を含む半分を挿入可能とする第1凹部と、第1凹部の内側側面に形成され、第1軸部を軸支する第1軸受部とを備える。また、上壁部、及び、下壁部は、ヒンジブロックの前記一対の第2軸部を含む半分を挿入可能とする第2凹部と、第2凹部の内側側面に形成され、第2軸部を軸支する第2軸受部とを備える。当該構成を採用する場合、折畳み容器の組立状態において、ヒンジブロックが設けられた部位以外の箇所において、上壁部の下辺部と、上側の中間壁部の上辺部とが略当接し、下壁部の上辺部と、下側の中間壁部の下辺部とが略当接し、上側の中間壁部の下辺部と下側の中間壁部の上辺部とが略当接する。一方、折畳み容器の折畳み状態においては、上壁部の外面と上側の中間壁部の外面とが上下に対向して略当接し、下壁部の外面と下側の中間壁部の外面とが上下に対向して略当接し、上側の中間壁部の内面と、下側の中間壁部の内面とが上下に対向して略当接する。
【0060】
(e)上記実施形態では、折畳み容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。また、上記実施形態の折畳み容器1は蓋部材6を具備しているが、蓋部材6を省略することも可能である。