(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961279
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】水耕栽培用プランター用ラック、水耕栽培システム及び水耕栽培方法
(51)【国際特許分類】
A01G 31/06 20060101AFI20211025BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20211025BHJP
A01G 9/02 20180101ALI20211025BHJP
【FI】
A01G31/06
A01G31/00 601B
A01G31/00 612
A01G9/02 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-62698(P2021-62698)
(22)【出願日】2021年4月1日
(62)【分割の表示】特願2017-237276(P2017-237276)の分割
【原出願日】2017年12月11日
(65)【公開番号】特開2021-101729(P2021-101729A)
(43)【公開日】2021年7月15日
【審査請求日】2021年4月2日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515339295
【氏名又は名称】株式会社恵葉&菜健康野菜
(74)【代理人】
【識別番号】100109254
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 雅典
(72)【発明者】
【氏名】池 祐史久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朱鷺
【審査官】
田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−163874(JP,A)
【文献】
特開平02−308733(JP,A)
【文献】
実開昭63−058560(JP,U)
【文献】
特公昭56−028488(JP,B2)
【文献】
特開平02−128685(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/185064(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00− 9/02
A01G 31/00−31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に水耕栽培用プランターを設置できるプランター設置棚を備え、上部に植物生育用の光源を備えるプランター設置用スペースを鉛直方向に複数段有する水耕栽培用プランター用ラックと、上記各プランター設置棚に設置された略直方体形状の水耕栽培用プランター(養液槽)と、を備える水耕栽培システムにおいて、
上記水耕栽培用プランターは、鉛直方向に設けられた複数段のプランター設置棚においてそれぞれ短手方向に傾斜するように設置されており、
上記水耕栽培用プランターから養液を排水すると、上記傾斜により、排水の終了間際には、養液槽の中央底部等から前記短手方向の低い側に養液が集まり流れる
ことを特徴とする水耕栽培システム。
【請求項2】
下部に水耕栽培用プランターを設置できるプランター設置棚を備え、上部に植物生育用の光源を備えるプランター設置用スペースを鉛直方向に複数段有する水耕栽培用プランター用ラックにおいて、
各プランター設置用スペースに略直方体形状の水耕栽培用プランターを設置した際、上記水耕栽培用プランターは、鉛直方向に設けられた複数段のプランター設置棚においてそれぞれ短手方向に傾斜するように設置され、
上記水耕栽培用プランター(養液槽)から養液を排水すると、上記傾斜により、排水の終了間際には、養液槽の中央底部等から短手方向の低い側に養液が集まり流れる
ことを特徴とする水耕栽培用プランター用ラック。
【請求項3】
下部に水耕栽培用プランターを設置できるプランター設置棚を備え、上部に植物生育用の光源を備えるプランター設置用スペースを鉛直方向に複数段設けて、上記プランター設置スペースに略直方体形状の水耕栽培用プランター(養液槽)を設置し、成長に応じて養液を入れ替える養液制御を行う水耕栽培方法において、
上記水耕栽培用プランターを、鉛直方向に設けられた複数段のプランター設置棚においてそれぞれ短手方向に傾斜させて設置することにより、
上記水耕栽培用プランターから養液を排水すると、上記傾斜により、排水の終了間際には、養液槽の中央底部等から短手方向の低い側に養液が集まり流れるようにする
ことを特徴とする水耕栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水耕栽培プランターに用いるラック、およびそれを用いた水耕栽培システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
床面積に比して収穫量を最大化するために、植物工場等で用いられている水耕栽培プランターは、多段に積まれて設置されることが一般的である。この際に、水耕栽培プランター用ラックが使用される。
【0003】
従来の水耕栽培用ラックは、外形が箱型の骨格を持つ筐体内に多段の棚を設けて、プランター、養液循環系、照明等を配置したものである。養液循環タンクやポンプは最下段に配置され、上の棚に多段に配置されたプランターに養液を循環させる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−12115
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている水耕栽培用ラックは、レイアウトが変更しやすく、多目的に使用できるという利点を有している。しかし
、養液の交換等を考慮したものではなかった。
【0006】
最近の水耕栽培では、成長に応じて養液を入れ替える等の高度な養液制御を行うこともある。養液の入れ替えの際には、前の養液を完全に排水してから、新たな養液を入れることが望ましい。例えば、野菜に含まれる硝酸態窒素は、苦みの原因となり、健康に対する悪影響も懸念される。この硝酸態窒素を減少させるためには、収穫直前に窒素を含まない養液に入れ替えて所定の日数栽培を行う。しかし、窒素を含む前の養液が微量でも混入すると、硝酸態窒素が十分に減少しない。
したがって、水耕栽培プランター(養液槽)の養液の排水等も考慮したラックが望まれている。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり
、養液の交換
を容易にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る水耕栽培システムは、
下部に水耕栽培用プランターを設置でき
るプランター設置棚を備え、上部に植物生育用の光源を備えるプランター設置用スペースを鉛直方向に複数段有する水耕栽培用プランター用ラックと、上記各プランター設置
棚に設置された略直方体形状の水耕栽培用プランター(養液槽)と、 を備える水耕栽培システムにおいて、
上記水耕栽培用プランターは、
鉛直方向に設けられた複数段のプランター設置棚においてそれぞれ短手方向に傾斜
するように設置されており、
上記水耕栽培用プランターから養液を排水すると、上記傾斜により、排水の終了間際には、養液槽の中央底部等から前記短手方向の低い側に養液が集まり流れる
ことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る水耕栽培用プランター用ラックは、
下部に水耕栽培用プランターを設置でき
るプランター設置棚を備え、上部に植物生育用の光源を備えるプランター設置用スペースを鉛直方向に複数段有する水耕栽培用プランター用ラックにおいて、
各プランター設置用スペースに略直方体形状の水耕栽培用プランターを設置した際、上記水耕栽培用プランターは、
鉛直方向に設けられた複数段のプランター設置棚においてそれぞれ短手方向に傾斜
するように設置され、
上記水耕栽培用プランター(養液槽)から養液を排水すると、上記傾斜により、排水の終了間際には、養液槽の中央底部等から短手方向の低い側に養液が集まり流れる
ことを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る水耕栽培方法は、
下部に水耕栽培用プランターを設置でき
るプランター設置棚を備え、上部に植物生育用の光源を備えるプランター設置用スペースを鉛直方向に複数段設けて、上記プランター設置スペースに略直方体形状の水耕栽培用プランター(養液槽)を設置し、成長に応じて養液を入れ替える養液制御を行う水耕栽培方法において、
上記水耕栽培用プランターを、
鉛直方向に設けられた複数段のプランター設置棚においてそれぞれ短手方向に傾斜させて設置することにより、
上記水耕栽培用プランターから養液を排水すると、上記傾斜により、排水の終了間際には、養液槽の中央底部等から短手方向の低い側に養液が集まり流れるようにする
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、水耕栽培の持ついくつかの課題を考慮した水耕栽培用プランター用ラックである。
【0012】
課題は、最近の水耕栽培で行われている、成長に応じて養液を入れ替える等の高度な養液制御において、養液槽の中央底部等に残留養液が発生することである
。水耕栽培用プランター(養液槽)
が傾いた状態で養液を排水すると、排水の終了間際には、養液槽の底部中央等から短手方向の低い側に養液が集まり流れて、養液の排水を容易に行うことを可能にする。これにより、排水時に養液槽の中央底部等に残留する養液が大幅に減り、新たな養液へのコンタミが減少し、高度な養液の濃度制御を行いやすくなる。
【0013】
別の課題は、設備費
用である。一部の特殊な高価な農産物を除き、農業は薄利多売のビジネスであるため、コスト低
減は必須である。
本発明の水耕栽培用プランター用ラックは
、水耕栽培用プランターの底面に適度な傾きを付けること
は必要ではないため、箱型の廉価な一般的な養液槽が使用でき
、設備投資の低減に貢献する。
【0014】
また
、視認性が高く、植物の成長も見やすい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る水耕栽培用プランター用ラックの斜視図である。
【
図2】本発明に係る水耕栽培用プランター用ラックの側面図である。
【
図3】本発明に係る水耕栽培用プランター用ラックの部分側面図であり、(a)は水耕栽培用プランター設置前、(b)は設置後である。
【
図4】本発明に係る別の水耕栽培用プランター用ラックの部分側面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
【
図5】本発明に係るさらに別の水耕栽培用プランター用ラックの部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る水耕栽培用プランター用ラック、および、水耕栽培システムに関して、構成や使用方法等を図面を用いて説明する。なお、以下の説明は本発明に関する良好な一例を開示するものであり、本発明が当該実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
実施の形態.
<構成>
図1および
図2を用いて、本実施の形態の水耕栽培用プランター用ラックの構成を説明する。
図1は、水耕栽培用プランター用ラックの斜視図である。
図2は、
図1において、紙面の左側から見た側面図である。
【0018】
本実施の形態に係る水耕栽培用プランター用ラックは、水平方向に2列、および鉛直方向に複数段のプランター設置用スペースを有し、上記各プランター設置用スペースは、下部に水耕栽培用プランターを設置できるプランター設置棚5と、上部に植物生育用の光源6とを備えている。そして、水平方向の2列は、各プランター設置用スペースの長手方向が略平行に並んでいる。また、各段において、水平方向2列の上記プランター設置用スペース間は連通状態であり、且つ鉛直方向において、水平方向2列の上記プランター設置用スペース間は、接地面より最上段まで連通状態であり、水平方向2列の上記プランター設置用スペース間に1または複数の中央支柱2a、2b、2c、2dが設けられ、各プランター設置棚5における水耕栽培用プランターの接地面は、上記各プランター設置用スペース5の長手方向に垂直な鉛直面内において、上記中央支柱側が高くなるように傾斜している。
【0019】
図においては、2列5段の水耕栽培用プランター用ラックを一例として示している。H1〜H5の各段に、左右2列のプランター設置用スペースがある。本実施例においては、鉛直方向の段数は5段としているが、複数段であれば、何段でも構わない。
【0020】
<プランター設置用スペース>
図の水耕栽培用プランター用ラックにおいては、2列5段、計10のプランター設置用スペースが設けられている。各プランター設置用スペースの下部には、プランター設置棚5が、上部には植物生育用の光源6が設けられている。そして、各プランター設置用スペースには、接地面付近に置かれた養液タンク7により養液を循環させるための配管10や、(図示しない)電源から光源6に電気を供給する(図示しない)電線等が引かれている。
なお、図において、図が煩雑になるのを避けるために、左側のH5段のプランター設置用スペースのみに、記号を付しているが、その他のプランター設置用スペースにおいても同様の構成である。
【0021】
また、水耕栽培用プランターは、極めて特殊なものを除いて、略直方体形状である。プランター設置棚5は、一般的な略直方体形状の水耕栽培用プランターを置けるように略長方形である。そして、水平方向の2列は、各プランター設置用スペースの長手方向が略平行に並んでいる。
【0022】
<中央支柱>
中央支柱2a、2b、2c、2dは、
図2の側面図において、ラックの中央付近に設けられる支柱である。すなわち、水平方向2列のプランター設置用スペース間に設けられる。「水平方向2列のプランター設置用スペース間」とは、だいたい水平方向2列のプランター設置用スペースの間という意味であり、2列のどちらか、あるいは両方のプランター設置用スペースにわずかに掛かる程度であってもよい。
図においては、接地用フレーム1に4本の中央支柱2a、2b、2c、2dが設けられているが、特に本数や形状は問わない。例えば、ラックの中央に太い支柱を1本だけ立てても良い。
【0023】
<骨組み構造>
図1に示すように、中央支柱2aと2c間に前後梁3aが、中央支柱2bと2d間に前後梁3bが設けられている。そして、前後梁3a、3bに略垂直に、左右梁4a、4b、4cが固定されている。
3本の左右梁4a、4b、4cの上側にはプランター設置棚5が、上側には光源6が固定されている。
前後梁3a、3bや左右梁4a、4b、4cは一例であり、中央支柱2a、2b、2c、2dの一部、あるいはすべてに支持される梁構造であれば、どのような構造でも構わない。
そして、この梁構造により、各プランター設置棚5が略面内方向に支持される。
【0024】
また、必要に応じて、
図2に示す棚補強具8を設けても良い。棚補強具8は必須の構造ではないが、設置する水耕栽培用プランターの重量に応じて設けても良い。
【0025】
以上のように、中央支柱2a、2b、2c、2d、および、前後梁3a、3bや左右梁4a、4b、4cといった梁構造により、ラックの骨組みが形成されているため、各段において、水平方向2列の上記プランター設置用スペース間は連通状態であり、且つ鉛直方向において、水平方向2列の上記プランター設置用スペース間は、接地面より最上段まで連通状態である。
ここで、「連通状態」とは、十分に隙間が開いた状態であり、どの場所においても気体が自由に通過し、淀み等がほとんどできない状態である。
【0026】
<使用方法>
次に使用方法について説明する。
まず、接地面付近に養液タンク7を設置し、配管10や循環ポンプと結合させる。
次に、各プランター設置用スペースの各プランター設置棚5に水耕栽培用プランターを設置する。各水耕栽培用プランターに養液を循環させるための配管10を結合し、また、電源から光源6に電気を供給する電線等を配線する。
【0027】
なお、光源6用の電源は、接地面付近であって、ラックの面内中央近傍に置くことが望ましい。
植物生育用の光源6は太陽光の代わりをするためのものであるため、非常に強い照度が必要である。そのため、複数の光源6に電力を供給する電源は大容量の電源であり、発熱量も大きい。通常、電源周囲の温度は50℃程度まで上昇し、結露の原因となる。結露は細菌の温床となるため、電源は水耕栽培用プランターから離れた位置や、天井近くに設置することが多い。しかし、水耕栽培用プランターから離れた位置や、天井近くに設置すると、日常の操作やメンテナンスに不便である。
【0028】
本実施の形態の水耕栽培用プランター用ラックの場合、鉛直方向において、水平方向2列の上記プランター設置用スペース間は、接地面より最上段まで連通状態であるので、電源が発生した熱は、ラックの中央付近を通って天井方向に上昇するため、結露の心配がない。
【0029】
また、電源が発生した熱は、このように、ラックの中央付近に上昇気流を生じさせるので、床面付近に溜まっていた二酸化炭素をラック上部まで運ぶ効果がある。これにより、ラックの上段の水耕栽培用プランターに二酸化炭素を供給できる。
以上のように、接地面付近であって、ラックの面内中央近傍に、光源6用の電源等の熱源を置くことで、二酸化炭素量の鉛直方向(各段)における均一化が図れる。
【0030】
なお、電源が発生した熱は、十分に分散されるので、結露が発生することはほとんど心配ないが、ラック上方の天井面やラックの最上部等に、念のために乾燥剤を設けても良い。
【0031】
水耕栽培用プランターについては、養液槽の底部であって短手方向の一端に排水溝や排水栓を設けることが望ましい。
図3に示すように、プランター設置棚5に水耕栽培用プランター9を設置すると、水耕栽培用プランター9の重量によりプランター設置棚5を支持している梁4aが撓み、プランター設置棚5と水耕栽培用プランター9は、短手方向のラック中央側が高くなるように傾く。
【0032】
水耕栽培用プランター9がこのように傾いた状態で養液を排水すると、排水の終了間際には、短手方向の低い側に養液が集まり流れる。したがって、水耕栽培用プランター9の養液槽の底部中央等に残る養液はわずかになり、養液の排水が十分に行われる。したがって、新たな異なる養液を入れた際に、前の残留養液の混入を最小限にすることができる。
以上のように、各プランター設置棚5に上記水耕栽培用プランターを設置した際、上記各プランター設置用スペースの長手方向に垂直な鉛直面内において、上記水耕栽培用プランターは上記中央支柱側が高くなるように傾斜していることで、養液の排水を容易に行うことが可能となる。
【0033】
なお、
図4(a)に示すように、梁40aを予め傾けることで、水耕栽培用プランターが傾くようにしても良い。
図4(b)に示す梁40aの傾き角度Aは、0.5°から2°が望ましい。排水時において、養液槽の底部中央等に養液が残らない傾きであると同時に、通常時において、植物に対する養液上面の傾きの影響がほとんど生じない傾きである。
【0034】
また、
図5(a)および(b)に示すように、
図3と同様に、梁4a水平にし、プランター設置棚5内に、傾斜板を配置したり(
図5(a))、丸棒等を配置しても良い(
図5(b))。このようにしても、水耕栽培用プランターは傾く。
以上のように、各プランター設置棚における水耕栽培用プランターの接地面は、上記各プランター設置用スペースの長手方向に垂直な鉛直面内において、上記中央支柱側が高くなるように傾斜しているようにすれば良い。
【0035】
<本発明のまとめ>
本発明は、水耕栽培の持ついくつかの課題を考慮した水耕栽培用プランター用ラックである。
第一の課題は、多段に水耕栽培用プランターを設置した場合に問題となる環境の高さ方向の不均一性である。一番大きな問題となる環境要因は、二酸化炭素濃度である。植物が光合成を行う際に二酸化炭素は必須の物質であり、その濃度管理は極めて重要である。しかし、二酸化炭素は空気よりも重いため床面付近の濃度が高く、高い位置では十分な濃度が得られない。これにより、各段の植物で成長の不均一が生じ、あるいは、上の段ではチップバーン等の障害が生じるといった品質の不均一も起こる。
【0036】
本発明においては、接地面付近であって、ラックの面内中央近傍に、光源用の電源等の熱源を置くことで、二酸化炭素量の鉛直方向における均一化が図れる。
また、光源用の電源等が扱いやすい位置に設置できることで、設置時の作業の容易化、電源の操作やメンテの容易化という別のメリットも生じる。
【0037】
第二の課題は、最近の水耕栽培で行われている、成長に応じて養液を入れ替える等の高度な養液制御において、残留養液が発生することである。本発明においては、中央支柱が水耕栽培用プランターの支えとなるため、水耕栽培用プランターの重量により梁が撓み、自然に水耕栽培用プランターがわずかではあるが傾く。これにより、排水時に残留する養液が大幅に減り、新たな養液へのコンタミが減少し、高度な養液の濃度制御を行いやすくなる。
【0038】
第三の課題は、設備費用と作業性である。一部の特殊な高価な農産物を除き、農業は薄利多売のビジネスであるため、コスト低減と作業性向上は必須である。
本発明の水耕栽培用プランター用ラックは、簡素な骨組みで製作できるため、設備投資の低減が可能である。また、水耕栽培用プランターの底面に適度な傾きを付けることも必要ではないため、箱型の廉価な一般的な養液槽が使用できることも、設備投資の低減に貢献する。
【0039】
また、簡素な骨組みだけで構成されているので、水耕栽培用プランターへの諸作業が行いやすく、作業性が向上する。水耕栽培用プランター内への栽培プレートの設置や取出し等も容易である。また、視認性が高く、植物の成長も見やすい。
【符号の説明】
【0040】
1 接地用フレーム
2a〜2d 中央支柱
3a、3b 前後梁
4a〜4c、40a 左右梁
5 プランター接地用棚
6 光源
7 養液タンク
9 水耕栽培用プランター
10 配管?