(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の開口を有する配線基板又は配線基板材料と、前記開口の内部に位置する柱状金属体と、前記配線基板又は前記配線基板材料に付着し複数の開口を有する樹脂フィルムと、熱硬化性樹脂を含むプリプレグと、を含む積層材料を準備する工程と、
前記積層材料を、加熱加圧により一体化して、前記配線基板又は配線基板材料の開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂を充填した積層体を得る工程と、
前記積層体から、少なくとも前記樹脂フィルムを剥離する工程と、
を含む配線基板又は配線基板材料の製造方法。
前記樹脂フィルムは、前記配線基板又は配線基板材料の上側及び下側表面に付着したものである請求項1〜3いずれか1項に記載の配線基板又は配線基板材料の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された基板の構造では、いずれも貫通孔に対して、銅インレイを挿入するため、位置合わせに高い精度が要求されると共に、挿入工程が煩雑になるという問題がある。また、銅インレイを挿入する際に自動化のための圧入装置を用いるため、銅インレイを同じ形状にする必要があり、銅インレイの設計の自由度が小さいものとなる。
【0007】
また、特許文献2の構造では、伝熱部材の接合強度が高まるものの、個々の伝熱部材をはんだ等で被覆する必要があり、また被覆する厚みの精度を高める必要もあるため、生産性の高いものとは言えなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、簡易な操作で柱状金属体を一括して配線基板に埋め込むことができ、位置合わせ精度も厳密に要求されず、異なる形状の柱状金属体にも対応でき、しかも柱状金属体の接着強度が十分高い配線基板又は配線基板材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、以下の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の配線基板又は配線基板材料の製造方法は、複数の柱状金属体を形成した支持シートと、前記柱状金属体に対応する部分に複数の開口を有する配線基板又は配線基板材料とを含み、前記開口の内部に前記柱状金属体が位置する積層材料を準備する工程と、前記配線基板又は配線基板材料の開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂が充填されて硬化した積層体を得る工程と、前記積層体から、少なくとも前記支持シートを剥離する工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の配線基板又は配線基板材料の製造方法によると、配線基板又は配線基板材料の開口の内部に前記柱状金属体が位置する積層材料を用いて、開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂を充填して硬化させるため、簡易な操作で柱状金属体を一括して配線基板に挿入でき、柱状金属体の接着強度が十分高い配線基板又は配線基板材料が得られる。その際、開口の内面と前記柱状金属体との間に間隙が存在するため、位置合わせ精度も厳密に要求されず、また、開口と柱状金属体の平面視形状を自由に決定できるため、複数の柱状金属体が異なる形状の場合にも対応できる。
【0011】
また、本発明の別の配線基板又は配線基板材料の製造方法は、支持シートの上に複数の柱状金属体を形成する工程と、前記柱状金属体を形成した支持シートと、前記柱状金属体に対応する部分に複数の開口を有する配線基板又は配線基板材料と、前記柱状金属体に対応する部分に複数の開口を有し熱硬化性樹脂を含むプリプレグとを含む積層材料を、前記各々の開口の内部に前記柱状金属体が位置するよう積層する工程と、前記積層材料を、加熱加圧により一体化して、前記配線基板又は配線基板材料の開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂を充填した積層体を得る工程と、前記積層体から、少なくとも前記支持シートを剥離する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の配線基板又は配線基板材料の製造方法によると、柱状金属体に対応する部分に複数の開口を有する配線基板又は配線基板材料を用い、柱状金属体を形成した支持シートと一体化するため、簡易な操作で柱状金属体を一括して配線基板に挿入できる。このとき、後に熱硬化性樹脂を充填する空間を有する開口を形成するため、位置合わせ精度も厳密に要求されず、柱状金属体の形状に応じた開口を形成できるため、異なる形状の柱状金属体にも対応できる。しかも、加熱加圧により一体化して、前記開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂を充填するため、柱状金属体の接着強度が十分高い配線基板が得られる。
【0013】
上記において、前記柱状金属体を形成する工程が、支持シートに付着した金属板をエッチングして複数の柱状金属体を形成することが好ましい。支持シートに付着した金属板をエッチングする場合、配線基板の設計情報に基づいて、柱状金属体を挿入する位置に合わせて、エッチングのパターン(マスク等の位置)を決定することができ、また、異なる形状の柱状金属体にも柔軟に対応できる。しかも、エッチングで形成した柱状金属体は、縦断面形状において曲線となる周壁(末広がりの周壁等)を有するため、縦断面形状において直線となる周壁を有するものに比べて接触面積が増加し、柱状金属体と熱硬化性樹脂との接着強度をより高めることができる。
【0014】
また、前記積層材料は、複数の前記配線基板又は配線基板材料と、その間に介在する前記プリプレグを含むものであることが好ましい。このように、プリプレグを内部に介在させることで、プリプレグを剥離せずにそのまま使用できる。また、プリプレグが滲みだした熱硬化性樹脂と一体化しているため、熱硬化性樹脂による接着強度をより高めることができる。
【0015】
その際、前記積層材料は、前記プリプレグと、前記プリプレグの両側に金属層を外側にして配置した、前記柱状金属体に対応する部分に複数の開口を有する片面金属張積層板とを含むものであることが好ましい。配線基板材料である片面金属張積層板は、汎用されている材料であり、プリプレグとの接着性も高く、柱状金属体が挿入された両面金属張積層板を得ることができる。また、これを更に金属でメッキしたり、パターン化して、配線基板を製造することができる。
【0016】
あるいは、前記積層材料は、前記配線基板又は配線基板材料と、前記支持シートとの間に介在する前記プリプレグを含むものであり、前記積層体から前記プリプレグを剥離する工程を含むことも可能である。このような積層材料によっても、加熱加圧により一体化して、前記開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂を充填するため、柱状金属体の接着強度が十分高い配線基板が得られる。
【0017】
更に、前記積層材料は、前記配線基板又は配線基板材料の上に、前記プリプレグを含むものであり、前記積層体から前記プリプレグを剥離する工程を含むことも可能である。このような積層材料によっても、加熱加圧により一体化して、前記開口の内面と前記柱状金属体との間に熱硬化性樹脂を充填するため、柱状金属体の接着強度が十分高い配線基板が得られる。
【0018】
また、前記積層材料は、前記配線基板又は配線基板材料の表面に付着し、前記柱状金属体に対応する部分に複数の開口を有する樹脂フィルムを含むものであり、前記積層体から前記樹脂フィルムを剥離する工程を含むことが好ましい。このような樹脂フィルムを用いることによって、配線基板の表面にプリプレグが接着して剥離しにくくなることを防止することができる。
【0019】
更に、前記柱状金属体を形成した支持シートを用いて、前記柱状金属体を化学的及び/又は物理的に表面処理する工程を含むことが好ましい。このような表面処理によって、柱状金属体の周囲と熱硬化性樹脂との接着力をより高めることが可能となる。
【0020】
なお、前記配線基板又は配線基板材料の開口には、メッキスルーホールが形成されていてもよい。この場合、メッキスルーホールの内面と柱状金属体との間に熱硬化性樹脂が充填されて硬化したものが得られる。
【0021】
一方、本発明の配線基板は、開口を有する配線基板と、その開口の内部に位置する柱状金属体と、その開口の内面と前記柱状金属体との間に充填されて硬化した熱硬化性樹脂と、を含むことを特徴とする。本発明の配線基板によると、配線基板の開口の内面と柱状金属体との間に熱硬化性樹脂が充填されて硬化した構造であるため、簡易な操作で柱状金属体を一括して配線基板に挿入でき、位置合わせ精度も厳密に要求されず、異なる形状の柱状金属体にも対応でき、しかも柱状金属体の接着強度が十分高いものとなる。
【0022】
上記において、前記配線基板の開口には、メッキスルーホールが形成されていてもよい。この場合、メッキスルーホールの内面と柱状金属体との間に熱硬化性樹脂が充填されて硬化したものが得られる。
【0023】
また、本発明の別の配線基板は、絶縁層と、その絶縁層に埋め込まれた柱状金属体と、配線層とを有し、前記絶縁層は、プリプレグの硬化物を含み、そのプリプレグから滲み出した熱硬化性樹脂により前記柱状金属体の周囲が前記絶縁層と接着されている。
【0024】
本発明の配線基板によると、プリプレグから滲み出した熱硬化性樹脂により前記柱状金属体の周囲が前記絶縁層と接着されているため、簡易な操作で柱状金属体を一括して配線基板に挿入でき、位置合わせ精度も厳密に要求されず、異なる形状の柱状金属体にも対応でき、しかも柱状金属体の接着強度が十分高いものとなる。
【0025】
また、本発明の別の配線基板は、絶縁層と、その絶縁層に埋め込まれた柱状金属体と、配線層とを有し、前記絶縁層の樹脂成分とは異なる熱硬化性樹脂により、前記柱状金属体の周囲が前記絶縁層と接着されている。このように、プリプレグに由来する、絶縁層の樹脂成分とは異なる熱硬化性樹脂により、前記柱状金属体の周囲が前記絶縁層と接着されているため、簡易な操作で柱状金属体を一括して配線基板に挿入でき、位置合わせ精度も厳密に要求されず、異なる形状の柱状金属体にも対応でき、しかも柱状金属体の接着強度が十分高いものとなる。
【0026】
上記において、前記柱状金属体は、縦断面形状において曲線となる周壁を有することが好ましい。このような周壁を有することで、縦断面形状において直線となる周壁を有するものに比べて接触面積が増加し、柱状金属体と熱硬化性樹脂との接着強度をより高めることができる。
【0027】
前記配線層は、前記柱状金属体の少なくとも一方の表面に延びるパターン部を有することが好ましい。このようなパターン部により、絶縁層に埋め込まれた柱状金属体をより強固に接合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の配線基板又は配線基板材料の製造方法は、複数の配線基板又は配線基板材料の間にプリプレグを介在させる第1実施形態と、配線基板又は配線基板材料の下方にプリプレグが積層される第2実施形態と、配線基板又は配線基板材料の上方にプリプレグが積層される第3実施形態と、プリプレグを使用しない第4実施形態と、が存在する。
【0030】
第1実施形態〜第3実施形態では、例えば
図1〜
図2等に示すように、支持シート10の上に複数の柱状金属体14を形成する工程と、柱状金属体14を形成した支持シート10と、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口を有する配線基板WB又は配線基板材料WB’と、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口を有し熱硬化性樹脂を含むプリプレグ16’とを含む積層材料LMを、各々の開口の内部に柱状金属体14が位置するよう積層する工程と、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口の内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程と、積層体LBから、少なくとも支持シート10を剥離する工程と、を含むことを特徴とする。
【0031】
一方、第4実施形態では、例えば
図10に示すように、複数の柱状金属体14を形成した支持シート10と、前記柱状金属体14に対応する部分に複数の開口を有する配線基板WB又は配線基板材料WB’とを含み、前記開口の内部に前記柱状金属体14が位置する積層材料LMを準備する工程を有していればよく、プリプレグ16’の積層は必須ではない。以下、各実施形態について説明する。
【0032】
(第1実施形態)
本発明は、例えば
図1(a)〜(d)に示すように、支持シート10の上に複数の柱状金属体14を形成する工程を含む。本実施形態では、柱状金属体14を形成する工程が、支持シート10に接着剤層2を介して付着した金属板4をエッチングして複数の柱状金属体14を形成する例を示す。
【0033】
エッチングで形成された柱状金属体14は、
図7(a)〜(b)に示すように、縦断面形状において曲線となる周壁14aを有する。
図7(a)はエッチング時間が比較的短い場合であり、
図7(b)はエッチング時間が比較的長い場合である。
【0034】
エッチングを行う場合、柱状金属体14の形成位置にのみエッチングレジストMを用いてエッチングを行うことも可能であるが(
図1(c)参照)、
図8に示すように、柱状金属体14の形成位置の周囲のみが露出するエッチングレジストMを用いてエッチングを行うことが好ましい。
【0035】
つまり、
図8(a)〜(b)に示すように、金属板4のうち、柱状金属体14の形成位置の周囲のみをエッチングした後、金属板4のうち、柱状金属体14以外の残存部分4aを剥離することで、支持シート10の上に複数の柱状金属体14を形成することができる。
【0036】
このように、柱状金属体14の形成位置の周囲のみが露出するエッチングレジストMを用いてエッチングを行う方法により、エッチング液の使用量の低減、劣化防止が図れ、しかも、剥離した金属板4を容易にリサイクルできるようになる。しかも、
図8(c)に示すように、柱状金属体14の高さの中間部分(高さの中央又はその上下の位置)に、最も径又は外周長の小さい部分(アンダーカット)を形成することができる。これによって、柱状金属体14の脱落防止効果をより高めることができる。
【0037】
本発明では、柱状金属体14を形成した支持シート10を用いて、柱状金属体14を化学的及び/又は物理的に表面処理する工程を含むことが好ましい。このような表面処理としては、黒化処理と呼ばれる化学的な処理や、サンドブラストなどの物理的な処理が挙げられる。
【0038】
金属板4を構成する金属としては、何れの金属でもよく、例えば銅、銅合金、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄、その他の合金等が使用できる。なかでも、熱伝導性とソルダの接合性の点から、銅、又は銅合金が好ましい。
【0039】
支持シート10としては、樹脂シート、ゴムシート、金属シート、などが使用できるが、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの樹脂シートが好ましい。特に、耐熱性を有し低コストである、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルが好ましい。
【0040】
接着剤層2としては、金属と樹脂等が接着可能なものであれば、いずれでも良く、反応硬化型、熱硬化型、感圧接着型(粘着剤)、ホットメルト型、などの接着剤を用いることができる。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが使用できる。なお、接着剤層2を介在させずに、金属板4と支持シート10とを直接熱接着したり、支持シート10にメッキにより金属板4を形成したり、金属板4に樹脂を塗布形成することも可能である。
【0041】
各層の厚みについては、例えば、支持シート10の厚みは、30〜1000μm、接着剤層2の厚みは、1〜30μm、金属板4の厚みは100〜2000μmである。
【0042】
このような積層体を用いて、金属板4をエッチングして支持シート10上に複数の柱状金属体14を形成する工程を行う。エッチングにより、半導体素子等を実装する位置に柱状金属体14を形成することができる。
【0043】
エッチングは、例えば
図1(b)〜(c)に示すように、エッチングレジストMを用いて、金属板4の選択的なエッチングにより行うことができる。柱状金属体14のサイズは、実装される半導体素子のサイズより小さくすることも可能であり、例えばその上面の直径が0.3〜10mmである。柱状金属体14の上面の形状は、四角形、円形など何れでもよい。
【0044】
エッチングレジストMは、感光性樹脂やドライフィルムレジスト(フォトレジスト)などが使用できる。エッチングの方法としては、金属板4を構成する金属の種類に応じた、各種エッチング液を用いたエッチング方法が挙げられる。例えば、金属板4が銅の場合、市販のアルカリエッチング液、過硫酸アンモニウム、過酸化水素/硫酸等が使用できる。
【0045】
図1(d)に示すように、エッチング後には、エッチングレジストMが除去される。エッチングレジストMの除去は、化学的又は機械的な剥離により行うことができる。
【0046】
次ぎに、
図1(e)〜
図2(f)に示すように、柱状金属体14を形成した支持シート10と、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口19a、20aを有する配線基板WB又は配線基板材料WB’と、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口16aを有し熱硬化性樹脂17を含むプリプレグ16’とを含む積層材料LMを、各々の開口19a、20a、16aの内部に柱状金属体14が位置するよう積層する工程を実施する。第1実施形態では、積層材料LMが、複数の配線基板WB又は配線基板材料WB’と、その間に介在するプリプレグ16’を含む例を示す。
【0047】
特に、図示した例では、積層材料LMが、プリプレグ16’と、プリプレグ’の両側に金属層20’を外側にして配置した、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口19a、20aを有する片面金属張積層板とを含み、上側の片面金属張積層板の金属層20’がマスク材21で被覆されている例を示す。この例では、マスク材21が柱状金属体14に対応する部分に複数の開口21aを有している。
【0048】
プリプレグ16’の開口16aはドリルやパンチで形成することが可能である。開口16aの大きさは、柱状金属体14の上面よりやや大きくすることが好ましい。柱状金属体14の上面の形状と、開口16a等の形状は必ずしも一致する必要はなく、両者は同一形状でも異なる形状でもよい(他の開口についても同様)。
【0049】
プリプレグ16’としては、熱硬化性樹脂を含むものであればよく、加熱加圧時に変形して加熱等により固化すると共に、配線基板に要求される耐熱性を有するものであれば何れの材料でもよい。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の各種熱硬化性樹脂と、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、紙等の補強繊維との複合体などが挙げられる。
【0050】
また、プリプレグ16’として、熱伝導性の高い材料で構成されることが好ましく、例えば、熱伝導性フィラーを含む樹脂等が例示される。
【0051】
プリプレグ16’を構成する樹脂としては、柱状金属体14との接着力に優れ、また耐電圧特性等を損なわないものが好ましい。このような樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂の他、各種のエンジニアリングプラスチックが単独または2種以上を混合して用いることができるが、このうちエポキシ樹脂が金属同士の接合力に優れるので好ましい。特に、エポキシ樹脂のなかでは、流動性が高く、の金属酸化物及び金属窒化物との混合性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂構造を両末端に有するトリブロックポリマー、ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を両末端に有するトリブロックポリマーが一層好ましい樹脂である。
【0052】
配線基板WB又は配線基板材料WB’は、
図1(e)に示すように、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口19a、20aを有している。開口19a、20aはドリルやパンチで形成することが可能である。開口19a、20aの大きさは、柱状金属体14の上面よりやや大きくすることが好ましい。
【0053】
銅張積層板等の片面金属張積層板は、通常、金属層20’に接着した硬化状態の絶縁層19’を有するが、本発明では、プリプレグ16’により、配線基板WB又は配線基板材料WB’同士の接着が可能となるため、予め硬化した絶縁層を使用することも可能である。また、硬化状態の絶縁層19’の表面に、パターン化した金属層20’を有するものであってもよい。
【0054】
硬化状態の絶縁層19’の材料としては、前述のようなプリプレグ16’と同様のものを使用して、硬化させたものを使用することができる。なお、金属層20’と絶縁層19’とは、一体化されているものを積層してもよく、別々に積層してもよい。
【0055】
また、金属層20’としては、何れの金属でもよく、例えば銅、銅合金、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄、その他の合金等が使用できる。なかでも、熱伝導性や電気伝導性の点から、銅、アルミニウムが好ましい。
【0056】
なお、本実施形態では、
図1(e)に示すように、開口19a、20aと同じ部分に第三開口21aを有し、配線基板WB又は配線基板材料WB’の上に貼り付けたマスク材21を準備し、そのマスク材21を使用して積層体LBを形成する例を示す。
【0057】
マスク材21は、配線基板WB又は配線基板材料WB’の上に貼り付けてもよく、配線基板WB又は形成材料WB’に配置するだけでもよい。また、マスク材21としては、第三開口21aを有さないものを使用することも可能である。
【0058】
本発明では、配線基板WB又は配線基板材料WB’の上にマスク材21を貼り付けた状態で、開口19a、20aと第三開口21aとを同時に形成するのが好ましいが、これらを別々に形成することも可能である。
【0059】
マスク材21としては、樹脂製のフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミドなどが何れも使用できる。但し、耐熱性の観点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましい。
【0060】
また、マスク材21を貼り付ける場合、マスク材21に粘着剤層を設けることが好ましい。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが使用できる。マスク材21に粘着剤層を設ける代わりに、別途、粘着剤層を塗布して形成することも可能である。
【0061】
次いで、
図2(g)に示すように、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口19a、20aの内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面と同じ高さかより高くした積層体を形成することができる。
【0062】
これにより、
図2(g)に示すように、プリプレグ16’は硬化物16となり、柱状金属体14の上面をプリプレグ16’の熱硬化性樹脂17が被覆し凸部Aを有する状態となる。また、プリプレグ16’の熱硬化性樹脂17の一部が第三開口21aの周囲を被覆する場合があるが、マスク材21の存在によって、配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面に、プリプレグ16’の熱硬化性樹脂17が付着することを効果的に防止することができる。つまり、マスク材21の第三開口21aの周囲をプリプレグ16’の熱硬化性樹脂17が被覆しても、マスク材21を除去するだけで、プリプレグ16’の熱硬化性樹脂17を除去することが可能となる。
【0063】
加熱加圧は、プレス面により加熱プレスする方法が採用でき、柱状金属体14に対応する位置に凸部Aを形成し易いように、プレス面と被積層体との間に、少なくとも、凹状変形を許容するシート材を配置しておくのが好ましい。シート材を配置しない場合には、凸部Aの高さは、マスク材21の上面と同じ位置になる。また、柱状金属体14に対応する位置に凹部を有するプレス面を使用してもよい。
【0064】
加熱プレスの方法としては、加熱加圧装置(熱ラミネータ、加熱プレス)などを用いて行えばよく、その際、空気の混入を避けるために、雰囲気を真空(真空ラミネータ等)にしてもよい。加熱温度、圧力など条件等は、プリプレグと金属層形成材の材質や厚みに応じて適宜設定すればよいが、圧力としては、0.5〜30MPaが好ましい。
【0065】
シート材は、加熱プレス時に凹状変形を許容する材料であればよく、クッション紙、ゴムシート、エラストマーシート、不織布、織布、多孔質シート、発泡体シート、金属箔、これらの複合体、などが挙げられる。特に、クッション紙、ゴムシート、エラストマーシート、発泡体シート、これらの複合体などの、弾性変形可能なものが好ましい。
【0066】
次いで、
図2(h)に示すように、少なくとも柱状金属体14を被覆する熱硬化性樹脂17を除去する。つまり、柱状金属体14の上方の凸部Aを除去し、柱状金属体14の上面を露出させる。この凸部Aの除去の際、金属層20’の上面と柱状金属体14の高さが一致するように除去して平坦化するのが好ましい。但し、熱硬化性樹脂17を簡易に除去するためには、金属層20’の上面よりも柱状金属体14の高さ高い方が、理想的である。
【0067】
本実施形態では、凸部Aの除去に先立って、マスク材21を除去するが、マスク材21は、熱硬化性樹脂17を除去する際に、同時に除去することも可能である。
【0068】
凸部Aの除去方法としては、研削や研磨による方法が好ましく、ダイヤモンド製等の硬質刃を回転板の半径方向に複数配置した硬質回転刃を有する研削装置を使用する方法や、サンダ、ベルトサンダ、グラインダ、平面研削盤、硬質砥粒成形品などを用いる方法などが挙げられる。研削装置を使用すると、当該硬質回転刃を回転させながら、固定支持された配線基板の上面に沿って移動させることによって、上面を平坦化することができる。また、研磨の方法としては、ベルトサンダ、バフ研磨等により軽く研磨する方法が挙げられる。
【0069】
次いで、
図2(i)に示すように、積層体LBから、少なくとも支持シート10を剥離する工程を実施する。これにより、パターン形成前の配線基板材料を得ることができる。本実施形態では、接着剤層2が付着した支持シート10を接着剤層2と共に剥離する。このとき、柱状金属体14と接着剤層2との接着力が、柱状金属体14と熱硬化性樹脂17との接着力より小さくなるように設定しておく。このような接着力であると、銅張積層板等の片面金属張積層板の金属層20’から、接着剤層2を簡易に剥離することができる。
【0070】
本実施形態のように、配線基板材料WB’を積層一体化する場合、必要に応じて、金属層20’がパターン形成される。これに先立って、
図2(j)に示すように、露出された柱状金属体14および金属層20’を金属メッキし、金属メッキ層18’を形成することも可能である。これにより柱状金属体14の少なくとも一方の表面に延びるパターン部を有する配線基板を得ることができる。金属メッキの金属種としては、例えば銅、銀、Ni等が好ましい。金属メッキ層18’の形成の方法としては、例えば、無電解メッキ法等と電解メッキの組合せなどが挙げられる。
【0071】
図2(k)に示すような、金属メッキ層18’と金属層20’のパターン形成は、次のようにして行うことができる。例えば、エッチングレジストを使用して、所定のパターンで金属メッキ層18’および金属層20’をエッチングすることで、パターン化された配線層18を形成することができる。
【0072】
エッチングレジストの除去としては薬剤除去、剥離除去など、エッチングレジストの種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、スクリーン印刷により形成された感光性のインクである場合、アルカリ等の薬品にて除去される。
【0073】
以上のようにして、
図2(k)に示すように、絶縁層ILと、その絶縁層ILに埋め込まれた柱状金属体14と、配線層18とを有し、絶縁層ILは、プリプレグ16’の硬化物16を含み、そのプリプレグから滲み出した熱硬化性樹脂17により柱状金属体14の周囲が絶縁層ILと接着されている配線基板を得ることができる。
【0074】
本発明の配線基板は、半導体素子の搭載用基板として有用であり、特にパワー半導体素子、発光素子の搭載用基板として有用である。ここで、半導体素子とは、半導体のベアチップ、チップ部品、および半導体パッケージを含み、パワー半導体素子としては、インバータ装置、電圧変換装置等に用いられる各種トランジスタ、各種ダイオードなどの半導体素子を含むものである。
【0075】
これらのパワー半導体素子のパッケージは、リード以外に金属製の放熱板を備えているのが一般的である。この放熱板は、例えば、ダイオードではカソードと等電位になっているなど、パッケージ形態に応じて、放熱板と等電位の電極が決まっている。
【0076】
半導体素子30としては、バイポーラ系パワートランジスタ、MOSFET、IGBTの他、FWD(フリーホイーリングダイオード)などが挙げられる。また、従来のSiを用いた半導体素子のほか、SiC(炭化けい素)やGaN(窒化ガリウム)を用いた半導体素子を用いることができる。
【0077】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態においても、支持シート10の上に複数の柱状金属体14を形成する工程を含むが、例えば
図1(a)〜(d)に示すように、第1実施形態と同様にして実施することができる。
【0078】
第2実施形態では、
図3(e)〜(f)に示すように、積層材料LMは、配線基板WB又は配線基板材料WB’と、支持シート10との間に介在するプリプレグ16’を含んでいる。本実施形態では、配線基板WB又は配線基板材料WB’の下方が樹脂フィルム等のマスク材21で被覆されている例を示す。これにより、配線基板WB又は配線基板材料WB’から、プリプレグ16’を剥離する際に、容易に剥離することが可能となる。マスク材21としては、第1実施形態と同様のものを使用することができる。
【0079】
次いで、
図3(g)に示すように、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口19a、20aの内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面と同じ高さかより高くした積層体LBを形成することができる。
【0080】
その後、
図3(h)に示すように、第1実施形態と同様にして、柱状金属体14の上面を被覆する熱硬化性樹脂(凸部A)を除去する。柱状金属体14の上面が、配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面より高い場合には、必要に応じて、その分だけ柱状金属体14を除去することも可能である。
【0081】
第2実施形態では、
図3(i)〜(j)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離した後、プリプレグ16’の硬化物16を剥離する工程を実施する。これにより、プリプレグ16’の硬化物16が、柱状金属体14の周囲に覆う熱硬化性樹脂17との境界で破断して、プリプレグ16’の硬化物16を積層体LBから剥離することができる。このとき、支持シート10とプリプレグ16’を同時に剥離することも可能である。本実施形態では、更に、下方のマスク材21を剥離する例を示す。
【0082】
これにより、
図3(j)に示すように、下側に突出した柱状金属体14と、その周囲に覆う熱硬化性樹脂17とが存在する積層体LBが得られる。これをそのまま使用することも可能であるが、積層体LBの下面は平坦であることが好ましい。
【0083】
このため、
図3(k)に示すように、柱状金属体14と熱硬化性樹脂17とを切削等することで、下面が平坦な積層体LBを得ることができる。このような切削工程は、第1実施形態における、柱状金属体14の上面の切削等と同様にして、行うことが可能である。これにより、パターン形成前の配線基板材料を得ることができる。
【0084】
更に、第1実施形態と同様にして、金属メッキ層を形成したり、金属メッキ層をパターン形成することで、配線層を有する配線基板を得ることができる。
【0085】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。第3実施形態においても、支持シート10の上に複数の柱状金属体14を形成する工程を含むが、例えば
図1(a)〜(d)に示すように、第1実施形態と同様にして実施することができる。
【0086】
第3実施形態では、
図4(e)〜(f)に示すように、積層材料LMは、配線基板WB又は配線基板材料WB’の上に、プリプレグ16’を含んでいる。本実施形態では、配線基板WB又は配線基板材料WB’の上方及び下方が樹脂フィルム等のマスク材21で被覆されている例を示す。これにより、配線基板WB又は配線基板材料WB’から、プリプレグ16’の硬化物16を剥離する際に、容易に剥離することが可能となる。マスク材21としては、第1実施形態と同様のものを使用することができる。
【0087】
次いで、
図4(g)に示すように、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口19a、20aの内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面より高くした積層体LBを形成することができる。
【0088】
その後、
図4(h)に示すように、積層体LBから、プリプレグ16’の硬化物16を剥離する工程を実施する。これにより、プリプレグ16’の硬化物16が、柱状金属体14の周囲に覆う熱硬化性樹脂17との境界で破断して、プリプレグ16’の硬化物16を積層体LBから剥離することができる。
【0089】
次いで、
図4(i)に示すように、第1実施形態と同様にして、マスク材21を剥離した後、柱状金属体14の上面を被覆する熱硬化性樹脂(凸部A)を除去する。また、柱状金属体14の上面が、配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面より高くなるため、その分だけ柱状金属体14を切削等によって除去することが好ましい。
【0090】
第3実施形態では、
図4(j)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離する。支持シート10とマスク材21を同時に剥離することも可能であるが、本実施形態では、別途、下方のマスク材21を剥離する例を示す。
【0091】
これにより、マスク材21の厚み分だけ下側に突出した柱状金属体14と、その周囲に覆う熱硬化性樹脂17とが存在する積層体LBが得られる。これをそのまま使用することも可能であるが、積層体LBの下面は平坦であることが好ましい。
【0092】
このため、
図4(k)に示すように、柱状金属体14の下面を切削等することで、下面が平坦な積層体LBを得ることができる。このような切削工程は、第1実施形態における、柱状金属体14の上面の切削等と同様にして、行うことが可能である。これにより、パターン形成前の配線基板材料を得ることができる。
【0093】
更に、第1実施形態と同様にして、金属メッキ層を形成したり、金属メッキ層をパターン形成することで、配線層を有する配線基板を得ることができる。
【0094】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。第4実施形態では、例えば
図10(f)に示すように、複数の柱状金属体14を形成した支持シート10と、前記柱状金属体14に対応する部分に複数の開口を有する配線基板WB又は配線基板材料WB’とを含み、前記開口の内部に前記柱状金属体14が位置する積層材料LMを準備する工程を有する。
【0095】
この工程は、支持シート10の上に複数の柱状金属体14を形成する工程を含んでいてもよく、その場合、例えば
図1(a)〜(d)に示すように、第1実施形態と同様にして実施することができる。
【0096】
また、
図10(e)〜(f)に示すように、接着剤層2を有する支持シート10と、複数の開口19a、20aを有する配線基板WBと、各々の開口19a、20aが重なるように積層し、その開口内部に位置するように、柱状金属体14を配置してもよい。接着剤層2を有する支持シート10の代わりに、接着剤層2を有さない支持シート10を用いることも可能である。また、図示したように、配線基板WBの上方及び下方が樹脂フィルム等のマスク材21で被覆されていてもよい。
【0097】
第4実施形態では、
図10(e)〜(f)に示すように、積層材料LMは、プリプレグ16’を含んでいない。本実施形態では、配線基板WBの上方及び下方が樹脂フィルム等のマスク材21で被覆されている例を示す。これにより、配線基板WBから、熱硬化性樹脂17の硬化物を剥離する際に、容易に剥離することが可能となる。マスク材21としては、第1実施形態と同様のものを使用することができる。
【0098】
次いで、
図10(g)に示すように、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口の内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17が充填されて硬化した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面より高くした積層体LBを形成することができる。
【0099】
熱硬化性樹脂17を充填する方法としては、インクジェットプリンター等による各種印刷、ディスペンサーによる部分的な塗布、スキージーによる部分的な充填、スプレー、カーテンコータ等による塗布などいずれでもよい。中でも、充填を効率良く行なう観点から、インクジェットプリンターが好ましく使用される。なお、全体的な塗布を行なう場合には、マスク材21を剥離する方法、研磨を行なう方法などで、余分な熱硬化性樹脂17を除去することが好ましい。
【0100】
また、熱硬化性樹脂17を充填する際に、雰囲気を減圧下とすることで、開口の内面と柱状金属体14との間隙に、より確実に熱硬化性樹脂17を充填することが可能となる。つまり、減圧雰囲気下で充填された熱硬化性樹脂17に、ボイドや空隙が生じた場合でも、充填後に大気圧に戻すことで、ボイドや空隙を減少又は無くすることができる。
【0101】
また、熱硬化性樹脂17は充填後に室温で硬化するもの(反応硬化タイプ)を使用してもよいが、加熱により硬化するものを使用して、硬化のために加熱工程を採用してもよい。加熱工程には、ヒータを備えた加熱装置などの他、同時に加圧を行なうことができる熱プレス装置を使用することも可能である。
【0102】
その後、
図10(j)に示すように、第1実施形態と同様にして、マスク材21を剥離した後、必要に応じて、柱状金属体14の上面を被覆する熱硬化性樹脂を除去する。また、柱状金属体14の上面が、配線基板WB又は配線基板材料WB’の表面より高くなる場合には、その分だけ柱状金属体14を切削等によって除去することが好ましい。
【0103】
更に、第4実施形態では、
図10(j)〜(k)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離する。支持シート10とマスク材21を同時に剥離することも可能であるが、本実施形態では、別途、下方のマスク材21を剥離する例を示す。
【0104】
これにより、マスク材21の厚み分だけ下側に突出した柱状金属体14と、その周囲に覆う熱硬化性樹脂17とが存在する積層体LBが得られる。これをそのまま使用することも可能であるが、積層体LBの下面は平坦であることが好ましい。
【0105】
このため、
図10(k)に示すように、柱状金属体14の下面を切削等することで、下面が平坦な積層体LBを得ることができる。このような切削工程は、第1実施形態における、柱状金属体14の上面の切削等と同様にして、行うことが可能である。これにより、パターン形成前の配線基板材料を得ることができる。
【0106】
配線基板WBの代わりに、パターン形成していない配線基板材料WB’を使用することも可能である。その場合、第1実施形態と同様にして、金属メッキ層を形成したり、金属メッキ層をパターン形成することで、配線層を有する配線基板を得ることができる。
【0107】
つまり、第4実施形態によると、
図10(k)に示すように、開口を有する配線基板WBと、その開口の内部に位置する柱状金属体14と、その開口の内面と前記柱状金属体14との間に充填されて硬化した熱硬化性樹脂17と、を含む配線基板を製造することができる。
【0108】
(別実施形態)
(1)前述の実施形態では、支持シートに付着した金属板をエッチングして複数の柱状金属体を形成する例を示したが、エッチング又はそれ以外の方法で予め形成した複数の柱状金属体を、支持シートに付着させることも可能である。その場合、予め複数の柱状金属体が位置決めされた転写シートから、支持シートに転写して付着させたり、個々の柱状金属体を実装装置などを用いて順次支持シートに付着させる方法も可能である。エッチング以外の方法で形成した柱状金属体としては、打ち抜き、成形などで製造した金属ピン、金属プレートなどが挙げられる。このような柱状金属体では、厚み方向に横断面形状が変化しない立体形状とすることができる。
【0109】
(2)前述の実施形態では、配線パターンを形成する前の配線基板材料WB’を使用して配線基板等を製造する例を示したが、
図5に示すように、配線パターン20と絶縁層19を有する配線基板WBを使用することも可能である。図示した例は、配線基板WB又は配線基板材料WB’の下方にプリプレグ16’が積層される第2実施形態に相当するものであるが、第1実施形態および第3実施形態においても、配線基板材料WB’を使用して配線基板等を製造することが可能である。
【0110】
まず、
図5(e)に示すように、柱状金属体14を形成した支持シート10と、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口19a、20aを有する配線基板WBと、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口16aを有し熱硬化性樹脂17を含むプリプレグ16’とを含む積層材料LMを、各々の開口19a、20a、16aの内部に柱状金属体14が位置するよう積層する。このとき、配線基板WBの両面は、マスク材21で被覆されていることが好ましく、マスク材21が柱状金属体14に対応する部分に複数の開口21aを有することが更に好ましい。
【0111】
次いで、
図5(g)に示すように、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WBの開口19a、20aの内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WBの上面と同じ高さかより高くした積層体LBを形成することができる。
【0112】
その後、
図5(j)に示すように、第1実施形態と同様にして、上面のマスク材21を剥離し、柱状金属体14の上面を被覆する熱硬化性樹脂(凸部A)を除去する。柱状金属体14の上面が、配線基板WBの上面より高い場合には、必要に応じて、その分だけ柱状金属体14を除去することも可能である。
【0113】
第2実施形態では、
図5(j)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離した後、プリプレグ16’の硬化物16を剥離する工程を実施する。これにより、プリプレグ16’の硬化物16が、柱状金属体14の周囲に覆う熱硬化性樹脂17との境界で破断して、プリプレグ16’の硬化物16を積層体LBから剥離することができる。このとき、支持シート10とプリプレグ16’を同時に剥離することも可能である。本実施形態では、更に、下方のマスク材21を剥離する例を示す。これにより、下側に突出した柱状金属体14と、その周囲に覆う熱硬化性樹脂17とが存在する積層体LBが得られる。これをそのまま使用することも可能であるが、積層体LBの下面は平坦であることが好ましい。
【0114】
このため、
図5(k)に示すように、柱状金属体14の下面と熱硬化性樹脂17とを切削等することで、下面が平坦な積層体LBを得ることができる。このような切削工程は、第1実施形態における、柱状金属体14の上面の切削等と同様にして、行うことが可能である。
【0115】
これにより、絶縁層ILと、その絶縁層ILに埋め込まれた柱状金属体14と、配線層(配線パターン20)とを有し、絶縁層ILは、プリプレグ16’の硬化物16を含み、絶縁層ILの樹脂成分とは異なる熱硬化性樹脂17により柱状金属体14の周囲が絶縁層ILと接着されている配線基板を得ることができる。
【0116】
図示した例のように、両面配線基板を使用する場合、メッキスルーホール、金属バンプ、フィルドビア、メッキビアなどの層間接続構造を有することが好ましい。
【0117】
(3)前述の実施形態では、配線パターンを形成する前の配線基板材料WB’を使用して第1実施形態を実施する例を示したが、
図6に示すように、配線パターン20と絶縁層19を有する配線基板WBを使用して第1実施形態を実施することも可能である。
【0118】
まず、
図6(e)に示すように、柱状金属体14を形成した支持シート10と、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口19a、20aを有する2つの配線基板WBと、その間に介在し、柱状金属体14に対応する部分に複数の開口16aを有し熱硬化性樹脂17を含むプリプレグ16’とを含む積層材料LMを、各々の開口19a、20a、16aの内部に柱状金属体14が位置するよう積層する。このとき、上側の配線基板WBの上面と、下側の配線基板WBの下面とは、マスク材21で被覆されていることが好ましく、マスク材21が柱状金属体14に対応する部分に複数の開口21aを有することが更に好ましい。
【0119】
次いで、
図6(g)に示すように、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WBの開口19a、20aの内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WBの上面と同じ高さかより高くした積層体LBを形成することができる。
【0120】
その後、
図6(j)に示すように、第1実施形態と同様にして、上面のマスク材21を剥離し、柱状金属体14の上面を被覆する熱硬化性樹脂(凸部A)を除去する。柱状金属体14の上面が、配線基板WBの上面より高い場合には、必要に応じて、その分だけ柱状金属体14を除去することも可能である。
【0121】
次いで、
図6(k)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離する。
【0122】
また、
図6(l)に示すように、積層体LBから、マスク材21を剥離する。これにより、下側に突出した柱状金属体14と、その周囲に覆う熱硬化性樹脂17とが存在する積層体LBが得られる。これをそのまま使用することも可能であるが、積層体LBの下面は平坦であることが好ましい。
【0123】
このため、
図6(m)に示すように、柱状金属体14の下面と熱硬化性樹脂17とを切削等することで、下面が平坦な積層体LBを得ることができる。このような切削工程は、第1実施形態における、柱状金属体14の上面の切削等と同様にして、行うことが可能である。
【0124】
これにより、絶縁層ILと、その絶縁層ILに埋め込まれた柱状金属体14と、配線層(配線パターン20)とを有し、絶縁層ILは、プリプレグ16’の硬化物16を含み、そのプリプレグから滲み出した熱硬化性樹脂17により柱状金属体14の周囲が絶縁層ILと接着されている配線基板を得ることができる。
【0125】
図示した例のように、両面配線基板を使用する場合、メッキスルーホール、金属バンプ、フィルドビア、メッキビアなどの層間接続構造を有することが好ましい。
【0126】
(4)前述の実施形態では、マスク材を使用して積層体を形成する例を示したが、本発明ではマスク材を使用せずに配線基板又はその形成材料を積層して、積層体を形成することも可能である。その場合、配線基板又はその形成材料の開口の周囲に、プリプレグの熱硬化性樹脂が被覆される場合があるが、後の工程でこれを除去することが可能である。
【0127】
(5)前述の実施形態では、使用する配線基板WBの配線層の厚みが通常のものである例を示したが、本発明では、より厚い配線層(例えば絶縁層の半分以上の厚み)を有する配線基板WBを使用することも可能である。また、柱状金属体14同士を同じ厚みのパターンで接続した構造や、柱状金属体14とは独立して、柱状金属体14と同じ厚みの配線パターンが絶縁層に埋め込まれた構造とすることも可能である。
【0128】
(6)本発明の配線基板は、以上で説明した本発明の製造方法以外の方法で製造することも可能である。このような製造方法としては、例えば
図9に示す工程による製造方法が挙げられる。
【0129】
まず、
図9(e)〜(f)に示すように、接着剤層2を有する支持シート10と、複数の開口19a、20aを有する配線基板WBと、複数の開口16aを有し熱硬化性樹脂17を含むプリプレグ16’とを、各々の開口19a、20a、16aが重なるように積層し、その開口内部に位置するように、柱状金属体14を配置する。接着剤層2を有する支持シート10の代わりに、接着剤層2を有さない支持シート10を用いることも可能である。
【0130】
言い換えると、開口19a、20a、16aは、柱状金属体14を設ける位置に対応する部分に設けられている。なお、配線基板WBの両面は、マスク材21で被覆されていることが好ましく、マスク材21が柱状金属体14に対応する部分に複数の開口21aを有することが更に好ましい。
【0131】
次いで、
図9(g)に示すように、積層材料LMを、加熱加圧により一体化して、配線基板WBの開口19a、20aの内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を充填した積層体LBを得る工程を実施する。これにより、柱状金属体14の高さが配線基板WBの上面と同じ高さかより高くした積層体LBを形成することができる。
【0132】
その後、
図9(j)に示すように、積層体LBから、接着剤層2を有する支持シート10を剥離した後、プリプレグ16’の硬化物16と上面のマスク材21を剥離する。これにより、プリプレグ16’の硬化物16が、柱状金属体14の周囲に存在する熱硬化性樹脂17との境界で破断して、柱状金属体14の上面を覆う熱硬化性樹脂17と共に、プリプレグ16’の硬化物16を積層体LBから剥離することができる。柱状金属体14の上面が、配線基板WBの上面より高い場合には、必要に応じて、その分だけ柱状金属体14を除去することも可能である。
【0133】
この例では、
図9(j)に示すように、下側に突出した柱状金属体14と、その周囲に覆う熱硬化性樹脂17とが存在する積層体LBが得られ、これをそのまま使用することも可能であるが、積層体LBの下面は平坦であることが好ましい。
【0134】
このため、
図9(k)に示すように、柱状金属体14の下面と熱硬化性樹脂17とを切削等することが好ましく、これによって、下面が平坦な積層体LBを得ることができる。このような切削工程は、第1実施形態における、柱状金属体14の上面の切削等と同様にして、行うことが可能である。
【0135】
これにより、絶縁層ILと、その絶縁層ILに埋め込まれた柱状金属体14と、配線層(配線パターン20)とを有し、絶縁層ILは、プリプレグ16’の硬化物16を含み、絶縁層ILの樹脂成分とは異なる熱硬化性樹脂17により柱状金属体14の周囲が絶縁層ILと接着されている配線基板を得ることができる。
【0136】
(7)前述の実施形態では、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口に、メッキスルーホール30が形成されていない例を示したが、
図11に示すように、メッキスルーホール30が開口に形成されていてもよい。メッキスルーホール30は、第2実施形態〜第4実施形態において、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口に形成しておくことが可能である。
【0137】
その場合、例えば
図11(f)に示すように、複数の柱状金属体14を形成した支持シート10と、前記柱状金属体14に対応する部分に複数の開口を有し、その開口に、メッキスルーホール30が形成された配線基板WB又は配線基板材料WB’とを含み、前記開口の内部に前記柱状金属体14が位置する積層材料LMを準備する工程を実施する。
【0138】
次いで、例えば
図11(g)に示すように、配線基板WB又は配線基板材料WB’の開口のメッキスルーホール30の内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17が充填されて硬化した積層体LBを得る工程を実施する。
【0139】
図示した例では、柱状金属体14の上面と下面の高さが、配線基板WB又は配線基板材料WB’の上面と下面と一致している。このため、
図11(j)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離するだけで、開口を有する配線基板WBと、その開口の内部に位置する柱状金属体14と、その開口の内面と前記柱状金属体14との間に充填されて硬化した熱硬化性樹脂17と、を含む配線基板を製造することができる。
【0140】
また、メッキスルーホール30が形成された配線基板WB又は配線基板材料WB’を用いることで、開口にメッキスルーホールが形成された配線基板を製造することができる。
【0141】
(8)前述の第4実施形態では、パターン形成した配線基板WBを用いた例を示したが、
図12に示すように、パターン形成する前の配線基板材料WB’を用いることも可能である。なお、図示した例では、エッチングではなく、ピンからなる複数の柱状金属体14を使用している。
【0142】
上記の場合、例えば
図12(f)に示すように、柱状金属体14である複数のピンを形成した支持シート10と、前記柱状金属体14に対応する部分に複数の開口を有する配線基板材料WB’とを含み、前記開口の内部に柱状金属体14が位置する積層材料LMを準備する工程を実施する。配線基板材料WB’は、絶縁層19の両面に金属層20’が形成されたものを使用できる。
【0143】
次いで、例えば
図12(g)に示すように、配線基板材料WB’の開口のメッキスルーホール30の内面と柱状金属体14との間に熱硬化性樹脂17を、印刷等によって充填する。このとき充填後の熱硬化性樹脂17の上面付近は、凸状になっており、これを加熱等によって硬化させる。
【0144】
次いで、
図12(j)に示すように、硬化した熱硬化性樹脂17の上面付近の凸部を除去して、上面が平らで、熱硬化性樹脂17が硬化した積層体LBを得る。図示した例では、柱状金属体14の上面の高さが、配線基板材料WB’の上面と一致している。このため、
図12(k)に示すように、積層体LBから、支持シート10を剥離するだけで、柱状金属体14の上面と下面の高さが、配線基板材料WB’の上面と下面とに各々一致した積層体LBを製造することができる。
【0145】
次いで、
図12(l)に示すように、上下両面に別の金属層20’をメッキ等によって設ける。これをエッチング等でパターン形成することで、
図12(m)に示すように、配線パターンを有する配線基板WBと、その開口の内部に位置する柱状金属体14と、その開口の内面と前記柱状金属体14との間に充填されて硬化した熱硬化性樹脂17と、を含む配線基板を製造することができる。