【実施例1】
【0011】
<ダクトレールおよびダクトレール用電源ユニットの外観>
図1(A)は、ダクトレール用DC発光システム201がダクトレール100に装着されている状態の一部断面正面図であり、
図1(B)は、ダクトレール用電源ユニット1が天井に敷設又は吊り下げられた通電可能なダクトレール100に装着されている様子を示す斜視図である。以下、ダクトレール100にダクトレール用電源ユニット1が装着された状態で、ダクトレール100側(天井側)をダクトレール用電源ユニット1の上側、ダクトレール100の反対側(床側)をダクトレール用電源ユニット1の下側とする。
【0012】
図1(A)に示すように、ダクトレール用DC発光システム201は、DC発光ユニット202と、DC発光ユニットに固定されての上方(天井側)へ伸びる吊り下げアーム207と、吊り下げアーム207の上端に接続されてダクトレール100に装着されるDC発光ユニット装着プラグ220と、ダクトレール100に装着されて電気的に接続されるダクトレール用電源ユニット1を有している。
【0013】
DC発光ユニット202は、複数の文字型発光部203が基台205により連結されて構成されている。この文字型発光部203は、例えば、正面解放した箱文字形状の筐体内部にLED発光体等の光源を設け、解放面に文字型の拡散板が嵌め込まれて、光源の光が拡散板によって拡散されて文字型に発光型に発光するいわゆる箱文字等で構成するこができる。基台205内には図示省略配線が設けられており、各文字型発光部203を電気的および物理的に接続して、各文字型発光部203にDC電力を供給する。
【0014】
吊り下げアーム207は、この実施例ではDC発光ユニット202の両側端付近にそれぞれ設けられており、一方の内部にDC電源ライン215a,215b(導体ライン)が挿通され、他方の内部は中空に構成されている。DC電源ライン215a,215bは、一端が文字型発光部203内の光源若しくは基台205の基板に接続され、他端がDC発光ユニット装着プラグ220からダクトレール100の中空内部へ放出されている。
【0015】
DC発光ユニット装着プラグ220は、上方がダクトレール100に固定され、下方が吊り下げアーム207の固定部210に固定されている。
ダクトレール用電源ユニット1は、プラグ10とAC/DCコンバート部5を有しており、プラグ10によってダクトレール100に電気的に接続されると共に物理的に固定されている。
【0016】
図1(B)に示すように、ダクトレール100は、断面が略コ字状を90度左へ回転させた形状のダクトレール本体101と、ダクトレール本体101の両側壁の下端から内側へ突出する2つのガイド102,102と、ダクトレール本体101の内側の左右両側に長手方向に一直線に設けられた2つの導体ライン103,103とを備えている。ダクトレール本体101と2つのガイド102,102は一体に形成されており、断面が略長方形の下面中央を長手方向に一直線に開口した形状となっている。
【0017】
ダクトレール本体101は、略水平の天井取付壁101cの両側端から下方へ垂直に設けられた両側壁101a、101bを有している。両側壁101a、101bの両下端には、内側へ水平で同じ高さに設けられた2つのガイド102,102が設けられ、2つのガイド102,102の間に開口104が設けられている。このダクトレール本体101、2つのガイド102,102、2つの導体ライン103,103は、長尺状に形成され、いずれも同じ長さに形成されている。
【0018】
2つのガイド102は、ダクトレール本体101の両側壁101a、101bの下方の開放端から、反対側の開放端に向けて内側水平に延出する延出部が、ダクトレール本体101の長手方向に沿って設けられた長尺板状である。2つのガイド102は、対向するように配置される。
【0019】
対向する2つのガイド102の間には、スリット状の開口104が設けられている。この2つのガイド102,102と開口104は、ほぼ同じ幅に形成されている。ダクトレール本体101及び2つのガイド102で囲まれた中空内部105は中空になっている。
【0020】
2つの導体ライン103は、ダクトレール本体101の対向する両側壁101a、101bの内側に、ダクトレール本体101の長手方向に沿って設けられている。2つの導体ライン103は、対向するように配置される。導体ライン103には、外部電源から屋内配線を介してAC電力が供給される。
【0021】
ダクトレール用電源ユニット1は、外面をユニットケース2が覆っている。ユニットケース2は、ダクトレール本体101の長手方向に沿って横長で、上面が開口する内部中空の略直方体状である。ダクトレール100に装着されたダクトレール用電源ユニット1は、ユニットケース2の短手方向の横幅W2がダクトレール本体101の横幅W101とほぼ同じで、また、ユニットケース2の両側壁2a,2bがダクトレール本体101の両側壁101a、101bと面一になるように配置されている。
このため、ダクトレール用電源ユニット1とダクトレール100は、見た目が統一されて一体感があり、美観に優れている。
【0022】
ダクトレール用電源ユニット1がダクトレール100に装着された面のダクトレール100の内部には、ダクトレール用電源ユニット1の上面から伸びる2つのDCラインLa,Lb(DC電力ライン)が収納されている。この2つのDCラインLa,Lbは、一方の端部がダクトレール用電源ユニット1の上面側に接続され、他方の端部がダクトレール用電源ユニット1よりも外側に位置するように長く形成されており、一方がプラス極、他方がマイナス極となっている。この2つのDCラインLa,Lbに、LEDサイン等のLED点灯器具を電気的に接続することで、ダクトレール100の導体ライン103に流れているAC電力をDC電力に変換し、このDC電力をLEDサイン等の様々なDC電力の機器に供給することができる。
【0023】
<ダクトレール用電源ユニットの全体構成>
図2(A)は、ダクトレール用電源ユニット1の内部構成を示す斜視図、
図2(B)は、ダクトレール用電源ユニット1の内部構成を示す縦断面図である。
【0024】
ダクトレール用電源ユニット1は、外面がユニットケース2で覆われ、内部にAC/DCコンバート部5と、プラグ部10とを備えている。
【0025】
<AC/DCコンバート部>
AC/DCコンバート部5は、外形が横長の略直方体で、AC電力をDC電力に変換するAC/DCコンバータである。AC/DCコンバート部5は、長手方向に延びる1つの側面5cに設けられた基台51上に載置されている。AC/DCコンバート部5は、一方の端面5aにAC入力部TI1、TI2、及びDC出力部TO1、TO2を有している。なお、AC入力部TI1、TI2、及びDC出力部TO1、TO2の位置は、この位置に限らず、AC/DCコンバート部5のダクトレール100接続側面に設ける等、目立たない適宜の位置に設けることができる。DC出力部TO1、TO2には、DCラインLa,Lb(
図1(B)参照)の一端がそれぞれ電気的に接続されている。
【0026】
図3(A)は、ダクトレール100に装着する前のダクトレール用電源ユニット1を示す説明図で、ユニットケース2が外された状態を示している。
【0027】
<プラグ部>
プラグ部10は、分離容易な2つの部材である第1部材3と第2部材4とが合体して構成されている。
【0028】
第1部材3と第2部材4は、それぞれダクトレール100の開口104から中空内部105へ挿入する挿入部31、41と、開口104から露出する露出部32,42を有している(
図2(B)参照)。この第1部材3の挿入部31がダクトレール100の幅方向(天井取付け状態の左右短手方向)の一方に位置し、第2部材4の挿入部42が幅方向の他方に位置して、両挿入部31,41が当接した状態で、プラグ部10がダクトレール100に固定される。第1部材3と第2部材4は、それぞれ、ダクトレール用電源ユニット1等の接続物による荷重がかかっても破損や変形しない強度を有し、かつ、電気を通さない絶縁性の素材により形成されており、例えばアクリル素材や樹脂素材によりそれぞれが一体形成されている。
【0029】
≪露出部≫
第1部材3の露出部32は、横長の略矩形状でダクトレール100のガイド102(
図1(B)参照)と平行な板状体で、長手方向の一方端側の一部にAC端子台部34が設けられ、他の他方端側の大部分にAC/DCコンバート設置部33が設けられている(
図3(A)参照)。
【0030】
AC/DCコンバート設置部33には、基台51上に載置された横長(ダクトレール100の長手方向と同じ方向に長い)のAC/DCコンバート部5が基台51を介してAC/DCコンバート設置部33を覆うように設置(固定)されている。AC/DCコンバート部5は、AC入力部TI1、TI2が設けられた一方の端面5aが、AC端子台部34側に向き合うように配置されている。
【0031】
第1部材3のAC端子台部34には、基部35aをネジ36でネジ止めする形で接触子35(一方接触子)が固定されている。また、接触子35の基部35aには、AC/DCコンバート部5のAC入力部TI1、TI2の一方が、ケーブルで電気的に接続されている。
【0032】
第2部材4の露出部42には、AC端子台部44が設けられている。
第2部材4のAC端子台部44には、基部45aをネジ46でネジ止めする形で接触子45(他方接触子)が固定されている。また、接触子45の基部45aには、他端にメス側の配線コネクタCfが設けられたケーブルが接続されている。一方、AC/DCコンバート部5のAC入力部TI1、TI2の他方には、他端にオス側の配線コネクタCmが設けられたケーブルが接続されている。
【0033】
このため、メス側の配線コネクタCfとオス側の配線コネクタCmとを連結あるいは解除することで、接触子45の基部45aと、AC/DCコンバート部5のAC入力部TI1、TI2の他方との間の電気的な接続及びその解除が容易に行えるようになっている。なお、この例ではケーブルによる接続としているが、AC入力部TI1の配線コネクタCmの代わりにダクトレール100の内部空間へ突出する導電性の金属板を設け、接触子45の基部45aに設けられた配線コネクタCfの代わりに、前記金属板と接触して通電する導電性の金属板を設けてもよい。この場合、第1部材3と第2部材4をダクトレール100へ装着すると、金属板同士が接触して通電するようにできる。
【0034】
第1部材3の露出部32と第2部材4の露出部42とは、第1部材3と第2部材4とが合体した際には、第1部材3のAC端子台部34と第2部材4のAC端子台部44とが隣接するように配置される(
図2(A)参照)。
【0035】
<プラグ部の構成>
図3(B)は、第1部材3と第2部材4が分離している状態のプラグ部10の斜視図である。
図3(C)は、プラグ部10を構成する第1部材3と第2部材4が有するそれぞれの接触子35,45の構成を示す平面図である。
図4(A1)は、
図3(B)のA1−A1断面における第1部材3の断面図であり、
図4(B1)は、
図3(B)のA2−A2断面における第1部材3の断面図であり、
図4(C1)は、
図3(B)のA3−A3断面における第1部材3の断面図であり、
図4(A2)は、
図3(B)のB2−B2断面における第2部材4の断面図であり、
図4(B2)は、
図3(B)のB1−B1断面における第2部材4の断面図である。
図5(A)は、第1部材3と第2部材4が合体した状態のプラグ部10の斜視図である。
図5(B)は、
図5(A)のD−D断面におけるプラグ部10の縦断面図である。
図5(C)は、
図5(A)のD−D断面におけるプラグ部10の縦断面図であり、各部位の寸法規制を説明するものである。
【0036】
<第1部材>
≪挿入部≫
第1部材3の挿入部31は、断面が矩形状で、ダクトレール100に装着した際に、ダクトレール100の長手方向に沿って延びる角棒状の挿入基体31aを有する。
【0037】
挿入基体31aは、ダクトレール100に装着した際に、ダクトレール本体101の天井取付壁101cに殆ど当接するくらいに接近して対向する天井取付壁対向面31fと、天井取付壁対向面31fの反対側でダクトレール100の開口104から露出する露出面31jと、天井取付壁対向面31fに垂直な面で、第1部材3と第2部材4とが合体した際に、互いに背中合わせになって当接し押圧し合う背面31e(一方スライド係合面,当接面)と、背面31eの反対側でダクトレール本体101の側壁101aに対向する側壁対向面31kと、を有する(
図5(C)参照)。
【0038】
挿入基体31aは、露出面31jの大部分が、第1部材3の露出部32に連結され、露出部32と一体となっている。露出面31jの残りの部分は、第1部材3と第2部材4とが合体した際に、第2部材4の露出部42に被覆される(
図3(B),
図5(A)参照)。
【0039】
挿入基体31aは、背面31eと、第1部材3と第2部材4とが合体した際に第2部材4の露出部42により被覆されることになる側の挿入基体31aの端面31gとが交差する交差部に、コーナを切り落としたコーナ切り落とし部31iが設けられている(
図3(B)参照)。
【0040】
このため、コーナ切り落とし部31iは、第2部材4をダクトレール100に取り付け、第2部材4から少し離した位置にてダクトレール100の内部へ挿入部31を挿入した第1部材3を第2部材4と当接する位置までスライドさせて、第1部材3と第2部材4とを合体させる際に、スライドさせやすくし、かつ、第2部材4の方の背面41e(他方スライド係合面,当接面)を誘導して第1部材3の方の背面31eに当接しやすくできる。
【0041】
挿入基体31aは、側壁対向面31kの天井取付壁対向面31fに近い側に挿入案内突起31dを有する。挿入案内突起31dは、側壁対向面31kから外方に突出し、長手方向に延びる板状の突起である(
図5(C)参照)。
【0042】
挿入基体31aは、側壁対向面31kの露出面31jに近い側に一方抜け止め防止突起31bを有する。一方抜け止め防止突起31bは、側壁対向面31kから外方に突出し、長手方向に延びる板状の突起である。一方抜け止め防止突起31bは、ダクトレール100に装着した際に、ガイド102aの内側面と当接するようになっている。
【0043】
挿入基体31aは、側壁対向面31kの挿入案内突起31dと一方抜け止め防止突起31bで挟まれた領域に、これらに平行に接触子格納溝31cが形成されている。接触子格納溝31cには、接触子35の一部が格納される。
【0044】
一方抜け止め防止突起31bは、ダクトレール100のガイド102と接触する面が、ガイド102と平行な水平面に形成されている。また、一方抜け止め防止突起31bに対して、背面31eは、直角に形成されている。すなわち、背面31eは、ダクトレール100の長手方向および高さ方向に広がる平面(法線方向がダクトレール100の幅方向となる平面)に形成されている。
【0045】
≪接触子≫
接触子35は、導電性の金属で形成された、基部35aと、支持部35bと、板バネ部35cと、接触端子部35dを備えている(
図3(C)参照)。
【0046】
基部35aは、縦断面が逆L字状に屈曲する板体で、水平面部35a1がAC端子台部34の水平面にネジ36でネジ止め固定され、垂直面部35a2の支持部35bがAC端子台部34の垂直面に固定されている(
図4参照)。
【0047】
支持部35bは、接触子格納溝31cに沿って埋設された長尺の板体で、接触子格納溝31cにネジ36a,36bにより2箇所ネジ止め固定されている。支持部35bは、長辺の一部に基部35aの垂直面部35a2が連結されている(
図3(C)参照)。
【0048】
板バネ部35cは、一端に支持部35bの一端が連結され、当該一端を基点として接触子格納溝31cから斜め外方に突き出している長尺の板バネである。板バネ部35cは、他端に接触端子部35dが連結されている。板バネ部35cは、支持部35b側が固定され、他端に連結された自由端である接触端子部35dを接触子格納溝31c側に押圧すると押し返す弾性力を有している。
【0049】
接触端子部35dは、略台形状の板体で、長辺の下底辺35d1に板バネ部35cの他端が連結されている。接触端子部35dは、接触子格納溝31cに対して垂直に配置され、短辺の上底辺35d2が接触子格納溝31cから遠い側に配置され、かつ接触子格納溝31cにほぼ平行になるように向けられている。
【0050】
接触端子部35dは、上底辺35d2が、挿入案内突起31d及び一方抜け止め防止突起31bの先端より外方に突出しないように配置するのが好ましい。
【0051】
また、上底辺35d2は、僅かに外方に凸状に湾曲していてもよい。
これにより、接触端子部35dは、ダクトレール100に装着した際に、上底辺35d2が、ダクトレール100の一方の導体ライン103aと接触すると共に、板バネ部35cからの弾性力を受けて一方の導体ライン103aを押圧する(
図5(C)参照)。
【0052】
また、上底辺35d2が僅かに外方に凸状に湾曲している場合には、上底辺35d2は、ダクトレール100に装着する際に、一方の導体ライン103a上を滑るようにしながら接触点の箇所が自動的に移動する。
【0053】
このため、ダクトレール100への装着に際して、接触端子部35dと導体ライン103aとの間の良好な接触を実現するためにあまり気を使わなくて済む。
【0054】
<第2部材>
≪挿入部≫
第2部材4の挿入部41は、第1部材3の挿入部31と同様に、断面が矩形状で、ダクトレール100に装着した際に、ダクトレール100の長手方向に沿って延びる角棒状の挿入基体41aを有する。
【0055】
挿入基体41aは、ダクトレール100に装着した際に、ダクトレール本体101の天井取付壁101cに殆ど当接するくらいに接近して対向する天井取付壁対向面41fと、天井取付壁対向面41fの反対側でダクトレール100の開口104から露出する露出面41jと、天井取付壁対向面41fに垂直な面で、第1部材3と第2部材4とが合体した際に、互いに背中合わせになって当接し押圧し合う背面41eと、背面41eの反対側でダクトレール本体101の側壁101bに対向する側壁対向面41kと、を有する(
図5(C)参照)。
【0056】
挿入基体41aは、露出面41jの一部が、第2部材4の露出部42に連結され、露出部42と一体となっている。露出面41jの残りの大部分は、第1部材3と第2部材4とが合体した際に、第1部材3の露出部32に被覆される(
図3(B),
図5(A)参照)。
【0057】
挿入基体41aは、側壁対向面41kの天井取付壁対向面41fに近い側に挿入案内突起41dを有する。挿入案内突起41dは、側壁対向面41kから外方に突出し、長手方向に延びる板状の突起である(
図5(C)参照)。
【0058】
挿入基体41aは、側壁対向面41kの露出面41jに近い側に他方抜け止め防止突起41bを有する。他方抜け止め防止突起41bは、側壁対向面41kから外方に突出し、長手方向に延びる板状の突起である。他方抜け止め防止突起41bは、ダクトレール100に装着した際に、ガイド102bの内側面と当接するようになっている。
【0059】
挿入基体41aは、側壁対向面41kの挿入案内突起41dと他方抜け止め防止突起41bで挟まれた領域に、これらに平行に接触子格納溝41cが形成されている。接触子格納溝41cには、接触子45の一部が格納される。
【0060】
他方抜け止め防止突起41bは、ダクトレール100のガイド102と接触する面が、ガイド102と平行な水平面に形成されている。また、他方抜け止め防止突起41bに対して、背面41eは、直角に形成されている。すなわち、背面41eは、ダクトレール100の長手方向および高さ方向に広がる平面(法線方向がダクトレール100の幅方向となる平面)に形成されている。
【0061】
≪接触子≫
第2部材4の接触子45は、第1部材3の接触子35と同様に、導電性の金属で形成された、基部45aと、支持部45bと、板バネ部45cと、接触端子部45dを備えている(
図3(C)参照)。
【0062】
第2部材4の接触子45は、基部45aの支持部45bへの連結位置が異なる以外は、第1部材3の接触子35と左右対照となっている。基部45aの支持部45bへの連結位置が異なるのは、基部45aがネジ止め固定されるAC端子台部44の配置が、第1部材3のAC端子台部34の配置と異なっていることに起因している。
【0063】
接触子45の基部45aと、支持部45bと、板バネ部45cと、接触端子部45dの構成、及び機能は、対応する接触子35の基部35aと、支持部35bと、板バネ部35cと、接触端子部35dのそれと同じであるため、記載を省略する。
【0064】
<寸法規制>
第1部材3の挿入案内突起31dの先端と背面31eとの距離W31dは、ダクトレール100の開口104の幅W104以下に形成されている(
図5(C)参照)。
【0065】
第1部材3の一方抜け止め防止突起31bの先端と背面31eとの距離W31b(挿入部35の幅)は、ダクトレール100の開口104の幅W104以下に形成されている。
【0066】
第2部材4の挿入案内突起41dの先端と背面41eとの距離W41dは、ダクトレール100の開口104の幅W104以下に形成されている。
【0067】
第2部材4の他方抜け止め防止突起41bの先端と背面41eとの距離W41b(挿入部45の幅)は、ダクトレール100の開口104の幅W104以下に形成されている。
第1部材3の露出部32は、横幅W32がダクトレール本体101の横幅W101より小さく、かつダクトレール100の開口104の幅W104より大きく、ダクトレール100に装着した際には、開口104を塞ぐように配置されている。
第1部材3の露出部32の横幅W32は、第1部材3の一方抜け止め防止突起31bの先端と背面31eとの距離W31b(挿入部35の幅)と、第2部材4の他方抜け止め防止突起41bの先端と背面41eとの距離W41b(挿入部45の幅)との和と同じか僅かに大きいのが好ましい。
【0068】
第1部材3の側壁対向面31kと背面31eとの間の距離W31aと、第2部材4の側壁対向面41kと背面41eとの間の距離W41aとの和は、ダクトレール100の開口104の幅W104以下であり、距離W31aと距離W41aがほぼ同じであるのが好ましい。この実施例では、距離W31aと距離W41aの和が幅W104とほぼ同じに形成されている。これにより、第1部材3と第2部材4を当接させて一体とさせたときに、第1部材3と第2部材4で構成されるプラグ部10が、自重等で簡単にスライド方向へ動くことがなく、かつ、人が強い力でスライドさせようとするとスライドできる程度の安定度でダクトレール100へ取り付けられる。
【0069】
また、第1部材3の距離W31bと距離W31aの差は、ガイド102の内面側の突出長さ(ガイド102の幅方向の長さ)に対して、同じかそれ以下に短くすることができ、かつ、ガイド102の内面側の突出長さの半分以上、好ましくは3分の2以上とすることができる。これにより、ガイド102と一方抜け止め防止突起31bが好適に面接触し、第1部材3がダクトレール100から抜け落ちることを防止できる、
【0070】
また、第2部材4の距離W41bと距離W41aの差は、ガイド102の内面側の突出長さ(ガイド102の幅方向の長さ)に対して、同じかそれ以下に短くすることができ、かつ、ガイド102の内面側の突出長さの半分以上、好ましくは3分の2以上とすることができる。これにより、ガイド102と他方抜け止め防止突起41bが好適に面接触し、第2部材4がダクトレール100から抜け落ちることを防止できる、
【0071】
第1部材3の一体となって形成されている一方抜け止め防止突起31bと、露出部32(32a)との間の隙間間隔G31bは、ダクトレール100のガイド102aの厚さT102より僅かに大きい程度に形成されている。これにより、隙間間隔G31bにはまり込むガイド102aががたつかず、かつ、ガイド102aに沿って第1部材3をスムーズにスライドさせることができる。
【0072】
第2部材4の挿入基体41aの露出面41jと他方抜け止め防止突起41bとの間の段差GH41bは、ダクトレール100のガイド102bの厚さT102より僅かに大きいのが好ましい。
【0073】
第1部材3の挿入基体31aの天井取付壁対向面31fと露出面31jとの間の距離H31aは、ダクトレール100の天井取付壁101cの内側面とガイド102aの外側面との間の距離D105より僅かに短いのが好ましい。
【0074】
第2部材4の挿入基体41aの天井取付壁対向面41fと露出面41jとの間の距離H41aは、ダクトレール100の天井取付壁101cの内側面とガイド102bの外側面との間の距離D105より僅かに短いのが好ましい。
【0075】
<ダクトレールへの装着>
図6(A)は、第1部材3をダクトレール100に装着する動作を断面図により説明する説明図であり、
図6(B)は、第2部材4をダクトレール100に装着する動作を断面図により説明する説明図であり、
図6(C)は、第1部材3と第2部材4をダクトレール100に装着した状態の断面図である。
【0076】
(1)第1部材3の挿入
露出部32がダクトレール100の反対側(床側)となる状態で、天井に設けられたダクトレール100の開口104に向けて挿入部31を近づけ、中空内部105内に挿入部31を挿入し、挿入基体31aの天井取付壁対向面31fを天井取付壁101cの内側面に向けて押し当てる。 挿入基体31aの天井取付壁対向面31fを天井取付壁101cの内側面に向けて押し当てた状態で一方抜け止め防止突起31b側(
図4(A1)参照)へ幅方向にスライドさせ、挿入基体31aの側壁対向面31kがダクトレール100のガイド102aの先端と当接するまで、側壁対向面31kをダクトレール100の側壁101aに近づける。このとき、ダクトレール100の導体ライン103に第1部材3の接触端子部35dが板バネ部35cの弾性力によって押し当てられつつ接触し、通電可能な状態となる。
【0077】
この第1部材3の挿入は、第1部材3のAC/DCコンバート設置部33にAC/DCコンバート部5が固定された状態で行うことが好ましい。これにより、天井に向かって第1部材3にAC/DCコンバート部5をネジ止め等して固定する労力と時間を削減できる。
【0078】
(2)第2部材4の挿入
第1部材3とはダクトレール100の長手方向に離れた位置で、露出部42がダクトレール100の反対側(床側)となる状態で、天井に設けられたダクトレール100の開口104に向けて挿入部41を近づけ、中空内部105内に挿入部41を挿入し、挿入基体41aの天井取付壁対向面41fを天井取付壁101cの内側面に向けて押し当てる。
【0079】
挿入基体41aの天井取付壁対向面41fを天井取付壁101cの内側面に向けて押し当てた状態で他方抜け止め防止突起41b側(
図4(B2)参照)へ幅方向にスライドさせ、挿入基体41aの側壁対向面41kがダクトレール100のガイド102bの先端と当接するまで、側壁対向面41kをダクトレール100の側壁101bに近づける。このとき、ダクトレール100の導体ライン103に第2部材4の接触端子部45dが板バネ部45cの弾性力によって押し当てられつつ接触し、通電可能な状態となる。
【0080】
(3)第1部材3と第2部材4の当接
第1部材3と第2部材4の一方または両方を近付く方へスライドさせ、
図2(B)に示したように、第1部材3の露出部32と第2部材4の露出部42が当接する位置、すなわち第1部材3の背面31eと第2部材4の背面41eが長手方向および高さ方向に十分な面で当接する位置までスライドさせる。これにより、両背面31e,41eが互いにしっかりと当接する当接面が形成される。
【0081】
なお、この当接面の高さは、ダクトレール100の天井取付壁101cの内面からガイド102までの高さの7割以上とすることでき、8割以上とすることが好ましく、9割以上とすることがより好ましく、殆ど全てとすることが好適である。
【0082】
また、この当接面の長さ(ダクトレール100の長手方向の長さ)は、当接している前記当接面の高さの4分の1以上とすることができ、2分の1以上とすることが好ましく、同じ長さ以上とすることがより好ましく、2倍の長さ以上とすることが好適である。
また、両背面31e,41e(当接面)は、ダクトレール100の長手方向に平行に延びる複数の線条の高さの低い凹凸(横縞模様)が形成されていてもよい。これにより、両背面31e,41eは、当接した状態で、当接面の長さ方向にはスライド容易であるが、当接面の高さ方向にはスライドしづらくなる。このため、両背面31e,41eは、吊り下げるダクトレール用電源ユニット1等の自重によって両背面31e,41e間の高さ方向に大きな剪断応力が加わっても、高さ方向には滑りにくく互いにしっかりと当接できる。
【0083】
(4)電気接続
配線コネクタCfと配線コネクタCmとを連結し、接触子45の基部45aと、AC/DCコンバート部5のAC入力部TI1、TI2の他方が通電するように電気的に接続する。
【0084】
(5)固定
第1部材3と第2部材4の相対位置が時間経過や振動等によって変化しないように、ネジ止め等の適宜の方法によって第1部材3と第2部材4の相対位置を固定する。
【0085】
(6)仕上げ
AC/DCコンバート部5を囲むようにユニットケース2を取り付け、第1部材3、第2部材4、AC/DCコンバート部5、またはこれらの複数に対してネジ止め、あるいは適宜の引っ掛け金具により引っ掛ける等の方法によりユニットケース2を固定する。このとき、配線コネクタCfと配線コネクタCmもユニットケース2により被覆し、配線コネクタCfと配線コネクタCmが見えないようにして美観を良くする。
【0086】
(7)LEDサイン等の接続
ダクトレール用電源ユニット1に設けられているDCラインLa,Lbを、LEDサイン等の機器の接続端子に接続する。このようにして、ダクトレール用電源ユニット1をAC電力を供給するダクトレール100に装着でき、ダクトレール用電源ユニット1からLEDサイン等の機器へDC電力を供給することができる。
【0087】
<吊り下げアーム207>
図7(A)は、吊り下げアーム207の固定部210とDC発光ユニット装着プラグ220を上下反転した状態で示す斜視図であり、
図7(B)はDC発光ユニット装着プラグ220の背面を示す背面図である。
【0088】
吊り下げアーム207は。円筒形状に形成されており、その一端にリング状に広がるフランジ形状の固定部210が設けられている。固定部210は、吊さ部アーム207の基部を取り巻く円弧状の2つの装着孔210a,210aが設けられている。この2つの装着孔210a,210aは、DC発光ユニット装着プラグ220に設けられた4つの取付け孔245と連通するように構成されている。
【0089】
これにより、少なくとも2ヶ所をネジ213でネジ止めすることによってDC発光ユニット装着プラグ220と吊り下げアーム207を固定できる。2つの装着孔210a,210aは45度以上をカバーする円弧形状であり、4つの取付け孔245が中心から4ヶ所均等の距離および間隔に配置されていることにより、吊り下げアーム207とDC発光ユニット装着プラグ220の水平方向の取り付け角度を自由に設定することができる。これにより、ダクトレール100に対してDC発光ユニット装着プラグ220の設置の向きを表裏自由に設定でき、また、ダクトレール100に対するDC発光ユニット装着プラグ220の装着を右回転および左回転のどちらでもできる。
【0090】
<DC発光ユニット装着プラグ>
図8(A)は、DC発光ユニット装着プラグ220の斜視図であり、
図8(B)は、表裏を逆にしたDC発光ユニット装着プラグ220の斜視図であり、
図9(A)はDC発光ユニット装着プラグ220をダクトレール100に装着しようと挿入した状態の縦断面図であり、
図9(B)はダクトレール100に挿入したDC発光ユニット装着プラグ220を90度回転させて装着した状態の一部縦断面図である。
【0091】
DC発光ユニット装着プラグ220は、略長方形である程度の厚みのある板状の本体部242(
図8(A)参照)と、本体部242(露出部)よりダクトレール100側(
図8(A)の図示上側)に設けられた回転係止体230と、回転係止体230よりもダクトレール100側に設けられた抜け止め防止体221(挿入部)とを有している。
【0092】
本体部242は、長方形の板状の中心に鉛直方向(厚み方向)の貫通孔243が設けられ、その周囲4ヶ所の床面側(ダクトレール100と反対側)に4つのネジ孔245がそれぞれ設けられている。本体部242のダクトレール100との対向面には、短辺の中心の一定幅が前記貫通孔243の少し手前まで長方形に窪む凹部247が設けられている。本体部242のダクトレール100側の面の中心付近には、略リング形状に凸となるスペーサー部241が設けられている。このスペーサー部241は、ダクトレール100の一方の側壁101aがガイド102より突出して形成される長手方向に一直線の突出片102s(
図9(B)参照)と同じ高さに形成されている。
【0093】
回転係止体230は、
図8(A)に示すように円盤部231の一部が長方形の板状部234として半径方向へ突出する形状であり、円盤部231の中心に本体部242の貫通孔243と連通する貫通孔235(
図9(A)参照)が厚み方向に設けられている。
【0094】
板状部234は、
図8(A)に示すように、外側端部よりも少し内側のダクトレール100側(
図8(A)の図示上側)にダクトレール100の開口104と同じ幅に突出する係合爪232が設けられている。また、板状部234の外側端部は、係合爪232の高さよりも薄く形成されて操作片233が形成されている。
【0095】
回転係止体230は、本体部242の長手方向の一方に向かって板状部234が伸びるように配置され、板状部234の先端(操作片233の先端)から貫通孔235までの距離が、本体部242の長手方向の一端から貫通孔243までの距離と一致するように構成され、操作片233の端辺と本体部242の端辺が面一になるように構成されている。また、板状部234の短手方向の幅および係合爪232の幅は、ダクトレール100の開口104とほぼ同じ幅で若干短く構成されている。このため、係合爪232および板状部234は、装着時に開口104内に収まってガイド102(
図9(B)参照)の開口104側の縁に端部が当接し、回転係止される。
【0096】
この回転係止体230は、アクリルや樹脂など、不との指等で押圧すると曲がるが押圧解除すると元に戻る程度の弾性力を有する素材により一体形成されている。
【0097】
抜け止め防止体221は、長方形の短辺を中心が凸となる円弧状に形成した形状であり、長手方向が本体部242の短手方向と平行となるように構成されている。抜け止め防止体221の短手方向の幅は、ガイドレール100の開口104の幅より少し短く形成され、抜け止め防止体221の長手方向の長さは、ガイドレール100のガイド102の水平方向突出幅よりも短く、かつ、ガイド102に十分係合して抜け止めできるだけの長さに形成されている。この長手方向の突出部分が抜け止め突起222として機能する。抜け止め防止体221の円弧状の短辺は、中心から真円を描いたときの円周に沿う円弧状に形成され、かつ、本体部242に向かって少し凸に形成されて、この凸部分が係止凸部223として機能する。
【0098】
抜け止め防止体221は、中心に、本体部242の貫通孔243および回転係止体230の貫通孔235と連通する貫通孔225(
図9(A)参照)を備えている。また、抜け止め防止体221は、貫通孔225の周囲がダクトレール100側へ円板状に凸となった直径が開口104の幅とほぼ同じであるスペーサ部224を備えている。このスペーサ部224の高さは、ダクトレール100のガイド102(
図9(B)参照)とほぼ同じ高さ若干高く形成されている。
【0099】
<DC発光ユニット装着プラグのダクトレールへの装着>
まず、
図9(A)に示すように、ダクトレール100の長手方向に抜け止め防止体221の長手方向を合わせ、ダクトレール100の開口104に抜け止め防止体221を奥まで挿入する。このとき、回転係止体230の板状部234は、ダクトレール100の幅方向へ突出している。また、このとき、ダクトレール100の2つのガイド102,102の間にスペーサ部224が位置している状態となる。
【0100】
なお、このとき、
図7(A)に示したように、吊り下げアーム207をネジ213によって軽く抜け止めしておき、DC発光ユニット装着プラグ220と吊り下げアーム207が相対的に回転できるようにしておく。
【0101】
次に、
図9(B)に示すように、DC発光ユニット装着プラグ220を水平方向へ90度回転させる。回転させるに際して、回転係止体230の係合爪232がダクトレール100に接触して回転を妨げる場合がある。この場合は、操作片233を本体部242側へ押圧操作し、凹部247(
図8(B)参照)内へ係合爪232を退避させて、係合爪232のひっかかりを解除する。そうすると、回転係止体230の弾性力によって、その後の回転でひっかかることなく許容され、係合爪232が開口104に嵌り込むまで(90度回転するまで)回転する。
【0102】
90度回転すると、係合爪232が弾性の復帰力により開口104に嵌り込み、2つのガイド102の内側片と係合爪232が接触し、DC発光ユニット装着プラグ220がダクトレール100に対して相対回転することが防止される。
【0103】
またこのとき、抜け止め防止体221は、ガイド102の内側面に係止凸部223が当接しつつ回転し、係止凸部223を有する抜け止め突起222とガイド102が対向して互いに平行な状態となって、DC発光ユニット装着プラグ220がダクトプラグ100に抜け止めされる。
【0104】
このようにDC発光ユニット装着プラグ220を90度回転させる際、DC発光ユニット装着プラグ220に装着される吊り下げアーム207(
図7(A)参照)が回転可能な程度にネジ213が緩められているため、吊り下げアーム207が
図1(A)に示したように複数本設けられて回転不可能な場合であっても、DC発光ユニット装着プラグ220を90度回転させることができる。
【0105】
その後、ネジ213をしっかり回してDC発光ユニット装着プラグ220と吊り下げアーム207を固定し、DC発光ユニット装着プラグ220の貫通孔225,235,243(
図9(A)参照)から出ているDC電源ライン215a,215b(導体ライン,
図1(A)参照)をダクトレール用電源ユニット1のDCラインLa,LbまたはDC出力部TO1,TO2(
図2(A)参照)に電気的に接続する。
【0106】
このようにして、電源ライン等がダクトレール100の周囲にはみ出していない美しい美観のダクトレール用DC発光システム201を提供することができる。
そして、ダクトレール100の開口104のうちDC電源ライン215a,215bやDCラインLa,Lbが見えている部分に、図示省略するカバーを装着すれば、電源ライン等が完全に見えない美しい美観を提供できる。
【0107】
以上の構成により、発光器具の形状やデザイン等を変更してもPSEの適合性検査を受ける必要がなく、かつ、ダクトレールに装着容易で適切なダクトレール用DC発光システム1を提供することができる。
【0108】
DC発光ユニット202にDC電力を供給するDC電源ライン215a,215bは、吊り下げアーム207の内部を通過し、DC発光ユニット装着プラグ220の貫通孔225,235,243を通過してダクトレール100の中空内部105(
図2(B)参照)内に配置されるため、DC電源ライン215a,215bを一切外に見せないようにすることが可能となる。
【0109】
また、抜け止め防止体221の長手方向と、回転係止体230の長手方向が、90度異なる方向に配置されているため、DC発光ユニット装着プラグ220を水平方向に90度回転させる1回の動作により、抜け止め防止体221によるダクトレール100からの抜け止め(抜け落ちを防止するべくDC発光ユニット202の重量を支える)と、DC発光ユニット装着プラグ220の回転係止(地震や振動等によってDC発光ユニット装着プラグ220が回転していくことを防止)の両方を実行することができる。
【0110】
また、DC発光ユニット装着プラグ220は、ダクトレール100の導体ライン103に接触せず、AC電力に対する通電を行わない構成であるため、
図1(A)の左側のDC発光ユニット装着プラグ220に示すようにDC電源ライン215a,215bを挿通して利用することもできれば、
図1(A)の右側のDC発光ユニット装着プラグ220に示すように示すようにDC電源ライン215a,215b等を挿通せずに単に吊り下げ時のダクトレール100への物理的な固定用として利用することもできる。
【0111】
また、回転係止体230により、装着後に回転を防止することができるとともに、取り外したいときには、操作片233を操作して板状部234を凹部247に退避させてDC発光ユニット装着プラグ220を回転させることができ、容易に取り外すことができる。
【0112】
また、本体部242にスペーサー部241が設けられていることにより、ダクトレール100へのDC発光ユニット装着プラグ220の取り付けおよび取り外しの際に、DC発光ユニット装着プラグ220が回転できると共に、回転係止体230の係合爪232がダクトレール100の突出片102s(
図9(B)参照)を乗り越えることがきる。
【0113】
また、ダクトレール100への取付け取外しに際して、操作レバーの回動操作を用いないダクトレール用電源ユニット1を提供することができる。
【0114】
ダクトレール用電源ユニット1のプラグ部10は、ダクトレール100の幅方向の一方に係合および通電する第1部材3とダクトレール100の幅方向の他方に係合および通電する第2部材4とで構成されている。このため、プラグ部10は、第1部材3と第2部材4をダクトレール100の長手方向の異なる位置で中空内部105に挿入部31,41をそれぞれ挿入し、一方または両方をスライドして互いに長手方向の同じ位置にて背面31e,41eを当接させることで、ダクトレール100への係合と通電を容易に実現できる。
【0115】
ダクトレール用電源ユニット1の取り付け作業は、第1部材3を開口104から挿入し、第2部材4を開口104から挿入し、これらをスライドさせて互いに幅方向に位置して当接する位置に配置するだけで、安定して配置できる。その後は、配設の接続とユニットケース2の取り付け程度で済むため、設置作業時に脚立等の上で上方を向きながら腕を上に伸ばして複雑な取り付け作業を行うということを回避でき、簡便かつ楽に装着することができる。
【0116】
この発明は、上述した実施形態に限らず、様々な実施形態とすることができる。
例えば、第1部材3は、
図3(C)において、図示上下方向(ダクトレール100の長手方向)中央よりも上側を図示上下方向へダクトレール100の長手方向へ長く(例えば本実施例の2倍から5倍程度長く)形成し、第2部材4の長さはそのままとし、第2部材4の図示上下方向中央よりも上側部分と同じ形状で接触子45を除いた形状の第3部材(図示省略)を用いる構成としてもよい。この場合、第1部材3と第2部材4は、露出部32,42が当接する位置で固定され、かつ、第1部材3の図示上端付近に、第3部材を当接させて固定することができる。これにより、第1部材3を長く形成して安定設置させ、かつ、第2部材4と第3部材を長手方向の両端からスライドさせて安定設置することができる。このとき、単に第1部材3と第2部材4を長く形成すると、スライドさせる距離が長く当接面も広くなって途中から摩擦力によってスライド困難になるが、このようなことを防止して簡単に安定してダクトレール100に取り付けることができる。
【0117】
また、第2部材4の挿入部41(
図3(B)参照)は、装着のためにスライド移動させる先頭部分(
図3(B)における右上部分)に、幅方向の肉厚が先細りするように面取り部とテーパー部を設けても良い、面取り部は、背面41e(
図5(C)参照)に設けるとよく、テーパー部は、側壁対向面41k(
図5(C)参照)に設けると良い。テーパー部は、面取り部よりも長い距離をかけて先細りする形状とすると良い。このように構成した場合、面取り部により、第1部材3と第2部材4を相対的にスライドさせて重なりはじめのときにひっかかりを防止でき、かつ、そこからさらにスライドさせる際の動きをテーパー部によりスムーズにすることができる。
【0118】
また、AC/DCコンバート部5は、天井に吊り下げられたダクトレール100の上に載置する構成としてもよい。この場合、第1部材3と第2部材4の各接触子35,45からそれぞれ通電用の線を伸ばし、ダクトレール100の開口104からダクトレール100の周囲を通って上方のAC/DCコンバート部5のAC入力部TI1、TI2にそれぞれ接続すれば良い。この場合でも、第1部材3と第2部材4がダクトレール100にしっかり固定され、かつ安定して通電し、AC電力をDC電力に変換することができる。
【0119】
また、DC発光ユニット202は、小型のものや軽量のものであれば、1本の吊り下げアーム207と1つのDC発光ユニット装着プラグ220によりダクトレール100に取り付ける構成にすると良い。この場合も美観の美しいダクトレール用DC発光システム201を提供することができる。
【0120】
また、ダクトレール用電源ユニット1は、上述したプラグ部10とは異なる構造によってダクトレール100に物理的な固定をし、かつ、導体ライン103に電気的に接続をする構成としてもよい。この場合も、美しい美観のダクトレール用DC発光システム201を提供することができる。