(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記集計部への、前記第1検知装置で得られた情報と、前記基準検知装置で得られた情報の送信は、同じデータについて複数回行われる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の試験システム。
前記第1検知装置で得られた情報と、前記基準検知装置で得られた情報とが、異なるタイミングで、前記集計部に送信されるように、タイミング制御が行われる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の試験システム。
前記集計部は、前記第1検知装置で得られた情報と前記基準検知装置で得られた情報との差異と情報差異閾値との比較結果に基づいて、音の出力を行う、請求項1から請求項7のいずれかに記載の試験システム。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0030】
試験システム1は、検知部20(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)、基準検知部30、集計部50を備え、負荷部10(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)の異常検知を行うためなどに用いられる(
図1〜
図3参照)。
負荷部10と試験システム1を含めたものが、本実施形態における負荷試験装置である。
【0031】
方向を説明するために、水平方向(左右方向)をx方向とし、x方向に垂直な水平方向(前後方向)をy方向とし、x方向とy方向に垂直な方向(上下方向)をz方向として説明する。
図1において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ右方向、前方向、上方向と定義する。
【0032】
(負荷部10)
負荷部10は、1以上の負荷装置を有する。
1以上の負荷装置は、発電機などの試験対象電源の負荷試験を行う際に、通常使用時に当該試験対象電源と接続される負荷の代わりの負荷(疑似負荷)として用いられる。
【0033】
本実施形態では、試験対象電源が三相交流発電機であり、負荷部10として、y方向に並べられた3つの負荷装置(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)が用いられる例を説明する。
第1負荷装置A1は、試験対象電源のR相端子と接続され、第2負荷装置A2は、試験対象電源のS相端子と接続され、第3負荷装置A3は、試験対象電源のT相端子と接続される。
ただし、試験対象電源は、三相交流発電機に限るものではなく、単相交流発電機、直流発電機、バッテリーなどであってもよい。
また、負荷部10として設けられる負荷装置の数はこれに限るものではない。
【0034】
(第1負荷装置A1の構成)
次に、第1負荷装置A1の構成を説明する。
なお、第2負荷装置A2と第3負荷装置A3も、第1負荷装置A1と同じ構成を有する。
【0035】
第1負荷装置A1は、冷却部11、抵抗部13、操作部17、負荷装置用通信部19を有する。
冷却部11は、側面、下面などに吸気口が設けられ、吸気口を介して入り込んだ冷却風をz方向上方に送る。
抵抗部13は、冷却部11のz方向上方に配置される。
抵抗部13は、抵抗器を有し、抵抗器に電流が流れることにより、熱を発生する。
抵抗部13は、冷却部11からの冷却風により冷却される。
抵抗部13を通った冷却風は、z方向上方の排気口を介して、外部に排出される。
【0036】
なお、本実施形態では、冷却部11が下部に設けられ、抵抗部13が上部に設けられ、冷却風がz方向上方に排出される例を説明する。しかしながら、冷却部11と抵抗部13が水平方向に並べられ、冷却風が水平方向に排出されてもよい。
【0037】
冷却部11への電力供給は、商用電源から行われてもよいし、試験対象電源から行われてもよい。
抵抗部13への電力供給は、試験対象電源から行われる。
【0038】
操作部17は、第1負荷装置A1のオンオフ制御、抵抗部13の抵抗器への電力供給のオンオフ制御などのために使用される。
負荷装置用通信部19は、集計部50と通信を行う。
負荷装置用通信部19が、集計部50から停止指示信号を受信した場合には、試験対象電源から抵抗部13への電力供給が停止させられる。
【0039】
本実施形態では、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3のそれぞれが操作部17を有する例を説明する。しかしながら、操作部17は、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3のいずれかにだけ設けられて、当該1つの操作部17が、他の負荷装置のオンオフ制御、他の負荷装置の抵抗部13の抵抗器への電力供給のオンオフ制御などのために使用されてもよい。
【0040】
(検知部20)
検知部20は、1以上の検知装置を有する。
1以上の検知装置は、負荷部10の所定領域の温度などを検知するセンサーとして用いられる。
本実施形態では、検知部20として、3つの検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)が用いられる例を説明する。
第1検知装置B1は、第1負荷装置A1の近傍に取り付けられ、第2検知装置B2は、第2負荷装置A2の近傍に取り付けられ、第3検知装置B3は、第3負荷装置A3の近傍に取り付けられる。
すなわち、第3検知装置B3は、第1検知装置B1よりも第1負荷装置A1から離れた位置で、且つ第2検知装置B2よりも第2負荷装置A2から離れた位置に設けられる。
第2検知装置B2は、第1検知装置B1よりも第1負荷装置A1から離れた位置で、且つ第3検知装置B3よりも第3負荷装置A3から離れた位置に設けられる。
第1検知装置B1は、第2検知装置B2よりも第2負荷装置A2から離れた位置で、且つ第3検知装置B3よりも第3負荷装置A3から離れた位置に設けられる。
【0041】
(第1検知装置B1の構成)
次に、第1検知装置B1の構成を説明する。
なお、第2検知装置B2と第3検知装置B3も、第1検知装置B1と同じ構成を有する。
【0042】
第1検知装置B1は、負荷装置の冷却部11の吸気口に取り付けられる。
第1検知装置B1は、実測定センサー27と実測定センサー用通信部29を有する。
実測定センサー27は、冷却部11の吸気口の温度を検知する。
実測定センサー用通信部29は、集計部50と通信する。
実測定センサー27で検知した温度に関する情報は、実測定センサー用通信部29を介して、集計部50に送信される。
実測定センサー27と実測定センサー用通信部29は、1つの筐体に含まれても良いし、別体で構成されてもよい。
【0043】
冷却部11の冷却ファンが正常に動作し、抵抗部13を適切に冷却出来ている時は、実測定センサー27で検知した温度情報の温度と、後述する基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報の温度との差異が小さくなる可能性が高い。
冷却部11の冷却ファンが正常に動作せず、抵抗部13を適切に冷却出来ていない時は、実測定センサー27で検知した温度情報の温度と、基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報の温度との差異が大きくなる可能性が高い。
【0044】
(実測定センサー用通信部29の送信タイミング)
実測定センサー27は、第1時間t1(例えば、t1=1分)ごとに、冷却部11の吸気口の温度を検知する。
実測定センサー用通信部29は、検知した温度に関する情報を、検知した時間情報と実測定センサー27の識別情報(若しくは実測定センサー用通信部29の識別情報)と共に、集計部50に送信する。
【0045】
(基準検知部30)
基準検知部30は、負荷部10を構成する負荷装置(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)のそれぞれから離れた位置に設けられる。
具体的には、基準検知部30の基準センサー37は、第1検知装置B1の実測定センサー用通信部29よりも第1負荷装置A1から離れた位置であって、第2検知装置B2の実測定センサー用通信部29よりも第2負荷装置A2から離れた位置であって、第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29よりも第3負荷装置A3から離れた位置に設けられる。
【0046】
基準検知部30は、保持部31と、基準検知装置(基準センサー37、基準センサー用通信部39)を有する。
保持部31は、z方向に延びる棒状部材などで構成されたセンサー設置部31aと、センサー設置部31aを支える土台部31bを有する。
基準センサー37は、負荷部10の周囲の温度、すなわち、検知部20よりも負荷部10から離れた位置の温度を検知する。
基準センサー用通信部39は、集計部50と通信する。
基準センサー37で検知した温度に関する情報は、基準センサー用通信部39を介して、集計部50に送信される。
基準検知部30の基準検知装置、すなわち、基準センサー37と基準センサー用通信部39は、保持部31のセンサー設置部31aに取り付けられる。
基準センサー37と基準センサー用通信部39は、1つの筐体に含まれても良いし、別体で構成されてもよい。
【0047】
保持部31の基準センサー37が取り付けられる位置の高さは、負荷装置の実測定センサー27が取り付けられる位置の高さと同等に設定されるのが望ましい。これにより、基準検知装置の基準センサー37と、検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)の実測定センサー27とで、負荷装置からの距離に関する違い以外の検知条件を同等にすることが出来る。
【0048】
(基準センサー用通信部39の送信タイミング)
基準センサー37は、第1時間t1ごとに、負荷部10の周囲の温度を検知する。
基準センサー用通信部39は、検知した温度に関する情報を、検知した時間情報と基準センサー37の識別情報(若しくは基準センサー用通信部39の識別情報)と共に、集計部50に送信する。
【0049】
(通信手段)
実測定センサー用通信部29と集計部50の間、基準センサー用通信部39と集計部50の間、及び集計部50と負荷装置用通信部19の間で行われる無線通信の無線通信手段は、RFタグの通信方式が考えられる。また、当該無線通信手段は、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))、IEEE802.11(無線LAN)など、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するものでもよい。
【0050】
(送信のタイミング制御)
第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39が、異なるタイミングで、検知した温度情報を集計部50に送信するように、タイミング制御が行われるのが望ましい。
例えば、第1検知装置B1の実測定センサー用通信部29で集計部50への情報送信が行われてから第2時間t2(例えば、t2=1秒)経過してから、第2検知装置B2の実測定センサー用通信部29で集計部50への情報送信が行われる。
第2検知装置B2の実測定センサー用通信部29で集計部50への情報送信が行われてから第2時間t2経過してから、第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29で集計部50への情報送信が行われる。
第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29で集計部50への情報送信が行われてから第2時間t2経過してから、基準検知部30の基準センサー用通信部39で集計部50への情報送信が行われる。
【0051】
(送信の回数)
第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39は、同じデータ(同じ温度情報)を集計部50に対して、複数回送信する形態であってもよい。
【0052】
(検知装置で検知する情報)
本実施形態では、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー27、及び基準検知部30の基準センサー37が温度に関する情報を検知する例を説明した。
しかしながら、温度に関する情報と共に、若しくは温度に関する情報に代えて、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー27、及び基準検知部30の基準センサー37が他の情報を検知する形態であってもよい。
【0053】
例えば、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー27、及び基準検知部30の基準センサー37が、振動、音、湿度、気圧、空気中の二酸化炭素含有率、空気中の酸素含有率、空気中の特定物質の検出(例えば、焦げた物質の検出)の少なくとも1つを行う形態であってもよい。
これにより、湿度、振動など、温度以外の情報に基づいて、負荷部10の異常を検知することが可能になる。
【0054】
(集計部50)
集計部50は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39と通信を行うコンピューター、携帯端末などである。
【0055】
集計部50は、負荷部10を構成する負荷装置(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)のそれぞれから離れた位置に設けられる。
具体的には、集計部50は、第1検知装置B1の実測定センサー用通信部29よりも第1負荷装置A1から離れた位置であって、第2検知装置B2の実測定センサー用通信部29よりも第2負荷装置A2から離れた位置であって、第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29よりも第3負荷装置A3から離れた位置に設けられる。
【0056】
また、集計部50は、基準検知部30から離れた位置に設けられる。
具体的には、集計部50は、基準センサー用通信部39よりも保持部31から離れた位置に設けられる。
【0057】
集計部50は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29のそれぞれから送信された温度情報と時間情報と識別情報、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39から送信された温度情報と時間情報と識別情報を受信し、受信した信号の電波強度(受信信号強度)に関する情報とともに、記録する。
【0058】
なお、集計部50は、1つの筐体で構成されてもよい。しかしながら、集計部50は、中継部と本体部とで構成されてもよい。当該中継部は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3のそれぞれの実測定センサー用通信部29及び基準検知部30の基準センサー用通信部39から送信された温度情報などを受信する。当該本体部は、当該中継部からこれらの情報を受信する。
【0059】
また、集計部50は、検知部20の検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39から受信した情報(各センサー若しくは通信部の識別情報、温度情報、時間情報)、及びこれらの通信部から受信した信号の電波強度に関する情報に基づいて、所定の画面(第1画面P1、第2画面P2)を表示可能な情報を出力する。
出力は、ネットワークを介して他の情報端末に送信する形態であってもよいし、集計部50の表示部に表示する形態であってもよい。
また、出力が、ネットワークを介して他の情報端末に送信する形態である場合には、集計部50は表示部を有さない形態であってもよい。
【0060】
第1画面P1は、検知したセンサーの名称、検知したセンサー(若しくは通信部)の識別情報、検知した温度情報、検知した時間情報、及び通信部から受信した信号の電波強度に関する情報の関係を示す一覧表を有する(
図2参照)。
図2では、センサー名と識別番号を以下のように示す。
第1検知装置B1の実測定センサー27のセンサー名を「SB1」とし、センサー識別情報を「FA3E91AED074」とする。
第2検知装置B2の実測定センサー27のセンサー名を「SB2」とし、センサー識別情報を「DA7F031B3659」とする。
第3検知装置B3の実測定センサー27のセンサー名を「SB3」とし、センサー識別情報を「FECDC050AE1F」とする。
基準検知部30の基準センサー37のセンサー名を「SB4」とし、センサー識別情報を「E6E940AE352B」とする。
【0061】
電波強度に関する情報は、受信した信号の電波強度と所定の電波強度閾値との比較結果(第2比較結果)である。
例えば、受信した信号の電波強度が当該電波強度閾値以上である場合は、「強」で示され、受信した信号の電波強度が当該電波強度閾値未満である場合は、「弱」で示される。
ただし、受信した信号の電波強度に対応する数値、アンテナマーク(感度レベルが棒の増減などによって示されるもの)などが、電波強度に関する情報として用いられても良い。
【0062】
第1画面P1は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39から集計部50が受信した全ての情報を含む形態であってもよい。
ただし、実測定センサー用通信部29と基準センサー用通信部39の少なくとも一方が、同じデータを複数回送信する場合であって、2回以上同じデータを集計部50が受信した場合には、2回目以降に受信した重複データを第1画面P1に含めない形態であってもよい。
また、使用者が指定した条件に合うものだけが抽出されて第1画面P1のコンテンツを形成してもよい。
例えば、検知時間が19時20分から19時21分の間の情報だけが抽出されて第1画面P1のコンテンツを形成する形態が考えられる。
【0063】
図2は、集計部50が受信したデータの全てを第1画面P1のコンテンツに含めた例を示す。
具体的には、
図2は、第1検知装置B1の実測定センサー27(センサー名:SB1)が、検知時間:19時20分46秒に、検知した温度情報の温度が、それよりも前に検知した温度情報の温度よりも高い状態(45.02℃)の例を示す。
また、
図2は、第3検知装置B3の実測定センサー27(センサー名:SB3)が、検知時間:19時17分46秒に、検知した温度情報について、集計部50が重複して受信している例を示す。
また、
図2は、第3検知装置B3の実測定センサー27(センサー名:SB3)が、検知時間:19時20分49秒に、検知した温度情報を含む信号の電波強度が弱い状態の例を示す。
【0064】
第2画面P2は、検知部20の検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)の実測定センサー27、基準検知部30の基準センサー37、及び集計部50の位置関係と、特定の時間帯に含まれる検知の時間情報に対応する検知情報(温度情報、第1比較結果など)と電波受信状況(第2比較結果)を図示する(
図3参照)。
【0065】
第2画面P2は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー27のそれぞれの配置位置に対応する第1表示領域L01〜第3表示領域L03を有する。
第2画面P2は、基準検知部30の基準センサー37の配置位置に対応する第4表示領域L04を有する。
第2画面P2は、集計部50の配置位置に対応する第5表示領域L05を有する。
第2画面P2は、集計部50と、第1検知装置B1〜第3検知装置B3の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39との通信状態を示す第6表示領域L06を有する。
【0066】
第1表示領域L01〜第5表示領域L05は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3、基準検知部30、及び集計部50が並べられた配列と同じように並べられる。
従って、集計部50は、第1検知装置B1〜第3検知装置B3、基準検知部30、及び集計部50の配列に基づいて予め設定された、第1表示領域L01〜第5表示領域L05の第2画面P2上の配列を記録する。
【0067】
次に、第1表示領域L01の構成を説明する。
なお、第2表示領域L02と第3表示領域L03も、第1表示領域L01と同じ構成を有する。
【0068】
第1表示領域L01は、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知した温度情報を図示するマークを有する。
第1表示領域L01のマークは、温度情報に基づいて色、形、大きさの少なくとも1つが変化する。
具体的には、第1表示領域L01のマークは、第1検知装置B1の実測定センサー27で得られた温度情報と、基準検知装置の基準センサー37で得られた温度情報との差異の情報差異閾値との比較結果(第1比較結果)と、第1検知装置B1の実測定センサー27で得られた温度情報の情報閾値との比較結果(第3比較結果)とを示す。
【0069】
例えば、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知した温度情報の温度が第1温度閾値(情報閾値)TT1(例えば、TT1=40℃)未満の場合は、当該マークは白色の丸印で示され、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知した温度情報の温度が第1温度閾値TT1以上の場合は、当該マークは黒色の丸印で示される(第3比較結果)。
【0070】
また、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知した温度情報の温度と、基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報の温度との差異が、第2温度閾値(情報差異閾値)TT2(例えば、TT2=20℃)未満の場合は、当該マークは示されず、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知した温度情報の温度と、基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報の温度との差異が、第2温度閾値TT2以上の場合は、当該マークは黒色の星印で示される(第1比較結果)。
【0071】
第4表示領域L04は、基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報を図示するマークを有する。
第4表示領域L04のマークは、温度情報に基づいて色、形、大きさの少なくとも1つが変化する。
例えば、本実施形態では、基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報の温度が第1温度閾値TT1未満の場合は、当該マークは白色の丸印で示され、基準検知部30の基準センサー37で検知した温度情報の温度が第1温度閾値TT1以上の場合は、当該マークは黒色の丸印で示される(第3比較結果)。
【0072】
図3は、第1表示領域L01のマークが黒色の丸印と黒色の星印で表示され、第2表示領域L02のマークが黒色の丸印で表示され、第3表示領域L03と第4表示領域L04のマークが白色の丸印で表示された例を示す。
【0073】
この場合、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知された温度情報の温度が第1温度閾値TT1以上であって、基準検知部30の基準センサー37で検知された温度情報の温度との差異が第2温度閾値TT2以上である状態を示している。
また、第2検知装置B2の実測定センサー27で検知された温度情報の温度が第1温度閾値以上であって、基準検知部30の基準センサー37で検知された温度情報の温度との差異が第2温度閾値TT2未満である状態を示している。
また、第3検知装置B3の実測定センサー27で検知された温度情報の温度が第1温度閾値未満であって、基準検知部30の基準センサー37で検知された温度情報の温度との差異が第2温度閾値TT2未満である状態を示している。
また、基準検知部30の基準センサー37で検知された温度情報の温度が第1温度閾値TT1未満である状態を示している。
【0074】
なお、第1表示領域L01は、第1検知装置B1の実測定センサー27で検知した温度情報の温度の数値を示す領域を有してもよい。
また、第2表示領域L02は、第2検知装置B2の実測定センサー27で検知した温度情報の温度の数値を示す領域を有してもよい。
また、第3表示領域L03は、第3検知装置B3の実測定センサー27で検知した温度情報の温度の数値を示す領域を有してもよい。
また、第4表示領域L04は、基準検知装置の基準センサー37で検知した温度情報の温度の数値を示す領域を有してもよい。
【0075】
第5表示領域L05は、集計部50の外形を示すもので、本実施形態では、矩形形状で示される。
【0076】
第6表示領域L06は、第1検知装置B1と集計部50の間、第2検知装置B2と集計部50の間、第3検知装置B3と集計部50の間、及び基準検知部30と集計部50の間で、通信が行われていることを示すものであり、第1表示領域L01と第5表示領域L05の間の線、第2表示領域L02と第5表示領域L05の間の線、第3表示領域L03と第5表示領域L05の間の線、及び第4表示領域L04と第5表示領域L05の間の線を有する。
【0077】
また、第6表示領域L06は、第1検知装置B1と集計部50の間、第2検知装置B2と集計部50の間、第3検知装置B3と集計部50の間、及び基準検知部30と集計部50の間のうち、集計部50が受信する信号の電波強度が弱いものについて、対応する線の近傍に所定のマークが設けられる(第2比較結果)。
【0078】
図3は、第6表示領域L06が、第1表示領域L01と第5表示領域L05の間、第2表示領域L02と第5表示領域L05の間、第3表示領域L03と第5表示領域L05の間、及び第4表示領域L04と第5表示領域L05の間に、点線の矢印線が設けられた例を示す。
図3は、さらに、第6表示領域L06が、第3検知装置B3と集計部50の間で、集計部50が受信する信号の電波強度が弱いとして、第3表示領域L03と第5表示領域L05の間の点線の矢印線の上に所定のマーク(感嘆符)が設けられた例を示す。
【0079】
なお、第6表示領域L06が、第1負荷装置A1の負荷装置用通信部19と集計部50の間、第2負荷装置A2の負荷装置用通信部19と集計部50の間、及び第3負荷装置A3の負荷装置用通信部19と集計部50の間で、通信が行われていることを示す線、及びこれらの間の通信の電波強度が弱いものについて、所定のマークを有してもよい。
【0080】
また、第6表示領域L06の電波強度に関する情報の表示(第2比較結果の図示)は、所定のマークの表示のオンオフ制御に限るものではなく、別の方法で行われてもよい。
例えば、電波強度の強さに応じて表示領域間の線の太さを変える形態が考えられる。
【0081】
また、集計部50は、所定の画面(第1画面P1、第2画面P2)を表示可能な情報を出力する形態に加えて、若しくは、所定の画面(第1画面P1、第2画面P2)を表示可能な情報を出力する形態に代えて、検知部20の検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)の実測定センサー用通信部29、及び基準検知部30の基準センサー用通信部39から受信した情報に基づいて、異常があると判断した負荷装置の負荷装置用通信部19に、試験対象電源から当該負荷装置の抵抗部13への電力供給の停止を指示する信号(停止指示信号)を送信してもよい。
この場合、負荷装置用通信部19で、当該停止指示信号を受けた負荷装置では、遮断器(不図示)をオフ状態にするなどして、試験対象電源から抵抗部13への電力供給が停止される。
集計部50が負荷装置に異常があると判断する場合は、実測定センサー27で検知した温度情報の温度と、基準センサー37で検知した温度情報の温度との差異が、第2温度閾値TT2以上に大きい場合などである。
【0082】
(動作手順)
次に、動作手順について説明する。
試験対象電源がある領域の所定の位置に、負荷部10と検知部20と基準検知部30と集計部50が設置される。
なお、検知部20の実測定センサー27と実測定センサー用通信部29は、予め負荷部10を構成する負荷装置(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)のそれぞれに取り付けられていてもよい。
【0083】
本実施形態では、負荷部10の第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3は、y方向に並べられる。
第1負荷装置A1の抵抗部13は、試験対象電源のR相端子と接続され、第2負荷装置A2の抵抗部13は、試験対象電源のS相端子と接続され、第3負荷装置A3の抵抗部13は、試験対象電源のT相端子と接続される。
基準検知部30は、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3と離れた位置に配置される。
集計部50は、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3、及び基準検知部30から離れた位置に配置される。
【0084】
第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3の冷却部11の冷却ファンが駆動される。
試験対象電源から、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3への電力供給が開始される。
第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3の操作部17を使って、負荷量の調整、すなわち、抵抗部13の抵抗器への電力供給のオンオフ制御が行われる。
電力供給に基づいて抵抗部13の抵抗器が発熱する。
抵抗部13は、冷却部11からの冷却風で冷却され、抵抗部13で温められた冷却風は、z方向上方の排気口を介して排出される。
【0085】
検知部20の第1検知装置B1〜第3検知装置B3、及び基準検知部30がオン状態にされ、温度情報の検知、及び集計部50への送信が行われる。
【0086】
集計部50は、検知部20及び基準検知部30から、検知した温度情報と時間情報と識別情報を受信し、第1画面P1と第2画面P2を表示可能な情報を出力する。
また、集計部50は、検知した温度情報などから、異常があると判断した負荷装置の負荷装置用通信部19に、停止指示信号を送信する。
当該停止指示信号を受けた負荷装置は、遮断器(不図示)をオフ状態にするなどして、試験対象電源から抵抗部13への電力供給を停止させる。抵抗部13を十分に冷却するため、当該停止指示信号を受けた負荷装置の冷却部11の冷却ファンは、抵抗部13への電力供給を停止させてから第3時間t3(例えば、t3=10分)経過後に停止される。
【0087】
(効果)
無線通信により、複数の検知装置を含む検知部20で得られた情報を集計部50が受信するため、負荷部10を設置した領域での配線が容易で且つ、同じ時間帯に複数の情報を集計部50に集めることが可能になる。
【0088】
負荷部10の負荷装置(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)の近くに配置した検知部20の検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)の実測定センサー27と、負荷部10の負荷装置(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)から離れて配置した基準検知装置の基準センサー37とで得られた情報、これらの情報の差異に関する加工情報(第1比較結果)などが集計部50により出力される。
このため、抵抗部13の温度上昇など、試験対象部材(負荷部10)の状態変化が、試験対象部材(負荷部10)の異常に起因するものか、試験対象部材(負荷部10)の周囲の気温上昇など、試験対象部材(負荷部10)に起因しないものかについても使用者に認識させることが可能になる。
【0089】
また、検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)で得られた情報と、基準検知装置で得られた情報との差異と所定の情報差異閾値(第2温度閾値TT2)との比較の結果(第1比較結果)とともに、検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)で得られた情報と所定の情報閾値(第1温度閾値TT1)との比較の結果(第3比較結果)が、所定の画面(第2画面P2)に示される。
このため、第1比較結果(相対的な情報に基づく比較の結果)とともに、第3比較結果(絶対的な情報に基づく比較の結果)を認識させることが可能になる。
【0090】
また、所定の画面(第2画面P2)で電波強度が弱い部分の表示(第2比較結果の表示)を行って、電波強度の状況変化を使用者に認識させることができる。これにより、当該電波強度が弱くなった領域に人と物の少なくとも一方が浸入しているなど、かかる領域の状態の変化を使用者に知らせることが可能になる。
【0091】
検知装置それぞれが、同じ情報を複数回送信する場合には、複数回の送信のうち何れかを集計部50が受信することにより、センサーからの情報を受信し損ねる可能性を低くすることが出来る。
【0092】
検知装置それぞれが、タイミングをずらして送信する場合には、集計部50が複数の異なる情報を同じ時間帯に到達した情報について、同じ時刻に到達する場合に比べて、受信し損ねる可能性を低くすることが出来る。
【0093】
集計部50が送信した停止指示信号に基づいて、試験対象電源から停止対象の負荷装置の抵抗部13への電力供給を停止させることで、当該負荷装置で発生した異常に基づく故障の被害を最小限に抑えることが可能になる。
【0094】
(音による警告出力)
所定の画面の出力に加えて、特定の場合に音の出力が行われてもよい。
例えば、集計部50は、検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)のいずれかで得られた温度情報の温度が第1温度閾値TT1以上に高く、且つ当該検知装置で得られた温度情報の温度と基準検知装置で得られた温度情報の温度との差異が第2温度閾値TT2以上に高い場合に、警告音、当該検知装置に異常がある旨の音声などの出力を行う。
また、集計部50は、検知装置(第1検知装置B1〜第3検知装置B3)と基準検知装置のいずれかと、集計部50との間の電波強度が弱い状態が第4時間t4(例えば、t4=30秒)続いた場合に、警告音、電波強度が弱い状態が続いている旨の音声などの出力を行う。
音の出力(警告音、所定の音声などの出力)は、集計部50のスピーカー(不図示)が行う形態でもよいし、他の機器に行わせてもよい。
【0095】
これにより、画面表示だけの形態よりも、使用者に異常がある状態などを認識させやすく出来る。
【0096】
(比較対象の応用例)
なお、本実施形態では、第1検知装置B1〜第3検知装置B3で得られた温度情報などが、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3から離れた位置に配置された基準検知装置で得られた温度情報などと比較した結果(第1比較結果)に基づいて、第1画面P1と第2画面P2を表示可能な情報が出力される形態を説明した。
しかしながら、比較対象は、基準検知装置に限るものではない。
例えば、第1検知装置B1で得られた温度情報などが、第2検知装置B2で得られた温度情報などと比較した結果に基づいて、第1画面P1と第2画面P2を表示可能な情報が出力される形態であってもよい。
【0097】
(実測定センサー27の配置位置の応用例)
また、本実施形態では、実測定センサー27が、負荷装置の冷却部11の吸気口に設けられる例を説明する。
ただし、実測定センサー27を設置する場所は、当該吸気口の近傍に限るものではなく、他の箇所であってもよい。
例えば、負荷装置の抵抗部13の近傍に設けられても良い。
また、負荷装置に取り付ける実測定センサー27は、1つに限るものではなく、複数であってもよい。
例えば、実測定センサー27は、負荷装置の抵抗部13の上部と下部に設けられてもよい。
また、負荷装置の抵抗部13のうち、電力供給を行う抵抗器の切り替えを行うリレーのそれぞれの近傍に、実測定センサー27が設けられてもよい。
【0098】
(試験対象部材の応用例)
また、本実施形態では、集計部50が、負荷部10(第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3)から離れて配置される例を説明したが、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3のいずれかが集計部50を内蔵する形態であってもよい。
この場合、集計部50は、第1画面P1及び第2画面P2を表示する表示部を有する。
これにより、試験対象部材(負荷装置)に設けられた集計部50の表示部を見ることで、所定の画面(第1画面P1と第2画面P2のコンテンツ)を確認することが可能になる。
なお、この場合、第1負荷装置A1〜第3負荷装置A3のうち、集計部50を内蔵するものに対応する検知装置と、集計部50との間の通信は、無線ではなくて、有線で行われてもよい。
【0099】
また、保持部31に集計部50が取り付けられるなど、基準検知部30が集計部50を内蔵する形態であってもよい。
この場合、基準センサー用通信部39と集計部50との間の通信は、無線ではなくて、有線で行われてもよい。
【0100】
(試験対象部材の応用例)
また、本実施形態では、第1検知装置B1が取り付けられて温度情報などの検知情報を取得する対象(試験対象部材)が、発電機などの試験対象電源の負荷試験を行うために使用される負荷部10(第1負荷装置A1など)であるとして説明した。
しかしながら、試験対象部材は負荷部10に限るものではない。
例えば、試験対象部材として、発電装置などが考えられる。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。