特許第6961282号(P6961282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6961282
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】自動分別装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/46 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
   B07B1/46 K
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2021-116784(P2021-116784)
(22)【出願日】2021年7月15日
【審査請求日】2021年7月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521313511
【氏名又は名称】ケイエスリンクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107700
【弁理士】
【氏名又は名称】守田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】松藤 弘昭
(72)【発明者】
【氏名】河原田 豊
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−131956(JP,A)
【文献】 特開2013−91009(JP,A)
【文献】 特開2020−6304(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/210421(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00−1/62
B07C 5/36
B23Q 11/00
B01D 29/90
B01D 29/62
B02C 23/08
B25J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分別用の篩機の周辺に設置され、アーム先端に着脱機構を設けたロボットアームと、当該ロボットアームの周囲に設けた各支持台に所定姿勢で置かれそれぞれに前記着脱機構に着脱される着脱部材を有する掬い具、および解砕具ないし吸引具の少なくとも一方と、前記ロボットアームの制御装置とを備え、当該制御装置は、前記アーム先端を前記掬い具に近接移動させてその着脱機構に前記掬い具の着脱部材を結合して当該掬い具によって所定量の被分別材を掬って前記篩機の篩網上へ投入し、その後前記掬い具を再び前記支持台へ戻す工程と、前記アーム先端を前記解砕具に近接移動させて前記着脱機構に前記解砕具の着脱部材を結合して当該解砕具によって前記篩網上へ投入された被分別材を解砕し、その後前記解砕具を再び前記支持台へ戻す工程ないし前記アーム先端を前記吸引具に近接移動させて前記着脱機構に前記吸引具の着脱部材を結合して当該吸引具によって前記篩網上に残った被分別材を吸引し、その後前記吸引具を再び前記支持台へ戻す工程の少なくとも一方の工程を順次遂行するように前記ロボットアームを動作させるものである自動分別装置。
【請求項2】
前記掬い具は、スコップ状の本体を備え、当該本体の基端部に前記着脱部材が設けられている請求項1に記載の自動分別装置。
【請求項3】
前記解砕具は、推台状の本体を備え、当該本体の頂面に前記着脱部材が設けられている請求項1に記載の自動分別装置。
【請求項4】
前記吸引具は、下方へ開放する箱状の本体を備え、当該本体には内空間を吸引する吸引管が連結されるとともに前記本体の底面に前記着脱部材が設けられている請求項1に記載の自動分別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動分別装置に関し、特に篩機への被分別材の供給から後処理までの工程を自動化した自動分別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
篩機への粉体等の被分別材の供給、供給された被分別材の解砕、篩機に残った被分別材の取り出し等の後処理は従来人手で行われており、被分別材が重量物である場合等には作業者に大きな負担となっていた。
【0003】
なお、特許文献1には、粉体を造粒するパンを備えた大塊処理装置において、大塊を掬いあげる掬上げ治具をロボットアームの先端に着脱自在に取り付けたものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−091009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、作業者の負担軽減を図りたいという要請に鑑みてなされたもので、従来人手で行われていた篩機への被分別材の供給から後処理までの工程を自動化した自動分別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本第1発明の自動分別装置は、分別用の篩機(1)の周辺に設置され、アーム先端(31)に着脱機構(32)を設けたロボットアーム(3)と、当該ロボットアーム(3)の周囲に設けた各支持台(53,63,73)に所定姿勢で置かれそれぞれに前記着脱機構(32)に着脱される着脱部材(52,62,72)を有する掬い具(5)、および解砕具(6)ないし吸引具(7)の少なくとも一方と、前記ロボットアーム(3)の制御装置(4)とを備え、当該制御装置(4)は、前記アーム先端(31)を前記掬い具(5)に近接移動させてその着脱機構(32)に前記掬い具(5)の着脱部材(52)を結合して当該掬い具(5)によって所定量の被分別材を掬って前記篩機(1)の篩網(11)上へ投入し、その後前記掬い具(5)を再び前記支持台(53)へ戻す工程と、前記アーム先端(31)を前記解砕具(6)に近接移動させて前記着脱機構(32)に前記解砕具(6)の着脱部材(62)を結合して当該解砕具(6)によって前記篩網(11)上へ投入された被分別材を解砕し、その後前記解砕具(6)を再び前記支持台(63)へ戻す工程ないし前記アーム先端(31)を前記吸引具(7)に近接移動させて前記着脱機構(32)に前記吸引具(7)の着脱部材(72)を結合して当該吸引具(7)によって前記篩網(11)上に残った被分別材を吸引し、その後前記吸引具(7)を再び前記支持台(73)へ戻す工程の少なくとも一方の工程を順次遂行するように前記ロボットアーム(3)を動作させるものである
【0007】
本第2発明では、前記掬い具(5)は、スコップ状の本体(51)を備え、当該本体(51)の基端部(511)に前記着脱部材(52)が設けられている。
【0008】
本第3発明では、前記解砕具(6)は、推台状の本体(61)を備え、当該本体(61)の頂面に前記着脱部材(62)が設けられている。
【0009】
本第4発明では、前記吸引具(7)は、下方へ開放する箱状の本体(71)を備え、当該本体(71)には内空間を吸引する吸引管(741)が連結されるとともに前記本体(71)の底面に前記着脱部材(72)が設けられている。
【0010】
上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を参考的に示すものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の自動分別装置によれば、篩機への被分別材の供給から後処理までの工程を自動化することができるから、作業者の負担の大きい作業を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自動分別装置の全体斜視図である。
図2】制御装置の正面斜視図である。
図3】ロボットアームのアーム先端に設けた着脱機構の斜視図である
図4】支持台に置かれた掬い具の斜視図である。
図5】支持台上に置かれた解砕具の斜視図である。
図6】解砕具の本体下端面の斜視図である。
図7】支持台上に置かれた吸引具の斜視図である。
図8】アーム先端に掬い具を結合して開放容器内の粉体を掬っているロボットアームの斜視図である。
図9】アーム先端に掬い具を結合して篩機の篩網上方へ粉体を搬送しているロボットアームの斜視図である。
図10】アーム先端に掬い具を結合して篩機の篩網上へ粉体を落下供給しているロボットアームの斜視図である。
図11】アーム先端に解砕具を結合して篩機の篩網上へ供給された粉体を解砕しているロボットアームの斜視図である。
図12】アーム先端に吸引具を結合して篩機の篩網上に残った粉体を吸引しているロボットアームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
【0014】
図1に自動分別装置の全体斜視図を示し、振動式の篩機1と、これの近くに配置されたプラットホーム2上に設けたロボットアーム3を備えている。ロボットアーム3は電動多関節型のもので、そのアーム先端31は、図2に示す制御装置4内に予め教示記憶された三次元空間の任意位置へ、自動で順次移動可能である。上記アーム先端31には図3に示すような公知の吸引式着脱機構32が設けられている。
【0015】
一方、ロボットアーム3の周囲のプラットホーム2上には詳細を以下に説明する掬い具5、解砕具6および吸引具7が置かれている(図1参照)。図4にはプラットホーム2上に置かれた掬い具5の詳細を示す。掬い具5は、プラットホーム2上の、被分別材の一例である粉体を収容した開放容器21の近傍に設置した支持台53に、角型のスコップ状の本体51を立てた姿勢で置かれており、本体51の下端部(基端部)511には、アーム先端31の着脱機構32(図3参照)に結合可能な着脱部材52が側方へ向けて設けられている。
【0016】
図5にはプラットホーム2上に置かれた解砕具6の詳細を示す。解砕具6は、プラットホーム2上に設けた平板状の支持台63上に、四角推台状の本体61が置かれており、本体61の頂面(基端面)には、アーム先端31の上記着脱機構32に結合可能な着脱部材62が上方へ向けて設けられている。そして、解砕具6の四角形の本体下端面(先端面)には、図6に示すように格子状のステンレス金網611が接合されている。
【0017】
図7にはプラットホーム2上に置かれた吸引具7の詳細を示す。吸引具7は、プラットホーム2上に設けた支持台73上に、下方へ開放する角箱状の本体71を伏せた姿勢で置かれており、本体71の上面(底面)に突設されて本体内空間に連通している連結管74に、図略の排気ポンプから延びる吸引管としてのホース741が連結されている。そして連結管74の側面に、アーム先端31の上記着脱機構32に結合可能な着脱部材72が側方へ向けて固定されている。
【0018】
このような構造の自動分別装置において、篩機1に粉体を供給する場合には、ロボットアーム3のアーム先端31を掬い具5の近くへ移動させて、アーム先端31の着脱機構32に掬い具5の着脱部材52を結合する。このようにしてアーム先端31に結合した掬い具5を、図8に示すように開放容器21内へ上方から進入させて所定量の粉体を掬い、これを図9に示すように篩機1の篩網11の上方へ運んで落下供給する(図10)。その後は、掬い具5を支持台53(図4参照)上に原姿勢で戻し、アーム先端31の着脱機構32と掬い具5の着脱部材52の結合を解消する。
【0019】
続いて、ロボットアーム3のアーム先端31を解砕具6の近くへ移動させてアーム先端31の着脱機構32に解砕具6の着脱部材62を結合する。そしてアーム先端31に結合した解砕具6を図11に示すように篩機1の篩網11に接近した上方に位置させ、解砕具6の本体下端面を篩網11の網面に沿って網面全面に平行に往復移動させることにより、篩網11上に供給されている粉体を篩網11上で解砕する。解砕し終えた後は、解砕具6を支持台63(図5参照)上に原姿勢で戻し、アーム先端31の着脱機構32と解砕具6の着脱部材62の結合を解消する。
【0020】
その後、ロボットアーム3のアーム先端31を吸引具7の近くへ移動させてアーム先端31の着脱機構32に吸引具7の着脱部材72を結合する。そしてアーム先端31に結合した吸引具7を、図12に示すように篩機1の排出口12に近い篩網11部分に接近した上方に位置させ、当該篩網11部分上に残った粉体を吸引し除去する。吸引作業終了後は、吸引具7を支持台73(図7参照)上に原姿勢で戻し、アーム先端31の着脱機構32と吸引具7の着脱部材72の結合を解消する。そして再び掬い具5による篩網11上への粉体の供給から上記工程を繰り返す。
【0021】
上記実施形態では掬い具以外に解砕具と吸引具を設けたが、解砕具と吸引具はいずれか一方のみを設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0022】
1…篩機、11…篩網、3…ロボットアーム、31…アーム先端、32…着脱機構、5…掬い具、51…本体、511…基端部、52…着脱部材、53…支持台、6…解砕具、61…本体、62…着脱部材、63…支持台、7…吸引具、71…本体、72…着脱部材、73…支持台、741…吸引管。
【要約】
【課題】篩機への被分別材の供給から後処理までの工程を自動化した自動分別装置を提供する。
【解決手段】分別用の篩機1の周辺に設置され、アーム先端31に着脱機構32を設けたロボットアーム3と、当該ロボットアーム3の周囲に設けた各支持台53,63,73に所定姿勢で置かれそれぞれに上記着脱機構32に着脱される着脱部材52,62,72を有する掬い具5、解砕具6および吸引具7と、ロボットアーム3の制御装置4とを備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12