(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961242
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】計数装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
A61M5/168 532
A61M5/168 550
A61M5/168 540
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-557310(P2018-557310)
(86)(22)【出願日】2017年5月9日
(65)【公表番号】特表2019-514572(P2019-514572A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】FI2017050358
(87)【国際公開番号】WO2017194836
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2020年5月8日
(31)【優先権主張番号】20165397
(32)【優先日】2016年5月10日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】518383138
【氏名又は名称】モニドール オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】サヴォラ ミッコ
(72)【発明者】
【氏名】ポホヤンヴェシ マリ
(72)【発明者】
【氏名】プオリタイヴァル セッポ
【審査官】
伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−226212(JP,A)
【文献】
米国特許第03450153(US,A)
【文献】
特開2002−336350(JP,A)
【文献】
特許第5009426(JP,B1)
【文献】
特開昭52−059285(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0309005(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0227939(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0316370(US,A1)
【文献】
米国特許第05938643(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液点滴を計数する計数装置であって、前記計数装置が輸液筒用のネスト(N)を有するフレーム(F)および前記輸液筒を前記ネスト(N)内に保つよう前記ネスト(N)を閉じ込めるよう配置されたラッチ(H,HA)を有し、前記計数装置の前記フレーム(F)が前記輸液筒を支持する位置決め構造体(GR)として位置決め溝を更に有し、前記計数装置が前記点滴を検出する測定構造体(TX,RX,MCU)を更に有する、計数装置において、異なる形式の輸液筒に関し、前記計数装置の前記フレームは、前記フレーム(F)の垂直方向における前記ネスト内に配置された前記輸液筒の上昇運動を阻止するよう配置された第2の位置決め構造体(PS2,PS22)を有し、前記フレーム(F)の前記垂直方向における前記輸液筒の前記上昇運動を阻止するよう配置された前記第2の位置決め構造体(PS2,PS22)は、前記位置決め溝の前記位置決め構造体(GR)から距離を置いたところに位置するとともに、前記フレーム(F)の前記垂直方向に関して前記位置決め溝の前記位置決め構造体(GR)とは異なる高さのところに配置され、
前記ネスト(N)は、前記ネストの後ろのところに、前記輸液筒(CH1,CH2)の追加の支持のための阻止構造体(ST1,ST2)を有し、
前記フレーム(F)は、互いに向かい合った互いに平行な枝部(S1,S2)を有し、前記輸液筒用の前記ネスト(N)は、前記フレームの前記枝部(S1,S2)相互間に位置している、計数装置。
【請求項2】
前記第2の位置決め構造体(PS2,PS22)は、前記フレームの前記垂直方向に関して高いところに配置され、したがって前記位置決め溝の前記位置決め構造体(GR)よりも前記フレーム(F)の頂縁の近くに位置している、請求項1記載の計数装置。
【請求項3】
前記第2の位置決め構造体(PS2,PS22)は、前記フレーム(F)の前記ネスト(N)の頂部のところに配置されている、請求項1または2記載の計数装置。
【請求項4】
前記第2の位置決め構造体(PS2,PS22)は、前記フレームの頂部のところに位置する前記フレーム(F)の構成要素である前記ネスト(N)の前記頂部のところに配置されている、請求項3記載の計数装置。
【請求項5】
前記第2の位置決め構造体は、前記フレームの前記垂直方向における前記ネスト内に配置された前記輸液筒の前記上昇運動を阻止するよう配置された前記ネストの前記頂部の縮径構造体から成る、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の計数装置。
【請求項6】
前記ラッチの垂直位置は、前記ラッチが前記第2の位置決め構造体よりも前記フレームの底部の近くに配置されるような位置である、請求項1記載の計数装置。
【請求項7】
前記ラッチの垂直位置は、前記ラッチが前記位置決め溝の前記位置決め構造体よりも前記フレームの底部の近くに配置されるような位置である、請求項1または5記載の計数装置。
【請求項8】
前記ラッチの前記垂直位置は、前記ラッチが前記位置決め構造体および前記第2の位置決め構造体のいずれの構造体よりも前記フレームの前記底部の近くに配置されるような位置である、請求項6または7記載の計数装置。
【請求項9】
前記ネスト(N)内の前記阻止構造体(ST1,ST2)は、前記ネストを閉じ込める前記ラッチ(H,HA)と実質的に同じ高さのところに位置している、請求項1記載の計数装置。
【請求項10】
前記阻止構造体(ST1,ST2)は、前記ネスト(N)の前記垂直方向に関して前記ネスト(N)の中央領域に位置している、請求項1または9記載の計数装置。
【請求項11】
前記フレームの前記垂直方向における前記ラッチの高さは、前記ラッチが、前記ネストの高さ方向の中央領域のところに位置するよう、前記輸液筒用の前記ネストの高さよりも低い、請求項1または7記載の計数装置。
【請求項12】
前記ネスト(N)は、前記ラッチ(H)の上方の領域のところに、透明な領域(W1)の開口部を有する、請求項1または11記載の計数装置。
【請求項13】
前記ネスト(N)は、前記ラッチ(H)の下方の領域に、透明な領域(W2)の開口部を有する、請求項1、11または12記載の計数装置。
【請求項14】
前記ラッチ(H)は、開放可能なラッチ部分(HA)を有するとともに更に、前記フレームに対して前記ラッチ部分の回転運動のために回転を可能にする締結具および前記フレーム(F)に対して前記ラッチ部分(HA)の自由端部(HAE)を閉鎖する閉鎖手段(CL)を有する、請求項1または7記載の計数装置。
【請求項15】
前記フレーム(F)は、互いに向かい合った互いに平行な枝部(S1,S2)を有し、 前記回転を可能にする締結具は、前記フレーム(F)の前記枝部の一方(S1)のところに位置し、前記閉鎖手段は、前記フレーム(F)の前記枝部の他方(S2)のところに位置している、請求項14記載の計数装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点滴カウンタまたは計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
点滴カウンタは、静脈内水分補給または点滴静注との関連で医薬の分野において用いられている。点滴カウンタによって、患者が所望の時間内で所望量の輸液を得るようにすることが確保される。
【0003】
輸液の点滴速度は、輸液が患者のために定量投与される速度を意味している。従来、点滴速度は、1分間当たりの点滴の測定数として表示されているが、点滴速度はまた、一滴の量が前もって知られている場合かつ点滴の上述の分単位の個数が決定された場合に1時間当たりのミリリットルとしても表示される場合がある。
【0004】
点滴カウンタに関し、点滴量の測定は、例えばLED(発光ダイオード)光源およびその対としてのフォトトランジスタによって光学的に実施される。最新式の点滴計数装置は、この計数装置が点滴の個数を測定し、そのデータ処理ユニットおよびディスプレイにより計数装置が点滴の個数およびこの点滴個数によって計算されて患者に送られる液体体積(液量)を示すようなものである。加うるに、点滴カウンタは、調節可能な警告しきい値を備えており、かかる警告しきい値によって計数装置は、輸液の点滴速度が所望レベルの状態にない場合またはあらかじめ設定された最大量の輸液が投与され、すなわち、点滴された場合に看護職員のための警告を出す。
【0005】
先行技術の点滴カウンタは、点滴計数装置に対して支持されるべき別個の輸液管類が備えるのがどのような種類の輸液筒であるかに関してこれらの構造において制限されている。上述の理由で、ユーザは、その問題を認識する必要があり、特に問題のカウンタモデルに適した輸液筒を備える輸液管類が利用可能であることが必要である。この問題は、同じ看護医療機関が互いに異なる種類の輸液管類を用いた点滴カウンタを有する場合に顕著になるが、と言うのは、これが計数装置を用いている人を混乱させる場合があるからである。さらに、別々の組をなす点滴管類が典型的には非常に高価であることが事実であり、このことは、最も経済性に優れた代替手段をより自由に選択できる状況と比較して、1回使用の輸液管類の経常費を増大させるという問題である。
【0006】
幾つかの先行技術の計数装置が米国特許出願公開第2010/309005号明細書および欧州特許第0209659号明細書に開示されているが、これら特許文献に開示された構造は、上述の問題の解決には役立たず、と言うのは、これら計数装置は、種々の形式の筒には適していないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/309005号明細書
【特許文献2】欧州特許第0209659号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
かくして、本発明の目的は、上述の問題を解決しまたは軽減することができるような新規形式の計数装置を提供することにある。本発明の目的は、独立形式の請求項に開示された内容によって特徴付けられる計数装置によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、独立形式の請求項に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、計数装置がより汎用性になるような構造体の改造に基づいている。
【0010】
本発明の計数装置の利点は、種々の互いに異なる動作環境に見合ったその利用可能性ならびにその信頼性および使いやすさにある。
【0011】
次に、添付の図面を参照して好ましい実施形態と関連して本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】カラーなしの輸液筒を備えた装置の正面図である。
【
図2】カラーを備えた輸液筒を有する装置の正面図である。
【
図4】装置の後ろから見た図であり、輸液筒がカラーおよび半開放位置にあるラッチを備えた状態を示す図である。
【
図5】装置を後ろから見た図であり、輸液筒がカラーおよび閉鎖位置にあるラッチを有している状態を示す図である。
【
図6】装置を後ろから見た図であり、ラッチが閉鎖位置にある状態を示す図である。
【
図7】可撓性構造体を備えたラッチ部分を示す図である。
【
図9A-E】
図9A〜
図9Eは、プッシュ回転型のラッチを取り付ける種々の段階で装置を示す図(A〜E)である。
【
図10】プッシュ回転型のラッチのロック構造体を示す図であり、このラッチのヒンジ側が装置フレームの枝部の裏面に設けられている状態を示す図である。
【
図11】表示器としてのLEDを備えた装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
先ず最初に、
図1〜
図6に記載された構造体を特に考察するが、これら構造体は、互いに類似しており、また、ラッチHの取り付け/固定に関するが、開示説明内容は、大部分に関して、他の図に示された構造体にも利用可能であり、と言うのは、これらの変形例は、大抵の場合、ラッチの構造体またはラッチの取り付けによって必要とされる構造体に関するからである。
【0014】
かくして、問題の装置は、カウンタまたは計数装置DC、すなわち、輸液点滴を計数する点滴カウンタである。液体、換言すると、輸液は、生理食塩水またはリンゲル液であるのが良い。本発明は、この種の液体には限定されない。医薬物質または栄養素が輸液中に加えられているのが良い。液滴は、移送チャネル、例えば管類T1,T2によって運ばれる輸液から輸液筒CH1,CH2に入る。
図1では、カラーなしの輸液筒CH2が装置DC内に設けられており、液体は、管T2によって上からこの輸液筒に送られ、この管は、輸液筒CH2の下に管T22として続き、この管T22は、液体を患者の体内の静脈に運ぶ。
図2、
図4および
図5では、カラー、すなわちカラーCOL付きの液体筒CH1が装置DC内に収納されており、液体は管T1によって上から送られ、この管は、液体筒CH1の下で、管T11として続き、この管T11は、液体を患者の体内の静脈に運ぶ。
【0015】
装置DCは、別個の輸液筒CH1のため、これに対応するCH2のためのネストNを備えたフレームFを有する。加うるに、この装置は、ラッチHを有し、このラッチHは、輸液筒CH1,CH2をネストN内に保つためにネストNを閉鎖しまたは違ったやり方で閉じ込めるよう配置されている。
【0016】
図2、
図4、および
図5に示されたカラーCOLを備えた液体筒CH1を支持するため、装置DCのフレームFは、位置決め構造体GRとして、位置決め溝GRを更に有し、この位置決め溝GRは、液体筒CH1をネストN内のその定位置に位置決めする。
【0017】
測定の構成に関し、この段階では、装置DCは、点滴を検出するために測定構造体TX,RXを有することが注目され、この測定構成は、光学測定構造から成り、この場合、送信機要素TX、例えば光源、例えばLED(発光ダイオード)は、光を液体筒CH1,CH2に通して受信機要素RXに送るよう構成され、この受信機要素は、フォトトランジスタ、例えばすなわち、光を測定するトランジスタまたは液体の点滴が液体筒CH1,CH2内の測定ルートを通って落下する場合に受け取った信号の変化に基づいて検出を行う別の類似の検出器であるのが良い。LED、すなわち送信機要素TXおよびその対としての光学受信機RXは、装置の別々の枝部S1,S2内に配置され、これらの高さ位置は、これらが高い位置にあり、換言すると、ラッチHAが配置されている高さよりも装置の頂部の近くに位置するような高さ位置である。
【0018】
ブロック
図12を参照すると、測定構成は、測定構造体、すなわち送信機TXおよび受信機RXに加えて、測定構造体と通信状態にあるマイクロコントローラユニット(MCU)およびこれに接続されたディスプレイDを有する。MCUは、とりわけ、光学送信機を制御するとともに光学受信機RXによって提供された信号に基づいて、単位時間当たりの液体の点滴の量がどれほどであることが計算することによって、装置の動作を制御し、すなわち、MCUは、毎分の点滴個数の値を計算する。MCUはまた、投与された点滴の液体体積の合計量を計算する。ディスプレイDは同時に、これがタッチスクリーンである場合にはユーザインターフェースであるのが良い。ユーザインターフェースによって、ユーザは、装置の設定値を変更することができ、しかも他の所望の測定を実施することができる。
【0019】
ブロック
図12に示されている構造体は、装置DCのフレームF内に位置し、ディスプレイDは、フレームFの底部、すなわち、液体筒CH1,CH2用のネストNの下の領域に位置する。可視光領域に代えて、送信機要素TXおよび受信機要素RXは、赤外(IR)領域で動作することができ、したがって、送信機要素TXは、例えばIR‐LEDであるのが良い。ラッチ部分HAは、単なる機械的構造体であり、と言うのは、ディスプレイDおよびデータ処理ユニットMCUは、フレームF内に位置し、これに関連して方向転換部分、すなわちラッチ部分HA内には位置していないからであり、この特徴は、動作の信頼性を高める。
【0020】
図11はまた、表示器ILを示しており、この表示器は、ユーザに測定箇所を告げ、この測定箇所の高さから、液体筒CH1,CH2からの点滴の測定が行われる。表示器ILは、可視光領域のLEDであるのが良く、表示器ILの役割は、ユーザを助けることにあり、と言うのは、実際の送信機LED TXは、特に送信機LED TXがIR‐LEDである場合、その信号に関して検出性が貧弱だからである。
【0021】
追加的にまたは代替的に、表示器ILは、以下のように使用でき、つまり、MCUの助けを借りた装置は、液体点滴が測定構造体TX,RXによって測定されたときに表示器ILがその入力のところで受け取る制御を変化するよう構成され、それにより、表示器ILは、その出力信号を変化するよう構成されている。実際には、この状況は、MCUによって制御される表示器ILがオフに切り換えられまたは点滴がいったん検出されると実質的に薄暗くなる状況であるのが良く、この特徴は、点滴の到着を支持する際および/または単位時間当たりの点滴の個数に関して示唆する情報を提供する際にユーザの助けとして働くことができる。
【0022】
装置DCは、
図1に示されている別の形式の輸液筒CH2に関し、輸液装置DCのフレームFが第2の位置決め構造体PS2,PS22を有するようなものであり、この第2の位置決め構造体PS2,PS22は、位置決め溝型の位置決め構造体GRから距離を置いたところに位置するとともに装置DCのフレームFの垂直方向に関して位置決め溝型の位置決め構造体GRとは異なる高さのところに配置される。図の実施例では、上述の距離は、数センチメートルである。それゆえ、この装置は、フレームFの垂直方向においてネスト内に配置された輸液筒の上昇運動を阻止するよう配置された第2の位置決め構造体PS2,PS22を有する。かくして、フレームFの垂直方向における輸液筒の上昇運動を阻止するよう配置された第2の位置決め構造体PS2,PS22は、位置決め溝型の位置決め構造体GRから距離を置いたところに位置し、かくして、フレームFの垂直方向に関し、位置決め溝型の位置決め構造体GRとは異なる高さのところに配置される。位置決め構造体GRと位置決め構造体PS2,PS22の両方は、フレームFの垂直方向における対応の輸液筒(互いに異なる時点において互いに異なる筒)の上昇運動を阻止するよう配置されている。
【0023】
第2の位置決め構造体PS2,PS22は、一実施形態では、フレームFの垂直方向に関して高いところに、したがって、位置決め溝型の位置決め構造体GRよりもフレームの頂縁の近くに配置されている。
【0024】
フレームFは、所要の形状および構造体が鋳造段階で作られまたは機械加工によって作られるプラスチック、例えばポリエチレンのものであるのが良い。フレームFは、
図12に示されている構造体のための配置箇所を有する。
【0025】
上述の第2の位置決め構造体PS2,PS22は、特に、フレームに設けられたネストNの頂部のところに配置され、したがって、一実施形態では、第2の位置決め構造体は、図示のようにフレームFの頂部のところでフレームによって構成されたネストNの頂部のところに配置される。
【0026】
特に
図1を参照すると、特定の観点から言えば、一実施形態は、第2の位置決め構造体PS2,PS22がフレームFの垂直方向においてネスト内に配置されるべき輸液筒CH2の上昇運動を阻止するよう配置されたネストの頂部の縮径構造体から成る構造体を有する。
【0027】
図1の輸液筒CH2の頂部の外面は、第2の位置決め構造体PS2,PS22の相手側として働くことが分かる。
【0028】
図2、
図4、および
図5では、輸液筒の外側に位置するカラーCOLは、第1の位置決め構造体GRの相手側部品である。
【0029】
図2、
図4、および
図5を参照すると、問題の第2の位置決め構造体PS2,PS22もまた、明らかなこととして、カラーCOLを備えた液体筒CH1を支持する装置DC上に存在することが明らかであるが、
図2、
図4、および
図5では、位置決め構造体PS2,PS22は、使用されていないことが注目されるが、と言うのは、異なる液体筒CH1が装置内に収納されているからであり、この異なる液体筒CH1は、そのカラーCOL、すなわちフランジによって、注目されるように第1の位置決め構造体である溝GRに対して支持される。
【0030】
送信機要素TX、例えばLEDおよび受信機要素RX、例えばフォトトランジスタならびに表示器LED・ILの物理的配置場所は、
図1〜
図3、
図6、および
図11を同時に考察することによって最も良く示されている。一実施形態では、送信機要素TXおよび受信機要素RXは、カラーCOLを備えた液体筒CH1を位置決めする溝GRよりも高いところにかつ異なる使用状況において異なる種類の液体筒CH2を位置決めする位置決め構造体PS2,PS22よりも低い位置に配置されていることが分かる。送信機要素TXは、例えば、溝GRの頂縁よりも8.5mm高いところに位置するのが良い。送信機要素TXは、1つまたは2つ以上、例えば3つのLEDを備えるのが良く、複数のLEDが用いられる場合、これらは、一実施形態では、列をなした状態で互いに平行である。
【0031】
図中、送信機要素LED、したがってTXは、装置を前から見たときに装置の左の枝部S2上に、したがって、ディスプレイD2側上に位置し、受信機要素RXは、右側の枝部S1上に位置するが、その配置状態は逆であっても良い。
図11では、表示器LED・ILは、枝部S1上に配置されるが、一実施形態では、
図1〜
図3および
図6によれば、表示器は、好ましくは、送信機要素TXと同一の枝部S2上に位置する。
【0032】
表示器LED・ILを測定箇所(TX,RXが存在する)の付近に配置するにはちゃんとした理由があり、一実施形態では、表示器LED・ILは、測定箇所から10mm以下、すなわち、例えばLED・TXよりも4.5mm高いところに位置する。
【0033】
次に、ラッチHに関する問題について説明する。一実施形態では、ラッチは、図示のように、ラッチHがネストNの垂直方向に関して中央領域のところまたは下半分の領域に位置するような高さのところに配置され、と言うのは、かかる場合、ラッチHは、液体筒CH1,CH2の可撓性圧縮面に押し付けられるからであり、と言うのは、液体筒CH1,CH2の中央領域と底部領域が代表的には圧縮性であり、その結果、ユーザが液体筒CH1,CH2を絞ることができるようになっているからである。ラッチHのラッチ部分HAと液体筒CH1,CH2の可撓性表面との接触により、ラッチHのラッチ部分HAと液体筒CH1,CH2との間に簡単で信頼性のある圧力が生じる。
【0034】
一実施形態では、ラッチHの垂直位置は、ラッチHが第2の位置決め構造体PS2,PS22よりもフレームFの底部の近くに配置されるような位置である。ラッチHの垂直位置は、ラッチHが位置決め溝型の位置決め構造体GRよりもフレームFの底部の近くに配置されるような位置である。かくして、上述の実施形態の両方を考慮に入れると、ラッチHの垂直位置は、ラッチHがいずれの位置決め構造体GR,PS2/PS22よりもフレームFの底部の近くに配置されるような位置である。これら実施形態により、液体筒、すなわち液体筒CH1,CH2の支持の安定性が向上する。
【0035】
特に
図1〜
図3を参照すると、一実施形態では、事実として、液体筒CH1,CH2向きのネストNは、このネストNの後ろに、輸液筒、例えばCH1,CH2の追加の支持のための阻止構造体ST1,ST2を有している。阻止構造体ST1,ST2は、ラッチH,HAが
図1、
図2、および
図5の場合のように液体筒CH1,CH2を押したときにラッチHのための合致面として働く。阻止構造体ST1,ST2は、ネストの両方の縁のところに位置する爪状構造体であり、爪の先端領域は、特に、これらの曲率に起因して筒CH1,CH2の表面の形状と同じ形状を取り、その結果、筒を右側スポット内に心出しする。
【0036】
阻止構造体ST1,ST2が送信領域HOを有することが分かり、この送信領域HOは、液体筒CH1,CH2越しの視認性を阻止する開口部か別の透明な領域かのいずれかである。図の実施例では、阻止構造体は、湾曲した表面を有し、その目的は、液体筒CH1,CH2の形状と同じ形状を取ることにある。阻止構造体ST1,ST2中の送信領域HOは、阻止構造体の互いに異なる側部、例えば、半部ST1,ST2相互間に位置する。
【0037】
支持状態を向上させるため、一実施形態では、ネストNの後ろのところに位置する阻止構造体ST1,ST2は、ネストNを閉鎖しまたは違ったやり方でネストNを閉じ込めるラッチHと実質的に同一の高さのところに位置する。さらに、事実として、一実施形態では、阻止構造体ST1,ST2は、ネストNの垂直方向に対してネストNの中央領域のところに位置する。
【0038】
図の実施例では、ネストNの横方向幅の中央領域のところに位置する阻止構造体ST1,ST2の高さは、特に、ネストNの高さの約1/8に過ぎない。阻止構造体ST1,ST2はまた、十分な視認性が保たれる限り、ネストNの高さの上述の1/8よりも著しく高い位置にあっても良く、阻止構造体ST1,ST2のラッチの高さは、例えば、ネストNの高さの1/4または1/2以下であるのが良い。
【0039】
フレームFの上側部分は、枝部状であり、互いに向かい合った互いに平行な枝部S1,S2から成り、したがって、輸液筒CH1,CH2のためのネストNは、フレームの枝部S1,S2相互間に位置する。
【0040】
ラッチH,HAが視認性をそれほど妨げないようにするため、一実施形態では、フレームの垂直方向におけるラッチNの高さは、輸液筒CH1,CH2用のネストNの高さよりも低い。ラッチHは、ネストNの高さ方向の中央領域のところに位置し、したがって、透明度は、ラッチHの下に位置するW1のところとラッチの上に位置するW2のところの両方において保たれることになる。
【0041】
図の実施形態では、ネストNの横方向幅の中央領域のところのラッチH,HAの高さは、特にネストNの高さの約1/5に過ぎない。ラッチH,HAはまた、十分な視認性が保たれる限り、ネストNの高さの上述の1/5よりも著しく高い位置にあっても良く、ラッチHの高さは、例えば、ネストNの高さの1/2以下であるのが良い。
【0042】
一実施形態では、ネストNは、ラッチHの上方の領域に、開口部または別の透明な領域W1を有し、それに対応して、ネストNは、ラッチHの下の領域に、開口部または別の透明な領域を有する。ネストが開口部を有する場合、これにより、ユーザが液体筒CH1,CH2を容易に絞り、掴み、または違ったやり方で取り扱うことができるという追加の利点が得られる。領域W1,W2の開口部に代えて、これまた視認性の実現を可能にする透明な壁が設けられても良い。
【0043】
ラッチHは、開放可能であり、すなわち方向転換することができ、すなわち回転可能なラッチ部分HAを有するとともに更に、フレームFに対するラッチ部分HAの方向転換運動のための回転、すなわち回転運動を可能にする締結具FXを有し、ラッチHは、更に、フレームの枝部S2に設けられた相手側部品によってフレームFに対してラッチ部分HAの自由端部HAEを閉鎖するための閉鎖手段CLを有する。回転締結具は、フレームの枝部S1の側に位置する。
【0044】
次に、
図8Aおよび
図8Bの実施形態について考察する。ラッチ部分HAのための今やFX8で示された上述の回転締結具は、ラッチ部分HAをフレームFから取り外したりこれをフレームFに取り付けたりするための迅速離脱式またはクイックリリースの回転締結具である。取り外し/取り付けは、枝部S1に関して行われる。
【0045】
図8Aおよび
図8Bのクイックリリース回転締結具FX8は、ばねボタンB1,B2を有し、ばねボタンB1,B2は、矢印A,Bにしたがって互いに向かって押されると、フレームFの枝部S1のヒンジブラケットHI中に設けられている垂直ばねピンDDを短く押し、それによりラッチ部分HAは、矢印Cによって示されているようにフレームFの枝部S1から外される。
【0046】
次に、今やFX9で示されたクイックリリース回転締結具に関し、したがって実際にはラッチ部分HAの締結具の代替手段について
図9A〜
図9E、および
図10を参照して説明する。ラッチ部分HAに関して今や
図FX9で示された回転締結具は、ラッチ部分HAをフレームFから取り外したりこれをフレームFに取り付けたりするためのクイックリリース回転締結具である。取り外し/取り付けは、枝部S1に関して行われる。この実施形態では、ラッチ部分のためのこのクイックリリース回転締結具は、プッシュ回転構造体PT1,PT2,PT3,PT4,PT5を有し、これらプッシュ回転構造体によって、ラッチ部分HAは、装置のフレームFに取り付け可能であったり装置のフレームFから取り外し可能であったりするよう構成されている。
【0047】
図9A〜
図9Eおよび
図10では、ラッチ部分HAのためのクイックリリース回転締結具FX9は、ラッチ部分HA内に、ピンまたは類似の突出部PT1を有し、問題の突出部PT1に関し、フレームFには、すなわち特にフレームの枝部S1には、溝または他の類似の運動空間PT2,PT3が設けられ、これらの溝PT2,PT3は、相互に交差する方向に延び、と言うのは、これは、ラッチ部分HAの押す運動と回転する運動の連続した組み合わせに関するからである。加うるに、ロック膨らみ部PT4が設けられ、このロック膨らみ部は、溝PT3内の更に後方に位置するのが良い。加うるに、クイックリリース回転締結具FX9は、ラッチ部分の突出部PT1の壊れることのない動きを阻止する壁PT5を有する。壁PT5は、それ同時に、その後ろに溝PT3を閉じ込め、更にまた、溝PT2をその下に閉じ込める。
【0048】
したがって、ラッチ部分HAは、
図9A、
図9Bの位置においてフレームFの枝部S1の方へ押され、それによりラッチ部分HAの端のところに位置する突出部PT1は、フレームFの第1の溝PT2に沿って進み、次に
図9C、
図9Dに示されているように、ラッチ部分HAは、溝PT3に沿って更に後方に時計回りに回され、ついには、ラッチ部分HAの端のところの突出部PT1がロック膨らみ部PT4を通過し、そしてその後ろでそれ自体ロックする。このように、ラッチ部分は、フレームFの枝部S1上に迅速離脱式にロックされる。ラッチ部分HAの取り外しは、逆の動作で起こる。ラッチ部分HAの容易な取り外し性/取り付け性により、装置部分の洗浄が容易である。
【0049】
図7を参照すると、一実施形態では、ラッチHの最も本質的な部分、すなわちラッチ部分HAは、その内面上に(液体筒CH1,CH2に当たっている表面)に、可撓性構造体FLを有し、この可撓性構造体は、例えば
図7の場合のように可撓性峡部である。したがって、可撓性構造体FLは、液体筒CH1,CH2用のネストNの方へ差し向けられる。
図7はまた、ラッチ部分HAをフレームFの枝部S1に設けられているヒンジブラケットHIに回転可能に締結するために用いられるラッチ部分HAの締結箇所HH1,HH2を示しており、さらに、ラッチ部分HAの自由端部HAEによって構成される閉鎖手段CLが締結される締結箇所HH21,HH22を示している。
図8A、
図8Bまたは
図9A〜
図9Eは、ラッチ部分HAの自由端部HAEのところに位置する問題の閉鎖手段CLを示してはいない。
【0050】
一実施形態では、この装置は、この装置への点滴筒、例えばCH1および管類の取り付けおよび/またはこれらの取り外しの機構体は、片手を用いて管理されるよう構成されるように具体化される。かくして、ラッチHAは、片手式のラッチである。したがって、例示の使用状況では、右手は、装置を一箇所で保持するために用いられ、したがって、装置のディスプレイDは、底部のところかつ装置箇所の上方の枝部S1,S2のところに位置し、人差し指がラッチHAに触り/ラッチHA上に伸びるようになっている。人差し指を手のひらに向かって曲げることによって、ラッチHAが開く。すると、例えば管を備えた点滴筒CH1がネストN内の定位置に収納され、次に、人差し指を用いてラッチHAを解除し、ロック部を閉じ位置で押す。同じ原理は、他形式の点滴筒CH2に当てはまる。
【0051】
当業者であれば、技術の進歩につれ、本発明の基本的な思想は、多種多様な仕方で具体化できることが明らかであることが分かろう。かくして、本発明およびその実施形態は、上述の実施形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において変形が可能である。